説明

ヒートポンプ給湯機

【課題】ヒートポンプユニットの配電部の浸水・水没から、貯湯タンクユニット側の機能保護を行うことができるヒートポンプ給湯機を提供すること。
【解決手段】ヒートポンプユニット2と、貯湯タンクユニット1と、前記ヒートポンプユニット2と貯湯タンクユニット1とを接続する通信線3と、前記貯湯タンクユニット1下部に配設した水検知手段7とを備え、前記水検知手段7が水を検知すると、前記貯湯タンクユニット1から前記ヒートポンプユニット2への前記通信線3による電源供給を遮断する構成としたことを特徴とするヒートポンプ給湯機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットからなるヒートポンプ給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のヒートポンプ給湯機の貯湯タンクユニットは、過去のデータを鑑み、屋内設置用には、タンク内部からの漏水を検知するための手段を設けている。また、配電部を設置面より800mm以上の位置に設けている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−119359号公報
【特許文献2】特開平4−149329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の屋外設置用ヒートポンプ給湯機は、漏水は元より、外部からの浸水に対する検知手段は無く、ヒートポンプユニットは本来の形状より、配電部を貯湯タンクユニットの配電部と同等、またはそれ以上の位置に設けることは出来ない。
【0005】
また、一般的な設置環境からも、当該条件をカバーすることは困難である。そのため、大雨などによる一定量を超えた雨水などにより、ヒートポンプユニットの配電部が浸水・水没し、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットを繋ぐ通信線が短絡すると、ヒートポンプユニットのみならず、貯湯タンクユニット側の機能まで損なわれることとなってしまう。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ヒートポンプユニットの配電部の浸水・水没から、貯湯タンクユニット側の機能保護を行うことができるヒートポンプ給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプユニットと、貯湯タンクユニットと、前記ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットとを接続する通信線と、前記貯湯タンクユニット下部に配設した水検知手段とを備え、前記水検知手段が水を検知すると、前記貯湯タンクユニットから前記ヒートポンプユニットへの前記通信線による電源供給を遮断する構成としたことを特徴とするものである。
【0008】
これにより、ヒートポンプユニットの配電部浸水による通信線の短絡から、貯湯タンクユニット側の機能保護の実現を図ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ヒートポンプユニットの配電部の浸水・水没から、貯湯タンクユニット側の機能保護を行うことができるヒートポンプ給湯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ給湯機の全体図
【図2】同貯湯タンクユニットの下部詳細図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、ヒートポンプユニットと、貯湯タンクユニットと、前記ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットとを接続する通信線と、前記貯湯タンクユニット下部に配設した水検知手段とを備え、前記水検知手段が水を検知すると、前記貯湯タンクユニットから前記ヒートポンプユニットへの前記通信線による電源供給を遮断する構成としたことを特徴とするヒートポンプ給湯機である。
【0012】
これにより、ヒートポンプユニットの配電部浸水による通信線の短絡から、貯湯タンクユニット側の機能保護の実現を図ることができる。
【0013】
第2の発明は、前記水検知手段を、前記貯湯タンクユニットの漏水検知手段と共用する構成としたことを特徴とするものである。
【0014】
これにより、低コストで、ヒートポンプユニットの配電部浸水による通信線の短絡から、貯湯タンクユニット側の機能保護の実現を図ることができる。
【0015】
第3の発明は、リモコンを備え、前記水検知手段が水を検地したとき、前記リモコンの表示部に異常表示する構成としたことを特徴とするものである。
【0016】
これにより、使用者にその旨を報知できる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるヒートポンプ給湯機の構成図である。
【0019】
ヒートポンプ給湯機は、貯湯タンクユニット1とヒートポンプユニット2から構成され、同一設置面に設置されている。
【0020】
前述の2種のユニットは、通信線3で、電気回路的に、また、配管で、水(湯)回路的に接続されている。
【0021】
貯湯タンクユニット1は、配管にて給水・給湯先等と、また、リモコン線にてリモコン4と接続されている。
【0022】
図で示すように、貯湯タンクユニット1の配電部5は、設置面より800mm以上が確保できる位置に設けられている。
【0023】
しかし、ヒートポンプユニットの配電部6は、800mmは確保できず、本実施の形態では約550mmの位置に設けられている。
【0024】
水検知手段7の感応部は、貯湯タンクユニット1の下部、脚部近傍で、且つ、ヒートポンプユニット2の配電部6位置よりも、やや下部に位置するように設置されている。通信線3を通して、貯湯タンクユニット1と接続している。
【0025】
水検知手段7の感応部が、水を感知すると、貯湯タンクユニット1側から、ヒートポンプユニット側への電源供給は遮断される。
【0026】
そして、水検知手段7の感応部が、水を感知すると、貯湯タンクユニット1側から、ヒートポンプユニット2側への電源供給は遮断されると同時に、リモコン4表示部に異常を示す表示がされるように構成されている。
【0027】
図2は、屋内設置用貯湯タンクユニット1の下部、脚部近傍の構成図である。
【0028】
貯湯タンクユニット1が屋内設置用であるため、一般的に見て、ヒートポンプユニット2は、貯湯タンクユニット1より低い位置に設置される場合が多く、ヒートポンプ給湯機を構成する2種のユニットの配電部5、6間の高低差は開く傾向にある。
【0029】
また、貯湯タンクユニット1側からの漏水を検知し、設置環境へのダメージを防ぐために、漏水検知手段が設けられている。
【0030】
漏水検知手段には、貯湯タンクユニット1側からの漏水を検知する漏水検知手段の漏水感応部8と、戸外での浸水を検知する漏水検知手段の戸外浸水感応部9が設けられており、共用の通信線3を通して、貯湯タンクユニット1と接続しており、この漏水検知手段を水検知手段7として活用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のように、本発明にかかるヒートポンプ給湯機は、貯湯タンクユニットに、ヒートポンプユニットへの電源供給を遮断できる機能を持つヒートポンプ給湯機全般に利用できる。また、ヒートポンプ給湯機以外の熱源ユニットと貯湯タンクユニットから構成される給湯機への転用も可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 貯湯タンクユニット
2 ヒートポンプユニット
3 通信線
4 リモコン
5 配電部(貯湯タンクユニット側)
6 配電部(ヒートポンプユニット側)
7 水検知手段
8 漏水検知手段の漏水感応部
9 漏水検知手段の戸外浸水感応部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートポンプユニットと、貯湯タンクユニットと、前記ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットとを接続する通信線と、前記貯湯タンクユニット下部に配設した水検知手段とを備え、前記水検知手段が水を検知すると、前記貯湯タンクユニットから前記ヒートポンプユニットへの前記通信線による電源供給を遮断する構成としたことを特徴とするヒートポンプ給湯機。
【請求項2】
前記水検知手段を、前記貯湯タンクユニットの漏水検知手段と共用する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項3】
リモコンを備え、前記水検知手段が水を検地したとき、前記リモコンの表示部に異常表示する構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載のヒートポンプ給湯機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−2693(P2013−2693A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132967(P2011−132967)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)