説明

ヒートポンプ給湯機

【課題】本発明は、配管の各部に凍結防止ヒータを設置しなくても、複数の配管の凍結を効率よく防止することを目的とする。
【解決手段】ヒートポンプ給湯機の混合給湯配管5と四方弁31との間には、凍結予防バイパス配管40を接続する。また、凍結予防循環水路49を、貯湯タンク10の下部、給水配管2の一部、給水分岐配管4、給湯混合弁6、混合給湯配管5、凍結予防バイパス配管40、四方弁31、循環ポンプ21、ヒートポンプ入口配管41、沸上げ用熱交換器62、ヒートポンプ出口配管42、四方弁32及びタンク戻し配管44により構成する。そして、凍結予防運転の実行条件が成立した場合には、四方弁31をa−d経路に切換えると共に、第2の四方弁32をc−a経路に切換えた状態で、循環ポンプ21を作動させる。これにより、凍結予防循環水路49の各部位で水の凍結を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ給湯機に関し、特に、配管の凍結防止機能を備えたヒートポンプ給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、例えば特許文献1に記載されているように、凍結防止用のヒータを備えたヒートポンプ給湯機が知られている。従来技術では、寒冷地や冬季などの低温環境下で給湯機を使用する場合に、ヒータを作動させることにより、給水配管や給湯配管の凍結を防止するようにしている。
【0003】
また、他の従来技術として、特許文献2に記載されているように、貯湯タンクの上部に流入する温水を当該タンクの下部に戻すバイパス配管を備え、このバイパス配管を給水配管に接続する構成としたものも知られている。この従来技術では、バイパス配管を通るバイパス循環経路の一部と、給水配管とが共用されており、貯湯タンクから取出した温水をバイパス配管を介して給水配管に流通させることで、給水配管の凍結を防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−271102号公報
【特許文献2】特許第4368846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の従来技術では、ヒータのみで配管の凍結を防止しようとすると、凍結の可能性がある複数個所にヒータをそれぞれ配置する必要がある。この結果、ヒータの総消費電力が増加し、給湯機の経済性が損なわれるという問題がある。また、特許文献2の従来技術では、貯湯タンクから取出した温水をバイパス配管を介して給水配管に流通させることにより、給水配管の凍結を防止することは可能となるが、給水配管以外の他の配管(給湯配管や分岐配管)には温水が循環しない。このため、特許文献2の従来技術でも、温水が循環しない他の配管部分には凍結防止用のヒータを設ける必要が生じ、凍結防止用の消費電力が増加するという問題がある。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、配管の各部にそれぞれ凍結防止ヒータを設置しなくても、複数の配管の凍結を効率よく防止することができ、ヒータによる消費電力を削減して経済性を向上させることが可能なヒートポンプ給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るヒートポンプ給湯機は、温水を貯留する貯湯タンクと、貯湯タンク内の水を加熱する沸上げ用熱交換器と、一端側が貯湯タンクの下部に接続され、他端側が沸上げ用熱交換器を経由して貯湯タンクの上部に接続された沸上げ用配管と、沸上げ用配管に設けられ、貯湯タンクの下部から取出した水を沸上げ用熱交換器を経由して貯湯タンクの上部に戻す循環ポンプと、貯湯タンクの下部に給水する給水配管と、給水配管から分岐した給水分岐配管と、貯湯タンクの上部から取出した高温水と給水分岐配管から給水される低温水とを混合し、湯温を調整した温水を生成する混合弁と、混合弁により温度が調整された温水を外部に供給する混合給湯配管と、一端側が混合給湯配管から分岐し、他端側が沸上げ用熱交換器及び循環ポンプの上流側で沸上げ用配管に接続された凍結予防バイパス配管と、凍結予防バイパス配管を開,閉する開閉手段と、開閉手段により凍結予防バイパス配管を開通させ、循環ポンプを駆動することにより、貯湯タンクの下部から取出した水を、少なくとも給水配管、給水分岐配管、混合給湯配管、凍結予防バイパス配管及び沸上げ用配管の一部を含む凍結予防循環水路に流通させる凍結予防運転を実行する凍結予防制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、少なくとも沸上げ用配管、給水配管、給水分岐配管、混合給湯配管等を含む複数の配管や弁、ポンプ等により凍結予防循環水路を構成し、凍結の可能性がある温度環境では、凍結予防循環水路に水を流して各部の凍結を予防することができる。従って、配管の各部にそれぞれ凍結防止ヒータを設置しなくても、1つの凍結予防循環水路により多数の配管の凍結を容易に防止することができ、ヒータによる消費電力を削減して経済性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1において、ヒートポンプ給湯機の構成を示す全体構成図である。
【図2】ヒートポンプ給湯機の待機状態を示す動作説明図である。
【図3】ヒートポンプ給湯機の立上げ運転を示す動作説明図である。
【図4】ヒートポンプ給湯機の沸上げ単独運転を示す動作説明図である。
【図5】ヒートポンプ給湯機の追焚き運転を示す動作説明図である。
【図6】ヒートポンプ給湯機の給湯運転を示す動作説明図である。
【図7】ヒートポンプ給湯機の凍結予防運転を示す動作説明図である。
【図8】ヒートポンプ配管の凍結予防運転を示す動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、図1乃至図8を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。なお、各図においては、共通する要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略するものとする。図1は、本発明の実施の形態1において、ヒートポンプ給湯機の構成を示す全体構成図である。本実施の形態による給湯機は、後述の各種部品や配管などが内蔵されたタンクユニット1と、ヒートポンプユニット60とを備えている。これらのユニット1,60は、ヒートポンプ入口配管41及びヒートポンプ出口配管42により相互に接続されている。
【0011】
まず、ヒートポンプユニット60について説明すると、ヒートポンプユニット60は、タンクユニット1から導入された低温水を加熱するものである。ヒートポンプユニット60は、圧縮機61、沸上げ用熱交換器62、膨張弁63、空気熱交換器64、冷媒循環配管65等の機器を備えている。これらの機器は、冷媒循環配管65を用いて環状に接続され、冷凍サイクルを構成している。この冷凍サイクルの一例を挙げると、二酸化炭素を冷媒とする超臨界ヒートポンプサイクル等が挙げられる。ヒートポンプユニット60は、冷媒として二酸化炭素を用いているので、電熱ヒータを使用しなくても、タンクユニット1から導入される低温水を約90℃の高温まで沸上げることができる。
【0012】
沸上げ用熱交換器62は、タンクユニット1から導入された低温水と、冷媒循環配管65を流れる冷媒との間で熱交換を行うものである。これにより、沸上げ用熱交換器62は、後述する貯湯タンク10内の水を加熱する(沸上げる)ことができる。沸上げ用熱交換器62は、タンクユニット1から沸上げ用熱交換器62に低温水を流入させる水流入口と、沸上げ用熱交換器62から外部に水を流出させる水流出口とを備えている。
【0013】
また、ヒートポンプユニット60は、HP出口側サーミスタ66、HP入口サーミスタ67及び外気温サーミスタ69を備えている。HP出口側サーミスタ66は、ヒートポンプ出口配管42に設けられ、沸上げ用熱交換器62により加熱した高温水(ヒートポンプ出口配管42を流れる高温水)の温度を検出する。HP入口サーミスタ67は、ヒートポンプ入口配管41に設けられ、沸上げ用熱交換器62に流入する低温水(ヒートポンプ入口配管41を流れる低温水)の温度を検出する。また、外気温サーミスタ69は、ヒートポンプユニット60の周囲の外気温度を検出する。これらのサーミスタ66,67,69は、後述のように給湯機の雰囲気温度を検出する温度センサを構成している。
【0014】
次に、タンクユニット1の構成について説明する。タンクユニット1は、温水を貯留する貯湯タンク10を備えている。貯湯タンク10は、ヒートポンプユニット60により加熱した高温水がタンクの上部から流入し、給水等により得られる低温水がタンクの下部から流入するように構成されている。これにより、貯湯タンク10には、タンク内の上部と下部とで温度差が生じるように温水が貯留される。また、貯湯タンク10の上部表面と下部表面には、貯湯タンク10内の温水の温度分布を検出するための残湯サーミスタ11,12が設けられている。
【0015】
また、タンクユニット1は、給水配管2、給湯配管3、給水分岐配管4、混合給湯配管5、給湯混合弁6等を備えている。給水配管2は、水道管から分岐して貯湯タンク10の下部に接続されたもので、貯湯タンク10に水道水を常時供給する。市水からの供給圧力は地域により異なるので、給水配管2の途中には減圧弁7が接続されており、減圧弁7は、貯湯タンク10に印加する圧力を一定値以下に保持している。給湯配管3は、貯湯タンク10の上部側に貯留された高温水を取出すもので、その一端側は貯湯タンク10の上部に接続されている。また、給湯配管3の他端側は、給湯混合弁6のbポートに接続されている。給水分岐配管4は、一端側が給水配管2の途中から分岐し、他端側が給湯混合弁6のaポートに接続されている。混合給湯配管5は、給湯混合弁6により温度が調整された温水を外部の供給先(蛇口80やシャワー等)に供給するもので、その一端側は給湯混合弁6のcポートに接続されている。
【0016】
給湯混合弁6は、給湯配管3から供給される高温水と、給水分岐配管4から供給される低温水とを混合しつつ、両者の流量比を調整することにより、温度を調整した温水を生成し、この温水を混合給湯配管5に供給するものである。給湯混合弁6は、電磁駆動式の三方弁等により構成され、後述の制御部70により制御される。また、給湯混合弁6は、例えば低温水の流量を最大に設定して高温水の流量を最小に設定することにより低温水の温度で給湯を行う機能や、逆に、高温水の流量を最大に設定して低温水の流量を最小に設定することにより高温水の温度で給湯を行う機能を備えている。また、混合給湯配管5には、混合給湯配管5を介して外部に供給される温水の流量(給湯流量)を検出する給湯流量センサ8と、混合給湯配管5を流れる温水の温度を検出する給湯配管サーミスタ9とが設けられている。給水配管2には、給水温度を検出する給水配管サーミスタ15が設けられている。給水配管サーミスタ15は、給水配管2の水温が最も低くなる部分に取付けることが望ましい。
【0017】
一方、タンクユニット1には、貯湯タンク10の上部から取出した高温水やヒートポンプユニット60により加熱した高温水を利用して、例えば浴槽水、暖房用循環水等の加熱対象水を加熱する利用側熱交換器22が設けられている。なお、本実施の形態では、浴槽50に貯留された浴槽水を加熱対象水とする場合を例示している。利用側熱交換器22の1次側には、後述の利用側熱交換器1次側入口配管45及び利用側熱交換器1次側出口配管46が接続されている。利用側熱交換器22の2次側には、浴槽水が循環する2次側循環配管51が接続されている。2次側循環配管51には、浴槽水を循環させる2次側循環ポンプ52と、浴槽50から流出した浴槽水の温度をタンクユニット1の内部となる位置で検出する浴槽出口側サーミスタ53とが設けられている。
【0018】
次に、ヒートポンプ給湯機に搭載された沸上げ用配管39と、沸上げ用配管39に設けられた各機器について説明する。沸上げ用配管39は、一端側が貯湯タンク10の下部に接続され、他端側が沸上げ用熱交換器62を経由して貯湯タンク10の上部に接続されている。即ち、沸上げ用配管39は、貯湯タンク10の下部から取出した水を沸上げ用熱交換器62を経由して貯湯タンク10の上部に戻すための循環路であり、ヒートポンプ入口配管41、ヒートポンプ出口配管42、タンク上部配管43及びタンク下部配管48により構成されている。沸上げ用配管39の途中には、循環ポンプ21と、第1,第2の四方弁31,32と、沸上げ用熱交換器62とが設けられている。
【0019】
循環ポンプ21は、沸上げ用配管39に温水(水)を循環させるためのポンプであり、制御部70により制御される。循環ポンプ21は、タンクユニット1内でヒートポンプ入口配管41の途中に接続され、沸上げ用熱交換器62に流入する水の流れ方向において、第1の四方弁31の下流側となり、かつ、沸上げ用熱交換器62(及び後述のヒートポンプバイパス配管47)の上流側となる位置に配置されている。この配置により、循環ポンプ21は、四方弁31,32の切換位置に応じて他の流路に温水を循環させるポンプとしても用いられる。即ち、単一の循環ポンプ21を用いて、後述の立上げ運転、沸上げ単独運転、追焚き運転及び凍結予防運転を実行することができる。
【0020】
四方弁31,32は、本実施の形態における第1,第2の制御弁として、制御部70により切換制御されるもので、それぞれ、aポート、bポート、cポート及びdポートを備えている。詳しく述べると、第1の四方弁31は、3つの流入ポート(aポート、bポート及びcポート)と、1つの流出ポート(dポート)とを有し、流入ポートの何れかを流出ポートと連通させる。即ち、四方弁31は、水の流路を、a−d経路、b−d経路及びc−d経路の何れかに切換えることができる。また、四方弁31は、連通させた1組のポートを除いて他のポートを閉塞状態に保持する。一例を挙げると、四方弁31がa−d経路に切換えられた場合には、aポートとdポートとが相互に連通し、bポート及びcポートは閉塞される。
【0021】
そして、四方弁31のaポートは、後述の凍結予防バイパス配管40を介して給湯混合配管5に接続され、bポートは、タンク下部配管48を介して貯湯タンク10の下部に接続されている。また、四方弁31のcポートは、利用側熱交換器1次側出口配管46を介して利用側熱交換器22の下流側に接続され、dポートは、ヒートポンプ入口配管41及び循環ポンプ21を介して沸上げ用熱交換器62の水流入口に接続されている。
【0022】
一方、第2の四方弁32は、2つの流入ポート(bポート及びcポート)と、2つの流出ポート(aポート及びdポート)とを有し、流入ポートの何れかと流出ポートの何れかとを連通させる。即ち、四方弁32は、水の流路を、b−a経路、b−d経路、c−a経路、c−d経路の何れかに切換えることができる。また、四方弁32は、連通させた1組のポートを除いて他のポートを閉塞状態に保持する。一例を挙げると、四方弁32がb−a経路に切換えられた場合には、aポートとbポートとが相互に連通し、cポート及びdポートは閉塞される。なお、各四方弁31,32のaポート、bポート、cポート及びdポートは、請求項2における第1,第2の制御弁の第1ポート、第2ポート、第3ポート及び第4ポートに対応している。
【0023】
そして、四方弁32のaポートは、タンク戻し配管44を介して貯湯タンク10の中間部から下部までの間の所定部位に接続されている。なお、タンク戻し配管44とタンク下部配管48とは、互いに異なる位置で貯湯タンク10に接続されている。また、四方弁32のbポートは、ヒートポンプバイパス配管47を介してヒートポンプ入口配管41に接続され、この接続部は、沸上げ用熱交換器62に流入する水の流れ方向において、循環ポンプ21の下流側となり、かつ、沸上げ用熱交換器62の上流側となる位置(循環ポンプ21と沸上げ用熱交換器62との間)に配置されている。四方弁32のcポートは、ヒートポンプ出口配管42を介して沸上げ用熱交換器62の水流出口に接続され、dポートは、タンク上部配管43を介して貯湯タンク10の上部に接続されている。
【0024】
また、利用側熱交換器1次側入口配管45は、一端側がタンク上部配管43から分岐し、他端側が利用側熱交換器22の1次側の流入口に接続されている。利用側熱交換器1次側出口配管46は、一端側が利用側熱交換器22の1次側の流出口に接続され、他端側が四方弁31のcポートに接続されている。なお、タンク上部配管43は、給湯配管3から分岐させ、給湯配管3と四方弁32のdポートとを接続する構成としてもよい。
【0025】
(凍結防止バイパス配管)
次に、本発明の特徴事項である凍結予防バイパス配管40について説明する。まず、貯湯タンク10には、上部から積層式に高温水が貯留されるため、タンクの上部には高温水が滞留し、下部には低温水が滞留した状態となる。貯湯タンク10の下部の温度が低い場合には、タンクユニット1の下部に配置されている配管(例えば、給水配管2、給水分岐配管4、混合給湯配管5等)が低温となり易いので、特に寒冷地や冬季等においては、これらの配管が凍結する危険性がある。また、タンクユニット1とヒートポンプユニット60を接続するヒートポンプ入口配管41及びヒートポンプ出口配管42は、外気にさらされるため凍結し易い。
【0026】
このため、本実施の形態では、タンクユニット1の下部側で混合給湯配管5と沸上げ用配管39とを接続する凍結予防バイパス配管40を設け、四方弁31,32の切換位置に応じて混合給湯配管5から沸上げ用配管39に凍結予防用の温水を循環させる構成としている。詳しく述べると、凍結予防バイパス配管40は、一端側が混合給湯配管5から分岐し、他端側が沸上げ用熱交換器62及び循環ポンプ21の上流側で四方弁31のaポートに接続されている。即ち、凍結予防バイパス配管40の他端側は、四方弁31を介して沸上げ用配管39(ヒートポンプ入口配管41とタンク下部配管48との接続部)に接続されている。この構成において、四方弁31は、凍結予防バイパス配管40を沸上げ用配管39に対して開,閉する開閉手段を構成している。なお、本発明では、開閉手段を四方弁31とは別の弁機構により構成し、この弁機構を凍結予防バイパス配管40の途中や一端側に配置してもよい。
【0027】
また、凍結予防バイパス配管40の一端側は、タンクユニット1内で給湯混合弁6から出来るだけ離れた位置(タンクユニット1から外部に引出された混合給湯配管5の引出し部位に出来るだけ近い位置)で混合給湯配管5に接続されている。これにより、ヒートポンプ給湯機の凍結予防運転時には、混合給湯配管5のうち凍結予防バイパス配管40の上流側に位置する部分の配管長を出来るだけ長く確保して、この部分に凍結予防用の温水を循環させることができる。なお、凍結予防運転については、他の運転と共に後述する。
【0028】
一方、タンクユニット1には、給湯機の作動状態を制御する制御部70が搭載されている。制御部70の入力側には、給湯配管サーミスタ9、残湯サーミスタ11,12、給水配管サーミスタ15、HP出口側サーミスタ66、HP入口サーミスタ67及び外気温サーミスタ69等の温度センサと、給湯流量センサ8とが接続されている。また、制御部70の出力側には、給湯混合弁6、循環ポンプ21、四方弁31,32、2次側循環ポンプ52等が接続されている。制御部70は、上記各センサの出力や図示しないリモコンの設定内容等に基いて、以下に述べる立上げ運転、沸上げ単独運転、追焚き運転、給湯運転及び凍結予防運転を必要に応じて実行する。なお、制御部70は、本実施の形態の凍結予防制御手段を構成している。
【0029】
(待機状態)
図2は、ヒートポンプ給湯機の待機状態を示す動作説明図である。待機状態とは、後述する各種運転の何れも実行していない状態を示している。この図に示すように、待機状態では、まず、第1の四方弁31をb−d経路に保持し、aポート及びcポートを閉塞状態とする。即ち、四方弁31によりタンク下部配管48とヒートポンプ入口配管41とを連通させると共に、利用側熱交換器1次側出口配管46と凍結予防バイパス配管40とを閉じた状態とし、利用側熱交換器22と混合給湯配管5からの流路を遮断する。
【0030】
また、待機状態では第2の四方弁32をc−a経路に保持し、bポート及びdポートを閉塞状態とする。即ち、ヒートポンプ出口配管42とタンク戻し配管44とを連通させると共に、タンク上部配管43とヒートポンプバイパス配管47を閉じた状態とする。なお、待機状態では、循環ポンプ21、ヒートポンプユニット60及び2次側循環ポンプ52の全てが停止状態に保持される。
【0031】
(立上げ運転)
図3は、ヒートポンプ給湯機の立上げ運転を示す動作説明図である。なお、以下の図面では、配管を流れる温水(水)の流路を太線で示すものとする。ヒートポンプユニット60は、その動作特性上、起動時から所定の出力が得られるまでに相応の時間が必要となる。このため、立上げ運転は、沸上げ単独運転を開始する前に実行される。立上げ運転では、四方弁31,32を待機状態と同様の切換位置に保持した状態で、循環ポンプ21とヒートポンプユニット60を作動させる。これにより、貯湯タンク10の下部から低温水が流出すると、この低温水は、タンク下部配管48、第1の四方弁31、循環ポンプ21及びヒートポンプ入口配管41を経由してヒートポンプユニット60に流入し、ヒートポンプユニット60により加熱されて高温水となる。そして、この高温水は、ヒートポンプユニット60から流出し、ヒートポンプ出口配管42、第2の四方弁32及びタンク戻し配管44を経由して貯湯タンク10の中間部から下部に戻される。
【0032】
上記立上げ運転によれば、ヒートポンプユニット60が起動されてから所定の出力に到達するまでに沸上げた中途半端な温度の温水は、貯湯タンク10の中間部から下部までの間の所定部位に戻される。これにより、沸上げ単独運転の開始時には、貯湯タンク10の上部に中間温度の温水を流入させずに済むので、貯湯タンク10内の湯温分布を安定させることができる。また、立上げ運転には、利用側熱交換器22に対する温水の循環が遮断されるので、浴槽水との熱交換は実行されない。
【0033】
(沸上げ単独運転)
図4は、ヒートポンプ給湯機の沸上げ単独運転を示す動作説明図である。沸上げ単独運転とは、ヒートポンプユニット60により貯湯タンク10内の水を沸上げるもので、制御部70は、残湯サーミスタ11,12の検出温度に基いて貯湯タンク10内の残湯量を検出し、この検出結果に基いて高温水の残留量が少ないと判断したときに、沸上げ単独運転を実行する。沸上げ単独運転時には、第1の四方弁31がb−d経路に切換えられ、そのaポート及びcポートが閉塞状態となる。また、第2の四方弁32がc−d経路に切換えられ、そのaポート及びbポートが閉塞状態となる。そして、循環ポンプ21とヒートポンプユニット60とを作動させる。
【0034】
これにより、貯湯タンク10の下部から低温水が流出すると、この低温水は、タンク下部配管48、第1の四方弁31、循環ポンプ21及びヒートポンプ入口配管41を経由してヒートポンプユニット60に流入し、ヒートポンプユニット60により加熱されて高温水となる。そして、この高温水は、ヒートポンプユニット60から流出し、ヒートポンプ出口配管42、第2の四方弁32及びタンク上部配管43を経由して貯湯タンク10の上部に戻される。この沸上げ単独運転によれば、貯湯タンク10内の上層部に高温水を貯留しつつ、高温水層を徐々に厚くすることができる。
【0035】
(追焚き運転)
図5は、ヒートポンプ給湯機の追焚き運転を示す動作説明図である。追焚き運転では、図2に示す待機状態から、第1の四方弁31をc−d経路に切換えると共に、第2の四方弁32をb−a経路に切換える。そして、循環ポンプ21と浴槽水循環ポンプ52とを作動させる。これにより、貯湯タンク10の上部から取出された高温水は、タンク上部配管43、利用側熱交換器22の1次側及び利用側熱交換器1次側出口配管46を流通し、このときに利用側熱交換器22内で浴槽水と熱交換することにより、浴槽水を加熱する。そして、浴槽水を加熱することで温度が低下した温水は、第1の四方弁31及び循環ポンプ21を経由してヒートポンプ入口配管41に流入する。しかし、第2の四方弁32のc、dポートは閉塞されているので、ヒートポンプ入口配管41に流入した温水は、その一部を流れた後にヒートポンプバイパス配管47に流入し、第2の四方弁32及びタンク戻し配管44を経由して貯湯タンク10の中間部から下部までの間の所定部位に戻される。
【0036】
一方、浴槽50側では、2次側循環ポンプ52が作動するので、浴槽に貯留された湯水は、2次側循環配管51を経由して利用側熱交換器22の2次側を循環し、1次側を流れる高温水により加熱(追焚き)される。このように、追焚き運転によれば、貯湯タンク10に貯留した高温水を利用して浴槽水を追焚きすることができる。
【0037】
(給湯運転)
図6は、ヒートポンプ給湯機の給湯運転を示す動作説明図である。給湯運転では、給湯機のユーザが蛇口80を開いた場合に、リモコン等で予め設定された設定温度(例えば、40℃)となるように湯温を調整した温水を蛇口80に供給する。具体的には、まず、ユーザが蛇口80を開いて給湯混合弁6から混合給湯配管5に温水が流入すると、制御部70は、給湯流量センサ8により検出した温水の流量(給湯流量)が所定の給湯判定流量以上となった場合に、「給湯動作あり」と判定し、給湯混合弁6の制御を開始する。この制御では、貯湯タンク10の上部から給湯配管3を経由して取出された高温水(約65〜90℃)と、給水配管2から給水分岐配管4を経由して取出された低温水とを給湯混合弁6の内部で混合させる。このとき、制御部70は、給湯混合弁6を制御して高温水と低温水の混合比率を調整しつつ、給湯配管サーミスタ9により検出される混合後の湯温が前記設定温度となるようにフィードバック制御を実行する。これにより、ユーザは、所望の温度に調整された温水を蛇口80から得ることができる。
【0038】
(凍結予防運転)
次に、図7は、ヒートポンプ給湯機の凍結予防運転を示す動作説明図である。凍結予防運転では、図2に示す待機状態から、第1の四方弁31をa−d経路に切換えると共に、第2の四方弁32をc−a経路に切換える。一方、利用側熱交換器1次側出口配管46、ヒートポンプバイパス配管47、タンク下部配管48は、四方弁31,32により凍結予防循環水路49から遮断された状態となる。これにより、ヒートポンプ給湯機には、図7に示すように、貯湯タンク10の下部を起点として凍結予防用の水を循環させる凍結予防循環水路49が形成される。
【0039】
即ち、凍結予防循環水路49は、貯湯タンク10の下部を起点として、給水配管2の一部、給水分岐配管4、給湯混合弁6、混合給湯配管5、凍結予防バイパス配管40、第1の四方弁31、循環ポンプ21、ヒートポンプ入口配管41、沸上げ用熱交換器62、ヒートポンプ出口配管42、第2の四方弁32及びタンク戻し配管44を経由して貯湯タンク10の中間部から下部までの間の所定部位に戻る水路である。なお、凍結予防循環水路49には、貯湯タンク10内の下部側も含まれている。このように、凍結予防循環水路49が形成された状態で、循環ポンプ21を作動させると、貯湯タンク10の下部から水が流出し、この水は凍結予防循環水路49を流通した後に、貯湯タンク10に戻される。
【0040】
また、凍結予防運転では、給湯配管3から混合給湯配管5に供給される高温水の流量比率に対して、給水分岐配管4から混合給湯配管5に供給される低温水の流量比率の方が大きくなるように(好ましくは、低温水の流量比率が最大となり、高温水の流量比率が最小となるように)、給湯混合弁6が制御される。このとき、高温水の流量比率は、例えば凍結予防循環水路49を循環する水の温度を氷点下まで低下させないような最小限の流量に設定される。これにより、貯湯タンク10の下部から流出した水は、給湯混合弁6により少量の高温水を混合された状態で、凍結予防循環水路49を循環する。この構成によれば、凍結予防循環水路49を循環させる水の温度を凍結しない程度の低温に保持することができる。従って、水の凍結を防止しつつ、凍結防止に消費されるエネルギを最低限に抑制することができる。
【0041】
次に、凍結予防運転の実行条件について説明する。凍結予防運転は、以下の条件(1),(2)の両方が成立した場合に実行される。
【0042】
(1)給湯機の雰囲気温度が所定の凍結危険温度以下まで低下した場合
ここで、給湯機の雰囲気温度とは、例えばサーミスタ66,67により検出したヒートポンプ入口配管41及びヒートポンプ出口配管42の温度、給水配管サーミスタ15により検出した給水配管2の温度、給湯配管サーミスタ9により検出した混合給湯配管5の温度、外気温サーミスタ69により検出した外気温のうち、少なくとも1つの温度を意味している。また、凍結危険温度とは、上記各配管中に流通(滞留)する水が凍結する可能性のある温度である。給湯機の雰囲気温度が凍結危険温度よりも高い場合には、凍結予防用の水を循環させなくても、配管中の水が凍結しないと考えられるので、凍結予防運転を実行しない。
【0043】
(2)給湯運転中ではない場合
制御部70は、混合給湯配管5を流れる温水の流量(給湯流量)を給湯流量センサ8により検出する。そして、給湯流量が所定の給湯判定流量以上である場合には、給湯運転中(給湯あり)と判定し、給湯流量が前記給湯判定流量未満である場合には、給湯運転中ではない(給湯なし)と判定する。給湯判定流量は、例えば給湯流量センサ8の誤差等を考慮した最小限の流量に設定される。給湯運転中には、配管中を流れる温水が凍結してないと考えられるので、凍結予防運転を実行しない。なお、給湯判定流量は、零に設定してもよいし、必要に応じて数リットル程度の値に設定してもよい。
【0044】
即ち、制御部70は、給湯機の雰囲気温度が凍結危険温度以下であって、かつ、給湯流量が給湯判定流量未満である場合に、凍結予防運転を実行する。そして、凍結予防運転が実行されると、貯湯タンク10の下部から流出した低温水は、給水配管2の一部、給水分岐配管4、給湯混合弁6、混合給湯配管5、凍結予防バイパス配管40、第1の四方弁31、循環ポンプ21、ヒートポンプ入口配管41、沸上げ用熱交換器62、ヒートポンプ出口配管42、第2の四方弁32及びタンク戻し配管44を経由して貯湯タンク10に戻される。この低温水は、給湯混合弁6により少量の高温水が混合されるので、凍結しない程度の温度を維持しつつ、凍結予防循環水路49を流通する。
【0045】
一方、凍結予防運転の実行中に、給湯流量が前記給湯判定流量以上となった場合には、その時点で凍結予防運転を停止し、通常の給湯運転を開始する。具体例を挙げると、制御部70は、例えば凍結予防運転中に給湯流量が毎分3リットルから毎分5リットルに変化した場合に、蛇口80を開く(または蛇口80の開度を増加させる)動作が行われたと判断する。この場合、制御部70は、循環ポンプ21を停止し、かつ、凍結予防用の水の流れを停止するために第1の四方弁31をa−d経路からb−d経路に切換えて、aポート及びcポートを閉塞状態とする。これにより、図6に示すように、凍結予防バイパス配管40を遮断し、給湯運転を開始することができる。
【0046】
以上詳述した通り、本実施の形態によれば、タンクユニット1の下部側に配置されたり、外気に晒されることで凍結し易い複数の配管や、弁31,32、ポンプ21等により凍結予防循環水路49を構成することができる。そして、凍結の可能性がある温度環境では、凍結予防運転を実行することにより、凍結予防循環水路49に水(温水)を流し続けることができ、凍結予防循環水路49の各部で凍結を予防することができる。従って、配管の各部にそれぞれ凍結防止ヒータを設置しなくても、1つの凍結予防循環水路49により多数の配管の凍結を効率よく防止することができ、ヒータによる消費電力を削減して経済性を向上させることができる。
【0047】
しかも、本実施の形態では、タンクユニット1に凍結予防バイパス配管40を設置するだけで、1つの循環ポンプ21と2つの四方弁31,32とを利用して、凍結予防循環水路49を構成することができる。このため、既存のヒートポンプ給湯機に対して、比較的小さな設計変更を行うだけで、多数の配管の凍結防止機能を実現することができる。
【0048】
また、本実施の形態では、混合給湯配管5による給湯流量が所定の給湯判定流量未満である場合にのみ、凍結予防運転を実行することができる。そして、凍結予防運転中であっても、ユーザが給湯動作を行った場合には、凍結予防運転から給湯運転へと速やかに移行することができる。従って、給湯機能を使用するユーザの利便性を損なうことなく、凍結予防運転を実行することができる。
【0049】
一方、本実施の形態では、上述した凍結予防運転だけでなく、ヒートポンプ入口配管41及びヒートポンプ出口配管42を対象とした他の凍結予防運転(以下、ヒートポンプ配管の凍結予防運転と称す)も実行することができる。図8は、ヒートポンプ配管の凍結予防運転を示す動作説明図である。この凍結予防運転は、前述の凍結予防運転と同様に実行されるが、第1の四方弁31をa−d経路ではなく、b−d経路に切換える点で、前述の凍結予防運転と異なっている。この状態で、循環ポンプ21を作動させると、貯湯タンク10の下部から流出する低温水は、タンク下部配管48、第1の四方弁31、循環ポンプ21、ヒートポンプ入口配管41、沸上げ用熱交換器62、ヒートポンプ出口配管42、第2の四方弁32及びタンク戻し配管44を経由して貯湯タンク10に戻される。これにより、特に凍結の可能性が高いヒートポンプ入口配管41、ヒートポンプ出口配管42及び沸き上げ用熱交換器62内の水の凍結を予防することができる。
【0050】
なお、前記実施の形態1では、第1,第2の制御弁として、それぞれ4つのポートを有する四方弁31,32を例に挙げて説明した。しかし、本発明は、四方弁に限定されるものではなく、例えば複数の電磁弁を組合わせることにより、第1,第2の制御弁の機能を実現する構成としてもよい。
【0051】
また、前記実施の形態1では、加熱対象水として浴槽水を採用し、追焚き運転により浴槽水を加熱するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば外部の暖房機器等に供給する暖房用循環水を加熱対象水として採用し、各運転形態により暖房運転を行う構成としてもよい。
【0052】
また、前記実施の形態1では、ヒートポンプユニット60により構成されるヒートポンプサイクルを、冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルとしたが、本発明はこれに限定されるものでなく、臨界圧力以下で作動するヒートポンプサイクルでもよい。この場合、冷媒としてはフロンガス、アンモニア等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 タンクユニット
2 給水配管
3 給湯配管
4 給水分岐配管
5 混合給湯配管
6 給湯混合弁(混合弁)
8 給湯流量センサ
9 給湯配管サーミスタ(温度センサ)
10 貯湯タンク
15 給水配管サーミスタ(温度センサ)
21 循環ポンプ
22 利用側熱交換器
31 四方弁(第1の制御弁、開閉手段)
32 四方弁(第2の制御弁)
39 沸上げ用配管
40 凍結予防バイパス配管
41 ヒートポンプ入口配管
42 ヒートポンプ出口配管
44 タンク戻し配管
48 タンク下部配管
49 凍結予防循環水路
60 ヒートポンプユニット
62 沸上げ用熱交換器
66 HP出口側サーミスタ(温度センサ)
67 HP入口サーミスタ(温度センサ)
69 外気温サーミスタ(温度センサ)
70 制御部(凍結予防制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水を貯留する貯湯タンクと、
前記貯湯タンク内の水を加熱する沸上げ用熱交換器と、
一端側が前記貯湯タンクの下部に接続され、他端側が前記沸上げ用熱交換器を経由して前記貯湯タンクの上部に接続された沸上げ用配管と、
前記沸上げ用配管に設けられ、前記貯湯タンクの下部から取出した水を前記沸上げ用熱交換器を経由して前記貯湯タンクの上部に戻す循環ポンプと、
前記貯湯タンクの下部に給水する給水配管と、
前記給水配管から分岐した給水分岐配管と、
前記貯湯タンクの上部から取出した高温水と前記給水分岐配管から給水される低温水とを混合し、湯温を調整した温水を生成する混合弁と、
前記混合弁により温度が調整された温水を外部に供給する混合給湯配管と、
一端側が前記混合給湯配管から分岐し、他端側が前記沸上げ用熱交換器及び前記循環ポンプの上流側で前記沸上げ用配管に接続された凍結予防バイパス配管と、
前記凍結予防バイパス配管を開,閉する開閉手段と、
前記開閉手段により前記凍結予防バイパス配管を開通させ、前記循環ポンプを駆動することにより、前記貯湯タンクの下部から取出した水を、少なくとも前記給水配管、前記給水分岐配管、前記混合給湯配管、前記凍結予防バイパス配管及び前記沸上げ用配管の一部を含む凍結予防循環水路に流通させる凍結予防運転を実行する凍結予防制御手段と、
を備えたヒートポンプ給湯機。
【請求項2】
前記貯湯タンクの上部から取出した高温水を利用して加熱対象水を加熱する利用側熱交換器と、
前記開閉手段を構成する四方弁であって、前記凍結予防バイパス通路に接続された第1ポートと、前記沸上げ用配管の一部を介して前記貯湯タンクの下部に接続された第2ポートと、前記利用側熱交換器の下流側に接続された第3ポートと、前記沸上げ用配管の他の一部及び前記循環ポンプを介して前記沸上げ用熱交換器の上流側に接続された第4ポートとを有する第1の制御弁と、
四方弁により構成され、タンク戻し配管を介して前記貯湯タンクの中間部または下部に接続された第1ポートと、前記循環ポンプと前記沸上げ用熱交換器との間で前記沸上げ用配管に接続された第2ポートと、前記沸上げ用配管の一部を介して前記沸上げ用熱交換器の下流側に接続された第3ポートと、前記貯湯タンクの上部に接続された第4ポートとを有する第2の制御弁と、を備え、
前記凍結予防制御手段は、前記凍結予防運転を実行するときに、前記第1の制御弁の前記第1ポートと前記第4ポートとを連通させ、前記第2の制御弁の前記第1ポートと前記第3ポートとを連通させる構成とし、
前記凍結予防循環水路は、前記給水配管、前記給水分岐配管、前記混合給湯配管、前記凍結予防バイパス配管、前記沸上げ用配管の一部及び前記タンク戻し配管を含む構成としてなる請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項3】
少なくとも前記沸上げ用配管の温度を検出する温度センサと、
前記混合給湯配管を流れる温水の流量を検出する給湯流量センサと、を備え、
前記凍結予防制御手段は、前記沸上げ用配管の温度が所定の凍結危険温度以下であって、かつ、前記混合給湯配管を流れる温水の流量が所定の給湯判定流量未満である場合に、前記凍結予防運転を実行し、前記凍結予防運転の実行中に前記混合給湯配管を流れる温水の流量が前記給湯判定流量以上となった場合に、前記凍結予防運転を停止する構成としてなる請求項1または2に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項4】
前記凍結予防制御手段は、前記凍結予防循環水路を流通する水に対して、当該水が凍結しない程度の最小限の温水を前記混合弁により混合させる構成としてなる請求項1乃至3のうち何れか1項に記載のヒートポンプ給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−79752(P2013−79752A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219354(P2011−219354)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)