説明

ビジネスプロセス生成システムおよびビジネスプロセス生成方法

【課題】複数のユーザの異なる要件に柔軟に対応することが可能なビジネスプロセス生成システムおよびビジネスプロセス生成方法を提供する。
【解決手段】クライアント端末は、ビジネスプロセス生成システムを利用するユーザごとに、タスクを組み合わせたビジネスプロセスの編集を受け付ける入力受付部と、入力受付部が受け付けたビジネスプロセスに基づいて作成されたビジネスプロセスの実行画面を表示する表示部と、入力受付部が受け付けたビジネスプロセスを構成するタスクをサーバに送信し、またはサーバから実行画面を受信して表示部に表示させる端末制御部と、を備え、サーバは、利用者ごとに、タスクと、タスクを実行するための実行ファイルと、実行画面と、を対応付けたプロセス情報を記憶する記憶部と、クライアント端末からタスクを受信して実行ファイルを作成するファイル作成部と、ファイル作成部が作成した実行ファイルから実行画面を作成してクライアント端末に送信する画面作成部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、PaaS(Platform as a Service)によるネットワーク環境において用いられるビジネスプロセスを生成するためのビジネスプロセス生成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビジネスプロセスは、ユーザがあるプロセスについての承認を受けるための個々
の手順を示すタスク(サービス)を1つまたは複数有した承認フローから構成される。この承認フローは、例えば、そのシステムの管理者等があらかじめ一般的な汎用のプロセスやタスクを作成して準備しておくか、あるいはユーザがそのシステムや承認フローを利用する際の要件に適合するように、システム環境が変わる度にプロセスやタスクを改修している。例えば、特許文献1には、管理者等が、ビジネスプロセスを利用するユーザ環境に適合したWebサービスを生成する方式が提唱されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2009−524173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今後、上述したビジネスプロセスによるシステムがPaaS環境に適用される場合、1つのユーザ環境でシステムを利用する際の要件を満たすだけでなく、他の複数のユーザ環境でシステムを利用する際の要件にも対応するように、それぞれのユーザ自身でビジネスプロセスを作成できる仕組みが必要となる。上述した特許文献1では、単体のWebサービスを生成する方式は提唱されているが、ビジネスプロセスとして複数のWebサービスを組み合わせたものをユーザ主体で作成させる方式については開示されていない。
【0005】
特許文献1では、システム内のビジネスプロセスは仕様が固定されてしまうため、例えば、あるユーザのユーザ環境が変更され、プロセス内の一部の処理の順序を変える場合には、他のユーザ環境にシステムを適用させるためのプログラムの改修が必要となる。今後、拡大が予想されるPaaS環境への適用を考えた場合、複数のユーザの異なる要件に柔軟に対応するためには、ユーザ自身が自由に、容易にビジネスプロセスを構築できる仕組みが必要である。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のユーザの異なる要件に柔軟に対応することが可能なビジネスプロセス生成システムおよびビジネスプロセス生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明にかかるビジネスプロセス生成システムは、複数のタスクから構成されるビジネスプロセスを生成するビジネスプロセス生成システムであって、クライアント端末は、前記ビジネスプロセス生成システムを利用するユーザごとに、前記タスクを組み合わせたビジネスプロセスの編集を受け付ける入力受付部と、前記入力受付部が受け付けた前記ビジネスプロセスに基づいて作成された前記ビジネスプロセスの実行画面を表示する表示部と、前記入力受付部が受け付けた前記ビジネスプロセスを構成するタスクをサーバに送信し、または前記サーバから前記実行画面を受信して前記表示部に表示させる端末制御部と、を備え、前記サーバは、前記利用者ごとに、前記タスクと、前記タスクを実行するための実行ファイルと、前記実行画面と、を対応付けたプロセス情報を記憶する記憶部と、前記クライアント端末から前記タスクを受信して前記実行ファイルを作成するファイル作成部と、前記ファイル作成部が作成した前記実行ファイルから前記実行画面を作成して前記クライアント端末に送信する画面作成部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記ビジネスプロセス生成システムにおいて実行されるビジネスプロセス生成方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数のユーザの異なる要件に柔軟に対応することが可能なビジネスプロセス生成システムおよびビジネスプロセス生成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態におけるビジネスプロセス生成システムの全体構成図である。
【図2】ビジネスプロセス一覧画面の例を示す図である。
【図3】ビジネスプロセス作成画面の例を示す図である。
【図4】ビジネスプロセス実行画面の例を示す図である。
【図5】サービス情報の例を示す図である。
【図6】引数情報の例を示す図である。
【図7】プロセス情報の例を示す図である。
【図8】フロー情報ファイルの例を示す図である。
【図9】BPELファイルやWSDLファイル、ビジネスプロセス実行画面が作成される環境の構成例を示す図である。
【図10】ビジネスプロセス生成システムで行われるプロセス一覧取得処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】ビジネスプロセス実行画面作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】ビジネスプロセス削除処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるビジネスプロセス生成システムおよびビジネスプロセス生成方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態におけるビジネスプロセス生成システム1000の全体構成図である。図1に示すように、ビジネスプロセス生成システム1000は、管理者端末100と、ユーザ端末200と、WEBサーバ300と、DBサーバ400と、ネットワークNと、を含んで構成されている。なお、ネットワークNは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の一般的な通信回線網である。また、管理者端末100と、ユーザ端末200と、WEBサーバ300と、DBサーバ400とは、NIC(Network Interface Card)やモデム等の通信装置(不図示)を有し、通信装置を介して互いに通信を行っているものとする。まず、管理者端末100について説明する。
【0013】
図1に示すように、管理者端末100は、入力受付部110と、表示部120と、制御部130と、を有している。
【0014】
入力受付部110は、例えば、キーボード等の入力装置であり、ビジネスプロセスを作成するための各種の情報(ビジネスプロセスを構成するタスク(サービス)の指定や配置等)の入力を受け付ける。
【0015】
表示部120は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)であり、ビジネスプロセス生成システム1000を利用するユーザごとに使用可能なビジネスプロセスの一覧を示す画面(ビジネスプロセス一覧画面)、管理者がビジネスプロセスを作成するための画面(ビジネスプロセス作成画面)、ユーザがビジネスプロセスを実行するための画面(ビジネスプロセス実行画面)等の各種の画面を表示する。なお、以下では、ビジネスプロセス生成システム1000を利用するユーザ(例えば、企業A)をシステムユーザと呼び、そのシステムユーザが利用するビジネスプロセスの管理者をプロセス管理者、そのシステムユーザが利用するビジネスプロセスの利用者をプロセスユーザと呼ぶこととする。
【0016】
図2は、上述したビジネスプロセス一覧画面の例を示す図である。図2に示すように、ビジネスプロセス一覧画面は、システムユーザが実行可能なプロセスの一覧と、ビジネスプロセス一覧画面に表示されたビジネスプロセスに対する操作を受け付けるためのボタンとが表示されている。なお、このビジネスプロセス一覧画面には、システムにログインしたユーザの属する企業の利用可能なビジネスプロセスのみ表示されるものとし、デフォルトで用意されているビジネスプロセスを編集していない場合はデフォルトのビジネスプロセスのみが表示され、デフォルトで用意されているビジネスプロセスを編集した場合は編集後のビジネスプロセスのみが表示されるものとする。
【0017】
図2に示す例では、ビジネスプロセスとして「承認依頼」、「ファイル編集」、「提出依頼」の各プロセスが表示され(図2に示す例では、「承認依頼」が選択されている)、表示されたプロセスに対して「新規作成」、「編集」、「削除」の各操作を実行するための操作ボタンB1と、そのプロセスを実行させるための操作ボタンB2とが表示されている。操作ボタンB1は、例えば、プロセス管理者がシステムにログインした場合にのみ操作可能な状態とし、操作ボタンB2は、例えば、プロセスユーザがシステムにログインした場合にのみ操作可能な状態となっている。このビジネスプロセス一覧画面は、後述するように、プロセス一覧取得処理を実行することによって、管理者端末100やユーザ端末200の各表示部に表示される。続いて、ビジネスプロセス作成画面について説明する。
【0018】
図3は、ビジネスプロセス作成画面の例を示す図である。図3に示すように、ビジネスプロセス作成画面は、図2に示したプロセス一覧画面において選択されたビジネスプロセスを構成するタスク(サービス)を選択するためのサービス一覧R1と、各タスクを実行させる場合のタスク同士の条件を示すフロー部品R2と、これらのサービスやフロー部品をドラッグ&ドロップしてこれらの関係を表示させるためのフィールドR3とが表示されている。
【0019】
図3に示す例では、ビジネスプロセス「承認依頼」が、「メール送信」、「承認」、「差戻し」の各サービスから構成され、これらの各サービスがフロー部品「分岐」によって接続されており、「メール送信」を受けた場合に、「承認」または「差戻し」のいずれかが実行されることを示している。なお、図3に示す例では、作成したビジネスプロセスをデフォルトの状態に戻したり、キャンセル、あるいは各サービスをドラッグ&ドロップして作成したビジネスプロセスを実行させるためのビジネスプロセス実行画面や、そのビジネスプロセス実行画面を構成する各種のファイルを作成するための操作ボタンB3が表示されている。続いて、図1に戻り、制御部130について説明する。
【0020】
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置から構成され、上述した各部の動作、あるいは通信装置を介した各種の情報の送受信を制御する。続いて、ユーザ端末200について説明する。
【0021】
図1に示すように、ユーザ端末200は、入力受付部210と、表示部220と、制御部230と、を有している。
【0022】
入力受付部110は、上述した管理者端末100の入力受付部110と同様のものであり、ビジネスプロセスやそのビジネスプロセスを構成する各タスクを実行するための各種の情報(タスク(サービス)の実行指示等)の入力を受け付ける。
【0023】
表示部120は、上述した管理者端末100の表示部120と同様のものであり、上述したビジネスプロセス実行画面を表示する。
【0024】
図4は、上述したビジネスプロセス実行画面の例を示す図である。図4に示すように、ビジネスプロセス実行画面は、ビジネスプロセスを構成するサービスの一覧と、ビジネスプロセス実行画面に表示されたサービスに対する操作を受け付けるためのボタンとが表示されている。
【0025】
図4に示す例では、ビジネスプロセス「承認依頼」について、「メール送信」、「承認」、「差戻し」の各サービスが表示され(図4に示す例では、「メール送信」が選択されている)、表示されたサービスを実行させるための操作ボタンB4が表示されている。このビジネスプロセス実行画面は、後述するように、ビジネスプロセス実行画面作成処理を実行することによって、ユーザ端末200の表示部に表示される。続いて、図1に戻り、制御部230について説明する。
【0026】
制御部230は、上述した管理者端末100の制御部130と同様のものであり、上述した各部の動作、あるいは通信装置を介した各種の情報の送受信を制御する。続いて、WEBサーバ300について説明する。なお、本実施の形態においては、サーバをWEBサーバ300とDBサーバ400とに筐体を分ける前提で説明しているが、これらを1つのサーバとして構成することももちろん可能である。
【0027】
図1に示すように、WEBサーバ300は、記憶部310と、ファイル作成部320と、画面作成部330と、サーバ制御部340と、を含んで構成されている。
【0028】
記憶部310は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体であり、後述する各種の処理を行うためのプログラムやサーバエンジンが格納されている。
【0029】
ファイル作成部320は、管理者端末100において作成されたビジネスプロセスから上述したフロー情報を作成する。また、ファイル作成部320は、記憶部310が記憶するサービス情報および引数情報を参照し、作成したフロー情報からBPELファイルおよびWDSLファイルを作成する。このファイル作成部320の具体的な動作については後述するフローチャートを用いて説明する。
【0030】
画面作成部330は、ファイル作成部320が作成したフロー情報、記憶部310が記憶するサービス情報および引数情報から上述したビジネスプロセス実行画面(図4)を生成する。この画面作成部330の具体的な動作については後述するフローチャートを用いて説明する。
【0031】
制御部340は、上述した管理者端末100やユーザ端末200の制御部と同様のものであり、上述した各部の動作、あるいは通信装置を介した各種の情報の送受信を制御する。続いて、DBサーバ400について説明する。
【0032】
図1に示すように、DBサーバ400は、記憶部410と、DBサーバ制御部420と、を含んで構成されている。
【0033】
記憶部410は、WEBサーバ300の記憶部310と同様のものであり、上述したビジネスプロセス作成画面に表示されるサービスを実行するための各種の情報(サービス情報)と、サービス情報によってサービスを実行する際に必要となるパラメータを示す引数情報と、上述したビジネスプロセスを実行するための各種の情報(プロセス情報)と、フロー情報ファイルと、BPELファイルと、WSDLファイルとを記憶する。
【0034】
図5は、上述したサービス情報の例を示す図である。図5に示すように、サービス情報は、サービスを識別するためのサービスIDと、サービスIDによって識別されるサービス名と、そのサービスの概要を示すサービス概要と、そのサービスを実行するための実行ファイルのパスを示すWDSLパスと、WEB上におけるそのサービスの名称を示すWEBサービス名と、そのWEBサービス名によるWEBサービスを実行するためのオペレーション名とを対応づけて記憶している。図5では、例えば、サービスID「1」で識別されるサービス「メール送信」は、WSDLパスによって指定される「http://xxx.xxx.wsdl」が実行されることによって、オペレーション「sendMail」が実行されることを示している。続いて、引数情報について説明する。
【0035】
図6は、引数情報の例を示す図である。図6に示すように、引数情報は、サービスを識別するためのサービスIDと、そのサービスで使用するパラメータを示す引数名と、その引数の型を示すデータ型と、その引数を繰り返し使用する回数の最小値および最大値とを対応づけて記憶している。図6では、例えば、サービスID「1」で識別されるサービス「メール送信」は、データ型「string」である引数名「address」、「subject」、「body」の各引数が指定され、その繰り返し回数は「1」であることを示している。続いて、プロセス情報について説明する。
【0036】
図7は、プロセス情報の例を示す図である。図7に示すように、プロセス情報は、ビジネスプロセスを識別するためのプロセスIDと、そのプロセスを実行可能なシステムユーザを示す企業IDと、その企業IDによって識別される企業が利用可能なプロセス名と、そのプロセス名のビジネスプロセスを実行するためのBPELファイル名と、そのビジネスプロセスを実行するための実行するためのWDSLファイルのパスを示すWDSLパスと、そのビジネスプロセスを実行する際に表示する画面ファイルのパスを示す画面パスと、そのビジネスプロセスを実行する際に実際に実行される手順を示すフロー情報ファイル名とを対応づけて記憶している。
【0037】
図7では、例えば、企業ID「1111」によって識別される企業(システムユーザ)は、「承認依頼」、「ファイル編集」、「提出依頼」の各ビジネスプロセスを利用可能であり、各ビジネスプロセスのBPELファイルは「1.orgA.bpel」、「2.orgA.bpel」、「3.orgA.bpel」であり、各ビジネスプロセスのWSDLパスは「http://xxx.1.orgA.wdsl」、「http://xxx.2.orgA.wdsl」、「http://xxx.3.orgA.wdsl」であり、各画面パスは「/bp1_orgA.jsp」、「/bp2_orgA.jsp」、「/bp3_orgA.jsp」であり、各フロー情報ファイルは「1_orgA_flow.xml」、「2_orgA_flow.xml」、「3_orgA_flow.xml」であることを示している。なお、図7に示すプロセス情報には、企業ID「00000」によって識別されるレコードがあらかじめデフォルトで登録されている。この企業ID「00000」で識別されるビジネスプロセスを編集すると、同じプロセスIDで、ログインしている企業IDによって識別されるユーザが編集したレコードがプロセス情報に追加される。一方、新規にビジネスプロセスを作成した場合は、新しいプロセスIDが付与され、プロセス情報にレコードが追加される。
【0038】
図8は、フロー情報ファイルの例を示す図である。図8に示すように、フロー情報ファイルは、図3に示したビジネスプロセス作成画面において作成されたビジネスプロセス「承認依頼」を実行するための手順を示すものである。図8に示す例では、ビジネスプロセス「承認依頼」(1.orgA)を構成する各サービスのうち、「メール送信」(WEBサービス名がMailService)は、「SendMail」オペレーションによって実行され、その応答が「OK」である場合には「approve」オペレーションが実行され、「NG」である場合には「remand」オペレーションが実行されることを示している。BPELファイル、WSDLファイルについては、特に図示していないが、従来から知られているXML形式で定義されたワークフロー記述言語で構成されるファイルであるため、ここではその説明を省略している。これらのBPELファイル、WSDLファイルは、後述するビジネスプロセス実行画面作成処理が実行される際に作成される。
【0039】
また、BPELファイルやWSDLファイルが作成され、またはビジネスプロセス実行画面が作成される環境は、実際には、図9に示すように、WEBサーバ300の記憶部310に記憶されているBPELエンジンやBPELファイル作成プログラム、あるいはWSDLファイル作成プログラムが、WEBサーバ300の不図示のメモリにロードされ、そのロードされたプログラム(モジュール)が実行されることによって、これらのファイルや画面が作成されている。続いて、図1に戻り、DBサーバ制御部420について説明する。
【0040】
DBサーバ制御部420は、上述したWEBサーバ300の制御部と同様のものであり、上述した各部の動作、あるいは通信装置を介した各種の情報の送受信を制御する。続いて、ビジネスプロセス生成システム1000で行われる各種の処理について説明する。
【0041】
図10は、ビジネスプロセス生成システム1000で行われるプロセス一覧取得処理の処理手順を示すフローチャートである。このプロセス一覧取得処理が行われることによって、図2に示したプロセス一覧画面が管理者端末100やユーザ端末200の表示部に表示される。なお、以下では、システムユーザがビジネスプロセス生成システム1000にログインしている状態にあるものとする。
【0042】
図10に示すように、プロセス一覧取得処理では、まず、管理者端末100またはユーザ端末200の入力受付部が、プロセス管理者またはプロセスユーザからプロセス情報にアクセスする旨の指示を受け付けると、その指示に従ってWEBサーバ300に送信し、WEBサーバ300のサーバ制御部340は、DBサーバ400の記憶部410が記憶するプロセス情報にアクセスする(ステップS1001)。
【0043】
そして、サーバ制御部340は、まず、システムユーザがログインしたIDに一致する企業IDを含むレコードを取得する(ステップS1002)。例えば、企業IDが「11111」である場合、サーバ制御部340は、プロセス情報として、プロセスIDが「1」で識別されるプロセス名「承認依頼」を含むレコードと、プロセスIDが「2」で識別されるプロセス名「ファイル編集」を含むレコードと、プロセスIDが「3」で識別されるプロセス名「提出依頼」を含むレコードとを取得する。
【0044】
その後、サーバ制御部340は、企業ID「00000」(デフォルト)を含む全てのレコードを取得し(ステップS1003)、企業ID「00000」を含む全てのレコードについて次の処理を実行するまで繰り返し処理を行う(ステップS1004)。例えば、サーバ制御部340は、プロセス情報の中から企業ID「00000」を含み、かつプロセス名「承認依頼」(プロセスID「1」)を含むレコードと、企業ID「00000」を含み、かつプロセス名「ファイル編集」(プロセスID「2」)を含むレコードとを取得し、これらの各レコードについて次の処理を実行するまで繰り返し処理を行う。
【0045】
サーバ制御部340は、ステップS1002で取得したレコードに同じプロセスIDのレコードがあるか否かを判定し(ステップS1005)、ステップS1002で取得したレコードに同じプロセスIDのレコードがあると判定した場合(ステップS1005;Yes)、ステップS1007に進み、ステップS1002で取得したレコードをプロセス一覧に追加する。
【0046】
一方、サーバ制御部340は、ステップS1002で取得したレコードに同じプロセスIDのレコードがないと判定した場合(ステップS1005;No)、ステップS1003で取得したレコードをプロセス一覧に追加し(ステップS1006)、ステップS1007に進む。
【0047】
そして、ステップS1006およびS1007においてプロセス一覧(その企業IDのプロセス一覧)が作成されると、WEBサーバ300の画面作成部330は、プロセス一覧画面を表示刺さるための画面ファイルを作成してプロセス一覧画面を生成し、管理者端末100またはユーザ端末200に送信し(ステップS1008)、管理者端末100またはユーザ端末200の表示部が、図2に示したプロセス一覧画面を表示する(ステップS1009)。このステップS1009の処理が終了すると、図10に示したプロセス一覧取得処理の全ての処理が終了する。
【0048】
続いて、ビジネスプロセス生成システム1000で行われるビジネスプロセス実行画面作成処理について説明する。図11は、ビジネスプロセス実行画面作成処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下では、ビジネスプロセス生成システム1000の管理者は、管理者端末100からビジネスプロセス生成システム1000にログインし、図2に示したプロセス一覧画面が表示されている状態にあるものとする。
【0049】
図11に示すように、管理者端末100の入力受付部110が、プロセス一覧画面に表示された操作ボタンB1のうちの「新規作成」または「編集」のいずれかの押下を受け付けると(ステップS1101)、管理者端末100の制御部130は、押下された操作ボタンが「編集」ボタンであるか否かを判定する(ステップS1102)。
【0050】
そして、制御部130は、押下された操作ボタンが「編集」ボタンではないと判定すると(ステップS1102;No)、「新規作成」であると判断してその旨をWEBサーバ300に送信し、WEBサーバ300の画面作成部330は、ビジネスプロセス生成システム1000にあらかじめ登録されているデフォルトのビジネスプロセス作成画面を管理者端末100に送信し、管理者端末100の制御部130は、そのビジネスプロセス作成画面を表示部120に表示させる(ステップS1103)。
【0051】
一方、制御部130は、押下された操作ボタンが「編集」ボタンであると判定すると(ステップS1102;Yes)、その旨をWEBサーバ300に送信し、WEBサーバ300の画面作成部330は、DBサーバ400にアクセスして記憶部410に記憶されているプロセス情報を取得する(ステップS1104)。
【0052】
そして、画面作成部330は、取得したプロセス情報に含まれるフロー情報ファイル名を参照してそのフロー情報ファイルからビジネスプロセス作成画面を作成し、作成したそのビジネスプロセス作成画面を管理者端末100に送信し、管理者端末100の制御部130が表示部20に描画して表示させる(ステップS1105)。
【0053】
ステップS1103またはS1105のいずれかの処理が終了すると、管理者端末110の入力受付部110は、管理者から各サービスのドラッグ&ドロップを受け付け(ステップS1106)、さらにビジネスプロセス作成画面から「作成」ボタンの押下を受け付け、制御部130は、各サービスのドラッグ&ドロップされて作成された後のビジネスプロセス作成画面をWEBサーバ300に送信する(ステップS1107)。
【0054】
その後、WEBサーバ300は、そのビジネスプロセス作成画面を受信すると、ファイル作成部320は、ビジネスプロセス作成画面のフローをXML形式に変換し、そのフローについて、図8に示したようなフロー情報ファイルを作成し(ステップS1108)、作成したフロー情報ファイルとサービス情報と引数情報とを参照し、BPELファイルおよびWSDLファイルを作成し(ステップS1109)、作成したBPELファイルおよびWSDLファイルをDBサーバ400の記憶部410に格納させるとともに、WEBサーバ300にデブロイして実行可能な状態にする(ステップS1110)。
【0055】
WEBサーバ300の画面作成部330は、WSDLファイルと引数情報とを参照し、BPELプロセスの実行に必要な引数情報を取得し、その引数で表される入力用付フィールドを含む図4に示したようなビジネスプロセス実行画面を生成し(ステップS1111)、その画面パスをプロセス情報に登録する(ステップS1112)。このとき、新規作成の場合は、新しくレコードが追加され、編集処理で、編集前のデータがデフォルトのビジネスプロセス(企業ID「00000」)であった場合は、同じプロセスIDで企業IDがログインユーザの企業IDであるレコードを追加する。編集前のデータがデフォルトのビジネスプロセスでなかった場合は、該当のレコードを更新する。
【0056】
そして、画面作成部330は、ステップS1111で生成したビジネスプロセス実行画面を、ユーザ端末200からの要求に応じて送信する(ステップS1113)。このステップS1113の処理が終了すると、図11に示したビジネスプロセス実行画面作成処理の全ての処理が終了する。
【0057】
続いて、ビジネスプロセス生成システム1000で行われるビジネスプロセス削除処理について説明する。図12は、ビジネスプロセス削除処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下では、ビジネスプロセス生成システム1000の管理者は、管理者端末100からビジネスプロセス生成システム1000にログインし、図2に示したプロセス一覧画面が表示されている状態にあるものとする。
【0058】
図12に示すように、管理者端末100の入力受付部110が、プロセス一覧画面に表示された操作ボタンB1のうちの「削除」の押下を受け付けると(ステップS1201)、管理者端末100の制御部130は、WEBサーバ300にその旨および選択されているプロセスを識別するためのプロセスIDを送信し、WEBサーバ300の画面作成部330は、DBサーバ400に記憶されているプロセス情報にアクセスする(ステップS1202)。
【0059】
そして、画面作成部330は、プロセス一覧画面上で選択されているビジネスプロセスと同じプロセスIDであって、かつ企業ID「00000」のレコードが存在するか否かを判定し(ステップS1203)、プロセス一覧画面上で選択されているビジネスプロセスと同じプロセスIDであって、かつ企業ID「00000」のレコードが存在すると判定した場合(ステップS1203;Yes)、削除不可であることを示すメッセージを管理者端末100に送信し、管理者端末100の制御部130は、そのメッセージを表示部120に表示させ、削除処理が実行されることはない(ステップS1204)。
【0060】
一方、画面作成部330は、プロセス一覧画面上で選択されているビジネスプロセスと同じプロセスIDであって、かつ企業ID「00000」のレコードが存在しないと判定した場合(ステップS1203;No)、削除処理が実行され(ステップS1205)、削除が終了したことを示すメッセージを管理者端末100に送信し、管理者端末100の制御部130は、そのメッセージを表示部120に表示させ、削除処理が完了する(ステップS1206)。このステップS1204またはS1206の処理が終了すると、図12に示したビジネスプロセス削除処理の全ての処理が終了する。
【0061】
このように、GUIでユーザが定義したビジネスフローに従ってBPELファイルやWSDLファイルを自動生成することにより、ユーザ自身によるビジネスプロセスの構築が可能となり、ビジネスプロセスの構築にBPELを用いることで、処理の追加・編集も容易となる。また、プロセスの実行画面もこれらと共に生成することで、プロセスの即時実行も可能となる。
【0062】
したがって、本発明によれば、システム内のビジネスプロセスをユーザ自身でカスタマイズできるようになり、PaaS環境においてもユーザの要件に柔軟に対応することができる。また、Webサービスを組み合わせてビジネスプロセスを作成するBPELを用いることで、新しい処理の追加や、処理単位での改修も容易に行うことができるため、システムの拡張性、保守性を向上させることが可能となる。
【0063】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明にかかるビジネスプロセス生成システムは、例えば、ビジネスプロセスを含む業務システムをPaaS環境に適用してビジネスプロセスを生成する技術に適している。
【符号の説明】
【0065】
1000 ビジネスプロセス生成システム
100 管理者端末
110 入力受付部(管理者端末)
120 表示部(管理者端末)
130 制御部(管理者端末)
200 ユーザ端末
210 入力受付部(ユーザ端末)
220 表示部(ユーザ端末)
230 制御部(ユーザ端末)
300 WEBサーバ
310 記憶部
320 ファイル作成部
330 画面作成部
340 サーバ制御部
400 DBサーバ
410 記憶部
420 DBサーバ制御部
N ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタスクから構成されるビジネスプロセスを生成するビジネスプロセス生成システムであって、
クライアント端末は、
前記ビジネスプロセス生成システムを利用するユーザごとに、前記タスクを組み合わせたビジネスプロセスの編集を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部が受け付けた前記ビジネスプロセスに基づいて作成された前記ビジネスプロセスの実行画面を表示する表示部と、
前記入力受付部が受け付けた前記ビジネスプロセスを構成するタスクをサーバに送信し、または前記サーバから前記実行画面を受信して前記表示部に表示させる端末制御部と、を備え、
前記サーバは、
前記利用者ごとに、前記タスクと、前記タスクを実行するための実行ファイルと、前記実行画面と、を対応付けたプロセス情報を記憶する記憶部と、
前記クライアント端末から前記タスクを受信して前記実行ファイルを作成するファイル作成部と、
前記ファイル作成部が作成した前記実行ファイルから前記実行画面を作成して前記クライアント端末に送信する画面作成部と、
を備えたことを特徴とするビジネスプロセス生成システム。
【請求項2】
前記ファイル作成部は、前記クライアント端末から受信した前記タスクから、前記タスク間の関係を示すフロー情報を含むフロー情報ファイルを作成し、
前記画面作成部は、前記ファイル作成部が作成した前記フロー情報ファイルに基づいて前記実行画面を作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のビジネスプロセス生成システム。
【請求項3】
前記実行ファイルには、BPELファイルおよびWSDLファイルを含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のビジネスプロセス生成システム。
【請求項4】
前記サーバは、
前記記憶部が、前記プロセス情報を、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報に対応付けて記憶し、
前記画面作成部が、前記ユーザ識別情報によって識別された前記ユーザごとに実行可能なビジネスプロセスの一覧を示す一覧画面を作成して前記クライアント端末に送信し、
前記クライアント端末は、
前記端末制御部が、前記サーバから前記一覧画面を受信して前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のビジネスプロセス生成システム。
【請求項5】
ビジネスプロセス生成システムは、PaaS環境において実行されるものである、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のビジネスプロセス生成システム。
【請求項6】
ビジネスプロセスの実行画面を表示する表示部を有したクライアント端末と、利用者ごとに、ビジネスプロセスを構成するタスクと、前記タスクを実行するための実行ファイルと、前記実行画面と、を対応付けたプロセス情報を記憶する記憶部を有したサーバとの間で行われ、複数のタスクから構成されるビジネスプロセスを生成するビジネスプロセス生成システムで行われるビジネスプロセス生成方法であって、
前記ビジネスプロセス生成システムを利用するユーザごとに、前記タスクを組み合わせたビジネスプロセスの編集を受け付ける入力受付ステップと、
前記入力受付ステップにおいて受け付けた前記ビジネスプロセスを構成するタスクをサーバに送信する送信ステップと、
前記クライアント端末から前記タスクを受信して前記実行ファイルを作成するファイル作成ステップと、
前記ファイル作成ステップにおいて作成した前記実行ファイルから前記実行画面を作成して前記クライアント端末に送信する画面作成ステップと、
前記サーバから前記入力受付部が受け付けた前記ビジネスプロセスに基づいて作成された前記ビジネスプロセスの実行画面を受信して前記表示部に表示させる表示ステップと、
を含むことを特徴とするビジネスプロセス生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−242954(P2012−242954A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110495(P2011−110495)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000233491)株式会社日立システムズ (394)