説明

ビスマス含有顔料固溶体

本発明は、オキシハロゲン化ビスマスと、オキシカルボン酸ビスマス、ビスマスオキシエノラート又はオキシスルホン酸ビスマスとをベースとする新規な着色剤、並びに顔料及びコーティング剤としてのその使用に関する。これは、好ましくは、固溶体、特に、オキシハロゲン化ビスマスの正方晶結晶格子中に主としてある固溶体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキシハロゲン化ビスマスと、オキシカルボン酸ビスマス、ビスマスオキシエノラート又はオキシスルホン酸ビスマスとをベースとする新規な着色剤、並びに顔料及びコーティング剤としてのその使用に関する。これは、好ましくは、固溶体、特に、オキシハロゲン化ビスマスの正方晶結晶格子中に主としてある固溶体である。
【0002】
オキシハロゲン化ビスマスは、着色剤として、例えばUS−4252570から混合ハロゲン化物の固溶体として知られている。EP−A−1101801によれば、予め製造されたバナジン酸ビスマス、及び場合により続けて適用された保護層の段階的組み合わせの結果として、その開示によれば、優れた堅牢性を有する明黄色からオレンジ気味の色合いの顔料が得られている。しかしながら、色の濃度、色の飽和度及び熱安定性には、なお、遺憾な点が少しある。
【0003】
他の分野では、塩基性p−アミノ安息香酸ビスマスがUS−2492710から医療注射剤用のために知られており、そしてカルボン酸ビスマスがUS−2560160から塩化ビニルポリマー及び塩化ビニリデンポリマー用の加工安定剤として知られている。
【0004】
予期しないことに、オキシヨウ化ビスマスを炭素含有アニオンの存在下に析出させると(後者も、生成物中に組み込まれる)、改良された特性を有する着色剤が得られることが見い出された。この着色剤は、特に、従来の匹敵する着色剤よりも、高い透明性、高い色の濃度、高い色の飽和度並びに/又は良好な分散性及び分散安定性を有する。堅牢性が優れ、特に、低移行性であり、光安定性及び耐候安定性が優れている。追加的なコーティングは可能であるが、しかし必須ではない。
【0005】
したがって、本発明は、式 BiOI・(BiOX)j・(BiOL)kの固体に関し、
該式中、
Xは、Cl、Br、F、又は混合系(Br)m(Cl)n(F)o×1/(m+n+o)であり、
Lは、CN、NC、NCO、NCS、O−Z、S−Z、又は異なるCN、NC、NCO、NCS、O−Z、及び/若しくはS−Zの混合系であり、
Zは、COR1、COOR1、CONR12、CN、CSR1、COSR1、CSOR1、SO21、SO31
【化3】


、あるいはC6〜C24アリール又はC2〜C24ヘテロアリール(それぞれ、非置換であるか、あるいはハロゲン、NO2、CN、NR34、NR345、NR5COR3、NR5CONR34、R3、OR3、SR3、CHO、CR5OR3OR4、COR3、SO23、SO3-、SO33、SO2NR34、COO-、COOR3、CONR34、PO3-、PO(OR3)(OR4)、SiR567、OSiR567及び/又はSiOR5OR6OR7により一置換又は多置換されている)であり;
jは、0〜4、好ましくは0.5〜1.2の数であり;そして、
kは、0.005〜3、好ましくは0.05〜2、特に0.1〜1の数であり;
m、n、及びoは、それぞれ0〜106の数であるが、m、n、及びoは全部が同時には0にはならず、好ましくは、mは106であり、n及びoは0〜105であり、特に、nは0〜104であり、そしてoは0〜102であり;
1は、C3〜C24アルキル、C3〜C24アルケニル、C3〜C24アルキニル、C3〜C24シクロアルキル、C3〜C24シクロアルケニル又はC2〜C12ヘテロシクロアルキル(それぞれ、非置換であるか、あるいはハロゲン、NO2、CN、NR34、NR345、NR5COR3、NR5CONR34、OR3、SR3、OBiO、SBiO、COO、COOH、COOR3、CHO、CR5OR3OR4、COR3、SO23、SO3-、SO3H、SO33及び/又はOSiR567により一置換又は多置換されている)であるか、あるいはC6〜C24アリール、C7〜C24アラルキル、C8〜C24アラルケニル又はC2〜C24ヘテロアリール(それぞれ、非置換であるか、あるいはハロゲン、NO2、CN、NR34、NR345、NR5COR3、NR5CONR34、R3、OR3、SR3、CHO、CR5OR3OR4、COR3、SO23、SO3-、SO33、SO2NR34、COO-、COOR3、CONR34、PO3-、PO(OR3)(OR4)、SiR567、OSiR567及び/又はSiOR5OR6OR7により一置換又は多置換されている)であり;
2は、R1とは独立して、水素又はR1であるが、所望ならば、R1とR2とは、全体で5員又は6員環が形成されるように、直接結合又は−O−、−S−若しくは−NC1〜C8アルキル−の橋かけにより、互いに結合することが可能であり;
3及びR4は、それぞれ、他と独立に、水素、CN、OR5、COO-、COOH、COOR5、CONR56、COR5、SO25、SO3-、SO3H、SO35又はOSiR567、あるいはC1〜C24アルキル、C2〜C24アルケニル、C2〜C24アルキニル、C3〜C24シクロアルキル、C3〜C24シクロアルケニル又はC2〜C12ヘテロシクロアルキル(それぞれ、非置換であるか、あるいはハロゲン、NO2、CN、NR56、NR567、NR5COR7、NR5CONR67、OR5、SR5、COO-、COOH、COOR5、CHO、CR5OR6OR7、COR5、SO25、SO3-、SO3H、SO35及び/又はOSiR567により一置換又は多置換されている)、あるいはC7〜C18アラルキル、C6〜C14アリール又はC2〜C13へテロアリール(それぞれ、非置換であるか、あるいはハロゲン、NO2、CN、NR56、NR567、NR5COR6、NR5CONR67、R5、OR5、SR5、CHO、CR5OR6OR7、COR5、SO25、SO3-、SO2NR56、COO-、COOR7、CONR56、PO3-、PO(OR5)(OR6)、SiR567、OSiR567及び/又はSiOR5OR6OR7により一置換又は多置換されている)であるか、
あるいはNR34が、更なる窒素又は酸素原子を場合により含有していてもよくかつC1〜C8アルキルにより一置換又は多置換されていてもよい、5員又は6員の複素環であり;そして
5、R6及びR7は、それぞれ、他と独立に、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C7〜C18アラルキル、C6〜C14アリール又はC2〜C13ヘテロアリールであるが、所望ならば、R5とR6、及び/又はR6とR7は、全体で5員又は6員環が形成されるように、直接結合又は−O−、−S−若しくは−NC1〜C8アルキル−の橋かけにより、互いに結合することが可能である。
【0006】
Zは、好ましくは、CN、COR1、SO31
【化4】


、又は非置換若しくは置換C6〜C24アリール、特にCOR1又はSO31である。
【0007】
1は、好ましくは、非置換又は置換の、C3〜C24アルキル、C3〜C24アルケニル、C6〜C24アリール又はC8〜C24アラルケニルである。
【0008】
3及びR4は、好ましくは、それぞれ、他と独立に、水素、CN、OR5、COOR5、CONR56又はCOR5、あるいは非置換又は置換の、C1〜C24アルキル、C7〜C18アラルキル又はC6〜C14アリールであるか、あるいはNR34が、更なる窒素又は酸素原子を場合により含有していてもよくかつC1〜C8アルキルにより一置換又は多置換されていてもよい、5員又は6員の複素環である。
【0009】
5、R6及びR7は、好ましくは、それぞれ、他と独立に、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル又はC7〜C18アラルキルであり、所望ならば、R5とR6、及び/又はR6とR7は、直接結合又は−O−、−S−若しくは−NC1〜C8アルキル−の橋かけにより、互いに結合することが可能であり、その結果、全体で5員又は6員環が形成される。R5、R6及びR7それ自体は、所望ならば、置換されていてもよい。
【0010】
j+kの合計は、好ましくは0.1〜3、特に0.2〜1.5である。m:nの比率は、好ましくは、3:2〜5:1である。
【0011】
Lが混合系であるときは、それは、場合により異性体及び/又は同族体の混合系の形態でもある、有利には2〜1000個の成分の混合系、好ましくは2〜20個の成分の混合系である。
【0012】
基が2回以上置換されるときには、その置換基の数は、例えば、2、3、4、又は5〜10個であってよく、そして置換基は、すべて同じか、一部分が同じで一部分が異なるか、又はすべて異なることが可能である。
【0013】
Z−R1は、例えば、ピバロイル、ラウロイル、ステアロイル、オキサリル、マロニル、スクシニル、グルタリル、ピメロイル、セバコイル、アクリロイル、プロピオロイル、クロトノイル、オレイル、マレオイル、フマロイル、シトラコノイル、ベンゾイル、フタロイル、シンナモイル、ニコチノイル、サリチロイル、アニソイル、バニロイル、又はベラトロイルであってよく、また、R1が、アラニル、アルギニル、グリシル、ロイシル、リシル、フェニルアラニル、プロリル、サルコシル、セリル、バリル、又はγ−アミノ酪酸などの他のアミノ酸の基、あるいはシトロン酸基又は酒石酸基であることも可能である。特に選択されるのは、R1がC6〜C24アリール又はC8〜C24アラルケニルであり、それぞれが、OR3、NR34及びNO2よりなる群から選択される1個、2個、又は3個の基により置換されており、とりわけ、1個又は2個のそのような基によりオルト又はパラ置換されているC6〜C24アリールであり、R3は、好ましくは、H又はCH3である。
【0014】
本発明の固体は、好ましくは結晶質であり、特に正方晶対称族である。通常、そのX線散乱図は、個々の成分BiOI、BiOX及びBiOLの物理的混合体のそれとは異なる。特に選択されるのは、固溶体であり、特に主として又は排他的にハロゲン化ビスマスの結晶格子中にある固溶体であり、このことが、X線粉末回折図の2つの最も強い反射が27〜32(2θ)(BiOBr)の範囲にあることを意味すると理解される。もし融点を測定することができるならば、それは有利には200℃よりも高く、好ましくは300℃よりも高い。
【0015】
アルキル、アルケニル又はアルキニルは直鎖又は分枝鎖であってよい。アルケニルは、一不飽和又は多不飽和のアルキルであり、ここで2個以上の二重結合は孤立していても又は共役していてもよい。アルキニルは、一回以上二重に不飽和のアルキル又はアルケニルであり、ここで三重結合は孤立していてもよく又は互いに若しくは二重結合と共役していてもよい。シクロアルキル又はシクロアルケニルは、それぞれ、単環又は多環のアルキル又はアルケニルである。
【0016】
したがって、C1〜C24アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−メチル−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル又はテトラコシルであってよい。
【0017】
したがって、C3〜C24シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロプロピル−メチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−メチル、トリメチルシクロヘキシル、ツジル、ノルボルニル、ボルニル、ノルカリル、カリル、メンチル、ノルピニル、ピニル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、5α―ゴニル又は5ξ−プレグニルであってよい。
【0018】
2〜C24アルケニルは、例えば、ビニル、アリル、2−プロペン−2−イル、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエン−2−イル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−2−イル、2−メチル−1−ブテン−3−イル、2−メチル−3−ブテン−2−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル、1,4−ペンタジエン−3−イル、又はヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、テトラコセニル、ヘキサジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ドデカジエニル、テトラデカジエニル、ヘキサデカジエニル、オクタデカジエニル若しくはエイコサジエニルのいずれかの所望の異性体である。
【0019】
3〜C24シクロアルケニルは、例えば、2−シクロブテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、1−p−メンテン−8−イル、4(10)−ツジエン−10−イル、2−ノルボルネン−1−イル、2,5−ノルボルナジエン−1−イル、7,7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イル又はカンフェニルである。
【0020】
2〜C24アルキニルは、例えば、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル、1−ペンチン−5−イル、2−メチル−3−ブチン−2−イル、1,4−ペンタジイン−3−イル、1,3−ペンタジイン−5−イル、1−ヘキシン−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、1,3−ヘキサジイン−5−イル、1−オクチン−8−イル、1−ノニン−9−イル、1−デシン−10−イル又は1−テトラコシン−24−イルである。
【0021】
7〜C24アラルキルは、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、9−フルオレニル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−オクチル、ω−フェニル−ドデシル又は3−メチル−5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチル−ブチル)−ベンジルである。またC7〜C24アラルキルは、例えば、2,4,6−トリ−tert−ブチル−ベンジル又は1−(3,5−ジベンジル−フェニル)−3−メチル−2−プロピルであってよい。C7〜C24アラルキルが置換されている場合には、アラルキル基のアルキル部分及びアリール部分が置換されていてもよく、後者が望ましい。
【0022】
6〜C24アリールは、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニルイル、2−フルオレニル、フェナントリル、アントリル又はテルフェニリルである。
【0023】
8〜C24アラルケニルは、例えば、スチリル、スチルベニル、フルベニル、1,4−ジビニルフェニル又はジヒドロナフチルである。
【0024】
ハロゲンは、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素であり、好ましくは塩素又は臭素である。
【0025】
2〜C12ヘテロアリールは、4n+2の共役π電子を有する不飽和基又は芳香族基、例えば、2−チエニル、2−フリル、1−ピラゾリル、2−ピリジル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、2−イミダゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、あるいはチオフェン環、フラン環、ピリジン環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環及びベンゼン環よりなる他の環系であり、そして非置換であるか又は1〜6個の、エチル、メチル、エチレン及び/若しくはメチレン置換基により置換されている。
【0026】
2〜C12ヘテロシクロアルキルは、飽和又は部分不飽和の環系基、例えば、エポキシド、オキセタン、アジリジン;テトラゾリル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、モルホリニル、キヌクリジニル;又は他の一水素化又は多水素化されたC2〜C12ヘテロアリールである。
【0027】
5〜12員環は、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルであり、好ましくはシクロペンチル、そして特にシクロヘキシルである。
【0028】
式BiOI・(BiOX)j・(BiOL)kの本発明の固体は、アニオンL-(又は有機酸化合物LH)の存在下にBiOI及び場合によりBiOXを析出させることにより、予想外に簡単な方法で得ることができる。有利には、例えばEP−A−1101801に開示されているように、種形成及び結晶成長を別個の段階として行う必要はない。その上、析出生成物は実質的に均質であり、その結果予想外にも、所望の粒度及びモルホロジーを得るために物理的及び/又は化学的後処理(再結晶)を行うことが可能である(複合物ではそうではない)。
【0029】
しかし、式BiOI・(BiOX)j・(BiOL)kの本発明の固体は、固溶体に関して知られた他の方法により、例えば、高い圧力下でと及び/又は無極性若しくは好ましくは極性溶媒を添加して、高いせん断力下、適切ならば高い温度で個々の成分を一緒に粉砕することにより製造することもできる。
【0030】
したがって、本発明は、溶媒中でI-及び場合によりX-を、BiOイオン又はBi3+イオンの溶液と、該溶媒に不溶性である固体が析出するような条件下で混ぜ合わせることによりオキシハロゲン化ビスマスを製造する方法であって、該方法では、固体が析出する間、溶媒中にL-又はLHが存在し、そして析出する固体が式BiOI・(BiOX)j・(BiOL)kで示される方法にも関する。
【0031】
個々の成分は、一度に加えることができ、又は、もちろん、例えば、析出の間、成分の各濃度が一定に保たれるような方法で連続的に計量しながら供給することができる。また、1つ以上の成分[例えば、BiO+あるいはアニオンI-、X-及び/又はL-(又はLH)の1つ、2つ若しくは3つ全部]のいくらか又は全部を最初の仕込みとして使用し、次いで残りのイオンを加えるか又は計量しながら供給することが可能である。この順序は、一般的に、特に後の再結晶を行う場合、決定的ではない。
【0032】
溶媒は、無機又は有機溶媒、好ましくは極性溶媒、例えば、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、ヘキサノール又はグリセロール)、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコール)、グリコールエーテル(例えば、メチルグリコール、エチルグリコール、プロピルグリコール又はブチルジグリコール)、アルデヒド(例えばアセトアルデヒド)、ケトン(例えばアセトン又はメチルエチルケトン)、ギ酸、酢酸、又は1種以上の、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、アルデヒド及び/若しくはケトンと水との混合物、あるいは硝酸、ギ酸及び/若しくは酢酸の水溶液であってよい。通常、水又は水性溶媒、例えば希硝酸又は水性酢酸が使用される。溶媒中の水の量は、ビスマス1gを基準にして、好ましくは1〜2000g、特に5〜500g、とりわけ20〜200gである。
【0033】
本発明の方法は、好ましくは、pH1〜9で実施される。それは、更なる成分、例えば、緩衝物質、分散剤、結晶成長抑制剤、レオロジー改良剤及びバインダー又は他の助剤の存在下に、又はコーティングされるべき基体の存在下に実施することができる。
【0034】
好ましい追加的な成分は、存在する場合は、慣用の界面活性助剤、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸、アミノ安息香酸、サリチル酸、アビエチン酸、及びこれらの混合物(例えばコロホニー)、及び特にこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩、並びに市販の変性された、例えば部分水素化された天然製品(Stayoelite(登録商標)樹脂など)である。その結果として、粒度分布及び表面の性質を変えることが可能である。添加剤は、一般には少量で、例えば、本発明の顔料又は本発明のコーティングを基準にして0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%で使用される。もちろん、当業者は、直面する課題に応じて、自分がよく知っている更なる追加的な成分をそれらの知られた作用に従って試用又は選択するであろう。
【0035】
本発明の方法の具体的な実施態様では、析出は、顔料、例えば、有機顔料、無機顔料又はエフェクト顔料の存在下で行われる。エフェクト顔料の代わりに、その前駆物質、例えばマイカ又は酸化チタンのプレートレットを用いることもできる。
【0036】
本発明の方法を使用してコーティングすることができる有機又は無機の顔料は、例えば、1−アミノアントラキノン、アンタントロン、アントラピリミジン、アゾ、アゾメチン、キナクリドン、キナクリドンキノン、キノフタロン、ジオキサジン、ジケトピロロピロール、フラバントロン、インダントロン、イソインドリン、イソインドリノン、イソビオラントロン、ペリノン、ペリレン、フタロシアニン、ピラントロン又はチオインジゴの系列からのものである(ここで、適切ならば、金属錯体又はレーキの形態も)。例えば、アゾ系のものは、例えばカップリング、縮合又はレーキングにより得られる、公知のいずれかのサブクラスからのモノアゾ顔料又はジスアゾ顔料であってよい。
【0037】
このような顔料は、例えば、カラーインデックス・ピグメントイエロー3、12、13、14、17、24、34、42、53、62、74、83、93、95、108、109、110、111、119、123、128、129、139、147、150、164、168、173、174、184、188、191、191:1、191:2、193、199、ピグメントオレンジ5、13、16、34、40、43、48、49、51、61、64、71、73、ピグメントレッド2、4、5、23、48:1、48:2、48:3、48:4、52:2、53:1、57、57:1、88、89、101、104、112、122、144、146、149、166、168、177、178、179、181、184、190、192、194、202、204、206、207、209、214、216、220、221、222、224、226、254、255、262、264、270、272、ピグメントブラウン23、24、33、42、43、44、ピグメントバイオレット19、23、29、31、37、42、ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、28、29、60、64、66、ピグメントグリーン7、17、36、37、50、ピグメントホワイト6、ピグメントブラック7、12、27、30、31、32、バットレッド74、3,6−ジ(3’−シアノ−フェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロロ〔3,4−c〕ピロール−1,4−ジオン又は3−フェニル−6−(4’−tert−ブチル−フェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロロ〔3,4−c〕ピロール−1,4−ジオンである。
【0038】
極めて様々な異なる種類のエフェクト顔料、例えば、金属性反射、真珠光沢、ゴニオクロマティック又はホログラフィックのエフェクト顔料が周知である。これらは、例えば、プレートレット形状顔料、金属フレーク、天然マイカ、又は合成マイカ[これらは、高屈折誘電体(例えば金属酸化物)で追加的にコーティングすることができる]、複数の屈折が異なる層(層状ケイ酸塩だけでない)のサンドイッチ状物、そして更に、コレステリック液晶性メソフェーズ(二色性液晶性ポリマー)、レイリー粒子又はミー粒子であり、これらの効果は、金属光沢、散乱及び/又は干渉の効果に基づいており、更に選択的又は非選択的光吸収と組み合わさっている可能性もある。
【0039】
エフェクト顔料及びそれらの前駆物質は、通常、2つの実質的にフラットで平行な表面により区別され、高さに対する長さの比率は少なくとも5:1であり、高さに対する幅の比率は少なくとも3:1であり、幅に対する長さの比率は高くても5:1であり、そして好ましくは、高さに対する長さの比率は少なくとも10:1であり、高さに対する幅の比率は少なくとも5:1であり、幅に対する長さの比率は高くても3:1であり、そして特に、高さに対する長さの比率は少なくとも20:1であり、高さに対する幅の比率は少なくとも10:1であり、幅に対する長さの比率は高くても2:1である。エフェクト顔料でコーティングされた表面が乾燥すると、表面コーティング内のエフェクト顔料粒子自身は表面に対し実質的に平行に配向し、その結果として、固定白色光源により照らされた着色コーティング表面は、エフェクト顔料の視野角及び性質に依存して異なる色及び/又は明度を示すことができる。
【0040】
したがって、本発明は、特に、2μm〜5mmの長さ、2μm〜2mmの幅及び50nm〜1.5μmの厚さを有し、高さに対する長さの比率が少なくとも5:1で、高さに対する幅の比率が少なくとも3:1で、幅に対する長さの比率が高くても5:1であるプレートレットに関し、該プレートレットは式BiOI・(BiOX)j・(BiOL)kで示される固体でコーティングされている。式BiOI・(BiOX)j・(BiOL)kのコーティング固体の量は、コーティングされていないプレートレットを基準にして、有利には1〜1000重量%、好ましくは5〜500重量%、特に10〜200重量%である。
【0041】
好ましいエフェクト顔料は、金属フレーク、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、金、銀、チタン、タンタル、ジルコニウム、Hastelloy(登録商標)、スチール又は青銅のフレーク、真珠光沢を有する顔料、例えば、Chromaflair(登録商標)、Colorstream(登録商標)、Variochrom(登録商標)及びXirallic(登録商標)タイプなどのコーティングされていないか又はコーティングされたマイカ、干渉顔料、例えばFlonac(登録商標)、Florapearl(登録商標)、Iriodin(登録商標)又はMearlin(登録商標)のタイプ、プレートレット形状顔料、例えば、グラファイト、二硫化モリブデン、ヒドロキシ炭酸鉛、酸化鉄、あるいは有機顔料、例えば、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ペリレン又はフタロシアニンの部類[例えば、2,9−ジクロロキナクリドン、カルバゾールバイオレット又は銅フタロシアニン(これらはハロゲン化されていても又はされなくてもよい)]である。特に選択されるのは、表面(例えばトップコート)が無機の酸化物よりなる金属フレーク及びプレートレット形状粒子である。予期しないことに、多くの様々な基体に対する密着性は優れており、顕著な耐光堅牢性が得られる。
【0042】
したがって、本発明は、溶媒中で、I-及び場合によりX-を、BiOイオン又はBi3+イオンの溶液と、該溶媒に不溶性である固体が析出するような条件下で混ぜ合わせることにより、粒子をオキシハロゲン化ビスマスでコーティングする方法であって、該方法では、固体が析出する間、溶媒中にL-又はLHが存在し、そして該粒子が式BiOI・(BiOX)j・(BiOL)kの固体でコーティングされる方法にも関する。
【0043】
最も簡単な実施態様では、コーティングしようとする粒子を、例えば撹拌又は超音波により析出媒体中に単に懸濁させるだけである。大きな表面積の基体を撹拌析出媒体と接触させておくことができる。これは、本発明の固体の析出の前か又は析出中でも行うことができるが、好ましくは析出の前又は最初の段階で、量の面では、例えば析出の初めの3分の1で、又は析出のなかばまでに行うことができる。しかし、本発明のコーティングは、コーティングしようとする粒子の調製に続いて行うことも可能である(例えば、ゾル/ゲル法で)であり、そして中間体の分離を省き、所望ならば同じ容器で続行することが可能である。また、これは、ナノ粒子をコーティングすることをも可能にする。
【0044】
コーティングしようとする粒子をインシトゥー(in situ)で製造する場合、SiO2、TiO2又はZrO2のそれぞれの適切な可溶性前駆物質、例えば、ケイ酸ナトリウム溶液、Na2Si37、Si(Oアルキル)4、TiBr4、ZrO(NO32などを、例えば最初の仕込みとして使用するか、あるいは適切ならば、析出の開始後か、又は特に有利には析出の終わりごろ、好ましくは析出の終了後に添加すると、対応する酸化物が加水分解の結果として形成される。特に選択されるのは、懸濁液(例えば、酢酸塩で緩衝されている)へのアルカリ性ケイ酸ナトリウム溶液の計量添加である。先駆物質のそれぞれの溶液を本発明の着色剤の懸濁液と混合したときに、加水分解の結果として、微粒子状酸化物が生成し始め、これは、本発明の析出しているか又は既に析出した着色剤と一緒に、着色顔料を生じる。更に、例えば、微粒状のSiO2粒子、硫酸バリウム粒子又はTiO2粒子、例えば、Aerosil(登録商標)、Blanc Fixe micro(登録商標)、又はEusolex(登録商標)などの分散懸濁液は、本発明の着色剤の析出又は熟成の中間又は終了頃に添加することも可能である。
【0045】
更なる可能性は、加えて環境上の影響、熱、酸又はアルカリに対しての安定性を向上させるために、そして、例えば、表面コーティング組成物、プラスチック又は印刷インキなどの種々の系における分散性を向上させるために表面処理を行うことである。このような表面処理それ自体は、当業者に知られている。慣用的な層は、例えば、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、カルシウム又はマグネシウムのフッ化物、リン酸塩、酸化物又はケイ酸塩である。
【0046】
コーティング剤は、本発明の着色剤に、好ましくは少量、例えば、コーティングされた着色剤を基準にして、0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%、特に0.1〜10重量%の少量で添加される。
【0047】
コーティングされた着色剤は、色素を含んでおり、そして特に、微粒度(色の濃度)、色の飽和度(彩度)及び安定性(光堅牢性や耐候堅牢性)により特徴づけられる。コーティングされた着色剤は、それ自体で又は他の顔料若しくはエフェクト顔料(例えば、本明細書中で先に開示したもの)と混合して、例えば物理的混合物(「ブレンド物」)の形態で使用することができる。物理的混合物では、顔料が、例えば、混和、乾式若しくは湿式磨砕、造粒、押出、混練、成形、注型、分散、流動又は塔乾燥により互いに混合される際、湿潤、乾燥又は予備懸濁形態にあるかどうかは重要ではない。
【0048】
本発明の顔料は、通常のどのような目的に対しても、例えば、ポリマー、表面コーティング組成物(効果仕上げ剤、自動車部門のものなど)及び印刷インキの大量着色に、又は、例えば、化粧品の用途に対しても使用することができる。このような用途は、参考文献、例えば「Industrielle Organische Pigmente」(W. Herbst+K. Hunger, VCH Weinheim/New York、ドイツ語及び英語で絶えず新版が発行されている)から知られている。
【0049】
しかし、本発明の顔料を、従来から入手可能な顔料又はエフェクト顔料では完全には満足でなかった用途に対して、しばしば考慮に入れることができることが分かった。当業者に、これに関して適切な試験を実施することが特に勧められる。
【0050】
本発明の顔料及びコーティングは、黄色、オレンジ又は赤みがかった色を有し、そして高分子量有機材料を着色するのに使用して優れた結果を得ることができる。これらは、慣用の白色、黒色又は着色顔料、特に有機顔料、例えば、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、ペリレン又はフタロシアニン、及び類似若しくは異なる色のエフェクト顔料との併用に特に適している。コーティングに関連して先に記載した顔料が特に参照される。特に関心を引く組み合わせ結果は、例えばEP0388932又はEP0402943と同様にして、透明顔料の色とエフェクト顔料の色とが補完しあうときに得られる。
【0051】
混合物では、他の顔料に対する本発明の顔料の比率は、有利には1:1000〜1000:1、好ましくは1:100〜100:1、特に1:10〜10:1である。
【0052】
本発明の顔料又は顔料組成物を用いて着色する高分子量有機材料は、天然由来又は合成由来のものであってよい。高分子量有機材料は、通常、約103〜108g/モル以上の分子量を有する。これらは、例えば、天然樹脂、乾性油、ゴム若しくはカゼイン、又はこれらに由来する天然性物質、例えば、塩素化ゴム、油変性アルキド樹脂、ビスコース、セルロースエーテル又はエステル、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、アセト酪酸セルロース又はニトロセルロースであってよいが、特に、重合、重縮合又は重付加により得られるような完全合成の有機ポリマー(熱硬化性プラスチック及び熱可塑性プラスチック)であってよい。重合樹脂の群からは、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリイソブチレンなどのポリオレフィン、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はブタジエンの重合生成物などの置換ポリオレフィン、及び、特にABS又はEVAなどの上記モノマーの共重合生成物を挙げることができる。
【0053】
重付加樹脂及び重縮合樹脂の系列から、ホルムアルデヒドとフェノールとの縮合生成物、いわゆるフェノプラスト、ホルムアルデヒドと尿素、チオ尿素又はメラミンとの縮合生成物、いわゆるアミノプラスト、アルキド樹脂などの飽和又はマレイン酸樹脂などの不飽和の、表面コーティング樹脂として使用されるポリエステル;線状ポリエステル、線状ポリアミド、ポリウレタン又はシリコーンを挙げることができる。
【0054】
上記の高分子量化合物は、プラスチック塊又は溶融体の形態で、単独又は混合物で存在することができる。高分子量化合物は、例えば、煮アマニ油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂及び尿素−ホルムアルデヒド樹脂、又はアクリル樹脂のような、表面コーティング又は印刷インキのための皮膜形成剤又はバインダーとして、溶解形態にある高分子量化合物のモノマーの形態又は重合した状態で存在することができる。
【0055】
意図する目的に応じて、本発明のエフェクト顔料又はエフェクト顔料組成物を着色粉末として又は配合物の形態で使用することが有利であると実証された。高分子量有機材料、特にポリエチレンを着色するためのエフェクト顔料の使用に悪影響を及ぼさないという条件で、コンディショニング方法又は意図する用途に応じて、ある特定量のテクスチャー改良剤をコンディショニング工程の前又は後にエフェクト顔料に添加するのが有利である。適切な薬剤は、特に、少なくとも18個の炭素原子を含有する脂肪酸(例えばステアリン酸又はベヘン酸)又はそのアミド若しくは金属塩(特にマグネシウム塩)、及び可塑剤、ワックス、樹脂酸(例えばアビエチン酸)、ロジン石鹸、アルキルフェノール、あるいは脂肪族アルコール(例えばステアリルアルコール)又は8〜22個の炭素原子を含有する脂肪族1,2−ジヒドロキシ化合物(例えば1,2−ドデカンジオール)、並びに変性されたコロホニウムマレエート樹脂又はフマル酸コロホニウム樹脂である。テクスチャー改良剤は、最終生成物を基準にして、好ましくは0.1〜30重量%、特に2〜15重量%の量で添加される。
【0056】
本発明のエフェクト顔料は、着色しようとする高分子量有機材料に着色するのに有効な量で添加することができる。高分子量有機材料と、該高分子量有機材料を基準にして0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜30重量%の本発明の顔料とを含む、着色物質組成物が有利である。1〜20重量%、特に約10重量%の濃度が、しばしば、実際に使用される。
【0057】
高濃度の物、例えば30重量%よりも高い濃度の物は、通常、比較的低い顔料含量を有する着色材料を製造するための着色剤として使用することができるコンセントレート(「マスターバッチ」)の形態にあり、そして本発明の顔料は、通常の配合物において非常に低い粘度を有しているので、容易に加工できる状態が保たれている。また、コンセントレートは、しばしば、公知の表面活性物質、例えば、界面活性剤、天然若しくは合成樹脂(例えば、コロホニー又はその誘導体)、又は分散剤あるいはレオロジー改良剤(例えば、発色団の極性誘導体)を含み、この場合には、インキ、表面コーティング組成物及びポリマーにおける分散性及び/又はレオロジーが一般に改善される。
【0058】
有機材料を着色するために、本発明の顔料は単独で使用することができるが、異なる色相又は色彩効果を得るために、高分子量有機物質に、本発明の顔料の他に、所望量(例えば、本発明の顔料を基準にして0.1〜100重量%)の他の色付与成分、例えば、白色顔料、着色顔料、黒色顔料又はエフェクト顔料を添加することも可能である。着色顔料を本発明の顔料と混合して使用する場合は、その総量は、高分子量有機材料を基準にして、好ましくは0.1〜10重量%である。特に高いゴニオクロマティック性は、本発明の顔料と、他の色、特に補完し合う色のエフェクト顔料との好ましい組み合わせによりもたらされ、そしてエフェクト顔料を使用して得られる色合いと着色顔料を使用して得られる色合いとの間の色相の差(ΔH)は、測定角10°において、20〜340、特に150〜210である。エフェクト顔料及び着色顔料は、有利には、多層効果の表面コーティングにおいて隣接する媒体中に存在し得る。
【0059】
本発明の顔料による高分子量有機物質の着色は、例えば、ロールミル又は混和若しくは磨砕装置を使用して、このような顔料を、適切ならばマスターバッチの形態で基体と混合することにより行われる。着色された材料は、次いで、カレンダリング、圧縮成形、押出、コーティング、流し込み又は射出成形などのそれ自体知られた方法を使用して所望の最終形態にされる。顔料の練り込みの前又は後に、可塑剤、充填剤又は安定剤などのプラスチック産業で慣用の添加剤はいずれも慣用の量でポリマーに添加することができる。特に、軟質成形品を製造するために又はそれらの脆性を低減するために、成形前に、可塑剤、例えば、リン酸、フタル酸又はセバシン酸のエステルを高分子量化合物に添加するのが望ましい。
【0060】
表面コーティング及び印刷インキを着色するためには、高分子量有機材料及び本発明の顔料を、適切ならば、慣用の添加剤、例えば、充填剤、他の顔料、乾燥剤、又は可塑剤と一緒に、同じ有機溶媒又は溶媒混合物中に細かく分散させるか又は溶解させるが、個々の成分を別個に溶解若しくは分散させたり又はいくつかの成分を一緒に溶解若しくは分散させたりして、その後に初めて全成分を一緒にすることも可能である。
【0061】
例えば、プラスチック、表面コーティング又は印刷インキ、特に表面コーティング又は印刷インキ、とりわけ表面コーティングで得られる色合いは、優れた特性により、特に極めて高い飽和度及び顕著な堅牢性により特徴づけられる。
【0062】
顔料着色しようとする高分子量材料が表面コーティングであるときには、それは、特に特殊表面コーティング(speciality surface coating)、とりわけ自動車の仕上げである。
【0063】
本発明の顔料は、化粧目的、例えば、リップ又はスキンのメーキャップに、ヘア又は爪の着色に適している。したがって、本発明は、化粧品調合物又は配合物の総重量を基準にして、本発明の顔料0.0001〜90重量%と、化粧に適切な担体材料10〜99.9999重量%とを含む化粧品調合物又は配合物にも関する。
【0064】
このような化粧品調合物又は配合物は、例えば、リップスティック、マスカラ調合物、ブラッシャー、アイシャドウ、アイランナー、ファンデーション、ネイルワニス及びヘアシャンプーであり、例えば、スティック、軟膏、クリーム、エマルジョン、懸濁液、分散液、粉末又は溶液の形態にあるものである。本発明の化粧品調合物及び配合物は、調合物の総重量を基準にして、本発明の顔料を好ましくは0.005〜50重量%の量で含有する。
【0065】
本発明の化粧品調合物及び配合物に適した担体材料としては、このような組成物に使用される慣用の材料が挙げられる。
【0066】
本発明の顔料は、可溶性ビスマス化合物を可溶性アニオン成分と反応させることにより製造されるが、この反応は、他の同等の手段により行うこともできる。適切な出発物質は、可溶性酢酸塩、又は、例えば、結晶質の五水和物として若しくは硝酸媒体中の硝酸ビスマス溶液として得られる硝酸ビスマスなどの可溶性硝酸塩、及び対応するハロゲン化物のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩、並びに有機酸又はその対応する塩、例えば、サリチル酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウムである。添加順序は一般に自由に選択することができるが、オキシハロゲン化ビスマスの析出で知られているように成分の反応性及び溶解性を媒体及びpHとのからみで考えるべきである。適切な手順は、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、4−アミノ酪酸、コハク酸、4−アミノ安息香酸、あるいは安息香酸ナトリウム又はドデシル硫酸ナトリウムなどの対応する塩などの有機成分を、ハロゲン化物アニオンのアルカリ性の、場合により酢酸塩で緩衝した溶液(例えば、NaI、KBr又はKCl溶液)に最初に導入することである。
【0067】
2つの溶液を反応容器で撹拌しながら混合する場合、本発明の生成物の形成は、温度により、約5分〜50時間内に達成される。その時間は、析出、及び適切ならば再結晶の両方を含む。温度は、有利には−10〜130℃(場合により圧力下)、好ましくは10〜100℃、特に15〜70℃であり、この場合に生成物の特性は極めて僅かであるが変動することもあり得る。生成物の収率及び特性を最適にするために、当業者は、温度を上記の範囲内で日常的に変えて、それにより析出の速度及び期間(これは、本発明の生成物の正確な組成に依存する)を決定するだろう。再結晶は、例えば、顕微鏡を使用して又はフィルターテストによりモニターされる。析出及び再結晶は、20〜25℃で、通常2〜24時間で完結する。
【0068】
析出媒体のpHは、有利には、0〜約10であり、1〜9、特に2〜8、とりわけ2.5〜7のpH値が選択される。
【0069】
次の実施例は、本発明を例示するが、本発明の範囲を限定するものではない(特に明記しなければ、「%」は常に重量百分率である)。
【0070】
例1
Bi(NO33・5H2O 20.0gを50%酢酸70mlに撹拌しながら溶解した(溶液I)。それとは別に、酢酸ナトリウム10.0g、NaI 6.0g、及び安息香酸ナトリウム3.5gを水350mlに溶解した(溶液II)。次いで、激しく撹拌しながら、溶液Iを1分以上かけて溶液IIに注ぎ入れると、直ちに、濃い黄色の析出が生じた。再結晶の目的のために、混合物を更に室温で24時間撹拌すると、混合物の色は最終的にオレンジになった。撹拌機のスイッチを切り、デカンテーション、水の添加及び再撹拌の操作を3回行った。最後に、混合物をろ過し、フィルターケークを200mlの水で3回洗浄した。80℃/103Paで乾燥後、収量はBi(NO33を基準にして、ほぼ定量的であった。X線回折図を個々の成分のX線回折図と比較をすると、固溶体であることを示していた。
【0071】
例2
手順は例1と同様であるが、安息香酸ナトリウムは2.0gだけ、そして、更にNaF 0.43gを使用した。結果は例1の結果に匹敵していた。
【0072】
例3
手順は例2と同様であるが、NaFは0.21gだけ、そして、更にKBr 0.63gを使用した。結果は例2の結果に匹敵していた。
【0073】
例4
手順は例1と同様であるが、NaIは4.5gだけ、そして安息香酸ナトリウム3.5gの代わりにサリチル酸ナトリウム 5.0gを使用した。結果は例1の結果に匹敵していた。
【0074】
例5
手順は例1と同様であるが、安息香酸ナトリウム3.5gの代わりにステアリン酸ナトリウム6.0gを使用した。結果は例1の結果に匹敵していた。
【0075】
例6
手順は例5と同様であるが、ステアリン酸ナトリウムは4.0gだけ使用した。結果は例5の結果に匹敵していた。
【0076】
例7
手順は例5と同様であるが、ステアリン酸ナトリウムは0.5gだけ、そして、更にKBr 2.25gを使用した。結果は例5の結果に匹敵していた。
【0077】
例8
手順は例7と同様であるが、ステアリン酸ナトリウム0.75g及びKBr 2.0gを使用した。結果は例7の結果に匹敵していた。
【0078】
例9
手順は例1と同様であるが、NaIは5.25gだけ、安息香酸ナトリウム3.5gの代わりにステアリン酸ナトリウム0.41g、そして、更にKBr 2.65gを使用した。結果は例1の結果に匹敵していた。
【0079】
例10
手順は例9と同様であるが、NaI 5.35g及びステアリン酸ナトリウム0.16gを使用した。結果は例9の結果に匹敵していた。
【0080】
例11
手順は例1と同様であるが、NaIは5.5gだけ、そして安息香酸ナトリウム3.5gの代わりにシアン酸ナトリウム1.5gを使用した。結果は例1の結果に匹敵していた。
【0081】
例12
手順は例11と同様であるが、シアン酸ナトリウム1.5gの代わりにチオシアン酸ナトリウム2.0gを使用した。結果は例11の結果に匹敵していた。
【0082】
例13
手順は例7と同様であるが、ステアリン酸ナトリウム0.5gの代わりに同量のサリチル酸ナトリウムを使用した。結果は例7の結果に匹敵していた。
【0083】
例14
手順は例13と同様であるが、サリチル酸ナトリウム0.5gの代わりに同量のp−アミノ安息香酸ナトリウムを使用した。結果は例13の結果に匹敵していた。
【0084】
例15
手順は例14と同様であるが、KBrは使用せず、p−アミノ安息香酸ナトリウム 0.5gの代わりに3.0gを使用した。結果は例14の結果に匹敵していた。
【0085】
例16
手順は例15と同様であるが、NaI 6.25g及びp−アミノ安息香酸ナトリウム2.75gを使用した。結果は例15の結果に匹敵していた。
【0086】
例17
手順は例16と同様であるが、NaI 6.5g及びp−アミノ安息香酸ナトリウム2.5gを使用した。結果は例16の結果に匹敵していた。
【0087】
例18
手順は例16と同様であるが、p−アミノ安息香酸ナトリウムは2.5gだけ使用した。結果は例16の結果に匹敵していた。
【0088】
例19
手順は例16と同様であるが、NaI 5.0g及びp−アミノ安息香酸ナトリウム4.0gを使用した。結果は例16の結果に匹敵していた。
【0089】
例20
手順は例19と同様であるが、溶液IIを溶液Iと混ぜ合わせる前に、溶液IIにアルミニウムフレーク(Metallux2154(商標)/Eckart)を5.0g分散させた。酢酸を加えて、pHを3.4〜3.6の値に調整した。茶色がかった外観を有するフレークが得られ、これをプラスチック又は表面コーティングに組み込むと、非常に優れた耐光堅牢性を有する金赤色を呈した。
【0090】
例21
硝酸ビスマス五水和物40g、98%酢酸40g及び65%硝酸8gを含有する水溶液(I)600mlを、ヨウ化ナトリウム9g、コハク酸6g及び30%水酸化ナトリウム溶液30gを含有する激しく撹拌される水溶液(II)600mlに、室温で加えると、着色した析出が生じた。激しく撹拌される懸濁液のpHを、8%水酸化ナトリウム溶液を使用してpH3.2に調整し、そして撹拌を23℃で24時間続けた。次いで、水200ml中のアルミニウムフレーク(Aloxal 3010(登録商標)/Eckart、精製、ろ過、メタノールで洗浄)13gの懸濁液を加え、23℃で更に3時間撹拌すると、オレンジ色の顔料がアルミニウムフレークの表面に析出した。次いで、撹拌機のスイッチを切り、そしてデカンテーション、水の添加及び再撹拌の操作を4回行った。最後に、混合物をろ過し、フィルターケークを毎回200mlの水で3回洗浄した。フィルターケークを室温で、次いで100℃/103Paで12時間乾燥させると、黄金色のエフェクト顔料が得られた。
【0091】
例22
手順は例21と同様であるが、NaI 9g及びコハク酸6gを使用した。色相は例21の色相とは異なっていた。
【0092】
例23
手順は例21と同様であるが、NaI 12g及びコハク酸4gを使用した。色相は例21及び例22の色相とは異なっていた。NaI、コハク酸及びアルミニウムフレークの量を更に変えることにより更に優れた色調を得ることができた。
【0093】
例24〜27
手順は例20〜23と同様であるが、アルミニウムフレークの代わりに層状ケイ酸塩を使用した。
【0094】
例28〜31
手順は例20〜23と同様であるが、アルミニウムフレークの代わりに、ちょうど合成開始時に水溶液(I)中に懸濁させた層状ケイ酸塩を使用した。
【0095】
例32〜39
手順は例24〜31と同様であるが、SiO2プレートレットを層状ケイ酸塩の代わりに使用した。
【0096】
例40〜47
手順は例24〜31と同様であるが、層状ケイ酸塩の代わりにIriodin(登録商標)Sterlingsilver(登録商標)9013 WR(商標)を使用した。得られた生成物は表面コーティングで赤黄金色を呈した。
【0097】
例48
硝酸ビスマス五水和物40gを含有する水溶液(I)600ml、98%酢酸40g及び65%硝酸8gを、室温で、ヨウ化ナトリウム9g、臭化カリウム4g、安息香酸ナトリウム4g及び30%水酸化ナトリウム溶液30gを含有する激しく撹拌した水溶液(II)600mlに加えると、着色した析出物が生じた。激しく撹拌される懸濁液のpHを、8%水酸化ナトリウム溶液を使用してpH3.2に調整し、そして再結晶の目的のために撹拌を23℃で24時間続けた。次いで、撹拌機のスイッチを切り、デカンテーション、水の添加及び再撹拌の操作を4回行った。最後に、混合物をろ過し、フィルターケークを毎回200mlの水で3回洗浄した。100℃/103Paで乾燥後、収量は、Bi(NO33を基準にして、ほぼ定量的であった。X線回折図を個々の成分のX線回折図と比較をすると、固溶体であることを示していた。
【0098】
例49〜96
手順は例1〜48と同様であるが、湿潤フィルターケークを水中で再分散させた。一定のpH(<7)において、酢酸及びケイ酸ナトリウム溶液を同時に撹拌懸濁液に加えると、SiO2が生成物上に析出した。結果として、環境及び温度からの影響、及び周辺材料(ポリアミド、粉末コーティング)との相互作用に関する生成物の安定化が達成された。
【0099】
例97〜174
手順は例48と同様である、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム及び安息香酸ナトリウムの代わりに、次の出発物質を使用した。
【0100】
【表1】









【0101】
例175(比較)
手順は例97〜174と同様であるが、次の出発物質を使用した。
【0102】
【表2】

【0103】
応用例
例1〜174及び比較の例175の着色剤を、顔料含有率23%を有するアルキドメラミン樹脂表面コーティング組成物に適用した。その目的のために、顔料をガラス球と一緒にねじ込み式のふたを有するガラス容器に入れ、スキャンデックス装置(Scandex apparatus)を使用して、10μmの微粒度(ヘッグマンゲージ(Hegman gauge))になるまで分散させた。当該表面コーティング組成物を対比パネル(厚さ100μmの湿潤皮膜)に塗り広げ、20分間フラッシュオフさせ、そして130℃で30分間熱処理した。十分に硬化させた表面コーティングは厚さ約25μmの皮膜を有していた。
【0104】
比較の例175の生成物と比較して、例166の生成物は、より高い色の濃度(より低いL値)、より高い色の飽和度(より高いC値)及び魅力的なより赤みがかった色相(より低いh値)を有していた。光安定性及び耐候安定性が優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式 BiOI・(BiOX)j・(BiOL)k
〔式中、
Xは、Cl、Br、F、又は混合系(Br)m(Cl)n(F)o×1/(m+n+o)であり、
Lは、CN、NC、NCO、NCS、O−Z、S−Z、又は異なるCN、NC、NCO、NCS、O−Z、及び/又はS−Zの混合系であり、
Zは、COR1、COOR1、CONR12、CN、CSR1、COSR1、CSOR1、SO21、SO31
【化1】


、あるいはC6〜C24アリール又はC2〜C24ヘテロアリール(それぞれ、非置換であるか、あるいはハロゲン、NO2、CN、NR34、NR345、NR5COR3、NR5CONR34、R3、OR3、SR3、CHO、CR5OR3OR4、COR3、SO23、SO3-、SO33、SO2NR34、COO-、COOR3、CONR34、PO3-、PO(OR3)(OR4)、SiR567、OSiR567及び/又はSiOR5OR6OR7により一置換又は多置換されている)であり;
jは、0〜4、好ましくは0.5〜1.2の数であり;そして、
kは、0.005〜3、好ましくは0.05〜2、特に0.1〜1の数であり;
m、n、及びoは、それぞれ0〜106の数であるが、m、n、及びoは全部が同時には0にはならず、好ましくは、mは106であり、n及びoは0〜105であり、特に、nは0〜104であり、oは0〜102であり;
1は、C3〜C24アルキル、C3〜C24アルケニル、C3〜C24アルキニル、C3〜C24シクロアルキル、C3〜C24シクロアルケニル又はC3〜C24ヘテロシクロアルキル(それぞれ、非置換であるか、あるいはハロゲン、NO2、CN、NR34、NR345、NR5COR3、NR5CONR34、OR3、SR3、OBiO、SBiO、COO-、COOH、COOR3、CHO、CR5OR3OR4、COR3、SO23、SO3-、SO3H、SO33及び/又はOSiR567により一置換又は多置換されている)であるか、あるいはC6〜C24アリール、C7〜C24アラルキル、C8〜C24アラルケニル又はC2〜C24ヘテロアリール(それぞれ、非置換であるか、あるいはハロゲン、NO2、CN、NR34、NR345、NR5COR3、NR5CONR34、R3、OR3、SR3、CHO、CR5OR3OR4、COR3、SO23、SO3-、SO33、SO2NR34、COO-、COOR3、CONR34、PO3-、PO(OR3)(OR4)、SiR567、OSiR567及び/又はSiOR5OR6OR7により一置換又は多置換されている)であり;
2は、R1とは独立して、水素又はR1であるが、所望ならば、R1とR2とは、全体で5員又は6員環が形成されるように、直接結合又は−O−、−S−若しくは−NC1〜C8アルキル−の橋かけにより、互いに結合することが可能であり;
3及びR4は、それぞれ、他と独立に、水素、CN、OR5、COO-、COOH、COOR5、CONR56、COR5、SO25、SO3-、SO3H、SO35又はOSiR567、あるいはC1〜C24アルキル、C2〜C24アルケニル、C2〜C24アルキニル、C3〜C24シクロアルキル、C3〜C24シクロアルケニル又はC2〜C12ヘテロシクロアルキル(それぞれ、非置換であるか、あるいはハロゲン、NO2、CN、NR56、NR567、NR5COR7、NR5CONR67、OR5、SR5、COO-、COOH、COOR5、CHO、CR5OR6OR7、COR5、SO25、SO3-、SO3H、SO35及び/又はOSiR567により一置換又は多置換されている)、あるいはC7〜C18アラルキル、C6〜C14アリール又はC2〜C13へテロアリール(それぞれ、非置換であるか、あるいはハロゲン、NO2、CN、NR56、NR567、NR5COR6、NR5CONR67、R5、OR5、SR5、CHO、CR5OR6OR7、COR5、SO25、SO3-、SO2NR56、COO-、COOR7、CONR56、PO3-、PO(OR5)(OR6)、SiR567、OSiR567及び/又はSiOR5OR6OR7により一置換又は多置換される)であるか、
あるいはNR34が、更なる窒素又は酸素原子を場合により含有していてもよくかつC1〜C8アルキルにより一置換又は多置換されていてもよい、5員又は6員複素環であり;そして
5、R6及びR7は、それぞれ、他と独立に、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C7〜C18アラルキル、C6〜C14アリール又はC2〜C13ヘテロアリールであるが、所望ならば、R5とR6、及び/又はR6とR7は、全体で5員又は6員環が形成されるように、直接結合又は−O−、−S−若しくは−NC1〜C8アルキル−の橋かけにより、互いに結合することが可能である)
で示される固体。
【請求項2】
Zが、CN、COR1、SO31
【化2】


、又は非置換若しくは置換C6〜C24アリール、特にCOR1又はSO31であり;R1が、非置換又は置換の、C3〜C24アルキル、C3〜C24アルケニル、C6〜C24アリール又はC8〜C24アラルケニルであり;R3及びR4が、それぞれ、他と独立に、水素、CN、OR5、COOR5、CONR56又はCOR5、あるいは非置換又は置換の、C1〜C24アルキル、C7〜C18アラルキル又はC6〜C14アリールであるか;あるいはNR34が、更なる窒素又は酸素原子を場合により含有していてもよくかつC1〜C8アルキルにより一置換又は多置換されていてもよい、5員又は6員複素環であり、R5、R6及びR7が、それぞれ、他と独立に、水素、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル又はC7〜C18アラルキルであり、所望ならば、R5とR6、及び/又はR6とR7は、全体で5員又は6員環が形成されるように、直接結合又は−O−、−S−若しくは−NC1〜C8アルキル−の橋かけにより、互いに結合することが可能であり、そしてR5、R6及びR7自体は、所望ならば、置換されていてもよい、請求項1記載の固体。
【請求項3】
1が、C6〜C24アリール又はC8〜C24アラルケニルであって、それぞれ、OR3、NR34及びNO2よりなる群から選択される1個、2個又は3個の基により置換されている、請求項2記載の固体。
【請求項4】
主として又は排他的にハロゲン化ビスマスの結晶格子中にある、請求項1、2又は3記載の固体。
【請求項5】
j+kの合計が0.1〜3、好ましくは0.2〜1.5であり、かつm:n比が3:2〜5:1である、請求項1、2、3又は4記載の固体。
【請求項6】
溶媒中でI-及び場合によりX-を、BiOイオン又はBi3+イオンの溶液と、該溶媒に不溶性である固体が析出するような条件下で混ぜ合わせることにより、オキシハロゲン化ビスマスを製造する方法であって、該方法では、固体が析出する間、溶媒中にL-又はLHが存在し、そして析出する固体が式BiOI・(BiOX)j・(BiOL)k(ここで、jは、0〜4、好ましくは0.5〜1.2の数であり、そして、kは、0.005〜3、好ましくは0.05〜2、特に0.1〜1の数である)で示される、製造法。
【請求項7】
析出がpH1〜9で行なわれる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
2μm〜5mmの長さ、2μm〜2mmの幅及び50nm〜1.5μmの厚さを有し、高さに対する長さの比率が少なくとも5:1で、高さに対する幅の比率が少なくとも3:1で、幅に対する長さの比率が高くても5:1であるプレートレットであって、
式BiOI・(BiOX)j・(BiOL)k(ここで、jは、0〜4、好ましくは0.5〜1.2の数であり、そして、kは、0.005〜3、好ましくは0.05〜2、特に0.1〜1の数である)で示される固体でコーティングされているプレートレット。
【請求項9】
コーティングされていないプレートレットを基準にして、1〜1000重量%、好ましくは5〜500重量%、特に10〜200重量%の、式BiOI・(BiOX)j・(BiOL)kの固体でコーティングされている、請求項8記載のプレートレット。
【請求項10】
溶媒中で、I-及び場合によりX-を、BiOイオン又はBi3+イオンの溶液と、該溶媒に不溶性である固体が析出するような条件下で混ぜ合わせることにより、粒子をオキシハロゲン化ビスマスでコーティングする方法であって、該方法では、固体が析出する間、溶媒中にL-又はLHが存在し、そして該粒子が式BiOI・(BiOX)j・(BiOL)k(ここで、jは、0〜4、好ましくは0.5〜1.2の数であり、そして、kは、0.005〜3、好ましくは0.05〜2、特に0.1〜1の数である)で示される固体でコーティングされる、方法。
【請求項11】
固体が析出する間、粒子が溶媒中に懸濁している、請求項10記載の方法。
【請求項12】
粒子の製造に続いて、中間体の分離を行わずにコーティングが行なわれる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項1、2、3、4、若しくは5記載の固体、又は請求項8若しくは9記載のプレートレットと、少なくとも1種の更なる、白色顔料、黒色顔料、着色顔料、又はエフェクト顔料とを含む物質組成物。
【請求項14】
高分子量有機物質と、該高分子量有機物質を基準にして0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜30重量%の、請求項1、2、3、4、若しくは5記載の固体又は請求項8若しくは9記載のプレートレットとを含む物質組成物。

【公表番号】特表2006−525936(P2006−525936A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505584(P2006−505584)
【出願日】平成16年5月3日(2004.5.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050674
【国際公開番号】WO2004/099078
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】