ビデオカメラ
【目的】 オ−トホワイトバランス調整やオ−トフォ−カス調整等の自動機能の性能向上と、特定被写体とその背景と画質制御による映像表現等のための機能の実現とを図かる。
【構成】 撮像素子1の出力信号を信号処理回路2で処理してテレビジョン信号に変換し、外部に出力するとともに、被写体抽出回路3に供給し、特定被写体を表わす特定被写体信号を抽出する。この特定被写体信号をもとに制御回路4が信号処理回路2や電子シャッターの駆動回路5やアイリス6を制御する。これにより、特定被写体部分とその他の部分とが個別に処理され、照度等の条件にかかわらず、ポ−トレ−ト効果や特定被写体の色補正等の機能が簡単に得られると、また、特定被写体に応じた理想的な画質制御ができ、ビデオカメラの自動機能の性能が向上する。
【構成】 撮像素子1の出力信号を信号処理回路2で処理してテレビジョン信号に変換し、外部に出力するとともに、被写体抽出回路3に供給し、特定被写体を表わす特定被写体信号を抽出する。この特定被写体信号をもとに制御回路4が信号処理回路2や電子シャッターの駆動回路5やアイリス6を制御する。これにより、特定被写体部分とその他の部分とが個別に処理され、照度等の条件にかかわらず、ポ−トレ−ト効果や特定被写体の色補正等の機能が簡単に得られると、また、特定被写体に応じた理想的な画質制御ができ、ビデオカメラの自動機能の性能が向上する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特殊撮影機能やオ−トホワイトバランス、自動露光制御等の自動機能を備えたビデオカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラやVTRと一体化されたビデオム−ビ−の急速な普及に伴なってユ−ザ層も多様化し、ビデオソフト作品作りが個人でも行われるようになった。このため、自由な映像表現を行なうための各種の機能も求められるようになってきた。このような機能の例として、テレビジョン学会報告Vol.14,No.16(1990)第1頁〜第6頁に記載されるように、可変電子シャッタを用いたプロフェッショナルAEシステムがある。このシステムでは、一眼レフカメラのように被写界深度を選べるので、被写体だけに焦点を合わせて背景をぼかしてポ−トレ−ト的な効果を出したり、深度を深くして近くの被写体から遠くの被写体まで焦点を合わせる等のことが実現できる。
【0003】一方、一般のユ−ザ層にとっては、操作が簡単で、かつ美しい画像が撮れるような使い勝手の良いビデオカメラが求められるようになった。このため、テレビジョン学会報告Vol.14,No.16(1990)第13頁〜第18頁やテレビジョン学会報会年次大会講演予稿集(1990)第21頁〜第23頁等に記載されるように、オ−トホワイトバランス、オ−トフォ−カスといった各種の自動機能がビデオカメラに搭載されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プロフェッショナルAEでは、実現できる機能が背景をぼかす等に限られており、例えば色に関する処理は不可能であった。また、絞り値やシャッタ速度を選択する自由度は被写体周辺の照度に大きく依存し、低照度では、充分に機能を発揮できないという問題があった。
【0005】また、上記のホワイトバランス等の自動機能については、ある程度の性能が得られているものの、ベテランのユ−ザ−が撮影している被写体や周囲の条件に応じてマニュアルで調整する場合と同程度の性能が得られるようにすることは難しかった。このようなレベルまで自動機能の性能を向上させるためには、人間が撮影を行なうときのように、カメラ自体がある程度被写体が何であるかを理解する必要があるが、従来、カメラにはそのような機能は備わっていない。
【0006】本発明の第1の目的は、かかる問題を解消し、被写体の背景をぼかすポ−トレ−トや被写体を美しく見せるために被写体の色を補正する等のような映像表現等のための新機能を、照度等の条件にかかわりなく、実現可能としたビデオカメラを提供することにある。
【0007】本発明の第2の目的は、オ−トホワイトバランス、オ−トフォ−カス等の自動機能の性能向上を図ったビデオカメラを提供することにある。
【0008】本発明の第3の目的は、被写体が何であるかをある程度理解できるようにしたインテリジェントなビデオカメラを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するために、本発明は、撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号に変換するに際し、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体部分を抽出する抽出手段と、該信号処理回路(2)での該特定の被写体部分とその他の部分の信号処理パラメ−タを該抽出手段の抽出出力に応じて個別に制御する制御手段とを設ける。
【0010】上記第2、第3の目的を達成するために、本発明は、撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号に変換するに際し、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体部分を抽出する抽出手段と、該抽出手段が抽出した該特定の被写体部分から被写体を認識する認識手段と、該認識手段の認識結果に基づいて該信号処理回路を制御する制御手段とを設ける。
【0011】上記第3の目的を達成するために、本発明は、撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号に変換するに際し、該信号処理回路を制御する制御手段と、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体部分を抽出する抽出手段と、該抽出手段が抽出した該特定の被写体部分から被写体を認識する認識手段と、該認識手段の認識結果を出力する出力手段とを設ける。
【0012】
【作用】信号処理回路から出力される映像信号は抽出手段に供給され、この映像信号から人物等の特定の被写体を表わす信号(以下、特定被写体信号という)が検出される。制御手段は信号処理回路における映像信号の周波数特性や増幅度、色相等のパラメ−タを制御するが、抽出手段の出力に応じて、映像信号での該特定の被写体部分とそれ以外の部分とで異なる周波数特性や増幅度、色相等を与えるように信号処理回路の処理パラメ−タを制御する。これにより、被写体を浮き上がらせるポ−トレ−ト効果や背景の色に影響を与えずに人物の肌色を補正する等の機能を実現できる。
【0013】また、認識手段は、抽出手段が抽出した特定被写体信号により、この特定の被写体が何であるかを認識し、この認識結果に応じて制御手段は信号処理回路の処理パラメ−タを制御する。これにより、認識された被写体の画質がそれにとって最適なものとなる。
【0014】さらに、上記出力手段により、認識手段の認識結果を所望の表示手段に供給することができ、これにより、抽出手段が抽出した特定被写体信号による特定の被写体が何であるかを映像や文字、音声等で表示することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明する。図1は本発明によるビデオカメラの一実施例を示す構成図であって、1は撮像素子、2は信号処理回路、3は被写体抽出回路、4は制御回路、5は駆動回路、6はアイリス、7はレンズである。
【0016】同図において、レンズ7及びアイリス6を通過した光が撮像素子1で光電変換され、これによって撮像素子1から電気信号が出力される。この電気信号は信号処理回路2に供給され、ガンマ処理等の処理が施こされて映像信号が得られる。この映像信号は外部に出力されるとともに、被写体抽出回路3に供給される。この被写体抽出回路3は予め決められた目的の被写体(特定被写体)を抽出するためのものであつて、供給される映像信号からこの特定被写体を表わす部分(特定被写体信号)を抽出し、制御回路4に供給する。
【0017】この制御回路4は、この特定被写体信号に応じて、信号処理回路2での映像信号の利得や黒レベル、周波数特性、色相等を制御するとともに、駆動回路5とアイリス6を制御するように動作する。かかる制御により、画面上で目的とする被写体以外の部分をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体を強調する機能、同じく目的とする特定被写体の色を変換する機能、同じく目的とする特定被写体の信号レベルを変化させる機能等が、照度等の条件にかかわりなく、得られるし、また、画面上での目的とする特定被写体でホワイトバランスを補正することによりオートホワイトバランス機能の性能が向上し、さらに、目的とする特定被写体に応じて駆動回路5が電子シャッタを制御し、アイリス6が絞りを制御することにより、最適な被写界深度が自動的に設定される。
【0018】図2は図1における信号処理回路2と制御回路4の一具異例を示すブロック図であって、8は分離回路、9は色信号処理回路、10は垂直アパーチャ補正回路、11は水平アパーチャ補正回路、12は増幅器、13はエンコーダ回路、14、15は加算器、16はマイコンであり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0019】図2において、信号処理回路2は分離回路8、色信号処理回路9、垂直アパーチャ補正回路10、水平アパーチャ補正回路11、増幅器12及びエンコーダ回路13からなり、制御回路4は加算器14、加算器15及びマイコン16からなつている。
【0020】信号処理回路2においては、撮像素子1の出力信号が分離回路8供給されて輝度信号YとR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号とに分離される。輝度信号Yは垂直アパーチャ補正回路10、水平アパーチャ補正回路11及び制御回路4の加算器14に供給され。垂直アパーチャ補正回路10では、供給された輝度信号Yから垂直アパーチャ補正信号が形成され、加算器14に供給される。また、水平アパーチャ補正回路11では、供給された輝度信号Yから水平アパーチャ補正信号が形成され、加算器15に供給される。加算器14では、マイコン16により、輝度信号Yと水平アパーチャ補正信号との加算比が制御され、加算器15では、同じくマイコン16により、加算器14の出力輝度信号Yと垂直アパーチャ補正信号との加算比が制御される。このようにして、加算器15から水平、垂直アパーチャ補正された輝度信号Yが出力され、増幅器12で増幅された後、エンコーダ回路13に供給される。また、分離回路8から出力されるR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号は色信号処理回路9に供給され、色差信号R−Y、B−Yが形成されてエンコーダ回路13に供給される。エンコーダ回路13はこれら輝度信号Yと色差信号R−Y、B−Yとからカラー映像信号を形成し、外部に出力する。
【0021】一方、増幅器12で増幅された輝度信号Yと色信号処理回路9から出力される色差信号R−Y、B−Yとは、また、被写体抽出回路3に供給される。この被写体抽出回路3では、輝度信号Yのレベルや色差信号R−Y、B−Yのレベル比等からこれら輝度信号Yと色差信号R−Y、B−Yでの特定被写体を表わす特定被写体信号を抽出し、制御回路4のマイコン16に送る。このマイコン16は、この特定被写体信号に応じて、加算器14、15夫々の加算比を制御する。
【0022】このように、特定被写体に応じて部分的に輝度信号Yのアパーチャ補正量を変化させることができるので、画面上の目的とする特定被写体以外の部分をぼかす機能や目的とする特定被写体をぼかす機能等を、照度等の条件にかかわりなく、実現できることになる。
【0023】図3は本発明によるビデオカメラの他の実施例を示す構成図であって、17〜19は可変利得増幅器であり、図2に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、信号処理回路2は分離回路8、色信号処理回路9及びエンコーダ回路13からなり、制御回路4はマイコン16及び可変利得増幅器17〜19からなっている。分離回路8から出力される輝度信号Yは、可変利得増幅器17で利得制御された後、エンコーダ回路13に供給され、色信号処理回路9から出力される色差信号R−Y、B−Yは夫々、可変利得増幅器18、19で利得制御された後、エンコーダ回路13に供給される。
【0024】一方、分離回路8から出力される輝度信号Yと色信号処理回路9から出力される色差信号R−Y、B−Yとは被写体抽出回路3に供給され、図2に示した実施例と同様にして、特定被写体信号が抽出される。この特定被写体信号は制御回路4のマイコン16に供給され、マイコン16は、この特定被写体信号に応じて、可変利得増幅器17〜19の利得を制御する。
【0025】これにより、輝度信号Yと色差信号R−Y、B−Yの信号量が特定被写体信号に応じて制御され、画面上の目的とする特定被写体の色を変換する機能、同じく目的とする特定被写体の信号レベルを変える機能、同じく目的とする特定被写体以外の部分の信号レベルを変える機能、同じく目的とする特定被写体を強調する機能等を、照度等の条件にかかわりなく、実現できることになる。
【0026】図4は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、20は黒レベル設定回路であり、図3に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、信号処理回路2は図3における信号処理回路2と同様の構成をなしているが、制御回路4は図3の制御回路4での可変利得増幅器17の代りに黒レベル設定回路20が用いられている。そして、分離回路8から出力される輝度信号Yは、この黒レベル設定回路20で、マイコン16により、被写体抽出回路3からの特定被写体信号に応じて黒レベルが制御された後、エンコーダ回路13に供給される。これ以外の構成、動作は図3に示した実施例と同様である。
【0027】これにより、輝度信号Yの黒レベルと色差信号R−Y、B−Yの信号量が特定被写体信号に応じて制御され、図3に示した実施例で得られる効果に加え、さらに、画面上の目的とする特定被写体を白くフェードする機能を、照度等の条件にかかわりなく、実現できることになる。
【0028】図5は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、21、22は遅延回路、23は帯域分離回路、24〜30は乗算器、31〜33は加算器であり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0029】同図において、信号処理回路2は分離回路8、色信号処理回路9、エンコーダ回路13及び遅延回路21、22からなり、制御回路4はマイコン16、帯域分離回路23、乗算器24〜30及び加算器31〜33からなっている。
【0030】分離回路8から出力される輝度信号Yは制御回路4の帯域分離回路23に供給され、色信号処理回路9から出力される色差信号R−Y、B−Yは夫々遅延回路21、22で遅延されて制御回路4の乗算器28、30に供給される。帯域分離回路23では輝度信号Yが低周波輝度信号YLと高周波輝度信号YHとに分離され、夫々乗算器24、25に供給される。乗算器24ではマイコン16から出力される係数(1−φy)が低周波輝度信号YLに乗じられ、乗算器25ではマイコン16から出力される係数φhが高周波輝度信号YHに乗じられる。また、マイコン16から係数φyと信号Ysetが出力され、これらが乗算器26で乗じられる。これら乗算器24、25、26の出力信号は加算器31で加算され、エンコーダ回路13に供給される。
【0031】一方、乗算器28ではマイコン16から出力される係数(1−φr−y)が色差信号R−Yに乗じられ、乗算器30ではマイコン16から出力される係数(1−φb−y)が色差信号B−Yに乗じられる。また、マイコン16から係数φr−yと信号R−Ysetが出力されてこれらが乗算器27で乗じられ、さらに、マイコン16から係数φb−yと信号B−Ysetが出力されてこれらが乗算器29で乗じられる。乗算器27、28の出力信号は加算器32で加算され、乗算器29、30の出力信号は加算器33で加算されて、夫々エンコーダ回路13に供給される。
【0032】このように、低周波輝度信号YLと高周波輝度信号YHとは夫々係数(1−φy)、φhによって信号量が変化し、また、色差信号R−Yと色差信号B−Yとは夫々係数(1−φr−y)、(1−φb−y)によって信号量が変化する。マイコン16は、被写体抽出回路3からの特定被写体信号に応じて、これら係数(1−φy)、φh、(1−φr−y)、(1−φb−y)を制御する。従って、これら低周波輝度信号YL、高周波輝度信号YH、色差信号R−Y及び色差信号B−Yの信号量が特定被写体信号に応じて変化することになる。さらに、加算器31では乗算器24〜26の出力信号が加算されるから、低周波輝度信号YL、高周波輝度信号YH及び信号Ysetの加算比が特定被写体信号に応じて制御されることになるし、また、加算器32では乗算器27、28の出力信号が加算され、加算器33では乗算器29、30の出力信号が加算されるから、色差信号R−Yと信号R−Ysetとの加算比、色差信号B−Yと信号B−Ysetとの加算比が夫々特定被写体信号に応じて制御されることになる。
【0033】従って、この実施例によると、特定被写体信号に応じて低周波輝度信号YLと高周波輝度信号YHとの加算比を変化させることによって目的とする特定被写体とそれ以外の部分で周波数特性を異ならせることができ、低周波輝度信号YL、高周波輝度信号YH及び信号Ysetの加算比を変化させることによって目的とする特定被写体とそれ以外の部分で信号量を異ならせることができるし、色差信号R−Yと信号R−Ysetとの加算比、色差信号B−Yと信号B−Ysetとの加算比を夫々変化させることによって目的とする特定被写体とそれ以外の部分での色を異ならせることもできる。この結果、画面上の目的とする特定被写体以外の部分をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体を強調する機能、同じく目的とする特定被写体の色を変えたり、特定被写体以外の部分と色を異ならせたりする機能、同じく目的とする特定被写体の信号レベルを変化させる機能、同じく目的とする特定被写体を白くフェードする機能等を、照度等の条件にかかわりなく、実現できることになる。
【0034】図6は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、34はモータであり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、被写体抽出回路3は信号処理回路2からの映像信号から人物等の特定被写体を表わす特定被写体信号を抽出し、その高周波成分を用いて合焦具合いに応じた焦点電圧をフィ−ルド毎に算出する。制御回路4はこの算出された焦点電圧に応じてモータ34を制御し、この焦点電圧が大きくなる方向にレンズ7を移動させて、焦点電圧が最大となる位置にレンズ7を停止させる。
【0035】このようにして、この実施例では、抽出した特定被写体部分のみから映像信号の高周波成分を検出して特定被写体への合焦制御が行なわれるので、オ−トフォ−カスの合焦精度がより向上することになる。
【0036】また、この実施例において、レンズ7をズームレンズとし、モ−タ34がこのズ−ムレンズを駆動するようにしてもよい。但し、抽出回路3では、人物の顔等の特定被写体が検出され、その位置、大きさ等の情報を制御回路4に供給するようにする。制御回路では、その特定被写体の大きさがほぼ一定になるように、ズ−ム倍率を制御する。これによると、抽出した特定被写体情報により、撮影中にこの特定被写体が近づいたり、遠ざかったりしても、自動的に特定被写体の画面上での大きさほぼ一定になるように制御できるので、安定した撮影ができることになる。
【0037】図7は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、35は被写体認識回路であり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、抽出回路3は信号処理回路2から供給される輝度信号と色信号から特定被写体の特徴抽出を行なう。抽出する特徴としては、画面上の位置のほか、輝度信号のレベルや色信号から抽出する色相、飽和度、動きベクトル等がある。また、これらの特徴から特定被写体の形状等の特徴も算出する。被写体認識回路35はこれらの特徴を用いて特定被写体が何であるかを認識する。認識の対象となる特定被写体は、ビデオカメラの被写体として最も一般的な人物のほか、例えば、空、木等がある。被写体認識回路35で得られるこれら特定被写体や色温度、照度等の条件に応じて、制御回路4はホワイトバランス調整、電子シャッタ、アイリス、ズ−ム倍率等を制御する。
【0038】抽出回路3は入力画像から特徴ベクトルを検出して被写体認識回路35に転送する。認識手段35は、例えば、マイクロコンピュ−タによって構成されており、入力された特徴ベクトルを解析して特定被写体を判定する。画像から抽出された特徴ベクトルを用いて物体を認識する手法に関しては、例えば人工知能ハンドブック、オ−ム社、1990年、第312頁〜第400頁等、多くのアルゴリズムが提案されており、それら用いて認識を行なえばよい。
【0039】この実施例での特定被写体の認識結果に基づくホワイトバランス調整について説明すると、制御回路4は、抽出された被写体に応じた最適の処理を行なうように、信号処理回路2を制御する。ここでは、制御回路4は図3に示す構成をなしており、被写体認識回路35で例えば特定被写体として人物が認識された場合、肌色が青ざめないように色信号ゲインを設定してホワイトバランス補正を行なう。また、夕暮れのシ−ンでは、ホワイトバランス補正を弱めに設定する。このように特定被写体やシ−ンに応じたホワイトバランス調整のデ−タ、つまりアンプゲインは、被写体抽出回路3の出力に基づいてマイコン16(図3)から供給される。
【0040】図8は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、36は出力回路であり、図7に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、信号処理回路2から出力される映像信号は被写体抽出手段3に供給されるとともに、出力回路36に供給される。被写体認識回路35は抽出手段3で抽出された特定被写体の大きさ、形状、位置、動き、色等からこの特定被写体が何であるのかを認識し、その認識結果を出力回路36に供給する。出力回路36はこの認識結果を言葉や音声、文字、映像、符号等の形式の信号で信号処理回路2からの映像信号に重畳し、外部に出力する。勿論、出力回路36は認識結果だけを同様の信号形式として外部に出力するようにすることも可能である。また、外部に出力されたかかる認識結果は、映像信号と共にあるいは単独で記録媒体に記録することも可能であるし、記録された認識結果を記録媒体の編集などを行なうときに検索機能として用いることもできる。
【0041】図9は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、図8に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、制御回路4は、被写体抽出回路3の抽出結果ばかりでなく、被写体認識回路35の認識結果にも応じて、信号処理回路2や被写体抽出手段3、被写体認識回路35、出力回路36を制御する。すなわち、制御回路4は、被写体抽出回路3の抽出結果と被写体認識回路35の認識結果とから、抽出した特定被写体が何であるかを認識することにより、それが目的とする特定被写体であるかを判断し、これによって被写体抽出手段3の抽出条件を再設定することが可能となる。従って、目的とする特定被写体の抽出精度を高めることができる。
【0042】また、この実施例では、目的とする特定被写体が何であるかを認識し、画面上でこの特定被写体以外の部分をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体部分をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体以外の部分とこの特定被写体部分とを夫々任意の強さでぼかす機能、同じく目的とする特定被写体を強調する機能、同じく目的とする特定被写体の色を変化させる機能などを、認識した結果に応じて、制御回路4で自動選択することができし、抽出結果の出力も自動設定することが可能となる。
【0043】次に、以上説明した各実施例における被写体抽出回路3の一具体例を、図10及び図11により、説明する。但し、3aは白補正回路、3bは軸変換回路、3cは切替回路、3dは乗算器、3eは比較手段、3fはアンドゲートであり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0044】図10において、被写体抽出回路3は、白補正回路3a、軸変換回路3b、切替回路3c、乗算器3d、比較手段3e及びアンドゲート3fから構成されている。信号処理回路2(例えば図2)から供給される輝度信号Yは比較手段3eに供給され、色差信号R−Y、B−Yは白補正回路3aに供給される。白補正回路3aでは、制御回路4のマイコン16からの白ずれ量で制御されることによって色差信号R−Y、B−Yを補正し、どの色信号にも最適な白補正を施す。白補正回路3aから出力される色差信号R−Y、B−Yは軸変換回路3bでマイコン16からの軸変換量に応じて軸変換される。ここで、白補正回路3aから出力される色差信号R−Y、B−Yを夫々Cr、Cbとし、軸変換回路3bから出力される色差信号R−Y、B−Yを夫々Cx、Cyとすると、これらCx、Cyは次式で表わされる。
Cx(θ)=Cr・sin(θ)+Cb・cos(θ)………(1)
Cy(θ)=Cr・cos(θ)−Cb・sin(θ)………(2)
かかる式でのθがマイコン16からの軸変換量に応じて変化する。
【0045】軸変換回路3bから出力される色差信号Cx、Cyは比較手段3eに供給され、色差信号Cx、Cyと輝度信号Yとがマイコン16からの比較条件と比較される。かかる比較条件は輝度信号Yに対してY1、色差信号Cx、Cyに対してC1と、あるいは輝度信号Yに対してY2、色差信号Cx、Cyに対してC2というように特定被写体に応じて自動的に設定することができるし、また、外部から任意に設定することもできる。比較手段3eからは輝度信号Y、色差信号Cx、Cyが夫々比較条件を満足するとき信号を出力するが、これら出力信号がアンドゲート3fに供給されることにより、輝度信号Y、色差信号Cx、Cyが同時に夫々の比較条件を満足する期間を表わす信号が得られ、これが目的とする特定被写体信号となる。
【0046】また、軸変換回路3bから出力される色差信号Cx、Cyは切替回路3cにも供給される。この切替回路3cは目的とする特定被写体が有彩色か無彩色かに応じて被写体抽出回路3での抽出条件を切り替えるものであり、マイコン16によって制御されて、特定被写体が有彩色であるときには、軸変換回路3bから出力される色差信号Cx、Cyを選択し、特定被写体が無彩色であるときには、一定量1の信号を選択する。切替回路3cの出力信号は乗算器3dに供給され、マイコン16によって制御される乗数tanΔが乗ぜられる。この乗数tanΔにより、特定被写体が有彩色の場合には、図11での斜線で示す扇形の部分が抽出領域となり、特定被写体が無彩色の場合には、図11での中心付近の小さな領域が抽出領域となる。この扇形部分での色相(色合い)の抽出範囲を表わす角度Δと色飽和度(色の濃さ)の抽出範囲が乗算器3dでの乗数tanΔと比較手段3e以上により、有彩色、無彩色両方の特定被写体の抽出に対応できる。
【0047】図12は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、3aは処理・加工用抽出回路、3bは認識用抽出回路、35aは認識回路、35bは符号化回路であり、図9に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0048】同図において、被写体抽出回路3は特定被写体信号を制御回路4で処理可能に処理・加工する処理・加工用抽出回路3aと特定被写体信号を被写体認識回路35で処理可能に処理する認識用抽出回路3bとからなり、被写体認識回路35は被写体を認識する認識回路35aと認識した結果を符号化する符号化回路35bとからなる。被写体抽出回路3では処理・加工用抽出回路3aの出力信号が制御回路4に供給され、認識用抽出回路3bの出力信号が被写体認識回路35に供給される。この実施例も図9に示した実施例と同等の効果が得られる。
【0049】また、図13に示す実施例は、図9、図12に示した実施例において、出力回路36を被写体認識回路35からの認識結果を出力する認識結果出力回路36aと、認識結果出力回路36aからの認識結果と信号処理回路2からの映像信号とを加算する加算器36bとで構成し、認識結果出力回路36aからの認識結果も制御回路4に供給するようにしたものである。この実施例も図9、図12に示した実施例と同等の効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、特定被写体を抽出し、該特定被写体とその他の部分との画質制御を個別に行えるので、照度等の条件にかかわらず、該特定被写体の背景をぼかすポ−トレ−トの他、特定被写体の色を補正する等特定被写体を美しく見せるため等の種々の画質調整機能を簡単に実現することができる。
【0051】また、該特定被写体を認識し、特定被写体や撮影するシ−ンに応じて理想的な画質制御ができるので、オ−トホワイトバランス調整やオ−トフォ−カス調整等の自動機能の性能を向上させることができ、インテリジェントなビデオカメラを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるビデオカメラの一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1における信号処理回路と制御回路の一具体例を示すブロック図である。
【図3】本発明によるビデオカメラの他の実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図5】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図6】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図7】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図8】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図9】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図10】被写体抽出回路の一具体例を示すブロック図である。
【図11】図10に示した被写体抽出回路の抽出動作を示す図である。
【図12】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図13】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 撮像素子
2 信号処理回路
3 抽出回路
4 制御回路
5 駆動回路
6 アイリス
7 レンズ
8 分離回路
9 色信号処理回路
13 エンコーダ
14、15 乗算器
16 マイコン
17〜19 可変利得増幅器
20 黒レベル設定回路
21、22 遅延回路
23 帯域分離回路
24〜30 乗算器
31〜33 加算器
34 モータ
35 被写体認識回路
36 出力回路
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特殊撮影機能やオ−トホワイトバランス、自動露光制御等の自動機能を備えたビデオカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラやVTRと一体化されたビデオム−ビ−の急速な普及に伴なってユ−ザ層も多様化し、ビデオソフト作品作りが個人でも行われるようになった。このため、自由な映像表現を行なうための各種の機能も求められるようになってきた。このような機能の例として、テレビジョン学会報告Vol.14,No.16(1990)第1頁〜第6頁に記載されるように、可変電子シャッタを用いたプロフェッショナルAEシステムがある。このシステムでは、一眼レフカメラのように被写界深度を選べるので、被写体だけに焦点を合わせて背景をぼかしてポ−トレ−ト的な効果を出したり、深度を深くして近くの被写体から遠くの被写体まで焦点を合わせる等のことが実現できる。
【0003】一方、一般のユ−ザ層にとっては、操作が簡単で、かつ美しい画像が撮れるような使い勝手の良いビデオカメラが求められるようになった。このため、テレビジョン学会報告Vol.14,No.16(1990)第13頁〜第18頁やテレビジョン学会報会年次大会講演予稿集(1990)第21頁〜第23頁等に記載されるように、オ−トホワイトバランス、オ−トフォ−カスといった各種の自動機能がビデオカメラに搭載されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プロフェッショナルAEでは、実現できる機能が背景をぼかす等に限られており、例えば色に関する処理は不可能であった。また、絞り値やシャッタ速度を選択する自由度は被写体周辺の照度に大きく依存し、低照度では、充分に機能を発揮できないという問題があった。
【0005】また、上記のホワイトバランス等の自動機能については、ある程度の性能が得られているものの、ベテランのユ−ザ−が撮影している被写体や周囲の条件に応じてマニュアルで調整する場合と同程度の性能が得られるようにすることは難しかった。このようなレベルまで自動機能の性能を向上させるためには、人間が撮影を行なうときのように、カメラ自体がある程度被写体が何であるかを理解する必要があるが、従来、カメラにはそのような機能は備わっていない。
【0006】本発明の第1の目的は、かかる問題を解消し、被写体の背景をぼかすポ−トレ−トや被写体を美しく見せるために被写体の色を補正する等のような映像表現等のための新機能を、照度等の条件にかかわりなく、実現可能としたビデオカメラを提供することにある。
【0007】本発明の第2の目的は、オ−トホワイトバランス、オ−トフォ−カス等の自動機能の性能向上を図ったビデオカメラを提供することにある。
【0008】本発明の第3の目的は、被写体が何であるかをある程度理解できるようにしたインテリジェントなビデオカメラを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するために、本発明は、撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号に変換するに際し、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体部分を抽出する抽出手段と、該信号処理回路(2)での該特定の被写体部分とその他の部分の信号処理パラメ−タを該抽出手段の抽出出力に応じて個別に制御する制御手段とを設ける。
【0010】上記第2、第3の目的を達成するために、本発明は、撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号に変換するに際し、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体部分を抽出する抽出手段と、該抽出手段が抽出した該特定の被写体部分から被写体を認識する認識手段と、該認識手段の認識結果に基づいて該信号処理回路を制御する制御手段とを設ける。
【0011】上記第3の目的を達成するために、本発明は、撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号に変換するに際し、該信号処理回路を制御する制御手段と、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体部分を抽出する抽出手段と、該抽出手段が抽出した該特定の被写体部分から被写体を認識する認識手段と、該認識手段の認識結果を出力する出力手段とを設ける。
【0012】
【作用】信号処理回路から出力される映像信号は抽出手段に供給され、この映像信号から人物等の特定の被写体を表わす信号(以下、特定被写体信号という)が検出される。制御手段は信号処理回路における映像信号の周波数特性や増幅度、色相等のパラメ−タを制御するが、抽出手段の出力に応じて、映像信号での該特定の被写体部分とそれ以外の部分とで異なる周波数特性や増幅度、色相等を与えるように信号処理回路の処理パラメ−タを制御する。これにより、被写体を浮き上がらせるポ−トレ−ト効果や背景の色に影響を与えずに人物の肌色を補正する等の機能を実現できる。
【0013】また、認識手段は、抽出手段が抽出した特定被写体信号により、この特定の被写体が何であるかを認識し、この認識結果に応じて制御手段は信号処理回路の処理パラメ−タを制御する。これにより、認識された被写体の画質がそれにとって最適なものとなる。
【0014】さらに、上記出力手段により、認識手段の認識結果を所望の表示手段に供給することができ、これにより、抽出手段が抽出した特定被写体信号による特定の被写体が何であるかを映像や文字、音声等で表示することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明する。図1は本発明によるビデオカメラの一実施例を示す構成図であって、1は撮像素子、2は信号処理回路、3は被写体抽出回路、4は制御回路、5は駆動回路、6はアイリス、7はレンズである。
【0016】同図において、レンズ7及びアイリス6を通過した光が撮像素子1で光電変換され、これによって撮像素子1から電気信号が出力される。この電気信号は信号処理回路2に供給され、ガンマ処理等の処理が施こされて映像信号が得られる。この映像信号は外部に出力されるとともに、被写体抽出回路3に供給される。この被写体抽出回路3は予め決められた目的の被写体(特定被写体)を抽出するためのものであつて、供給される映像信号からこの特定被写体を表わす部分(特定被写体信号)を抽出し、制御回路4に供給する。
【0017】この制御回路4は、この特定被写体信号に応じて、信号処理回路2での映像信号の利得や黒レベル、周波数特性、色相等を制御するとともに、駆動回路5とアイリス6を制御するように動作する。かかる制御により、画面上で目的とする被写体以外の部分をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体を強調する機能、同じく目的とする特定被写体の色を変換する機能、同じく目的とする特定被写体の信号レベルを変化させる機能等が、照度等の条件にかかわりなく、得られるし、また、画面上での目的とする特定被写体でホワイトバランスを補正することによりオートホワイトバランス機能の性能が向上し、さらに、目的とする特定被写体に応じて駆動回路5が電子シャッタを制御し、アイリス6が絞りを制御することにより、最適な被写界深度が自動的に設定される。
【0018】図2は図1における信号処理回路2と制御回路4の一具異例を示すブロック図であって、8は分離回路、9は色信号処理回路、10は垂直アパーチャ補正回路、11は水平アパーチャ補正回路、12は増幅器、13はエンコーダ回路、14、15は加算器、16はマイコンであり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0019】図2において、信号処理回路2は分離回路8、色信号処理回路9、垂直アパーチャ補正回路10、水平アパーチャ補正回路11、増幅器12及びエンコーダ回路13からなり、制御回路4は加算器14、加算器15及びマイコン16からなつている。
【0020】信号処理回路2においては、撮像素子1の出力信号が分離回路8供給されて輝度信号YとR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号とに分離される。輝度信号Yは垂直アパーチャ補正回路10、水平アパーチャ補正回路11及び制御回路4の加算器14に供給され。垂直アパーチャ補正回路10では、供給された輝度信号Yから垂直アパーチャ補正信号が形成され、加算器14に供給される。また、水平アパーチャ補正回路11では、供給された輝度信号Yから水平アパーチャ補正信号が形成され、加算器15に供給される。加算器14では、マイコン16により、輝度信号Yと水平アパーチャ補正信号との加算比が制御され、加算器15では、同じくマイコン16により、加算器14の出力輝度信号Yと垂直アパーチャ補正信号との加算比が制御される。このようにして、加算器15から水平、垂直アパーチャ補正された輝度信号Yが出力され、増幅器12で増幅された後、エンコーダ回路13に供給される。また、分離回路8から出力されるR(赤)信号、G(緑)信号、B(青)信号は色信号処理回路9に供給され、色差信号R−Y、B−Yが形成されてエンコーダ回路13に供給される。エンコーダ回路13はこれら輝度信号Yと色差信号R−Y、B−Yとからカラー映像信号を形成し、外部に出力する。
【0021】一方、増幅器12で増幅された輝度信号Yと色信号処理回路9から出力される色差信号R−Y、B−Yとは、また、被写体抽出回路3に供給される。この被写体抽出回路3では、輝度信号Yのレベルや色差信号R−Y、B−Yのレベル比等からこれら輝度信号Yと色差信号R−Y、B−Yでの特定被写体を表わす特定被写体信号を抽出し、制御回路4のマイコン16に送る。このマイコン16は、この特定被写体信号に応じて、加算器14、15夫々の加算比を制御する。
【0022】このように、特定被写体に応じて部分的に輝度信号Yのアパーチャ補正量を変化させることができるので、画面上の目的とする特定被写体以外の部分をぼかす機能や目的とする特定被写体をぼかす機能等を、照度等の条件にかかわりなく、実現できることになる。
【0023】図3は本発明によるビデオカメラの他の実施例を示す構成図であって、17〜19は可変利得増幅器であり、図2に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、信号処理回路2は分離回路8、色信号処理回路9及びエンコーダ回路13からなり、制御回路4はマイコン16及び可変利得増幅器17〜19からなっている。分離回路8から出力される輝度信号Yは、可変利得増幅器17で利得制御された後、エンコーダ回路13に供給され、色信号処理回路9から出力される色差信号R−Y、B−Yは夫々、可変利得増幅器18、19で利得制御された後、エンコーダ回路13に供給される。
【0024】一方、分離回路8から出力される輝度信号Yと色信号処理回路9から出力される色差信号R−Y、B−Yとは被写体抽出回路3に供給され、図2に示した実施例と同様にして、特定被写体信号が抽出される。この特定被写体信号は制御回路4のマイコン16に供給され、マイコン16は、この特定被写体信号に応じて、可変利得増幅器17〜19の利得を制御する。
【0025】これにより、輝度信号Yと色差信号R−Y、B−Yの信号量が特定被写体信号に応じて制御され、画面上の目的とする特定被写体の色を変換する機能、同じく目的とする特定被写体の信号レベルを変える機能、同じく目的とする特定被写体以外の部分の信号レベルを変える機能、同じく目的とする特定被写体を強調する機能等を、照度等の条件にかかわりなく、実現できることになる。
【0026】図4は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、20は黒レベル設定回路であり、図3に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、信号処理回路2は図3における信号処理回路2と同様の構成をなしているが、制御回路4は図3の制御回路4での可変利得増幅器17の代りに黒レベル設定回路20が用いられている。そして、分離回路8から出力される輝度信号Yは、この黒レベル設定回路20で、マイコン16により、被写体抽出回路3からの特定被写体信号に応じて黒レベルが制御された後、エンコーダ回路13に供給される。これ以外の構成、動作は図3に示した実施例と同様である。
【0027】これにより、輝度信号Yの黒レベルと色差信号R−Y、B−Yの信号量が特定被写体信号に応じて制御され、図3に示した実施例で得られる効果に加え、さらに、画面上の目的とする特定被写体を白くフェードする機能を、照度等の条件にかかわりなく、実現できることになる。
【0028】図5は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、21、22は遅延回路、23は帯域分離回路、24〜30は乗算器、31〜33は加算器であり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0029】同図において、信号処理回路2は分離回路8、色信号処理回路9、エンコーダ回路13及び遅延回路21、22からなり、制御回路4はマイコン16、帯域分離回路23、乗算器24〜30及び加算器31〜33からなっている。
【0030】分離回路8から出力される輝度信号Yは制御回路4の帯域分離回路23に供給され、色信号処理回路9から出力される色差信号R−Y、B−Yは夫々遅延回路21、22で遅延されて制御回路4の乗算器28、30に供給される。帯域分離回路23では輝度信号Yが低周波輝度信号YLと高周波輝度信号YHとに分離され、夫々乗算器24、25に供給される。乗算器24ではマイコン16から出力される係数(1−φy)が低周波輝度信号YLに乗じられ、乗算器25ではマイコン16から出力される係数φhが高周波輝度信号YHに乗じられる。また、マイコン16から係数φyと信号Ysetが出力され、これらが乗算器26で乗じられる。これら乗算器24、25、26の出力信号は加算器31で加算され、エンコーダ回路13に供給される。
【0031】一方、乗算器28ではマイコン16から出力される係数(1−φr−y)が色差信号R−Yに乗じられ、乗算器30ではマイコン16から出力される係数(1−φb−y)が色差信号B−Yに乗じられる。また、マイコン16から係数φr−yと信号R−Ysetが出力されてこれらが乗算器27で乗じられ、さらに、マイコン16から係数φb−yと信号B−Ysetが出力されてこれらが乗算器29で乗じられる。乗算器27、28の出力信号は加算器32で加算され、乗算器29、30の出力信号は加算器33で加算されて、夫々エンコーダ回路13に供給される。
【0032】このように、低周波輝度信号YLと高周波輝度信号YHとは夫々係数(1−φy)、φhによって信号量が変化し、また、色差信号R−Yと色差信号B−Yとは夫々係数(1−φr−y)、(1−φb−y)によって信号量が変化する。マイコン16は、被写体抽出回路3からの特定被写体信号に応じて、これら係数(1−φy)、φh、(1−φr−y)、(1−φb−y)を制御する。従って、これら低周波輝度信号YL、高周波輝度信号YH、色差信号R−Y及び色差信号B−Yの信号量が特定被写体信号に応じて変化することになる。さらに、加算器31では乗算器24〜26の出力信号が加算されるから、低周波輝度信号YL、高周波輝度信号YH及び信号Ysetの加算比が特定被写体信号に応じて制御されることになるし、また、加算器32では乗算器27、28の出力信号が加算され、加算器33では乗算器29、30の出力信号が加算されるから、色差信号R−Yと信号R−Ysetとの加算比、色差信号B−Yと信号B−Ysetとの加算比が夫々特定被写体信号に応じて制御されることになる。
【0033】従って、この実施例によると、特定被写体信号に応じて低周波輝度信号YLと高周波輝度信号YHとの加算比を変化させることによって目的とする特定被写体とそれ以外の部分で周波数特性を異ならせることができ、低周波輝度信号YL、高周波輝度信号YH及び信号Ysetの加算比を変化させることによって目的とする特定被写体とそれ以外の部分で信号量を異ならせることができるし、色差信号R−Yと信号R−Ysetとの加算比、色差信号B−Yと信号B−Ysetとの加算比を夫々変化させることによって目的とする特定被写体とそれ以外の部分での色を異ならせることもできる。この結果、画面上の目的とする特定被写体以外の部分をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体を強調する機能、同じく目的とする特定被写体の色を変えたり、特定被写体以外の部分と色を異ならせたりする機能、同じく目的とする特定被写体の信号レベルを変化させる機能、同じく目的とする特定被写体を白くフェードする機能等を、照度等の条件にかかわりなく、実現できることになる。
【0034】図6は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、34はモータであり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、被写体抽出回路3は信号処理回路2からの映像信号から人物等の特定被写体を表わす特定被写体信号を抽出し、その高周波成分を用いて合焦具合いに応じた焦点電圧をフィ−ルド毎に算出する。制御回路4はこの算出された焦点電圧に応じてモータ34を制御し、この焦点電圧が大きくなる方向にレンズ7を移動させて、焦点電圧が最大となる位置にレンズ7を停止させる。
【0035】このようにして、この実施例では、抽出した特定被写体部分のみから映像信号の高周波成分を検出して特定被写体への合焦制御が行なわれるので、オ−トフォ−カスの合焦精度がより向上することになる。
【0036】また、この実施例において、レンズ7をズームレンズとし、モ−タ34がこのズ−ムレンズを駆動するようにしてもよい。但し、抽出回路3では、人物の顔等の特定被写体が検出され、その位置、大きさ等の情報を制御回路4に供給するようにする。制御回路では、その特定被写体の大きさがほぼ一定になるように、ズ−ム倍率を制御する。これによると、抽出した特定被写体情報により、撮影中にこの特定被写体が近づいたり、遠ざかったりしても、自動的に特定被写体の画面上での大きさほぼ一定になるように制御できるので、安定した撮影ができることになる。
【0037】図7は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、35は被写体認識回路であり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、抽出回路3は信号処理回路2から供給される輝度信号と色信号から特定被写体の特徴抽出を行なう。抽出する特徴としては、画面上の位置のほか、輝度信号のレベルや色信号から抽出する色相、飽和度、動きベクトル等がある。また、これらの特徴から特定被写体の形状等の特徴も算出する。被写体認識回路35はこれらの特徴を用いて特定被写体が何であるかを認識する。認識の対象となる特定被写体は、ビデオカメラの被写体として最も一般的な人物のほか、例えば、空、木等がある。被写体認識回路35で得られるこれら特定被写体や色温度、照度等の条件に応じて、制御回路4はホワイトバランス調整、電子シャッタ、アイリス、ズ−ム倍率等を制御する。
【0038】抽出回路3は入力画像から特徴ベクトルを検出して被写体認識回路35に転送する。認識手段35は、例えば、マイクロコンピュ−タによって構成されており、入力された特徴ベクトルを解析して特定被写体を判定する。画像から抽出された特徴ベクトルを用いて物体を認識する手法に関しては、例えば人工知能ハンドブック、オ−ム社、1990年、第312頁〜第400頁等、多くのアルゴリズムが提案されており、それら用いて認識を行なえばよい。
【0039】この実施例での特定被写体の認識結果に基づくホワイトバランス調整について説明すると、制御回路4は、抽出された被写体に応じた最適の処理を行なうように、信号処理回路2を制御する。ここでは、制御回路4は図3に示す構成をなしており、被写体認識回路35で例えば特定被写体として人物が認識された場合、肌色が青ざめないように色信号ゲインを設定してホワイトバランス補正を行なう。また、夕暮れのシ−ンでは、ホワイトバランス補正を弱めに設定する。このように特定被写体やシ−ンに応じたホワイトバランス調整のデ−タ、つまりアンプゲインは、被写体抽出回路3の出力に基づいてマイコン16(図3)から供給される。
【0040】図8は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、36は出力回路であり、図7に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、信号処理回路2から出力される映像信号は被写体抽出手段3に供給されるとともに、出力回路36に供給される。被写体認識回路35は抽出手段3で抽出された特定被写体の大きさ、形状、位置、動き、色等からこの特定被写体が何であるのかを認識し、その認識結果を出力回路36に供給する。出力回路36はこの認識結果を言葉や音声、文字、映像、符号等の形式の信号で信号処理回路2からの映像信号に重畳し、外部に出力する。勿論、出力回路36は認識結果だけを同様の信号形式として外部に出力するようにすることも可能である。また、外部に出力されたかかる認識結果は、映像信号と共にあるいは単独で記録媒体に記録することも可能であるし、記録された認識結果を記録媒体の編集などを行なうときに検索機能として用いることもできる。
【0041】図9は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、図8に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。同図において、制御回路4は、被写体抽出回路3の抽出結果ばかりでなく、被写体認識回路35の認識結果にも応じて、信号処理回路2や被写体抽出手段3、被写体認識回路35、出力回路36を制御する。すなわち、制御回路4は、被写体抽出回路3の抽出結果と被写体認識回路35の認識結果とから、抽出した特定被写体が何であるかを認識することにより、それが目的とする特定被写体であるかを判断し、これによって被写体抽出手段3の抽出条件を再設定することが可能となる。従って、目的とする特定被写体の抽出精度を高めることができる。
【0042】また、この実施例では、目的とする特定被写体が何であるかを認識し、画面上でこの特定被写体以外の部分をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体部分をぼかす機能、同じく目的とする特定被写体以外の部分とこの特定被写体部分とを夫々任意の強さでぼかす機能、同じく目的とする特定被写体を強調する機能、同じく目的とする特定被写体の色を変化させる機能などを、認識した結果に応じて、制御回路4で自動選択することができし、抽出結果の出力も自動設定することが可能となる。
【0043】次に、以上説明した各実施例における被写体抽出回路3の一具体例を、図10及び図11により、説明する。但し、3aは白補正回路、3bは軸変換回路、3cは切替回路、3dは乗算器、3eは比較手段、3fはアンドゲートであり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0044】図10において、被写体抽出回路3は、白補正回路3a、軸変換回路3b、切替回路3c、乗算器3d、比較手段3e及びアンドゲート3fから構成されている。信号処理回路2(例えば図2)から供給される輝度信号Yは比較手段3eに供給され、色差信号R−Y、B−Yは白補正回路3aに供給される。白補正回路3aでは、制御回路4のマイコン16からの白ずれ量で制御されることによって色差信号R−Y、B−Yを補正し、どの色信号にも最適な白補正を施す。白補正回路3aから出力される色差信号R−Y、B−Yは軸変換回路3bでマイコン16からの軸変換量に応じて軸変換される。ここで、白補正回路3aから出力される色差信号R−Y、B−Yを夫々Cr、Cbとし、軸変換回路3bから出力される色差信号R−Y、B−Yを夫々Cx、Cyとすると、これらCx、Cyは次式で表わされる。
Cx(θ)=Cr・sin(θ)+Cb・cos(θ)………(1)
Cy(θ)=Cr・cos(θ)−Cb・sin(θ)………(2)
かかる式でのθがマイコン16からの軸変換量に応じて変化する。
【0045】軸変換回路3bから出力される色差信号Cx、Cyは比較手段3eに供給され、色差信号Cx、Cyと輝度信号Yとがマイコン16からの比較条件と比較される。かかる比較条件は輝度信号Yに対してY1、色差信号Cx、Cyに対してC1と、あるいは輝度信号Yに対してY2、色差信号Cx、Cyに対してC2というように特定被写体に応じて自動的に設定することができるし、また、外部から任意に設定することもできる。比較手段3eからは輝度信号Y、色差信号Cx、Cyが夫々比較条件を満足するとき信号を出力するが、これら出力信号がアンドゲート3fに供給されることにより、輝度信号Y、色差信号Cx、Cyが同時に夫々の比較条件を満足する期間を表わす信号が得られ、これが目的とする特定被写体信号となる。
【0046】また、軸変換回路3bから出力される色差信号Cx、Cyは切替回路3cにも供給される。この切替回路3cは目的とする特定被写体が有彩色か無彩色かに応じて被写体抽出回路3での抽出条件を切り替えるものであり、マイコン16によって制御されて、特定被写体が有彩色であるときには、軸変換回路3bから出力される色差信号Cx、Cyを選択し、特定被写体が無彩色であるときには、一定量1の信号を選択する。切替回路3cの出力信号は乗算器3dに供給され、マイコン16によって制御される乗数tanΔが乗ぜられる。この乗数tanΔにより、特定被写体が有彩色の場合には、図11での斜線で示す扇形の部分が抽出領域となり、特定被写体が無彩色の場合には、図11での中心付近の小さな領域が抽出領域となる。この扇形部分での色相(色合い)の抽出範囲を表わす角度Δと色飽和度(色の濃さ)の抽出範囲が乗算器3dでの乗数tanΔと比較手段3e以上により、有彩色、無彩色両方の特定被写体の抽出に対応できる。
【0047】図12は本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示す構成図であって、3aは処理・加工用抽出回路、3bは認識用抽出回路、35aは認識回路、35bは符号化回路であり、図9に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0048】同図において、被写体抽出回路3は特定被写体信号を制御回路4で処理可能に処理・加工する処理・加工用抽出回路3aと特定被写体信号を被写体認識回路35で処理可能に処理する認識用抽出回路3bとからなり、被写体認識回路35は被写体を認識する認識回路35aと認識した結果を符号化する符号化回路35bとからなる。被写体抽出回路3では処理・加工用抽出回路3aの出力信号が制御回路4に供給され、認識用抽出回路3bの出力信号が被写体認識回路35に供給される。この実施例も図9に示した実施例と同等の効果が得られる。
【0049】また、図13に示す実施例は、図9、図12に示した実施例において、出力回路36を被写体認識回路35からの認識結果を出力する認識結果出力回路36aと、認識結果出力回路36aからの認識結果と信号処理回路2からの映像信号とを加算する加算器36bとで構成し、認識結果出力回路36aからの認識結果も制御回路4に供給するようにしたものである。この実施例も図9、図12に示した実施例と同等の効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、特定被写体を抽出し、該特定被写体とその他の部分との画質制御を個別に行えるので、照度等の条件にかかわらず、該特定被写体の背景をぼかすポ−トレ−トの他、特定被写体の色を補正する等特定被写体を美しく見せるため等の種々の画質調整機能を簡単に実現することができる。
【0051】また、該特定被写体を認識し、特定被写体や撮影するシ−ンに応じて理想的な画質制御ができるので、オ−トホワイトバランス調整やオ−トフォ−カス調整等の自動機能の性能を向上させることができ、インテリジェントなビデオカメラを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるビデオカメラの一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1における信号処理回路と制御回路の一具体例を示すブロック図である。
【図3】本発明によるビデオカメラの他の実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図5】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図6】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図7】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図8】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図9】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図10】被写体抽出回路の一具体例を示すブロック図である。
【図11】図10に示した被写体抽出回路の抽出動作を示す図である。
【図12】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【図13】本発明によるビデオカメラのさらに他の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 撮像素子
2 信号処理回路
3 抽出回路
4 制御回路
5 駆動回路
6 アイリス
7 レンズ
8 分離回路
9 色信号処理回路
13 エンコーダ
14、15 乗算器
16 マイコン
17〜19 可変利得増幅器
20 黒レベル設定回路
21、22 遅延回路
23 帯域分離回路
24〜30 乗算器
31〜33 加算器
34 モータ
35 被写体認識回路
36 出力回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号を得るようにしたビデオカメラにおいて、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体を表わす特定被写体信号を抽出する抽出手段と、該抽出手段の抽出出力に応じて該映像信号の該特定の被写体部分とその他の部分での該信号処理回路の信号処理パラメ−タを個別に制御する制御手段とを設けたことを特徴とするビデオカメラ。
【請求項2】 請求項1において、前記制御手段が制御する前記信号処理回路の信号処理パラメ−タは前記映像信号の鮮鋭度あるいは周波数特性であることを特徴とするビデオカメラ。
【請求項3】 請求項1において、前記制御手段が制御する前記信号処理回路の信号処理パラメ−タは前記映像信号の信号レベルであることを特徴とするビデオカメラ。
【請求項4】 請求項1において、前記制御手段が制御する前記信号処理回路の信号処理パラメ−タは前記映像信号における色信号の飽和度と色相であることを特徴とするビデオカメラ。
【請求項5】 撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号を得るようにしたビデオカメラにおいて、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体を表わす特定被写体信号を抽出する抽出手段と、該抽出手段が抽出出力によって該特定の被写体部分で合焦するようにする合焦手段とを設けたことを特徴とするビデオカメラ。
【請求項6】 撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号を得るようにしたビデオカメラにおいて、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体を表わす特定被写体信号を抽出する抽出手段と、該抽出手段によって抽出された該特定被写体信号から該被写体を認識する認識手段と、該認識手段の認識結果に応じて該信号処理回路等を制御する制御手段とを設けたことを特徴とするビデオカメラ。
【請求項7】 請求項6において、前記制御手段が制御する前記信号処理回路の信号処理パラメ−タはホワイトバランス特性であることを特徴とするビデオカメラ。
【請求項8】 請求項6において、前記制御手段は電子シャッタ−のシャッタ−速度を制御することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項9】 請求項6において、前記制御手段は絞り値を制御することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項10】 請求項6において、前記制御手段はアイリス検波特性を制御することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項11】 請求項6において、前記制御手段はズ−ム倍率を制御することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項12】 撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号を得るようにしたビデオカメラにおいて、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体を表わす特定被写体信号を抽出する抽出手段と、該信号処理回路を制御する制御手段と、該抽出手段によって抽出された特定被写体信号から該特定被写体を認識する認識手段と、該認識手段の認識結果を出力する出力手段とを設けたことを特徴とするビデオカメラ。
【請求項13】 請求項12において、前記出力手段は前記認識結果を符号化して前記映像信号に重畳して出力することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項14】 請求項12において、前記出力手段は前記認識結果を音声情報として出力することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項1】 撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号を得るようにしたビデオカメラにおいて、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体を表わす特定被写体信号を抽出する抽出手段と、該抽出手段の抽出出力に応じて該映像信号の該特定の被写体部分とその他の部分での該信号処理回路の信号処理パラメ−タを個別に制御する制御手段とを設けたことを特徴とするビデオカメラ。
【請求項2】 請求項1において、前記制御手段が制御する前記信号処理回路の信号処理パラメ−タは前記映像信号の鮮鋭度あるいは周波数特性であることを特徴とするビデオカメラ。
【請求項3】 請求項1において、前記制御手段が制御する前記信号処理回路の信号処理パラメ−タは前記映像信号の信号レベルであることを特徴とするビデオカメラ。
【請求項4】 請求項1において、前記制御手段が制御する前記信号処理回路の信号処理パラメ−タは前記映像信号における色信号の飽和度と色相であることを特徴とするビデオカメラ。
【請求項5】 撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号を得るようにしたビデオカメラにおいて、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体を表わす特定被写体信号を抽出する抽出手段と、該抽出手段が抽出出力によって該特定の被写体部分で合焦するようにする合焦手段とを設けたことを特徴とするビデオカメラ。
【請求項6】 撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号を得るようにしたビデオカメラにおいて、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体を表わす特定被写体信号を抽出する抽出手段と、該抽出手段によって抽出された該特定被写体信号から該被写体を認識する認識手段と、該認識手段の認識結果に応じて該信号処理回路等を制御する制御手段とを設けたことを特徴とするビデオカメラ。
【請求項7】 請求項6において、前記制御手段が制御する前記信号処理回路の信号処理パラメ−タはホワイトバランス特性であることを特徴とするビデオカメラ。
【請求項8】 請求項6において、前記制御手段は電子シャッタ−のシャッタ−速度を制御することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項9】 請求項6において、前記制御手段は絞り値を制御することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項10】 請求項6において、前記制御手段はアイリス検波特性を制御することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項11】 請求項6において、前記制御手段はズ−ム倍率を制御することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項12】 撮像素子の出力信号を信号処理回路で処理して映像信号を得るようにしたビデオカメラにおいて、該信号処理回路の出力映像信号から特定の被写体を表わす特定被写体信号を抽出する抽出手段と、該信号処理回路を制御する制御手段と、該抽出手段によって抽出された特定被写体信号から該特定被写体を認識する認識手段と、該認識手段の認識結果を出力する出力手段とを設けたことを特徴とするビデオカメラ。
【請求項13】 請求項12において、前記出力手段は前記認識結果を符号化して前記映像信号に重畳して出力することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項14】 請求項12において、前記出力手段は前記認識結果を音声情報として出力することを特徴とするビデオカメラ。
【図1】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開平5−110936
【公開日】平成5年(1993)4月30日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−248485
【出願日】平成3年(1991)9月3日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【公開日】平成5年(1993)4月30日
【国際特許分類】
【出願日】平成3年(1991)9月3日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
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