説明

ビデオシステムを備える外科用照明制御

【課題】自在な外科用照明システムを提供すること。
【解決手段】外科用照明システム10は、手術室の表面14に取り付けるために適合された吊り下げアームに連結されたライトヘッド44を備える。電球は、このライトヘッド中に配置される。ライトヘッド中のプロセッサは、電球の光の強度を制御するために電球と作動的に連結され、そして、ライトヘッドの第一状態を示すライトヘッド状態信号を発するように適合されている。制御装置32、34は、ライトヘッド中のプロセッサと作動的に連絡している。制御装置は、ライトヘッド状態信号を受信し、そしてライトヘッドを制御するために、ライトヘッド状態信号に基づいて、一群のアルゴリズムから、制御アルゴリズムのセットを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2002年1月15日に出願された、米国仮出願番号60/348,999の利益を主張する。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、外科用照明、テーブル、および付属品に関し、そしてより具体的には、複数のユーザインターフェース、種々の機能のための集中型グラフィック制御、高度なカメラ検出/信号ルート割当て、およびランプ強度の閉ループ制御を提供する外科用照明制御システムに関する。これは、外科用手術室(OR)の現場のための包括的な制御システムの提供と組み合わせて、特定の適用を見出し、これに関する特定の参考文献によって記載される。しかし、本発明はまた、他のマルチタスク制御適用において用途を見出し、そして上記手術室の環境に限定されないことが、理解されるべきである。
【背景技術】
【0003】
代表的に、手術室の状況において、大きい、高ルーメンの出力のライトヘッドが、手術部位を照射するために使用される。しばしば、ビデオカメラが、手術を記録するためにライトヘッドにとりつけられ、これによって、外科医がさらに最適な視界を達成することを補助する。いくつかのシステムは、カメラの制御を、OR内の人員に提供しない。カメラ/ライトヘッドを物理的に移動させなければ、このようなシステムは、単一のカメラ配向およびズーム因子のみを提供する。他のシステムは、OR中の人員に、カメラおよびライトヘッドの制御を与えるが、外科医には与えない。外科医は、必要な場合、滅菌されていない、動き回る看護士が、照明制御またはカメラ制御を調節することを要請しなければならない。
【0004】
既存のシステムは、ライトヘッド内の電球に送達される電力をモニタリングしない。この結果、電球の偏差、電圧の変動、およびラインの抵抗に起因して、光の強度が変動する。ランプ電力の分散は、外科手順に対する潜在的な有害な影響を伴って光の強度を低下させ得るか、または光強度を増加させてランプの寿命を短縮し得る。
【0005】
さらに、大部分の既存のシステムは、集中型制御を提供しない。従って、動き回る看護人員は、光強度制御を作動させるためにまず1つのパネルに移動し、次いで、カメラを回転させるために別の場所に移動しなければならない、などである。このことは、このシステムを作動させる場合に混乱を招き、そしてさらなるユーザインターフェースの位置に起因して、ORを乱雑にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
集中型制御を使用するシステムにおいて、ハードウェアのアップデート/アップグレードは、困難である。なぜなら、この制御のソフトウェアは、しばしば、新たな設備を認識し、そして新たな設備で作動するようには、適合され得ないからである。ソフトウェアパラメータの単純なアップデートまたは設定を介して新たな設備と相互作用するように適合されるソフトウェアを備える、外科用照明およびビデオ制御システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上で参照された問題および他の問題を克服して、外科手術室適用における照明およびビデオシステムの、より良好な、より包括的な制御を提供する、新規な、かつ改善された方法および装置を提供する。
したがって、本発明は以下を提供する。
(1)外科用照明システム(10)であって、以下:
手術室の表面(14)に取り付けるために適合された吊り下げアーム(41’)に連結されたライトヘッド(44);
該ライトヘッド中の電球(130);
該電球の光の強度を制御するために該電球と作動的に連結された、該ライトヘッド中のプロセッサ(120)であって、該ライトヘッドの第一状態を示すライトヘッド状態信号を発するように適合されている、プロセッサ(120);および
該ライトヘッド中のプロセッサと作動的に連絡している制御装置(32、34)であって、該制御装置は、該ライトヘッド状態信号を受信し、そして該ライトヘッドを制御するために、該ライトヘッド状態信号に基づいて、一群のアルゴリズムから、制御アルゴリズムのセットを選択する、制御装置(32、34)、
を備える、外科用照明システム(10)。
(2)項目1に記載の外科用照明システムであって、ここで、前記ライトヘッドの第一状態は、以下:
前記ライトヘッドのサイズ;
前記電球からの光の強度(154);
該電球の状態;
該電球に印加される電流のレベル;
該電球に印加される電圧のレベル;
該ライトヘッドの内部温度;
ビデオカメラの存在;
手動外科作業ライトの存在;および
制御可能な周囲ライトの存在、
、のうち少なくとも1つを含む、外科用照明システム。
(3)項目2に記載の外科用照明システム(10)であって、ここで:
前記制御装置(32、34)が、問い合わせ信号を発するように適合されており;そして
前記プロセッサ(120)が、該問い合わせ信号の受信に応答して、前記ライトヘッド状態信号を発するように適合されている、
外科用照明システム。
(4)項目3に記載の外科用照明システム(10)であって、前記プロセッサと前記制御装置との間で、前記問い合わせ信号および前記ライトヘッド状態信号を伝達するための、シリアルデータ連絡リンク(36、80、82)をさらに備える、外科用照明システム。
(5)項目4に記載の外科用照明システム(10)であって、前記制御装置(32、34)が、前記第一状態を表示するためのLCDディスプレイ(160)を備える、外科用照明システム。
(6)項目1に記載の外科用照明システム(10)であって、ここで:
前記制御装置が、命令信号を発するように適合されており;そして
前記ライトヘッド中の前記プロセッサが、該命令信号に従って前記光の強度を制御するように適合されている、
外科用照明システム。
(7)項目1に記載の外科用照明システムであって、ここで、前記ライトヘッド中の前記プロ
セッサが、以下:
前記制御装置からプログラムコードを受信し;そして
該プログラムコードを実行するように適合されている、
外科用照明システム。
(8)項目7に記載の外科用照明システムであって、ここで、
前記制御装置が、受信された前記ライトヘッド状態信号に基づいて、該外科用照明システム中の前記プロセッサの演算適合性を決定し;そして
該プロセッサが該外科用照明システムにおける使用に適合性でない場合に、該プロセッサに実行可能なプログラムコードをダウンロードするように適合されている、
外科用照明システム。
(9)項目1に記載の外科用照明システムであって、前記ライトヘッドと連絡し、そして前記制御装置と作動的に連結されたカメラをさらに備え、該カメラは、付属のビデオモニタデバイスによる、ヒトにより読み取り可能な画像への変換のために適合された画像信号を発し、該制御装置は、ホワイトバランス、画像静止、時間表示および日付表示を含む、該カメラの機能を制御するための手段を備える、外科用照明システム。
(10)項目9に記載の外科用照明システムであって、ここで、前記制御装置は、前記カメラの存在を検出し、そして前記付属のビデオモニタデバイスへの接続のために適合された該制御装置上のポートへと前記画像信号を導くように適合されている、外科用照明システム。
(11)項目1に記載の外科用照明システムであって、
前記ライトヘッド上の第一光強度制御ボタンおよび前記制御装置上の第二光強度制御ボタンをさらに備え、前記プロセッサが、該第一および第二の光強度制御ボタンの両方に対して応答性である、外科用照明システム。
(12)項目1に記載の外科用照明システムであって、ビデオ信号を発するように適合された外科用ビデオカメラデバイス(100)をさらに備え、ここで:
前記ライトヘッド中の前記プロセッサ(120)は、ビデオカメラ存在信号を発するように適合されており;そして
前記制御装置(32、34)は、該ビデオカメラ存在信号を受信し、そして該外科用ビデオカメラデバイス(100)を制御するために、前記一群のアルゴリズムから、カメラ制御アルゴリズムを選択するように適合されている、
外科用照明システム。
(13)項目12に記載の外科用照明システムであって、前記ライトヘッド状態信号および前記ビデオカメラデバイスに関する情報を表示するためのヒト読み取り可能ディスプレイ(160)をさらに備える、外科用照明システム。
【0008】
(発明の簡単な要旨)
本発明の好ましい実施形態は、プラグアンドプレイ制御インターフェースを提供し、これは、ユーザに、1つのステーションにおいて複数のデバイスへのアクセスを与え、滅菌場におけるより多くのデバイスの外科医による制御を与え、そしてこのシステムの制御をより単純に、かつより直感的にする。
【0009】
本発明は、複数のデバイス(例えば、頭上照明、周囲の照明、カメラ、および他の手術室の付属物)を制御するために使用するための、グラフィカルLCDディスプレイを提供することによって、システムへのユーザアクセスを改善する。外科医の制御は、音声インターフェースシステムによって改善され、外科医が、照明および他の局面を、単に話すことによって調節することを可能にする。フットペダルインターフェースおよび赤外線遠隔制御インターフェースは、カメラの外科医による制御を与え、このカメラの回転機能およびズーム機能の直接の制御を可能にする。
【0010】
本発明の好ましい実施形態は、プラグアンドプレイ適合性を提供し、その結果、カメラ、ライトヘッド全体、作業ライト、および他の外科付属物のようなデバイスは、アップデートシステムソフトウェアまたは制御プロトコルの必要なしに、必要な場合にシステムのインとアウトとを切り替え得る。このことは、さらなるライトヘッドまたは他のデバイスがこのシステムに追加される場合、あるいはこのデバイスがアップグレードなどによって交換される場合に生じ得る。
【0011】
本発明のシステムの壁制御ユニットは、グラフィックLCDディスプレイを提供し、これは、全ての制御についての集中型ユーザ入力/出力を可能にする。この壁制御はまた、システムオプション(例えば、ビデオ、記録デバイス、音声制御、光ファイバー作業ライト、およびカメラフット制御)のための入力/出力接続部を提供する。LCDインターフェースは、ビデオカメラ、光ファイバー作業ライト、周囲ライト、および複数のライトヘッドの、高レベルのユーザ制御を提供する。
【0012】
全ての中間および大きいサイズのライトヘッドは、好ましくは、すぐ使えるカメラである。カメラモジュールは、所望により、これらのライトヘッドのいずれかに配置され得る。制御システムは、特定のライトヘッドを自動的に検出するように適合され、ここで、カメラがされ、そして「プラグアンドプレイ」様式の電子手段を介して配置壁制御に信号を指向する。
【0013】
さらに、サービス機能がこのシステムに組み込まれ得、この機能は、サービス人員またはメンテナンス人員が、新たなライトヘッドとの交換のために、ライトヘッド全体を取り外すことを可能にする。この制御システムは、必要な場合に、新たなライトヘッドを検出し、そしてこのライトヘッド(プラグアンドプレイ)に適合可能なソフトウェエアをダウンロードする。このことは、サービスコールに起因する、製品の休止時間を減少させる。各ライトヘッドは、壁制御から制御情報を送信および受信するように適合され、そしてさらに、光ハンドル斜面上のスイッチに応答するように適合される、マイクロコントローラを備える。
【0014】
マイクロコントローラはまた、ランプ電力にわたる厳密な制御についての閉ループ制御を提供する。このコントローラは、ランプの電圧および電流を測定し、そしてパルス幅調節(PWM)回路についてのデューティーサイクルを設定する。このことは、ほとんど全ての変動の源を補償することによって、一貫した光を効果的に与える。
【0015】
改善された制御は、システムにおける全てのライトヘッドが、このシステムにおける任意の光のスイッチ斜面入力からオン/オフを切り替えられることを可能にする。ライトヘッドハンドルの斜面における「−」強度低下ボタンを押し、そして選択された期間(好ましくは、4秒間)にわたって保持することによって、全てのライトヘッドをオフにし、そして好ましくは同時に、周囲ライトをオンにする。「+」強度増加ボタンを押し、そして選択された期間(好ましくは、2秒間)にわたって保持することによって、全てのライトヘッドをオンにし、そして好ましくは同時に、周囲ライトをオフにする。
【0016】
壁制御は、単純な、集中型のユーザインターフェースを提供し、これは、動き回る看護士の時間を節約する。光ハンドル斜面のスイッチの改善された制御は、外科医に対しても同様に、光の制御を提供する。これは、全人員の時間を節約する。
【0017】
この制御システムは、外科手順の間の照明システムの制御の電位損失を最小にするために、いくつかのレベルの重複性を提供する。コントロールセンターの2つの電源のうちのいずれか一方が、マイクロコントローラの作動を維持するために十分である。壁制御ユニットのマイクロコントローラまたはスイッチが故障した場合、オン/オフおよび強度制御の機能性は、ライトヘッドに基づくマイクロコントローラおよびスイッチのみを使用して、実施され得る。
【0018】
ビデオカメラ特徴は、ユーザインターフェースを介してアクセス可能であり、少なくとも電力、ならびにズーム、回転、輝度および焦点の制御を備える。改善されたカメラ制御もまたユーザインターフェースを介してアクセス可能であり、例えば、白色バランス、画面の静止、時間および日付の表示が挙げられる。カメラモジュールは、任意の媒体または大きなライトヘッドと組み合わせるために適合される。本発明のシステムの制御システムは、カメラモジュールの存在を自動的に検出し、そしてビデオ信号を壁制御に指向する。
【0019】
多くの制御特徴が、本発明による外科用照明システムにおいて提供される。グラフィックユーザーインターフェースは、好ましくは、LCDディスプレイであり、このシステムにおける全ての構成要素の、集中型の制御を提供する。全てのライトヘッドのオン/オフの制御が、このシステムにおいて、光ハンドルスイッチ斜面の強度制御の単一の地点から提供され、一方で、滅菌技術を維持する。改善されたカメラ制御特徴が提供され、白色バランス、画面の静止、時間および日付の表示を含む。この制御システムは、カメラモジュールを検出し、そしてビデオ信号を壁制御に指向する。これは、システムがカメラモジュールを複数の位置において認容する能力と両立する。閉ループのランプ電力制御スキームが、時間にわたって、そして異なる設置条件にわたって、一貫した強度レベルを維持する。壁制御は、新たなライトヘッドを感知し、そして自動的にソフトウェアをダウンロードして、ライトヘッドをこのシステムにおいて適合性にする。
【0020】
上記列挙は、本発明による外科用照明システムにおいて提供される制御特徴の、限定ではない。
【0021】
本発明は、特定の方法、部品、および部品の配置において形態を採り得るが、本発明の好ましい実施形態が、本明細書中に詳細に記載され、そして本明細書の一部を形成する添付の図面に示される。
【0022】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
ここで、図面の図(ここで、示されるのは、本発明の好ましい実施形態の説明の目的のみであり、そして本発明を限定する目的ではない)を参照すると、図1は、手術室の天井14から一次スピンドルハブ16によって支持されている、第一のセットの照明デバイス
12、および第二のスピンドルハブ20によって天井14に支持されている、第二のセットの照明デバイス18を備える、外科用照明システム10を示す。照明制御装置30は、第一のセットの照明デバイス12を作動させるためのマスター制御ユニット32、および第二のセットの照明デバイス18の作動を制御するための第二制御ユニット34を備える。通信および電力ライン36のセットは、照明制御装置30を、第一および第二のセットの照明デバイス12、18と接続し、これらのデバイスを、以下にさらに詳細に記載される様式で制御する。
【0023】
一次スピンドルハブ16によって支持される第一のセットの照明デバイス12は、3つの頭上照明40〜44、外科作業ライト46および手術室の周囲ライト48を備える。外科用ライトヘッド40〜44の各々は、対応する吊り下げシステム40’〜44’によって支持される。同様に、外科作業ライトは、吊り下げアーム46’に支持される。吊り下げアーム40’〜46’の各々は、適切な電力および通信ケーブルを備え、これらのケーブルは、以下に記載され、そしてさらに、ライトヘッド40〜44および作業ライト46の、手術室適用に関して選択された位置への移動を可能にする。各ライトヘッドは、手動で作動可能な光強度制御ボタン124のセットを備え、これは好ましくは、各デバイスのライトヘッドハンドルに隣接して位置する。周囲ライト48は、一次スピンドルハブ16に対して固定された位置に取り付けられる。単一の補助的なライトヘッド50は、補助的な周囲ライト52と一緒になって、二次スピンドルハブ20に、適切な吊り下げアーム50’によって支持される。いくつかの照明デバイスが、第一のセット12において提供され得、ほんの単一の照明デバイスが、第二のセット18において見出されるが、より多いかまたはより少ない照明デバイスが、所望により使用され得ることがさらに理解されるべきである。さらに、より多いかまたはより少ないスピンドルハブ16、20が、所望により、このシステムに備えられ得る。
【0024】
次に、図2を参照すると、本発明の照明システム10が、機能的ブロック図の形態で示されている。このシステムは、高レベルの重複性を提供して、単一の点の欠陥が「停電」すなわち光のない状態を引き起こすことを防止するように、分割されていることが理解される。この目的で、各外科ライトヘッドは、別個のAC/DC電源を備え、そしてさらに、24VDCバッテリーバックアップ電源に切り替わる能力を備える。各外科用ライトヘッドはまた、その独自のエレクトロニクスコントローラおよび常駐作動ファームウェアを備え、これは、ライトヘッドにおいて実行可能である。
【0025】
ライトヘッド40〜44および50は、各々、所定のアルゴリズムに従ってプログラムを実行するための、エレクトロニクスモジュール60〜66をそれぞれ備える。対象のシステムの各ライトヘッドは、種々の照明機能を制御するための照明制御装置30と連絡し、そしてプラグおよび遊び能力を提供するように、適合されている。連絡および電力ライン36は、照明制御装置30から個々のライトヘッドへと電力を送達するための、別個のライトヘッド電力ケーブル70〜76を備える。さらに、連絡および電力ライン36は、照明デバイス12、18と照明制御装置30との間で、命令および状態データを伝達するための、1対の連絡ケーブル80、82を備える。この目的のために、マスター制御ユニット32は、制御ユニットと、ライトヘッド40〜44、50および作業ライト46との間の連絡ケーブル80、82上で伝達されるべき信号を発するための電子コントローラボード90を備える。
【0026】
続いて図2を参照すると、対象の外科用照明システム10の実施形態が、ビデオカメラ100を備えることが留意される。ビデオカメラ100は、示されるような大きいライトヘッド44によって保有される。カメラ100からのビデオ信号は、大きいライトヘッド44の吊り下げアーム44’を通って、共通ハブエレクトロニクスボード104およびマスター制御ユニット32の電子コントローラボード90のビデオカード要素106へと至
る。ビデオカード要素106は、合成ビデオ信号108およびS−ビデオ信号110を発するように適合されている。
【0027】
図3および図4は、ブロック図形態で、大きいライトヘッド44のエレクトロニクスモジュール64の機能的要素を示す。図3に示されるように、エレクトロニクスモジュール64は、ランプコントローラボード120、カメラモジュール122、手動で操作可能な電球強度スイッチ124のセット、視覚出力ランプ126(好ましくはLED)、一次電球130および二次電球132を保持する電球交換機構128、ならびに一次電球130の故障の際に電球交換をもたらすための電球交換ソレノイド134を備える。これらの要素は全て、ランプコントローラボード120と作動的に局所連絡している。照明制御装置30との作動的連絡(図1および図2)は、差示的ビデオ信号ライン140、ランプシリアルポート信号ライン142およびシステム電力信号ライン144を備える、連絡および電力ライン36のセットによって提供される。差示的ビデオ信号ライン140は、カメラモジュール122から、照明制御装置30へとビデオ信号を送達する。しかし、ランプシリアル連絡ライン142は二方向性であり、そしてエレクトロニクスモジュール64と照明制御装置30との間で命令およびデータを伝達する。システム電力ライン144は、ライトヘッドへと電力を連絡する。
【0028】
閉ループ制御は、ランプ電力を提供する。この目的のために、電球強度コントローラ152は、電球130に送達される電流および電球末端での電圧信号を検出する。電球フィードバック信号154は、コントローラ152によって発せられ、そしてPWM回路156についての所望のデューティサイクルを計算する際に使用されるマイクロコントローラ150に送達される。このように、一貫した照明作用力が実現される。
【0029】
エレクトロニクスモジュール64のランプコントローラボード120のさらなる詳細は、図4中に提供される。示されるように、マイクロコントローラ150は、上で以前に特定された全ての構成要素と作動的に連絡している。マイクロコントローラ150は、マイクロコントローラのメモリ部分に記憶されたプログラムコードに従って、照明制御装置と連絡するように、適合されている。より具体的には、マイクロコントローラ150は、対象の外科用照明システムのプラグおよび遊び能力を実施するために、プログラムコードを実行するように適合されている。
【0030】
この制御システムは、外科的手順の間の照明システムの制御の電位の喪失を最小化するために、いくつかのレベルの重複性を提供する。制御中心における2つの電力供給のうちいずれか1つが、マイクロコントローラの作動を維持するために十分である。壁制御ユニットのマイクロコントローラまたはスイッチが故障した場合、オン/オフおよび強度制御の機能性が、ライトヘッドベースのマイクロコントローラおよびスイッチだけを使用して実行され得る。
【0031】
図5は、好ましい実施形態のコントローラによって実施されるデバイスの自動検出シークエンスを示すフローチャートである。S10で電源を入れると、ソフトウェア更新レベルを決定するためS12およびシステムにおけるライトヘッドの品質、それらのサイズおよびスタイル、ならびに電力の上昇において誘導され得る任意の他の情報を決定するためS16に、照明制御装置30は、各マイクロコントローラ150および各ライトヘッドを問い合わせる。1つのこのような決定は、カメラ検出信号ライン136(図3)によって提供され、これは、パワーアップにおいてランプコントローラボード120のマイクロコントローラ150によって読み取られる。カメラモジュール122がエレクトロニクスモジュール64中に設置される場合、このカメラ検出信号ライン136は、論理的グラウンドと結びつけられる。カメラモジュールの非存在下において、このカメラ検出信号ライン136は、浮揚され、そして論理的な高い値を示す。
【0032】
マイクロコントローラ150は、ライトヘッド44のエレクトロニクスモジュール64内のカメラモジュール122の存在の状態を報告するためのプログラムコードを備える。他の情報もまた、マイクロコントローラ150によって、照明制御装置30に報告される。この情報は、マイクロコントローラ150によって実行されるソフトウェアバージョンに関するデータを含む。対象の外科用照明システム10は、この情報を有利に使用して、アップデートソフトウェアバージョンが利用可能になる場合に、マイクロコントローラS14に新たな実行可能なコードをダウンロードする。この目的のために、新たなソフトウェアが、連絡および電力ライン36を使用して、照明制御装置30から別個のエレクトロニクスモジュール60〜66にダウンロードされる(S14)。
【0033】
インストールされた要素の決定(S16)に基づいて、コントローラは、制御機能を実施するための一群のアルゴリズムの中から、1つのアルゴリズムを選択する。ビデオカメラが検出される場合、カメラ制御アルゴリズムが選択され(S18)、作業ライトおよび周囲ライトがシステム内のコントローラによって検出される場合に、作業ライト制御アルゴリズムおよび周囲ライト制御アルゴリズムが、工程S20および工程S22にて選択される。外科用ライトヘッドに関して、上記のように、種々のサイズがシステムによって支持され、各々が、好ましくは、別個の同調アルゴリズムに別々に従って、制御される。この目的のために、ライトヘッドの型が工程S24において決定され、そしてライトヘッド型決定工程S24に基づいて、小さいライトヘッド制御アルゴリズムが選択され(S26)、中間のライトヘッド制御アルゴリズムが選択され(S28)、そして/または大きいライトヘッド制御アルゴリズムが選択される(S30)。
【0034】
図6は、対象の外科用照明システム10の照明制御装置30のマスター制御ユニット32上に提示されたユーザディスプレイ160を示す。好ましくは、このマスター制御ユニットは、バックライトおよび膜接触スイッチ162のセットを備えるモノクログラフィックスのLCDを備える。接触スイッチ162は、対象の外科用照明システムを制御するための手動ユーザ入力を得るために使用される。オンのプッシュボタン164およびオフのプッシュボタン166は、ユーザからの入力を求めるようにプログラムされたディスプレイ領域170に隣接して位置づけられた他の制御ボタン168のセットと共に提供される。ディスプレイ領域170は、本質的に、隣接ボタン168の機能に関してヒトユーザに視覚情報を提供する。視覚情報は、制御中にソフトウェアによって発せられ、そして必要に応じて物理的ボタンの機能を再評価するために有用である。
【0035】
図6に示されるように、ディスプレイ領域170は、「ライト選択」印(すなわち標識領域)、「強度」領域、「周囲ライトオン/オフ」領域、「カメラ」領域、および「システム」領域を含む。上向き矢印172および下向き矢印174は、この群のなかからライトヘッドを選択するために、他の入力ボタンの間に提供される。上向き入力ボタン172または下向き入力ボタン174のいずれかの起動により、3つの選択可能な場178のうち1つの間の移行に対して、ユーザディスプレイ160上に矢印176が表示される。さらに、強度減少矢印180および強度増加矢印182は、照明制御装置30において、ユーザが矢印176の位置によって選択される特定のライトヘッドの強度を制御できるように、提供される。図6に示されるように、ライトヘッド数3は、矢印176によって選択され、そして強度は、レベル3に設定される。
【0036】
周囲ライト電力ボタン190もまた、ディスプレイ領域中に周囲ライトアイコンと一緒に接触スイッチ162上に提供され、その結果、ユーザは、周囲ライト48を、所望に応じてオンまたはオフに切り替え得る。カメラ入力ボタン192もまた、カメラの作動を切り替えるために、ディスプレイ領域170中のカメラアイコンに隣接して提供される。最後に、システム問い合わせボタン194が、ユーザが情報について外科用照明システムに
問い合わせるように、備えられる。
【0037】
ライトヘッドは、ライト選択ディスプレイの下のアップ/ダウンボタン172、174を使用して選択され、強度は、強度ディスプレイの下の左/右ボタン180、182によって調節される。7つの所定の電力レベルが、7つの光強度レベルの各々について、ライトヘッド中の持久メモリ中にハードコードされる。種々のワット数のランプ型についての電力レベル規定が、ライトヘッド中の電力レベルテーブルのセットに記憶される。図6に示される強度指示子200〜208は、進行性の7つの棒状セグメントディスプレイ212が続く、ランプヘッド数210からなる。ランプがオフの場合、セグメントは表示されない。ランプが最大強度レベルである場合、7つ全てのセグメントが表示される。図中に示されるように、ランプ1は完全電力であり、ランプ2はオフであり、ランプ3は低い電力設定であり、そしてランプ4はランプ3よりも僅かに明るい。ユーザがランプ強度を上げるにつれて、全ての先行するセグメントが表示されたままで、引き続くセグメントが左から右へと表示される。
【0038】
2つ以上のライトヘッドがシステムにおいて検出される場合、図中に示される全ライト指示子214は、ライト制御スクリーン上に表示される。全ライト指示子が、ライト選択ディスプレイの下のアップ/ダウンボタン172、174を使用して選択される場合、全ての検出されたライトヘッドの制御および強度は、予め規定された作動シークエンスに従う。本質的には、全ライト指示子が選択され、そして強度の右向きボタン182(または上向き矢印)が選択される場合、全てのランプが直ぐに次のより高い強度レベルまで増大する。逆に、左向き180(または下向き矢印)が押される場合、システム中の全てのランプは、次のより低いレベルまで、直ぐに強度を低下させる。
【0039】
ライトヘッドについての一次ランプおよび二次ランプは、「A」および「B」として示され、「A」は、一次ランプの位置として理解される。上記のような好ましい実施形態のシステムにおいて、これらのランプは、オンに切り替えられるかオフに切り替えられるかに関わりなく、連続してモニタリングされる。ランプが失われているか燃え尽きた場合、ランプ故障指示子220が表示され、そして予め決定された速度(好ましくは、50%のデューティサイクルで2秒の速度)でオンおよびオフを光らせる。
【0040】
図面を続けて参照して、このシステムは、上記のように手動作業ライトの設置を自動的に検出する。この目的のために、作業ライト強度ディスプレイ208が、ランプ寿命指示子230と一緒に提供される。強度指示子は、ライトヘッドについて提供されたディスプレイと類似の棒グラフの形態での、7つのセグメントのディスプレイ212からなる。ユーザがランプ強度を上げるにつれ、全ての先行するセグメントが表示されたままで、引き続くセグメントが左から右へと表示される。
【0041】
さらに、作業ライト寿命指示子230が、手動作業ライトにおいて使用されるランプについての残りの寿命を示すために、操作者に提示される。進行する棒状メーター232は、ランプの光が低下するにつれて、図面に示されるように、右へと移動する。この棒は、左側において0時間について好ましくは較正され、そして右側において500時間の最大規模で較正される。棒グラフが400時間の電球寿命に達した後、進行する棒は、予め決定された速度(好ましくは、50%のデューティサイクルで2秒の速度)で光り始める。500時間に達した後、ランプ上に×印のある図の表示が示され、そして作業者の注意を引くように、光り始める。500時間で、故障ログの入力がなされ、これは、手動作業ライトにおいて使用されたランプ時間の数が、予め決定された操作限界を超えたことを示す。
【0042】
さらに、バックアップバッテリーディスプレイアイコンが、バックアップバッテリーの残存寿命を表示するために示される。
【0043】
図7は、「カメラ」アイコン234の下のボタン(図6)が操作される場合に、対象の制御システムによって示されるサブメニュー250を示す。示されるように、機能選択キー172、174は、矢印176の位置を変化させて、電力252、ズーム254、回転256、明るさ調節258およびカメラ焦点260を含む種々のカメラ制御選択肢を選択するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明に従う外科用照明システムの斜視図であり、一次スピンドルから吊り下げられる外科用照明設備の第一のセット、および二次スピンドルから吊り下げられる照明設備の第二のセット、ならびにシステム制御装置を示す。
【図2A】図2は、本発明の照明制御装置の構成要素を示すブロック図である。
【図2B】図2は、本発明の照明制御装置の構成要素を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の外科用照明システムの電子モジュールの機能的ブロックを示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の外科用照明システムのランプコントローラボードを示す、機能的ブロック図である。
【図5】図5は、本発明の制御システムによって実行される、構成要素自動検出機能を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の外科用照明の照明制御装置によって表示される、ユーザスクリーンの図である。
【図7】図7は、本発明のシステムの照明制御装置によって提供される、サブメニューを表示している、ユーザスクリーンの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−161701(P2008−161701A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35359(P2008−35359)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【分割の表示】特願2003−559400(P2003−559400)の分割
【原出願日】平成15年1月15日(2003.1.15)
【出願人】(502042506)ステリス インコーポレイテッド (22)