説明

ビリヤード台の球移動管理装置

【課題】プレイがどのように進行していったのか等のプレイ内容を確認することができるビリヤード台の球移動管理装置を提供する。
【解決手段】球移動管理装置10は、球位置情報記憶部14aの情報に基づいて、全ての各球Bが静止した状態である第1静止状態を判定し、その次に全ての各球Bが静止した第2静止状態であると判定したときに、第1静止状態の各球Bの位置情報と、矢印画像生成部15cが求めた第1静止状態から第2静止状態までの各球の移動情報A1−0,A1−5とを合成して合成画像41を生成する合成画像生成部15dを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盤面上の各球を検出可能なビリヤード台の球移動管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビリヤード台には、初心者等がプレイをしやすくするために、特許文献1の表示装置のように、盤面に手球移動経路を示すものがあった。
一方、ある程度技術を習得したプレイヤからは、プレイがどのように進行していったのか等のプレイ内容を、プレイ中やプレイ後に確認したいという要求があった。
しかし、特許文献1のような従来のビリヤード台は、このようなプレイヤの要求を満たすものではなかった。
【特許文献1】特開2006−43017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、プレイがどのように進行していったのか等のプレイ内容を確認することができるビリヤード台の球移動管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0005】
請求項1の発明は、ビリヤード台(1)上の各球(B)の位置を所定時間毎に検出する検出部(12)と、前記各球の位置情報と前記各球の種類とを記憶する球位置情報記憶部(14a)と、前記検出部の出力に基づいて前記各球の種類を識別し、前記各球の位置情報とその取得時間の情報とを関連付けて前記球位置情報記憶部に記憶させる球位置取得制御部(15a)と、前記球位置情報記憶部の情報に基づいて、前記各球の移動情報(A1−0,A1−5,A2−0,A2−5,A3−0,A3−5)を生成する移動情報生成部(15c)と、前記球位置情報記憶部の情報に基づいて、全ての前記各球が静止した状態である第1静止状態を判定し、その次に全ての前記各球が静止した第2静止状態であると判定したときに、前記第1静止状態の前記各球の位置情報と、前記移動情報生成部が求めた前記第1静止状態から前記第2静止状態までの前記各球の前記移動情報とを合成して合成情報(41,42,241)を生成する合成情報生成部(15d)と、を備えるビリヤード台の球移動管理装置である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、前記移動情報生成部(15c)は、前記移動情報として、前記第1静止状態と前記第2静止状態との間の前記各球(B)の移動経路を示す線画情報(A1−0,A1−5,A2−0,A2−5)、及び前記第1静止状態と前記第2静止状態との間の前記各球の所定時間毎の静止画を重ねた情報(A3−0,A3−5)のうち少なくとも1つを生成すること、を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、前記検出部(12)は、前記ビリヤード台(1)上を撮像した撮像情報を取得する撮像部(12)であり、前記球位置取得制御部(15a)は、前記撮像部の出力に基づいて、前記各球(B)の色彩を識別して各球の種類を判別すること、を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、前記合成情報生成部(15d)が生成した前記合成情報(41,42,241)を、紙媒体(16a)、表示画面(13)及び半導体記憶媒体(18)のうち少なくとも1つに出力する出力部(13,16〜17)を備えること、を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、この球移動管理装置(10)は、通信網(20)を介して情報端末(30)に接続されており、前記合成情報生成部(15d)が生成した前記合成情報(41,42,241)を、前記通信網を介して前記情報端末に送信する送信部(15f)を備えること、を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、前記球位置情報記憶部(14a)の前記各球(B)の位置情報に基づいて、前記各球がポケットに落ちた否かを判定するポケット判定部(15a)と、前記ポケット判定部の判定に基づいて、得点を記録する得点記録部(14e,15e)とを備えること、を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置である。
請求項7の発明は、請求項6に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、前記得点記録部(14e,15e)が記録した得点情報を、紙媒体(16a)、表示画面(13)及び半導体記憶媒体(18)のうち少なくとも1つに出力する出力部(13,16〜17)を備えること、を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置である。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、この球移動管理装置(10)は、通信網(20)を介して情報端末(30)に接続されており、前記得点記録部(14e,15e)が記録した得点情報を、前記通信網を介して前記情報端末に送信する送信部(15f)を備えること、を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、第1静止状態の各球の位置情報と、第1静止状態から第2静止状態までの各球の移動情報とを合成して合成情報を生成するので、プレイヤは、合成情報を確認することにより、プレイにおいて各球がどのように移動したかや、プレイがどのように進行していったのか等のプレイ内容を確認することができる。
(2)本発明は、各球の移動経路を示す線画情報及び各球の所定時間毎の静止画を重ねた情報のうち少なくとも1つを生成する。このため、線画情報を生成した場合には、線や矢印等によって球の移動を分かりやすく示し、また静止画を重ねた情報を生成した場合には、リアルに球の移動を示すことができる。
【0008】
(3)本発明は、各球の色彩を識別して各球の種類を判別するので、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を利用することができる。
(4)本発明は、合成情報を紙媒体、表示画面及び半導体記憶媒体のうち少なくとも1つに出力する。このため、プレイヤは、紙媒体に出力する場合には、プレイヤが紙媒体を持ち帰り、後からでもプレイ内容を確認することができ、表示画面に出力する場合には、プレイ中やプレイ後にプレイ内容を確認することができ、半導体記憶媒体に出力する場合には、半導体記憶媒体の情報を情報端末等で読み出して確認することができる。
【0009】
(5)本発明は、合成情報生成部が生成した合成情報を、通信網を介して情報端末に送信するので、プレイヤは、自分の情報端末でプレイ内容を確認することができる。
(6)本発明は、ポケット判定部の判定に基づいて得点を記録するので、プレイヤは、プレイ中に自ら得点をつける必要がなく、プレイ中の煩わしさを防止することができる。
【0010】
(7)本発明は、得点情報を、紙媒体、半導体記憶媒体及び表示画面のうち少なくとも1つに出力するので、プレイヤは、上記(4)と同様にして、得点情報を確認することができる。
(8)本発明は、得点情報を、通信網を介して前記情報端末に送信するので、プレイヤは、上記(5)と同様にして、得点情報を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、プレイがどのように進行していったのか等のプレイ内容を確認することができるビリヤード台の球移動管理装置を提供するという目的を、球移動管理装置が球位置情報記憶部の情報に基づいて、全ての各球が静止した状態である第1静止状態を判定し、その次に全ての各球が静止した第2静止状態であると判定したときに、第1静止状態の各球の位置情報と、移動情報生成部が求めた第1静止状態から第2静止状態までの各球の移動情報とを合成して合成画像を生成する合成画像生成部を備えることによって実現した。
【0012】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のビリヤード台1及び球移動管理装置10の斜視図である。
球移動管理装置10は、ビリヤード台1の上部に配置されている。球移動管理装置10は、例えば、盤面2を照らす証明装置(図示せず)や、ビリヤード台1が置かれている部屋等の天井等に吊るして設置されている。
【0013】
球移動管理装置10は、操作部11と、カメラ12(検出部)と、モニタ13とを備えている。
操作部11は、プレイを始めるためのスタートボタン、ゲームの種類(例えば、エイトボール、ナインボール、ローテーション等)を選択する選択ボタン等を備えている。
カメラ12は、ビリヤード台1の盤面2を、真上から撮像して静止画(撮像情報)を取得するための撮像部である。カメラ12は、CCD等の撮像素子を備え、盤面2を0.05秒(所定時間)毎に撮影(検出)して静止画を取得し、取得した静止画を制御部15(後述する)に出力する。なお、この静止画の情報は、盤面2上の各球Bに位置が記録されており、本発明でいう各球Bの位置情報の概念に含まれる情報である。
モニタ13は、例えばLCD(液晶表示装置)等の表示装置であり、後述するように各球Bの移動経路や得点情報等を、その表示画面に表示する。
【0014】
図2は、第1実施形態の球移動管理装置10のブロック図である。
球移動管理装置10は、記憶部14と、制御部15と、プリンタ16と、リーダライタ17とを備えている。
記憶部14は、制御部15の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部14は、球位置情あ報記憶部14aと、合成画像記憶部14dと、得点情報記憶部14eとを備えている。
【0015】
球位置情報記憶部14aは、カメラ12が取得した静止画の情報と、位置−取得時間情報(後述する)とを記憶する記憶部である。
合成画像記憶部14dは、合成画像生成部15d(後述する)が生成した合成画像を記憶する記憶部である。
得点情報記憶部14eは、得点算出部15e(後述する)が算出した得点情報を記憶する記憶部である。
【0016】
制御部15は、記憶部14に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。制御部15は、球位置取得制御部15aと、静止状態判定部15bと、矢印画像生成部15c(移動情報生成部)と、合成画像生成部15d(合成情報生成部)と、得点算出部15eと、通信制御部15fとを備えている。
【0017】
球位置取得制御部15aは、カメラ12と球位置情報記憶部14aとを制御する制御部である。球位置取得制御部15aは、カメラ12が取得した静止画の情報を画像処理して、盤面2上の各球Bの色彩を識別して各球Bの種別を判定し、さらに各球Bの中心の位置情報を0.05秒毎に取得する。球位置取得制御部15aは、各球Bの位置情報と、各球Bの種別情報と、その取得時間の情報とを関連付けて、位置−取得時間情報として0.05秒毎に球位置情報記憶部14aに記憶させる。
【0018】
本実施形態では、球位置取得制御部15aは、位置−取得時間情報を、
t(秒):静止画の取得時間つまりプレイ開始からの時間
B:球Bの種別情報
x(mm),y(mm):盤面2の長手方向をX軸、短手方向をY軸とし、1つのコーナ2aを原点とした場合のXY平面上における球Bの中心の位置情報(図1参照)
として、球位置情報記憶部14aに記憶させる。
例えば、位置−取得時間情報が、
(t,B,x,y)=(100,B0,100,50)
で表せる場合には、プレイ開始から100秒後に、手球B0が、コーナ2aからX軸方向に100mm、Y軸方向に50mmの位置にあることを意味する。
【0019】
なお、球位置取得制御部15aは、球位置情報記憶部14aの各球Bの位置−取得時間情報に基づいて、各球Bがポケット3(図1参照)に落ちた否かを判定(ポケット判定)することができる。つまり、球位置取得制御部15aは、各球Bの位置−取得時間情報を取得後、その0.05秒後の静止画の情報を処理した場合に、その球Bが認識できないときには、その球Bがポケット3に落ちたと判定する。
【0020】
静止状態判定部15bは、球位置情報記憶部14aの0.05秒毎の前後の情報を比較して、盤面2上の全ての球Bが静止している否かを判定する制御部である。静止状態判定部15bは、プレイ中において、盤面2上の全ての球Bが静止し第1静止情報であると判定した後、プレイヤが球B0を突いてから、さらに全ての球Bが静止したときに第2静止状態になったと判定する。
矢印画像生成部15cは、静止状態判定部15bが第1静止状態の後に第2静止状態になったと判定した場合に、第1静止状態から第2静止状態までの各球Bの移動経路を示す移動情報を生成する制御部である。後述するように、矢印画像生成部15cは、移動情報として、各球Bの中心の動きを直線で結んで作成された矢印の画像情報(線画情報)を生成する。
【0021】
合成画像生成部15dは、第1静止状態の静止画と、矢印画像生成部15cが求めた矢印の画像情報とを合成して合成画像を生成する制御部である。合成画像生成部15dは、合成画像を合成画像記憶部14dに記憶させる。
得点算出部15eは、例えば、ローテーション等のように得点を競うゲームの場合に、球位置取得制御部15aの各球Bのポケット判定に基づいて、各プレイヤの得点を算出して、得点情報記憶部14eに記憶させる制御部である。
【0022】
通信制御部15fは、通信回路(図示せず)を制御して、通信網20を介してサーバ21との間で、情報の通信を制御する制御部である。通信制御部15fは、合成画像記憶部14dの合成情報や得点情報記憶部14eの得点情報を、通信網20を介してサーバ21に送信することができる。
【0023】
プリンタ16は、インクジェット方式等の印刷装置であり、合成画像記憶部14dの合成画像や得点情報記憶部14eの得点情報を、紙16a(図1参照)に出力する。
リーダライタ17は、合成画像記憶部14dの合成画像や得点情報記憶部14eの得点情報を、プレイヤが所持するメモリ18に出力して書き込む装置である(図1参照)。
このメモリ18は、半導体記憶装置(例えばフラッシュメモリ等)を内蔵した記憶装置である。メモリ18は、例えばUSB(ユニバーサル シリアル バス)端子等によってリーダライタ17に対して接続され、USBを利用して情報の書き込みや更新がされる。
【0024】
次に、ビリヤード台1の動作について説明する。
図3は、第1実施形態のプレイ時の一場面の動作を示すフローチャートである。
図4は、第1実施形態のプレイ時の状況を盤面2の真上から示す図ある。
図5、図6は、第1実施形態のプレイ時の状況を盤面2の真上から示す図及び合成画像を示す図である。
図4は、ナインボールのプレイにおいて、4番球B4までをポケット3(3a〜3f)に落として5番球B5〜9番球B9の5つの球Bと手球B0とが盤面2上に残った状態である。そして、プレイヤが、キュー9で手球B0を突いて、5番球B5をポケット3bに落とそうとしている場面である。
なお、球位置取得制御部15aは、プレイ開始(ブレークショット)からカメラ12を制御し、プレイ開始から静止画を0.05秒毎に継続して取得している。
【0025】
図4に示す場面は、ショット直前の状態であるので、図3に示すステップS(以下単に「S」という)1において、静止状態判定部15bが、球位置情報記憶部14aの画像情報に基づいて、盤面2上の各球Bが静止状態(第1静止情報)であると判定する。
この場面で、プレイヤが手球B0を突いたものとして、以下説明する。
S2において、球位置取得制御部15aは、カメラ12が取得した静止画の情報と、位置−取得時間情報とを球位置情報記憶部14aに記憶させる。
【0026】
S3において、静止状態判定部15bは、球位置情報記憶部14aに記憶した0.05秒毎に連続した2つの位置−取得時間情報を比較する。
S4において、静止状態判定部15bは、S3における比較処理の結果に基づいて、各球Bが静止しているか否かを判定する。静止状態判定部15bは、球Bのいずれか1つでも移動しており、静止状態ではないと判定した場合には第2静止状態ではないと判定して(S4:NO)、S2からの処理を繰り返す。
ここで、球位置取得制御部15aは、S4からS2に戻って、再びS4を処理するまでの時間が0.05秒になるように処理を行っている。
S4において、静止状態判定部15bは、全ての球Bが静止したと判定した場合には第2静止状態であると判定して(S4:YES)、S5に進む。
【0027】
S5において、矢印画像生成部15cは、第1静止状態から第2静止状態までの各球Bの移動経路を示す矢印の画像を生成する。
S6において、合成画像生成部15dは、第1静止状態の静止画と、矢印画像生成部15cで生成した矢印の画像とを合成して合成画像を生成し、その合成画像を、合成画像記憶部14dに記憶させる。
【0028】
例えば、図5(a)は、プレイヤの狙い通り、5番球B5がポケット3bに落ちた場面である。
この場合には、矢印画像生成部15cは、手球B0及び5番球B5の移動経路を示す矢印A1−0,A1−5(図5(b)参照)を生成する。合成画像生成部15dは、図4に示す第1静止状態の静止画と、矢印A1−0,A1−5とを合成して、図5(b)に示す合成画像41を生成する。
球移動管理装置10は、このように合成画像41を生成することにより、後述するように合成画像41を出力したときに、各球B0,B5の移動経路を、矢印A1−0,A1−5によって分かりやすく示すことができる。
【0029】
一方、図6(a)は、プレイヤの狙いが外れ、5番球B5がポケット3bに落ちなかった場面である。
矢印画像生成部15cは、手球B0及び5番球B5の矢印A2−0,A2−5を生成して、合成画像生成部15dは、図6(b)示す合成画像42を生成する。
なお、球位置取得制御部15aは、記憶部14の負担を減らすために、合成画像を生成した後は、球位置情報記憶部14aに記憶している第1静止状態から第2静止状態までの静止画を消去してもよい。
【0030】
図3に戻って、S7において、球位置取得制御部15aは、球位置情報記憶部14aに記憶した位置−取得時間情報に基づいて、盤面2上の各球Bのうち盤面2上から消滅したものがあるかを判定することにより、ポケット3に落ちた球Bがあるか否かを判定する。球位置取得制御部15aは、ポケット3に落ちた球Bがないと判定した場合には(S7:NO)、S1からの処理を繰り返し、一方、ポケット3に落ちた球Bがあると判定した場合には(S7:YES)、S8に進む。
【0031】
S8において、制御部15は、落ちた球Bが9番球B9であるか否かを判定する。制御部15は、9番球B9でないと判定した場合には(S8:NO)、S1からの処理を繰り返す。
なお、手球B0が落ちた場合は、ファールであるので、制御部15は、モニタ13に「ファール」等と表示してもよい。
【0032】
各制御部15は、S1からの処理を繰り返す場合に(S7:NO、S8:NO)、第2静止状態を新たな第1静止状態として処理を行う。例えば、図5(a)に示すように、5番球B5が落ちた場合には、第1静止状態を、図4に示す状態から図5(a)の状態へと更新して、S1からの処理を行う。
一方、S8において、制御部15は、落ちた球Bが9番球B9であると判定した場合には(S8:YES)、プレイが終了した状態であるので、S9に進んで一連の処理を終了する。
【0033】
球移動管理装置10は、以上説明した処理を、プレイ開始からプレイ終了まで行うことにより、合成画像記憶部14dには、プレイ開始からプレイ終了までの各ショットの合成画像が記憶される。
プレイヤは、操作部11を操作等することにより、合成画像記憶部14dの情報を以下の方法によって確認することができる。
(1)合成画像を、プリンタ16から紙16aにプリントアウトする方法(図1参照)
プレイヤは、この方法では、各ショットの画像を、大きなサイズで確認したいときには合成画像毎に拡大して出力することができ、プレイの流れを確認したいときは、連続した合成画像を小さなサイズに縮小して出力することができる。プレイヤは、プリントアウトした紙16aを持ち帰ったりして、プレイ内容を確認することができる。
【0034】
(2)モニタ13の表示画面に出力する方法(図1参照)
プレイヤは、この方法では、上記(1)と同様に、各ショットの画像のサイズを選択してモニタ13に出力することができる。また、プレイヤは、プレイ後にプレイ内容を確認できるだけでなく、プレイ中に数回前のショットを確認することもできる。
(3)メモリ18に記憶させる方法(図1,図2参照)
プレイヤは、この方法では、メモリ18をリーダライタ17に接続して、各合成画像をメモリ18に記憶させることができる。これによって、プレイヤは、自分が所持するパーソナルコンピュータ等の情報端末で読み出して確認することができる。
【0035】
(4)サーバ21からダウンロードする方法(図2参照)
プレイヤは、この方法では、合成画像記憶部14dの合成画像を、通信網20を介してサーバ21に送信し、サーバ21の記憶装置(図示せず)に記憶させることができる。その後、プレイヤは、サーバ21の合成画像を、自分が所有する携帯端末やパーソンルコンピュータ等の情報端末30に、通信網20を介してダウンロードし、情報端末30のモニタ31に表示することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、ナインボールを例に説明したが、例えばローテーション等のように、得点で争うゲームの場合には、得点算出部15eは、得点を得点情報記憶部14eに記憶させる。
この場合、球移動管理装置10は、得点情報記憶部14eのスコアも、上記(1)〜(4)の方法によって出力することができる。このため、プレイヤは、プレイ中にプレイヤ自ら得点をつける必要がないので、煩雑さを感じることなく、プレイをすることができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態の球移動管理装置10は、第1静止状態の静止画と、各球Bの移動経路を示す矢印の画像とを合成して合成画像を生成するので、プレイヤは、合成画像を出力して、プレイにおいて各球Bがどのように移動したかや、プレイがどのように進行していったのか等を確認することができる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した球移動管理装置の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図7は、第2実施形態の球移動管理装置が生成した合成画像241を示す図である。
図7に示すように、第2実施形態の球移動管理装置は、移動情報生成部が、移動情報として、第1静止状態と第2静止状態との間の手球B0及び5番球B5を点線で示した0.05秒毎の複数の静止画を重ねあわせて、静止画A3−0,A3−5を生成する。そして、合成画像生成部が、第1移動状態の静止画と、静止画A3−0,A3−5とを合成して、合成画像241を生成する。
【0039】
このように、第2実施形態の球移動管理装置は、第1移動状態の静止画と、静止画A3−0,A3−5とを重ねて合成画像241を生成することにより、合成画像241を出力したときに、リアルに各球Bの移動を示すことができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0041】
(変形形態)
(1)各実施形態において、球移動管理装置は、ビリヤード台の上側の照明装置や天井に設けられた例を示したが、これに限定されない。例えば、カメラのみをビリヤード台の上側に配置して、その他の部分(操作部、制御部、プリンタ等)を備え装置本体をビリヤード台と同等の高さの机等に配置し、カメラが取得した情報を装置本体へと無線又は有線で送信してもよい。この場合、操作部等の入力部や、プリンタ等の出力部が扱いやすい高さに配置することができるので、操作性を向上することができる。
【0042】
(2)各実施形態において、球移動管理装置は、ビリヤード台の盤面の画像に矢印等を合成する例を説明したが、これに限定されない。例えば、盤面の画像を模式的なイラスト等に変更して、矢印等を合成してもよい。この場合、記憶部の容量を減らすことができるので、装置の負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態のビリヤード台1及び球移動管理装置の斜視図である。
【図2】第1実施形態の球移動管理装置のブロック図である。
【図3】第1実施形態のプレイ時の一場面の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態のプレイ時の状況を盤面の真上から示す図ある。
【図5】第1実施形態のプレイ時の状況を盤面の真上から示す図及び合成画像を示す図である。
【図6】第1実施形態のプレイ時の状況を盤面の真上から示す図及び合成画像を示す図である。
【図7】第2実施形態の球移動管理装置が生成した合成画像を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ビリヤード台
10 球移動管理装置
11 操作部
12 カメラ
13 モニタ
14 記憶部
14a 球位置情報記憶部
14d 合成画像記憶部
14e 得点情報記憶部
15 制御部
15a 球位置取得制御部
15b 静止状態判定部
15c 矢印画像生成部
15d 合成画像生成部
15e 得点算出部
15f 通信制御部
16 プリンタ
17 リーダライタ
18 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビリヤード台上の各球の位置を所定時間毎に検出する検出部と、
前記各球の位置情報と前記各球の種類とを記憶する球位置記憶部と、
前記検出部の出力に基づいて前記各球の種類を識別し、前記各球の位置情報とその取得時間の情報とを関連付けて前記球位置記憶部に記憶させる球位置取得制御部と、
前記球位置記憶部の情報に基づいて、前記各球の移動情報を生成する移動情報生成部と、
前記球位置記憶部の情報に基づいて、全ての前記各球が静止した状態である第1静止状態を判定し、その次に全ての前記各球が静止した第2静止状態であると判定したときに、前記第1静止状態の前記各球の位置情報と、前記移動情報生成部が求めた前記第1静止状態から前記第2静止状態までの前記各球の前記移動情報とを合成して合成情報を生成する合成情報生成部と、
を備えるビリヤード台の球移動管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、
前記移動情報生成部は、前記移動情報として、前記第1静止状態と前記第2静止状態との間の前記各球の移動経路を示す線画情報、及び前記第1静止状態と前記第2静止状態との間の前記各球の所定時間毎の静止画を重ねた情報のうち少なくとも1つを生成すること、
を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、
前記検出部は、前記ビリヤード台上を撮像した撮像情報を取得する撮像部であり、
前記球位置取得制御部は、前記撮像部の出力に基づいて、前記各球の色彩を識別して各球の種類を判別すること、
を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、
前記合成情報生成部が生成した前記合成情報を、紙媒体、表示画面及び半導体記憶媒体のうち少なくとも1つに出力する出力部を備えること、
を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、
この球移動管理装置は、通信網を介して情報端末に接続されており、
前記合成情報生成部が生成した前記合成情報を、前記通信網を介して前記情報端末に送信する送信部を備えること、
を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、
前記球位置記憶部の前記各球の位置情報に基づいて、前記各球がポケットに落ちた否かを判定するポケット判定部と、
前記ポケット判定部の判定に基づいて、得点を記録する得点記録部とを備えること、
を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置。
【請求項7】
請求項6に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、
前記得点記録部が記録した得点の情報を、紙媒体、表示画面及び半導体記憶媒体のうち少なくとも1つに出力する出力部を備えること、
を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載のビリヤード台の球移動管理装置において、
この球移動管理装置は、通信網を介して情報端末に接続されており、
前記得点記録部が記録した得点の情報を、前記通信網を介して前記情報端末に送信する送信部を備えること、
を特徴とするビリヤード台の球移動管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−273542(P2009−273542A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125536(P2008−125536)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)