説明

ビンディング接合部を有するスノーボード用ブーツ

【課題】スノーボードブーツとスノーボード用ビンディングを取外し可能な接合構造にすると共に、ブーツの横方向屈曲を制限または設定する調節システム。
【解決手段】スノーボードに取り付けられたビンディングの係合部材が、ブーツ20に移動可能に取付けられたビンディング接合部22の側部に設けた接合構造62と係合する。ビンディング接合部はブーツに移動可能に取付けられ、ブーツはビンディング接合部に対してある角度まで横方向に曲がる。例示的には、調節部材82が垂直スロット84を有し、これを通りロック部材86がブーツに係合する。ロック部材を緩めると、ブーツはスロットの長さにより制限される最大角まで、自由に横方向に曲がる。ブーツを所望の角度に固定するには、所望の角度までブーツを曲げ、ロック部材を締め固定する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の背景】
【考案の分野】
本考案は、スノーボードに対するスノーボード用ブーツの横方向の移動を容易にするビンディング接合部を有するスノーボード用ブーツに関する。
【0002】
【関連技術の説明】
スノーボードの乗り手は典型的に、スノーボード用ブーツとスノーボードとの間にある程度の横方向の屈曲性(フレキシビリティー)があることを好む。横方向の屈曲性(フットロールとしても知られている)は、均衡をとったり調整するために乗り手がボード上での体重をかける場所および体の位置を容易に移動させることができる能力を高める。横方向の屈曲性によりさらに、ブーツが横方向の屈曲性を有さずにボードにしっかりと装着される場合よりも容易に隆起部による影響が吸収されるため、全体的な乗り心地が改善され得る。したがって、ボードに対して横方向にブーツを回転させる能力により、多くの乗り手が望ましいと感じる性能が提供される。
【0003】
乗り手のブーツは、ボードの縦軸に対してある角度で典型的に配置されるビンディングによってボートに固定される。この角度は個人的な好みで設定されるため、従来のスノーボード用ビンディングは乗り手は自分自身のスタイルに合うよう各ビンディングの回転向きを調節および固定できるようにする。一般に、乗り手が好む横方向の屈曲性の度合いは、ボードに対するブーツの向きと相関関係にある。たとえば、図1aに示されるようにブーツ20がスノーボード21の縦軸Y−Yに対して垂直に位置付けられる場合、乗り手は、図1bに示されるようにボードの縦軸に対して小さな角度でブーツが位置付けられる場合よりも、高い横方向の屈曲性が付与されることを好むであろう。ブーツ20は互いに対して異なった角度配向で配置されてもよく、乗り手は各ブーツについて異なった度合いの横方向の屈曲性を望むであろう。
【0004】
スノーボード用ブーツには一般に3つのタイプがあり、すなわち、硬質ブーツ、軟質ブーツおよび混成ブーツがあり、この混成ブーツは硬質ブーツと軟質ブーツとのさまざまな属性を組合せたものである。硬質ブーツはアルペンスキーブー ツに類似し、乗り手の足および脚の下部分を支持するための比較的硬い成形されたプラスチックシェルを採用し、ブーツが許す足の動きは最小限である。硬質ブーツは一般に、高速で雪に滑らかな跡を付ける、流れるようなエッジ方向の動きを要求する、競争またはアルペンスキーに従事する乗り手が好んでいる。従来硬質ブーツは、ブーツの爪先部分と踵部分とを係合する前後ベイル(bail)またはクリップを含むブレートビンディングを用いてボードに固定されている。これらのビンディングのベイルは本質的に、ブーツがスノーボードに対して横方向に回転できるようにし、これは上記理由で望ましい。
【0005】
その名前が示唆するように、軟質ブーツは典型的には、硬質ブーツのプラスチックシェルよりも柔軟性の高い軟らかい材料を含む。軟質ブーツは一般に、硬質ブーツよりも装用感が良く歩行が簡単であり、一般には、リクリエーションとしての「フリースタイルの」または技を重視したスノーボードに従事する乗り手が好んでいる。従来軟質ブーツは、ブーツのさまざまな部分に対して締め付けられるいくつかのストラップを含むストラップビンディングを用いてボードに固定されている。典型的にストラップは、ブーツのソールがビンディング内で横方向に回転できるようにするためのある程度の柔軟性を本質的に有するプラスチック材料で形成される。
【0006】
最近では、ソフトスノーボード用ブーツに使用するためのサイドグリップスノーボード用ビンディング(side-grip snowboard binding)が開発されている。このようなサイドグリップビンディングシステムの例は米国特許第5,299,823号 (Glaser) および第5,520,406号 (Anderson) に開示されている。これらのビンディングは一般に、ブーツのソールに装着される金属のビンディング接合部の両側をしっかりと保持する剛性の金属係合部材を採用している。ビンディングと接合部との間の金属接触により、プレートまたはストラップビンディングの場合よりもしっかりとブーツのソールがボードに装着されるようになる。さらに、これらのタイプのビンディングはブーツの爪先部分または踵部分を直接係合しないため、ブーツのソールは乗り手の爪先または踵が滑走時にボードか ら不所望にも持ち上がらないようにするために比較的固定されている必要がある。典型的にこの固定は、ソール部の長さおよび幅にわたって延びる内部スティフナー(stiffener)によって提供される。固定されたブーツソール部とその両側をしっかりと保持するビンディングとの組合せにより、ブーツとビンディングとの間の横方向のたわみまたは回転の問題が本質的に解消される。したがって、スノーボード用ブーツがビンディングに固定されると、ブーツのソール部とボードとの間には、あったとしてもほんのわずかの横方向の回転または屈曲性しか付与されない。
【0007】
ブーツのソール部がボードにしっかりと装着されると、ブーツ自体、特にハードシェルブーツの場合には、あったとしてもほんのわずかの横方向の屈曲性しか付与されない。スノーボード用ブーツによって与えられる横方向の屈曲性は一般に、ブーツのシェルの固定度と相関関係にあり、これは、乗り手がブーツ内で足を回転させるか、または足首を曲げる能力に影響を及ぼす。しかしながら、足関節自体の横方向の屈曲は制限されるため、ブーツのソール部をしっかりと係合するサイドグリップビンディングと関連して使用する場合には、ソフトシェルブーツを使用しても乗り手が望むほど高い横方向の屈曲性を提供することはできないであろう。むしろ、大半の乗り手が望む感覚は、ブーツのソール部がボードに対して横方向に回転できるようにすることによってのみ達成される。
【0008】
上記のことに鑑みて、本考案の目的は、スノーボード用ブーツのスノーボードとを接合するための改善された方法および装置を提供することである。
【0009】
【考案の概要】
考案の1つの例示的な実施例において、スノーボード用ブーツと、スノーボード用ビンディングとを係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含むビンディング接合部とを備える装置が提供される。ブーツは横方向に隔てられた1対の装着点を含む。ビンディング接合部はスノーボード用ブーツに移動可能に取付けられるため、スノーボード用ブーツは横方向の屈曲性を提供するようあ る角度まで横方向にビンディング接合部に対して曲がり得る。ビンディング接合部は1対のストラップレスファスナー(strapless fastener)によって1対の装着点でブーツに取付けられる。
【0010】
別の例示的な実施例において、下面を含むスノーボード用ブーツと、ストラップレスビンディング接合部とを備える装置が提供され、このストラップレスビンディング接合部はスノーボード用ブーツに移動可能に取付けられるため、横方向の屈曲性を提供するようスノーボード用ブーツはビンディング接合部に対して横方向に曲がり得る。ビンディング接合部は、ブーツの第1の側部に隣接して配置された第1の接合構造と、ブーツの第2の側部に隣接して配置された第2の接合構造とを含む。第1および第2の接合構造はスノーボード用ビンディングと係合するように適合される。第1および第2の接合構造のうち一方の少なくとも一部分はブーツの下面の下方まで突出しない。
【0011】
考案のさらなる例示的な実施例において、第1の側部と第2の側部とを含むスノーボード用ブーツと、ストラップレスビンディング接合部とを備える装置が提供され、このストラップレスビンディング接合部はスノーボード用ブーツに移動可能に取付けられるため、スノーボード用ブーツは、横方向の屈曲性を提供するようビンディング接合部に対して横方向に曲がり得る。ビンディング接合部はスノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含み、少なくとも1つの接合構造は、ブーツの第1および第2の側部を超えてまで突出しない。
【0012】
考案の別の例示的な実施例において、スノーボード用ブーツとビンディング接合部とを備える装置が提供され、このビンディング接合部はスノーボード用ブーツに移動可能に取付けられるため、横方向の屈曲性を提供するようスノーボード用ブーツがビンディング接合部に対して横方向に曲がり得、この装置はさらに調節部材を備え、この調節部材はブーツおよびビンディング接合部のうち一方によって支持される。調節部材はブーツとビンディング接合部との間の横方向の屈曲 を調節可能に制限するように構成されかつ配置される。ビンディング接合部はスノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含む。
【0013】
考案のさらなる例示的な実施例において、スノーボード用ブーツとビンディング接合部とを備えた装置が提供され、このビンディング接合部はスノーボード用ブーツに移動可能に取付けられるため、横方向の屈曲性を提供するようビンディング接合部に対して横方向にスノーボード用ブーツが曲がり得、この装置はさらに緩衝部材(dampening element)を備え、これはブーツおよびビンディング接合部のうち少なくとも一方に結合される。緩衝部材は、ブーツとビンディング接合部との間の横方向の屈曲を抑制するように構成されかつ配置される。ビンディング接合部はスノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含む。
【0014】
考案のさらに別の例示的な実施例において、ブーツに対して横方向に延びる湾曲した下面を含むスノーボード用ブーツと、ビンディング接合部とを備える装置が提供され、このビンディング接合部は湾曲した下面の下方でスノーボード用ブーツに移動可能に取付けられるため、スノーボード用ブーツは横方向の屈曲性を提供するようビンディング接合部に対して横方向に曲がり得る。ビンディング接合部はスノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含む。
【0015】
考案のさらなる例示的な実施例において、ソール部および少なくとも1つの装着点を含むスノーボード用ブーツと、ビンディング接合部とを備える装置が提供され、このビンディング接合部は少なくとも1つの装着点でスノーボード用ブーツに移動可能に取付けられ、かつスノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含む。少なくとも1つの装着点とブーツの側部との間に配置されたソール部の少なくとも一部分は柔軟性を有するため、スノーボード用ブーツはビンディング接合部に対して横方向に曲がり得る。
【0016】
本考案の上記および他の目的ならびに利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むと明らかとなるであろう。
【0017】
【例示的な実施例の詳細な説明】
考案の1つの例示的な実施例によると、スノーボード用ブーツとビンディング接合部とを含むスノーボード用ブーツシステムが提供され、このビンディング接合部はブーツ上に支持され、ビンディングと係合するように適合される。接合部は、接合部がビンディングによってしっかりと係合されても、ブーツがスノーボードに対して横方向に有利に回転でき、または曲がることができるようにブーツに支持される。以下に説明するように、ビンディング接合部はブーツの下部分に移動可能に支持されるため、ブーツはその縦軸を中心として接合部に対して回転したり、または持ち上がることができる。本考案のビンディング接合部はハードシェルブーツ、ソフトシェルブーツおよび混成ブーツを含むいかなるタイプのスノーボード用ブーツにも使用することができる。また、ビンディング接合部は、いかなるタイプのビンディングに対しても互換性を持つように適合され得る。したがって、以下に記載する例示的な実施例は例示の目的としてのみ提供され、多くの他の実現例が可能であることを理解されたい。
【0018】
図2から図4に示される考案の1つの例示的な実施例において、スノーボード用ブーツシステム18はスノーボード用ブーツ20とビンディング接合部22とを備え、このビンディング接合部22は、ビンディングによってしっかりと係合されても、ブーツが横方向に有利に回転するか、または曲がることができるような態様で、ブーツに支持される。後に説明するように、ビンディング接合部22はブーツの下部分に移動可能に支持され、ビンディングと係合するように適合されるため、接合部がビンディングに固定されると、ブーツはその縦軸を中心として接合部に対して回転したり、または持ち上がることができる。図2に示される例示的なスノーボード用ブーツ20は従来の構造を有する硬質ブーツであり、シェル24と、ライナー(liner)25と、ブーツの前部分に沿って延びる舌状部分( tongue)26と、乗り手の脚の下部分を支えるためのカフ(cuff)28とを含む。
カフ28はリベットまたはピンなどのファスナー30を用いてシェル24に旋回可能に接続され、乗り手が前方向に脚を曲げることができるようにする。乗り手が足のまわりにブーツを締めることができるよう1つまたは2つ以上のストラップ32が設けられる。上述のとおり、本考案はいかなる特定のブーツ構成にも限定されず、多くの他のタイプのブーツに採用することができる。
【0019】
図2から図4に示される例示的な実施例において、ストラップレスビンディング接合部22は、前の爪先部分36と後ろの踵部分38との間にあるブーツの甲部分34の下方において、ストラップを使用せずに支持される。ビンディング接合部22はブーツをサイドグリップビンディングに取外し可能に装着するための接合部を提供する。ビンディング接合部22の下面40は爪先および踵台座(heel platform)36,39の下面42,44とほぼ面一におかれるか、またはそれらによって規定される面Z−Zの上方に配置されるため、乗り手がブーツを覆いて歩行する際に邪魔にならない。ビンディング接合部22は金属およびガラス補強されたプラスチックで形成されるか、または多くの他の適切な材料のうちいかなるもので形成されてもよい。
【0020】
上述のとおり、スノーボード用ブーツをビンディングに接合するためは多くの異なった構成が可能であり、本考案はいかなる特定の構成にも限定されない。後に説明する例示的な実施例において、ビンディングは、ビンディング接合部を係合するよう横向きに移動する係合部材を有するサイドグリップビンディングであり、ビンディング接合部はビンディング係合部材を係合するように適合された1つまたは2つ以上の凹部を有する。本考案がサイドグリップビンディングシステム、またはビンディング係合部材を係合するための接合部が有するものに限定されないことが認められるべきである。ビンディング接合部をビンディングに係合するための種々の構造を含む多くの代替的な構成が可能であるからである。
【0021】
サイドグリップビンディング46の1つの例示的な実施例が図3および図4に 示される。ビンディング46はベースプレート48と、ベースプレートの両側に配置された1つまたは2つ以上の係合部材50,52を含む。ビンディング接合部22の側部は、係合部材50,52と係合するように適合された対応の接合構造60,62を含む。ベースプレート48は、ベースプレートの向きの調節を可能にする押えディスク55を用いて従来の態様でスノーボード21に取付けられ得る。係合部材50,52のうち1つまたは2つが作動部材56に係合されるため、使用者はブーツを選択的に固定したり取外したりするためにビンディングを作動することができる。作動部材56はたとえばブーツの内側/中間側部58に隣接したベースプレート48に旋回的に取付けられるハンドルであってもよい。
係合部材50,52はベースプレート48の上方に上げられ、ビンディング接合部22の内側/中間側部64および外側/横側側部66の両方に設けられる対応の接合構造(図示される実施例では凹部60,62)を係合するよう内向きに延びる。接合構造のうち1つの少なくとも一部分はブーツの下面の上方に配置される。ビンディング接合部の各側部には1つまたは2つ以上の凹部60,62が設けられてもよい。
【0022】
サイドグリップビンディングに使用するためのビンディング接合部の一例が同時係属中の米国特許出願番号第08/584,053号に記載されており、これはバートン・コーポレーション (Burton Corporation) に譲渡されており、引用によって援用される。1つの例示的な実施例において、凹部60,62は、エラストマー材料などの非金属材料で形成され、ブーツとビンディングとの間に衝撃吸収係合部を形成する。非金属材料はまた、雪が凹部にくっついて凹部を詰まらせないようにする。
【0023】
図2に示されるように、ビンディング接合部22は、間に配置された凹部のない部分を有する各側部に多数の凹部60,62を含んでもよい。図2に示される実施例では、ビンディング接合部の少なくとも一方の側部に沿って1対の凹部62が設けられる。上記出願番号第08/584,053号に記載されるように、エラストマー材料で形成される場合には、多数の凹部を使用すると、1つの凹部 の場合よりもビンディング接合部22とビンディング46との間により強度の高い係合部が提供される。1対の凹部を設けると、凹部に対する力に抵抗する凹部開口角部の数が倍になる。さらに、1対の凹部により、ビンディング接合部22とビンディング46とが前後に移動することを防止する支え面を増加させる。ビンディング接合部の一方または両方の側部に沿って多数の凹部が設けられる場合、それらはスノーボードシステム18とビンディング46との係合の安定性が最大になる態様でブーツの長さのほぼ中央(すなわち甲部領域)を中心に分散される。
【0024】
図3および図4に示される考案の例示的な実施例において、各凹部60,62の開口は対応の係合部材50,52よりも幅が広く、上下壁部はビンディング接合部22とビンディング46との係合を容易にするよう互いに内向きにテーパ状にされる。特に、この凹部の形態により、ブーツ20とベースプレート48との間に雪または氷が堆積した場合でも、ビンディング接合部22と係合部材50,52とが容易に整列するようになる。さらに、係合部材50,52が凹部60,62と係合するよう移動されると、テーパ状壁部は、スノーボード用ブーツシステム18をビンディング46にしっかりと固定するために、堆積した雪および氷を凹部から除去するようにする。壁部は凹部がその中に係合部材を保持する有効性を低減することなく、係合部材との整列を容易にするよう十分な量だけ角度付けられる。1つの実施例において、壁部は水平面からおよそ95°から135°の範囲内の角度をつけられており、およそ105°の角度であれば有効であることがわかっている。
【0025】
図面に示される例示的なビンディング接合部と互換性のあるスノーボードサイドグリップビンディングの例は、同時係属中の米国特許出願番号第08/655,021号、第08/674,976号、および第08/780,721号に記載されており、これらはいずれもバートン・コーポレーションに譲渡されており、引用によって援用される。サイドグリップビンディング46およびそれらと係合する凹部60,62は、関連の出願に記載されるようにいくつかの利点を有す る。しかしながら、本考案はこの点に限定されず、ビンディング接合部22はブーツをビンディングに固定するために他のタイプのビンディングに設けられた互換性のある係合部材と係合するように適合された他の接合構造部材(たとえば爪先部から踵部に、または横方向に延びるプレートおよびロッドなど、ならびにブーツの形状内、ブーツの下、またはブーツの形状を超える範囲まで外向きに延びるもの)を含んでもよい。
【0026】
図3および図4に示される考案の実施例において、ビンディング接合部22は、ブーツ20が横方向Lに回転または旋回できるようにする態様で、1対または2対以上のストラップレスファスナー70,72を用いて、ブーツ20の底部68に取付けられる。ファスナー70,72は、ビンディング接合部とブーツとが離れないようにするための(ねじ、ピン、およびリベットなどの)機械的なファスナー、(接着剤などの)化学的なファスナーまたはそれらの組合せを含む得る。横方向の屈曲の量および方向は、ブーツの側部に対するファスナー70,72の位置を調整することにより調整できる。ファスナー70,72がブーツ20の側部に近接して置かれる場合、ビンディング接合部22とブーツ20とが実質的に相対移動することはない。なぜなら、接合部はブーツの縁部に有効にクランプ止めされるからである。ブーツの側部からは離れた位置にあり、ブーツの長さに沿って延びる中央の縦面74に近接して置かれる1対の装着点71,73にファスナー70,72がある場合、ブーツの側部はビンディング接合部22にはクランプ止めされず、十分な横方向の圧力が乗り手によってブーツに加えられると接合部22から持ち上げられ得る。
【0027】
たとえば、図3および図4に示される実施例において、接合部は、ブーツの外縁から隔てられた装着点71でブーツに取付けられ、これは接合部にはクランプ止めされないため、乗り手は、図4において75で示されるようにブーツの外縁を持ち上げるのに十分な内向きの力P1を加えることができる。これによりブーツ20のソール部がビンディング接合部22に対して内向きの側部方向L1に回転する。接合部22はボード21にしっかりとクランプ止めされているため、ブ ーツ20のソール部はボードに対して横方向に有効に回転する。図3および図4に示される実施例において、装着点73は接合部22の内縁をクランプ止めするようブーツの内縁に隣接するため、ブーツは接合部に対して外側に側部方向に回転しない。しかしながら、接合部が、内縁からは隔てられた装着点73でブーツに取付けられ、ブーツに外向きの力が加えられることによりブーツの内縁が持ち上げられる場合もあることを理解されたい。
【0028】
図面に示される考案の実施例において、ブーツ20は甲部34の下方で側部に沿って係合され、この甲部34はブーツの爪先部分36と踵部分38との間に配置される。この実施例において、ブーツ20にはソール部が設けられ、このソール部は滑走時に発生する持ち上げ力に抵抗するよう、その長さのうち少なくとも後部に沿って十分な剛性を有するため、乗り手の踵がボードから持ち上げられることはない。ソール部はまた、一般には踵における持ち上げ力よりは小さい、爪先における持ち上げ力に抵抗するよう、その長さのうち前部分に沿って剛性を有し得る。従来の硬質ブーツは、踵および爪先が持ち上がらないようにするために十分な剛性を有するソール部を含む。しかしながら、軟質ブーツに使用される場合、考案の1つの実施例では、所望の剛性をソール部に提供するようブーツのソール部に装着されるスティフナーが採用される。
【0029】
ブーツのソール部がその全幅にわたって剛性を有する場合、ブーツの側部からは離れた位置にある装着点71,73を配置しただけでは、望ましいフットロールを提供するには十分ではないであろう。したがって、横方向の屈曲を可能にし、なおかつ踵および/または爪先が持ち上がらないようにすすためのさまざまな技術が採用され得る。これらの技術には、ブーツのソール部の構造、接合部22の構造、接合部22のソール部への装着、または上記のものの組合せに関する技術が含まれ得る。
【0030】
図3および図4に示される1つの例示的な実施例において、ブーツは踵が持ち上がらないようにするためにその長さに沿ってブーツに剛性を付与するが、ブー ツ20が横方向に回転できるように隣接したリブ間で曲がる、縦方向に延びるリブ77またはプリーツを含む。硬質ブーツの場合、リブ77は成形プロセス時に直接シェル24に形成され得る。軟質ブーツの場合、リブ77はブーツのソール部に装着されるかまたは成形加工されるスティフナープレート(stiffener plate)上に形成され得る。リブ77は図面に示されるようにその側部58,76間のブーツの全幅にわたって設けられてもよく、またはリブ77は側部58,76のうち一方または両方と、その最も近接した装着点71,73との間といった、横方向の屈曲が望まれるブーツの部分に限定して設けられても良い。リブ77はブーツの全長にわたって延びてもよい。
【0031】
上述のとおり、ブーツのソール部の縦方向の剛性と、ビンディング接合部に対するブーツの横方向の曲げとの組合せを提供するために、他の技術を使用してもよい。たとえば、硬質ブーツのプラスチックシェルまたは軟質ブーツのソールスティフナーが、横方向の屈曲性を提供しなおかつ縦方向の剛性を保ったままで、側部エッジに沿って選択的に薄くされてもよい。これに代えて、ソール部は構造上の種々の特性を有する材料の組合せで形成されてもよい。たとえばブーツのソール部または中物部は剛性を高めるためにガラスで満たされたナイロンの中央コア部、および横方向の屈曲性を高めるための、ソール部の側部エッジに沿って配置されたエチルビニルアセテート(EVA)の部分を含んでもよい。ナイロンおよびEVAは別個の部品として形成されて後に接続されるか、または共通の金型で同時に成形されてもよい。
【0032】
図3および図4に示されるように、ビンディング接合部22はブーツの側部に対して非対称的である装着点パターンを用いてブーツ20に取付けられ、横方向の曲げの方向および量の両方を調整し得る。図4に示される1つの実施例において、装着点パターンは、多くの乗り手が好むように、ブーツが内側/中間側部まで回転するが、外側/横側側部までは回転しないように配置される。内側ファスナー72はブーツの内側側部58に近接して置かれ、ブーツ20をビンディング接合部22に有効にクランプ止めし、それにより、外向きの力P2を受けたとき にブーツが外向きに回転したり曲がったりしないようにする。逆に言えば、外側ファスナー70はブーツの外側側部76から中央面74にむけてさらに離れた位置に置かれるため、ブーツの外側側部は内向きの力P1を受けたときにビンディング接合部22から持ち上がり、それによりブーツが角度Aまで内向きに回転するか、または曲がるようにする。ブーツの外側側部76に対する外側ファスナー70の位置により、ブーツが横方向に曲がるかまたは回転する量が確定する。たとえば、外側ファスナー40は外側側部から予め定められた距離だけ離れた位置に置かれるため、ブーツはおよそ25°の最大角度Aまで内側側部に曲がるかまたは回転し得る。
【0033】
横方向の屈曲の量はブーツの側部に対するファスナー70,72の距離によって調整できるため、考案の1つの実施例では、乗り手には、自分自身の特定の要求に応じて横方向の屈曲の量を調節するファスナー70,752を選択的に位置付ける能力が与えられる。このために、ブーツ20およびビンディング接合部22は、ファスナー70,72の位置がブーツ側部に対して調節できるように構成される。図7に示される1つの例示的な実施例において、ビンディング接合部22およびブーツ20の各々には調節可能な装着構造79が設けられ、これは複数の孔、スロットまたはそれらの組合せを含み得、ブーツの側部に対するファスナー70,72の位置78が乗り手によって調節可能に選択できる。たとえば、外側ファスナー70はブーツの内向きまたは中間部の屈曲を調節するよう外側側部76と中央面74との間に選択的に位置付けられる。同様に、内側ファスナー72はブーツの外向きまたは横向きの屈曲を調節するよう内側側部58と中央面74との間に選択的に位置付けられる。1つの実施例において、ビンディング接合部はおよそ10cmの最大幅を有し、各ファスナーがブーツの対応の側部に位置付けられたときの外側ファスナー70と内側ファスナー72との間の幅はおよそ8cmである。外側ファスナー70は、ビンディング接合部に対するブーツの内向きの回転または屈曲を最大にするために、中央面74のおよそ5mm内の位置に調節され得る。
【0034】
代替的な実施例において、ブーツのソール部はソール部が曲がらないようにする剛性をその側部に有し、ブーツ20とビンディング接合部22とを結合する柔軟性装着機構を採用して望ましい横方向の屈曲性が提供されるようにしてもよい。たとえば、図5に示される1つの実施例において、ブーツ20はブーツがビンディング接合部に対して曲がるように設計された、成形されたボス83または他の弾性部材などの柔軟性接合部装着構造を含む。示されるように、ビンディング接合部22はボス83に固定されたファスナー70,72を用いてブーツ20に取付けられる。ブーツ20に十分な力が付与されると、ボス83は曲がり(たとえば旋回または湾曲する)、これによりブーツがビンディング接合部22に対して移動できるようになる。図6に示される別の実施例において、エラストマー座金85または他の弾性部材などの柔軟性装着構造が、ビンディング接合部22と接合部にあるボア87を通って延びる1または2つ以上のファスナー70,72との間に結合される。たとえばファスナー70,72が図6に示されるようにネジである場合、ワッシャ85はねじ70,72の頭部とビンディング接合部22との間に配置され得る。
【0035】
十分な力を受けるとワッシャ85は圧縮して、ファスナー70,72がビンディング接合部22に対してボア87内で移動できるようにし、これによりブーツ20がビンディング接合部22に対して横方向に曲がる。
【0036】
柔軟性装着機構は横方向の曲げの方向および量を調整するために用いられてもよい。柔軟性装着構造のばね特性を変化させて曲げの量を調整することができる。さらに、柔軟性装着構造は曲げの方向を調整する種々のばね特性を有し得る。
たとえば、外側装着構造は内側装着構造よりも高い柔軟性を有し得るため、外向きまたは横向きよりも内向きまたは中央方向に大きくブーツ20を曲げることができる。別の実施例において、柔軟性曲げ構造の場所は横方向の曲げの量および方向を調整するように、上述の非対称性パターン技術と同様に、ブーツおよびビンディング接合部の幅にわたって選択的に調節することができる。
【0037】
図8に示される別の例示的な実施例において、ビンディング接合部22によって提供される横方向の屈曲性は、ブーツ20とビンディング接合部22との間に配置された弾性部材80によって向上する。図8に示される実施例において、弾性部材80はビンディング接合部22の内側部分に沿って置かれたパッドの形態であるため、ブーツ20の内側側部58は、ブーツを回転させるよう内向きに力P1が加えられると弾性部材に対して下向きに移動し得る。弾性部材80はブーツがビンディング接合部に対して回転できるよう圧縮されるか、またはさもなければ変形し得るゴムまたは他の弾性材料で形成される。1つの実施例において、それはおよそ5mmからおよそ1cmの厚さを有し、ビンディング接合部22の全長に沿って延び、ブーツのほぼ中央面74からビンディング接合部の内縁64のほぼ3mmの範囲内の幅を有する。これらの寸法は例示的なものであり、他の寸法が用いられてもよいことを理解されたい。これに代えて、弾性部材80はビンディング接合部の内側部分ではなく外側部分に沿って置かれ、ブーツ20の外側側部76が、ブーツに外向きの力が加えられたことに応じて下向きに移動するようにしてもよい。さらに、弾性部材80はビンディング接合部の内側および外側部分の両方に沿って配置されてもよく、または弾性部材はビンディング接合部の全幅にわたって配置されてもよい。さらに、これに代えて、同様の結果を達成するように、接合部22にではなく、ブーツの底部に1つまたは2つ以上の弾性部材80が配置されてもよい。
【0038】
別の例示的な実施例において、ビンディング接合部22に対するブーツ20の横方向の屈曲を制限または設定するために調節システムが提供される。図2および図9に示される1つの例示的な実施例において、調節システム81は調節部材82を含み、これはビンディング接合部22の外縁66から上向きに延び、かつブーツのシェル24の外側側部74に隣接して置かれる。調節部材82は垂直スロット84を有し、これを通ってねじなどのロック部材(locking member)86が、ブーツに設けられたねじ山付の穴またはナットなどの対応のファスナーを係合するように延びる。ロック部材86を緩めると、ブーツは0°からスロットの長さによって制限される最大角Aまで、予め定められた範囲内で自由に曲がること ができる。ブーツの最大曲げ角度を制限する停止部を設けることに加えて、調節部材82およびロック部材86は、ビンディング接合部22に対するブーツ20の角度Aを乗り手が固定できるようにする。ブーツを所望の角度Aに固定するために、乗り手は所望の角度までブーツを曲げ、ねじの頭部が接合部材に対して締められるまでブーツにロック部材(locking member)86を締めて、ブーツをその角度に固定する。達成される特定の角度Aは調節部材82に沿った、または調整部材に隣接したブーツのシェル24上にある、増加的に隔てられた印などのインジケータ(indicator)を提供することによって決定され得る。
【0039】
図2および図9に示される調節システム81の特定の実現例は例示の目的としてのみ提供され、システムには他の多くの実現例が可能であることを理解されたい。たとえば、調節部材82はブーツ20に固定され、かつブーツ20から下向きに延び、ロック部材86がビンディング接合部において対応のファスナーを係合した状態でビンディング接合部22の外縁66に隣接して置かれてもよい。これに代えて、調節システム81はブーツの内側側部58に沿って設けられてもよく、または調節システム81は両方向に向ける曲げを制限または設定するためにブーツの外側側部76および内側側部58の両方に沿って設けられてもよい。
【0040】
調節システム81の別の例示的な実施例が図10に示される。この実施例において、水平方向のアームまたは突起部90がビンディング接合部22の上方でブーツ20の外側側部76に配置される。調節部材92はビンディング接合部22の外縁66から垂直方向に延び、アーム90のアパーチャ94を通る。保持具96が調節部材92に装着され、かつアーム90から隔てられて配置されるため、ブーツ20は0°から保持具96とアーム90との間の距離によって制限される最大角度Aまでの範囲内で曲がり得る。これに代えて、調節システム81がブーツの内側側部または両方の側部に置かれてもよいことを理解されたい。さらに、調節部材92はアームまたはビンディング接合部上の類似した構造と相互作用するようブーツ20上に配置されてもよい。
【0041】
考案の1つの実施例において、保持具96は調節部材92に沿って調節可能に位置付けられるため、乗り手は保持具96とアーム90との間の距離を増減することにより横方向の曲げの範囲を選択的に増減することができる。保持具96はアーム90に対して調節部材92に沿って位置付けられ、ビンディング接合部に対して曲がることができないようブーツを完全にロックし得る。保持具96はねじ山付シャフトの形態であり得る、調節部材92と調節可能に相互作用するナットまたは他の適切なファスナーであってもよい。
【0042】
考案の1つの実施例において、調節システム81はブーツがその範囲の限界まで曲がる際に急に停止することなく滑らかに曲げ運動を行なうようにする緩衝構造を含む。緩衝システム97の1つの例示的な実現例が図10に示され、ここでは圧縮ばねまたは他の弾性部材といった緩衝部材98が、アーム90と保持具96との間で調節部材92の周りに固定される。ブーツ20が曲がると、緩衝部材98はアーム90と保持具96との間で圧縮し、それにより横方向の曲げに対向しかつ曲げ量に比例して増加する、変化し得る力を発生し、この結果、急に停止せずに滑らかに曲がるようになる。ブーツ20の曲げの範囲を選択することに加えて、調節部材92に沿って保持具96を調節することによりさらに、横方向の曲げに最初に対向する力の量を調節することによってすべての横方向の曲げに対する抵抗を増減させることができる。さらに、横方向の曲げの速度はたとえば種々のばね定数を有するばねなどの、様々な緩衝特性を有する緩衝部材98を使用して調節することができる。
【0043】
図11に示される考案の別の実施例において、ブーツ20とビンディング接合部22との間の横方向の屈曲性は、ビンディング接合部22に対して横方向にブーツが摺動できるようにする構成を用いて提供される。ブーツ20およびビンディング接合部22はそれぞれ湾曲した面100,102を有し、これらはブーツが所望の角度Aまでビンディング接合部に対して横方向に摺動するように協働する。ブーツ20およびビンディング接合部22はブーツと接合部22との間の摺動運動を可能にする任意の数の他のやり方で互いに結合され得る。1つの実施例 において、接合部22は、ビンディング接合部22に固定され、かつスロットの長さによって規定される角度Aまで接合部に対してブーツが摺動できるようにするためにブーツのスロット108と協働するファスナー部材104,106(たとえばねじ、ピン、およびリベットなど)によって、ブーツ20に摺動可能に装着される。各ファスナー部材104,106はスロット108の端部と協働し、横方向の屈曲の度合いを制限するよう停止部として作用する。
【0044】
図11に示される実施例において、ブーツ20は凸状の下面100を有し、ビンディング接合部22は凹状の上面102を有する。各面は、所望の横方向の屈曲性を提供するためにブーツと接合部とが円滑に移動できるようにする半径Rを有する。1つの実施例において、面は平滑であり、円筒形状であり、ビンディング接合部22の全長にわたって延び、面はおよそ15cmである半径Rを有し、スロット108がブーツ20に設けられ、かつ半径に沿っておよそ1cmの横方向の長さを有する。
【0045】
凹状のブーツ面および凸状のビンディング接合面などといった他の構成も可能であることを理解されたい。これに代えて、ファスナー部材はブーツ20に固定されてビンディング接合部22のスロットと協働してもよい、また、ブーツが所望の角度までビンディング接合部に対して摺動できる限り、種々の長さの半径およびスロットが用いられてもよい。図示される実施例では、ブーツはビンディング接合部に対して内向きおよび外向きに曲がり得る。しかしながら、ブーツが特定の方向に(たとえば外向きに)側部に対して曲がらないようにするために、固定部材および/またはスロットを配置してもよいことを理解されたい。
【0046】
考案の1つの実施例において、本考案の摺動構成には緩衝構造が設けられ、これは、ブーツがその範囲の限界まで曲がる際に急に停止することなく円滑に摺動運動するようにする。図12に示される例示的な実施例において、ビンディング接合部22は、ブーツ20の下面114上に配置される、壁部またはリブなどのアームまたは突起部112を受けるように適合されたキャビティ110を有する 。緩衝部材116,118はアーム112の両側とキャビティの側面との間でキャビティ110内に配置される。ブーツ20がビンディング接合部22に対して摺動すると、緩衝部材116,118のうち一方がアーム112によって圧縮し、摺動の速度を低減するよう曲げ量に比例して増加する、アーム上にかかる変化し得る対抗力を引起こす。緩衝部材は、たとえば緩衝部材がアームによって完全に圧縮されるときに、ブーツの横方向の曲げを制限し得る。アーム112がビンディング接合部22上に配置され、緩衝部材116,118がブーツ20に配置されてもよいことを理解されたい。
【0047】
緩衝部材116,118はゴムおよび圧縮ばねなどの弾性部材で形成され得る。1つの実施例において、緩衝部材116,118はゴムであり、1cmの厚さと、2cmの幅と、ビンディング接合部の長さに沿って延びる長さとを有する。
しかしながら、緩衝部材のサイズおよびばね特性は横方向の曲げの量および方向を調整するよう変化してもよい。また、アーム112は、摺動および横方向の曲げの量をブーツの特定の側部まで低減するようキャビティ110に対して均衡を欠いた配置でブーツに位置付けられてもよい。たとえば、アーム112は外方向の横向きの曲げを低減し、ブーツの内方向の横向きの曲げを増加させるよう、キャビティの内側側部に近接し、外側側部からは離れた位置に配置され得る。これと似た態様で調整するために、キャビティは、キャビティの一方の側面がキャビティの反対側の側面よりもアームに近い位置に配置されるように構成されるか、またはアームの一方の側の緩衝部材が、アームの反対側の緩衝部材のものとは異なったサイズおよび/またはばね特性を有してもよい。さらに、アームおよび/またはキャビティは、特定の方向(たとえば外向き)において側部までブーツが曲がらないようにするために配置されてもよい。
【0048】
スノーボード用ブーツにおいて横方向の回転を実現するための別の例示的な実施例が図13に示される。この実施例では、ビンディング接合部22はファスナー124,126(たとえばリベット、ピンおよびねじなど)を用いてブーツ20に摺動可能に装着され、これらのファスナーはビンディング接合部22の両側 に配置された垂直接続部材128,130を通って延びる。接続部材128,130の各々は垂直スロット132,134を備え、このためブーツ20はビンディング接合部22に対して側部まで移動し、かつ曲がるか、または回転し得る。
ファスナー124,126の各々は、ビンディング接合部とブーツとの間の移動量を制限するための停止部として作用するよう、スロット132,134の端部と協働する。ブーツの下面135はブーツ20がビンディング接合部22に対して回転する能力を高めるために湾曲(たとえば凸状)している。ブーツ20およびビンディング接合部22がそれらの間の移動を可能にするよう多くの他のやり方のうちいかなるもので互いに結合されてもよいことを理解すべきである。たとえば、ブーツは、接続部材に装着されるビンディング接合部を有する接続部材を含んでもよい。
【0049】
ブーツの横方向の曲げまたは回転を抑制するための代替的な実施例において、ブーツ20の横方向の屈曲性は、ブーツ20とビンディング接合部22との間に配置された緩衝部材を用いて調整され得る。図13に示されるように、緩衝部材は流体内袋(fluid bladder)120を用いて実現されてもよく、これはビンディング接合部22とブーツ20との間に配置された緩衝用流体122を含む。例示的な実施例において、内袋120は1対のチャンバ136,138を含み、これらはブーツの中央面74の両側に位置付けられ、かつ弁140を介して連通する。ブーツ20がビンディング接合部22に対して移動すると、一方のチャンバが圧搾され、これによりその中の流体122(たとえば液体または気体)が弁140の中に押し入れられ、かつ他方のチャンバの中に入れられる。ビンディング接合部22に対するブーツ20の横方向の屈曲または回転の抑制量は、チャンバ間の流体の移動の速度および量と相関関係にある。この結果、抑制の量は、チャンバ136,138間に流体22が流れる速度を調節することにより、調整することができる。チャンバ間の弁の開口部のサイズを調節するために調節ねじ142を使用してもよい。
【0050】
本考案のビンディング接合部はさまざまなステップインまたはサイドグリップ ビンディング構成と接合するように構成されてもよく、上記の特定のビンディング構成に限定されないことを理解されたい。たとえば、ビンディング接合部22は外向きに延びるベイルまたはプレート部材、縦向きのロッド、またはブーツをビンディングに固定し得る他の接合構造を含んでもよい。スノーボード用ブーツシステムは、本考案の吊下げシステム(suspension system)は、種々のスノーボード用ビンディング構成に使用できるようにするさまざまな接合構造を含む交換可能な1組のビンディング接合部を備えてもよい。
【0051】
本考案のいくつかの実施例を詳細に説明したが、当業者にはさまざまな変形および改良が容易に想起されるであろう。このような変形および改良は考案の精神および範囲内に入るよう意図される。したがって、上記の記述は例としてのものにすぎず、限定を意図するものではない、考案は前掲の特許請求の範囲およびその均等物によって規定されるものとしてのみ限定される。
[図面の簡単な説明]
【図1a】 スノーボードの縦軸に対してほぼ垂直に位置付けられた1対のスノーボード用ブーツを示す上面図である。
【図1b】 ボードの縦軸に対して小さな角度をなして位置付けられた図1に示される1対のブーツの上面図である。
【図2】 本考案の1つの例示的な実施例に従うスノーボード用ブーツシステムを側方から見た立面図である。
【図3】 スノーボード用ビンディングに固定された図2のスノーボード用ブーツシステムを示す、図2の断面線3−3に沿った概略断面図である。
【図4】 ビンディング接合部に対して一方の側部に曲げられた、図3のスノーボード用ブーツを示す概略図である。
【図5】 ブーツをビンディング接合部に結合するための柔軟性装着機構の1つの実施例を示す、断面線3−3に沿った概略断面図である。
【図6】 ブーツをビンディング接合部に結合するための柔軟性装着機構の代替的な実施例を示す、断面線3−3に沿った概略断面図である。
【図7】 スノーボード用ブーツの横方向の屈曲の量を調節するための1つ の実施例を示す、図3の線7−7に沿った、底部の部分概略図である。
【図8】 スノーボード用ブーツの横方向の屈曲性を高めるための弾性部材を含む考案の代替的な実施例を示す、断面線3−3に沿った概略断面図である。
【図9】 選択された曲げ角度でビンディング接合部に対してスノーボード用ブーツを固定するための、実施例の図2に示される断面線9−9に沿った概略的な部分切取り断面図である。
【図10】 スノーボード用ブーツの横方向の屈曲を抑制するための機構を含む本考案の代替的な実施例を示す、図9に類似する概略断面図である。
【図11】 スノーボード用ブーツにおいて横方向の屈曲性を提供するための別の実施例を示す、断面線3−3に沿った概略断面図である。
【図12】 スノーボード用ブーツの横方向の屈曲性を調整するためのさらなる代替的な実施例を示す、断面線3−3に沿った概略断面図である。
【図13】 スノーボード用ブーツの横方向の屈曲性を調整するためのさらなる実施例を示す、図9に類似する概略断面図である。

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 横方向に隔てられた少なくとも1対の装着点を含むスノーボード用ブーツと、ビンディング接合部とを備え、前記ビンディング接合部は、ある角度まで前記横方向に前記ビンディング接合部に対して前記スノーボード用ブーツが曲がるように前記スノーボード用ブーツに移動可能に取付けられ、前記ビンディング接合部は、スノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含み、さらに前記少なくとも1対の装着点において前記ビンディング接合部を前記ブーツに取付ける少なくとも1対のストラップレスファスナーを備える、装置。
【請求項2】 前記少なくとも1つの接合構造が、前記ブーツの第1の側部に隣接して配置された第1の接合構造と、前記ブーツの第2の側部に隣接して配置された第2の接合構造とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】 前記第1および第2の接合構造のうち少なくとも1つが、前記スノーボード用ビンディングの一部分をその中に受けるように適合された少なくとも1つの凹部を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】 前記1対の装着点が、第1の装着点と第2の装着点とを含み、前記スノーボード用ブーツは、前記ブーツの第1の部分に沿って横方向に曲がるように構成および配置され、前記第1の部分は前記ブーツの第1の側部と前記第1の装着点との間に延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】 前記第1の部分が、前記ブーツが前記横方向に曲げられたときに前記ビンディング接合部から離れるよう持ち上がるように適合される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】 前記ブーツが、前記横方向における曲げを可能にしつつ踵が持ち上がらないようにするために選択的に剛性が付与されたソール部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】 前記少なくとも1対の装着点が第1の装着点と第2の装着点とを含み、前記第1の装着点は前記ブーツの第1の側部から第1の距離だけ隔てられ、前記第2の装着点は前記ブーツの第2の側部から第2の距離だけ隔てられ、前記第1の距離は前記第2の距離よりも大きいため、前記ブーツは前記第1の側部よりも前記第2の側部に向けて、より大きな量だけ前記側部方向に曲げられる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】 前記第2の装着点が実質的に前記第2の側部に配置され、前記第1の側部に向けて前記横方向に前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の横方向の屈曲を制限する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】 前記少なくとも1対の装着点が第1の装着点と第2の装着点とを含み、前記第1の装着点は前記ブーツの第1の側部から第1の距離だけ隔てられ、前記第2の装着点は前記ブーツの第2の側部から第2の距離だけ隔てられ、前記第1および第2の距離のうち少なくとも一方は、前記ブーツの前記横方向の屈曲を調節するよう選択可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】 前記ブーツと前記ビンディング接合部との間に配置された弾性部材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】 前記少なくとも1つの弾性部材が、前記ブーツの第1の側部および前記ブーツの第2の側部のうち少なくとも一方まで延びる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】 前記ビンディング接合部を前記ブーツに移動可能に取付けるために前記ストラップレスファスナーのうちの少なくとも1つと協動する少なくとも1つの柔軟性装着部材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】 前記少なくとも1つの柔軟性装着部材が、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの一方に配置された柔軟性取付ボスを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】 前記少なくとも1つの柔軟性装着部材が、前記ストラップレスファスナーの対のうち少なくとも1つと前記ビンディング接合部との間に配置された圧縮可能な部材を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項15】 前記ブーツの前記横方向の屈曲を制限するように構成および配置された、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの一方に結合された停止部をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】 前記ブーツを前記ビンディング接合部に対してある曲げ角度で選択的に固定するように構成および配置された、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの一方に結合されたロック部をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】 前記ビンディング接合部が前記ブーツに摺動可能に取付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項18】 前記ブーツと前記ビンディング接合部との間に配置された、流体で満たされた内袋をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】 前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するように構成および配置された、前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部に結合された緩衝部材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を制限するための手段をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項21】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するための手段をさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を制御するための手段をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項23】 下面を含むスノーボード用ブーツと、ストラップレスビンディング接合部とを備え、前記ストラップレスビンディング接合部は、前記スノーボード用ブーツに移動可能に取付けられ、それにより、前記スノーボード用ブーツは横方向の屈曲性を提供するように前記ビンディング接合部に対して横方向に曲がり、前記ビンディング接合部は前記ブーツの第1の側に隣接して配置された第1の接合構造と、前記ブーツの第2の側部に隣接して配置された第2の接合構造とを含み、前記第1および第2の接合構造はスノーボード用ビンディングと係合するように適合され、前記第1および第2の接合構造のうち少なくとも一方の少なくとも一部分は、前記ブーツの下面の下方まで突出しない、装置。
【請求項24】 前記第1および第2の接合構造のうち少なくとも一方が、前記スノーボード用ビンディングの一部分をその中に受けるように適合された少なくとも1つの凹部を有する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】 前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうち一方に結合された少なくとも1つの弾性部材をさらに含む、請求項23に記載の装置。
【請求項26】 前記弾性部材が、前記ブーツと前記ビンディング接合部との間に配置される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】 前記弾性部材が、前記ブーツの前記第1の側部および前記ブーツの前記第2の側部のうち少なくとも一方まで延びる、請求項26に記載の装置。
【請求項28】 前記ブーツの前記横方向の屈曲を制限するように構成および配置された、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの一方に結合された停止部をさらに含む、請求項23に記載の装置。
【請求項29】 前記ブーツをある曲げ角度で前記ビンディング接合部に対して選択的にロックするように構成および配置された、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの一方に結合されたロック部をさらに含む、請求項23に記載の装置。
【請求項30】 前記ビンディング接合部が、前記ブーツに摺動可能に取付けられる、請求項23に記載の装置。
【請求項31】 前記ブーツと前記ビンディング接合部との間に配置された流体で満たされた内袋をさらに含む、請求項23に記載の装置。
【請求項32】 前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するように構成および配置された、前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部に結合された緩衝部材をさらに含む、請求項23に記載の装置。
【請求項33】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を制限するための手段をさらに含む、請求項23に記載の装置。
【請求項34】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するための手段をさらに含む、請求項33に記載の装置。
【請求項35】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するための手段をさらに含む、請求項23に記載の装置。
【請求項36】 第1の側部と第2の側部とを含むスノーボード用ブーツと、ストラップレスビンディング接合部とを備え、前記ストラップレスビンディング接合部は前記スノーボード用ブーツに移動可能に取付けられ、これにより前記スノーボード用ブーツは横方向の屈曲性を提供するように前記ビンディング接合部に対して横方向に曲がり得、前記ビンディング接合部はスノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含み、前記少なくとも1つの接合構造は前記ブーツの前記第1および第2の側部を超えてまで突出しな、装置。
【請求項37】 前記少なくとも1つの接合構造が、前記ブーツの第1の側部に隣接して配置された第1の接合構造と、前記ブーツの第2の側部に隣接して配置された第2の接合構造とを含む、請求項36に記載の装置。
【請求項38】 前記第1および第2の接合構造のうち少なくとも一方が、前記スノーボード用ビンディングの一部分をその中に受けるように適合された少なくとも1つの凹部を有する、請求項37に記載の装置。
【請求項39】 前記少なくとも1つの凹部がテーパ状である、請求項38に記載の装置。
【請求項40】 前記第1および第2の接合構造のうち少なくとも一方が、間に非凹状部分を有する1対の凹部を含む、請求項37に記載の装置。
【請求項41】 前記ブーツの前記横方向の屈曲を制限するように構成および配置された、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの一方に結合された停止部をさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項42】 前記ブーツをある曲げ角度で前記ビンディング接合部に対して選択的にロックするように構成および配置された、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの一方に結合されたロック部をさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項43】 前記ビンディング接合部が、前記ブーツに摺動可能に取付けられる、請求項36に記載の装置。
【請求項44】 前記ブーツと前記ビンディング接合部との間に配置された流体で満たされた内袋をさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項45】 前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するように構成および配置された、前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部に結合された緩衝部材をさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項46】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を制限するための手段をさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項47】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するための手段をさらに含む、請求項46に記載の装置。
【請求項48】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するための手段をさらに含む、請求項36に記載の装置。
【請求項49】 スノーボード用ブーツと、ビンディング接合部とを備え、前記ビンディング接合部は前記スノーボード用ブーツに移動可能に取付けられ、これにより前記スノーボード用ブーツは前記ビンディング接合部に対して横方向に曲がり得、横方向の屈曲性を提供し、前記ビンディング接合部は、前記スノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含み、さらに調節部材を備え、前記調節部材は、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうち一方に支持され、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を調節可能に制限するように構成および配置される、装置。
【請求項50】 前記調節部材が、選択可能な装着点において前記ビンディング接合部を前記ブーツに取付ける少なくとも1つのファスナーを含む、請求項49に記載の装置。
【請求項51】 前記横方向の屈曲を制限するために前記調節部材を係合するように適合されたロック部材をさらに含む、請求項49に記載の装置。
【請求項52】 前記ロック部材が、ある曲げ角度で前記ブーツをロックする第1の位置と、前記ある曲げ角度で前記ブーツがロックされないように前記ブーツを取外す第2の位置との間で移動可能である、請求項51に記載の装置。
【請求項53】 前記調節部材が、中に前記ロック部材の一部分を受けるように適合されたスロットを有する、請求項51に記載の装置。
【請求項54】 前記調節部材がねじ山付シャフトを含み、前記ロック部材は前記シャフトをねじ係合する、請求項51に記載の装置。
【請求項55】 前記ブーツが内側側部および外側側部を含み、前記調節システムは、前記内側側部および前記外側側部のうち少なくとも一方に隣接して配置される、請求項49に記載の装置。
【請求項56】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するための手段をさらに含む、請求項49に記載の装置。
【請求項57】 スノーボード用ブーツと、ビンディング接合部とを備え、前記ビンディング接合部は前記スノーボードに移動可能に取付けられ、これにより前記スノーボード用ブーツは前記ビンディング接合部に対して横方向に曲がり得、横方向の屈曲性を提供し、前記ビンディング接合部は、前記スノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含み、さらに緩衝部材を備え、前記緩衝部材は、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうち少なくとも一方に結合され、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するように構成および配置される、装置。
【請求項58】 前記緩衝部材が、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の横方向の曲げの度合いに比例して変化し得る力を発生するように構成および配置される、請求項57に記載の装置。
【請求項59】 前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうち一方によって支持され、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するように前記緩衝部材と協動するよう構成および配置されたアームをさらに含む、請求項58に記載の装置。
【請求項60】 前記緩衝部材がばねを含む、請求項58に記載の装置。
【請求項61】 前記緩衝部材が、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の抑制の度合いを変化させるよう調節可能である、請求項57に記載の装置。
【請求項62】 前記緩衝部材が前記ブーツと前記ビンディング接合部との間に配置される、請求項57に記載の装置。
【請求項63】 前記緩衝部材が、前記ブーツの第1の側部および前記ブーツの第2の側部のうち少なくとも一方まで延びる、請求項62に記載の装置。
【請求項64】 前記緩衝部材が、前記ブーツと前記ビンディング接合部との間に配置された流体で満たされた内袋を含む、請求項57に記載の装置。
【請求項65】 前記内袋が第1のチャンバと第2のチャンバとを含み、前記第1のチャンバは前記第2のチャンバと連通し、これにより前記ブーツが前記横方向に曲げられたときに前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間で流体が交換され得る、請求項64に記載の装置。
【請求項66】 前記内袋が、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間の流体の交換速度を変化させる弁をさらに含む、請求項65に記載の装置。
【請求項67】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間に許可される横方向の最高の屈曲性を調節するための手段をさらに含む、請求項57に記載の装置。
【請求項68】 前記スノーボード用ブーツと前記ビンディング接合部との間の前記横方向の屈曲を制限するための手段をさらに含む、請求項57に記載の装置。
【請求項69】 前記スノーボード用ブーツを前記ビンディング接合部に対して、ある選択された曲げ角度で固定するための手段をさらに含む、請求項57に記載の装置。
【請求項70】 横方向において前記ブーツに対して延びる湾曲した下面を含むスノーボード用ブーツと、ビンディング接合部とを備え、前記ビンディング接合部は前記湾曲した下面の下方において前記スノーボード用ブーツに移動可能に取付けられ、これにより前記スノーボード用ブーツは前記ビンディング接合部に対して横方向に曲がり得、横方向の屈曲性を提供し、前記ビンディング接合部は、前記スノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含む、装置。
【請求項71】 前記ビンディング接合部が、前記ブーツに摺動可能に取付けられる、請求項70に記載の装置。
【請求項72】 前記ビンディング接合部が湾曲した上面を有し、前記下面および前記上面は、前記横方向に互いに対して摺動するように構成および配置される、請求項71に記載の装置。
【請求項73】 前記下面および前記上面がほぼ同じ半径を有する、請求項72に記載の装置。
【請求項74】 前記下面が凸状であり、前記上面は凹状である、請求項73に記載の装置。
【請求項75】 前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの一方が停止部を含み、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの他方が中にスロットを有し、前記スロットは、前記ブーツの横方向の屈曲を制限するために前記停止部を受けるように適合される、請求項71に記載の装置。
【請求項76】 前記ブーツと前記ビンディング接合部との間の前記横方向の屈曲を抑制するよう前記ブーツと前記ビンディング接合部との間に配置された緩衝部材をさらに含む、請求項70に記載の装置。
【請求項77】 前記緩衝部材が、前記ブーツと前記ビンディング接合部との間の横方向の曲げの度合いに比例した変化し得る力を発生するように構成および配置される、請求項76に記載の装置。
【請求項78】 前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するように前記緩衝部材を移動させるよう構成および配置された、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの一方によって支持されるアームをさらに含む、請求項76に記載の装置。
【請求項79】 前記ビンディング接合部が前記ブーツに摺動可能に取付けられる、請求項78に記載の装置。
【請求項80】 前記緩衝部材が、流体で満たされた内袋を含む、請求項76に記載の装置。
【請求項81】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の横方向の屈曲を制限するための手段をさらに含む、請求項70に記載の装置。
【請求項82】 前記スノーボード用ブーツおよび前記接合部間の横方向の屈曲を抑制するための手段をさらに含む、請求項81に記載の装置。
【請求項83】 前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するための手段をさらに含む、請求項70に記載の装置。
【請求項84】 ソール部および少なくとも1つの装着点を含むスノーボード用ブーツと、ビンディング接合部とを備え、前記ビンディング接合部は前記少なくとも1つの装着点において前記スノーボード用ブーツに取付けられ、前記ビンディング接合部は、スノーボード用ビンディングと係合するように適合された少なくとも1つの接合構造を含み、前記少なくとも1つの装着点と前記ブーツの第1の側部との間に配置された前記スノーボード用ブーツのソール部の一部分は柔軟性を有し、このため前記スノーボード用ブーツは前記ビンディング接合部に対して横方向に曲がり得る、装置。
【請求項85】 前記ブーツの前記ソール部の部分が、前記ブーツが横方向に曲げられると前記ビンディング接合部から持ち上げられるように適合される、請求項84に記載の装置。
【請求項86】 前記ソール部には、前記横方向の曲げを可能にしつつ踵が持ち上がらないようにするために選択的に剛性が付与される、請求項84に記載の装置。
【請求項87】 前記ブーツと前記ビンディング接合部との間に配置された少なくとも1つの弾性部材をさらに含む、請求項84に記載の装置。
【請求項88】 前記弾性部材が、前記ブーツの第2の側部に隣接して配置される、請求項87に記載の装置。
【請求項89】 前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の横方向の曲げ量を制限するよう構成および配置される、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうち一方に結合された停止部をさらに含む、請求項84に記載の装置。
【請求項90】 前記ブーツを前記ビンディング接合部に対してある曲げ角度で選択的にロックするように構成および配置された、前記ブーツおよび前記ビンディング接合部のうちの一方に結合されたロック部をさらに含む、請求項84に記載の装置。
【請求項91】 前記ブーツおよび前記ビンディング接合部間の前記横方向の屈曲を抑制するように構成および配置された、前記スノーボード用ブーツおよび前記ビンディング接合部に結合された緩衝部材をさらに含む、請求項84に記載の装置。
【請求項92】 前記スノーボード用ブーツと前記ビンディング接合部との間の前記横方向の曲げ量を制限するための手段をさらに含む、請求項84に記載の装置。
【請求項93】 前記スノーボード用ブーツと前記ビンディング接合部との間の横方向の曲げを抑制するための手段をさらに含む、請求項84に記載の装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【登録番号】実用新案登録第3075725号(U3075725)
【登録日】平成12年12月13日(2000.12.13)
【発行日】平成13年3月6日(2001.3.6)
【考案の名称】ビンディング接合部を有するスノーボード用ブーツ
【国際特許分類】
【評価書の請求】有
【出願番号】実願2000−600026(U2000−600026)
【出願日】平成10年10月5日(1998.10.5)
【国際出願番号】PCT/US98/20821
【国際公開番号】WO99/25435
【国際公開日】平成11年5月27日(1999.5.27)
【出願人】(596008426)ザ・バートン・コーポレイション (8)
【氏名又は名称原語表記】THE BURTON CORPORATION