説明

ビークル安全システム用の交差点推定方法

ビークル安全システム用の交差点位置を推定する方法が開示される。本方法は、モータービークルの運行パラメーターに基づいて停止距離を計算するステップを含む。本方法はまた、停止距離およびビークルの位置を用いて交差点に関する位置を判定するステップを含む。本方法はさらに、遠隔ビークルと交差点との間の距離を判定するステップを含む。ビークル安全システムは、モータービークルと交差点との間の距離に基づいて、そして遠隔モータービークルと交差点との間の距離に基づいて制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、モータービークルに、そして特にビークル安全システム用の交差点の位置を推定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビークル安全システムがドライバーに対して情報を提供するために利用可能である。ビークル安全システムはまた、衝突の間(あるいはその前に)、モータービークルのシステムあるいはコンポーネントを積極的に制御するために利用できる。ビークル安全システムの例は、ドライバーに対して、潜在的な危険すなわち衝突に関する情報を提供する衝突警告システムである。目下のシステムは、ビークル安全システムを制御するために交差点位置を特定するためにナビゲーション情報を利用する。交差点に接近する際のドライバーに対する潜在的な脅威は、このビークル安全システムによって判定される。
【0003】
関連する従来技術は、潜在的な衝突が生じ得る交差点の位置を特定するためのマッピング情報に依存する。この関連する従来技術の欠点を解消する方法が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、交差点を特定する方法を開示する。本発明はモータービークルと関連付けて使用できる。本明細書および特許請求の範囲を通じて使用する「モータービークル」との用語は、一人以上の人員を輸送できかつ何らかの形態のエネルギーによって動力を供給される移動ビークルを意味する。「モータービークル」との用語は、これに限定されるわけではないが、自動車、トラック、バン、ミニバン、SUV、モーターサイクル、スクーター、ボート、個人船舶および航空機を含む。
【0005】
ある例では、モータービークルは一つ以上のエンジンを含む。本明細書および特許請求の範囲を通じて使用する「エンジン」との用語は、エネルギーを変換できるデバイスあるいは装置を意味する。ある例では、ポテンシャルエネルギーが運動エネルギーに変換される。たとえば、エネルギー変換は、燃料あるいは燃料電池の化学的ポテンシャルエネルギーが回転運動エネルギーへと変換されるか、あるいは電気的ポテンシャルエネルギーが回転運動エネルギーへと変換される状況を含む。エンジンはまた、運動エネルギーをポテンシャルエネルギーへと変換するための装備を含み得る。たとえば、ある種のエンジンは、ドライブトレーンからの運動エネルギーがポテンシャルエネルギーへと変換される回生制動システムを含む。エンジンはまた、ソーラーあるいは核エネルギーを別な形態のエネルギーへと変換するデバイスを含み得る。エンジンのある例は、これに限定されるわけではないが、内燃エンジン、電気モーター、ソーラーエネルギーコンバーター、タービン、原子力プラント、そして二つ以上の異なる種類のエネルギー変換プロセスを併せ持つハイブリッドシステムを含む。
【0006】
ある態様では、本発明はモータービークルを運行する方法を提供するが、これは、ビークル速度、ビークル位置および制動情報を受け取るステップと、ドライバーが転回しようと(進路を変えようと)意図しているかどうかを判定するステップと、ドライバーが制動しているかどうかを判定するステップと、ドライバーが転回しようと意図している場合であって、かつ、ドライバーが制動している場合、ビークル速度および制動情報に基づいて停止距離を計算するステップと、ビークル位置および停止距離に基づいて交差点に関する位置を判定するステップと、交差点に関する位置に基づいてビークル安全システムを制御するステップとを備える。
【0007】
ある態様では、本発明はモータービークルを運行する方法を提供するが、これは、ビークル速度、ビークル位置および制動情報を受け取るステップと、ビークル速度および制動情報を用いて、モータービークルと交差点との間の第1の距離を推定するステップと、モータービークルと遠隔ビークルとの間の第2の距離を判定するステップと、第1の距離および第2の距離を用いて、遠隔ビークルと交差点との間の第3の距離を推定するステップと、第1の距離および第3の距離に基づいてモータービークルのビークル安全システムを制御するステップとを備える。
【0008】
ある態様では、本発明はモータービークルを運行する方法を提供するが、これは、ビークル速度、ビークル位置および制動情報を受け取るステップと、ドライバーが転回しようと意図しているかどうかを判定するステップと、ドライバーが制動しているかどうかを判定するステップと、ドライバー交差点プロファイルを修正するステップであって、このドライバー交差点プロファイルはドライバーと関連付けられた履歴交差点運転データを含むものであるステップと、ドライバーが転回することを意図している場合であって、かつ、ドライバーが制動している場合、停止距離を計算するために、ドライバー交差点プロファイル、ビークル速度および制動情報を使用するステップと、ビークル位置および停止距離に基づいて交差点に関する位置を判定するステップと、交差点に関する位置に基づいてビークル安全システムを制御するステップとを備える。
【0009】
本発明のその他のシステム、方法、特徴および利点は、図面ならびに以下の説明から当業者には明らかである。全てのそうした付加的システム、方法、特徴および利点は、以下の説明およびこの要約に包含され、本発明の範囲内にあり、そして特許請求の範囲の記載によって保護される。
【0010】
図面および以下の説明を参照することで本発明は、より良く理解できる。図中のコンポーネントは、必ずしも、一定の率で縮尺されてはおらず、本発明の原理を説明する際には強調が施されている。さらに、図中で、同じ参照数字は、各図を通じて対応する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ビークル安全システムを含むモータービークルのある実施形態の概略図である。
【図2】ビークル安全システムを含むモータービークルの内部のある実施形態の概略図である。
【図3】道路上を移動するモータービークルのある実施形態の概略図である。
【図4】道路上を移動するモータービークルのある実施形態の概略図である。
【図5】ビークル安全システムを運用するプロセスのある実施形態を示す図である。
【図6】ビークル安全システムを運用するプロセスのある実施形態を示す図である。
【図7】ビークル安全システムを運用するプロセスのある実施形態を示す図である。
【図8】交差点に対する遠隔ビークルの距離を判定する方法のある実施形態の概略図である。
【図9】ビークル安全システムのための脅威レベルを計算するためのプロセスのある実施形態を示す図である。
【図10】ビークル安全システムを運用するためのプロセスのある実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、モータービークル(自動車)102内で使用されるよう構成されたビークル安全システム100の一実施形態の概略図である。本明細書および特許請求の範囲を通じて使用する「ビークル安全システム」との用語は、安全運転を促進するよう構成されたモータービークルの何らかのシステムを意味する。「ビークル安全システム」との用語は、アクティブビークル安全システムおよびパッシブビークル安全システムの両方を包含する。例として、衝突警告システムは、周囲のビークルあるいはその他の物体との潜在的な衝突を検出しかつそれをドライバーに通知するのを助けるために使用できる。分かりやすくするために、ビークル安全システム100と関連があってもよいモータービークルのあるコンポーネントのみを図示する。さらに、別な実施形態では、付加的コンポーネントが追加されても、あるいは除去されてもよい。
【0013】
ビークル安全システム100は、ナビゲーション情報を受け取るための装備を含み得る。「ナビゲーション情報」との用語は、位置を特定するか、あるいは位置に方向を付与するのを助けるために使用できる情報を意味する。ナビゲーション情報のある例は、街路アドレス、街路名、街路あるいはアドレス番号、アパートメントあるいは部屋番号、交差点情報、名所、公園、町、郡、地域、県、都市、州、地区、ZIPあるいは郵便コード、および国を含む政治的あるいは地理的区画を含む。ナビゲーション情報はまた、ビジネスおよびレストラン名、商業地区、ショッピングセンターおよびパーキング施設を含む商業情報を含み得る。ナビゲーション情報はまた、グローバルポジショニングシステムあるいはSatellite(GPS)、Glonass(ロシア)および/またはGalileo(ヨーロッパ)を含むグローバルナビゲーションサテライトシステム(GNSS)から得られた情報を含む、地理的情報を含み得る。「GPS」との用語はグローバルナビゲーションサテライトシステムを表すのに用いる。ナビゲーション情報は、一つの情報事項だけでなく、複数の情報事項の組み合わせを含み得る。
【0014】
ビークル安全システム100は、GPS情報を受け取るための装備を含み得る。ある例では、ビークル安全システム100は、GPSレシーバー110を含み得る。代表的実施形態では、GPSレシーバー110は、これに限定されるわけではないが、GPSベースナビゲーションシステムを含む、モータービークルの何らかのシステムのためのGPS情報を収集するために使用できる。
【0015】
ある実施形態では、ビークル安全システム100はナビゲーションシステムと関連付けられてもよい。ある実施形態では、ビークル安全システム100はナビゲーションシステム129と関連付けられてもよい。概して、ナビゲーションシステム129は、ビークルのための位置を指し示すためにかつ/またはドライバーのためのルートをプロットするためにGPSベース情報を利用できる、従来公知のいかなるタイプのナビゲーションシステムであってもよい。ある例では、ナビゲーションシステムは、上記GPSタイプ情報を提供するマッピング情報と関連付けられてもよい。ある代表的実施形態では、ナビゲーションシステムは、道路情報ならびに二つ以上の道路の交差点に関する交差点情報を含み得る。
【0016】
ビークル安全システム100は、一つ以上のデバイスに電力を供給するための装備を含み得る。ある例では、ビークル安全システム100は電力源112を含み得る。概して、電力源112は、モータービークルと関連付けられた、いかなるタイプの電力源であってもよい。ある例では、電力源112はカーバッテリーであってもよい。別な例では、電力源112は、モータービークル102内で利用可能な別なタイプの電力源であってもよい。電力源112は、この実施形態ではモータービークル102の何らかのコンポーネントに接続されて示されているが、別な実施形態では、付加的コンポーネントが電力源112に対して接続されてもよいことは明らかである。さらに他の例では、電力源112に対して接続されて示される何らかのコンポーネントは、電力源112に接続されなくてもよい。
【0017】
ビークル安全システム100は、ドライバーと通信するための装備を含み得る。ある実施形態では、ビークル安全システム100はドライバービークルインターフェース114を含み得る。ある例では、ドライバービークルインターフェース114は、ドライバーおよび/または乗客に対して情報を伝達するための装備を含み得る。別な例では、ドライバービークルインターフェース114は、ドライバーおよび/または乗客からの情報を受け取るための装備を含み得る。代表的実施形態では、ドライバービークルインターフェース114は、ドライバーおよび/または乗客に情報を伝達しかつドライバーおよび/または乗客からの情報を受け取るための装備を含み得る。さらに、ある実施形態では、ドライバービークルインターフェースは、モータービークルのナビゲーションシステムと直接関係付けられてもよいことは明らかである。言い換えれば、ある実施形態では、ドライバービークルインターフェースは、ナビゲーションシステムと組み合わされても、あるいはそれに一体化されてもよい。この構成によって、ドライバーとビークル安全システムとの間でやり取りされる情報は、ナビゲーションシステムのインターフェースを用いて実現できる。
【0018】
ビークル安全システム100は、別なビークルあるいは物体の距離および/または速度といった決定プロパティを決定するための装備を含み得る。ある実施形態では、ビークル安全システム100は、遠隔検出デバイスを含み得る。遠隔検出デバイスの例は、これに限定されるわけではないが、RADAR技術を採用するデバイス、LIDAR技術を採用するデバイス、従来公知の別なタイプの遠隔検出デバイスを含む。代表的実施形態では、ビークル安全システム100は、モータービークル102内に配置された遠隔検出デバイス150と関連付けることができる。
【0019】
モータービークル102は、ビークル安全システム100と関連付けられたさまざまなコンポーネントと通信し、そしてある場合には、それを制御するための装備を含み得る。ある実施形態では、ビークル安全システム100は、コンピューターあるいは類似のデバイスと関連付けられてもよい。目下の実施形態では、ビークル安全システムは、ECU120と呼ばれる電子制御ユニット120を含み得る。ある実施形態では、ECU120は、ビークル安全システム100のさまざまなコンポーネントと通信し、かつ/またはそれを制御するよう構成されてもよい。さらに、ある実施形態では、ECU120は、図示していないモータービークルの付加的コンポーネントを制御するよう構成されてもよい。
【0020】
ECU120は、情報および電力の入力および出力を容易にする多数のポートを含み得る。本明細書および特許請求の範囲を通じて使用する「ポート」との用語は、二つの導体間の何らかのインターフェースあるいは共用境界を意味する。ある例では、ポートは、導体の挿入および取り外しを促進できる。こうしたタイプのポートの例は機械的コネクターを含む。別な例では、ポートは、概して容易な挿入あるいは取り外しを実現しないインターフェースである。こうしたタイプのポートの例は、回路基板上のハンダ付けあるいは電子トレースを含む。
【0021】
以下のポートおよびECU120と関連付けられた装備の全ては任意のものである。ある実施形態は、所与のポートあるいは装備を含んでいてもよく、一方、別なものでは、それを排除してもよい。以下の説明では、使用できる、可能性のあるポートおよび装備の多くを開示するが、全てのポートあるいは装備を所与の実施形態において使用したりあるいは組み込んだりする必要はないことに留意されたい。
【0022】
ある実施形態においては、ECU120はGPSレシーバー110と通信するためのポート121を含み得る。特に、ECU120は、GPSレシーバー110からのGPS情報を受け取るように構成されてもよい。さらに、ECU120は電力源112からの電力を受け取るためのポート122を含み得る。さらに、ECU120は、ドライバービークルインターフェース114と通信するためのポート123を含み得る。特に、ECU120は、ドライバービークルインターフェース114へと情報を伝達するだけでなく、ドライバービークルインターフェース114からの情報を受け取るよう構成されてもよい。さらに、遠隔検出デバイスを採用する実施形態において、ECU120はまた、遠隔検出デバイス150との通信のためのポート128を含み得る。ビークル安全システム100用のドライバービークルインターフェースとナビゲーションシステム129とが異なるユニットである実施形態では、ECU120はまた、ナビゲーションシステム129と通信するためのポート127を含み得る。
【0023】
ビークル安全システムは、ビークル通信ネットワークを用いて一つ以上のビークルと通信するための装備を含み得る。本明細書および特許請求の範囲を通じて使用する「ビークル通信ネットワーク」との用語は、モータービークルと、ノードとしての路側ユニットとを利用する何らかのネットワークを意味する。ビークル通信ネットワークは、モータービークルおよび/または路側ユニットで、さまざまなタイプの情報を交換するために利用できる。そうしたビークルネットワークの例は、専用ショートレンジ通信(DSRC)ネットワークである。ある例では、DSRCネットワークは、約75MHzの帯域幅を伴って5.9GHz帯域で作動するよう構成されてもよい。さらに、DSRCネットワークは約1000mの範囲を有することができる。
【0024】
ある実施形態では、ECU120は、一つ以上のDSRCデバイスと通信するよう構成されたポート125を含み得る。代表的実施形態では、ポート125は、一つ以上のビークル通信ネットワークを介してビークル情報を伝達し、かつ/またはそれを受信するよう構成されたDSRCアンテナと関連付けられてもよい。
【0025】
ビークル安全システム100は、このビークル安全システム100と直接あるいは間接的に関連付けられないモータービークルの一つ以上のコンポーネントと通信するための装備を含み得る。ある例では、ECU120は、さまざまなセンサーあるいはモータービークルのシステムを含む、モータービークルの一つ以上の付加的デバイスと直に通信するための付加的ポートを含み得る。代表的な実施形態では、ECU120は、ビークルネットワーク140と通信するためのポート124を含み得る。ECDU120とビークルネットワーク140との間の通信を実現するために、ECU120は、モータービークル102に関する付加的情報に対するアクセスを持ち得る。たとえば、ある例では、ECU120は、モータービークルのさまざまな運行状況に関連した情報を受け取るよう構成されてもよい。ビークルネットワーク140を介して受け取ることができる情報の例は、これに限定されるわけではないが、ビークル速度、エンジン回転数、制動状況、転回状態、ステアリングホイール角、ならびにモータービークル102の運行状況と関連付けられたその他のパラメーターを含む。
【0026】
ある実施形態では、モータービークル102のさまざまなセンサーおよび/またはデバイスからの情報が、ビークルネットワーク140を介して、ECU120に提供できる。たとえば、ある実施形態では、ビークル速度センサー141、ブレーキセンサー142および転回ステータスインジケーター143からの情報は、ビークルネットワーク140を介して、ECU120へと伝達できる。別な例では、ビークル速度センサー141、ブレーキセンサー142および転回ステータスインジケーター143からの情報は、ビークルネットワーク140を経て送られることなく、有線あるいは無線接続を用いてECUに対して直に伝達できる。
【0027】
ビークル安全システムは、衝突の間に使用できるか、あるいは衝突を回避するのを助けるために使用できるモータービークル内の一つ以上のシステムを制御するための装備を含み得る。たとえば、ある実施形態では、ECU120は、衝突に先立って、あるいは衝突の間、制動を制御するのを助けるためにブレーキアクチュエータと通信するように構成されてもよい。別な実施形態では、ECU120は、衝突の間、シートベルトを制御するのを助けるために電気式シートベルトプレテンショナーと通信するように構成されてもよい。さらに別な実施形態では、モータービークルのシステムはECU120を用いて制御することができる。ある実施形態では、ECU120は、衝突の間使用されるシステムを含む、モータービークルの別なシステムと通信するための付加的なポートを備えるよう構成されてもよい。別な実施形態では、ECU120は、ビークルネットワークを用いて、これらのシステムと通信するよう構成されてもよい。この構造によって、ビークル安全システムは、衝突を回避するのを助けるために、あるいは衝突の間、一人以上の乗員の安全を増大させるために利用可能な一つ以上のシステムを制御するよう構成することができる。
【0028】
図2はモータービークル102用のダッシュボード200のある実施形態を示している。ダッシュボード200はステアリングホイール202および計器パネル204を含み得る。ある実施形態では、ダッシュボード200はさらにセンター部分206を含むことができる。ある例では、センター部分206は、モータービークルの内部と関連付けられた一つ以上のデバイスを含むことができる。例としては、これに限定されるわけではないが、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ナビゲーションデバイス、ならびにその他のタイプのデバイスが挙げられる。さらに、センター部分206は、これに限定されるわけではないが、車内環境制御システムおよびその他のタイプのシステムを含む、モータービークル102の一つ以上のシステムのための制御装置と関連付けられてもよい。
【0029】
モータービークルは、ビークル安全システムからの情報を表示するための装備を含み得る。先に説明したように、ビークル安全システムは、モータービークルのための安全ドライブを促進するよう構成されたいかなるシステムであってもよい。目下の実施形態は、衝突警告システムの形態のビークル安全システムを示している。だが、別な実施形態では、以下で説明する方法はいかなるタイプのビークル安全システムに適用されてもよく、衝突警告システムとの使用に制限されるものではないことに留意されたい。
【0030】
ある実施形態では、モータービークルはある種のディスプレイデバイスを含み得る。ある例では、モータービークルは、衝突警告システムからの情報を表示するためのビデオスクリーンを含み得る。ディスプレイデバイスの例は、これに限定されるわけではないが、LCD、CRT、ELD、LED、OLEDならびにその他のタイプのディスプレイを含む。別な例では、ディスプレイデバイスは、モータービークル102の一つ以上の面にイメージを投影するよう構成されたプロジェクションタイプのディスプレイデバイスであってもよい。ディスプレイデバイスは、ビデオスクリーンあるいはプロジェクションタイプのディスプレイデバイスに限定されるものではないことは明らかである。
【0031】
ある実施形態では、モータービークル102はディスプレイデバイス210を含み得る。ある例では、デバイス210はビークル安全システム100のドライバービークルインターフェース114と関連付けられてもよい。特に、デバイスデバイス210は、ビークル安全システム100から受け取った視覚情報を提供するよう構成されてもよい。代表的実施形態では、ディスプレイデバイス210はLCDスクリーンであってもよい。
【0032】
ある実施形態では、ディスプレイデバイス210はセンター部分206内に配置できる。だが、別な実施形態では、ディスプレイデバイス210は、このディスプレイデバイス21をドライバーが見ることができる限るモータービークル102のいかなる部分にでも配置できることは明らかである。たとえば、別な例では、ディスプレイデバイス210は、フロントウィンドウ212へイメージを表示するプロジェクションタイプのデバイスであってもよい。さらに、ディスプレイデバイス210はビークル安全システム100から受け取った視覚情報を提供するよう構成できるが、ディスプレイデバイス210はモータービークル100内の他のデバイスあるいはシステムと共有されてもよい。たとえば、ディスプレイデバイス210はまたナビゲーションシステム用のスクリーンとして使用できる。
【0033】
ある実施形態では、ドライバービークルインターフェースはディスプレイスクリーンを超えて付加的な装備を含んでもよいことは明らかである。たとえば、別な実施形態では、ドライバービークルインターフェースはまた、ドライバーが、さまざまな態様の衝突警告システムを制御することを可能とする一つ以上の入力デバイスと関連付けることができる。ある例では、ドライバービークルインターフェースは衝突警告システムをオン・オフするためのオン/オフボタンを含むことができる。さらに別の実施形態では、ドライバービークルインターフェースは聴覚情報を発生させるためのスピーカーと関連付けることができる。
【0034】
衝突警告システム用のディスプレイデバイスは、衝突警告システムのさまざまなタイプのアラートと関連付けられた一つ以上のイメージを表示するよう構成できる。分かりやすくするために、以下では、二つの異なるアラートタイプ、すなわち通知アラートおよび警告アラートを使用する衝突警告システムについて説明する。特に、通知アラートは、後に潜在的な問題を引き起こし得る近くのビークルあるいは物体をドライバーに通知するために使用される。対照的に、警告アラートは、近くのビークルあるいは物体との衝突の深刻な脅威をドライバーに警告するために発せられ得る。言い換えれば、通知アラートはドライバーに低レベルの衝突脅威を通知し、一方、警告アラートはドライバーに高レベルの衝突脅威を通知する。別な実施形態では、それ以外の数のアラートタイプを使用できる。ある例では、三つ以上のアラートタイプを衝突警告システムによって発することができる。
【0035】
代表的実施形態では、ビークル安全システム100は、情報アラートと関連付けられた通知アラートイメージ220を含む。通知アラートイメージ220は一つ以上のシンボルあるいはアイコンを含み得る。この実施形態では、通知アラートイメージ220は交差点シンボル222を含むが、これは、やがて現れる交差点を示す。さらに、通知アラートイメージ220は第1の矢印224および第2の矢印226を含むが、これは、モータービークル102の大まかな位置および向きならびに衝突の脅威がある接近するビークルを示している。通知アラートイメージ220を表示することによって、ドライバーには、接近してくるビークルとの潜在的な衝突の脅威が警告される。この情報は、モータービークル102が、やがて現れる交差点の接近するとき、ドライバーがより注意深くなるのを助け得る。
【0036】
代表的実施形態では、ビークル安全システム100はまた、警告アラートと関連付けられた警告アラートイメージ230を含む。警告アラートイメージ230は、一つ以上のシンボルあるいはアイコンを含み得る。通知アラートイメージ220と同様に、警告アラートイメージ230は、交差点シンボル232、第1の矢印234および第2の矢印236を含み得る。これらのシンボルは、やがて現れる交差点ならびにモータービークル102および接近してくるビークルの速度および向きに関する情報を示す。さらに、警告アラートイメージ230は警告シンボル238を含む。警告シンボル238の出現は、接近してくるビークルによって引き起こされる、差し迫った脅威をドライバーに警告する。この情報は、ドライバーが直ちに行動を起こすことによって衝突を回避するのを助け得る。
【0037】
上記二つのタイプのアラートに加えて、ディスプレイデバイスは、ビークル安全システム100によってアラートが発せられていないときには、イメージを表示しないよう構成されてもよい。この実施形態では、ディスプレイデバイス210は、アラートが発生されていないときデフォルトスクリーン240を表示する。代表的実施形態では、デフォルトスクリーン240はディスプレイデバイス210のブランクスクリーンと関連付けられる。だが、ディスプレイデバイス210が別なシステムからの情報を表示するために使用される実施形態では、デフォルトスクリーン240はブランクスクリーンでなくてもよい。たとえば、ディスプレイデバイス210がナビゲーションシステムおよびビークル安全システム100間で共有される実施形態では、ディスプレイデバイス210は、アラートが発せられるまでナビゲーションシステムから受け取ったイメージを表示し続けてもよい。同様に、いったんアラートが終了すると、ディスプレイデバイス240はナビゲーションシステムからのイメージの表示に復帰してもよい。
【0038】
目下の実施形態では各タイプのアラート(通知アラートおよび警告アラート)に関して単一のイメージしか示していないが、別な実施形態は各タイプのアラートに関して一つ以上のイメージを含み得る。特に、ビークルのポジションおよび向きを示すの使用される矢印は、ビークルの意図が交差点において転回するものである場合には、交差点を真っ直ぐに通過するビークルの意思を示す直線矢印から曲線矢印へと変更可能である。この構成は、接近してくるビークルの意図をドライバーに通知するのを助けることができる。さらに、やがて現れる交差点が三方向交差点(三差路)である場合には、三方向交差点シンボルを四方向交差点シンボルの代わりに使用できる。だが、各タイプのアラートに関して複数のイメージを使用する実施形態では、ある区別要素を、アラートが通知アラートであるかあるいは警告アラートであるかを示すために使用可能であることは明らかである。たとえば、目下の実施形態におけるように、警告シンボルは通知アラートおよび警告アラートを区別するために使用できる。同様に、ある例では、通知アラートは、警告アラートとは異なる色と関連付けることができる。ある実施形態では、通知アラートは黄色で着色されたシンボルあるいはアイコンを含んでもよく、一方、警告アラートは赤色で着色されたシンボルあるいはアイコンを含んでもよい。
【0039】
図3および図4は、道路300上を移動するモータービークル102の実施形態を示している。図3および図4を参照すると、道路300は第1の交差点302および第2の交差点304を含む。この実施形態では、第1の交差点302は道路300および道路310の交差点と関連付けられた大きな交差点であり、一方、第2の交差点304は道路300と交差する私道321と関連付けられた小さな交差点である。さらに、第1の遠隔ビークル320および第2の遠隔ビークル322もまた、道路300の対向車線において道路300上を移動している。特に、第1の遠隔ビークル320は第1の交差点302に進入するところである。同様に、第2の遠隔ビークル322は第2の交差点304に進入するところである。
【0040】
衝突警告システムなどのビークル安全システムが一つ以上の近くの交差点の位置に関する情報を持たない実施形態では、ビークル安全システムは、ドライバーが転回を意図するであろう交差点の位置を推定するための装備を含み得る。ある実施形態では、ビークル安全システムは、転回するビークルが停止することを意図する位置を推定することによって交差点の位置を推定するための装備を含むことができる。なぜなら、ドライバーは左折する直前に交差点において停止するであろうからである。ある実施形態では、ビークル安全システムは、ビークルのさまざまな運行パラメーターをモニターすることによってドライバーが停止することを意図する位置を推定できる。ビークルのための停止位置を特定するためにモニターできる、さまざまなパラメーターの例は、これに限定されるわけではないが、ビークル速度、制動情報、転回ステータス情報、エンジン回転数情報、加速度情報、トランスミッション情報、ならびにその他のタイプの情報を含む。ある実施形態では、ビークル安全システムは、ビークル速度、制動情報およびビークルポジションを用いて停止位置を推定するように構成できる。
【0041】
図3を参照すると、モータービークル102内のドライバーは第1の交差点302において左折することを意図している。この場合、左折しようとするドライバーの意思は転回ステータスインジケーター330によって示される。このポイントにおいて、モータービークル102は、速度計332によって示すように、約40mphで移動しているであろう。モータービークル102が第1の交差点302に近づくとき、ドライバーは、モータービークル102を僅かに減速するために、ブレーキペダル334を踏み込むであろう。
【0042】
ドライバーがブレーキペダル334を踏み込むとき、ビークル安全システム100はモータービークル102が停止する位置を特定しようと試みるであろう。この場合、ビークル安全システム100は、ブレーキペダル334と関連付けられたブレーキセンサーから制動レベルを特定するであろう。ビークル安全システム100は、続いて、ビークル安全システム速度および制動レベルを用いて停止距離D1を計算するであろう。さらに、たとえば、GPSによって得られたモータービークル102の目下の位置に関する情報を用いて、ビークル安全システム100は、続いて、モータービークル102が停止するおおよその位置を特定できる。この場合、ビークル安全システム100は、モータービークル102が第1の交差点302の第1の入口340付近の位置で停止すると判定する。モータービークル102の停止位置は、したがって、ビークル安全システム100を制御するために交差点の位置として推定される。
【0043】
目下の実施形態では、ビークル安全システム100は、第1の交差点302の位置に概ね対応する交差点に関するおおよその位置を特定する。すなわち、ビークル安全システム100は第1の交差点302の位置を正確に特定するが、これは、モータービークル302のドライバーが左折しようと意図する交差点である。このポイントにおいて、ビークル安全システム100は、近くの遠隔ビークルの位置を判定し得る。この例では、モータービークル102は、ビークル通信ネットワークを介して第1の遠隔ビークル320および第2の遠隔ビークル322からの情報を受け取るであろう。別な例では、モータービークル102は、LIDARなどの遠隔検出デバイスを用いて、一つ以上の遠隔ビークルに関する情報を受け取るであろう。
【0044】
ビークル安全システム100が第1の遠隔ビークル320および第2の遠隔ビークル322の位置を検出すると、ビークル安全システム100は第1の遠隔ビークル320および第2の遠隔ビークル322のいずれかによって引き起こされる潜在的脅威を計算できる。この場合、ビークル安全システム100は、モータービークル102と第2の遠隔ビークル322との間の衝突の脅威がないことを判定する。なぜなら、第2の遠隔ビークル322は、モータービークル102が転回しようと意図する交差点を通過していないからである。さらに、第1の遠隔ビークル320はモータービークル102が転回しようと意図する交差点を通過しているが、ビークル安全システム100は衝突の目下の脅威はないと判定するであろう。なぜなら、モータービークル102は第1の交差点302から非常に離れているからである。したがって、このポイントにおいて、ビークル安全システム100はディスプレイデバイス336にアラートを発しない。もちろん、後に、モータービークル102が第1の交差点302に接近するとき、ビークル安全システム100は衝突の脅威を更新するであろうし、アラートを発することができる。
【0045】
図4を参照すると、別な状況において、モータービークル102のドライバーは第2の交差点304で左折しようと意図している。この場合、左折しようとするドライバーの意思は転回ステータスインジケーター330によって示される。このポイントにおいてモータービークル102は、速度計332で示すように、約40mphで移動しているであろう。図3に示す状況とは対照的に、ドライバーは第2の交差点304に接近するときブレーキペダル334に強い制動力を加えるであろう。なぜなら、ドライバーはル第2の交差点304にかなり接近しているからである。
【0046】
図3に示す実施形態において説明したように、ビークル安全システム100は、ビークル速度および制動情報などの一つ以上のビークルパラメーターを用いて停止距離を判定するであろう。この例では、ビークル安全システム100は、ビークル速度および目下の制動レベルに基づいて、モータービークル102に関する停止距離D2を推定する。図3および図4を比較することで分かるように、目下の状況で加えられる強い制動のために、停止距離D2は停止距離D1よりも非常に短い。特に、モータービークル102が両状況で約40mphで移動している間、異なる制動レベルはモータービークル102に関する異なる減速度を生じるが、これは推定停止距離を変化させる。
【0047】
この状況で、ビークル安全システム100は、初期制動の瞬間にモータービークル102の前方の距離D2に位置するモータービークル102の停止位置を判定する。この場合、停止位置は交差点の位置となるように特定されるが、これは第2の交差点304の位置に対応する。さらに、第1の遠隔ビークル302および第2の遠隔ビークル322の位置が特定されたならば、ビークル安全システム100はいずれかの遠隔ビークルによって生じる潜在的な脅威を計算できる。この場合、ビークル安全システム100は、第2の交差点304を通過しようとしている第2の遠隔ビークル322によって引き起こされる差し迫った脅威が存在することを判定する。したがって、ビークル安全システム100は、ドライバーに潜在的な衝突を警告するためにディスプレイデバイス336に警告アラートを表示する。
【0048】
図5は、衝突警告システムなどのビークル安全システムを制御するための方法の実施形態を示している。この実施形態では、以下のステップがECU120によって実施され得る。だが、ある実施形態では、これらのステップは、モータービークル102と関連付けられた付加的なシステムあるいはデバイスによって実施されてもよい。さらに、別な実施形態では、以下のステップの一つ以上は任意であってもよいことは明らかである。
【0049】
さまざまなビークルを区別するために、「ホストビークル」および「遠隔ビークル」との用語を本明細書および特許請求の範囲を通じて使用する。「ホストビークル」との用語はビークル安全システムを備えたビークルを意味する。対照的に、「遠隔ビークル」は、それに関してホストビークルが情報を受け取るであろう他のビークルである。ある例では、ホストビークルは、ビークル通信ネットワークを用いて遠隔ビークルと通信できる。別な例では、ホストビークルは、別な方法を用いて、遠隔ビークルからの情報を受け取ることができる。たとえば、ホストビークルは、遠隔検出デバイスを用いて、遠隔ビークルに関する関連情報を受け取ることができる。遠隔ビークルはビークル安全システムを有していても、有していなくてもよい。上記例では、モータービークル102は一つ以上の遠隔ビークルと通信できるか、あるいはそれに関する情報を受け取ることができるホストビークルである。「ホストビークル」との用語は相対的な用語であり、他のビークルはビークル安全システムを持つことができ、かつ、異なる状況ではホストビークルと考えることができることは明らかである。
【0050】
ステップ502の間、EUC120はホストビークルのための運行パラメーターのセットを特定し得る。たとえば、ある例では、ECU120は、転回ステータス、ビークル速度および制動レベルを特定できる。別な例では、ECU120はホストビークルに関連付けられた加速度情報を特定し得る。さらに別な例では、ECU120は、ホストビークルのための転回ステータス、ビークル速度、制動レベルおよび加速度情報を特定し得る。さらに別な例では、ECU120は、ホストビークルのシステムあるいはコンポーネントの動作と関連付けられたホストビークルに関するその他の運行パラメーターを特定し得る。
【0051】
次に、ステップ504の間、ECU120は、ドライバーが転回しようと意図している交差点までの距離を推定し得る。ある場合には、交差点までの距離は、いったんドライバーが左折する意思を示しかつ制動を加え始めると、ホストビークルの停止距離を推定することによって特定できる。さらに、ある場合には、交差点の絶対位置は、停止距離およびホストビークルに関する公知の現在位置から特定できる。先に説明したように、ある場合には、ホストビークルの目下の位置はGPSを用いて特定できる。ホストビークルに関する絶対位置が分からない場合、ホストビークルに対する交差点の位置は停止距離を用いて特定できる。
【0052】
ステップ504に続いて、ステップ506の間、ECU120は交差点までの遠隔ビークル距離を特定し得る。すなわち、ECU120は、遠隔ビークルが交差点からどの程度離れているかを特定し得る。ある場合には、交差点までの遠隔ビークル距離は、ホストビークルと交差点との間の、そしてホストビークルと遠隔ビークルとの間の相対距離を用いて特定できる。別な場合には、交差点までの遠隔ビークル距離は、遠隔ビークルに関するGPSからの絶対位置を用いて、そして先のステップの間に特定された交差点の絶対位置から特定できる。
【0053】
ステップ506に続いて、ステップ508の間、ECUは、交差点までのホストビークル距離および交差点までの遠隔ビークル距離に基づいて、ビークル安全システムを制御し得る。概して、ECU120は、ホストビークルと遠隔ビークルとの間の衝突の潜在的脅威を判定するために、これらの距離を利用し得る。いったん脅威レベルが判定されると、ECU120は脅威のタイプに基づいてアラートを発することができる。たとえば、交差点までのホストビークル距離および交差点までの遠隔ビークル距離が十分に大きなものである場合、ECU120は、両ビークルは潜在的な衝突には程遠い距離にあることを判定し、アラートを発しないであろう。だが、交差点までのホストビークル距離および交差点までの遠隔ビークル距離が十分に小さなものである場合、ECU120は、両ビークルは交差点付近にあり、したがって衝突の脅威は高いと判定し得る。この場合、ECU120は、ドライバーに潜在的な衝突を警告するために、警告脅威を発し得る。
【0054】
図6は、交差点までのホストビークル距離を推定するための詳細なプロセスの実施形態を示している。この実施形態では、以下のステップがECU120によって実施され得る。だが、ある実施形態では、これらのステップはモータービークル102と関連付けられた付加的なシステムあるいはデバイスによって実施されてもよい。さらに、別な実施形態では、以下のステップの一つ以上は任意であってもよいことは明らかである。
【0055】
ステップ602の間、ECU120はホストビークルに関する転回情報を受け取ることができる。ある例では、転回情報は転回情報インジケーターの状態に関連付けることができる。たとえば、ドライバーが左折状態へと転回ステータスインジケーターを切り換えた場合、この情報はECU120へと送信できる。別な例では、転回情報はGPS位置およびGPSベースマップからの車線変更情報を用いて特定できる。たとえば、ECU120がホストビークルが左折専用車線にいることを特定した場合、ECU120は続いてホストビークルが左折しようと意図していると判定し得る。
【0056】
次に、ステップ604の間、ECU120は、ホストビークルのビークル速度に関する情報を受け取ることができる。ある場合には、ビークル速度は、ビークル速度センサーを用いて直接測定できる。別な例では、ビークル速度はGPSベース情報を用いて計算することができる。さらに別な例では、ビークル速度は、従来公知のその他の方法用いて特定できる。
【0057】
続いて、ステップ606の間、ホストビークルはビークル位置を受け取ることができる。ある場合には、ビークル位置はGPS情報を用いて判定できる。別な例では、ビークル位置は別な方式で特定できる。ステップ606はある実施形態では任意のステップであってもよいことは明らかである。特に、ホストビークルと、遠隔ビークルと、交差点との間の相対距離のみが望まれる状況では、ホストビークルあるいは遠隔ビークルの絶対距離は必要とされないであろう。
【0058】
ステップ606に続いて、ECU120はステップ608へと進み得る。ステップ608の間、ECU120はホストビークルのための制動情報を受け取ることができる。ある場合には、制動情報は、ブレーキペダルが踏み込まれた情報を含むことができる。別な例では、制動情報はさらに制動レベルを含むことができる。「制動レベル」との用語は、生じ得る制動の程度の大きさを意味する。たとえば、ある状況では、制動情報は、非制動と最大制動との間の範囲内で制動の程度を示す連続したあるいは別個の値と関連付けることができる。別な実施形態では、制動レベルはブレーキペダルのポジションと関連付けることができる。別な実施形態では、制動レベルは、ブレーキシステムのその他の測定可能な特性と関連付けることができる。
【0059】
ステップ608に続いて、ECU120はステップ610へと進み得る。ステップ610の間、ECU120は、ドライバーが転回しようと意図しているかどうかを判定し得る。特に、ECU120は、ドライバーがステップ602の間に受け取った展開情報を用いて転回しようと意図しているかどうかを判定し得る。ドライバーが転回しようと意図している場合(これは、たとえば、左折ポジションの転回ステータスインジケーターによって表示され得る)、ECU120はステップ612へと進み得る。さもなければ、ECU120は、さらなる情報を受け取るために、ステップ602へと戻ることができる。
【0060】
ステップ612の間、ECU120は、ドライバーが制動を始めたかどうかを判定し得る。特に、ECU120は、ドライバーがステップ608の間に受け取った制動情報を用いて制動を開始しているかどうかを判定し得る。ドライバーが制動を意図している場合、ECU120はステップ614へと進み得る。さもなければ、ドライバーが制動を意図していない場合、ECU120は、ホストビークルの運行パラメーターに関するさらなる情報を受け取るためにステップ602へと進み得る。
【0061】
ステップ614の間、ECU120は、ビークル速度および推定制動レベルを用いてホストビークルに関する停止距離を計算し得る。ある場合、ECU120は、ビークル速度を推定制動レベルで割ることで停止距離を計算し得る。別の場合には、ECU120は別な方式で停止距離を計算し得る。推定制動レベルはいかなる方式で特定されてもよい。ある場合には、推定制動レベルは、製造の間に設定された事前記憶値であってもよい。別な場合には、推定制動レベルは、ドライバーが交差点において停止するためにブレーキペダルを踏み込むたびに更新される学習値であってもよい。さらに別な場合には、推定制動レベルは、ビークル速度、エンジン回転数、ギアあるいはその他の運行パラメーターといった、さまざまな運行パラメーターの関数であってもよい。さらに別な例では、推定制動レベルは路面状況の関数であってもよい。たとえば、推定制動レベルは、濡れた路面状況と乾いた路面状況との間で変化し得る。目下の実施形態は、停止距離に関する初期値を特定するために推定制動レベルを使用するが、別な実施形態では、初期計算は、推定制動レベルではなく、目下の制動レベルを算入してもよい。
【0062】
次に、ステップ616の間、ECU120は、ビークル位置および停止距離を用いて交差点の位置を特定し得る。ホストビークルに関する、GPS位置などの絶対位置が分かっている場合、交差点の位置は絶対位置として特定できる。ホストビークルの絶対ポジションが分かっていない別な例では、交差点の位置は相対位置であってもよい。
【0063】
ある実施形態では、交差点の位置が計算されると、ECU120は、目下のビークル運行パラメーターを用いて、停止距離(これは交差点までの距離である)および交差点位置を更新し続けてもよい。ある場合には、ステップ616に続いて、ECU120はステップ618へと進む。ステップ618の間、ECU120は、目下のビークル位置、目下のビークル速度、目下の制動レベルおよびビークルの減速度を用いて、交差点位置を更新し得る。特に、停止距離は、これら目下の値を用いて再計算でき、そして交差点の位置は新しい停止距離に基づいて調整できる。ある場合、減速度はビークル速度から計算できる。別な場合、減速度は別な方式で決定できる。さらに、別な実施形態では、これらパラメーターのいくつかのみが交差点の更新位置を計算するのに使用可能である。たとえば、別な実施形態では、ステップ618の間、目下の制動レベルのみが交差点位置を更新するために使用できる。この構成によって、交差点の位置は、ホストビークルが交差点に接近し続けるとき、パラメーターの目下の値を用いて、より正確に計算できる。
【0064】
図7は交差点までの遠隔ビークル距離を特定するためのプロセスの実施形態を示している。この実施形態では、以下のステップがECU120によって実施され得る。だが、ある実施形態では、これらのステップは、モータービークル102と関連付けられた付加的なシステムあるいはデバイスによって実施されてもよい。さらに、別な実施形態では、以下のステップの一つ以上は任意であってもよいことは明らかである。
【0065】
ステップ702の間、ECU120は交差点までのホストビークル距離を修正し得る。続いて、ステップ704の間、ECU120は遠隔ビークルとホストビークルとの間の距離を判定し得る。ある場合には、これはGPS情報を用いて実現できる。たとえば、ホストビークルは、受け取ったGPS情報に基づいてホストビークル位置を特定する。さらに、ホストビークルは、ビークル通信ネットワークを用いて、遠隔ビークルから直に遠隔ビークルのGPS位置を受け取ることができる。別な例では、しかしながら、二つのビークル間の距離は、先に説明したように、RADARあるいはLIDARといった遠隔検出デバイスを用いて特定できる。さらに別な例では、ホストビークルと遠隔ビークルとの間の距離は別な方式で特定できる。ステップ704に続いて、ステップ706の間、ECU120は交差点までの遠隔ビークル距離を推定し得る。ある例では、これは、ホストビークルと遠隔ビークルとの間の距離から、交差点までのホストビークルの距離を減じることによって特定できる。
【0066】
図8は交差点までの遠隔ビークル距離を計算する方法の代表的実施形態を示している。図8を参照すると、ホストビークル802は交差点800に向かって走行している。同様に、遠隔ビークル804は、反対方向から交差点800に向かって走行している。この場合、ホストビークル802および遠隔ビークル804は一つの道路の対向する車線に存在する。
【0067】
先に説明したように、ホストビークル802は、ビークル速度および制動レベルを含むさまざまなビークル運行パラメーターに基づいて、停止距離D3(これは、ホストビークルと交差点との間の距離である)を推定し得る。さらに、ホストビークル802は、GPS情報およびビークル通信ネットワーク、あるいは遠隔検出デバイスを用いて、ホストビークルと遠隔ビークルとの間の距離D4を特定し得る。距離D3および距離D4の値から、ホストビークル802は距離D5を特定できるが、これは、遠隔ビークル804と交差点800との間の距離である。特に、距離D5は距離D4引く距離D3に概ね等しい。
【0068】
ある実施形態では、遠隔ビークルと交差点との間の計算距離の精度を高めるために、ビークル安全システムが要求する情報の種類に依存して、交差点停止バーあるいは実際の交差点クロスレーン縁を推定するように調整できる。ある場合には、これは平均交差点トポロジーを用いて達成できる。すなわち、平均交差点サイズは、交差点の有限サイズを反映するために推定距離を調整するために利用できる。
【0069】
図9は脅威レベルを計算するための詳細プロセスの実施形態を示している。この実施形態では、以下のステップがECU120によって実施され得る。だが、ある実施形態では、これらのステップは、モータービークル102と関連付けられた付加的なシステムあるいはデバイスによって実施されてもよい。さらに、別な実施形態では、以下のステップの一つ以上は任意であってもよいことは明らかである。
【0070】
ステップ902の間、ECU120は交差点までのホストビークル距離を修正し得る。次に、ステップ904の間、ECU120は交差点までの遠隔ビークル距離を修正し得る。このポイントにおいて、ECU120はステップ906へと進み得る。ステップ906の間、ECU120は、既定の通知距離および既定の警告距離を修正する。すなわち、既定の通知距離は、その中で衝突警告システムが低い衝突の脅威があると判定し得る交差点からの距離である。同様に、既定の警告距離は、その中で衝突警告システムが高い衝突の脅威があると判定し得る交差点からの距離である。
【0071】
ステップ906に続いて、ECU120はステップ908に進み得る。ステップ908の間、ECU120は、ホストビークルおよび遠隔ビークルがいずれも交差点から既定の通知距離内にあるかどうかを判定し得る。ECU120が、ホストビークルおよび遠隔ビークルはいずれも交差点から既定の通知距離内にないと判定した場合、ECU120はステップ910へと進み得るが、ここで、ECU120は脅威がないことを判定する。さもなければ、ECU120はステップ912へと進む。
【0072】
ステップ912の間、ECU120は、ホストビークルおよび遠隔ビークルがいずれも交差点から既定の警告距離内にあるかどうかを判定し得る。ECU120が、ホストビークルおよび遠隔ビークルはいずれも交差点から既定の警告距離内にないと判定した場合、ECU120はステップ914へと前進し得る。ステップ914の間、ECU120は低い脅威レベルがあると判定する。ステップ912の間、ECU120が、ホストビークルおよび遠隔ビークルはいずれも交差点から既定の警告距離内にあると判定した場合、ECU120はステップ916へと進み得る。ステップ916の間、ECU120は高い脅威があると判定する。
【0073】
衝突の脅威を判定するためのプロセスの目下の実施形態は単に例証を意図したものに過ぎないことは明らかである。概して、ホストビークルと遠隔ビークルとに関連する情報に基づいて脅威レベルを判定するいかなる方法が使用されてもよい。別な実施形態では、ビークル安全システムは、衝突の脅威を判定するために別なプロセスを利用できる。たとえば、別な実施形態では、交差点までのホストビークルの距離ならびに交差点までの遠隔ビークルの距離を計算するのではなく、交差点までのホストビークル時間および交差点までの遠隔ビークル時間を計算し、脅威を判定するために利用できる。特に、交差点までのホストビークル距離が分かると、交差点までのホストビークル時間は、ホストビークル速度、位置および/または減速度を用いて特定できる。同様に、交差点までの遠隔ビークル距離が分かると、交差点までの遠隔ビークル時間は、遠隔ビークル速度、位置および/または減速度を用いて特定できる。ある例では、遠隔ビークル速度、位置および/または減速度は、ビークル通信ネットワークから受け取ることができる。別な例では、遠隔ビークル速度、位置および/または加速度は、遠隔検出デバイスを用いて直に測定できる。
【0074】
ビークル安全システムは、交差点までのビークル距離の精度を改善するための装備を含み得る。たとえば、ある例では、ビークル安全システムは、ドライバー‐交差点プロファイルを構築する適応アルゴリズムを利用できる。本明細書および特許請求の範囲を通じて使用する「ドライバー‐交差点プロファイル」という用語は、交差点付近での特定のドライバーの挙動を特徴付ける情報の集まりを意味する。たとえば、ある場合、ドライバーのためのドライバー‐交差点プロファイルは、交差点において左折する前にドライバーが制動を開始しようとする典型的な距離に関連する情報を含み得る。別な例では、ドライバーのためのドライバー‐交差点プロファイルは、停止および/または転回中にドライバーによって加えられる典型的な制動レベルに関する情報を含み得る。
【0075】
別な実施形態では、ドライバー‐交差点プロファイルは、いかなる方式で特定されてもよい。ある場合には、ドライバー‐交差点プロファイルは、GPS推測航法計算を用いて追跡可能な停止および/または転回移動を追跡することによって特定できる。この情報は記憶することが、そしてドライバー‐交差点プロファイルを構築するために時間の経過に伴って使用できる。この構成によって、システムが、停止および/または転回移動の間、ドライバー/ビークル挙動をより細かくモデル化する推定を発展させることが可能となる。
【0076】
図10はビークル安全システムを制御するための方法の実施形態を示している。この実施形態では、以下のステップがECU120によって実施され得る。だが、ある実施形態では、これらのステップは、モータービークル102と関連付けられた付加的なシステムあるいはデバイスによって実施されてもよい。さらに、別な実施形態では、以下のステップの一つ以上は任意であってもよいことは明らかである。
【0077】
ステップ1002の間、ECU120はホストビークルに関連した転回情報を受け取ることができる。ある場合には、この転回情報は転回ステータスインジケーターの状態に関連付けることができる。たとえば、ドライバーが転回ステータスインジケーターを左折状態へと切り換えた場合、この情報はECU120へと送ることができる。別な例では、転回情報は、GPS位置およびGPSベースマップからの車線変更情報を用いて決定できる。たとえば、ECU120がホストビークルは左折専用車線にいると判断した場合、ECU120は続いて、ホストビークルは左折しようと意図していると判断し得る。
【0078】
続いて、ステップ1004の間、ECU120はホストビークルのビークル速度に関連した情報を受け取ることができる。ある例では、ビークル速度はビークル速度センサーを直に用いて測定できる。別な例では、ビークル速度はGPSベース位置情報を用いて計算できる。さらに別な例では、ビークル速度は従来公知のその他の手法を用いて特定できる。
【0079】
続いて、ステップ1006の間、ホストビークルはビークル位置を受け取ることができる。ある場合には、ビークル位置はGPS情報を用いて特定できる。別な場合には、ビークル位置は他の方式で特定できる。ステップ1006はある実施形態では任意のステップであってもよいことは明らかである。特に、ホストビークルと、遠隔ビークルと、交差点との間の相対距離のみが望まれる状況では、ホストビークルあるいは遠隔ビークルの絶対距離は必要とされないであろう。
【0080】
ステップ1006に続いて、ECU120はステップ1008に進み得る。ステップ1008の間、ECU120はホストビークルに関する制動情報を受け取ることができる。ある場合には、制動情報は、ブレーキペダルが踏み込まれた情報を含むことができる。別な例では、制動情報はさらに制動レベルを含むことができる。
【0081】
ステップ1008に続いて、ECU120はステップ1010へと進み得る。ステップ1010の間、ECU120はドライバーが転回しようと意図しているか否かを判定し得る。特に、ECU120は、ステップ1002の間に受け取った転回情報を用いて、ドライバーが転回しようと意図しているか否かを判定し得る。ドライバーが転回しようと意図している場合(これは、たとえば、左折ポジションにある転回ステータスインジケーターによって表示し得る)、ECU120はステップ1012へと進み得る。さもなければ、ECU120は、さらなる情報を受け取るために、ステップ1002へと戻り得る。
【0082】
ステップ1012の間、ECU120はドライバーが制動を始めているかどうかを判定し得る。特に、ECU120は、ステップ1008の間に受け取った制動情報を用いて、ドライバーが制動を始めているかどうかを判定し得る。ドライバーが制動しようと意図している場合、ECU120はステップ1014へと進み得る。さもなければ、ドライバーが制動しようと意図していない場合、ECU120は、ホストビークルの運行パラメーターに関するさらなる情報を受け取るために、ステップ1002へと進み得る。
【0083】
ステップ1014の間、ECU120はドライバー‐交差点プロファイルを修正し得る。ある場合には、ドライバー‐交差点プロファイルは、さまざまな運転状況あるいはその他のパラメーターに基づいて選択できる。たとえば、ドライバー‐交差点プロファイルは天候状況の関数として変化し得る。別な例では、ドライバー‐交差点プロファイルは、モータービークルの別なコンポーネントから修正できる。続いて、ステップ1016の間、ECU120は、ビークル速度、制動レベルおよびドライバー‐交差点プロファイルを用いて停止距離を計算し得る。別な例では、だが、ステップ1016の間、ECU120は、ビークルの減速度ならびにその他の運行パラメーターを含む付加的情報を同様に用いて停止距離を計算できる。ステップ1016に続いて、ステップ1018の間、ECU120は、先のステップの間に計算されたビークル位置および停止距離を用いて交差点を特定し得る。
【0084】
目下の実施形態は、ビークル安全システムを制御するために交差点の位置を推定する方法を述べているが、他の実施形態では、交差点位置の推定はモータービークルの他のシステムに適用可能であることに留意されたい。たとえば、ビークルの安全機能を作動させる他のタイプの衝突制御システムは、上述したような交差点の位置を突き止める方法を利用できる。さらに、上記方法は、ドライバーが転回しようと意図しているであろう交差点に関する情報を必要とするモータービークルのその他のシステムに適用可能である。
【0085】
本発明のさまざまな実施形態について説明してきたが、この説明は限定ではなく例証を目的としたものであり、数多くのさらなる実施形態および具現化が本発明の範囲内で可能であることは当業者にとって自明である。したがって、本発明は、特許請求の範囲の記載およびその相当語句によってのみ限定される。さらに、さまざまな改良および変更を特許請求の範囲に記載された範囲内で行うことができる。
【符号の説明】
【0086】
100 ビークル安全システム
102 モータービークル(自動車)
110 GPSレシーバー
112 電力源
114 ドライバービークルインターフェース
120 ECU
121 ポート
122 ポート
123 ポート
124 ポート
125 ポート
127 ポート
128 ポート
129 ナビゲーションシステム
140 ビークルネットワーク
141 ビークル速度センサー
142 ブレーキセンサー
143 転回ステータスインジケーター
150 遠隔検出デバイス
200 ダッシュボード
202 ステアリングホイール
204 計器パネル
206 センター部分
210 ディスプレイデバイス
212 フロントウィンドウ
220 通知アラートイメージ
222 交差点シンボル
224 第1の矢印
226 第2の矢印
230 警告アラートイメージ
232 交差点シンボル
234 第1の矢印
236 第2の矢印
238 警告シンボル
240 デフォルトスクリーン
300 道路
302 第1の交差点
304 第2の交差点
320 第1の遠隔ビークル
321 私道
322 第2の遠隔ビークル
330 転回ステータスインジケーター
332 速度計
334 ブレーキペダル
336 ディスプレイデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータービークルを運行する方法であって、
ビークル速度、ビークル位置および制動情報を受け取るステップと、
ドライバーが転回しようと意図しているかどうかを判定するステップと、
ドライバーが制動しているかどうかを判定するステップと、
前記ドライバーが転回しようと意図している場合であって、かつ、前記ドライバーが制動している場合、前記ビークル速度および前記制動情報に基づいて停止距離を計算するステップと、
前記ビークル位置および前記停止距離に基づいて交差点に関する位置を判定するステップと、
前記交差点に関する前記位置に基づいてビークル安全システムを制御するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記交差点に関する前記位置を判定する前記ステップに続いて、目下のビークル速度を受け取るステップが実施され、前記停止距離は、前記目下のビークル速度に基づいて再計算されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記交差点に関する前記位置を判定する前記ステップに続いて、減速度情報を受け取るステップが実施され、前記停止距離は、前記減速度情報に基づいて再計算されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記交差点に関する前記位置を判定する前記ステップに続いて、目下の制動レベルを受け取るステップが実施され、前記停止距離は、前記目下の制動レベルに基づいて再計算されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記制動情報は推定制動レベルを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記交差点位置は、交差点の停止バーと関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記交差点位置は、交差点の中心と関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
モータービークルを運行する方法であって、
ビークル速度、ビークル位置および制動情報を受け取るステップと、
前記ビークル速度および前記制動情報を用いて、前記モータービークルと交差点との間の第1の距離を推定するステップと、
前記モータービークルと遠隔ビークルとの間の第2の距離を判定するステップと、
前記第1の距離および前記第2の距離を用いて、前記遠隔ビークルと前記交差点との間の第3の距離を推定するステップと、
前記第1の距離および前記第3の距離に基づいて前記モータービークルのビークル安全システムを制御するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記第2の距離はビークル通信ネットワークを用いて判定されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の距離は遠隔検出デバイスを用いて測定されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ビークル安全システムは衝突警告システムであり、かつ、前記第3の距離を推定するステップに続いて、前記第1の距離および前記第3の距離に基づいて脅威レベルを決定するステップが実施され、かつ、前記衝突警告システムは前記脅威レベルに基づいて制御されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ビークル安全システムは衝突警告システムであり、かつ、前記第3の距離を推定するステップに続いて、前記モータービークルが前記交差点に到達するための第1の時間と、前記遠隔ビークルが前記交差点に到達するための第2の時間と、を計算するステップが実施されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記脅威レベルは前記第1の時間および前記第2の時間を用いて計算され、かつ、前記衝突警告システムは前記脅威レベルに基づいて制御されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
モータービークルを運行する方法であって、
ビークル速度、ビークル位置および制動情報を受け取るステップと、
ドライバーが転回しようと意図しているかどうかを判定するステップと、
ドライバーが制動しているかどうかを判定するステップと、
ドライバー交差点プロファイルを修正するステップであって、前記ドライバー交差点プロファイルは前記ドライバーと関連付けられた履歴交差点運転データを含むものであるステップと、
前記ドライバーが転回しようと意図している場合であって、かつ、前記ドライバーが制動している場合、停止距離を計算するために、前記ドライバー交差点プロファイル、前記ビークル速度および前記制動情報を使用するステップと、
前記ビークル位置および前記停止距離に基づいて交差点に関する位置を判定するステップと、
前記交差点に関する前記位置に基づいてビークル安全システムを制御するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記ドライバー交差点プロファイルは、前記ドライバーと関連付けられた履歴転回情報を備えることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ドライバー交差点プロファイルは、前記ドライバーと関連付けられた履歴停止距離情報を備えることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ドライバー交差点プロファイルは、GPSマッピングを用いて、停止情報および/または転回情報を追跡することによって特定されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記ドライバー交差点プロファイルは、推測航法計算を用いて、停止情報および/または転回情報を追跡することによって特定されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記ビークル安全システムは衝突警告システムであり、かつ、前記交差点位置は前記衝突警告システムに関する脅威レベルを決定するために使用されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記脅威レベルは前記衝突警告システムを制御するために使用されることを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−515297(P2013−515297A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544815(P2012−544815)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/060695
【国際公開番号】WO2011/075558
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】