説明

ファイリング書類

【課題】本発明は、印刷物やクリアホルダーを、バインダーに綴じる場合にパンチ穴開け器などによって穴を開けた場合、その部分が欠損し、重要な部分が欠落してしまうこととなっている。
【解決手段】本発明は、少なくとも表紙及び裏表紙からなる書類において、該裏表紙の表紙との連結部側の中央部に、連結部を折り代とする山型の矩形の切取り部を形成させ、そのままバインダー等に綴じこむ事のできる印刷物やクリアホルダーを提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリアホルダーや案内冊子、社内報などの各種バインダーにファイリングを必要とするファイリング書類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クリアホルダーや案内冊子、社内報などの各種冊子類であるファイリング書類を各種バインダーに綴じる場合、二通りの方法で行なうのが一般的であった。すなわち一つの方法は、綴じることを前提として製本段階で、穴加工を施し製品とする場合と、他の方法は製品として穴加工がされていない場合に使用者が自らパンチ穴を開ける場合である。
またクリアファイルは数枚の書類を一次保管するために、また移送する際の皺を防止するために使用するものであるが、整理保管する場合は、そのままバインダー等にとじることができなかった。
クリアホルダーからの書類の脱落防止のために切込みによる舌片をクリアホルダーの開放側近傍に形成して脱落防止を可能としたものが提案(特開2006−312294)されているが、ファイリングまでの提案ではない。(特許文献1)
またクリアホルダーのファイリングを目的とした提案(特開2000−190675)がされているが、ファイリングの目的では極めて有効な提案であるが、ホルダーより大きな被収納物の一部を収納し、他の部分を袋体の外で折り畳んでファイリングできるようにしたものである。該方法はシートの面積が大きくなるためコストアップが想定される。(特許文献2)
【0003】
【特許文献1】特開2006−312294号公報
【特許文献2】特開2000−190675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製品段階で、穴あけ加工が施されている冊子の場合は、穴あけ加工によって、印刷面が欠損するので、内容デザインはそれを考慮しなくてはならず、デザイン上の制約を受け、さらには表紙の外観の見栄えを損なう事となっていた。また、本文の全てのページに穴が開くことによってのデザイン上の制約(穴の部分を避けるデザインを行なうことは、大きなデザイン上の制約を受ける)と、見栄えを損なうことは、デザイン上の解決策は未だ無くデザイン上の考慮がされていない。
【0005】
また、製品としては穴あけ加工が施されていない冊子に、使用者が穴を開けようとする場合、次のような欠点があった。デザインの段階で、穴あけ加工が前提とされていないので、パンチ穴開け器などによって穴を開けた場合、その部分が欠損し、多くの場合、文章の一部などの重要な部分が欠落してしまうこととなっている。
【0006】
さらに、予め穴が開けられている冊子の場合、バインダーに閉じられた状態での内容閲覧をする場合にバインダーの留め金具が邪魔になって、冊子の中央部分が閲覧できないこととなる。
これらを解消しようとすると穴あけ加工が事前に施されている冊子の場合、中央の奥の部分(製本用語のノドの部分)を大きく取らざるを得ず、紙面デザインに大きな制約があった。
【0007】
クリアホルダーの場合は、そもそもその目的が書類の仮保護のためであり、綴じることの要求があるもののそのような考慮がされていない。
これらを一挙に解決する事が、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる従来の課題を解決するものである。
本発明は、各種冊子の表紙部分に、ミシン目を入れ、一部切り離し可能なベロ(綴じ代)をつくり、そこに各種バインダーの留め金具に合致した、穴加工を施し、必要に応じて、そのベロ(綴じ代)を切り離し、起こすことによって、各種バインダーに、簡便に綴じることを実現するため、少なくとも表紙及び裏表紙からなる書類において、該裏表紙の表紙との連結部側の中央部に、連結部を折り代とする山型の矩形の切取り部を形成させたことを特徴とするファイリング書類であり、該書類がクリアホルダーや、書類が印刷物であるファイリング書類である。
【0009】
本発明により、バインダーに綴じる部分(以下、綴じ代)は、次のような機能を果たす。
表紙1枚に加工するため、デザイン上の制約は、最小限となる。さらに本文に穴が開かないので、本文におけるデザイン上の制約はなくなる。また、綴じ代は、冊子本体の外側に出るため、バインダーに綴じた場合、バインダーの留め金具に邪魔されることがなくなり、完全に開くことができる。
また、綴じ代は、冊子本体の外側に出るため、厚手の冊子でも、バインダーに綴じ易く、閲覧も、バインダーの留め金具に邪魔されることなく、快適である。
さらにまた、完全に、各ページを開くことができるので、特に、いわゆる中綴じ製本による冊子の場合には、見開きデザイン(左右、両ページにまたがるデザイン)も自由である。(いわゆる、製本用語の、ノド部分を考慮しなくてもよい。)など多くの効果が期待できるものである。
【0010】
また、綴じ代部分は、製品の段階では、表紙に組み込まれているので、使用者が、バインダーに綴じない場合は、冊子の体裁は、従来のままである。使用者が、バインダーに綴じようとする時、綴じ代は、ミシン目が入っているので、簡単に、綴じ代を切り離し、起こすことができる。
また、綴じ代部分の穴は、2穴バインダー、30穴バインダー兼用の穴が開いているので、市販の各種バインダーに対応する。
【0011】
本発明を実施例に従って説明する。
本発明は図1に示すように、少なくとも表紙1及び裏表紙2からなる書類Aにおいて、該裏表紙2の表紙1との連結部3側の中央部4に、連結部3を折り代とする山形の矩形の切取り部5を形成させたことを特徴とするファイリング書類Aである。
上記切取り部5には、バインダー等に綴じるための孔6が二箇所に、中央部4の中央から上下に41mmの位置を中心に8mmφの孔6が形成されている。
また、30穴のバインダーにも対応するように、該綴じ孔6・6間に5mmφの8個の小孔7を形成することにより、30穴バインダーに対応させることも可能である。
【0012】
図2は、図1を表紙1から見たときの斜視図であるが、表紙1側からは切取り部5が見えないこととなる。
【0013】
本発明をバインダー等に閉じ込む場合は、切取り部5の山形の矩形部分の予め施した切り取り線に従って切り取り、後方へ起こすことにより綴じ代8を形成するものである。(図3)
【0014】
図4は、図3を表紙1から見た場合の正面斜視図であり、冊子類などの書類Aの左側に綴じ代8が突出形成されている。
【0015】
他の実施例について、本発明を図5と図6により説明する。
クリアホルダーなどの書類Aの場合であり、前記実施例と同様に、少なくとも表紙1及び裏表紙2からなる書類Aにおいて、該裏表紙2の表紙1との連結部3側の中央部4に、連結部3を折り代とする山形の矩形の切取り部5を形成させたことを特徴とするファイリング書類Aである。
上記切取り部5には、バインダー等に綴じるための綴じ孔6が二箇所に、中央部4の中央から上下に41mmの位置を中心に8mmの綴じ孔6が形成されている。
また、30穴のバインダーにも対応するように、該綴じ孔6・6間に8個の小孔7を形成することにより、30穴バインダーに対応させることも同様に可能である。
【0016】
本発明の書類Aは、社内報や拡販用カタログなどの冊子、薄手の読み物などの重量がさほどないものに供することが最良である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
綴じ代8となるとなる山形突出長さは孔6の強度に関係するが、書類の厚みに応じて設計されるが15mm〜20mmほど突出させることが望ましい。
また、孔6は30穴用の孔7よりも大きく形成することにより、30穴用のバインダーの寸法誤差吸収を可能とする。
なお、本明細書において特に言及している事項(例えばリクアホルダー)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば社内報等)は、当該分野における当業者の設計事項として変更可能であり、発明を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、拡販や社内認知、業界認知などに使用される冊子などの書類の内、関係する情報として保存しようとする時に極めて有効であり、またその作成のためのコストも極めて僅かであるなどその利用価値はきわめて大きい。
本実施例においては裏表紙に綴じ代を形成する場合について詳述したが右開きや左開き等によって、表紙に綴じ代を形成しても本発明の技術的範囲にぞくするものであり、任意に実施し得るものである。
【0019】
以上説明したように本発明は、本来使用の後、保存情報としてとじこむことが可能となるばかりでなく書類の内容デザインに制約がなく孔開けによる文字やデザインの欠落もない短期保存書類の提供が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 本発明の実施例を示す印刷物の背面図を示す斜視図である。
【図2】 図1の正面よりの斜視図である。
【図3】 図1の使用状態を示す背面よりの斜視図である。
【図4】 図1の使用状態を示す正面よりの斜視図である。
【図5】 本発明の他の実施例を示す一部開閉した状態の上方よりの背面図である。
【図6】 図5の正面からの斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
A ファイリング書類
1 表紙
2 裏表紙
3 連結部
4 中央部
5 切取り部
6 綴じ孔
7 小孔
8 綴じ代

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表紙及び裏表紙からなる書類において、該裏表紙の表紙との連結部側の中央部に、連結部を折り代とする山型の矩形の切取り部を形成させ、該切取り部に綴じ込むための孔を形成することにより綴じ代を形成したことを特徴とするファイリング書類。
【請求項2】
書類がクリアホルダーである事を特徴とする請求項1記載のファイリング書類。
【請求項3】
書類が印刷物であることを特徴とする請求項1記載のファイリング書類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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