説明

ファイルノート

【課題】 大判の書類を収納できてコンパクトで嵩張らず、しかも複数のファイルを重ねてノートにできるようにしたファイルノートを提供する。
【解決手段】 収納すべき用紙の1/2のサイズのファイルノートにおいて、表表紙(10)及び裏表紙(11)と、表表紙の一側縁部及び裏表紙の一側縁部のうちの一方に固着され、他方に取外し可能に取付けられ、表表紙と裏表紙とを連続させる背表紙(12)と、透明又は半透明のファイル(16)は一側縁が開口された袋状をなし、複数のファイルが相互に重ねられ、隣接するファイルの開口(16A)外縁部が相互に固着され、表表紙側及び裏表紙側のファイルの開口外縁部が表表紙の一側縁部及び裏表紙の一側縁部に固着され、用紙(20)が取外された背表紙及びファイルの開口を介して隣接する2つのファイルにわたって差込み可能であるファイル頁と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファイルノートに関し、特に大判の書類を収納できてコンパクトで嵩張らず、しかも複数のファイルを重ねてノートにできるようにしたファイルノートに関する。
【背景技術】
【0002】
A3判など大判の書類を携帯しあるいは保管する場合にA3判の1/2サイズであるA4判のファイルを用いると、A3判の書類を2つに折り畳んでA4判ファイルに収納する必要があり、書類の中央に折り目ができ、長期間折り畳んだままにしておくと、折り目の箇所の文字や線が消えてしまうことがあった。さらには、A3判の書類全体を見たい場合にはファイルの表と裏を頻繁にひっくり返す必要があって煩わしい。
【0003】
これに対し、A3判のファイルの上辺の差込み口からA3判の書類を差し込み、A3判のファイルをA4判サイズに中央で丸みをもたせて折り曲げるようにしたファイルが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−201831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、特許文献1記載のファイルではファイルを開くとA3判の書類全体を見ることができ、ファイルの表と裏を頻繁にひっくり返す必要がなく、煩わしさはないものの、中央の丸みが大きいので、嵩張ってしまい、複数のファイルを重ねてノートにすることができない。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑み、大判の書類を収納できてコンパクトで嵩張らず、しかも複数のファイルを重ねてノートにできるようにしたファイルノートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るファイルノートは、収納すべき用紙の1/2のサイズのファイルノートにおいて、表表紙及び裏表紙と、該表表紙の一側縁部及び裏表紙の一側縁部のうちの一方に固着され、他方に取外し可能に取付けられ、上記表表紙と裏表紙とを連続させる背表紙と、透明又は半透明のファイルは一側縁が開口された袋状をなし、複数のファイルが相互に重ねられ、隣接するファイルの開口外縁部が相互に固着され、上記表表紙側のファイル及び裏表紙側のファイルの開口外縁部が上記表表紙の一側縁部及び裏表紙の一側縁部に固着されており、上記用紙が上記取外された背表紙及びファイルの開口を介して隣接する2つのファイルにわたって差込み可能であるファイル頁と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の特徴の1つは収納すべき用紙の1/2のサイズのファイルの一側縁を開口させ、複数のファイルを重ね、隣接する開口外縁部を固着するとともに、最外側ファイルの開口外縁部を表裏の表紙の一側縁部に固着する一方、背表紙を表表紙又は裏表紙に対して取外し可能とした点にある。
【0009】
これにより、背表紙を取外し、取外した背表紙及び開口から用紙を差し入れて隣接する2つのファイルにわたって差し込めることができ、大判の用紙を2つに折り畳むことなくファイルに収納でき、嵩張らず、携帯や保管に便利である。
【0010】
また、2つのファイルを開くと、大判の用紙全体を見ることができ、ファイルの表と裏をひっくり返す必要がなく、使用の煩わしさがない。
【0011】
ファイルノートは用紙の1/2サイズであればよく、特に形状は限定されないが、市販の用紙の形状を考慮すると、A3判、A4判、B4判、B5判などの規格サイズの用紙の1/2のサイズの矩形状を採用するのがよい。
【0012】
ここで、背表紙はファスナー(面ファスナーや線状ファスナー)又はボタンによって表表紙又は裏表紙のうちの一方の一側縁部に取外し可能に取付けることができる。
【0013】
また、ファイルの一側縁を開口させたが、他側縁を開口させると、背表紙を取外すことなく、用紙を他側縁の開口から、一側縁の開口を介して隣接する2つのファイルにわたって差し込むことができ、便利である。
【0014】
本発明によれば、収納すべき用紙の1/2のサイズのファイルノートにおいて、表表紙及び裏表紙と、上記表表紙と裏表紙とを連続させる背表紙と、透明又は半透明のファイルは対向する一側縁及び他側縁が開口され、複数のファイルが相互に重ねられ、隣接するファイルの一側縁の開口外縁部が相互に固着され、上記表表紙側のファイルの一側縁の開口外縁部及び裏表紙側のファイルの一側縁の開口外縁部が上記表表紙の一側縁部及び裏表紙の一側縁部に固着されており、上記用紙がファイルの他側縁の開口から一側縁の開口を介して隣接する2つのファイルにわたって差込み可能であるファイル頁と、を備えたことを特徴とするファイルノートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るファイルノートの好ましい実施形態を示す全体概略斜視図である。
【図2】上記実施形態における使用方法の1例を示す斜視図である。
【図3】使用方法の他の例を示す斜視図である。
【図4】第2の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3は本発明に係るファイルノートの好ましい実施形態を示す。本例のファイルノートは例えばA4判の矩形状をなし、表表紙10、裏表紙11、背表紙12及びファイル頁15から構成され、表表紙10の一側縁部には背表紙12の一側縁部が接着剤、糊、ヒートシールなどによって固着され、背表紙12の他側縁部は雌雄の面ファスナー(フック&ループファスナー)13、14によって取外し可能に取付けられ、表表紙10と裏表紙11とは背表紙12によって連続されている。
【0017】
ファイル頁15は複数枚の透明(又は半透明)ファイル16を重ねて構成され、ファイル16の対向する一側縁及び他側縁は用紙20の差込み口(開口)16A、16Bが開設されている。
【0018】
複数のファイル16のうち、隣接するファイル16の一側縁の差込み口16A外縁部は相互に接着剤、糊、ヒートシールなどによって固着され、複数のファイル16のうち、表表紙10側及び裏表紙11側のファイル16の一側縁の差込み口16A外縁部は表表紙10の一側縁部及び裏表紙11の一側縁部に接着剤、糊、ヒートシールなどによって固着されている。
【0019】
例えば、A3判の用紙20をファイルノートに収納する場合、図2に示されるように、背表紙12を裏表紙11から外して開く。すると、ファイル頁15の複数のファイル16の差込み口16Aが露出するので、用紙20の一方の側縁を隣接する2つのファイル16のうち、一方のファイル16の差込み口16Aに差し込むとともに、用紙20の他方の側縁を隣接する他方のファイル16の差込み口16Aに差し込み、用紙20を2つのファイル16にわたって差し込むことができると、背表紙12を裏表紙11に取り付ければ、元のファイルノートに戻すことができる。
【0020】
この状態ではA3判の用紙20をA4判のファイルノートに収納でき、嵩張らず、携帯や保管に便利である。
【0021】
また、2つの隣接するファイル16を開くと、A3判の用紙20の全体を見ることができ、ファイル16の表と裏をひっくり返す必要がないので、使用の煩わしさがない。
【0022】
また、図3に示されるように、隣接する2つのファイル16のうち、一方のファイル16の他側縁の差込み口16Bに用紙20の側縁を差込み、一側縁の差込み口16Aから突き出させ、折り返して隣接する2つのファイル16のうち、他方のファイル16の一側縁の差込み口16Aに差込み、他側縁の差込み口16Bに向けて挿通させると、用紙20を隣接する2つのファイル16にわたって差し込むことができる。
【0023】
このとき、背表紙12を裏表紙12から取外すと、用紙20の側縁を他方のファイル16の一側縁の差込み口16Aに差込み、他側縁の差込み口16Bに向けて挿通させるときに作業がしやすい。
【0024】
また、背表紙12を脱着することなく、用紙20の側縁を他方のファイル16の一側縁の差込み口16Aに差込み、他側縁の差込み口16Bに向けて挿通させることもできる。この作業方法が採用できる場合には背表紙12を裏表紙11に取外し可能に構成する必要はない。
【0025】
背表紙12は雌雄の面ファスナー13、14ではなく、線状のファスナーやボタンによって取外し可能に取付けるようにしてもよい。
【0026】
図4は第2の実施形態を示す。図において、図1ないし図3と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例ではファイル10の他側縁は閉鎖されて差込み口10Bは形成されていいない。このように、ファイル10は一側縁の差込み口10Aのみを形成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0027】
10 表表紙
11 裏表紙
12 背表紙
13、14 面ファスナー
15 ファイル頁
16 ファイル
16A、16B 差込み口(開口)
20 用紙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納すべき用紙の1/2のサイズのファイルノートにおいて、
表表紙及び裏表紙と、
該表表紙の一側縁部及び裏表紙の一側縁部のうちの一方に固着され、他方に取外し可能に取付けられ、上記表表紙と裏表紙とを連続させる背表紙と、
透明又は半透明のファイルは一側縁が開口された袋状をなし、複数のファイルが相互に重ねられ、隣接するファイルの開口外縁部が相互に固着され、上記表表紙側のファイル及び裏表紙側のファイルの開口外縁部が上記表表紙の一側縁部及び裏表紙の一側縁部に固着されており、上記用紙が上記取外された背表紙及びファイルの開口を介して隣接する2つのファイルにわたって差込み可能であるファイル頁と、
を備えたことを特徴とするファイルノート。
【請求項2】
上記背表紙はファスナー又はボタンによって上記表表紙又は裏表紙のうちの一方の一側縁部に取外し可能に取付けられている請求項1記載のファイルノート。
【請求項3】
上記ファイル頁は複数の各ファイルの他側縁が開口され、上記用紙が上記他側縁の開口から上記一側縁の開口を介して隣接する2つのファイルにわたって差込み可能である請求項1記載のファイルノート。
【請求項4】
収納すべき用紙の1/2のサイズのファイルノートにおいて、
表表紙及び裏表紙と、
上記表表紙と裏表紙とを連続させる背表紙と、
透明又は半透明のファイルは対向する一側縁及び他側縁が開口され、複数のファイルが相互に重ねられ、隣接するファイルの一側縁の開口外縁部が相互に固着され、上記表表紙側のファイルの一側縁の開口外縁部及び裏表紙側のファイルの一側縁の開口外縁部が上記表表紙の一側縁部及び裏表紙の一側縁部に固着されており、上記用紙がファイルの他側縁の開口から一側縁の開口を介して隣接する2つのファイルにわたって差込み可能であるファイル頁と、
を備えたことを特徴とするファイルノート。
【請求項5】
上記表表紙、裏表紙及びファイル頁が、規格サイズの用紙の1/2のサイズの矩形状をなしている請求項1又は4記載のファイルノート。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−86344(P2013−86344A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228518(P2011−228518)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(504433009)
【Fターム(参考)】