説明

ファイル

【課題】 書類等を収納するためのファイルを多穴型ファイルに綴じこめるようにするとともに、多穴型ファイルに綴じ込んだ状態および綴じこまない状態で使用する場合にも不便をきさないファイルを提供すること。
【解決手段】 互いに隣接する2辺が閉塞され、他の辺が開放されて形成された書類等を収納するファイルにおいて、前記ファイル本体1の1または複数の面における開放された辺に沿って、切断容易部3を形成し、ファイル本体1の1または複数の面に当該切断容易部3に対応する1または複数個の綴孔を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にクリアファイルと称されるファイルを含む、書類等を収納するためのファイルのうち、多穴型ファイルに綴じこむことができるファイルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から書類等を収納するファイルには、ファイル本体の全ての面について、各面の一の側辺部の同一の位置に綴孔を設けているものや、ファイル本体とは別体の綴孔が設けられた突出部を取り付けるファイル(例えば、特許文献1等)は存在する。また、このようなファイルは、収納や利便性の観点から、企業等のノベルティ商品として多く配布される。
【特許文献1】特開2008−132645
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ファイル本体の全ての面の同一の位置に綴孔が設けられていると、多穴型ファイルに綴じる場合、全ての面の綴孔を多穴型ファイルの綴具に通すことになるため、綴孔側の側辺部が多穴型ファイルの綴具によって閉塞され、開口部の範囲が狭くなってファイルに収納された書類が取り出しにくくなる。
また、特許文献1に係る発明は、ファイル本体とは別体の綴孔が設けられた突出部を取り付けるファイルであるため、突出部を取り付けたままの状態では持ち運び等の際に邪魔になり、多穴型ファイルに綴じこむ必要が無いときは当該突出部を外しておく必要があり、さらに、このファイル本体から外された当該突出部は、再度多穴型ファイルに綴じこむ時のために、当該突出部を別途保管しておく必要があり、不便である。
【0004】
そこで、本発明は上記課題を解決するために、一般にクリアファイルと称されるファイルを含む、書類等を収納するためのファイルを多穴型ファイルに綴じこむことができるようにするとともに、多穴型ファイルに綴じ込んだ状態および綴じこまない状態で使用する場合にも不便をきさないようなファイルの提供、及びノベルティ商品等として配布されたファイルを一時的な書類等の保存に止まらず、多穴型ファイルへの保存および整理といった二次的な利用を可能にし、有効的に利用できるファイルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の書類等を収納するファイルは、互いに隣接する2辺が閉塞され、他の辺が開放されて形成された書類等を収納するファイルにおいて、前記ファイル本体の1または複数の面における開放された辺に沿って、切断容易部を形成し、ファイル本体の1または複数の面に当該切断容易部に対応する1または複数個の綴孔を設けたことを特徴とする。
【0006】
本発明によればファイル本体の1または複数の面における開放された辺に沿って、切断容易部を形成し、ファイル本体の1または複数の面に当該切断容易部に対応する1または複数個の綴孔を設けたので、書類等の一時的な保存や書類等の持ち運びいった多穴型ファイルに綴じこまずに使用する場合には、当該切断容易部をファイル本体から切り離さずに利用し、多穴型ファイルに綴じこむ必要が生じた場合には当該切断容易部をファイル本体から切り離し、綴孔を露出させて多穴型ファイルの綴具に通して使用することができる。
多穴型ファイルに綴じこまずに使用する場合には、当該切断容易部をファイル本体から切り離さずに利用することで、ファイル本体に余計な段差ができないため、収納する書類等の隅をファイル本体の段差に引っ掛けて折り曲げてしまうことがない。
なお、当該切断容易部はハーフカット等の処理により、容易に切り離せるように形成されている。
【0007】
さらに、当該綴孔は、予め任意の形状にハーフカットやミシン目等の処理をし、綴孔容易切り抜き部を形成しておき、多穴型ファイルへの綴じこみが必要となったときに使用者が綴孔容易切り抜き部を切り抜けるように形成しておくことも可能である。
このように、予め当該綴孔を任意の形状にハーフカットやミシン目等の処理をした場合には、多穴型ファイルに綴じこむ必要が生じる前は、当該綴孔を閉じて使用することができるため、収納する書類等の隅を綴孔に引っ掛けて折り曲げてしまうこともなく、多穴型ファイルに綴じこむ必要が生じた場合には、容易に綴孔を形成することができる。
【0008】
また、ファイル本体の製造方法としては、長尺状のシートを折り合わせて加工する方法と、複数枚のシートを重合して加工する方法とがある。
【0009】
本発明において、ファイル本体の素材としては、種々の素材を用いることが可能であるが、具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテフタレート(PET)等の合成樹脂製シートが挙げられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の書類等を収納するファイルによれば、書類等の一時的な保存や書類等の持ち運びといった多穴型ファイルに綴じこまずに使用する場合には、当該切断容易部をファイル本体から切り離さずに利用し、多穴型ファイルに綴じこむ必要が生じた場合には当該切断容易部をファイル本体から切り離し、綴孔を露出させて多穴型ファイルの綴具に通して使用することができ、多穴型ファイルに綴じこんだ状態であっても、多穴型ファイルの綴具によってファイル本体の綴孔側の側辺部が閉塞されないため、収納した書類等の出し入れが容易にすることができる。
【0011】
よって、本発明の書類等を収納するファイルによれば、ファイル本体に付属品を付加することなく、多穴型ファイルへの綴じ込みが可能となるため、別途付属品を購入したり、保管したりしておく手間がかからない。
さらに、付属品による厚さがファイル本体に加わることも無いため、より多くのファイルを多穴型ファイルに綴じこむことができる。
【0012】
また、綴孔容易切抜き部により多穴型ファイルに綴じこむ必要が生じた際に、綴孔を形成する場合には、綴孔に書類等の角を綴孔に引っ掛けて折り曲げてしまうことがなく、書類等の保存をすることができ、一度多穴型ファイルに綴じこんだファイルであっても、必要に応じて、多穴型ファイルから取り出し、そのまま持ち運ぶことが可能である。
そして、本発明の書類等を収納するファイルが、ノベルティ商品等として配布された場合であっても、一時的な書類の保存に加え、多穴型ファイルへの綴じこみを可能にすることによって、ノベルティ商品等として配布されたファイルを有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る書類等を収納するファイルを示す斜視図(以下、「第一実施形態」という)である。
【0014】
図1に示す第一実施形態では、ファイル本体1は、1枚のシートを折り曲げて加工されており、ファイル本体1の面に切断容易部2を、ファイル本体1の開放された側辺に沿って、当該開放された辺の上端から閉塞部4aの上端までの範囲に形成し、ファイル本体1の1の面に当該切断容易部2に対応する複数個の綴孔容易切り抜き部3が設けられている。
また、シートを折り曲げることによってファイル本体1の背部分となる閉塞部4aと、折り曲げられたシート同士を溶着することによりファイル本体1の下辺部となる閉塞部4bとを設けることによって、他の辺を開放させて書類等を出し入れする開口部5を設けたものである。
【0015】
ファイル本体1は、例えば、全体が樹脂製シートにより形成されており、切断容易部2および綴孔容易切り抜き部3は、ハーフカットまたはミシン目等の処理により区画されており、多穴型ファイルへの綴じこみが必要になった場合には、当該切断容易部2をファイル本体1から切り離し、綴孔容易切り抜き部3を切り抜き、綴孔を露出させることで、多穴型ファイルへの綴じこみが可能となる。
また、ファイル本体1の面に切断容易部2を、ファイル本体1の開放された側辺に沿って、当該開放された側辺部上端から閉塞部4aの上端までの範囲に形成することによって、多穴型ファイルに綴じこんだ後であっても、ファイル本体1に収納された書類等を容易に取り出すことができる。
なお、前記閉塞部4bは溶着のほか、熱圧着してもよい。
【0016】
図2は、本発明の実施の形態に係る書類等を収納するファイルを示す斜視図(以下、「第二実施形態」という)である。
【0017】
図2に示す第二実施形態では、ファイル本体1は、2枚のシート1aと1bとを重合して加工されており、ファイル本体1のシート1aの面に、ファイル本体1の開放された側辺に沿って、半月状の切断容易部2を形成し、ファイル本体1のシート1bの面に前記切断容易部2に対応する複数個の綴孔容易切り抜き部3が設けられている。
なお、ファイル本体1の背部分となる閉塞部4cと下辺部分となる閉塞部4bとを、重合された2枚のシート1aと1bの側縁を溶着することにより設け、他の辺を開放させて書類等を出し入れする開口部5を設けたものである。
また、ファイル本体1のシート1aの面に、ファイル本体1の開放された側辺に沿って、半月状の切断容易部2を形成することによって、ファイル本体1に収納された書類が露出する面積が狭くなり、ファイル本体1から書類等が落ちにくくすることができる。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態に係る書類等を収納するファイルを示す斜視図(以下、「第三実施形態」という)である。
【0019】
図3に示す第三実施形態では、ファイル本体1は、3枚のシート1aと1bと1cとを重合して加工されており、ファイル本体1のシート1aと1cの2つの面に切断容易部2を形成し、ファイル本体1のシート1bの面に当該切断容易部2に対応する複数個の綴孔容易切り抜き部3が設けられている。
また、ファイル本体1の背部分となる閉塞部4cと下辺部分となる閉塞部4bを、重合された3枚のシート1aと1bと1cとを溶着することにより設け、他の辺を開放させて書類等を出し入れする開口部5を設けたものである。
【0020】
このように3枚以上のシートを重合することによって、ファイル内に仕切りができ、書類を仕分けして保存することが可能になる。
【0021】
なお、重合するシートの枚数は図2〜図3に示す実施の形態に限られないものとし、綴孔および綴孔容易切り抜き部の個数および形状は図1〜図3に示す実施の形態に限られるものではない。
さらに、ファイル本体の形状は図1〜図3の形状に限られないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一実施形態を示す図である。
【図2】本発明の第二実施形態を示す図である。
【図3】本発明の第三実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
1 ファイル本体
2 切断容易部
3 綴孔容易切り抜き部
5 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接する2辺が閉塞され、他の辺が開放されて形成された書類等を収納するファイルにおいて、前記ファイル本体の1または複数の面における開放された辺に沿って、切断容易部を形成し、ファイル本体の1または複数の面に当該切断容易部に対応する1または複数個の綴孔を設けることを特徴とするファイル。
【請求項2】
前記切断容易部がハーフカット処理によって区画されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のファイル。
【請求項3】
前記切断容易部がミシン目処理によって区画されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のファイル。
【請求項4】
前記1または複数個の綴孔が容易に形成できる綴孔容易切り抜き部により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1に記載のファイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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