説明

ファクシミリ装置

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、一つの送りローラーの回転軸にほぼ線対称位置に配される読取ユニットおよび記録ユニットそれぞれの対向壁面が前記送りローラーに原稿および記録紙のそれぞれを押接しつつ送り出すファクシミリ装置に関する。
〔従来の技術〕
従来のこの種のファクシミリ装置は、一つの送りローラーに読取ユニットおよび記録スニットが押接されるうえ、送りローラーはゴムローラーのように摩擦係数を大きくして原稿または記録紙の送り出しに便をはかっている。
送りローラーの表面が読取ユニットまたは記録ユニットの表面に直接接して損傷を生じることを避け、送信時・受信時・複写時それぞれの条件で読取ユニットおよび記録ユニットを送りローラーから自動的に遊離させている。
記録紙にロール形を使用する場合、記録終了時に記録部分は裁断ユニットの外側まで送り出されたのち裁断されるが、送りローラーに密着する読取ユニットのため送りローラーの回転動作は極力防止されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のように、従来のファクシミリ装置は、一つの送りローラーに密着して原稿または記録紙を送出するとき、不要な送りを避けるため読取ユニットおよび記録ユニットの不要部を送りローラーから自動的に遊離させるが、ロール形記録紙に対しては記録終了時に記録部分を裁断ユニットの外側まで送るだけで、機能発揮外の機構は有しないので、記録ユニットから裁断ユニットまでの記録紙が無駄になるという問題点があった。
本発明の目的は、送りローラーから読取ユニットが離れていることを検出して送りローラーを所定量逆転させることにより、上記問題点を解決したファクシミリ装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によるファクシミリ装置は、一つの送りローラーの回転軸にほぼ線対称位置に配される読取ユニットおよび記録ユニットそれぞれの対向壁面が前記送りローラーに原稿および記録紙のそれぞれを押接しつつ移送するファクシミリ装置において、前記読取ユニットを前記送りローラーから離す手段を有し且つ前記読取ユニットが前記送りローラーから離れた受信状態を検出する検出部と、前記記録紙を裁断する裁断ユニットと、受信状態であって前記読取ユニットが前記送りローラーから離れていて且つ前記記録紙が前記裁断ユニットにより裁断された際に前記送りローラーを所定量逆転させる制御部とを有する。
〔作用〕
上述の手段による本発明のファクシミリ装置は、受信状態で送りローラーから読取ユニットが離れているとき、記録紙の先端を裁断ユニット位置から送りローラーの逆回転により記録ユニットの記録位置まで戻し無駄な余白を排除できる。
〔実施例〕
次に、本発明のファクシミリ装置について図面を参照して説明する。
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図である。第1図において、ファクシミリ装置は送りローラー1,読取ユニット2,記録ユニット3,裁断ユニット4,制御部5,および検出部6を有し、記録紙7が送りローラー1と記録ユニット3とに挟まれ、裁断ユニット4を通過する。
送りローラー1は制御部5の制御により回転する。読取ユニット2は送信および複写のとき送りローラー1に押接して原稿を挟み、送りローラー1の回転により移動する画面を読取って電気信号に変換する。記録ユニット3は受信および複写のとき送りローラー1に押接して記録紙を挟み、送りローラー1の回転により移動する記録紙上に電気信号による画像を記録する。裁断ユニット4は記録した記録紙を排出できるよう裁断してロール形記録紙から切離す。
制御部5は原稿の読み取りおよび記録紙への記録に際して送りローラー1を正回転させる。記録終了時には、制御部5は記録紙7の記録部分が裁断ユニット4の外側に達するまで記録紙7を移送するよう、送りローラー1を回転させる。また、検出部6が読取ユニット2が送りローラー1から遊離したことを検出して受信状態にある通知を受信し、且つ制御部5が記録済みの記録紙7を裁断ユニット4で裁断したとき、両者の条件が重なったときに制御部5は送りローラー1を逆回転させ、裁断ユニット4で裁断された記録紙7の先端を、記録ユニット3と送りローラー1との接触部、すなわち記録部まで移動させる。
次に、第2図を参照して、検出部6について説明する。第2図(A)は検出部の一例を示す構成図である。検出部は検出器61と開放接点62とを有する。検出器61は開放接点62の閉成を検出する。開放接点62はカム8がR方向に回転し、読取ユニット2が送りローラー1から離れたとき、読取ユニット2の移動により電気回路を閉成する。
第2図(B)は検出部の別の一例を示す構成図である。第2図(B)も検出部は検出器61および開放接点63を有する。開放接点63は読取ユニット2を移動させるカム8の回転から受信装置、すなわち読取ユニット2を送りローラー1から遊離させた位置により電気回路を閉成する。
上記実施例では検出部が開放接点による電気回路の閉成を制御部に出力するとして図示し説明したが、検出手段は上記説明で限定されるものではない。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明のファクシミリ装置によれば、読取ユニットが送りローラーから離れていることを検出し且つ記録紙が裁断されたと通知されたとき、制御部が送りローラーを逆転させて記録紙が裁断された先端を記録ユニットの記録位置まで移動するように構成されているので、読取ユニットの読取面を送りローラーにより損傷されることなく裁断された先端を裁断ユニットから記録ユニットに移動させ、記録紙の無駄となる余白を排除できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のファクシミリ装置の一実施例を示すブロック図、第2図(A)・(B)は第1図の検出部の二つの実施例を示す構成図である。
1……送りローラー、2……読取ユニット、
3……記録ユニット、4……裁断ユニット、
5……制御部、6……検出部、7……記録紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】一つの送りローラーの回転軸にほぼ線対称位置に配される読取ユニットおよび記録ユニットそれぞれの対向壁面が前記送りローラーに原稿および記録紙のそれぞれを押接しつつ移送するファクシミリ装置において、前記読取ユニットを前記送りローラーから離す手段を有し且つ前記読取ユニットが前記送りローラーから離れた受信状態を検出する検出部と、前記記録紙を裁断する裁断ユニットと、受信状態であって前記読取ユニットが前記送りローラーから離れていて且つ前記記録紙が前記裁断ユニットにより裁断された際に前記送りローラーを所定量逆転させる制御部とを有することを特徴とするファクシミリ装置。

【第1図】
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【第2図】
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【特許番号】第2513042号
【登録日】平成8年(1996)4月30日
【発行日】平成8年(1996)7月3日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平1−261320
【出願日】平成1年(1989)10月6日
【公開番号】特開平3−124651
【公開日】平成3年(1991)5月28日
【出願人】(999999999)日本電気株式会社
【参考文献】
【文献】実開昭55−4423(JP,U)