説明

ファン失効アラーム回路

【課題】本発明は、ファン失効アラーム回路を提供する。
【解決手段】本発明の回路は、ファンからのパルス信号を直流電圧に変換する直流変換回路と、第一端は直流変換回路に接続され、第二端は接地し、第三端は電源に接続され、第一端が直流電圧を受け取るとターンオンされる第一電子スイッチと、第一端は第一電子スイッチの第三端に接続され、第二端は接地し、第三端は電源に接続され、第一電子スイッチが導通される場合にターンオフされる第二電子スイッチと、パワーピン及びリセットピンは、第二電子スイッチの第二端に接続され、トリガーピン及び閾値ピンは、順次第一、第二レジスターを介して第二電子スイッチの第二端に接続され且つ第一キャパシターを介して接地し、放電ピンは、第一、第二レジスターの間のノードに接続されるクロックチップと、陽極はクロックチップの出力ピンに接続され、陰極は接地する発光ダイオードと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン失効アラーム回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピューターシステムの集積量が徐々に多くなるにつれ、その内部のCPU、ディスプレイカード及び他の電子素子の発熱量も増加するので、この発熱量を即時に効果的に放熱するために、コンピューターの内部にファンを設置して放熱する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、コンピューターの内部に設置したファンが失効すると、熱量を即時に効果的に放熱することができなく、コンピューターは過熱によって故障が発生し、さらに損傷する可能性もある。
【0004】
本発明の目的は、前記課題を解決し、ファン失効アラーム回路を提供して、もしファンが失効した場合、ユーザーに新しいファンを取り替えるように注意を促すことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るファン失効アラーム回路は、直流変換回路、第一電子スイッチ、第二電子スイッチ、クロックチップ及び発光ダイオードを備え、前記直流変換回路の入力端は、ファンの回転速度信号ピンに接続されて、ファンが作動する場合、ファンの回転速度信号ピンから出力するパルス信号を直流電圧に変換し、前記第一電子スイッチの第一端は、前記直流変換回路の出力端に接続され、第一電子スイッチの第二端は接地し、第一電子スイッチの第三端は、電源に接続され、前記第一電子スイッチは、その第一端が前記直流変換回路からの直流電圧を受け取るとターンオンされ、前記第二電子スイッチの第一端が前記第一電子スイッチの第三端に接続され、前記第二電子スイッチの第二端が接地し、前記第二電子スイッチの第三端が電源に接続され、前記第一電子スイッチがターンオンされる場合、前記第二電子スイッチはターンオフされ、前記クロックチップのパワーピン及びリセットピンは、前記第二電子スイッチの第二端に接続され、前記クロックチップのトリガーピン及び閾値ピンは、順次に第一レジスター及び第二レジスターを介して前記第二電子スイッチの第二端に接続され、前記クロックチップのトリガーピン及び閾値ピンは、さらに第一キャパシターを介して接地し、前記クロックチップの放電ピンは、前記第一レジスターと前記第二レジスターとの間のノードに接続され、前記発光ダイオードの陽極は、前記クロックチップの出力ピンに接続され、前記発光ダイオードの陰極は接地する。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術に比べて、本発明のファン失効アラーム回路は、ファンが作動する場合、ファンの回転速度信号ピンはパルス信号を出力し、ファンが作動しない場合、ファンの回転速度信号ピンがパルス信号を出力しないという特性を利用し、さらにクロックチップの特性によって、ファンが回転を停止する場合、発光ダイオードの点滅によって、ファンが故障したことをユーザーに注意喚起して、ユーザーが即時にファンを修理するか又は新しいファンを取り替えるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係るファン失効アラーム回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るファン失効アラーム回路は、ファン1に接続される。前記ファン1は、第一電源+12Vに接続されるパワーピンVCCと、接地する接地ピンGNDと、前記ファン失効アラーム回路に接続される回転速度信号ピンTachを備える。
【0010】
本発明の実施形態に係るファン失効アラーム回路は、ダイオードD1と、電界効果トランジスターQ1及びQ2と、トランジスターQ3と、クロックチップU1と、発光ダイオードD2と、ブザーBと、を備える。
【0011】
前記ダイオードD1の陽極は、前記回転速度信号ピンTachに接続され、前記ダイオードD1の陰極は、順次レジスターR1、R2及びR3を介して電界効果トランジスターQ1のゲートに接続される。前記レジスターR1と前記レジスターR2との間のノードは、キャパシターC1を介して接地し、前記レジスターR2と前記レジスターR3との間のノードは、キャパシターC2を介して接地し、前記レジスターR3と前記電界効果トランジスターQ1のゲートとの間のノードは、レジスターR4を介して接地する。
【0012】
前記電界効果トランジスターQ1のソースは接地し、前記電界効果トランジスターQ1のドレインは、レジスターR5を介して前記第一電源+12Vに接続され、前記電界効果トランジスターQ1のドレインは、さらに前記電界効果トランジスターQ2のゲートに接続される。前記電界効果トランジスターQ2のソースは、キャパシターC3を介して接地し、前記電界効果トランジスターQ2のドレインは、レジスターR6を介して第二電源+5Vに接続される。
【0013】
前記電界効果トランジスターQ2のソースは、さらに前記クロックチップU1のパワーピンVCC及びリセットピンRESETに接続される。前記クロックチップU1のトリガーピンTRIG及び閾値ピンTHRESは、全てレジスターR7及びR8を介して前記電界効果トランジスターQ2のソースに接続され、さらにキャパシターC4を介して接地する。前記クロックチップU1の制御ピンCONTは、キャパシターC5を介して接地する。前記クロックチップU1の放電ピンDISCHは、前記レジスターR7と前記レジスターR8との間のノードに接続される。前記クロックチップU1の接地ピンGNDは接地する。前記クロックチップU1の出力ピンOUTは、レジスターR9を介して前記発光ダイオードD2の陽極に接続される。前記発光ダイオードD2の陰極は、前記トランジスターQ3のベースに接続される。前記トランジスターQ3のエミッタは接地し、前記トランジスターQ3のコレクタは、前記ブザーBの負極に接続される。前記ブザーBの正極は、レジスターR10を介して前記第二電源+5Vに接続される。
【0014】
以下、前記ファン失効アラーム回路の作動原理に対して説明する。
【0015】
前記ファン1が正常に作動する場合、前記回転速度信号ピンTachはパルス信号を出力し、前記パルス信号は、前記ダイオードD1によって整流され、前記レジスターR1によって限流されてから、前記レジスターR2及び前記キャパシターC2からなる直流変換回路2によって直流電圧に変換されて、前記電界効果トランジスターQ1のゲートが高レベル信号を受信して、即ち前記電界効果トランジスターQ1がターンオンされ、前記電界効果トランジスターQ2はターンオフされる。この時、前記クロックチップU1は作動電圧を受け取らないので作動できず、前記発光ダイオードD2及び前記ブザーBも作動しない。
【0016】
前記ファン1が作動しない場合、前記回転速度信号ピンTachはパルス信号を出力せず、前記電界効果トランジスターQ1のゲートは高レベル信号を受信しないので、前記電界効果トランジスターQ1はターンオフされ、前記電界効果トランジスターQ2がターンオンされる。この時、前記クロックチップU1は作動電圧を受け取って作動し、前記第二電源+5Vは、前記レジスターR8及びR7によって前記キャパシターC4に対して充電する。前記クロックチップU1の特性によって、前記クロックチップU1のトリガーピンTRIGの電圧(即ち前記キャパシターC4の電圧である)が前記パワーピンVCCの電圧の2/3になると、前記クロックチップU1内部のトリガーはリセットされて、前記クロックチップU1の出力ピンOUTは、低レベル信号を出力し、且つ前記クロックチップU1の放電ピンDISCHはターンオンされて、前記キャパシターC4は前記レジスターR7を介して放電する。前記キャパシターC4の電圧が前記パワーピンVCCの電圧の1/3になると、前記クロックチップU1内部のトリガーは再びリセットされて、前記クロックチップU1の出力ピンOUTは、高レベル信号を出力し、且つ前記クロックチップU1の放電ピンDISCHはターンオフされ、これは1つの周期である。このように繰り返して、前記クロックチップU1の出力ピンOUTは、周期的なパルス信号を出力する。
【0017】
前記クロックチップU1の出力ピンOUTが高レベル信号を出力する場合、前記発光ダイオードD2は発光し、前記トランジスターQ3はターンオンされて、前記ブザーBも作動する。前記クロックチップU1の出力ピンOUTが低レベル信号を出力する場合、前記発光ダイオードD2は発光せず、前記トランジスターQ3はターンオフされて、前記ブザーBも作動を停止する。このように繰り返して、前記発光ダイオードD2は点滅し、前記ブザーBは交互に音声を出して、ファンが故障したので新しいファンを取り替えるようにユーザーに注意を促す。前記発光ダイオードD2の点滅頻度及び前記ブザーBの発声頻度は、前記レジスターR7、R8の抵抗及び前記キャパシターC4のキャパシタンスの設定による。
【0018】
本発明において、前記発光ダイオードD2及び前記ブザーBによって、視覚及び聴覚の2つの方面からユーザーに注意を促すが、他の実施形態において、前記発光ダイオードD2及び前記ブザーBの中のいずれか一方を採用しても本発明の目的を実現することができ、さらに他の提示装置を採用してもよい。前記ダイオードD2だけを備える場合、前記トランジスターQ3及び前記ブザーBを省略することができ、前記発光ダイオードD2の陽極は、前記レジスターR9を介して前記クロックチップU1の出力ピンOUTに接続され、前記発光ダイオードD2の陰極は接地する。前記ブザーBだけを備える場合、前記トランジスターQ3のベースは、前記レジスターR9を介して前記クロックチップU1の出力ピンOUTに接続される。
【0019】
本発明のファン失効アラーム回路は、ファンが作動する場合、ファンの回転速度信号ピンはパルス信号を出力し、ファンが作動しない場合、ファンの回転速度信号ピンがパルス信号を出力しないという特性を利用し、さらにクロックチップの特性によって、ファンが回転を停止する場合、発光ダイオードの点滅及びブザーの交互的な音声出力によって、ファンが故障したことをユーザーに注意喚起して、ユーザーが即時にファンを修理するか又は新しいファンを取り替えるようにする。
【0020】
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【0021】
1 ファン
2 直流変換回路
B ブザー
C1〜C5 キャパシター
CONT 制御ピン
D1 ダイオード
D2 発光ダイオード
DISCH 放電ピン
GND 接地ピン
OUT 出力ピン
Q1〜Q2 電界効果トランジスター
Q3 トランジスター
R1〜R10 レジスター
RESET リセットピン
Tach 回転速度信号ピン
THRES 閾値ピン
TRIG トリガーピン
U1 クロックチップ
VCC 電圧ピン
+5V 第二電源
+12V 第一電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流変換回路、第一電子スイッチ、第二電子スイッチ、クロックチップ及び発光ダイオードを備えるファン失効アラーム回路であって、
前記直流変換回路の入力端は、ファンの回転速度信号ピンに接続されて、ファンが作動する場合、ファンの回転速度信号ピンから出力するパルス信号を直流電圧に変換し、
前記第一電子スイッチの第一端は、前記直流変換回路の出力端に接続され、第一電子スイッチの第二端は接地し、第一電子スイッチの第三端は、電源に接続され、前記第一電子スイッチは、その第一端が前記直流変換回路からの直流電圧を受け取るとターンオンされ、
前記第二電子スイッチの第一端が前記第一電子スイッチの第三端に接続され、前記第二電子スイッチの第二端が接地し、前記第二電子スイッチの第三端が電源に接続され、前記第一電子スイッチがターンオンされる場合、前記第二電子スイッチはターンオフされ、
前記クロックチップのパワーピン及びリセットピンは、前記第二電子スイッチの第二端に接続され、前記クロックチップのトリガーピン及び閾値ピンは、順次第一レジスター及び第二レジスターを介して前記第二電子スイッチの第二端に接続され、前記クロックチップのトリガーピン及び閾値ピンは、さらに第一キャパシターを介して接地し、前記クロックチップの放電ピンは、前記第一レジスターと前記第二レジスターとの間のノードに接続され、
前記発光ダイオードの陽極は、前記クロックチップの出力ピンに接続され、前記発光ダイオードの陰極は接地することを特徴とするファン失効アラーム回路。
【請求項2】
前記第一電子スイッチは電界効果トランジスターであり、前記第一電子スイッチの第一端、第二端及び第三端は、電界効果トランジスターのゲート、ソース及びドレインに対応することを特徴とする請求項1に記載のファン失効アラーム回路。
【請求項3】
前記第二電子スイッチは電界効果トランジスターであり、前記第二電子スイッチの第一端、第二端及び第三端は、電界効果トランジスターのゲート、ソース及びドレインに対応することを特徴とする請求項1に記載のファン失効アラーム回路。
【請求項4】
前記直流変換回路は、第三レジスター及び第二キャパシターを備え、前記第三レジスターの第一端は、前記直流変換回路の入力端として前記ファンの回転速度信号ピンに接続され、前記第三レジスターの第二端は、前記直流変換回路の出力端として前記第一電子スイッチの第一端に接続され、前記第三レジスターの第二端は、さらに前記第二キャパシターを介して接地することを特徴とする請求項1に記載のファン失効アラーム回路。
【請求項5】
前記ファン失効アラーム回路は、前記直流変換回路と前記ファンとの間に接続されるダイオード及び第四レジスターをさらに備え、前記ダイオードの陽極は、前記ファンの回転速度信号ピンに接続され、前記ダイオードの陰極は、前記第四レジスターを介して前記直流変換回路の入力端に接続されることを特徴とする請求項1に記載のファン失効アラーム回路。
【請求項6】
前記ファン失効アラーム回路は、第三電子スイッチ及びブザーをさらに備え、
前記第三電子スイッチの第一端は、前記発光ダイオードの陰極に接続され、前記第三電子スイッチの第二端は接地し、前記発光ダイオードがターンオンされると、前記第三電子スイッチはターンオンされ、
前記ブザーの陽極は、電源に接続され、前記ブザーの陰極は、前記第三電子スイッチの第三端に接続されることを特徴とする請求項1に記載のファン失効アラーム回路。
【請求項7】
前記第三電子スイッチはトランジスターであり、前記第三電子スイッチの第一端、第二端及び第三端は、トランジスターのベース、エミッタ及びコレクタに対応することを特徴とする請求項6に記載のファン失効アラーム回路。

【図1】
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【公開番号】特開2012−230669(P2012−230669A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−83674(P2012−83674)
【出願日】平成24年4月2日(2012.4.2)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)