説明

フアクシミリ装置

【目的】 受信により受信トレイ上に排出される記録紙の受信別の仕分けを容易にする。
【構成】 複数の給紙カセット(A4カセット,B4カセット)を備える場合に、B4カセットにA4カセットとは記録紙の幅方向にセット位置をずらしてA4記録紙をセットする。受信毎に、A4カセットとB4カセットから交互に給紙を行わせる。これにより、受信毎に受信トレイ上に記録紙が幅方向にずれて排出される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の給紙カセットを利用して受信により受信トレイ上に排出される記録紙の仕分けを容易とするファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ファクシミリ装置として、多段給紙カセット、通常はA4(レター),B4 (リーガル)サイズ用に2段の給紙カセットを備え、受信原稿サイズによって給紙カセットが切換わるようになっているものがある。記録後の記録紙は、1つの受信トレイ上に排出される。
【0003】ところで、ファクシミリ装置は、通常、複数の人が使用するため、受信トレイ上の記録紙が多いと、宛先人毎に仕分ける作業が必要となる。そこで、感熱記録方式のファクシミリ装置の場合、受信毎に記録紙の先端余白にマーキングをして仕分けを容易にする技術が提案されている。また、通常の複写機で複数部数のADFコピーでは、排紙トレイが給紙方向と直角に移動して、仕分けし易くするものが提供されている。さらに、複数の排紙トレイを用いてソートしたり、ステイプル止めして排紙する装置も提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感熱記録方式のファクシミリ装置では先端余白にマーキング可能であるが、電子写真方式のファクシミリ装置では先端余白が記録の非有効領域になり、マーキングが困難である。また、排紙トレイが給紙方向と直角方向に動く装置は、多少高価になるため、高級機では実現性があるが、普及機に対してはコスト的に障害となっている。
【0005】さらに、複数の排紙トレイやステイプル止め機構を有する装置では、装置が高価になり、装置サイズも大きくなってしまう。本発明は、このような従来の問題点に鑑み、記録方式によらない安価な構成で受信トレイ上に排出される記録紙を宛先人別に仕分けることを容易にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、複数の給紙カセットを有するファクシミリ装置に着目し、受信毎に異なる給紙カセットから給紙を行わせる給紙カセット自動切換手段を設ける構成としたものである。ここで、複数の給紙カセットは同一サイズの記録紙をその幅方向にセット位置を互いに異ならせてセットするものとするとよい。
【0007】
【作用】上記の構成においては、受信毎に異なる給紙カセットから給紙を行わせることにより、受信トレイ上には受信毎に異なる給紙カセットから給紙されて記録された記録紙が排出される。従って、各給紙カセットの記録紙のセット位置、サイズ、紙質、色等を異ならせておくことにより、受信毎の仕分けが容易となる。
【0008】特に、複数の給紙カセットを同一サイズの記録紙をその幅方向にセット位置を互いに異ならせてセットするものとして、記録紙のセット位置をその幅方向に異ならせておくことにより、受信毎に受信トレイ上に記録紙が幅方向にずれて排出されるため、仕分けが容易となる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1及び図2は多段給紙カセットを備えるファクシミリ装置の概略断面図及び外観斜視図であり、通常は、A4(レター),B4(リーガル)サイズ用に2段の給紙カセット1,2を備え、受信原稿サイズによって切換わるようになっている。
【0010】すなわち、給紙カセット1,2のそれぞれに対応して給紙ローラ3,4及びターンガイド5,6が設けられていて、受信原稿サイズによって給紙ローラ3又は4が選択的に作動することにより、給紙カセット1又は2内の記録紙が給紙されて、搬送ローラ7に至り、この搬送ローラ7により感光体ドラム8へ搬送される。そして、感光体ドラム8にてLEDアレー9やレーザユニットで帯電・露光により形成された静電潜像はトナーユニット10から供給されるトナーで現像され、転写ユニット11により記録紙に転写される。その後、感光体ドラム8は除電、クリーニングされる一方、記録紙は感光体ドラム8から分離されて定着器12に至りこの定着器12で熱定着され、排出ローラ13により本体上部の受信トレイ14上に排出される。尚、図中15は送信用の原稿テーブル、16は原稿排出トレイである。
【0011】このように多段給紙カセットは通常A4(レター),B4(リーガル)サイズ用の給紙カセットがあり、受信原稿サイズによって切換わるようになっているが、B4サイズの送受信は稀で、欧米では皆無に等しい。そこで、本発明に係る構成としては、B4サイズ用の給紙カセット(以下B4カセットという)2にA4サイズの記録紙を入れ、A4サイズ用の給紙カセット(以下A4カセットという)1と逆基準で記録紙をセットできるように、記録紙ガイドと分離爪とを立てる。
【0012】すなわち、図3にA4カセットを示すように、A4カセット1には、左端を記録基準としてA4サイズの記録紙をセットすべく記録紙ガイド31と分離爪32とが設けられているが、図4にB4カセットを示すように、B4カセット2には、A4サイズの記録紙を右端に寄せてセットするように、左端のB4用記録基準より41mm内側にA4用記録基準を定め、ここにA4用記録紙ガイド41とA4用分離爪42とを立ててある。
【0013】また、ファクシミリ装置本体に給紙カセットを装着した場合、給紙カセット上下のマイクロスイッチにより給紙カセットの種類を判別するが、前記分離爪42に対応させてマイクロスイッチ(図示せず)を設けることにより、前記分離爪42を有するB4カセット2を装着した場合に、B4カセット2にA4サイズの記録紙がセットされていることを検知し、これによりファクシミリ装置はA4受信専用となる。
【0014】また、B4カセット2から給紙される場合は、感光体ドラム8にLEDアレー9やレーザーユニットで露光される基準が41mm移動される。このようにした上で、受信毎に、A4カセット1及びB4カセット2から交互に給紙を行わせる。すなわち、ファクシミリ装置本体内のマイクロコンピュータ(図示せず)が、給紙カセット自動切換手段として機能し、受信毎に、図5のフローチャートに示す自動切換ルーチンを実行する。
【0015】ステップ1(図にはS1と記してある。以下同様)では受信開始の有無を判定し、受信開始の場合はステップ2へ進む。ステップ2ではフラグFの値を判定し、F=0(最初又は前回B4カセット)の場合はステップ3へ進んでA4カセット1より給紙を行わせ、次のステップ4で次回に備えてフラグFをセットする。
【0016】ステップ2での判定でF=1(前回A4カセット)の場合はステップ5へ進んでB4カセット2より給紙(A4記録紙の給紙)を行わせ、次のステップ6で次回に備えてフラグFをリセットする。このようにした場合、A4カセット1から給紙される記録紙と、B4カセットから給紙される記録紙は、記録紙の幅方向に41mm前後ずれて、受信トレイ14上に排出されるので、図2に示されるように受信毎にずれて排出される結果、受信毎、したがって宛先人毎の仕分けを容易に行うことができる。図2のA1 はA4カセットから出たA4記録紙、A2 はB4カセットから出たA4記録紙を示している。
【0017】尚、本実施例では、B4カセットをA4サイズに使用できるようにしたが、A4専用のカセットを2種類(セット位置をずらしたもの)装備させてもよい。また、記録紙のセット位置を異ならせる代わりに、記録紙のサイズ、紙質、色等を異ならせるようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、受信毎に異なる給紙カセットから給紙を行わせることにより、各給紙カセットの記録紙のセット位置、サイズ、紙質、色等を異ならせておくことで、受信毎の仕分けが容易となるという効果が得られる。
【0019】特に、同一サイズの記録紙のセット位置をその幅方向に異ならせておくことにより、受信毎に受信トレイ上に記録紙が幅方向にずれて排出されることによって、仕分けが容易となるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すファクシミリ装置の概略断面図
【図2】 同上の外観斜視図
【図3】 A4カセットの斜視図
【図4】 B4カセットの平面図
【図5】 自動切換ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
1 A4カセット
2 B4カセット
3,4 給紙ローラ
7 搬送ローラ
13 排出ローラ
14 受信トレイ
41 A4用記録紙ガイド
42 A4用分離爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の給紙カセットを有するファクシミリ装置において、受信毎に異なる給紙カセットから給紙を行わせる給紙カセット自動切換手段を設けたことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】複数の給紙カセットは同一サイズの記録紙をその幅方向にセット位置を互いに異ならせてセットするものであることを特徴とする請求項1記載のファクシミリ装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図5】
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