説明

フィルタートウの製造方法

セルロースアセテートフィラメントのけん縮トウの製造方法であって、セルロースアセテートドープを用意する工程、前記ドープからフィラメントを形成する工程、前記フィラメント少なくとも1つの添加剤を塗布する工程、前記フィラメントをけん縮してけん縮トウを形成する工程を含み、前記少なくとも1つの添加剤はたばこから1つの成分を除去することができることを特徴とする方法が提供される。好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤としては、溶液、エマルジョン、液体または粒子材料またはこれらの組合せが挙げられる。好都合には、前記少なくとも1つの添加剤としては、酸性化合物またはアルカリ化合物があげられる。有利には、前記少なくとも1つの添加剤としては、りんご酸、炭酸カリウム、クエン酸、乳酸、ポリエチレンイミン、シクロデキストリン、水酸化ナトリウム、硫酸、硫酸ナトリウム、ポリビニルアセテートおよびカルボン酸アクリレートがあげられる。好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤としては、炭素、シリカ、ゼオライト、粘土、アルミナ、金属、分子ふるいまたはイオン交換樹脂があげられる。トウ製品は標準の装置により、効率的なフィルターロッドが得られ、これによりたばこの重要な成分が十分に選択的に保持されるたばこチップが製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たばこ喫煙フィルターとして使用されるフィルターロッドに変換するのに適したフィルタートウとして知られるけん縮フィラメントトウの製造方法に関するものである。最も一般的に使用されるフィルタートウは、高品質フィルターを製造することができる能力が評価されるセラニーズアセテートフィラメントを含む。
【背景技術】
【0002】
たばこ産業における製造は、主流のたばこのある成分のレベルを減らすための選択的フィルターの手段の開発を求めている。この目的のため、多くの場合、吸着性の表面を有する多孔質粒子、特に、活性炭素粒子の使用を含むフィルターロッドの各種構造が考案されてきた。フィルターロッドにおけるこのような粒子の含有は、フィルターの効率に主要な影響を与えるが、より複雑でコストの高いフィルターロッド製造工程を有する。
【0003】
1つの手法は、炭素粒子がフィルターの内部区域に閉じ込められた多区域フィルターで、そのフィルターの一部は標準のセルロースアセテートフィラメントフィルターとして口に入る。3区域フィルターは、例えば、真中の区域はゆるい炭素粒子の層を有する。しかしながら、たばこのフィルター中の粒子のゆるい層は、これを通過する煙の流れを変えることによりフィルター媒体として迂回される。
【0004】
他の手法は、フィルターロッド製造段階においてけん縮トウ中への可塑剤またはスプレーされた接着剤の使用によりフィラメントに炭素を固着されることによるフィルルター中の炭素を含む。しかしながら、この手法は粒子の塗布において不安定となる。
【0005】
従来は、たばこフィルター中への追加の成分の混合は、けん縮トウからフィルターロッドを形成する段階またはその後において行われてきた。例えば、米国特許第6,145,511は従来のフィルターロッド製造過程におけるフィルターへの多くの化合物の添加を開示している。追加の成分は、ロッド製造プロセスにおいて公知のトリアセチン可塑剤と混合されることが述べられている。
【0006】
ロッド製造過程における追加の成分の混合を含む上記の工程は、ロッド製造過程を複雑にする。さらに、ロッド製造装置はしばしば顧客の要望により設計され、または特別な物質を加える工程を行うための大幅な改良を必要とする際に、いくつかの工程は変更不可である。
【0007】
追加の成分の混合の他の手法は、国際公開91/12737に開示されている。この文献は、フィルターの製造の使用のためのフィラメントの回転の前に、酸性成分をセルロースアセテートの回転溶液に溶解させる工程を開示する。回転溶液中への酸性材料の添加はフィルターたばこ中のニコチンまたはタール比率を変えることを意図している。
【特許文献1】国際公開91/12737号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6,145,511号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、フィルタートウの製造のための改良された方法を提供することを意図ものであり、これはフィルターロッドおよびたばこの製造に使用される。本発明は、改良されたフィルタートウの提供も意図する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの側面によれば、次の工程を含むセルロースアセテートフィラメントのけん縮トウの製造方法が提供される。
セルロースアセテートドープを用意する工程、
前記ドープからフィラメントを形成する工程、
前記フィラメント少なくとも1つの添加剤を塗布する工程、
前記フィラメントをけん縮してけん縮トウを形成する工程を含み、
前記少なくとも1つの添加剤はたばこから1つの成分を除去することができる。
【0010】
好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤としては、溶液、エマルジョン、液体または粒子材料またはこれらの組合せが挙げられる。
【0011】
好都合には、前記少なくとも1つの添加剤としては、酸性化合物またはアルカリ化合物があげられる。
【0012】
有利には、前記少なくとも1つの添加剤としては、りんご酸、炭酸カリウム、クエン酸、乳酸、ポリエチレンイミン、シクロデキストリン、水酸化ナトリウム、硫酸、硫酸ナトリウム、ポリビニルアセテートおよびカルボン酸アクリレートがあげられる。
【0013】
好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤としては、炭素、シリカ、ゼオライト、粘土、アルミナ、金属、分子ふるいまたはイオン交換樹脂があげられる。
【0014】
好都合には、前記炭素は活性炭素からなる。
【0015】
有利には、前記粒子は、気体放出をすることができる材料からなる。
【0016】
好ましくは、前記材料は、熱および/または減圧により蒸発して気体または蒸気を生成することができる液体である。
【0017】
好都合には、前記材料は水である。
【0018】
有利には、前記方法は、前記粒子を前記フィラメントに塗布する前に水に浸漬することを含む。
【0019】
好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤は、接着剤を使用して前記フィラメントに塗布される。
【0020】
好都合には、前記接着剤はセルロースエーテルからなる。
【0021】
有利には、前記接着剤はメチルセルロースからなる。
【0022】
好ましくは、前記方法は前記フィラメントに上面抑制剤を塗布する工程を含む。
【0023】
好都合には、前記上面抑制剤はグリセロールである。
【0024】
有利には、前記フィラメントは非円形の断面を有する。
【0025】
好ましくは、前記フィラメントは多角形の断面を有する。
【0026】
好都合には、前記成分はホフマンアナライトである。
【0027】
有利には、前記成分としては、シアン化水素、ホルムアルデヒド、ピリジン、キノリンまたはフェノールがあげられる。
【0028】
好ましくは、前記ドープからフィラメントを形成する工程は、紡糸口金により前記ドープを押出してフィラメントを形成し、前記フィラメントを乾燥してドープ溶媒を除く工程を含む。
【0029】
好都合には、前記乾燥工程において前記少なくとも1つの添加剤が前記フィラメントに塗布される。
【0030】
好ましくは、前記方法は、複数の紡糸口金により製造されたフィラメントを結合してフィラメントトウの束を製造する工程を含む。
【0031】
好都合には、前記トウの束の形成前に前記少なくとも1つの添加剤が前記フィラメントに塗布される。
【0032】
有利には、前記少なくとも1つの添加剤が前記トウの形成後に前記フィラメントに塗布される。
【0033】
好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤がけん縮により前記けん縮トウを形成する工程の直前に前記フィラメントに塗布される。
【0034】
好都合には、前記少なくとも1つの添加剤は複数の添加剤を含む。
【0035】
有利には、前記複数の添加剤は2つの添加剤を含む。
【0036】
好ましくは、前記複数の添加剤は3つの添加剤を含む。
【0037】
好都合には、前記複数の添加剤は前記フィラメントに分離して塗布される。
【0038】
有利には、前記複数の添加剤は前記フィラメントに同時に塗布される。
【0039】
好ましくは、前記複数の添加剤は前記フィラメントに連続して塗布される。
【0040】
好都合には、前記複数の添加剤はそれぞれ前記フィラメントのほぼ分離された部分に混合される。
【0041】
有利には、前記方法は前記複数の添加剤を束ねたトウ中に帯状に塗布する工程を含む。
【0042】
好ましくは、前記複数の添加剤を束ねたトウ中に帯状に塗布する工程は、隣接する帯間に障壁材料を塗布する工程を含む。
【0043】
好都合には、前記障壁材料はホワイトオイルからなる。
【0044】
有利には、前記ドープからフィラメントを形成する工程は、紡糸口金により前記ドープを押出してフィラメントのアレイを形成し、前記フィラメントを乾燥してドープ溶媒を除去する工程を含む。
【0045】
好ましくは、前記乾燥工程において前記複数の添加剤の1つが前記フィラメントに塗布され、前記複数の添加剤の他が前記乾燥後に塗布される。
【0046】
好都合には、前記複数の添加剤の1つが第1紡糸口金により前記フィラメントに塗布され、前記複数の添加剤の他が前記乾燥後に塗布される。
【0047】
有利には、前記ゼルロースアセテートドープを用意する工程は、前記ドープに少なくとも1つの添加剤を混合する工程を含む。
【0048】
好ましくは、前記方法は前記けん縮トウをベールにする工程をさらに含む。
【0049】
有利には、前記方法は前記フィラメントのけん縮トウからフィルターロッドを形成する工程を含む。
【0050】
好ましくは、前記フィルターロッドを形成する方法は、前記フィルターロッド中に少なくとも1つの添加剤を混合する工程を含む。
【0051】
有利には、粒子添加剤が前記フィラメントトウ中に混合される。
【0052】
好ましくは、粒子添加剤が前記フィルターロッドの穴に混合される。
【0053】
好都合には、前記フィルターロッドを形成する工程は、複数のフィルターロッド区域を共に結合させ前記フィルターを形成する工程を含む。
【0054】
好ましくは、前記複数のフィルターロッド区域は異なる添加剤を含むフィルターを含む。
【0055】
好都合には、前記フィルターロッドは3つのフィルターロッド区域を含む。
【0056】
有利には、前記方法は、前記フィルターロッドからたばこを形成する工程をさらに含む。
【0057】
本発明の他の側面によれば、上記の方法により得られるセルロースアセテートフィラメントのけん縮トウが提供される。
【0058】
本発明の他の側面によれば、上記の方法により得られるトウのベールが提供される。
【0059】
好ましくは、前記トウのベールは、改良の必要性がほとんどまたは全くなく、従来のロッドメーカーの使用に適している。
【0060】
本発明の他の側面によれば、上記で定義される方法により得られるフィルターロッドが提供される。
【0061】
本発明の他の側面によれば、上記で定義される方法により得られるたばこが提供される。
【0062】
本発明は、1または2以上の次の好ましい特徴を有する。
【0063】
好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤は粒子を含み、前記粒子は前記トウの束の形成前に前記フィラメントに塗布される。
【0064】
好ましくは、前記少なくとも1つの添加剤は粒子を含み、前記粒子は前処理されずに、前記粒子からのガスの放出を可能にする材料を加える。
【0065】
有利には、前記少なくとも1つに添加剤は粒子を含み、前記粒子を前記フィラメントに結合するために接着剤は使用されない。
【0066】
本発明の実施例として、図面を参照しながらより詳細に説明する。
【0067】
図1を参照して、セルロースアセテートフィルタートウの従来の製造方法について説明する。最初の材料は、通常、木のパルプから製造セルロースアセテートフレークである。セルロースアセテートフレークは、約〜97%アセトンおよび〜3%の水を含む溶媒中にミキサー1で溶解され、回転ドープとして知られる相対的に粘性の溶液を形成する。溶解後、前記ドープは、続く回転工程における問題発生の原因となる繊維状または粒子状の物体を除去するためにポンプによりろ過システム2を通すことによる2段階のろ過プロセスを経る。ろ過後、ろ過されたドープは余熱されて回転セル4のアレイに押出される前に貯蔵タンクに入れられる。
【0068】
各回転セル4は、相対的に長い乾燥チャンバー6の上に位置する紡糸口金5を含む。紡糸口金5は、ドープが加圧下で押出される数百の穴を通常有するヘッドを有する。前記穴は、それぞれ、銃眼、“Y”、“X”、犬の骨形状の断面を有するフィラメントを生じる、例えば、円形、三角形、四角形または五角形である。前記紡糸口金5を通じて押出された後、前記ドープは、前記ドープ溶液の主要部を除去するために働く乾燥チャンバーを通過するフィラメント7のアレイを形成する。これは、通常、フィラメント7の押出されたアレイからほとんどのアセトンを蒸発するように働く加熱された空気の対抗流の通過を含む。乾燥工程の間、フィラメント7のアレイは一緒に集められ、乾燥チャンバー6を離れるフィラメントの集合アレイ8を形成する。
【0069】
乾燥回転セル4を離れた後、有益な特性を提供するために、フィラメント8の集合アレイ8に「スピンフィニッシュ」を塗布するのが通常である。スピンフィニッシュは、通常、ホワイトオイルおよび界面活性剤を含むオイルインウォーターエマルジョンを含む。これは、フィラメントを摩滅から保護し、摩擦を減少させ、静電気の問題を回避する働きをする。スピンフィニッシュはフィラメント8の集合アレイをローラー9を通過させ、スピンフィニッシュの容器に浸漬する。
【0070】
各回転セルは相対的に少ない量のフィラメントを製造し、回転セルの数、例えば、25ないし100であるが、通常50の領域からの出力は、固められて束ねたトウとして知られるフィラメントのリボンまたは束を形成する。明確化のために、4つの回転セルが図1に示されている。示されるように、各回転セル4の出力は一連のガイド10によって固められて束ねたトウ11を形成する。
【0071】
束ねたトウ11は多数の個々のフィラメント、通常、2000〜4000を有する。フィルターロッド製造段階において凝集した織物として開く凝集して束ねたトウを形成し、安定したフィルターロッドが作成されるのを可能にする特性をトウに与えるため、束ねたトウは、トウの長さに沿ってけん縮を与えるけん縮機12を束ねたトウを通過させることを含むけん縮工程を経る。これは、通常、束ねたトウを1対のローラーおよび「スタッファーボックス」けん縮として知られる箱を通過させることによる。
【0072】
次いで、けん縮された束ねたトウ13はほとんどの残渣溶媒が除去され、湿気によるトウの自然の回復に戻されることを保証するために、異なる温度と湿気の多くのゾーンを含むコンディショナー14を通過する。
【0073】
従来のトウ製造の通常の工程ではないが、コンディション化されたけん縮トウ15は、わずかに異なるスピードで作動する1対のローラー16を通過させることにより、延伸工程にさらされる。この延伸工程は、下記に検討するように、本発明の方法において有用である。
【0074】
けん縮トウ15は、コンテナー17中に折り畳められ、次いで油圧プレス18で圧縮されけん縮トウのベール19が得られる。次いで、ベール19は、タバコフィルターロッドおよびこれに続くフィルターロッドのたばこへの混入の工程のためにフィルターロッドまたはたばこ製造業者に販売される。
【0075】
圧縮されたトウ19は、たばこフィルターロッドの製造のためにけん縮トウの相対的に長い長さを有するベールとして知られる便利なコンパクト単位を提供する。このプロセスは、前記ベール19からけん縮トウ15の一端を引っ張り、たばこフィルターロッドを製造するロッド製造機械を通過させる工程を含む。このプロセスにおいて、トウの織物を開繊するために多くの機械的および/または空気開繊装置を通過させる。最終開繊段階の過程において、延伸トウの織物には可塑剤(通常、トリアセチン)が噴出され、その後前記トウを円形状に変形するガーニチャーを通過させ、紙ケースでフィルターの円形プラグに包装する。次いで、紙で包装されたフィルタープラグ各フィルターロッドに切断され、次の工程でたばこを製造する。これらの次の工程は、フィルターロッドをここのタバコフィルターに切断し、タバコのロッドと結合させて最終のフィルターたばを形成する。
【0076】
前述したように、ロッド製造段階において、けん縮トウに追加の成分を添加する多くの例が従来例としてある。これは、トウの延伸された可塑性織物に炭素粒子を浴びせる工程が含まれる。したがって、いくつかの炭素粒子はフィルターの形成前にろ過されたトウの繊維内に取り込まれる。
【0077】
この工程は、炭素粒子を織物内通過させるか、または織物からはねるかに配分する。これら過剰な粒子は、リサイクルまたは処理のために製造環境において安全に回収される。
【0078】
喫煙の一定の成分を除去またはレベルを減らすことができるフィルターを製造するために従来のロッド製造機械を新たに変更することなく使用して、追加の成分を組み込むけん縮トウの供給は非常に便利である。
【0079】
さらに、この手法は、ロッド製造段階における添加物と両立しない分散剤、溶液、液体またはエマルジョンの使用を可能にする。ロッド製造機械を通過するフィルタートウの速度は、延伸された織物への成分の添加とそのトウからのフィルターロッドの形成の間の1秒の分割があることを意味する。したがって、ロッド製造段階で導入された添加物の溶液、液体、エマルジョンまたは分散剤は、最終フィルターロッドの形成前に乾燥する時間がほとんどない。これは、紙ケース入れの劣化、ガーニチャー、テープ、切断およびロッド共くう装置の詰まり、および/またはロッド中の繊維の収縮をもたらす。しかしながら、繊維の溶液がロッド製造の前の製造の段階で塗布されると、多様な成分の乾燥に必要な十分な時間が許容される。
【0080】
たばこ喫煙の一定の成分のレベルの選択的な削減についての関心が増大した。特に、ホフマンアナライトとして知られる成分グループは選択的削減の目標となった。ホフマンアナライトのリストはたばこ喫煙に多量に含まれる異なる化学成分の幅広い範囲を含む。最近リストされた特に関心のある成分は、水素、シアン化物、ピリジン、キノリン、フェノール、アセトアルデヒド、メタノール、イソプレン、アセトン、アクロレイン並びにプロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ブチルアルデヒド、メチルエーテル、ケトン、1,3−ブタジエン、アクリロニトリル、ベンゼン、トルエンおよびスチレンのようなアルデヒドである。喫煙において、タールおよびニコチンのレベルを減らすおよび/または変えることにも関心がある。
【0081】
アナライトのホフマンリストの定義は下記のとおりである。
無機ガス
一酸化炭素(CO)
シアン化水素(HCN)
シアン(CN)
二硫化炭素(CS)
アンモニア(NH)
酸化窒素(NO
硫化水素(HS)
ヒドラジン(N

金属
水銀
ニッケル

カドミウム
クロム
ヒ素
セレニウム

アルデヒド
ホルムアルデヒド (HCO)
アセトアルデヒド(CHCHO)
アクロレイン(CH=CHCHO)
クロトンアルデヒド(CHCH=CHCHO)
プロピオンアルデヒド(CHCHCHO)

ポリ芳香族炭化水素
ベンズ(a)アントラセン(C1812
ベンゾ(b)フルオロアンテン(C2012
ベンゾ(l)フルオロアンテン(C2012
ベンゾ(k)フルオロアンテン(C2012
ベンゾ(a)ピレン(C2012
ジベンゾ(a,h)アントラセン
ジベンゾ(a,l)ピレン
ジベンゾ(a,e)ピレン
インデノ(1,2,3−cd)ピレン
5−メチルクリセン(C1914

揮発性炭化水素
1,3−ブタジエン
イソプレン
ベンゼン
スチレン

ヘテロシクリル化合物
ピリジン(CN)
ニコチン(CNCNCH
キノリン(CN)
ジベンズ(a,h)アクリジン(C13N)
ジベンズ(a,j)アクリジン(C13N)
7H−ジベンゾ(c,g)カルバゾール(C12N)
フラン(CO)
ベンゾ(b)フラン(CO)

芳香族アミン
アニリン(CNH
2−トルイジン(CHNH
2−ナフチルアミン(C10NH
4−アミノビフェニル(CNH

N−ヘテロシクリックアミン
2−アミノ−9H−ピリド(2,3−b)インドール
2−アミノ−3−メチル−9H−ピリド(2,3−b)インドール
2−アミノ−3−メチルイミダゾ(4,5−b)キノリン
3−アミノ−1,4−ジメチル−5H−ピリド(4,3−b)インドール
3−アミノ−1−メチル−5H−ピリド(4,3−b)インドール
2−アミノ−6−メチル−(1,2−a:3,2−d)イミダゾール
2−アミノジピロリド(1,2−a:3,2−d)イミダゾール
2−アミノ−1−メチル−6−フェニルイミダゾ(4,5−1)ピリジン

N−ニトロアミン
N−ニトロソジメチルアミン((CHNHO)
N−ニトロソエチルメチルアミン((CHCH)(CH)NNO)
N−ニトロソジエチルアミン((CHCHNNO)
N−ニトロソ−ジ−n−プロピルアミン((CH(CHNNO)
N−ニトロソ−ジ−n−ブチルアミン((CH(CHNNO)
N−ニトロソピロリジン((CNNO))
N−ニトロソピロリジン((C10NNO))
N−ニトロソ−ジエタノールアミン
N−ニトロソノルニコチン
4−(メチルニトロアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン

その他の有機物
メタノール(CHOH)
アセトアミド(CHCONH
アクリルアミド(CH=CHC(CH)=CH
アクリルニトリル(CH=CHCN)
アセトニトリル(CHCN)
塩化ビニル(CH=CHCl)
酸化エチレン(CHCHO)
エチルカルバメート(CCONH
1,1−ジメチルヒドラジン((CHNNH
マレイクヒドラジド(C
メチルイソシアネート(CNO)
2−ニトロプロパン((CH)CHNO
ニトロベンゼン(CNO
フェノール(COH)
カテコール(C−1,2−(OH)
ジオクチルフタレート
DDT((ClCCHCCl
DDE((ClCC=CCl
【0082】
本発明は、製造過程において、たばこ喫煙の主流の成分を除去することができる1または2以上の添加物をフィルタートウに組み込むこと、特に、たばこ喫煙からホフマンアナライトを除去することに関する。「除去する」とは、本発明のフィルターを使うことによって、上記の添加物を含まない同等のフィルターに比べて、たばこ喫煙における成分のレベルが削減されるか完全に除去されることを意味する。
【0083】
本発明で使用される好ましい添加物は下記のとおりである。
りんご酸
炭酸カリウム
クエン酸
酒石酸
乳酸
アスコルピン酸
ポリエチレンイミン
シクロデキストリン
水酸化ナトリウム
硫酸
硫酸ナトリウム
ポリビニルアセテート
カルボン酸アクリレート
炭素
シリカ
ゼオライト
粘度
アルミナ
金属
モリキュラーシーブ(合成ゼオライト)
イオン交換樹脂
活性炭素
アセテート小繊維
抗酸化剤
プロアントシナジン
混合炭酸塩
混合重炭酸塩
炭酸ナトリウム
重炭酸ナトリウム
炭酸アンモニウム
グリセロール
珪酸ナトリウム
アミノ酸
窒素含有複素環
ポリアミド
アミノプロピルシリル誘導体シリカゲル
トリブチルリン酸塩
トリエチルクエン酸塩
カプセル化液体
塩化ナトリウム+塩基
可塑剤
メルタブルワックス
トリメチルオクタデシルアンモニウムステアレート
第4級化合物
石油ジェリー
砂糖エステル
野菜油
低沸点アルキル、またはヒドロキシアルキルアミン、または鉄族の無機塩を有する2アミン塩、およびコロイド状金属水酸化物
ハロゲン含有化合物
バーミキュライト
フェライト第一鉄
ジルコニウム含有固体
ポリマーヒドラジド
酸化ポリフィリン
ポリマーフルフラール
デスオキシコール酸
ポリマーアミン塩
コラーゲン
カルシウムシリケート
カルシウムアルギネート
グルアチオン
塩化第二鉄の復塩ヒドラート
ビタミンE
クマル酸
ナトリウムペルカルボネート
マグネシウムシリケート
第4級アンモニウムアセテート
プロテイン(カセイン、ゼラチン、ゼイン、ダイズ、小麦グルテン)
活性シリカゲル
アミノ酸誘導体
ポリマーアミン
砂糖
水溶性樹脂(PEO等)
膨張パーライト
ポリウレタン
芳香族樹脂
デクストラン
ポリオレフィン
トルマリン
ナトリウムピログルタメート
プラチナ
フラーレン誘導体
ポリ(アリーレンチオエーテル)
飽和環状第2級アミン
酸化マンガン/ジヒドロオキサイド


金属配位錯体
金属フタロシアミン
硫酸第一鉄
ヒドロタルサイト
脂肪酸
脂肪酸エステル
鉄アルミニド
鉄アルミニドカーバイド
チタニウムアルミニド
アンモニウムビカーボネート
銅セリアナノ粒子
エチレンジアミンテトラアセトン酸のテトラソジウム塩
パラジウム
ポリフェノール
エネジオール
H−S−X−SO
フミン酸
エラグ酸
p−アミノベンゾイック酸
ソルビン酸
ウンデシル酸
ケイ酸
アニス油、スターアニス油、フェネル油、アネソール、メチルカビコール、アニス酸および混合物
銅亜鉛合金
金属酸化物酸化触媒
スピネルフェライト触媒
窒化遷移金属酸化物ナノスケール粒子
遷移金属エチレンジアミン錯体
塩化マグネシウム
酸化亜鉛+カーボネート
チオール機能化収着剤
チトサン
ナノ粒子−粘土−または有機的変性
火山灰
ポリカルボン酸
高融解性ワックスを有するOUTLASTカプセル
アイシンガラス
クラスター
スターチ
ポリヒドロキシアルカノアーテ
ナノチタニウム酸化物
被覆ナノチタニウム2酸化物
ポリビニルアルコール
ポリアクリルアミド
クオートアンモニウム塩
ヘモグロビン
ポルフィリン環化合物
アルミノ亜鉛化合物
マイカ
DNA
水吸収ポリマー
シリカゲル
海泡石
酸化アルミニウム
トリアセチン
炭酸カルシウム
低融解性ポリエチレン
ポリエチレンエチルアクリル酸
ナノスポンジ
銅系ケージ構造
プロピルガレート
銅含有ゼオライト
モノクロナル抗体
ケイソウ土
非グラファイトナノチューブ
プルシアンブルーアナログ
選択的ナノカプセル
ナノメトリック金属、酸化物、カーバイドおよび窒化物
アルミナ
TAHT−無色ダイ化学
セルロースジアセテートのオリゴ糖
ルテニウム+セリウム酸化物(CeO
ポリ(エチレングリコール)PEG
アミン塩
クロレラアルゲー
ナトリウムまたはカリウム亜リン酸塩
アンモニウム硫酸塩
銀過マンガン酸塩
マグネシウムトリシリケート
セピオライト
モリキュラーシーブ(合成ゼオライト)
【0084】
図2を参照すると、本発明の好ましい側面が紡績セル20を参照して例示される。紡績セル20は乾燥チャンバー22の上部に位置するスピネレット21を有する。図示されるように、ドープがスピネレットヘッド21から押出され繊維23のアレイを生成する。フィラメント23は加熱された空気の対抗流に対して長い乾燥チャンバー22を通過する。加熱された空気は繊維23の長いアレイから多量のアセトンを除く。繊維のアレイはチャンバー22の底で収集されてフィラメントの集合アレイ24を得、これは紡績を完成させるローラー25を通過し、次いで、更なる製造プロセスに渡される。
【0085】
図示されるように、この段階で、フィラメントのアレイにエーロゾルをスプレーすることによって、添加剤はフィラメント23のアレイに添加される。図2は、粒子状炭酸カルシウムのフィラメント23への添加を示す。圧縮された空気の入口27および粒子状炭酸カルシウム入口28を有するスプレーノズル26が供給される。粒子状炭酸カルシウムは乾燥チャンバーに吹き込まれ、フィラメント23に衝突する。これは粒子状材料のフィラメントへの効果的な混合をもたらす。この技術は、溶液、液体およびエマルジョンを含む他の添加剤に応用できる。
【0086】
図3は、本発明のこの側面の変形を示す。乾燥チャンバー32上のスピネレット31を有する紡績セル30が示される。ドープがスピネレット31を通過して押出されフィラメントのアレイ34を形成する。乾燥チャンバーを通過した後、収集されたフィラメント34は紡績を完成させるローラー35を通過する。乾燥チャンバー32に位置するのは、計量気流適用システム(MSA)36である。MSA36は、フィラメントが乾燥チャンバー32を通過する際に効果的に添加剤をフィラメント33に混合する。MSAは、流体が繊維表面に直接的に塗布されるのを可能にする穴を有するガイドに流体を押出す計量ポンプを有する。流体は分散剤、液体、エマルジョンまたは溶液であり得る。
【0087】
追加の成分をろ過されたトウに添加する他の方法が図4に示されている。紡績セル40は収集されたフィラメント41を製造することが示されている。次いで、製造プロセスを継続する前に、処理されたフィラメント紡績完成ローラー44を通過させる。塗布システム42は、ローラー、スプレー、MSAシステムまたは公知の他のシステムであり得る。好ましい塗布システムは、図3に示されるようなMSAである。
【0088】
図5は、本発明に使用される塗布機50を示す。塗布機50は、通常、内側の高圧チャンバー52を囲む円柱状の側面壁51を有する。一連の穴53が塗布機50の長さ方向に沿って供給される。一連の穴53の長さはフィラメントの束ねたトウの幅にほぼ等しい。塗布機50の一端には添加剤の入口54が供給され、他の末端は末端壁55によって閉じている。したがって、添加剤は、溶液、液体、エマルジョンまたは分散剤の形で塗布機50の内部52に入口54から導入される。次いで、添加剤は穴53を通過して、束ねたトウに塗布される。
【0089】
図6は、アセテートの束ねたトウの両面に添加剤を塗布する際に塗布機50が実際にどのように使用されるかを示すものである。上述したように、多くのスピネレットから出たものは通常収集され、数千の個々のフィラメントを含む広い平坦なリボンを提供する。幅広い数のスピレネットからの出産物は収集され,例えば、25〜100、通常、約50〜70のスピレネットヘッドから出産物が束ねたトウ57を製造するのに使用される。束ねたトウ57は、第1塗布機50が束ねたトウ57に上面と接触し、第2塗布機60が束ねたトウ57の底面と接しながら、1対の塗布機を通過する。第2塗布機60は、第1塗布機50と同様の構造である。第1塗布機50および第2塗布機60は、束ねたトウ57の幅全体にわたって添加剤が塗布されるのを補償するために、相殺された穴により配置される。
【0090】
束ねたトウ57が塗布機50を通過するとき、添加剤が上面に塗布され部分的に処理されたトウ58を得る。次いで、部分的に処理されたトウ58が、その底面に添加剤を塗布する第2塗布機60を通過し、完全に処理されたトウ59を得る。このように、添加剤の溶液、エマルジョン、液体または分散剤が束ねたトウの両面に塗布される。溶媒、液体、分散剤、接着剤または上面抑制剤が添加剤の塗布において使用される、「接着剤」は、通常固体であり、上面抑制剤は液体である。
【0091】
本発明で使用される好ましい接着剤は下記のものである。
PVP
メチルセルロース
プロピルセルロース
ポリ(ビニルアルコール)
ポリ(ビニルアセテート)
ポリ(エチレンイミン)
ポリ(エチレンオキサイド)
デキストリン
ポリエチレングリコール(PEGs)
カルボキシメチルセルロース
ポリアクリル酸(PAA)
アクリル樹脂
トリアセチン
トリエチレングリコールジアセテート(TEGDA)
ジエチレングリコールジアクリレート(DEGDA)
樹脂
フェノール
エポキシ
シリコン
シアノアクリレート
ポリウレタン
ポリスルフィド
スターチ

グリセロール
ナトリウムシリケート
低分子量ポリエチレングリコール
低融解ワックス
エチレングリコール
ソービトル
プロピレングリコール
乳酸ナトリウム
塩化カルシウム
リン酸カリウム
ピロリン酸ナトリウム
ポリリン酸ナトリウム
クエン酸カリウム
グルコン酸カリウム
酒石酸ナトリウム
酒石酸ナトリウムカリウム
グルタミン酸ナトリウム
野菜油
鉱油
【0092】
次いで、処理されたトウ59はけん縮トウを形成するためにけん縮機を通過する。次いで、被覆されたトウ59は公知の乾燥機を通過する。上述したように、トウは延伸工程を行う。特に、処理された束ねたトウの開繊性を回復するために、繊維が部分的に互いに結合した場合には延伸工程は必要である。次いで、けん縮されたトウは後の使用のためにベールに置かれる。これは、本発明のトウのベールに従来のロッド製造プロセスおよび機械が使用されるという利点がある。処理されたトウは、従来のフィルターロッド製造機械にほとんどまたは全く改良を加えないで使用される。次いで、得られたたばこは、たばこ喫煙の一定の性分量を選択的に削減されることができる。
【0093】
本発明の1つの利点はフィラメントに添加剤が一定量塗布できるということである。特に、粒子状分散剤(例えば、活性炭素粒子)を塗布して、単位長さ当りの添加剤の一定量を有するフィラメントのトウを得ることができる。これは、得られるフィルターロッドのばらつきおよび一定でない負荷をもたらす従来のロッド製造過程における粒子状材料の添加方法と対比される。
【0094】
本発明の他の有利な特徴は、多くの異なる成分または添加剤が製造過程においてトウ中に添加され得ることである。例えば、ホフマンアナライトのリストは、酸性化合物およびアルカリ性化合物を含む。これは、主流の喫煙における汚染を減らすために異なる添加剤を要求する。例えば、酸性トウ添加剤はアルカリ性アナライトを除去することができ、アルカリ性トウ添加剤は酸性アナライトを減らすことができる。しかしながら、酸性添加剤をアルカリ性添加剤に混合することは、単位中和を導き、したがって活性および/または反応性の損失である。したがって、酸性およびアルカリ性添加剤を個々との活性および反応性を保持しながら添加することが有益である。本発明は、互いに両立しない他の添加物にも応用できるこの問題を解決する。
【0095】
トウに2つの異なる添加剤を分離しておよび同時に塗布することを可能にする2つの分離した塗布ゾーンを有する他の塗布機70が図7に示される。塗布機70は図5に示される塗布機50に対応する。ただし、塗布機70は、その長さ方向に沿ってほぼ中間の内部高圧チャンバー内に位置する障壁71を有し、2つの分離したゾーン72および73を有する点で異なる。塗布機の1つの端部は、第1塗布ゾーン72を形成する一連の穴76を導く第1添加剤入口74を有する。塗布機の他の末端は第2塗布ゾーン73を形成する一連の穴77を導く第2添加剤入口75を有する。
【0096】
図8は、実際に塗布機70がどのように使用されるかを示す。フィラメント81を束ねたトウは第1塗布機および第2塗布機を有する1対の塗布機を通過する。束ねたトウ81は1対の塗布機を通過し、第1塗布機70は束ねたトウ81の上部に接触し、第2塗布機80は束ねたトウ81の底部に接触する。第2塗布機80は第1塗布機と同様の構造を有する。第1塗布機70および第2塗布機80は、束ねたトウ81の幅全体にわたって添加剤が塗布されるのを補償するために、相殺された穴により配置される。
【0097】
束ねたトウ81が第1塗布機を通過するとき、2つの添加剤が前記2つの塗布ゾーンによって上面にわたって塗布され部分的に処理されたトウ82を得る。次いで、部分的に処理されたトウ82は第2塗布機80を通過して、2つの添加剤がその底面に塗布されて最終的に処理されたトウ83を得る。処理されたトウはその長さ方向に添加剤の2つの帯を有する。これは、束ねたトウの半分に酸性添加剤が塗布され、他の半分にアルカリ性添加剤が塗布されることを可能にする。
【0098】
図9は図8の対応する平面図を示す。未処理の束ねたトウ81が塗布機70および80を通過して処理されたトウ83となる。塗布機70および80の第1塗布ゾーンは酸性添加剤により前記トウの幅の半分をコートして処理帯84を得る。塗布機70および80の第2塗布ゾーンはアルカリ性添加剤により前記トウの幅の半分をコートして処理帯84を得る。
【0099】
本発明は、同様の塗布機を3以上の添加剤を束ねたトウに塗布するため使用することも提案する。これは、前記トウの幅にわたって、例えば、3,4または5の異なる種類の添加剤を有する束ねたトウをもたらし得る。図10は、本発明のこの側面を示している。束ねたトウ90は、それぞれ3つ塗布ゾーンを有する2対の塗布機91および92を通過する。トウ90が塗布機91および92を通過するとき、3つの異なる種類の添加剤がトウのそれぞれの面に塗布され、処理されたトウ93を得る。処理されたトウ93は、酸性材料の第1外側域94、粒子状材料の中間域95およびアルカリ性材料の外側域96を有する。
【0100】
このように両立しない添加剤は、他の成分から相対的に隔離されながら束ねたトウに塗布される。次いで、処理された束ねられたトウは従来のロッド製造機において使用され、異なる添加剤を有する異なるフィラメントを有するフィルターロッドを製造する。次いで、処理されたフィルターロッドはたばこ喫煙の主流の成分の異なる種類を選択的に減らすことができる。
【0101】
また、異なる添加剤の間に障壁材料を塗布することによってフィラメントの同じトウの異なる添加剤間の不必要な相互作用を最小化することができる。例えば、添加剤が互いに混合しないように、酸性化合物および塩基性化合物のような両立しない添加剤の帯の間にホワイトオイルの薄い(例えば、1〜2mm)の帯を塗布するために改良された塗布機が使用される。
【0102】
2以上の添加剤の塗布というコンセプトはトウ製造プロセスの他の段階にも応用できる。例えば、異なる添加剤は、紡績工程の間または後、しかしながら束ねられる前に導入される。このように、紡績セルの一組は酸性添加剤がスプレーされたフィラメントを製造することができる。第2紡績セルはアルカリ性添加剤を含むフィラメントを製造する。フィラメントが処理され収集されたアレイは次いで互いに結合され、束ねたトウを形成する。これは、異なる処理をされたフィラメントは束ねたトウにわたって、得られたフィルターロッド中に均一に分配されるという利点を有する。
【0103】
図11は、4つの異なる紡績セルから得られたものが束ねられて束ねたトウを形成することを示す。上述したように、多数の紡績セルから得られたものは実際に共に束ねられるが、4つのフィラメントの例だけがわかりやすさのために示されている。酸性添加剤を有するフィラメントの第1アレイ100がガイド101を通過して束ねたトウを形成し始める。吸着剤粒子状添加剤を含むフィラメントの第2アレイ102がガイド103を通過して成長する束ねたトウに加わる。アルカリ性添加剤を含むフィラメントの第3アレイ104がガイド105を通過して束ねたトウに加わる。最後に、添加剤を含まないフィラメントの第4アレイがガイド107を通過して束ねたトウ108が完成する。このように、完全に束ねたトウ108はフィラメント109、110、111および112の4つの帯を有し、それぞれ異なる添加剤を含むかまたは添加剤を含まない。
【0104】
実際には、フィラメントの多数のアレイが束ねたトウを形成するために重ね合わせた状態で配列され、完全に処理された束ねたトウおよび得られるフィルターロッドにおいて処理されたフィラメントの均一な分散がなされている。
【0105】
本発明の他の側面は、製造プロセスにおける異なる段階にける添加剤の組合せに関するものである。特に、1または2以上の添加剤をセルロースアセテートのドープ自体に含ませることが可能である。次いで、添加剤含有ドープは、本発明の1または2以上の添加剤で処理されたフィラメントを形成するために使用される。スルファミン酸ナトリウムのような化合物がドープ中に溶解され、フィラメントを形成するために使用された。次いで、スルファミン酸ナトリウム含有フィラメントがけん縮され、ベールに形成される前に炭素粒子の分散剤で処理される。多くの他の処理の組み合わせが可能である。このように、本明細書で使用される「セルロースアセテートドープ」または「ドープ」という用語は、1または2以上の添加剤を含むセルロースアセテートの溶液を含む。
【0106】
本発明の異なる側面は、本発明の組合せまたは公知の技術との組合せで使用される。例えば、本発明は、粒子状材料を含むロッド製造機に使用される処理されたけん縮トウを製造する。この方法では、たばこ喫煙の異なる成分を選択的に減らすことができる増大した機能と能力を有するたばこフィルターロッドが製造される。
【0107】
また、本発明の異なる側面は互いに組み合わせて使用される。例えば、第1添加剤は、フィラメントのアレイの紡績に続いて、乾燥チャンバー中に吹き込まれた粒子のエーロゾルとして添加される。次いで、得られたフィラメントのトウは下流の工程で異なる添加剤のエマルジョンの塗布によって処理される。
【0108】
本発明の他の側面は、多くの異なる添加剤を含むフィルターロッドの形成に関する。特に、フィルターロッドは、多くのフィルターロッド区域を互いに結合することにより形成され、最終的なフィルターロッドを形成する。例えば、それぞれ10nmの長さを有する3つのフィルターロッド区域が互いに結合して30mmの長さを有するフィルターロッドを完成する。各フィルターロッド区域は本発明に従って製造され、それぞれ異なる添加剤を含む。第1区域は酸性化合物で処理されたフィラメントを含み、第2区域は塩基性化合物で処理されたフィラメントを含み、第3区域はスルファミン酸ナトリウムで処理されたフィラメントを含む。この方法においては、完成したフィルターロッドは、両立できなお添加物を分離させたまま、基本的な化合物(第1区域)、酸性化合物(第2区域)およびホルムアルデヒド(第3区域)を除去することができる。これは、増大した機能を有するフィルターロッドが、それぞれ異なる添加剤で処理して独立して製造されたトウのベールから容易に製造できるという利点を有する。
【0109】
他の可能な特徴の組合せは当業者に自明である。本発明は、津語の実験データを参照して例示的に説明される、全ての試薬および添加剤は市販されており、特に示されていない限り追加の純化処理なしで使用される。
【0110】
実施例
下記の実施例は、添加剤を含むけん縮トウ製品を生産するためのトウ製造プロセスにおける多くの点で、液体、溶液、エマルジョンおよび分散剤(好ましくは、比表面積100m2/g未満を有する粒子を含む)の塗布を示している。添加剤を含むトウのベールが標準のHaui KDF3/AF3ロッド製造機を使用してフィルターロッドに変換された。処理されたトウを含む得られたフィルターロッドは、主流のたばこ喫煙におけるホフマンアナライトのような選択された化合物のレベルを減らす効果を有する。
【0111】
実施例1−けん縮の前にDL−りんご酸溶液のトウバンドへの塗布
この塗布システムは、計測ギアポンプの入口に供給されるりんご酸の50%水溶液を含む加圧タンク(10psi)からなる。このポンプから得られたものは、2つの分離された流れに分けられた。各出口導管は塗布機に供給し、塗布機の上を、〜0.3%のオイルレベルを有するY字状の断面および総計11,677のフィラメント(3Y/35,000として知られる)を有する3デニールのフィラメントを含むトウがけん縮前に通過した。
【0112】
各塗布機への導管は同じ長さを有し、各塗布機に等しい流れを確保するために同じ内径を有する。塗布機は高圧チャンバーと一連の11または12の1mmの直径の穴からなり、その穴を通じて50%のりんご酸溶液が押出され、けん縮機の約1m前でけん縮されていないトウバンドに均一に塗布される。塗布機は、トウの一方側に11の穴を有し、他の側に12の穴を有してトウバンドに均一な塗布が確保できるように、トウバンドに対する孔の位置が相殺されるに置かれる。個々の紡績末端からトウバンドが収集された後、しかし、けん縮プロセスの前にりんご酸溶液の塗布プロセスは行われた。
【0113】
けん縮プロセスはトウをボックスに導く1対の駆動ローラーからなる。スタッファーボックスとして知られるボックスは、ちょうつがいでつながれた最良のナイフを有している。ローラーは油圧ピストンにより互いに押される。このピストンの圧力(ローラー圧力)は約7psiであった。押出しスピードは、けん縮機からわずかに余分な溶液がこぼれるのが観察されるまで調整された。得られたけん縮トウバンドは乾燥され、トウバンドを部分的に緩めるために必要とされるほど延伸され、ベールを形成するためにボックスにおかれた。
【0114】
ベール中のトウに与えられるりんご酸は、トウの直線密度、(総デニール)の測定および酸を塗布しない制御と比較することによって決められ。トウ上のりんご酸のレベルは16重量%であることがわかった。
【0115】
処理されたフィラメント上のりんご酸の分散は、走査電子顕微鏡を使用して観察された。比較のため未処理制御のフィラメントも観察され、得られた電子顕微鏡写真は図12に示されている(1000x倍、3kV,10mm)。制御フィラメントは、りんご酸がフィラメントに塗布されなかったことを除いて実施例1の方法と同じ方法で製造された。
【0116】
図13は、実施例1(1000x倍、3kV,10mm)の方法によって製造されたフィラメントの電子顕微鏡写真を示す。フィラメントの表面上にりんご酸が比較的滑らかな薄い層で形成されていることが分かる。
【0117】
図14は、処理されたフィラメントの詳細(10000x倍、3kV、10mm)を示す。また、より大きな倍率においても、フィラメントの表面上にりんご酸が比較的滑らかな薄い層で形成されていることが分かる。
【0118】
りんご酸で処理されたトウのベールは、標準のHaui KDF3/AF3ロッド製造機を使用してフィルターロッドに処理された。トウとロッドを比較した重力計量分析は、驚くことにロッド製造プロセスの間りんご酸の実質的な損失がないことを示した。ロッドは〜20nmチップに切断され、たばこに付着され巻きタバコが製造される。喫煙分析、特に、主流の喫煙におけるピリジンおよびキノリン化合物のレベルの評価がこれらのたばこについて行われた。キノリンおよびピリジンはホフマンアナライトの一部を形成する。
【0119】
下記の表1の結果は、りんご酸トウ/フィルターと添加剤を塗布しない標準の3Y/35,000アセテートトウ/フィルターを比較する。
【表1】

【0120】
省略形PDは圧力降下を表し、フィルター通過する空気流に対する抵抗を示す。従来から、この技術分野ではこれは水のmmで測定される。PDは、この分野で周知のFiltronaロッド試験機、QTMの方法を使用して測定された。TRおよびNRはフィルターによるニコチンとタールの保持を表し、この技術分野で標準の方法で測定された。
【0121】
この結果は、揮発性の基本的な材料、ピリジンおよびキノリンが、主流の喫煙おいてそれぞれ93%および73%の量、十分に削減されたことを示す。
【0122】
実施例2−グリセロールを上面抑制剤として使用するけん縮の前の炭酸カリウム溶液のトウバンドへの塗布
フィバーロッドを製造するときの炭酸カリウムの損失を減らすために、液体上面抑制剤としてグリセロールを使用することが便利であった。
【0123】
塗布システムは、計測ギアポンプへの入口に供給される炭酸カリウムの50%水溶液および10%のグリセロールを含む加圧タンク(10psi)からなる。このポンプからの出力は2つの流れに分割され、それぞれの出力導管は塗布機に供給し、けん縮の前に塗布機の上を3Y/35,000低オイル(〜0.3%オイル)が通過した。添加剤の良好な接着を可能にするために、0.8〜1.4%の典型的な値からトウのオイルレベルを減らすことが有利である。各塗布機への導管は、同じ流量を確保するために同じ長さおよび同じ内径である。塗布機は高圧チャンバーおよび一連の11または12の1mmの直径の穴からなり、その穴を通じて50%の炭酸カリウム溶液が押出され、けん縮機の約1m前でけん縮されていないトウバンドに均一に塗布される。塗布機は、トウの一方側に11の穴を有し、他の側に12の穴を有してトウバンドに均一な塗布が確保できるように、トウバンドに対する孔の位置が相殺されるに置かれる。個々の紡績末端からトウバンドが収集された後、しかし、けん縮プロセスの前に炭酸カリウム溶液の塗布プロセスは行われた。
【0124】
けん縮プロセスはトウをボックスに導く1対の駆動ローラーからなる。スタッファーボックスとして知られるボックスは、ちょうつがいでつながれた最良のナイフを有している。ローラーは油圧ピストンにより互いに押される。このピストンの圧力(ローラー圧力)は約7psiであった。押出しスピードは、けん縮機からわずかに余分な溶液がこぼれるのが観察されるまで調整された。得られたけん縮トウバンドは乾燥され、トウバンドを部分的に緩めるために必要とされるほど延伸され、ベールを形成するためにボックスにおかれた。
【0125】
ベール中のトウに与えられる炭酸カリウムは、トウの直線密度、(総デニール)の測定および酸を塗布しない制御と比較することによって決められた。トウ上の炭酸カリウムのレベルは8重量%であることがわかった。
【0126】
炭酸カリウムで処理されたトウのベールは、標準のHaui KDF3/AF3ロッド製造機を使用してフィルターロッドに処理された。トウとロッドを比較した重力計量分析は、驚くことにロッド製造プロセスの間りんご酸の実質的な損失がないことを示した。ロッドは〜20nmチップに切断され、たばこに付着され巻きタバコが製造される。喫煙分析、特に、主流の喫煙におけるシアン化水素およびフェノール化合物のレベルの評価がこれらのたばこについて行われた。シアン化水素およびフェノールはホフマンアナライトの一部を形成する。
【0127】
下記の表2の結果は、炭酸カリウムトウ/フィルターと添加剤を塗布しない標準の3Y/35,000アセテートトウ/フィルターを比較する。
【表2】

【0128】
この結果は、揮発性酸性材料のシアン化水素とフォネールが主流のたばこ喫煙からそれぞれ49%および14%十分に削減されたことを示す。
【0129】
実施例2−ポリアクリ酸を接着剤として使用するけん縮の前の炭酸カリウム溶液のトウバンドへの塗布
フィバーロッドを製造するときの炭酸カリウムの損失を減らすために、液体上面抑制剤としてポリアクリル酸を使用することが便利であった。
【0130】
塗布システムは、計測ギアポンプへの入口に供給される炭酸カリウムの50%水溶液および1%のポリアクリル酸を含む加圧タンク(10psi)からなる。このポンプからの出力は2つの流れに分割され、それぞれの出力導管は塗布機に供給し、けん縮の前に塗布機の上を3Y/35,000低オイル(〜0.3%オイル)が通過した。各塗布機への導管は、同じ流量を確保するために同じ長さおよび同じ内径である。塗布機は高圧チャンバーおよび一連の11または12の1mmの直径の穴からなり、その穴を通じて溶液がけん縮機の約1m前でけん縮されていないトウバンドに均一に塗布される。塗布機は、トウのトウバンドに均一な塗布が確保できるように、トウバンドに対する孔の位置が相殺されるに置かれる。個々の紡績末端からトウバンドが収集された後、しかし、けん縮プロセスの前に溶液の塗布プロセスは行われた。
【0131】
けん縮プロセスはトウをボックスに導く1対の駆動ローラーからなる。スタッファーボックスとして知られるボックスは、ちょうつがいでつながれた最良のナイフを有している。ローラーは油圧ピストンにより互いに押される。このピストンの圧力(ローラー圧力)は約7psiであった。押出しスピードは、けん縮機からわずかに余分な溶液がこぼれるのが観察されるまで調整された。得られたけん縮トウバンドは乾燥され、トウバンドを部分的に緩めるために必要とされるほど延伸され、ベールを形成するためにボックスにおかれた。
【0132】
ベール中のトウに与えられる炭酸カリウムは、トウの直線密度、(総デニール)の測定および酸を塗布しない制御と比較することによって決められた。トウ上の炭酸カリウムのレベルは8重量%であることがわかった。
【0133】
炭酸カリウムで処理されたトウのベールは、標準のHaui KDF3/AF3ロッド製造機を使用してフィルターロッドに処理された。トウとロッドを比較した重力計量分析は、驚くことにロッド製造プロセスの間りんご酸の実質的な損失がないことを示した。ロッドは〜20nmチップに切断され、たばこに付着され巻きタバコが製造される。喫煙分析、特に、主流の喫煙におけるシアン化水素およびフェノール化合物のレベルの評価がこれらのたばこについて行われた。シアン化水素およびフェノールはホフマンアナライトの一部を形成する。
【0134】
下記の表3の結果は、炭酸カリウムトウ/フィルターと添加剤を塗布しない標準の3Y/35,000アセテートトウ/フィルターを比較する。
【表3】

【0135】
この結果は、揮発性酸性材料のシアン化水素とフォネールが主流のたばこ喫煙からそれぞれ53%および11%十分に削減されたことを示す。
【0136】
実施例4−けん縮の前の炭酸カリウム溶液のトウバンドへの塗布
実施例1に続いて、他の酸の範囲も調査された。これらは、クエン酸、L−酒石酸、乳酸(室温で液体)およびアスコルビン酸を含む。それぞれの場合に、水溶液が形成され、前述した加圧タンク中に置かれた。ローラーニップ圧は6psiに設定され、トウへの塗布量は重量計測法によって決められる。この結果は表4に示される。
【表4】

【0137】
この実施例は、溶液の範囲を、この酸の実施例においてけん縮されていないトウに塗布し、満足するトウ開繊およびトウ強度特性を有する満足なけん縮トウバンドを製造するための本発明の柔軟性を示す。
【0138】
実施例5−けん縮前のポリ(エチレンイミン)(PEI)溶液のトウバンドへの塗布
分岐状ポリ(エチレンイミン)(Mn60,000,Mw750,000)の試料がSigmaAldrichから得られた。PEIの25および35%溶液が形成され、実施例1の方法を使用してトウに塗布された。驚くべきことに、満足したトウが製造された。けん縮ローラー圧力6psiを使用するトウ上へのPEIの塗布量は、下記の表5に示される。
【表5】

このトウのベールは標準Hauni KDF3/AF3およびロッド製造機を使用して、フィルターロッドに処理される。処理には添加剤の最小の損失があった。
【0139】
実施例6−けん縮前のシクロデキストリン溶液のトウバンドへの塗布
Cavasol W7 M(Wacker Chemiekaranoメチレートシクロデキストリン)が25%水溶液とされ、実施例1の方法を使用してけん縮されないトウに塗布された。誘導シクロデキストリンはトウに対して高い潜在的な塗布量をもたらすので、高い溶解性の使用をなすためには誘導シクロデキストリンを使用するのが望ましい。驚くべきことに満足したトウが製造された。けん縮ローラー圧力6psiを使用するトウ上へのメチレートシクロデキストリンの塗布量は、下記の表6に示される。
【表6】

【0140】
この材料のベールは標準Hauni KDF3/AF3およびロッド製造機を使用して、フィルターロッドに処理される。処理には添加剤の最小の損失があった。
【0141】
このトウは、主流の喫煙において低有機芳香族分子のレベルを削減する潜在力を有している。
【0142】
実施例7−けん縮前のスルファミン酸ナトリウム溶液のトウバンドへの塗布
スルファミン酸に水酸化ナトリウムの等量を加えることによって、スルファミン酸ナトリウムの40%水溶液が得られた。この溶液は、実施例1の方法を使用してけん縮されていないトウに塗布された。驚くべきことに、満足したトウが製造された。けん縮ローラー圧力6psiを使用するトウ上への塗布量は、下記の表7に示される。
【表7】

【0143】
スルファミン酸ナトリウムの添加によって、主流の喫煙におけるホルムアルデヒドの除去または削減が期待されている。
【0144】
実施例8−紡績セル中のフィラメントへの炭酸カルシウム分散液のスプレー
30平方cm、5mの長さの長方形チャンバーからなる紡績セルが使用され、フィラメントの押出しに対抗して約100℃の空気がこのセルが通過した。紡績セルの頂上においてドープがスピネレットに供給された。この噴出口は200の三角形の穴を有する。各三角形の辺56μmの長さである。紡績ドープがスピネレットの穴を貫通して押出された。ドープ濃度は、97%のアセトン3%の水を含む溶媒中26%のセルロースアセテートであった。ドープの押出し速度はフィラメント当たりのフィラメントのデニール(dpf)が3となるように調整された。
【0145】
5m/g未満の比表面積を有する最終的に分割された炭酸カルシウムの粉末30%分散液(70%<1−2μm,97%<5μm、Logclifeより販売)がアエロゾール取付けを有するボトル中に入れられた、容器が圧縮空気供給に接続され、分散液は押し出しゾーンの第1部分においてセルロースジアセテートフィラメント中にスプレーされた。通常、これはスピネレットの面から15cmの距離内にある。驚くべきことに、紡績安定性は影響されず、粒子は初期のフィラメントに結合された。炭酸カルシウムの1.5重量%の塗布量がフィラメントに塗布された。
【0146】
この実施例は、ホフマンアナライトのリスト上にある主流の喫煙中の物質を潜在的に減らすことができる好ましくは比表面積100m/g未満を有する粒子を塗布する能力を示した。
【0147】
実施例9−カルボン酸アクリルエマルジョンの紡績セルを出る繊維への添加
カルボン酸アクリルエマルジョン(水エマルジョン中の46%ポリマーとしてCiba Specialitiesから販売されている)が20%の固体エマルジョンとして紡績セルの下部において、しかし、SAシステムによる紡績完成塗布の前に添加された。
【0148】
満足されるファイバーが製造された。この実施例は、ホフマンアナライトのリスト上にある主流の喫煙中の物質を潜在的に減らすことができるエマルジョンをファイバーに添加する能力を示した。
【0149】
実施例10−けん縮前の2つの異なる添加剤のトウバンドへの塗布−クエン酸および炭酸カリウム
実施例1に原理に従って、2つの異なる水溶液がトウバンドに塗布された、すなわち、
クエン酸と炭酸カリウム/グリセロールである。それぞれの場合、水溶液が形成され、前述した2つの独立した加圧タンク中に入れられた。それぞれのタンクは溶液を塗布機に押出す独立したポンプに接続された。この実施例においては、塗布機は高圧チャンバーを2つの分割する板を有する。1つの溶液は塗布機の1つの側面に供給され、他の溶液は他の側面に供給された。これによりトウバンドの半分がクエン酸溶液で処理され、他の半分が炭酸カリウム溶液で処理された。溶液が互いに混合する可能性を減らすために余分な溶液が塗布されないことを確保するために溶液の塗布速度は慎重に制御された。驚くべきことに、良好な開繊および強度特性を有する満足すべきトウバンドが製造された。トウバンドの中央において、わずかに2つの溶液の混合があった。ローラーつかみ圧力は6psiであり、トウに対する総塗布量は重量計測法により15重量%に決められた。
【0150】
この実施例は、添加剤によってけん縮する前に、ホフマンアナライトのリストにある主流の喫煙における化合物の異なる種を減らすことができる2つの異なる添加剤のトウバンドへ塗布する1つの方法を示す。例えば、本明細書で記載した実施例において、塩基および酸性化合物が削減され得る。
【0151】
実施例11−多数添加剤を塗布するために塗布方法の結合
この実施例は、結合効果を得るために、上記の結合方法を結合する可能性を示す。
【0152】
実施例8の方法が炭酸カルシウムの処理量をセル中のフィラメントへ塗布するために使用される。加えて、実施例6の方法がシクロデキストリン溶液を既に処理されたフィラメントに塗布するために使用されこれにより、両種の機能を有するトウが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】通常のセルロースアセテートの製造を示す概略図である。
【図2】添加剤の溶液の紡績セルへの混合の概略図である。
【図3】粒子状添加剤の紡績セルへの混合の概略図である。
【図4】フィラメントが紡績セルを離れた直後に添加剤が塗布される様子の概略図である。
【図5】添加剤をフィラメントトウに塗布するための塗布機の平面図である。
【図6】図5に示される1対の塗布機を通過する束ねたフィラメントトウの断面図である。
【図7】2つの添加剤を2つのフィラメントトウに塗布するための塗布機の平面図である。
【図8】図7に示される1対の塗布機を通過する束ねたフィラメントトウの断面図である。
【図9】束ねたトウが2つの添加剤で処理される様子の平面図である。
【図10】束ねたトウが3つの添加剤で処理される様子の平面図である。
【図11】処理されたフィラメントの4つのアレイが束ねられて束ねたトウを形成する様子を示す平面図である。
【図12】添加剤なしで制御されたフィラメントの1000x倍の電子顕微鏡写真を示す。
【図13】りんご酸で処理されたフィラメントの1000x倍の電子顕微鏡写真を示す。
【図14】図3に示されたより去れたフィラメントの0000x倍の電子顕微鏡写真を示す。
【符号の説明】
【0154】
1 ミキサー
2 ろ過システム
3 貯蔵タンク
4 回転セル
5 紡糸金口
6 乾燥チャンバー
7 フィラメント
8 フィラメントの集合アレイ
9 ローラー
10 ガイド
11 トウ
12 けん縮機
13 束ねたトウ
14 コンディショナー
15 けん縮トウ
16 ローラー
17 コンテナー
18 油圧プレス
19 ベール
20 紡績セル
21 スピレネット
22 乾燥チャンバー
23 セフィラメント
24 フィラメントの集合アレイ
25 ローラー
26 スプレーノズル
27 空気の入口
28 粒子状炭酸カルシウムの入口
30 紡績セル
31 スピレネット
32 乾燥チャンバー
33 フィラメント
34 収集されたフィラメント
35 ローラー
36 MSA
40 紡績セル
41 フィラメント
42 塗布システム
44 ローラー
50 塗布機
51 側面壁
52 高圧チャンバー
53 穴
54 入口
55 末端壁
57 束ねたトウ
58 部分的に処理されたトウ
59 完全に処理されたトウ
60 塗布機
70 塗布機
71 障壁
72 塗布ゾーン
73 塗布ゾーン
74 添加剤入口
75 第2添加剤入口
76 一連の穴
77 一連の穴
80 第2塗布機
81 束ねたトウ
82 部分的に処理されたトウ
83 最終的に処理されたトウ
84 処理帯
91 塗布機
92 塗布機
93 処理されたトウ
94 第1外側域
95 中間域
96 外側域
100 第1アレイ
101 ガイド
102 第2アレイ
103 ガイド
104 第3アレイ
105 ガイド
106 第4アレイ
107 ガイド
108 束ねたトウ
109 フィラメント
110 フィラメント
111 フィラメント
112 フィラメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースアセテートフィラメントのけん縮トウの製造方法であって、
セルロースアセテートドープを用意する工程、
前記ドープからフィラメントを形成する工程、
前記フィラメント少なくとも1つの添加剤を塗布する工程、
前記フィラメントをけん縮してけん縮トウを形成する工程を含み、
前記少なくとも1つの添加剤はたばこから1つの成分を除去することができることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの添加剤は、溶液、エマルジョン、液体または粒子材料またはこれらの組合せからなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの添加剤は、酸性化合物またはアルカリ化合物である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの添加剤は、りんご酸、炭酸カリウム、クエン酸、乳酸、ポリエチレンイミン、シクロデキストリン、水酸化ナトリウム、硫酸、硫酸ナトリウム、ポリビニルアセテートおよびカルボン酸アクリレートからなる群より選ばれる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの添加剤は、炭素、シリカ、ゼオライト、粘土、アルミナ、金属、分子ふるいまたはイオン交換樹脂からなる粒子を含む請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記炭素は活性炭素からなる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記粒子は、気体を放出をすることができる材料からなる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記材料は、熱および/または減圧により蒸発して気体または蒸気を生成することができる液体である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記材料は水である請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記粒子を前記フィラメントに塗布する前に水に浸漬することをさらに含む請求項5〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの添加剤は、接着剤を使用して前記フィラメントに塗布される請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記接着剤はセルロースエーテルからなる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記接着剤はメチルセルロースからなる請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記フィラメントに上面抑制剤を塗布する工程をさらに含む請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記上面抑制剤はグリセロールである請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記フィラメントは非円形の断面を有する請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記フィラメントは多角形の断面を有する請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記成分はホフマンアナライトである請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記成分は、シアン化水素、ホルムアルデヒド、ピリジン、キノリンまたはフェノールを含む請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記ドープからフィラメントを形成する工程は、紡糸口金により前記ドープを押出してフィラメントを形成し、前記フィラメントを乾燥してドープ溶媒を除く工程を含む請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記乾燥工程において前記少なくとも1つの添加剤が前記フィラメントに塗布される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記乾燥工程の後に前記少なくとも1つの添加剤が前記フィラメントに塗布される請求項20に記載の方法。
【請求項23】
複数の紡糸口金により製造されたフィラメントを結合してフィラメントトウの束を製造する工程を含む請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記トウの束の形成前に前記少なくとも1つの添加剤が前記フィラメントに塗布される請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの添加剤が前記トウの形成後に前記フィラメントに塗布される請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの添加剤がけん縮により前記けん縮トウを形成する工程の直前に前記フィラメントに塗布される請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの添加剤は複数の添加剤を含む請求項1〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記複数の添加剤は2つの添加剤を含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記複数の添加剤は3つの添加剤を含む請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記複数の添加剤は前記フィラメントに分離して塗布される請求項27〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記複数の添加剤は前記フィラメントに同時に塗布される請求項27〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記複数の添加剤は前記フィラメントに連続して塗布される請求項27〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記複数の添加剤はそれぞれ前記フィラメントのほぼ分離された部分に混合される請求項27〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記複数の添加剤を束ねたトウ中に帯状に塗布する工程を含む請求項27〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記複数の添加剤を束ねたトウ中に帯状に塗布する工程は、隣接するす帯間に障壁材料を塗布する工程を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記障壁材料はホワイトオイルからなる請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ドープからフィラメントを形成する工程は、紡糸口金により前記ドープを押出してフィラメントのアレイを形成し、前記フィラメントを乾燥してドープ溶媒を除去する工程を含む請求項27〜36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記乾燥工程において前記複数の添加剤の1つが前記フィラメントに塗布され、前記複数の添加剤の他が前記乾燥後に塗布される請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記複数の添加剤の1つが第1紡糸口金により前記フィラメントに塗布され、前記複数の添加剤の他が第2紡糸口金により前記フィラメントに塗布される請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記ゼルロースアセテートドープを用意する工程は、前記ドープに少なくとも1つの添加剤を混合する工程を含む請求項1〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記けん縮トウをベールにする工程をさらに含む請求項1〜40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記フィラメントのけん縮トウからフィルターロッドを形成する工程を含む請求項1〜41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記フィルターロッドを形成する方法は、前記フィルターロッド中に少なくとも1つの添加剤を混合する工程をさらに含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
粒子添加剤が前記フィラメントトウ中に混合される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
粒子添加剤が前記フィルターロッドの穴に混合される請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記フィルターロッドを形成する工程は、複数のフィルターロッド区域を共に結合させ前記フィルターを形成する工程を含む請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記複数のフィルターロッド区域はそれぞれ異なる添加剤を含むフィルターを含む請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記フィルターロッドは3つのフィルターロッド区域を含む請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記フィルターロッドからたばこを形成する工程をさらに含む請求項42〜48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
請求項1〜40のいずれかに記載の方法により得られるセルロースアセテートフィラメントのけん縮トウ。
【請求項51】
請求項41に記載の方法により得られるトウのベール。
【請求項52】
、従来のロッドメーカーの改良の必要性がほとんどまたは全くないままで使用に適している請求項51に記載のトウのベール。
【請求項53】
請求項42〜48のいずれかに記載の方法より得られるフィルターロッド。
【請求項54】
請求項49に記載の方法により得られるたばこ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−505649(P2009−505649A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527514(P2008−527514)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003179
【国際公開番号】WO2007/026131
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(507220796)セラニーズ アセテート リミテッド (2)
【Fターム(参考)】