説明

フィルタ装置とフィルタエレメント

【課題】構造上単純なデザインの、低い製造コストの、取付けが容易で、腐食性流体に対しても良好なシール作用を有するフィルタ装置を提供する。
【解決手段】シール手段60は、少なくとも一つのシール縁62またはシール面を有し、シール縁62またはシール面は、保持手段38によりシール縁62またはシール面へ掛かる押圧の影響を受けるように前記長手方向軸12に平行に軸方向に位置付けられているフィルタ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ状のフィルタハウジングと、前記フィルタハウジング内に保持可能なフィルタエレメントと、長手方向軸に沿って前記フィルタエレメントを取り外し可能に固定するための前記フィルタハウジング内に位置付けられた保持手段と、前記フィルタハウジングのハウジングカバーと前記フィルタエレメントの間をシールするシール手段と、を備え、前記保持手段が、互いに作用する複数の保持エレメントを有し、該複数の保持エレメントが、前記フィルタハウジングの内側およびフィルタエレメント上に形成されている、フィルタ装置に関する。本発明は、さらに、前記フィルタ装置用に設計されたフィルタエレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタエレメントを保持するフィルタ装置は、様々な形態のものが市販されている。フィルタ装置の製造コストの重要でなくはない部分は、関連するハウジング内にフィルタエレメントを取外し可能に固定する手段を作ること、およびフィルタハウジングに対してフィルタエレメントの内部をシールするためのシール手段を作ることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
EP0891214B1に記載されたフィルタ装置において、保持手段は、互いに作用する二つの圧縮スプリングのスプリング構成である。スプリング力により、フィルタエレメント上に位置付けられシールおよび保持エレメントとして機能する端部材は、ハウジング側の保持エレメントへ押圧される。ハウジング側の保持エレメントは、フィルタエレメントの支持パイプ内へ伸びる接続部材によりフィルタハウジングの頭部に形成される流体接続枝部を形成する。公知の保持手段のかなり複雑なデザインは、高製造コストを誘導する。そして公知の手法は、取り付けが容易ではなく、フィルタエレメントは、接続枝部から意図せず抜け落ちる可能性があり、あるいは設置した際その位置で傾く可能性もある。これは、シール手段のシール作用に逆効果を及ぼす。公知の手法において、シール手段は、好ましくはゴム材質のOリングを有する。このOリングは、フィルタエレメントの端部キャップの径方向内側の凹部に固定され、ハウジングカバーまたはフィルタ頭部の流体接続枝部の外周側に対して径方向にシールする役割を果たす。Oリングを有するこの公知のシール手段は、全ての流体に適切というわけではない。例えば、可燃性に乏しい液体、腐食性の流体、特別な生物分解性の液体に関しては適切ではない。各流体の化学構造次第で、長続きするシール機能は、確保不能となる可能性がある。
【0004】
DE−U−29922488の課題は、カップ状のフィルタハウジングと取外し可能なフィルタ挿入体を有する取付け容易な液体フィルタである。このフィルタ挿入体は、それ自身のフィルタ表面を有し、ハウジングのフィルタ頭部としてのカバーに取外し可能に結合されている。さらに、公知の手法は、保持手段の接続枝部としてのフィルタ挿入体内へ伸びる支持用心棒(サポート・マンドレル)を有する。フィルタハウジング内で、アダプタと呼ばれる接続・保持手段は、支持用心棒に取付けられる。この接続・保持手段は、保持フィンガーの形状をした保持エレメントとして設計される。公知の手法において、支持用心棒は、フィルタ挿入体内に取外し可能に保持され、第1取付けモジュールは、カバー、フィルタ挿入体、支持用心棒を有し、第2取付けモジュールは、フィルタハウジングおよび保持フィンガーを備えるアダプタを有する。二つの取付けモジュールの取付け時に、アダプタは、支持用心棒へ取り付けられ固定される。そして、フィルタ挿入体が交換されるとき、支持用心棒はフィルタハウジング内に留まる。この点に関し、シール手段のシール作用が逆効果となる不利な結果を生じながら、フィルタエレメントが支持用心棒の表面に押されなければならないとき、例えばフィルタが現地で交換されているとき、取付け時の問題(抜け落ち、傾き)が同様に起きる。引き続きOリングから径方向に形成されるこのシール作用は、フィルタハウジングの支持用心棒とフィルタエレメントの内周面の間の支持をもたらす。しかし、これに加えて、受容溝にそのベース部を乗せるフィルタエレメントの長手方向軸に平行な長手軸方向の保持手段の要素としての支持用心棒は、追加のいかなる機械的応力も受けない別のガスケットを有している。いずれにせよ、上述したように、フィルタエレメントとハウジングの一部としての支持用心棒との間のシール手段のシール作用が、逆効果となる。
【0005】
EP1287871A1は、本願請求項1の前文の特徴を開示している。公知のフィルタ装置の保持エレメントは、フィルタハウジング上に位置付けられ、少なくとも一つのキャッチ面を形成したアンダカットを持つ受容体である。この受容体は、キャッチ突起を持つ弾力性のある突起保持フィンガーを、フィルタエレメントの一端上において有する。このキャッチ突起は、受容体のキャッチ面へロックすることにより取外し可能なスナップ留めを形成する。このように、フィルタエレメントの取付けおよび交換は、スナップ留めにより単純にロックおよび解除することにより実行される。すなわち、スナップ留め部がぱちんと留められるまで、フィルタハウジング内でカップ底の方向へ関連するフィルタエレメントを軸方向へ移動させることで十分である。あるいは、カップ状のハウジングから取外すためには、単にフィルタエレメントを抜くだけで十分である。公知の手法により、互換性のない手段に関して、そのフィルタ装置用に特に設計されたフィルタエレメントのみが機能を果たすために使用することができるという結果となる。例えば、アフターマーケット用修理部品としてオプションとして形成された要素であれば、フィルタ装置の安全使用をおびやかすことはない。
【0006】
保持手段の部品を持つフィルタエレメントの反対側の端において、フィルタエレメントの端キャップは、ハウジングカバーまたはフィルタ頭部の接続枝部上へスリップする流体接続枝部を有する。シール手段は、同様に、カバー部品の接続部品とフィルタエレメントとの間で径方向に伸びるOリングである。この点で、上述の欠点が、上記欧州特許に係る公知のフィルタ装置にも及ぶ。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、最も類似の先行技術を基礎としてその長所を保持しつつ、特に保持手段によるフィルタハウジング内のフィルタエレメントの接続の信頼性を確保しつつ、先行技術をさらに改良することである。その結果、本発明は、構造上特に単純なデザインにより特徴付けられ、ゆえに低い製造コストとなり、取付けが容易で、腐食性流体に対してもまた良好なシール作用を有する。さらに本発明の目的は、このフィルタ装置用として適するフィルタエレメントを利用可能にすることである。これらの目的は、本願請求項1のそっくりそのままの特徴を持つフィルタ装置および本願請求項8の特徴を持つフィルタエレメントにより達成される。
【0008】
本願請求項1の特徴部において特定されるように、シール手段は、少なくとも一つのシール縁またはシール面を有し、該シール縁またはシール面は、保持手段により前記シール縁またはシール面へ掛かる押圧の影響を受けるように長手方向軸に平行に軸方向に位置付けられていることにより、フィルタエレメントとハウジングカバーとしてのフィルタ頭部との間を径方向に伸びる伝統的なOリングを無くすことが可能となる。シール手段は、公知の手法のようにゴム材質から作られる必要も無いし、従って、濾過されるいかなるタイプの流体にも、腐食性流体にさえも適応可能である。流体の形態をとる濾過される流体次第で、シール手段はその材質選定において適切な耐性を有するよう要求される。様々な取付けプロセスにおけるシール手段への損傷は、大部分において避けることが可能となる。たとえ、フィルタエレメントが保持手段の部品上へ斜めに設置されようとしても。このように、このシール手段により長期の作動が確保可能となる。
【0009】
本願請求項8の特徴部において特定されるように、フィルタエレメントの少なくとも一つの端において、端キャップが、前記フィルタエレメントから離れた側に設置されたシール手段を有し、該シール手段は、シール縁またはシール面を持つ閉じたリングの形状をして、前記フィルタエレメントの長手方向軸に平行方向に配列されているフィルタ装置において使用されるフィルタエレメントにより、シール手段は実保持手段の外側に位置付けられ、フィルタエレメントがフィルタハウジング内で保持手段により固定されるとき、シール手段への損傷は、回避される。好ましくは、シール縁を有するシール手段は、フィルタエレメント−端キャップの一体化要素であり、端キャップ構成に関して、従ってシール手段に関して、腐食性流体に対して耐性のあるプラスチックまたはスチール材料が好ましくは選定される。しかし、基本的には、例えば端キャップ内へ受容溝を形成して、シール手段を受容手段内へ取外し可能に一体化することもまた可能である。しかし、保持手段の部品から形成される力手段を介して、シール縁を持つシール手段の押圧はフィルタエレメントの面側端部とハウジングカバーまたはフィルタ頭部との間で軸方向に発生することが、上記課題解決手段に関して必須条件である。これに関して、ハウジングカバーまたはフィルタ頭部のシール手段を追加的にまたは選択的に配列することもまた可能である。そのとき、シール手段は、フィルタエレメントの面側端部の方向へ作用する。
【0010】
本発明に係るフィルタ装置の一実施形態において、保持手段は、雄ねじとこれに対応する雌ねじから成り、保持エレメントは、雄ねじと雌ねじの螺旋体から形成される。その結果、実行するのが容易なねじ込みプロセスによりフィルタエレメントを流体を送給するためのフィルタハウジングのハウジング部に結合することが可能となり、ねじゆるめプロセスにより再度互いに取外すことが可能となる。この点に関し、雄ねじがフィルタハウジングとフィルタエレメントのどちらに割当てられているかは重要ではない。課題解決手段である保持手段のねじ特性に基づき、フィルタハウジング内の接続枝部上へ押圧する上記手法は捨て去ることができる。これにより、取付けプロセスが容易になる。特に、フィルタエレメントは意図せずに接続枝部から抜け落ちることは無くなり、関連する接続構成体上で傾くことも無くなる。このねじ手法は、シール縁またはシール面を持つシール手段をフィルタハウジングの(特にカバー部形状の)部品に対して、かつ/またはフィルタエレメントの端キャップに対して、締めることを可能にする力手段を形成する。シール手段のシール縁またはシール面の押圧力は、本質的にその弾性と自由度により決定される。
【0011】
本発明に係る課題解決手段により、一つの特定のタイプのフィルタエレメントのみがフィルタハウジング内へ挿入可能となる。このフィルタエレメントは、従って、上記ねじ結合アプローチが特定的に準備されている。こうしてアフターマーケット修理部品の挿入が、修理部品の上記フィルタハウジングへの特定の改造ができない結果、回避可能となる。この修理部品は、本質的に品質の悪いことに加え、流体接続点における液密問題を必然的にともなう交換部品である。
【0012】
本発明に係るフィルタ装置の一実施形態において、雄ねじは、フィルタエレメントの端キャップ上に、該端キャップと同心に設置され、関連する雌ねじがフィルタハウジングに一体化されている。さらに、雄ねじは、フィルタエレメント内の流体通路領域を備えている。そして、フィルタハウジングは、数点の部品から成り、前記雌ねじが、フィルタハウジングのハウジングカバー(フィルタ頭部)内に形成され、別の流体通路領域を囲繞している。このように、フィルタエレメントは、フィルタハウジング内の古典的な受容体により挿入される。そして、フィルタハウジングのカバーのスナップ留めまたはねじ込みプロセスにより、流体回路からフィルタエレメントへの流体送給接続が上記ねじ部分により達成される。好ましくは、フィルタエレメントのベース側の接続枝部は、シール手段により囲繞される。
【0013】
他の実施形態は、他の従属請求項の課題である。
【0014】
本発明に係るフィルタ装置は、対応するフィルタエレメントとともに図に示される一つの実施形態を用いて以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るフィルタ装置の部分斜視図である。
【図2】図1に示すフィルタハウジングのカバー部の下面斜視図である。
【図3】フィルタエレメントが挿入されかつカバー部が異なるカップ状フィルタハウジングに設置されたフィルタ装置の上端である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
その外形が長手方向軸12を中心に回転対称であるカップ形状のフィルタハウジング10は、開いた上端14と下端(図示せず)を有する。上端14に、キャッチ周溝16がある。このキャッチ周溝16は、カバー部20が回転またはスナップ作用によりフィルタハウジング10の上端14に設置されるとき、スナップ留めの形式でフィルタハウジング10のカバー部20の重ね合わせキャッチにより係合される。ハウジングカバー20とフィルタハウジング10のこのスナップ留めは、特に図3に示されている。しかし、図1に示すように、キャッチ溝16に代わり、周上昇体22を備え、図示しない雌ねじによりハウジングカバー20にねじ込むために、周上昇体22に雄ねじ(図示せず)を付けることもまた可能である。しかし、図1に示すようにいずれのケースにおいても、上端14の方向にシール突起周体24がある。周体24は、上方で、シール手段(図示せず)、例えばOリングのようなものを収容するシール溝26を画定する。しかし、他のシール手段のないシール突起24による任意のシールが、ここでは十分である。
【0017】
カップ形状のハウジング10は、フィルタエレメント28を保持するように設計されている。フィルタエレメントは、流路を持つ円筒状の従来形内部支持パイプを有するフィルタカートリッジ形であり、この内部支持パイプはフィルタ材料30により囲繞されている。本実施形態において、フィルタエレメント28は下端を有し、この下端は、フィルタハウジングの下部に割当てられプラスチックの端キャップにより閉塞されている。端キャップは、またフィルタ材料30の対面する下端の囲繞体を形成している。
【0018】
詳細説明はされないこの端キャップは、支持パイプとともに圧縮成型して一つプラスチック体とすることができる。この下側端キャップは、すなわち、軸方向距離を維持しながら、液密にフィルタハウジングの下部方向にフィルタハウジング10内にのみ挿入される必要がある。しかし、ここでは、先行技術で知られるように、従来型の保持かつ受容手段を使用することもまた考えられる。フィルタハウジング10の上端14に割当てられたその端において、フィルタ材料30は、支持パイプとともに好ましくは圧縮成型されたキャップ頭部または端キャップ32により長くされている。この端キャップ32は、さらに、フィルタ材料30および接続枝部36の外形画定縁としての囲繞体34を形成している。
【0019】
この接続枝部36は、全体を38で指定している保持手段の一部であり、接続枝部36に沿って雄ねじ40を有している。これに対応して、ハウジングカバー20内に、その自由端42と反対側にバックして、フィルタ装置の長手方向軸12の方向に整列した雌ねじ44がある。保持手段38の実保持エレメント46は、雄ねじ40と雌ねじ44の組合せ螺旋体から成る。
【0020】
さらに図1および図3に示すように、エレメントカバーとも呼ばれる端キャップ32の雄ねじ40は、端キャップと同心であり、関連する雌ねじは、ハウジングカバー20の下部に一体化されている。従って、接続枝部36と雄ねじ40は、同心となってフィルタエレメント28内の流体通路領域48を囲繞している。ハウジングカバー20に一体化されている雌ねじ44は、別の流体通路領域50と境界をなしている。雌ねじに指定された部分は、挿入スリーブ52(図2参照)の要素とすることができる。挿入スリーブ52は、ハウジングカバー20内の指定された孔へ挿入することができ、圧縮またはクランプ(留め)スリーブの形式のプラスチック材料とすることができる。別の流体通路領域50に加えて、カバー部20は汚れた流体用の流体入口領域54を有する。
【0021】
汚れた流体、特に水が、フィルタハウジング10上の正規位置にあるハウジングカバー20内を通過し、流体入口領域54を介してフィルタエレメント28内部へ流入する。こうして、汚れた流体が、フィルタエレメント28を外側から内側へ通過する。除去すべき塵埃は、そのときフィルタエレメント28のフィルタ材料30内に残留する。そして、支持パイプ内に集められたクリーンな流体は、流体通路領域48および別の流体通路領域50を介してハウジングカバー20を有するフィルタハウジング10を離れる。そのフィルタ機能に関して、フィルタ装置は接続点を介して水回路(図示せず)へ接続可能であることは言うまでもない。
【0022】
経済的シール手段として、雄ねじ40と雌ねじ44の螺旋体をいわゆる丸ねじにすることが好都合であることが発見された。さらに強固な構成を確保するために、接続枝部36は、直径において、全長と同様に小さくしている。特に、直径において、端キャップ32の外径より何分の1かに小さくしている。好ましい流れ状態を作るために、さらに、接続枝部36の自由端は、漏斗(じょうご)形状曲面58をした内周面を備えている。さらに、接続枝部36は、端キャップ32へのベース側移行点において、同心状に走るシール手段60により包囲されている。特に図3に示すように、シール手段60は、断面が三角形であり、ハウジングカバー20が残りのフィルタハウジング10上に置かれたとき、シール手段60は、テーパ形シール縁62でハウジングカバー20の下部方向にシールする(図3参照)。
【0023】
ハウジングカバー20が固定され、それがねじ螺旋体形の保持エレメント46を介してフィルタエレメント28およびフィルタハウジング10の方向に引張られると、このシール縁62は、軽く圧縮される。保持手段38は、それゆえフィルタエレメント28とハウジングカバー20との間の積極的なおよび非積極的な流通接続機能を果たす。シール手段60は、ハウジングカバー20と接触して非積極的に圧縮される。なぜなら、シール縁62を持つシール手段60は、ねじ付き接続枝部36を持つ端キャップ32上に設置されているからである。このように、シールが、フィルタエレメント28とハウジングカバー20の形式のフィルタ頭部との間で実行される。こうして、Oリング形式でシール機能を確保することを意図した他の敏感なシール材料、例えばゴムを省略できる。シール手段60は、端キャップ32と同じ材料で作られており、特に端キャップ32の一体化要素となっている。このため、シール手段60は、全ての液体、可燃性に乏しい液体、腐食性の流体、特別な生物分解性の液体、に関して適することとなる。さらに、シール手段60は、従来型の特にゴム材料の別方法のシール手段が長期間にわたってはもはやシール機能を保証できない液体に関しても適することとなる。
【0024】
フィルタエレメント28は、ハウジングカバー20すなわちフィルタ頭部のねじ部を介して定められた方式により保持されているので、取付け取外し時に、例えば中古のフィルタエレメント28を新しい部品に交換するとき、それ(フィルタエレメント)が、先行技術のように接続枝部36を意図せずに抜け落ちるように導くことはなくなる。それどころか、精密に管理された当接状態が優勢となる。そして、ハウジングカバー20がフィルタハウジング10側に固定されると、流通接続もまたフィルタ装置内で確実に作られる。好ましくは、フィルタエレメントは、挿入プロセスにおいて、最初にカバー部内へねじ込まれ、それからフィルタハウジング19へ固定される。さらに、本願発明に関して、上記に定められたフィルタエレメント28が、接続構造の点で必要となり、その結果アフターマーケットから入手した部品を既存のフィルタ装置内へ挿入することが不可能となる。さもなければ、アフターマーケットから入手した部品を既存のフィルタ装置内へ挿入することは、液密問題によりフィルタ装置の作動を危うくする可能性がある。
【0025】
シール手段60は、その全高が、雄ねじ40のねじ部のベース側出口において、丸ねじ山の半分となるように選定される。しかし、丸ねじに代わり別のメートルねじもまた使用することが可能である。さらに、同心配列で任意の異なるシール高さのいくつかのガスケットが、(別の幾何学的構造において)接続枝部36を囲繞することもできる。さらに、雄ねじと雌ねじとを相互に変更して、ハウジング20が雄ねじを有しフィルタエレメント28の端キャップ32が雌ねじ44(形状は示さず)を有するようにすることも本発明の範囲内である。保持手段のねじ部の形式の力手段に加えて、フィルタ頭部またはフィルタハウジングカバー部の接続枝部に対して、EP0891214B1の図5の手段と同様に、例えば圧縮スプリング形式のスプリング要素により非積極的に締め、シール手段へ軸方向にシール力を掛けることもまた可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ状のフィルタハウジング(10)と、
前記フィルタハウジング(10)内に保持可能なフィルタエレメント(28)と、
長手方向軸(12)に沿って前記フィルタエレメントを取り外し可能に固定するための前記フィルタハウジング(10)内に位置付けられた保持手段(38)と、
前記フィルタハウジング(10)のハウジングカバー(20)と前記フィルタエレメント(28)の間をシールするシール手段(60)と、を備え、
前記保持手段(38)が、互いに作用する複数の保持エレメント(46)を有し、該複数の保持エレメントが、前記フィルタハウジング(10)の内側およびフィルタエレメント上に形成されている、フィルタ装置において、
前記シール手段(60)は、少なくとも一つのシール縁(62)またはシール面を有し、該シール縁(62)またはシール面は、前記保持手段(38)により前記シール縁(62)またはシール面へ掛かる押圧の影響を受けるように前記長手方向軸(12)に平行に軸方向に位置付けられていることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
前記保持手段(38)は、雄ねじ(40)とこれに対応する雌ねじ(44)から成り、前記保持エレメント(46)は、前記雄ねじ(40)と前記雌ねじ(44)の螺旋体から形成されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記雄ねじ(40)は、端キャップ(32)上に、該端キャップと同心に設置され、関連する前記雌ねじ(44)が前記フィルタハウジング(10)に一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記雄ねじ(40)は、前記フィルタエレメント(28)内の流体通路領域を囲繞していることを特徴とする請求項3に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記フィルタハウジング(10)は、数点の部品から成り、
前記雌ねじ(44)が、前記フィルタハウジング(10)のハウジングカバー(20)内に形成され、別の流体通路領域を囲繞していることを特徴とする請求項3に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記シール手段(60)は、前記フィルタエレメント(28)への移行点において前記保持手段(38)を囲繞していることを特徴とする請求項5に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記ねじ螺旋体(46)は、丸ねじで形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記フィルタエレメント(28)の少なくとも一つの端において、端キャップ(32)が、前記フィルタエレメント(28)から離れて面する側に、前記シール手段(60)を有し、
該シール手段(60)は、前記シール縁(62)またはシール面を持つ閉じたリングの形状をして、前記フィルタエレメント(28)の前記長手方向軸(12)に平行方向に配列されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のフィルタ装置において使用されるフィルタエレメント。
【請求項9】
前記端キャップ(32)の前記雄ねじ(40)は、一つの流体通路領域を囲繞する接続枝部(36)に沿って伸びていることを特徴とする請求項8に記載のフィルタエレメント。
【請求項10】
前記接続枝部(36)は、ベース側において、前記シール手段(60)により囲繞されていることを特徴とする請求項9に記載のフィルタエレメント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−206120(P2012−206120A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−144070(P2012−144070)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【分割の表示】特願2007−515788(P2007−515788)の分割
【原出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(500082609)ハイダック フィルターテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (26)
【Fターム(参考)】