説明

フィルムシート繰り出し手段

【課題】 高価で複雑なシステムではなく、安価で単純な構成で、しかも確実に繰り出し量を制御できるフィルムシート繰り出し手段を提供する。
【解決手段】 紙管4内周とシャフト1外周との間に間隙を設けると共にそれによって紙管4をシャフト1と同調回転可能且つスリップ回転可能に配設し、回転するシャフト1に適度のブレーキを掛けつつフィルムシートロール2からフィルムシート3を繰り出すに際して、フィルムシートロール2の巻き径が大きくモーメントによる繰り出し力が小さいときは紙管4がシャフト1と同調回転し、またフィルムシートロール2の巻き径が小さくなりモーメントによる繰り出し力が大きくなったときは紙管4がシャフト1と同調することなくスリップ回転するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムシートロールからフィルムシートを各種物品のフィルム加工工程に繰り出すためのフィルムシート繰り出し手段、特に特殊機能を有するフィルムシートのための繰り出し手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な分野の製品の加工において、各種フィルムシートを紙管に巻き付けてなるフィルムシートロールから該フィルムシートを繰り出すと共に前記製品のフィルム加工工程に送り出す方法が広く採用されている。
【0003】
ところで最近、葉書等の郵便物において、情報が記載された複数の紙片を折り畳み或いは切り重ねて剥離可能に一体化し、郵送可能にした情報通信体が多用され、そのような情報通信体の製造手段として、例えば特開平5−38894号公報には前記のようなフィルム加工工程を含む密着書簡の連続製造装置が開示されている。
【特許文献1】特開平5−38894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の従来技術に係る密着書簡の連続製造装置では、例えば剥離可能に一時接着された2層の透明フィルムの両外側に感熱接着剤層を設けてなる4層構成の積層シート(以下、フィルムシートという)を、連続的に折り畳まれた長尺状の葉書用紙材(以下、長尺シートという)の対向紙片間に順次繰り出して挿入し、その後、これに加熱、加圧処理を施して各紙片を剥離可能に一体化するものである。
【0005】
ところで、前記密着書簡の連続製造装置において、連続的に折り畳まれながら搬送される長尺シートの対向葉片間にフィルムシートを挿入する手段は、フィルムシートが複数のガイドローラと複数の金属板からなるガイドを使用して案内され、複雑な経路を経由した後に前記対向葉片間に挿入されるようになっている。そして、前記複数のガイドローラの一つがダンサーアームに取り付けられると共に該ダンサーアームの回転位置がポテンショメータで検出され、その検出信号に基づいて、フィルムシートがその供給量を搬送される長尺シートの流れ、即ち搬送速度に一致させて繰り出されるようにフィルムシートロールの回転速度、即ちフィルムシートの繰り出し量を制御するように構成することが好ましいとしている。
【0006】
しかしながら、前記のようにポテンショメータ等を用いてフィルムシートの繰り出し量を制御することは、現状、非常に困難である。例えば、フィルムシートの繰り出し量が長尺シートの搬送速度よりも僅かでも多いと、フィルムシートの張りがなくなるため蛇行の原因になり、またフィルムシートの繰り出し量が少ないと、長尺シートの流れにブレーキが掛かり、フィルムシートが長尺シートと共に搬送経路から脱落する事故を発生させるのである。
【0007】
即ち、フィルムシートロールではフィルムシートがロール状に紙管に巻き取られているため、該フィルムシートロールの巻き径が大きい場合にはモーメントにより繰り出し力が小さくなるので、惰性で比較的容易にフィルムシートにテンションを掛けることなく繰り出せるが、逆に巻き径が小さくなるとモーメントにより繰り出し力が大きくなるため、強い力でフィルムシートを引っ張り出しながら繰り出さなければならなくなる。結局、フィルムシートロールの巻き径の変化に伴う前記繰り出し力の変化に対応して繰り出し量を制御する必要があるが、前記先行技術におけるダンサーアームとポテンショメータの組み合わせによる制御では、フィルムシートの特性から派生する既述のような繰り出し力の複雑な変化に対応することは極めて困難であった。
【0008】
さらに、前記先行技術に係る発明によれば、ダンサーアームとポテンショメータ等の各種部品やフィルムシートロールを強制的に回転させるモータ等、高価な部品や装置を必要とするため、コストが上昇すると共に製造装置のサイズも大きくなり、無駄なスペースを必要とすると共にそれら部品や装置の故障に伴うメンテナンス等の手間が増えることになる。
【0009】
本発明の課題は、前記先行技術の問題点に鑑み、安価且つ単純な構成で、しかも確実に繰り出し量を制御し得る手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係る第一のフィルムシート繰り出し手段は、フィルムシートを紙管に巻き付けてなるフィルムシートロールをその紙管においてシャフトに装着し、該フィルムシートロールをこれにブレーキを掛けながら回転させることによりフィルムシートを順次繰り出すと共に各種物品のフィルム加工工程に送り出すフィルムシート繰り出し手段において、
紙管をシャフトと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設し、回転するシャフトに適度のブレーキを掛けつつフィルムシートロールからフィルムシートを繰り出すに際して、フィルムシートロールの巻き径が大きくモーメントによる繰り出し力が小さいときは紙管がシャフトと同調回転し、またフィルムシートロールの巻き径が小さくなりモーメントによる繰り出し力が大きくなったときは紙管がシャフトと同調することなくスリップ回転するようにしたことを特徴としている。
【0011】
前記構成における、紙管をシャフトと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設する手段として、例えば紙管内周とシャフト外周との間に間隙を設けてもよい。
【0012】
また、本発明に係る第二のフィルムシート繰り出し手段は、フィルムシートを紙管に巻き付けてなるフィルムシートロールをその紙管においてシャフトに装着し、該フィルムシートロールをこれにブレーキを掛けながら回転させることによりフィルムシートを順次繰り出すと共に各種物品のフィルム加工工程に送り出すフィルムシート繰り出し手段において、
シャフトを支持軸にそれと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設し、回転する支持軸に適度のブレーキを掛けつつフィルムシートロールからフィルムシートを繰り出すに際して、フィルムシートロールの巻き径が大きくモーメントによる繰り出し力が小さいときはシャフトが支持軸と同調回転し、またフィルムシートロールの巻き径が小さくなりモーメントによる繰り出し力が大きくなったときはシャフトが支持軸と同調することなくスリップ回転するようにしたことを特徴としている。
【0013】
前記構成においても、既述の第一のフィルムシート繰り出し手段に採用されたように、例えば紙管内周とシャフト外周との間に間隙を設ける等して、紙管をシャフトと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設してもよい。
【0014】
前記構成における、シャフトを支持軸にそれと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設する手段として、例えばシャフト内周と支持軸外周との間に間隙を設けてもよく、或いはシャフトを支持軸に結合部材を介して支持させると共に該結合部材をシャフトと支持軸との間にそれらの少なくとも一方と同調回転可能且つスリップ回転可能に介設することもできる。
【0015】
本発明において、前記フィルムシートや紙管の材料や構成にも特別な制限はない。紙管の材質として、従来から紙管材料として公知の紙材やプラスチック、セラミック、金属等を単独で或いは複合して使用することができる。また、紙管内側の表面には、その部分を滑り易くするために各種公知の処理が施されていてもよい。
【0016】
また、前記シャフトの材質や形状、構成等に関しても特別な制限はない。シャフトの材質として、従来からシャフト材料として公知の金属やプラスチックその他を好適に使用することができる。また、シャフトの形状としては、後述するような単なる円柱状であってもよく、また表面に溝を軸方向に沿って設け或いは表面周囲に溝を同心円状に単数若しくは複数設けてもよい。さらに、円柱状シャフトにテーパーを付けてもよく、その場合に径の小さい部分にがたつき防止のガイドを設けてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るフィルムシート繰り出し手段によれば、フィルムシートロールが使い始め当初で最大巻き径の時(モーメントによる繰り出し力が最小)に最小のブレーキ力を設定しておけばよく、それにより、フィルムシートの繰り出しが進行してフィルムシートロールの巻き径が減少した場合にも、モーメントによる繰り出し力が大きくなり過ぎてフィルムシートに過度のバックテンションが掛かることを回避することができる。
【0018】
また、フィルムシートの巻き径が小さくなってモーメントによる繰り出し力が大きくなり過ぎた場合には、第一のフィルムシート繰り出し手段では紙管がシャフトと連動する必要がなく自由に回転できるので、ある時点で紙管がシャフトに対してスリップ回転を始め、また第二のフィルムシート繰り出し手段ではシャフトが支持軸に対してスリップ回転を始め、さらに第二のフィルムシート繰り出し手段に第一のフィルムシート繰り出し手段における同調回転−スリップ回転機構を付加したものではシャフトに対する紙管のスリップ回転及び/又は支持軸に対するシャフトのスリップ回転が種々のタイミングで適宜生じるので、何れの場合もモーメントによる繰り出し力の増加を自動的に回避することができる。
【0019】
さらに、本発明に係るフィルムシート繰り出し手段によれば、先行技術に見られるようなダンサーアームやポテンショメータ及びモータ等の複雑な駆動システムを必要としないため、スペースを必要とせずにコンパクトに仕上がり、コストが掛からず安価で単純な構成ですみ、先行技術における前記複雑なシステム構成から発生するトラブルや故障を気遣う必要がなく、メンテナンス性に優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施例に基づき、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、フィルムシート繰り出し手段の繰り出し動作中における側面図である。図2(A)は、図1に示すフィルムシート繰り出し手段における紙管とシャフトの組み合わせ状態を示す組立斜視図、同図(B)は、同図(A)に示すフィルムシート繰り出し手段の繰り出し動作中における斜視図である。
【0021】
本発明が対象とするようなフィルムシート繰り出し手段は、基本構成として、例えば図1及び図2(B)に示すように、加工対象物品が太い矢印で示す方向に搬送される搬送ラインLに、フィルムシートロール2から繰り出されたフィルムシート3を送り込むものであり、例えば前記フィルムシート3を加工対象物品の表面に貼付したり、或いは前記フィルムシート3を折り畳まれて積層された形態の加工対象物品におけるその積層対向面間に挿入したりする場合等に適用できる。
【0022】
前記フィルムシート繰り出し手段においては、具体的には、図2(A)に示すようにシャフト1にフィルムシートロール2の紙管4が嵌め込まれ、図1及び図2(B)に示すように、フィルムシート3が前記搬送ラインLの流れに次々と引き込まれ、それによりフィルムシートロール2がブレーキを掛けられながら回転すると共に該フィルムシートロール2からフィルムシート3が引っ張り出され、前記機構によりフィルムシート3が順次繰り出されるものである。前記のように繰り出されたフィルムシート3は、図1及び図2(B)に示すように、例えば途中のサポートローラ5、6を通過して経路を変化させられ、前記搬送ラインLに送り込まれる。
【実施例1】
【0023】
図3は、本発明の実施例1に係るフィルムシート繰り出し手段におけるシャフトの外径と紙管の内径の関係を説明する断面図、図4(A)及び(B)は、本発明の実施例1に係るフィルムシート繰り出し手段におけるシャフトへの紙管の装着状態を経時的に示す断面図である。
【0024】
図3に示すように、支持軸12が回転可能且つパウダーブレーキ等のブレーキ11により制動可能に設けられると共に側板10を備え付けたシャフト1(外径a)が前記支持軸12に固定され、前記シャフト1には、紙管4(内径b)にフィルムシート3を巻き付けてなるフィルムシートロール2の該紙管4が嵌め込まれる。この場合、シャフト1の外径aと紙管4の内径bとが外径a<内径bの関係にあるため、図4(A)に示すようにシャフト1外周と紙管4内周の間にそれらの外径aと内径bの差cに対応する間隙が生じている。この状態において、フィルムシートロール2の回転中心から半径dの距離にあるフィルムシート3の先端部分が繰り出されることによりフィルムシートロール2が回転を始めると、シャフト1とフィルムシートロール2の紙管4はシャフト1上部の接触部分における相互間の摩擦により同調して回転する。そして、フィルムシート3が前記のように繰り出される際の惰性でフィルムシートロール2が先走って回転し、それによってフィルムシート3を弛めないように、ブレーキ11によりシャフト1に、従ってこれと一体の支持軸12に僅かなブレーキを常時掛けておけば、フィルムシート3は首尾良く継続的に繰り出されるのである。
【0025】
図4(A)に示す状態のフィルムシートロール2からフィルムシート3を連続的に繰り出していくと、フィルムシートロール2の巻き径は漸次小さくなる。そして、図4(B)に示すように、例えばフィルムシートロール2におけるフィルムシート3の繰り出し位置が回転中心から半径eの距離になると、側板10を伴ったシャフト1と同調して回転するためのモーメントによる繰り出し力が半径dの場合に比して大きくなり、繰り出しの際にフィルムシート3に掛かる引っ張り力が強くなる。通常の場合、このまま引っ張り力が大きくなり続けると、当然ながら下流の搬送経路においてフィルムシート3にバックテンションの現象が発現するため、フィルムシート3の脱落、はみ出し、位置ずれ等の事故を起こすと共に不良品の発生を招くことになる。
【0026】
しかし、本発明においては、フィルムシートロール2の半径が例えば前記eになった時点で、自重が当初より軽くなっているため、シャフト1とフィルムシートロール2の紙管4との相互間の摩擦が小さくなり、しかもシャフト1外周と紙管4内周との間にはそれらの外径aと内径bと差cに対応する間隙が設けられているため、両者は容易にスリップして空回りすることができるので、フィルムシートロール2はその紙管4においてシャフト1の回転を無視して自動的にスリップ回転を行い、それによりフィルムシート3に掛かるバックテンションを逃がすことができるのである。
【0027】
かくして、フィルムシート3は、フィルムシートロール2におけるその使い始めの半径dの状態から使い終わりに近づいた半径eの状態及び使い終わりに至るまで、何らのストレスも生じることなく該フィルムシートロール2から円滑に繰り出され、首尾良く作業が遂行されるのである。
【実施例2】
【0028】
図5(A)は、本発明の実施例2に係るフィルムシート繰り出し手段を示す断面図である。
実施例1に係るフィルムシート繰り出し手段は、既述のように、シャフト1外周と紙管4内周との間にそれらの外径aと内径bの差cに対応する間隙が設けられると共に両者の間でスリップ回転が生じるように構成されているが、図5(A)に示す実施例2では前記実施例1が一部変形され、支持軸12が回転可能且つブレーキ11により制動可能に設けられると共に、側板10を備え付けたシャフト1が前記支持軸12にそれと同調回転可能且つスリップ回転可能に、シャフト1内周と支持軸12外周との間にそれらの径の差fに対応する間隙を設けて支持され、前記シャフト1にはフィルムシートロール2の紙管4(図示省略)が嵌め込まれる。
【0029】
前記構成の場合、紙管4の内径がシャフト1の外径とほぼ同等で差がなく、これらの間でスリップ回転できない状況にあっても、支持軸12とシャフト1がブレーキ11による該支持軸12の適度な制動下に同調回転且つスリップ回転し、それにより巻き径が小さくなったフィルムシートロール2からのフィルムシート3の繰り出しの際に発生しがちな過度なバックテンションを逃がすことができる。
【実施例3】
【0030】
図5(B)は、本発明の実施例3に係るフィルムシート繰り出し手段を示す断面図である。
図5(B)に示す実施例3では前記実施例1又は実施例2が一部変形され、支持軸12が回転可能且つブレーキ11により制動可能に設けられると共に、側板10を備え付けたシャフト1が前記支持軸12にそれと同調回転可能且つスリップ回転可能に、ブッシュ等の結合部材13を前後両側に介して支持され、前記シャフト1にはフィルムシートロール2の紙管4(図示省略)が嵌め込まれる。なお、前記結合部材は、シャフト1及び支持軸12の少なくとも一方と同調回転且つスリップ回転し得るように構成されている。
【実施例4】
【0031】
図示は省略するが、実施例4として、既述の実施例1及び実施例2における各同調回転−スリップ回転機構を併有したフィルムシート繰り出し手段を構成することができ、その場合、シャフト1外周と紙管4内周の間及びシャフト1内周と支持軸12外周との間にそれぞれ間隙を設け、何れかの部材間で或いは全ての部材間で同調回転且つスリップ回転し得るように構成してもよい。また、前記何れかの部材間に実施例3に用いられたブッシュ等の結合部材13を活用して同調回転且つスリップ回転し得るように構成することも可能である。
【0032】
本発明は既述の実施例に限定されるものではない。
例えば、使用条件等に応じて本発明の効果をより向上させるために、シャフトの形状に工夫を凝らしてもよい。
図6(A)〜(D)は本発明に係るフィルムシート繰り出し手段に使用し得るシャフトの変形例の斜視図である。同図(A)に示すものは、シャフト表面にその軸方向に沿って溝を複数形成したものであるが、これに代えて単数の溝が形成されていてもよい。また、同図(B)に示すものは、シャフト表面にその円周に沿って同心円状に複数の溝を形成したものであるが、これに代えて単数の溝が形成されていてもよい。さらに、同図(C)に示すものは、円錐状にテーパーを設けた形状を呈し、さらにまた同図(D)に示すものは、前記のようにテーパーを設けた形状のものにおける径の小さい紙管挿入側に、がたつき防止のためのはちまき状の鍔を形成したものである。なお、図6(A)〜(D)に示す前記のようなシャフト形状の各工夫は、単独で或いは複数複合して各シャフトに採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】フィルムシート繰り出し手段の繰り出し動作中における側面図である。
【図2】(A)は、図1に示すフィルムシート繰り出し手段における紙管とシャフトの組み合わせ状態を示す組立斜視図、(B)は、(A)に示すフィルムシート繰り出し手段の繰り出し動作中における斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係るフィルムシート繰り出し手段におけるシャフトの外径と紙管の内径の関係を説明する断面図である。
【図4】(A)及び(B)は本発明の実施例1に係るフィルムシート繰り出し手段におけるシャフトへの紙管の装着状態を経時的に示す断面図である。
【図5】(A)は、本発明の実施例2に係るフィルムシート繰り出し手段を示す断面図、(B)は、本発明の実施例3に係るフィルムシート繰り出し手段を示す断面図である。
【図6】(A)〜(D)は本発明に係るフィルムシート繰り出し手段に使用し得るシャフトの変形例の斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
L 搬送ライン
a シャフト外径
b 紙管内径
c、f 差
d、e 半径
1 シャフト
2 フィルムシートロール
3 フィルムシート
4 紙管
5、6 サポートローラ
10 側板
11 ブレーキ(パウダーブレーキ)
12 支持軸
13 結合部材(ブッシュ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムシートを紙管に巻き付けてなるフィルムシートロールをその紙管においてシャフトに装着し、該フィルムシートロールをこれにブレーキを掛けながら回転させることによりフィルムシートを順次繰り出すと共に各種物品のフィルム加工工程に送り出すフィルムシート繰り出し手段において、
紙管をシャフトと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設し、回転するシャフトに適度のブレーキを掛けつつフィルムシートロールからフィルムシートを繰り出すに際して、フィルムシートロールの巻き径が大きくモーメントによる繰り出し力が小さいときは紙管がシャフトと同調回転し、またフィルムシートロールの巻き径が小さくなりモーメントによる繰り出し力が大きくなったときは紙管がシャフトと同調することなくスリップ回転するようにしたことを特徴とするフィルムシート繰り出し手段。
【請求項2】
紙管内周とシャフト外周との間に間隙を設けると共にそれによって紙管をシャフトと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設した請求項1に記載のフィルムシート繰り出し手段。
【請求項3】
フィルムシートを紙管に巻き付けてなるフィルムシートロールをその紙管においてシャフトに装着し、該フィルムシートロールをこれにブレーキを掛けながら回転させることによりフィルムシートを順次繰り出すと共に各種物品のフィルム加工工程に送り出すフィルムシート繰り出し手段において、
シャフトを支持軸にそれと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設し、回転する支持軸に適度のブレーキを掛けつつフィルムシートロールからフィルムシートを繰り出すに際して、フィルムシートロールの巻き径が大きくモーメントによる繰り出し力が小さいときはシャフトが支持軸と同調回転し、またフィルムシートロールの巻き径が小さくなりモーメントによる繰り出し力が大きくなったときはシャフトが支持軸と同調することなくスリップ回転するようにしたことを特徴とするフィルムシート繰り出し手段。
【請求項4】
紙管をシャフトと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設した請求項3に記載のフィルムシート繰り出し手段。
【請求項5】
シャフト内周と支持軸外周との間に間隙を設けると共にそれによってシャフトを支持軸にそれと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設した請求項3又は4に記載のフィルムシート繰り出し手段。
【請求項6】
シャフトを支持軸に結合部材を介して支持させると共に該結合部材をシャフトと支持軸との間にそれらの少なくとも一方と同調回転可能且つスリップ回転可能に介設し、それによってシャフトを支持軸にそれと同調回転可能且つスリップ回転可能に配設した請求項3又は4に記載のフィルムシート繰り出し手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−39244(P2007−39244A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185277(P2006−185277)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000105280)ケイディケイ株式会社 (99)
【Fターム(参考)】