説明

フィルム体搬送装置およびフィルム体加工システム

【課題】複数枚のフィルム材が積層されて成るフィルム体であっても、このフィルム体を損傷することなく、また各フィルム材を一まとまりにして搬送することのできるフィルム体搬送装置、およびこのフィルム体搬送装置を備えるフィルム体加工システムを提供する。
【解決手段】フィルム体Fの厚み方向の一表面が当接可能な当接面を有する保持板22と、当接面よりも下方に設けられ、かつ複数の孔が形成されるガス噴射面33を有し、当接面およびガス噴射面33の間に設けられるフィルム体Fを当接面に押し付け可能に、複数の孔から略均一にガスを噴出するガス噴出手段21と、保持板22を前記孔から噴射されるガスの噴射方向に対して、少なくとも交わる方向に移動させる移動部23とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に液晶表示素子等に用いられる光学フィルム等、軽薄で可撓性を有するフィルム体を搬送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子を照明するために用いられる面状発光装置には、集光機能を有するレンズフィルムと、出射された光を均一に拡散する拡散フィルムとが、それぞれ少なくとも1枚以上組込まれている。レンズフィルムおよび拡散フィルムといった光学フィルムは、それぞれ搬送用シートに貼合せられた状態で、光学フィルムのみを所定の形状に打抜くことによって得られる。打抜かれた光学フィルムは、人手によって一枚ずつ取出され、面状発光装置に組込まれる。打抜かれた光学フィルムを取出す工程が自動化された場合には、光学フィルムの表面を吸着装置によって吸着して一枚ずつ取出す方法が用いられる。
【0003】
複数枚の光学フィルムを積層した状態で所定の形状に裁断し、複数枚の光学フィルムを積層したままの状態で扱う技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の技術によれば、面状発光装置に組込まれる光学フィルムの枚数分だけ必要であった光学フィルムの裁断工程が各面状発光装置に対して一工程ずつで完了するので効率が良く、また複数枚の光学フィルムを積層した状態で扱うので、光学フィルム同士の間にごみが入る可能性が低く、製品の歩留まり向上が期待できる、などの効果がある。
【0004】
積層された光学フィルムをひとまとまりとして扱う場合、人手では光学フィルム同士がずれないように扱うことが困難であり、また許容される負荷よりも大きい負荷をかけて光学フィルムを損傷してしまうおそれがある。また吸着装置を用いて光学フィルムの表面を吸着する場合では、最上面に位置する光学フィルムだけしか吸着することができず、積層した状態のままで扱う優位性が損なわれる。複数枚の光学フィルムを積層した状態のままで扱うために、前述の特許文献1に開示の技術では、光学フィルムの積層体の周縁を接合している。
【0005】
一方、板状部材に傷などのダメージを与えないように保持、搬送する技術として特許文献2に開示されているような、エア浮上ステージを利用した搬送装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2007−156014号公報
【特許文献2】特開2002−151570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示の技術において、積層された光学フィルムをひとまとまりとして扱うためには、前述のように光学フィルムの積層体の周縁を接合することが必要である。この接合された領域(以下「接合領域」という)では、光学フィルムにひずみが生じて光学フィルム積層体の平坦性が損なわれ、特に接合領域近傍において、要求される光学特性が得られないことがある。複数枚の光学フィルムを積層した状態で所定の形状に裁断する工程を連続的に行うためには、図8に示すように、複数に積層した帯状の光学フィルム1を打抜き刃2で打抜き、帯状の光学フィルムを折り返すエッジローラ部3が設けられる部分において、チャックハンド4によって、打抜かれた光学フィルム体5を保持するフィルム加工装置を使用することが考えられる。しかしながら、前記光学フィルム体5の周縁を接合していない場合、エッジローラ部3から外方に繰り出される前記光学フィルム体5の取り出しには、前述の通り吸着装置を用いると、最上面の光学フィルムしか吸着することができず、また、図8に示すように繰り出された前記光学フィルム体5が撓んでしまう可能性が高く、このような状態のままでは光学フィルム体5の上下から挟みこむようにして、チャックハンド4によって光学フィルム体5を保持することも困難である。さらに、光学フィルム体5がエッジローラ部3から繰り出される時点では光学フィルム体5に含まれる複数の光学フィルム材は接合されていないので、光学フィルム体5が撓んだ状態では、たとえチャックハンド4によって上下から挟み込み保持できたとしても夫々の相対位置がずれてしまう可能性が高い。
【0008】
また、特許文献2に開示の技術では、撓みが少なく剛性が高い基板を搬送することはできるが、軽薄で可撓性を有するフィルム体を搬送する場合においては、フィルム材がエア圧によって吹き飛ばされてしまったり、フィルム材が有する反りぐせなどの影響によってエア圧が材料に均等に負荷されず、浮上させることが困難であったりするなどの問題がある。
【0009】
したがって本発明の目的は、複数枚のフィルム材が積層されて成るフィルム体であっても、このフィルム体を損傷することなく、また各フィルム材を一まとまりにして搬送することのできるフィルム体搬送装置、およびこのフィルム体搬送装置を備えるフィルム体加工システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、フィルム体を搬送するフィルム体搬送装置であって、
前記フィルム体の厚み方向の一表面が当接可能な当接面を有する被移動部材と、
前記当接面よりも下方に設けられ、かつ複数の孔が形成されるガス噴射面を有し、前記当接面および前記ガス噴射面の間に設けられる前記フィルム体を前記当接面に押し付け可能に、前記複数の孔から略均一にガスを噴出するガス噴出手段と、
前記被移動部材を前記孔から噴射されるガスの噴射方向に対して、少なくとも交わる方向に移動させる移動手段とを含むことを特徴とするフィルム体搬送装置である。
【0011】
また本発明は、前記フィルム体搬送装置と、
複数のフィルムロール材から繰り出される帯状フィルム材を積層した状態で搬送する帯状フィルム材搬送装置と、
前記帯状フィルム材搬送装置によって搬送されている積層された前記複数の帯状フィルム材のうちの少なくとも1枚の帯状フィルム材を予め定める形状に打ち抜いて、前記フィルム体を形成するフィルム材打抜き装置とを含み、
前記ロール材搬送装置の搬送動作に同期して、前記フィルム体搬送装置の前記移動手段が前記被移動部材を移動させて、前記当接面および前記ガス噴射面の間にフィルム体を導入することを特徴とするフィルム体加工システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フィルム体の厚み方向の一方の表面は、当接面と接触はするが、摺動することがなく、フィルム体の厚み方向の他表面は、ガス噴射面から離反して非接触としてフィルム体が被移動部材に保持されるので、フィルム体に傷をつけることなく搬送することが可能である。さらに、一方向からのガス噴出圧によって被移動板材にフィルム体を押し付けて保持するため、フィルム体が有する反りなどの影響がない状態で安定してフィルム体を搬送することが可能である。フィルム体は、1枚のフィルム材であってもよく、積層された複数枚のフィルム材から成ってもよい。
【0013】
また本発明によれば、フィルム打抜き装置によって打ち抜かれたフィルム体を確実に取り出して搬送し、次の工程へと受け渡すことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の実施の一形態のフィルム体加工システム10の構成を示す図である。フィルム材加工システム11は、本発明の実施の一形態のフィルム体搬送装置11と、帯状フィルム材搬送装置12と、フィルム材打抜き装置13と、把持装置14とを含んで構成される。
【0015】
フィルム体搬送装置11は、積層された複数枚のフィルム材からなり、軽薄で可撓性を有するフィルム体Fを搬送する。フィルム体搬送装置11は、ガス噴出手段21と、被移動部材である保持板22と、移動手段を構成する移動部23および制御部24とを含む。
【0016】
図2は、ガス噴出手段21の構成を示す図である。ガス噴出手段21は、ガス噴出部31と、ガス供給部32とを含んで構成される。ガス噴出部31は、複数の孔が形成されるガス噴射面33を有する。ガス噴射面33は、ガス噴出部31の上面に形成され、平面に形成される。ガス噴出部31は、略直方体状に形成される。ガス噴出部31は、微細孔が形成されている多孔質材料から成り、特に図示はしないがガス噴出部31の側面部31aに形成される孔は、ガス漏れが無いように接着剤などによって封止されている。なお、多孔質材料は、金属製、セラミック製または樹脂製であってもよく、特にその材種を限定するものではないが、ガス噴射面33である上面で開口する微細孔と、下面で開口する微細孔とが連通し、下面の微細孔からガスを導入すると、上面の微細孔からガスが噴出する構成であればよい。多孔質材料の微細孔径は数十μm〜数百μmであり、また、その開孔率は20%〜50%程度のものが一般的であるが、いずれについても浮上させたいフィルム体Fのサイズ、積層枚数により適宜選択すれば良く、その値については特に限定するものではない。このような微細孔が形成されることによって、ガス噴射面33の複数の孔から略均一にガスを噴出することができ、上方にフィルム体Fを押し上げて、フィルム体Fを後述する保持板22の当接面42に押し付けるときに、フィルム体Fの全面にわたって略均一な力で押し付けることができ、確実にフィルム体Fを浮上させて押し付けることができる。本実施の形態においてガスの噴出方向は、前記ガス噴射面31に垂直な方向である。
【0017】
ガス供給部32は、ガス噴出部31にガスを供給し、チャンバ部34と、ガス配管35と、レギュレータ36とコンプレッサ37とを含んで構成される。チャンバ部34は、ガス噴出部31の下面を覆って設けられ、ガス噴出部31の下部に所定の空間を形成する。チャンバ部34に供給されるガスは、ガス噴出部31の下面のほぼ全領域からガス噴出部31に形成される微細孔に供給される。ガス配管35は、チャンバ部34に接続されており、ガス配管35はレギュレータ36を介してコンプレッサ37に接続されている。コンプレッサ37は、圧縮空気をレギュレータ36に供給する。レギュレータ36は、コンプレッサ37から供給される圧縮された空気を減圧し、ガス配管35に、予め定める一定の圧力の空気を供給する。本実施の形態において、ガスは、空気であるが、空気に限らず、窒素ガスなどであってもよい。ガスとして窒素ガスなどを用いる場合には、コンプレッサ37に代えてガスボンベを用いればよい。
【0018】
保持板22は、下面にフィルム体Fの厚み方向の一表面Faが当接可能な当接面42を有する。当接面42は平面に形成される。前記ガス噴出部31のガス噴射面33は、当接面42よりも下方に設けられる。保持板22は、ガス噴出部31のガス噴射面33に対向する位置に、後述する移動部23によって移動可能に設けられる。前記当接面42は、保持板22は、ガス噴出部31のガス噴射面33に対向する位置で、ガス噴射面33に対向する。ここでは当接面42は平面に形成されているが、平面でなくてもよく、フィルム体Fが当接したときにフィルム体Fが平らになるように、フィルム体Fの一表面Faと当接する面が相互に離間するような複数の面から成る構成であってもよい。
【0019】
保持板22の本体部は金属材料から成り、当接面42には二トリルゴムのシートが貼り付けられている(図示せず)。二トリルゴムは吸着パッドの材料等に一般的に用いられている材料で、柔軟であるためフィルム体Fに傷を付けにくい。なお、保持板22の当接面42に貼り付ける材料はフィルム材料より硬度が低い材料であれば二トリルゴムに限るものではない。
【0020】
保持板22は、後述する帯状フィルム材搬送装置12によって搬送される帯状フィルム材43の上方と、前記ガス噴出部31の上方とに渡って、移動可能に設けられる。保持板22は、前記当接面42と、帯状フィルム材43の上面とが上下方向に所定の間隔をあけて設けられ、また前記当接面42と、ガス噴射面33とが上下方向に所定の間隔をあけて設けられる。
【0021】
移動部23は、保持板22を、帯状フィルム材43の搬送に同期して、前記ガス噴射面33の微細孔から噴射されるガスの噴射方向に対して少なくとも交わる方向に移動可能な機構を有する。この機構は、本実施の形態では、ガス噴射面33に平行な方向であって、帯状フィルム材43の送り方向に沿う水平方向に保持板22を移動させる。移動部23の機構としては、保持板22に直動ガイドおよびナットを固定し、該ナットに螺合したボールネジをモータによって回転させることで動作させる方法などが考えられるがその機構は特に限定するものではない。移動部23の前記モータは、制御部24からの動作指令に応じて動作する。保持板22は当接面42が水平となるように移動部23によって保持される。
【0022】
図3は、保持板22の底面図であり、図4は保持板22の側面図である。保持板22は、当接面42上におけるフィルム体Fの位置決めを行う位置決め手段を有する。位置決め手段は、先端にテーパ44が形成され、すなわち先端が先細状となる複数の位置決めピン45によって構成される。位置決めピン45は略円柱形状に形成される。各位置決めピン45は、フィルム体Fの形状に合わせて設けられ、フィルム体Fが当接面42に押し付けられるときに、当接面42に平行であり、相互に垂直な2方向へのフィルム体Fの移動を規制するように設けられる。本実施の形態では、フィルム体Fは長方形状であるので、フィルム体Fが当接面42に押し付けられるときに、フィルム体Fの各側面に1つずつ位置決めピン45が臨むように、4つの位置決めピン45が設けられる。位置決めピン45を設けることによって、フィルム体Fがガス圧によって当接面42に押し付けられる際、位置決めピン45に倣うように移動して位置決めを行うことが可能であり、当接面42に垂直な方向へのフィルム体Fの移動を抑制することができる。また位置決めピン45にテーパ44が形成されることによって、所定の位置にフィルム体Fを円滑に案内することができる。このように保持板22が位置決め手段を有することによって、フィルム体Fの保持と同時に位置決めを行うことが可能となる。またフィルム体Fの側面の全周にわたって壁部を設けるのではなく、位置決めピン45によって位置決め手段を構成することによって、フィルム体Fを当接面42に押し付けるときに、位置決め手段によってガスの流れが邪魔されることがない。
【0023】
フィルム体Fが長方形の場合には、4つの位置決めピン45は、フィルム体Fの一方の対角線の両端部の近傍に設けられる。このように位置決めピン45を設けることによって、搬送中に位置決めされたフィルムが移動するのを防止するという効果達成することができる。
【0024】
位置決めピン45の長さH1は、フィルム体Fの厚みT1以上であり、フィルム体43の上面、及びガス噴出部31と位置決めピン45の先端が干渉しない寸法であれば特に限定するものではない。
【0025】
保持板22がフィルム体Fを搬送するときの搬送方向X1の下流側の端部22Aには、当接面42にフィルム体Fが当接した状態で、フィルム体Fの周縁部の一部が露出するように切欠き部39が形成されている。切欠き部39は、位置決めピン45によって位置決めされたフィルム体Fの厚み方向の上面が上方に露出するように、保持板22の厚み方向に延びて形成されている。切欠き部39の幅W1は、後述するチャックハンド61の把持部63の把持片63aの幅よりも大きく選ばれており、これによって把持片63aが上下方向に移動可能となる。また切欠き部39は、保持板22の幅方向の中央部に形成されている。
【0026】
再び図1を参照して、帯状フィルム材搬送装置12は、複数のフィルムロール材から繰り出される帯状フィルム材43を積層した状態で搬送する。複数の帯状フィルム材43は、第1の帯状フィルム材43aと、第2の帯状フィルム材43bと、刃当て帯状フィルム材43cとを含んでいる。第1の帯状フィルム材43aと、第2の帯状フィルム材43bと、刃当て帯状フィルム材43cとはこの順番で積層されている。各帯状フィルム材43a,43b,43cは、その搬送経路の途中で厚み方向の両面が略水平となるように搬送され、この略水平に搬送される部分の搬送方向の下流側の端部で、帯状フィルム材搬送装置12のエッジローラ46に巻き掛けられて折り返されている。各帯状フィルム材43a,43b,43cの厚み方向の両面が略水平に搬送される部分を、水平搬送部分という。水平搬送部分では、刃当て帯状フィルム材43cが最も下方に位置するように各帯状フィルム材43a,43b,43cが搬送される。
【0027】
帯状フィルム材43は、巻き取りローラ47によって帯状フィルム材43の搬送方向下流側の端部で巻き取られる。帯状フィルム材搬送装置12は、さらに第1駆動部49と制御部24とを含む。巻き取りローラ47は、フィルム打抜き装置13の動作に同期して、第1駆動部49によって所定の方向に間欠的に回転する。第1駆動部49は、モータを含んで構成され、たとえばモータを駆動源とし、歯車または摩擦車などを介して前記巻き取りローラ47の回転軸を回転させる。第1駆動部49の前記モータは、制御部24からの動作指令に応じて動作する。
【0028】
ガス噴出部31は、エッジローラ46の近傍に設けられ、かつガス噴射面33が前記水平搬送部分における各帯状フィルム材43a,43b,43cの高さ位置よりもわずかに下方となり、エッジローラ46の回転軸線を含む水平面よりも上方となるように設けられている。このため、略直方体状に形成されるガス噴出部31と、帯状フィルム材43a,43b,43cのエッジローラ46に巻き掛けられる部分とを所定の間隔をあけて配置すると、ガス噴射面33と帯状フィルム材43a,43b,43cのエッジローラ46に巻き掛けられる部分との間には、前記所定の間隔に加えて、エッジローラ46の曲率半径およびエッジローラ46の軸線を含む水平面からの距離に応じた隙間が形成される。この隙間が大きくなってしまう場合には、ガス噴出部31のエッジローラ46に臨む側面の上端部に、ガス噴射面33に連なる隙間防止部材50が設けられる。隙間防止部材50は、その上面がガス噴射面33と同一平面に形成され、またエッジローラ46の臨む先端部が前記帯状フィルム材43a,43b,43cのエッジローラ46に巻き掛けられる部分と所定の間隔をあけて設けられる。
【0029】
ここでは、隙間防止部材50は、ガス噴出部31とは別部材で構成しているが、ガス噴出部31の一部を隙間防止部材50と同様の形状に形成して、ガス噴出部31と隙間防止部材50とを一体に形成してもよい。このような場合には、隙間防止部材50の部分においても、ガスが噴射されるので、より好ましい。またガス噴射面33は、その幅が、フィルム体Fの搬送方向および厚み方向のそれぞれに垂直な方向の幅よりも、少なくとも大きくなるように形成されており、帯状フィルム材43の幅と同程度となるように形成されている。
【0030】
またガス噴出部31の前記搬送方向X1の下流側の端部31Aには、切欠き部40が形成されている。保持板22の前記搬送方向X1の下流側の端部22Aと、ガス噴出部31の前記搬送方向X1の下流側の端部31Aとが対向するように配置されたときに、ガス噴出部31の切欠き部40は、保持板22の切欠き39と上下方向に重なるように形成される。切欠き部40の幅は、切欠き部39の幅に等しくなるように形成されており、また前記搬送方向X1の深さは、切欠き部39の前記搬送方向X1の深さと等しく選ばれており、これによってガス噴出部31に接触することなく、把持部63の把持片63bを上下方向に移動させて、保持板22の当接面42に当接しているフィルム体Fを、上下方向から把持片63a,63bによって把持することができる。
【0031】
フィルム材打抜き装置13は、帯状フィルム材搬送装置12によって搬送されている積層された複数の帯状フィルム材43のうちの少なくとも1枚の帯状フィルム材43、本実施の形態では、第1および第2の帯状フィルム材43a,43bを予め定める形状に打ち抜いて、複数のフィルム材が積層されて成るフィルム体Fを形成する。フィルム体Fを構成するフィルム材は、合成樹脂から成り、たとえばレンズフィルムおよび拡散フィルムなどの光学フィルムである。
【0032】
フィルム材打抜き装置13は、打抜き刃51と、第2駆動部52と、受け部53と、制御部24とを含んで構成される。打抜き刃51は、第2駆動部52に固定して設けられる。第2駆動部52は、プレス機構を有し、打抜き刃51を上下方向に駆動可能に保持する。プレス機構としてはモータとクランク機構とを組み合わせた機構、モータとボールネジとを組み合わせた機構、エアシリンダと直動ガイドとを組み合わせた機構などが考えられるが、その構成は特に限定するものではない。第2駆動部52は、制御部24からの動作指令に応じて動作する。
【0033】
打抜き刃51は、帯状フィルム材43を打抜くべき形状に合わせて形成され、本実施の形態では四角枠状に形成されている。第2駆動部52は、抜打ち刃51の刃先を略水平に保持して上下方向に移動させる。受け部53は、抜打ち刃51の下方に設けられ、抜打ち刃51に臨む上面が略水平に形成される。打抜き刃51および受け部53は、水平搬送部分で、エッジローラ46よりも搬送方向上流側に、予め定める間隔をあけて設けられる。この予め定める間隔は、水平保持部分のうち抜打ち刃51とエッジローラ46との間で、保持板22が帯状フィルム材43の上方に所定の間隔をあけて配置することができるように選ばれる。
【0034】
抜打ち刃51は、受け部53に最も近接する打ち抜き位置と、受け部53から最も離反する離反位置とにわたって移動する。少なくとも離反位置において抜打ち刃51と受け部53との間には、帯状フィルム材43a,43b,43cのそれぞれの厚みを加算した値以上の隙間が形成される。また打抜き位置において抜打ち刃51と、受け部53との間には、刃当て帯状フィルム材43cの厚みよりもわずかに小さい隙間が形成される。すなわち、各帯状フィルム材43a,43b,43cのうち、抜打ち刃51によって打ち抜かれるのは第1および第2の帯状フィルム材43a,43bのみであり、刃当て帯状フィルム材43cには打抜き刃51の刃先が食い込む程度で留まるように調整されている。
【0035】
把持装置14は、フィルム体搬送装置11のフィルム体Fの搬送方向下流側に設けられ、フィルム体搬送装置11によって搬送されるフィルム体Fの一端部を把持して、他の装置に受け渡す。把持装置14は、チャックハンド61と、チャックハンド61を駆動する第3駆動部62と、制御部24とを含む。チャックハンド61は、フィルム体Fを上下方向から挟持する把持片63a,63bを有する把持部63と、該把持部63を一端部において支持し、水平方向に延びる支持部64と、回転軸線L1が鉛直方向に延びるように該支持部64の延在方向の端部に取り付けられた回転軸部65とを含んで構成される。
【0036】
把持部63は、さらに把持片63a,63bを上下方向に近接および離反させる挟持動作機構を有する。フィルム体Fを把持するときには、把持片63aは、把持片63bよりも上方に設けられる。把持片63a,63bは、同じ大きさに形成され、把持片63a,63bの対向する表面は平行な平面に形成される。把持部63の挟持動作機構としては、エアシリンダを使用したもの、モータとリンク機構とを使用したものなどが考えられるが、その機構は特に限定されるものではない。また第3駆動部62は、保持板22の動作に同期させて、該保持板22の移動方向と同じ方向へチャックハンド61を移動可能な第1機構と、チャックハンド61を水平面内で前記回転軸線L1まわりに回転させる第2機構と、チャックハンド61を上下方向に移動可能な第3機構とを含んで構成される。把持片63a,63bの本体部は金属材料から成り、その当接面には二トリルゴムのシートが貼り付けられている(図示せず)。二トリルゴムは吸着パッドの材料等に一般的に用いられている材料で、柔軟であるためフィルム体Fに傷を付けにくい。なお、把持板63a,63bの当接面に貼り付ける材料はフィルム材料より硬度が低い材料であれば二トリルゴムに限るものではない。
【0037】
前記第1機構としては、保持板22と同様にチャックハンド61を固定する部材に直動ガイドおよびナットを取り付け、該ナットに螺合したボールネジをモータによって回転させることで動作させる方法などが考えられるが、その機構は特に限定するものではない。また、該チャックハンド61を回転させる機構としては、回転軸部65とモータまたはエアスピンドルの回転軸部を直結して回転軸部65を回転させる方法、あるいは、同じくモータまたはエアスピンドルを駆動源とし、歯車または摩擦車などを介して回転軸部65を回転軸線L1まわりに回転させる方法などが考えられるが、その機構は特に限定されるものではない。さらに、第3機構としては、前記第1機構と同様にチャックハンド61を固定する部材に直動ガイドおよびナットを取り付け、該ナットに螺合したボールネジをモータによって回転させることで動作させる方法、またはエアシリンダと直動ガイドとを組み合わせた方法などが考えられるが、その機構は特に限定されるものではない。把持片63a,63bを動作させる挟持動作機構と、第3駆動部62の第1〜第3機構とは、制御部24からの動作指令に応じて動作する。
【0038】
制御部24は、マイクロコンピュータによって実現され、フィルム体搬送装置11と、帯状フィルム材搬送装置12と、フィルム材打抜き装置13と、把持装置14とにそれぞれ含まれる制御対象である移動部23、第1〜第3駆動部49,52,62および把持部63の挟持動作機構を制御して、予め定めるプログラムに応じた動作を実行させる。
【0039】
図5〜図7は、フィルム体搬送装置11およびフィルム体加工システム10の動作について説明する図である。以下に、図1とともに図5〜図7を参照して、フィルム体搬送装置11およびフィルム体加工システム10の動作について説明する。
【0040】
図1は、初期状態におけるフィルム体搬送装置11およびフィルム体加工システム10を示している。初期状態では、保持板22は、前記水平保持部分のうち抜打ち刃51とエッジローラ46との間で、帯状フィルム材43の上方に所定の間隔をあけた初期位置P11で静止している。保持板22は、前述した位置決めピン45が、帯状フィルム材43には接触しないように帯状フィルム材43から離間している。また初期位置P11に設けられる保持板22の直下には、後述する打ち抜き工程によって既に打ち抜かれたフィルム体F1が位置している。保持板22の当接面42は、フィルム体F1に対向している。初期位置P11で保持板22の当接面42と、フィルム体F1の上面との間隔は、1.0mm〜1.5mm程度に選ばれている。
【0041】
また、ガス噴出部31のガス噴射面33からは所定圧のガスが常時噴出されている。このときのガス圧については、搬送すべきフィルム材の材料、サイズおよび積層枚数などに応じてレギュレータ36によって適当に調整すればよく、その圧力を限定するものではないが、供給元の圧力としては0.5MPa程度あれば十分である。また初期状態では、打抜き刃51は離反位置に設けられる。
【0042】
図5(1)は、チャックハンド61を初期位置P21に移動させるとともに、打抜き刃51を打抜き位置に移動させた状態を示す図である。初期状態から動作をスタートすると、まず第1工程では、制御部24が第3駆動部62に動作指令を出力して、第3駆動部62がチャックハンド61を初期位置P21に移動させるとともに、制御部24が第2駆動部52に動作指令を出して、打抜き刃51を降下させて、打抜き位置に移動させる。これによって、第1および第2の帯状フィルム材43a,43bが打抜き刃51によって所定の形状に打抜く。前述の通り、このとき、打抜き刃51の刃先は下死点において積層された第1および第2の帯状フィルム材43a,43bと刃当て帯状フィルム材43cとの最下層に位置している刃当て帯状フィルム材43cには、刃がある程度喰い込むのみで、この刃当て帯状フィルム材43cを打抜かない高さに調整されている。
【0043】
またこのとき制御部24が把持部63の挟持動作機構に動作指令を出力して、把持片63a,63bの間隔が、フィルム体Fの厚み以上となる非挟持状態にしておく。非挟持状態における把持片63a,63bの間隔は、好ましくはフィルム体Fの厚みの10倍以上となるように設定される。チャックハンド61を初期位置P21に配置されると、把持片63bの遊端部が、切欠き部40が臨む空間に配置され、すなわち把持片63bの遊端部は、切欠き部40の各側面に臨むように配置される。このとき把持片63bの上面は、ガス噴射面33が含まれる仮想一平面よりも下方に配置される。また把持片63aの下面は、当接面42が含まれる仮想一平面よりも上方に配置される。
【0044】
図5(2)は、チャックハンド61を初期位置P21に移動させるとともに、打抜き刃51を打抜き位置に移動させた状態を示す図である。次に第2工程では、制御部24が第2駆動部52に動作指令を出して、打抜き刃51を上昇させて、離反位置に移動させる。第1および第2の帯状フィルム材43a,43bを所定の形状に打抜くことによって形成されたフィルム体F2は、刃当て帯状フィルム材43cの上に積層された状態で、かつ第1および第2の帯状フィルム材43a,43bのうちフィルム体Fに含まれない部分(抜きかす)71に周囲を囲まれた状態で保持されている。
【0045】
図5(3)は、帯状フィルム材搬送装置12によって、積層された各帯状フィルム材43a,43b,43cが搬送方向に1ピッチ分送られ、すなわち刃当て帯状フィルム材43および抜きかす71と共に打抜かれて形成されたフィルム体F1、F2が搬送方向に1ピッチ分送られる様子を示す図である。ここで、1ピッチ分送るとは、打抜き刃51によって打抜かれて生成されてフィルム体Fを、打抜き刃51に臨む位置から、初期位置P11に配置されているときの保持板22に臨む位置まで移動させることである。次に第3工程では、制御部24が第1駆動部49に動作指令を出して、巻き取りローラ47を回転させ、さらに移動部23に動作指令を出して、フィルム体搬送装置11によってフィルム体F1を搬送するとともに、帯状フィルム材43の送りに同期して、保持板22を帯状フィルム材43の送り方向に移動させる。このとき、保持板22の動作加速度および速度は、帯状フィルム材43の送り加速度および速度と同一に設定されている。したがって、保持板22は、当接面42をフィルム体F1に対向した状態で移動する。
【0046】
フィルム体F1の搬送方向の下流側の端部が、エッジローラ46の頂点部を越えると、抜きかす71は、エッジローラ46の外周面に沿って搬送されるが、フィルム体F1は抜きかす71とは分離されているので、フィルム体F1が自重で撓んで湾曲したときの曲率半径よりもエッジローラ46の曲率半径を小さく形成しておくことによって、フィルム体F1の搬送方向の下流側の端部が、抜きかす71から分離されて、隙間防止部材50上を通過してガス噴射面31上に移動する。
【0047】
フィルム体F1の端部がガス噴射面33上に移動すると、ガス噴射面31からは常時ガスが噴出しているため、フィルム体F1の端部が浮上し、さらに保持板22を搬送方向X1に移動させると、搬送方向X1の下流側の端部から搬送方向X1の上流側に向かって、順にフィルム体F1が保持板22の当接面42に押し付けられていく。このとき、保持板22には位置決めピン45が設けられているため、フィルム体F1がガス圧によって保持板22に押し付けられる際に、該位置決めピン45に倣うように動作し位置決めが完了する。引き続き、保持板22を搬送方向X1に移動させて、フィルム体F1が保持板22とともに完全にガス噴射面31の上方に移動した時点で、フィルム体F1全体が保持板22にガス噴出圧によって押し付けられ保持された状態となる。この状態で、保持板22は把持装置14によってフィルム体F1を把持する把持位置P12まで移動させられる。ガス噴射面33上で保持板22の当接面42と、ガス噴射面33の間隔は、前記保持板22の当接面42と、フィルム体F1の上面との間隔(1.0mm〜1.5mm)との兼ね合いより、2.0mm程度に選ばれているが、この間隔は可能な限り小さいことが望ましい。
【0048】
図6(1)は、保持板22を把持装置14がフィルム体F1を把持する把持位置P12に移動させた状態を示す図である。把持位置P12は、保持板22の前記搬送方向X1の下流側の端部22Aと、ガス噴出部31の前記搬送方向X1の下流側の端部31Aとが対向するように配置される位置である。保持板22が受け渡し位置P12に配置されると、前述したように保持板22には切欠き部39が形成され、ガス噴出部31には切欠き部40が形成されているので、これら切欠き部39,40において、フィルム体F1の周縁部の一部が露出する。このため、前記露出した部分がチャックハンド61の把持片63a,31bの間隙に配置される状態になる。次に第4工程では、制御部24が挟持動作機構に動作指令を出力して、非挟持状態の把持片63a,63bを相互に近接する方向に移動させて、フィルム体F1の周縁部の一部を把持する。これによって第1および第2のフィルム材が積層された状態で、把持片63a,63bに挟持される。このように保持板22およびガス噴出部31に、切欠き部39,40がそれぞれ形成されているので、フィルム体Fの把持装置14による把持が容易となり、フィルム体搬送装置11から把持装置14へのフィルム体Fの受け渡しが容易となる。
【0049】
図6(2)は、保持板22とともに把持装置14をさらに搬送方向X1に移動させた状態を示す図である。次に第5工程では、制御部24が移動部23に動作指令を出力してさらに保持板22を搬送方向X1に移動させるとともに、これに同期させて、第3駆動部62に動作指令を出力して、チャックハンド61を搬送方向X1に移動させる。移動部23および第3駆動部62は、保持板22およびチャックハンド61を、相対的な位置を保持した状態で水平に移動させて、保持板22に保持されたフィルム体F1の全体が、ガス噴射面31上から外れる位置P13,P22までそれぞれ移動させる。このとき、保持板22の動作加速度および速度と、チャックハンド61の動作加速度および速度は、同一に設定されている。さらに保持板22およびチャックハンド61を、位置P13,P22にそれぞれ移動させると、フィルム体F1にはガス噴出手段21によってガス圧力が付与されない状態になるため、自重によってチャックハンド61に保持されていない側の端部が垂れ下がるなどの現象が起こる可能性があるが、フィルム体F1の下方に、このフィルム体F1と干渉するような部材は一切ないため、チャックハンド61を動作させてもフィルム体F1に傷を付けるなどの問題は発生しない。
【0050】
図7(1)は、フィルム体F1を把持したチャックハンド61を下方に移動させた状態を示す図である。次に第6工程では、第3駆動部62に動作指令を出力して、チャックハンド61を下方に移動させて、フィルム体F1と保持板22の当接面42とを非接触状態とするとともに、この動作と同時に制御部24が移動部23に動作指令を出力してさらに保持板22を搬送方向X1とは反対の方向に移動させて、初期位置P111に回帰させる。
【0051】
図7(1)は、フィルム体F1を把持したチャックハンド61を移動させた状態を示す図である。次に第7工程では、制御部24は、第3駆動部62に動作指令を出力して、たとえば、チャックハンド61を回転軸線L1まわりに水平面内において90度回転させて、チャックハンド61に、フィルム体F1を他部材上の所定位置に移載するなどの動作を行わせる。第7工程が終了すると、制御部24は、第3駆動部62に動作指令を出力して、チャックハンド61を初期位置P21に再び配置し、以降第1〜第7工程と、初期工程とを繰り返すことによって、フィルム体Fを順次形成および搬送することができる。
【0052】
以上のようにフィルム体加工装置10は、接合されることなく帯状フィルム材搬送装置12によって、フィルムロール材から繰り出されたフィルム材の積層体からフィルム体Fを形成し、このフィルム体Fを確実に取り出して、保持および搬送して続く工程へと受け渡すことが可能となる。
【0053】
フィルム体搬送装置11は、打抜かれて形成されるフィルム体Fをチャックハンド61に受け渡すときに好適に用いることができる。またフィルム体Fの厚み方向の一方の表面は、当接面42と接触はするが、摺動することがなく、フィルム体Fの厚み方向の他表面は、ガス噴射面33から離反して非接触としてフィルム体Fを保持することができるので、フィルム体Fに傷をつけることなく搬送することが可能である。さらに、一方向からのガス噴出圧によって保持材22にフィルム体Fを押し付けて保持するため、フィルム体Fが有する反りなどの影響がない状態で安定してフィルム体Fを搬送することが可能である。またフィルム体搬送装置11では、フィルム体Fを搬送するだけでなく、打ち抜いたフィルム体Fが打ち抜き後、抜きかす71から分離されずに廃フィルムと共につれまわることを抑制することができる。
【0054】
なお、本発明の実施の他の形態では、前述した実施の形態における保持板22および移動部23を、ベルトコンベアに置き換えて構成してもよく、このような構成としても同様の効果を達成することができる。保持板22および移動部23を、ベルトコンベアに置き換えて構成する場合には、ベルトコンベアのベルトのうちの下部張架部を、前述した初期位置P11と、フィルム体F1の全体が、ガス噴射面31上から外れる位置P13とにわたって予め配置しておけばよい。
【0055】
また前述の実施の形態では、保持板22をガス噴射面33に対して平行に移動させているが、保持板22の移動方向は、ガス噴射面33に対して平行に限らず、ガス噴射面33に対して上下方向に傾斜する方向であってもよく、ガス噴射面33の微細孔から噴射されるガスの噴射方向に対して少なくとも交わる方向であればよい。
【0056】
本実施の形態ではフィルム体搬送装置11が搬送するフィルム体Fは、積層された複数枚のフィルム材からなるが、フィルム体Fは1枚のフィルム材からなる構成であってもよく、フィルム体搬送装置11は、フィルム体Fが1枚のフィルム材からなる構成であっても、同様に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の一形態のフィルム体加工システム10の構成を示す図である。
【図2】ガス噴出手段21の構成を示す図である。
【図3】保持板22の底面図である。
【図4】保持板22の側面図である。
【図5】フィルム体搬送装置11およびフィルム体加工システム10の動作について説明する図である。
【図6】フィルム体搬送装置11およびフィルム体加工システム10の動作について説明する図である。
【図7】フィルム体搬送装置11およびフィルム体加工システム10の動作について説明する図である。
【図8】従来の技術において、複数枚の光学フィルムを積層した状態で所定の形状に裁断する工程を連続的に行うためのフィルム体加工装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
10 フィルム体加工システム
11 フィルム体搬送装置
12 帯状フィルム材搬送装置
13 フィルム打抜き装置
14 把持装置
21 ガス噴出手段
22 保持板
23 移動部
31 ガス噴出部
32 ガス供給部
33 ガス噴射面
39 切欠き部
40 切欠き部
42 当接面
43 帯状フィルム材
45 位置決めピン
F フィルム体
X1 搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム体を搬送するフィルム体搬送装置であって、
前記フィルム体の厚み方向の一表面が当接可能な当接面を有する被移動部材と、
前記当接面よりも下方に設けられ、かつ複数の孔が形成されるガス噴射面を有し、前記当接面および前記ガス噴射面の間に設けられる前記フィルム体を前記当接面に押し付け可能に、前記複数の孔から略均一にガスを噴出するガス噴出手段と、
前記被移動部材を前記孔から噴射されるガスの噴射方向に対して、少なくとも交わる方向に移動させる移動手段とを含むことを特徴とするフィルム体搬送装置。
【請求項2】
前記ガス噴出手段は、前記ガス噴射面が形成されるガス噴出部を有し、このガス噴出部が多孔質材料からなることを特徴とする請求項1に記載のフィルム体搬送装置。
【請求項3】
前記被移動部材は、前記当接面上における前記フィルム体の位置決めを行う位置決め手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム体搬送装置。
【請求項4】
前記被移動部材の移動方向の下流側の端部には、前記当接面にフィルム体が当接した状態で、前記フィルム体の周縁部の一部が露出するように切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のフィルム体搬送装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のフィルム体搬送装置と、
複数のフィルムロール材から繰り出される帯状フィルム材を積層した状態で搬送する帯状フィルム材搬送装置と、
前記帯状フィルム材搬送装置によって搬送されている積層された前記複数の帯状フィルム材のうちの少なくとも1枚の帯状フィルム材を予め定める形状に打ち抜いて、前記フィルム体を形成するフィルム材打抜き装置とを含み、
前記ロール材搬送装置の搬送動作に同期して、前記フィルム体搬送装置の前記移動手段が前記被移動部材を移動させて、前記当接面および前記ガス噴射面の間にフィルム体を導入することを特徴とするフィルム体加工システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−274861(P2009−274861A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130146(P2008−130146)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】