説明

フィルム送出装置

【課題】専有面積を大きくすることなく、多数のフィルムロールをストックすることができる省スペース対応のフィルム送出装置を提供する。
【解決手段】複数のフィルムロール(以下、ロールという。)をストックするロールストック手段10と、ロールストック手段10からロールを1個づつ取り出して、フィルム送出ステーションSに供給するロール供給手段20と、ロールをロールセット位置γにセットするロールセッティング手段30と、セットされたロールから帯状フィルムを繰り出して送出するフィルム送出手段40と、セットされていたロールの帯状フィルムと、新たに供給されたロールの帯状フィルムFとを接続するフィルム接続手段50とを備えており、ロールストック手段10は、複数のロールを吊り下げる支持棒を有する複数のロール支持部材14が、ロール取出位置βを通過するように、鉛直面上を循環移動するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、長尺の帯状フィルムを巻回したフィルムロールから、帯状フィルムを繰り出して送出するフィルム送出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフィルム送出装置としては、図9(a)、(b)に示すようなものがある。このフィルム送出装置60は、同図に示すように、ボトル等に装着されるシュリンクラベルやストレッチラベルのような合成樹脂フィルムによって形成された筒状のラベルが連続的に繋がった状態でシート状に折り畳まれた長尺帯状のラベル形成基材(以下、帯状フィルムという。)を紙管にロール状に巻回したフィルムロールRから、帯状フィルムを繰り出してラベリング装置に送出するものであり、複数のフィルムロールRをストックするロールストック手段61と、ロールストック手段61からフィルムロールRを1個づつ取り出してフィルム送出ステーションSに供給するロール供給手段62と、フィルム送出ステーションSに供給されたフィルムロールRを、ロールセット位置γにセットするロールセッティング手段63と、フィルム送出ステーションSのロールセット位置γにセットされたフィルムロールRから帯状フィルムを繰り出してラベリング装置に送出するフィルム送出手段64と、フィルム送出ステーションSのロールセット位置γにセットされていたフィルムロールRから送出し終えた送出済みの帯状フィルムの終端部と、フィルム送出ステーションSに新たに供給されたフィルムロールRから繰り出された送出前の帯状フィルムの始端部とを接続するフィルム接続手段65とから構成されている。
【0003】
ロールストック手段61は、図9(a)、(b)に示すように、ロール供給位置αにおいて供給されたフィルムロールRを吊り下げる複数のロール支持部材61Aと、このロール支持部材61Aに吊り下げられたフィルムロールRを、ロール供給位置αとロール取出位置βとを通過するように、水平面上を循環移動させるロール移送機構61Bとを備えており、各ロール支持部材61Aは、図10(a)、(b)に示すように、供給されたフィルムロールRを、その紙管PPの内周面で支持する、水平に張りだした2本の支持棒61aを有している。
【0004】
【特許文献1】特開2004−10211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したようなフィルム送出装置60では、そのロールストック手段61が、フィルムロールRを支持する複数のロール支持部材61Aを、ロール供給位置αとロール取出位置βとを通過するように、水平面上を循環移動させるようになっているので、多数のフィルムロールRをストックしようとすると、ロールストック手段61の専有面積が大きくなり、フィルム送出装置全体が大型化するといった問題がある。
【0006】
そこで、この発明の課題は、専有面積を大きくすることなく、多数のフィルムロールをストックすることができる省スペース対応のフィルム送出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、長尺の帯状フィルムを巻回したフィルムロールから、帯状フィルムを繰り出して送出するフィルム送出装置であって、複数のフィルムロールをストックするロールストック手段と、前記ロールストック手段からフィルムロールを1個づつ取り出してフィルム送出ステーションに供給するロール供給手段とを備え、前記ロールストック手段には、複数のフィルムロールを吊り下げ可能な吊下部を有する複数のロール支持部材が搭載されており、複数の前記ロール支持部材が、フィルムロールの取出位置を通過するように、略鉛直方向に循環移動するようになっていることを特徴とするフィルム送出装置を提供するものである。
【0008】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明のフィルム送出装置において、前記ロール支持部材に何本のフィルムロールが吊り下げられているのかを検出するロール検出センサを前記ロールストック手段に設けたのである。
【0009】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2にかかる発明のフィルム送出装置において、前記ロール供給手段は、前記ロール支持部材の前記吊下部に吊り下げられたフィルムロールの内周面をクランプすることで、フィルムロールを保持するロールホルダを有しており、前記ロールホルダがフィルムロールの内周面をクランプすると、そのフィルムロールを吊り下げていた前記ロール支持部材の前記吊下部を僅かに降下させるようにしたのである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、請求項1にかかる発明のフィルム送出装置では、各ロール支持部材が複数のフィルムロールを吊り下げることができるので、ストックするフィルムロールの数が同じであれば、1つのフィルムロールしか吊り下げることができないロール支持部材が搭載されているロールストック手段を備えた従来のフィルム送出装置に比べて、ロール支持部材の搭載数が少なくなり、しかも、複数のロール支持部材が、フィルムロールの取出位置を通過するように、鉛直方向に循環移動するようになっているので、ロール支持部材の搭載数が増えても、ロールストック手段の専有面積が大きくなることもない。
【0011】
また、請求項2にかかる発明のフィルム送出装置では、ロールストック手段に設けられたロール検出センサによって、ロール支持部材に何本のフィルムロールが吊り下げられているのかを把握することができるので、ロール供給手段がロール支持部材から確実にフィルムロールを取り出すことができる。
【0012】
また、請求項3にかかる発明のフィルム送出装置では、ロール供給手段のロールホルダがフィルムロールの内周面をクランプすると、そのフィルムロールを吊り下げていたロール支持部材の吊下部を僅かに降下させることによって、そのフィルムロールから吊下部を離反させるようになっているので、ロール供給手段がロール支持部材の吊下部からフィルムロールを円滑に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1〜図3に示すフィルム送出装置1は、図8(a)、(b)に示すように、ボトル等に装着されるシュリンクラベルやストレッチラベルのような合成樹脂フィルムによって形成された筒状のラベルが連続的に繋がった状態でシート状に折り畳まれた長尺帯状のラベル形成基材(以下、帯状フィルムという。)Fを紙管PPにロール状に巻回したフィルムロールRから、帯状フィルムFを繰り出してラベリング装置に送出するものであり、同図に示すように、ロール供給位置αに供給される複数のフィルムロールRをストックするロールストック手段10と、ロール取出位置βにおいて、ロールストック手段10からフィルムロールRを1個づつ取り出して、ロールストック手段10に隣接して設けられたフィルム送出ステーションSに供給するロール供給手段20と、フィルム送出ステーションSに供給されたフィルムロールRを、ロールセット位置γにセットするロールセッティング手段30と、フィルム送出ステーションSのロールセット位置γにセットされたフィルムロールRから帯状フィルムFを繰り出してラベリング装置に送出するフィルム送出手段40と、フィルム送出ステーションSのロールセット位置γにセットされていたフィルムロールRから送出し終えた送出済みの帯状フィルムFの終端部と、フィルム送出ステーションSに新たに供給されたフィルムロールRから繰り出された送出前の帯状フィルムFの始端部とを接続するフィルム接続手段50とから構成されている。
【0014】
なお、フィルム繰出手段10にセットされるフィルムロールRは、図8(a)、(b)に示すように、その繰出端である筒状フィルムFの始端部における相互に重なり合った部分を離反させることができるように、筒状フィルムFにおける始端部の両側縁が予め斜めに切除されている。
【0015】
前記ロールストック手段10は、図1、図2、図4、図5及び図6に示すように、水平状態に固定設置された支持軸12に回転可能に支持され、駆動モータ13によって断続的に回転する回転円盤11と、この回転円盤11の同心円上に回転可能に支持された4つのロール支持部材14とを備えており、回転円盤11は、4つのロール支持部材14がロール供給位置αとロール取出位置βとを通過して鉛直面上を循環移動するように、垂直状態に配置されている。
【0016】
各ロール支持部材14は、供給されたフィルムロールRを、その紙管PPの内周面で支持する、支持円盤15aから水平に張りだした4本の支持棒15bを有しており、4本の支持棒15bには、図6に示すように、複数のフィルムロールRを吊り下げることができるようになっている。
【0017】
また、回転円盤11を支持している、固定設置された支持軸12及び各ロール支持部材14の回転軸には、それぞれ歯車16a、16bが取り付けられており、水平軸12に取り付けられた歯車16a及び各ロール支持部材14の回転軸に取り付けられた歯車16bは、回転円盤11に回転可能に支持された4つの中間歯車17に歯合している。これによって、回転円盤11が一方の方向に回転すると、各中間歯車17が同方向に回転し、これに伴って、各歯車16bが逆方向に回転するので、各ロール支持部材14が回転円盤11の回転方向と逆方向に回転し、4本の支持棒15bを有する各ロール支持部材14が、常時、所定の姿勢を維持するようになっている。なお、駆動モータ13、歯車16a、16b及び中間歯車17等の駆動機構については、正面側から視認できないように、カバー部材18によって隠蔽されている。
【0018】
また、ロールストック手段10を取り囲んでいる上部フレームには、透過型のロール検出センサの発光部19aが取り付けられていると共に、固定設置された支持軸12には、ロール検出センサの受光部19bが取り付けられており、発光部19aから出射された光が遮光されるか否かによって、最上位に位置しているロール支持部材14、即ち、ロール取出位置βの手前に位置しているロール支持部材14の支持棒15bにフィルムロールRが吊り下げられているか否かを検出するようになっている。
【0019】
そして、ロール検出センサ19によって、ロール取出位置βの手前に位置しているロール支持部材14にフィルムロールRが吊り下げられていることが検出されると、そのロール支持部材14をロール取出位置βまで移送して停止させるが、そのロール支持部材14にフィルムロールRが吊り下げられていることが検出されなければ、そのロール支持部材14からフィルムロールRを取り出すことができないので、ロール取出位置βを通過させるようになっている。
【0020】
前記ロール供給手段20は、図3及び図7(a)、(b)に示すように、フィルム送出ステーションS内をY軸方向に移動するベース部材21と、このベース部材21上をX軸方向に移動するコラム22と、このコラム22に取り付けられたロールホルダ23とを備えており、ベース部材21及びコラム22を適宜移動させることによって、ロールホルダ23を、後述する段取り位置δを経由して、ロール取出位置βとロールセット位置γとの間で移動させることができるようになっている。
【0021】
前記ロールホルダ23は、フィルムロールRの紙管PP内に挿入可能な6本のチャック爪23aを有しており、フィルムロールRの紙管PP内に挿入した6本のチャック爪23aを開閉させることによって、フィルムロールRの紙管PPをクランプしたり、アンクランプしたりすることができるようになっている。
【0022】
従って、ロールホルダ23をロール取出位置βに移動させ、ロール支持部材14に吊り下げられているフィルムロールRの紙管PP内にロールホルダ23のチャック爪23aを挿入した後、フィルムロールRの紙管PPをクランプした状態で、ロールホルダ23をロール支持部材14から離反する方向に移動させると、ロール支持部材14に吊り下げられているフィルムロールRを取り出すことができる。なお、ロール支持部材14に吊り下げられているフィルムロールRの紙管PP内にロールホルダ23のチャック爪23aを挿入する際、4本の支持棒15bの間にチャック爪23aが挿入されるように、両者の位置関係が設定されている。
【0023】
また、コラム22には、図7(a)、(b)に示すように、発光部及び受光部を有する反射型のロール検出センサ24が取り付けられていると共に、各チャック爪23aの先端部の外面側には、ロール検出センサ24の発光部から出射された光をロール検出センサ24の受光部に向けて反射させる反射鏡(図示せず)が取り付けられており、ロール取出位置βにおいて、ロール支持部材14に吊り下げられているフィルムロールRの紙管PP内にチャック爪23aを挿入する際、ロール検出センサ24の発光部から出射された光が受光部に受光されなくなった時点で、その検出位置にフィルムロールRの一方の端面が位置していることが検出されるようになっている。
【0024】
そして、このようにして検出されたフィルムロールRの一方の端面の位置と、オペレータによって、予め、入力されているフィルムロールRの紙管幅データとに基づいて、フィルムロールRの他方の端面の位置を算出することによって、ロール支持部材14に吊り下げられているフィルムロールRの吊下位置を把握し、この吊下位置に応じて、フィルムロールRの紙管PP内に進入しているチャック爪23aの停止位置を調整することで、フィルムロールRに対してチャック爪23aが、常時、所定量だけ挿入されるようになっている。
【0025】
また、ロールホルダ23が、ロール支持部材14に吊り下げられているフィルムロールRの紙管PPをクランプすると、上述したロールストック手段10の回転円盤11が僅かに回転し、これに伴って、ロール取出位置βに位置しているロール支持部材14の4本の支持棒15bが僅かに降下するので、ロール取出位置βにおいて、フィルムロールRを吊り下げていたロール支持部材14の支持棒15bが、フィルムロールRの紙管PPの内周面から離反するようになっている。
【0026】
前記ロールセッティング手段30は、図1、図2及び図3に示すように、ロールセット位置γから退避することができるように、フィルム送出ステーションS内をY軸方向に移動するベース部材31と、このベース部材31に立設されたコラム32と、このコラム32に回転可能に取り付けられた、フィルムロールRを保持するロールホルダ33とから構成されており、ロールホルダ33は、上述したロール供給手段20のロールホルダ23と同様に、フィルムロールRの紙管PP内に挿入したチャック爪33aを開閉させることによって、フィルムロールRをクランプしたり、アンクランプしたりすることができるようになっている。なお、コラム32には、フィルム送出手段40の構成要素である、ロールホルダ33を回転駆動させる、ロール駆動用モータ41を備えた駆動機構が取り付けられている。
【0027】
前記フィルム送出手段40は、図1、図2及び図3に示すように、ロールセッティング手段30によって、ロールセット位置γにセットされたフィルムロールRを回転させるロール駆動用モータ41と、フィルムロールRから繰り出された帯状フィルムFを挟み込んでラベリング装置に送出する上下一対のフィルム送出ローラ42及びフィルム送出ローラ42を駆動させるサーボモータ43を有する駆動機構と、フィルム送出ローラ42の上流側に設置された、ファン44a及び風道44bを有するエアダンサユニット44と、フィルム送出ローラ42の下流側に設置された複数の固定ローラ45a及び複数の固定ローラ45a間を昇降する複数の可動ローラ45bを有するアキュームユニット45とを備えており、帯状フィルムFの送出中は、アキュームユニット45の可動ローラが常時所定の高さ位置に保持されるようにサーボモータ43を制御すると共に、エアダンサユニット44の風道内で垂れ下がった帯状フィルムFの下端位置に応じてロール駆動用モータ41を制御することによって、ラベリング装置側が要求している送出速度で帯状フィルムFがラベリング装置側に送出され、帯状フィルムFの送出速度の変動やフィルムロールRの外径変動に伴う帯状フィルムFの繰出速度の変動に追従してフィルムロールRが回転するようになっている。なお、帯状フィルムFの接続時等、ラベリング装置の運転中に帯状フィルムFの送出動作が一時的に停止された場合は、アキュームユニット45に蓄えられている帯状フィルムFがラベリング装置側に引き出され、アキュームユニット45の可動ローラが徐々に上昇していくことになる。
【0028】
前記フィルム接続手段50は、図1、図2及び図3に示すように、フィルム送出ステーションS内の段取位置δに供給された新たなフィルムロールRから帯状フィルムFを繰り出して、その始端部の重ね合わせ部分を相互に離反させながら、離反した状態の帯状フィルムFの始端部を、帯状フィルムFの送出経路に隣接する所定のフィルム待機位置に位置決めする段取ユニット51と、ロールセット位置γにセットされたフィルムロールRから送出されている帯状フィルムFの終端部を所定位置で切断する切断ユニット52と、切断ユニット52によって切断された帯状フィルムFの終端部を、帯状フィルムFの送出経路に設定されたフィルム接続位置に位置決めした後、フィルム待機位置に位置決めされた送出前の帯状フィルムFの始端部を、ロール供給手段20のロールホルダ23と共に帯状フィルムFの送出経路に移送することによって、切断ユニット52によって切断された筒状フィルムFの終端部が位置決めされているフィルム接続位置において、送出済みの筒状フィルムFの終端部を送出前の筒状フィルムFの始端部に挟み込ませる移送ユニット53と、フィルム接続位置において、送出済みの帯状フィルムFの終端部を送出前の帯状フィルムFの始端部に挟み込んだ状態で、双方の帯状フィルムF、Fの重ね合わせ部分を相互に接続する接続ユニット54とを備えている。
【0029】
以上のように、このフィルム送出装置1では、各ロール支持部材14が複数のフィルムロールRを吊り下げることができるので、ストックするフィルムロールRの数が同じであれば、1つのフィルムロールしか吊り下げることができないロール支持部材が搭載されているロールストック手段を備えた従来のフィルム送出装置に比べて、ロール支持部材14の搭載数が少なくなり、しかも、複数のロール支持部材14が、ロール取出位置βを通過するように、鉛直面上を循環移動するようになっているので、ロール支持部材14の搭載数が増えても、例えば、循環経路を縦長の長方形状とし、その長辺部を上方に延ばすようにすると、ロールストック手段10の専有面積が大きくなることもない。
【0030】
また、このフィルム送出装置1では、ロール検出センサ19によって、ロール取出位置βの手前に位置しているロール支持部材14にフィルムロールRが吊り下げられていることが検出されない場合は、ロール取出位置βを通過させるようになっているので、無駄な動きが少なく、ロールストック手段10からフィルムロールRを効率よく取り出すことができる。
【0031】
また、このフィルム送出装置1では、ロール供給手段20のロールホルダ23がフィルムロールRの紙管PPの内周面をクランプすると、ロールストック手段10の回転円盤11が僅かに回転し、そのフィルムロールRを吊り下げていたロール支持部材14の支持棒15bが、フィルムロールRの紙管PPの内周面から離反するようになっているので、フィルムロールRの紙管PPと支持棒15bとの接触抵抗がなくなり、ロール供給手段20がロール支持部材14からフィルムロールを円滑に取り外すことができる。
【0032】
なお、上述した実施形態では、ロール検出センサ19によって各ロール支持部材14にフィルムロールRが吊り下げられているか否かを検出するようになっているが、これに限定されるものではなく、ロール取出位置βにおいて、ロール供給手段20のロールホルダ23がフィルムロールRの紙管PPの内周面をクランプすることができなければ、そのロール支持部材14にフィルムロールRが吊り下げられていないと判断し、次のロール支持部材14からフィルムロールRを取り出すようにしてもよい。
【0033】
また、上述した実施形態では、ロール検出センサ19によって各ロール支持部材14にフィルムロールRが吊り下げられているか否かを検出するようになっているだけであるが、一のロール支持部材14に複数本のフィルムロールRを吊り下げる場合は、予め定められた各フィルムロールRの吊下位置に対応して、複数のロール検出センサを設置しておくと、各ロール支持部材14に何本のフィルムロールRが吊り下げられているのかを把握することができるので、ロール供給手段20がロール支持部材14からフィルムロールRを確実に取り出すことができる。
【0034】
また、上述した実施形態では、オペレータによって、予め、フィルムロールRの紙管幅データを入力するようになっているが、これに限定されるものではなく、紙管幅データは種々の方法で取得すればよい。例えば、フィルムロールRにICタグ等を取り付ける場合は、ICタグに紙管幅情報を記憶させておくと、ICタグから各種製品情報を取得する際、紙管幅情報も併せて取得することができるので、オペレータにフィルムロールRの紙管幅データを入力させる必要がなくなる。
【0035】
また、上述した実施形態では、フィルムロールRがロール支持部材14の支持棒15bの適正な位置に吊り下げられていない場合であっても、ロールホルダ23がフィルムロールRを所定の状態で確実に受け取ることができるように、ロール検出センサ24によってフィルムロールRの一方の端面の位置を検出すると共に、検出されたフィルムロールRの一方の端面の位置と、予め、入力されているフィルムロールRの紙管幅データとに基づいて、ロール支持部材14に吊り下げられたフィルムロールRの他方の端面の位置を算出するようになっているが、これに限定されるものではなく、フィルムロールRをロール支持部材14の支持棒15bの適正な位置に吊り下げるのであれば、ロール検出センサ24を設ける必要はない。
【0036】
また、上述した実施形態では、フィルム送出ステーションSにおいて、ロールセット位置γにセットされていたフィルムロールRから送出し終えた送出済みの帯状フィルムFの終端部と、フィルム送出ステーションSに新たに供給されたフィルムロールRから繰り出された送出前の帯状フィルムFの始端部との接続を自動的に行うフィルム接続手段50を備えているが、これに限定されるものではなく、本発明は帯状フィルムFの接続を手作業で行うフィルム送出装置にも適用することができることはいうまでもない。
【0037】
また、上述した実施形態では、筒状のラベルが連続的に繋がった状態でシート状に折り畳まれた長尺の帯状フィルムFを紙管PPにロール状に巻回したフィルムロールRから、帯状フィルムFを繰り出してラベリング装置に送出するフィルム送出装置について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、単なる帯状フィルムをフィルムロールから繰り出して送出する各種フィルム送出装置に適用することができる。
【0038】
また、上述した実施形態では、長尺の帯状フィルムFを紙管PPにロール状に巻回したフィルムロールRを使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、紙管のないフィルムロールを使用する場合についても、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明にかかるフィルム送出装置の一実施形態を示す概略平面図である。
【図2】同上のフィルム送出装置を示す概略側面図である。
【図3】同上のフィルム送出装置を構成しているフィルム送出ステーションを示す拡大平面図である。
【図4】同上のフィルム送出装置を構成しているロールストック手段であって、ロール支持部材がロール取出位置に位置している状態を示す正面図である。
【図5】同上のロールストック手段において、ロール支持部材がロール供給位置に位置している状態を示す正面図である。
【図6】同上のロールストック手段を示す平面図である。
【図7】(a)は同上のロール供給手段を示す平面図、(b)は同上のロール供給手段を示す正面図である。
【図8】(a)は同上のフィルム送出装置にセットされるフィルムロールを示す平面図、(b)は同上のフィルムロールを示す側面図である。
【図9】(a)は従来のフィルム送出装置の一実施形態を示す概略平面図、(b)は同上のフィルム送出装置を示す概略側面図である。
【図10】(a)は同上の筒状フィルム送出装置のロールストック手段を構成しているロール支持部材を示す正面図、(b)は同上のロール支持部材を示す側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 フィルム送出装置
10 ロールストック手段
11 回転円盤
12 支持軸
13 駆動モータ
14 ロール支持部材
15a 支持円盤
15b 支持棒(吊下部)
16a、16b 歯車
17 中間歯車
18 カバー部材
19a 発光部
19b 受光部
20 ロール供給手段
21 ベース部材
22 コラム
23 ロールホルダ
23a チャック爪
24 ロール検出センサ
30 ロールセッティング手段
31 ベース部材
32 コラム
33 ロールホルダ
40 フィルム送出手段
41 ロール駆動用モータ
42 フィルム送出ローラ
43 サーボモータ
44 エアダンサユニット
45 アキュームユニット
50 フィルム接続手段
51 段取ユニット
52 切断ユニット
53 移送ユニット
54 接続ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の帯状フィルムを巻回したフィルムロールから、帯状フィルムを繰り出して送出するフィルム送出装置であって、
複数のフィルムロールをストックするロールストック手段と、
前記ロールストック手段からフィルムロールを1個づつ取り出してフィルム送出ステーションに供給するロール供給手段と
を備え、
前記ロールストック手段には、複数のフィルムロールを吊り下げ可能な吊下部を有する複数のロール支持部材が搭載されており、
複数の前記ロール支持部材が、フィルムロールの取出位置を通過するように、略鉛直方向に循環移動するようになっていることを特徴とするフィルム送出装置。
【請求項2】
前記ロールストック手段は、前記ロール支持部材に何本のフィルムロールが吊り下げられているのかを検出するロール検出センサを有している請求項1に記載のフィルム送出装置。
【請求項3】
前記ロール供給手段は、前記ロール支持部材の前記吊下部に吊り下げられたフィルムロールの内周面をクランプすることで、フィルムロールを保持するロールホルダを有しており、
前記ロールホルダがフィルムロールの内周面をクランプすると、そのフィルムロールを吊り下げていた前記ロール支持部材の前記吊下部を僅かに降下させるようになっている請求項1または2に記載のフィルム送出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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