説明

フェイスカバー交換式フェイスプレート

【課題】 ヘアカット時に毛髪が顔面に付着せず、又毛染め剤等を使用する際毛染め剤等が顔面に付着しにくい、安全かつ快適な理容・美容用フェイスプレートを提供し、さらに紫外線防止カバーにも使用できる利便性の高いフェイスカバーを提供する。
【解決手段】 透明で薄い可撓性プラスチック製フェイスカバーを、U字型の可撓性プラスチック製バンドに取り外しできるねじ等で固定することにより、フェイスカバーを交換することが出来る。フェイスカバーが任意の位置で固定され、フェイスカバー上端部内面に両面接着テープで接着した軟質プラスチックでできたひたいカバーを備えることにより、顔およびひたいの形状が異なるあらゆる人において、ひたいカバーがひたいに密着しやすくなる事を可能にした。又フェイスカバーを紫外線吸吸膜を備えたプラスチックシートとすることで紫外線防止カバーとして使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフェイスカバーを交換できるフェイスプレートに関する。また本発明は、上端部に交換できるひたいカバーを備えたフェイスカバーに関する。さらに詳細には、紫外線吸収膜を備えたプラスチックでできた交換式フェイスカバーにより、紫外線を防止することを特徴とするフェイスプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている類似品があり、ヘアカットの際に毛髪が顔に付着することを防止するとともに、ヘアスプレー等を塗布する際にスプレー液等が、又毛染め剤を頭髪に塗布する際に毛染め剤が皮膚に付着するのを防止するものとして、各種のカバーが開発されている。(例えば、特許文献1,2,3)
【0003】
【特許文献1】 実開昭51−158900
【特許文献2】 特開2002−17446
【特許文献3】 特開2005−40472
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合片手で保持する必要があり利用者の利便性を損ねる。一方、上記特許文献2の場合弧状フレームを耳に掛ける耳掛け式であるため眼鏡と同様に耳がただれる恐れがあり、使用者に快適かつ安全とは言えない。さらに、上記特許文献3の場合折り畳み性・携帯性を重視したものであり顔の輪郭部分全体を覆うものであるから、本品を装着した状態で本を読んだりする場合快適とは言えない。
【0005】
市販類似品は片手で保持しながら顔面を覆うのものである。これに対し本発明品は両こめかみで固定することにより顔面を覆うことが出来るため両手を開放することを特徴とする。
【0006】
市販類似品はカバーの材質が硬く厚いため顔を覆った状態では顔面とカバーとの間に広い隙間が生じスプレー液等が顔面や眼に付着しやすい。これに対し本発明品のフェイスカバーは薄い可撓性プラスチックで出来ているため顔面に沿って変形しやすく、市販品よりもフェイスカバーと顔面との隙間を相当程度狭くすることが出来る。また市販品は使用により表面が汚れ透明性が損なわれた場合には廃棄するため環境を破壊するが、本発明品のフェイスカバーはねじ等でバンドに固定され取り外し出来るため、使用によりフェイスカバーに汚れが付着した場合等はフェイスカバーのみを交換することができ環境にやさしい商品である。
【0007】
さらにフェイスカバー上端部に軟質プラスチック製ひたいカバーを備えており、ひたいカバーをひたいの輪郭に合わせて成形することができるため、顔に装着した状態でひたいカバーとひたいとの間の隙間が極めて少なく、スプレー液等が顔面や眼に付着しにくいことを特徴とする。
【0008】
本発明の課題は、美容室等でヘアカットする際に毛髪が顔面に付着するのを防止し、又ヘアスプレー、ヘアカラースプレー又は毛染め剤等を使用する際に液が顔面や眼に付着することなく塗布することが出来、両手を自由に使うことが出来るため装着中に本を読むことが出来るという複数の快適さを提供することにより、美容室や理容室等におけるあらゆる顧客の利便性と安全性を高め、しかも美容室理容室等での作業効率を向上させることにある。
【0009】
さらに、フェイスカバーを紫外線吸収皮膜を備えたプラスチックで製作し紫外線防止カバーとしても使用でき、一般消費者にも利便性をもたらす極めて汎用性の広いフェイスプレートを提供することである。
【0010】
なおかつ、バンドを固定する方法として使用状況または使用環境に応じて、バンドをあごの下から両こめかみに固定するか後頭部から両こめかみに固定するかを選択できる、利便性の高いフェイスプレートを提供することである。
【0011】
美容室において毛染め剤を毛髪に塗布する際には、ヘアデザインでは長年の経験を持ち、業界の指導者である発明者の作業経験をもってしても、毛染め剤をひたいの生え際に近い顔面や眼に付着させることなく作業することは至難の業であった。毛染め剤を塗布する際にはいくつかの不具合が伴う。まず毛染め剤が滴下して顔面や眼に付着しやすく、また作業中に毛染め剤が手袋に付着してそれが顔面に付着しやすく、さらには毛染め剤を塗布した長い毛髪が前に垂れて顔面に付着するという不具合である。
【0012】
また毛染め剤を塗布するに際して毛染め剤が顔面や眼に付着するのを軽減するため毛染め剤にたいして疎水性があるクリーム等を生え際に塗布しているが、本発明品を使用すれば毛染め剤を毛髪の生え際のみに塗布することで毛染め剤の使用量を最小限に止められ、毛染め終了後このクリームを取り除く不便さを軽減する。
【0013】
本発明品が解決しようとする諸課題のなかでも最大の課題の一つは、ヘアカットする際に毛髪が顔に付着せず、またヘアスプレー、ヘアカラースプレーや毛染め剤などを使用する際、フェイスプレートと額との隙間から当該スプレー液又は毛染め剤などが漏れない、安全なかつ快適な理容・美容用フェイスプレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の諸課題を解決するため、請求項1のフェイスプレートを発明した。請求項1では、透明で薄い可撓性プラスチック製フェイスカバーをU字型の可撓性プラスチックバンドにねじ等で固定することを特徴とするフェイスプレートを開発した。プラスチックバンドをあごの下から取り付け両こめかみで止めた状態で、フェイスカバーは取り付けねじを回転軸として上下に回転し、任意の位置で固定することが出来る。薄い可撓性プラスチックを使用することによりフェイスカバーがひたいの立体的な曲面になじみやすいという機能性を発揮している。
【0015】
さらにフェイスカバー上端部に、軟質プラスチックで出来た、額の形状および頭髪の生え際の形状に合わせて成形することが出来るひたいカバーを具備している。フェイスカバーが任意の位置で固定され、さらにフェイスカバー上端部にひたいカバーを備えることにより、顔およびひたいの形状が異なるあらゆる人に於いても、ひたいカバーがひたいに密着しやすくなることが実現した。本発明品を装着すれば全ての人に対して、ヘアカット時に毛髪が顔面や眼に掛かることや、ヘアスプレー液や毛染め剤等がカバーの隙間から漏れ顔面や眼を汚すことを軽減することが可能となった。
【0016】
請求項2では、可撓性プラスチック製フェイスカバーを交換式とすることにより、フェイスカバーが汚れた場合にはフェイスカバーのみ廃棄することで、市販品と比べて環境にやさしい製品を提供することが出来る。
【0017】
請求項3では、フェイスカバー上端部に軟質性プラスチックで出来た、額の形状および頭髪の生え際の形状に合わせて成形することが出来るひたいカバーを両面接着テープで接着することにより可撓性プラスチックの柔軟性との相乗効果によりひたいカバーが顔面及びひたいに極めてなじみやすいものとなった。
【0018】
また請求項4では、透明な可撓性プラスチック製フェイスカバーを耐熱性プラスチック製とすることにより、高温の油を使用する揚げ物やてんぷら業において顔面のやけどを事前に防止することが出来るという利便性を提供している。請求項4では、紫外線吸収膜を備えたプラスチックでできたフェイスカバーを提供することにより、フェイスカバーを交換するだけで紫外線防止カバーとして使用することが可能となる。
【0019】
本フェイスプレートを使用することにより、美容室等においてヘアスプレー、ヘアカラースプレー又は毛染め剤塗布作業中に、顧客が両手を自由に使えるため本を両手で拡げて読むことができ、毛染め剤等が顔に付着しないという顧客の安全性を確保しつつ同時に顧客の利便性を高めることが可能となる。
【0020】
同時に、美容室理容室等での作業中作業者の両手を開放すると同時に、毛染め剤を塗布するに際して毛染め剤が皮膚に付着するのを軽減するため毛染め剤にたいして疎水性があるクリーム等を生え際に塗布する作業が軽減され美容室理容室等での作業効率を向上させることが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。
【0022】
図1はフェイスプレートの見取り図である。可撓性プラスチック製バンドaに耐熱性透明プラスチック製フェイスカバーbを取り付けねじeで固定している。バンドaをあごの下から取り付け両こめかみで止めた状態で、フェイスカバーは取り付けねじを回転軸として上下に回転し、任意の位置で固定することが出来る。
【0023】
フェイスカバーbの上端部内面には、軟質プラスチックでできたひたいカバーcを両面接着テープdで固定している。薄い可撓性プラスチックでできたフェイスカバーと軟質プラスチックでできたひたいカバーとの相乗効果により、フェイスカバー部全体が顔面を優しく無理なく覆い隠して、フェイスカバーと顔面とのすきまを限りなく少なくし、スプレー、毛染め剤などが漏れることをほぼ完全に防止することが可能となった。
【発明の効果】
【0024】
今までの市販品は、カバーを片手で保持しながら顔面を覆うものであり、整髪時やヘアスプレー、ヘアカラースプレーや毛染め剤などを使用する際には補助作業者が必要となる。あるいは顧客がカバーを手で保持する必要があった。またカバーの材質が硬く厚いため顔を覆った状態では顔面とカバーとの間に広い隙間が生じスプレー液等が顔面や眼に付着しやすいという難点があった。
【0025】
本発明品は両こめかみで固定して顔面を覆うことで両手を開放することができ、美容室や理容室での補助作業者が不要となるため、作業効率を向上できると同時に顧客は整髪等の際にも快適に読書できるなど顧客の利便性を高めることができる。また、市販品はカバー表面が汚れた場合には全体を廃棄するため環境を破壊しやすいことに比べ、本発明品はフェイスカバーを交換式とすることにより、フェイスカバーが汚れた場合には薄いフェイスカバーのみ廃棄することで環境にやさしい製品を提供することが出来る。
【0026】
本発明品では、ヘアカットする際に毛髪が顔面や眼に付着せず、またヘアスプレー、ヘアカラースプレーや毛染め剤などを使用する際、フェイスプレートと額との隙間から当該スプレー液又は毛染め剤などが漏れにくい、安全なかつ快適な理容・美容用フェイスプレートを提供することができる。
【0027】
同時に、フェイスカバーを紫外線吸収膜を備えたフェイスカバーに交換することにより顔面等を紫外線から防止するカバーとしても利用できるという、広い範囲の利便性を持っている。
【0028】
さらに、耐熱性プラスチック製フェイスカバーを使用することにより、高温の油を使用する揚げ物やてんぷら業において顔面のやけどを事前に防止することが出来るという利便性を提供している。
【0029】
このように、美容室や理容室における作業性を向上し、顧客の安全性と利便性を向上し、揚げ物やてんぷら業において顔面の焼けどを事前に防止し、さらには環境破壊軽減に寄与するという、重要な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】 フェイスプレート見取り図
【符号の説明】
【0031】
1. フェイスプレート
a. バンド
b. フェイスカバー
c. ひたいカバー
d. 両面接着テープ
e. 取り付けねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明で薄い可撓性プラスチック製フェイスカバーを、U字型の可撓性プラスチック製バンドにねじ等で締結し、U字型プラスチック製バンドのばね性を利用して顔の両こめかみに固定することを特徴とする、顔面の汚れを防止するフェイスプレート
【請求項2】
ねじ等を外すことにより、フェイスカバーを交換することが出来ることを特徴とする、請求項1のフェイスプレート
【請求項3】
フェイスカバー上端部に、軟質プラスチックで出来た、ひたいの形状および頭髪の生え際の形状に合わせて成形することが出来るひたいカバーを、両面接着テープ等で接着することを特徴とする、請求項1のフェイスプレート
【請求項4】
耐熱性の可撓性プラスチック製フェイスカバーまたは、紫外線吸収膜を備えたプラスチックでできたフェイスカバーを備えることを特徴とする、請求項1のフェイスプレート

【図1】
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【公開番号】特開2008−132285(P2008−132285A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345024(P2006−345024)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(506018684)有限会社スギハラヘアスタイリング (2)
【出願人】(506018695)
【Fターム(参考)】