説明

フェイスカバー

【課題】ポリ塩化ビニルを使用せず、廃棄しても環境に影響を与えることがなく、しかも安価に製造することのできるフェイスカバーを提供する。
【解決手段】把持部を有する紙製の枠に、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタラートフィルム及びナイロンフィルムから選ばれるフィルムを貼り付けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘアスプレーやヘアミスト等を使用する際に、目や顔面をガードするフェイスカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、頭髪用のスプレーやミストタイプの化粧料を使用する際、目や顔面をガードするために、ポリ塩化ビニル等のプラスチック製のプレートで作られたフェイスカバーが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリ塩化ビニルは、その廃棄の過程で環境や人体に好ましくない影響を及ぼす可能性が示唆されている。ポリ塩化ビニルは生活圏内に多種多様の製品として存在するので、ゴミとして排出される量も多い。そのため、ポリ塩化ビニルの使用量を低減することが重要な課題となっている。
【0004】従って、本発明の目的は、ポリ塩化ビニルを使用せず、しかも安価に製造することのできるフェイスカバーを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】ポリ塩化ビニル以外のプラスチック製プレートでフェイスカバーを作ることにより、環境中へのポリ塩化ビニルの排出量を減らすことは可能であるが、資源としてのプラスチック全体の排出量として考えれば変化はなく、またコスト面でもさほど有利ではない。プラスチック資源全体の排出量を減らす方法として、フェイスカバーの場合、プラスチック製プレートの厚みを薄くし、フィルム状とすることで達成されるが、それに伴い強度も低下し、フェイスカバーとしての用を足さなくなる。そこでプラスチックフィルムを紙製の枠に貼り付けることにより、強度を補うことが可能となり、フェイスカバーとして使用できるようになることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、把持部を有する紙製の枠に、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタラートフィルム及びナイロンフィルムから選ばれるフィルムを貼り付けたことを特徴とするフェイスカバーである。また、本発明のフェイスカバーを包装用の小箱と一体化することで、さらに、資源及び製造コストを低く抑えることができる。
【0007】上記のフィルムの中でも、汎用性の面から、ポリプロピレンフィルムが特に好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のフェイスカバーは以下のように使用される。まず、把持部を把持し、本発明のフェイスカバーを顔の位置に合わせる。当該フェイスカバーは、枠が紙でできているので、額の曲面に合わせて湾曲させることができ、これを目の周囲を覆うように額に当てる。次に、紙製の枠に貼り付けられたフィルムを通して、鏡を見ながらスプレーやミストタイプの毛髪化粧料を使用する。毛髪化粧料としては、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、セットローション、ブロースタイリングローション、ヘアリキッド、ヘアスプレー、ヘアミスト、永久染毛剤、半永久染毛剤、一時染毛剤などが挙げられる。
【0009】そして、スプレーやミストタイプの毛髪化粧料を使い切るなどして、フェイスカバーが不要となったときは、一般の可燃ゴミとして捨てることができる。本発明のフェイスカバーは紙とポリ塩化ビニルではないプラスチックフィルムで構成されているので、廃棄しても環境への影響は少ないと考えられる。
【0010】また、フェイスカバーを包装用小箱と一体化することにより、使用する資材の量を減らすことができ、製造コストを低く抑えることができる。すなわち、小箱の一部分を切り抜き、フィルムを貼り、フェイスカバーの型にミシン目を入れた包装用小箱である。使用時には、ミシン目を破って小箱から切り離し、フェイスカバーとする。また、この包装用小箱は窓が開いていることで、箱の中を見ることができるので、箱を開けて中身を確認する手間も省くことができる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面と共に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。まず、図1及び図2は、それぞれ本発明の第1実施例及び第2実施例であるフェイスカバー1の分解斜視図である。当該フェイスカバー1は、把持部2を有する紙製の枠3と、フィルム4とで構成されている。フィルム4は、把持部2と枠3の片面全面に貼り付けられているか、若しくは図2に示すように、枠3の部分にだけ貼り付けられている。
【0012】このフェイスカバー1は以下のように使用される。まず、把持部2を把持し、当該フェイスカバーを額の曲面に合わせて湾曲させ、図3に示すように、目の周囲を覆うように顔面に当てる。そして、フィルム越しに鏡等を見ながら、所望の位置にスプレーやミストタイプの毛髪化粧料を吹きかける。
【0013】図4、図5及び図6は、それぞれ本発明のフェイスカバーの第3実施例、第4実施例及び第5実施例を示す斜視図である。これは、毛髪化粧料の包装用の小箱5に窓を開け、小箱の外側全面又は内側の枠3の部分にフィルムを貼り付け、窓を囲むように枠3及び把持部2を型取りミシン目6を設けたものである。
【0014】このフェイスカバーを使用するときは、ミシン目6に従ってフェイスカバーを切り取り、第1実施例のフェイスカバーと同様の方法で使用する。そして、フェイスカバーが不要となった場合は、一般の可燃ゴミとして捨てればよい。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、ポリ塩化ビニルを使用せず、紙とフィルムを使うことで、廃棄しても環境に影響を及ぼすことがなく、製造コストも低くすることができる。また、包装用の小箱と一体化することで使用する資材の量を減らすことができ、さらに安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフェイスカバーの第1実施例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明のフェイスカバーの第2実施例を示す分解斜視図である。
【図3】本発明のフェイスカバーの使用状態を示す図である。
【図4】本発明のフェイスカバーの第3実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明のフェイスカバーの第4実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明のフェイスカバーの第5実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 フェイスカバー
2 把持部
3 枠
4 フィルム
5 小箱
6 ミシン目

【特許請求の範囲】
【請求項1】 把持部を有する紙製の枠に、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタラートフィルム及びナイロンフィルムから選ばれるフィルムを貼り付けたことを特徴とするフェイスカバー。
【請求項2】 包装用の小箱と一体化したことを特徴とする請求項1記載のフェイスカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2000−93229(P2000−93229A)
【公開日】平成12年4月4日(2000.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−270397
【出願日】平成10年9月25日(1998.9.25)
【出願人】(000113274)ホーユー株式会社 (278)