説明

フォークの溝が洗えるスポンジ

【課題】食事に使うフォークの溝の側面は、一般的な食器洗い用のスポンジでは掃除が難しかった。また、この溝の部分は、フォークの製造過程で残された裁断跡が縞模様で残っていることが多く、黒ずんだりするなど、ばい菌の温床になりやすかった。
【解決手段】一般的な食器洗い用のスポンジ6に、フォーク5と同じ間隔で数センチの切り込みを入れ、そこにフォークを差し込み、前後、上下に動かすことで、フォークの溝側面を直接、かつ簡単に掃除できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はよくキッチンなどで使用する食器洗い用のスポンジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コップや食器を洗うスポンジには、用途に応じていくつかの種類がある。食器を傷つけないようにやわらかい素材をつかったり、ガスコンロなどを掃除できるように硬い素材が使われているものや、コップの中を掃除しやすいように丸みを帯びた構造になっていたりなどの工夫が行われている。
【0003】
特許文献1には、さまざまな食器を洗うためにスポンジ自身の形状を変形できる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−022700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フォークの溝の側面は、表からスポンジなどでこすっても直接触れることができないため、掃除が困難であった。このためフォークの溝を斜めからのぞいて見てみると、汚れが残っていたり、黒ずんでいたり、カビやばい菌の温床になりやすいなどの問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スポンジにフォークを直接差し込めるような長さ数センチの切り込みを4本以上入れることにより、上記問題を解決する。切り込みは、一般的なフォークの爪と同じ間隔で、4本ないしは5本、スポンジに貫通するように入れる。
【0007】
スポンジの切り込みは、フォークと同じ間隔の丸い小さな穴でも代用できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のスポンジを使うことによって、従来はスポンジによって掃除が難しかった、フォークの溝の側面を直接掃除することが可能となる。このことにより、従来よりもフォークを清潔にできるようになり、ばい菌の繁殖を抑え、食中毒の原因になる可能性を低減させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】広く一般的に販売されている2層構造のスポンジに、本発明を施したスポンジの外観を示した図である。(a)はスポンジのやわらかい方の面に切込みを入れてある図。(b)は、硬いほうの面に切込みを入れてある図。表の切り込みと裏の切り込みはつながっており、貫通している。
【図2】本発明加工を施したスポンジを使って、実際にフォークの溝を掃除している図。(a)は実際にフォークを差し込んで動かしている様子を示す図。(b)は本スポンジで掃除できる爪の数が違うそのほかのフォーク。
【図3】本発明のスポンジが掃除を可能とするフォークの溝の側面部分を示す図。
【図4】本発明のスポンジを使って、一般的な爪の間隔よりも広く設計されている、大型のフォークを掃除する場合の掃除方法を示す図。
【図5】本発明のスポンジの施工方法の例。切り込みではなく、小さな丸い穴だけを開けた場合を示す図。(a)はやわらかい側にあけた穴を示す。(b)は硬い素材側に空いている穴を示す。(c)はその穴を使って実際にフォークの溝を掃除している様子を示す。
【図6】本発明のスポンジの施工例。爪の数が5本ある場合の施工例と、ケーキ用などの爪の間隔の狭いフォークも掃除できるように工夫した例。(a)は5本の切込みを入れた例。(b)は(a)の裏側まで貫通していることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
スポンジ本体に、フォークの爪の間隔とほぼ同じ間隔で切込みを入れる。その切り込みは数センチほどあり、スポンジの表から裏まで貫通している。切り込みはフォークの爪の数に合わせて4本、もしくは必要があれば5本以上切り込む。
【0011】
スポンジ本体に、フォークの爪の間隔とほぼ同じ間隔で穴をあける。その穴はフォークの爪の数に合わせて、4個もしくは必要があれば5個以上あける。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明スポンジの加工を施した外観である。スポンジは、一般的に広く普及している2層構造のものを参考として加工を行っているが、1層しかないスポンジ、3層のスポンジなど、今日普及しているほとんどすべてのスポンジに同様の切れ目を入れることが可能である。この切れ目は上から下まで貫通しており、フォークの爪の間隔とほぼ同じ間隔で切れ目を入れるものとする。一般的なフォークのほとんどは最大で4本の爪が備わっている。そのため、本発明の場合も、基本的には4本の切れ込みでほとんどのフォークの仕様をカバーできるが、ごくまれに5本以上の爪を持っているフォークが存在するため、場合によっては5本以上の切れ込みを入れる。また、ケーキ用などのフォークで、爪の間隔が狭いものが存在する。その場合は、スポンジの別の場所に、間隔の狭い切れ込みを用意することによって対応が可能である。
【0013】
図2(a)は、本発明スポンジを使って実際にフォークを掃除している様子を示す。スポンジの切り込みにフォークを差込み、上下、前後にフォークを動かし、フォークの溝側面に直接スポンジが触れて掃除を行うことを可能としている。図2(b)は、本発明スポンジによって掃除が可能となる仕様の異なるフォークを示す。お菓子用、フルーツ用、ディナー用など、用途によって爪の数が違うが、おおよその爪の間隔は同じものが多く、本発明スポンジを使って掃除することが可能である。
【0014】
図3は、フォークの溝を斜めから見て、拡大した図を示す。フォークの溝の側面は、研磨処理や鏡面仕上げの処理がなされていないことが多く、ほとんどの場合で、裁断した傷跡がそのまま残っている。この面には一般的なスポンジによる掃除では直接触れる事ができず、食べ残しがこの溝の表面に残ったまま、黒ずんだり、ばい菌の温床になりやすい。本発明スポンジは、このフォークの溝の側面に直接スポンジが触れることで掃除を可能としている。
【0015】
図4は、幅の広い、少し大きめのフォークを掃除する場合の操作方法を示す。一般的なフォークはそのほとんどが近似した間隔で爪が配置されているが、用途や、場合によって横に広いフォークも存在している。その場合は、図4のように、斜めにスポンジに差し込むことで、大きいフォークでも掃除を可能としている。
【0016】
図5は、スポンジに穴を開けて施工した場合の実施例を示す。一般的なフォークと同じ間隔で穴を開けておき、スポンジを貫通しているものとする。このスポンジにフォークの爪を直接差し込み、上下に抜いたり挿したりすることで掃除を可能としている。
【0017】
図6は、ごくまれに存在する爪の数が5本あるフォークに対応した場合の例と、ケーキ用などで爪の間隔の狭い フォークの掃除に対応した施工例を示す。
【産業上の利用可能性】
【0018】
食器洗いに使うスポンジは、食器洗いをするうえで欠くことのできない重要な道具として多くの家庭に普及している。一方で、フォークもまた、さまざまな食事に利用されており、ほとんどの家庭に普及している重要な道具である。しかしながら、このスポンジを使ってフォークの掃除をしようと思っても、従来のスポンジでは、溝の間の側面を直接洗うことはできなかった。しかも、この溝の部分はフォークを製造する過程で発生した裁断の傷がそのまま縞模様で残っていることが多く、この部分に汚れが残り、カビが発生したり、黒ずんだり、場合によってはばい菌の温床になりかねない。本発明はこのフォークの溝の間の側面を掃除することが可能となるため、衛生面での向上、及び場合によっては食中毒の予防にもつながる。また、そのことを長所とするスポンジの発売は産業上大きな効果を与える可能性がある。
【符号の説明】
【0019】
1 一般的に広く普及している普通の食器洗いのスポンジ
2 本発明の切り込み施工をした部分。この切り込みは4本、ないし5本以上あり、裏まで貫通している
3 本発明の切込みを施工したスポンジを裏返して見た状態。切込みが貫通している
4 符号1で解説したスポンジを裏返した状態
5 一般的な4本爪のフォークを本発明スポンジに差し込んだ状態
6 本発明スポンジ
7 フォークの爪の拡大図と、溝の内側の側面
8 一般的なフォークよりも大きなサイズのフォーク。スポンジに対して斜めに挿して使う
9 切り込みの代わりにスポンジに穴を開けた場合の穴
10 符号9で解説した穴をスポンジを裏返した状態で見た図。スポンジの両面に貫通している
11 一般的なフォークをスポンジの穴に差し込んで掃除を行う様子
12 ケーキ用などで使われる、爪の間隔が狭いフォークの掃除に対応した切り込みを示している。間隔を狭めてある
13 ごくまれに存在する、5本の爪のフォークに対応するため、スポンジに5本の切り込みを入れた図
14 符号12で解説したスポンジを裏返した状態。切り込みが裏側まで貫通している
15 符号13で解説したスポンジを裏返した状態。切り込みが裏側まで貫通している

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般的に普及している食器洗い用のスポンジの表面に、食事用のフォークの間隔とほぼ同じ間隔で、裏側まで貫通する4本、ないしは5本の数センチの長さにわたる切り込みをいれたことを特徴としたスポンジ。
【請求項2】
一般的に普及している食器洗い用のスポンジの表面に大型もしくは小型の食事用のフォークの仕様に合わせて、間隔を狭めたり、広げたりした数センチの長さにわたる切込みを入れたことを特徴とするスポンジ。
【請求項3】
一般的に普及している食器洗い用のスポンジの表面に、食事用のフォークの間隔とほぼ同じ間隔で裏側まで貫通する穴を4個、もしくは5個開けたことを特徴とするスポンジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−5188(P2011−5188A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154162(P2009−154162)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(709003573)
【Fターム(参考)】