説明

フジコナカイガラムシの性誘引剤

【課題】フジコナカイガラムシの性フェロモンの化学構造を明らかにし、本種の性誘引剤を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、下記一般式1で示されるエステル化合物を含むことを特徴とするフジコナカイガラムシの性誘引剤で、前記一般式1は、下記構造式1で示される5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレートであることが好ましい。
【化1】



(一般式1)
〔式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基のいずれかを表し、Rは水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基のいずれかを表わす。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カキの重要害虫であるフジコナカイガラムシ(学名:Planococcus kraunhinae(Kuwana))の性誘引剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フジコナカイガラムシは主に果実を加害する。本種に吸汁された果実は着色ムラを生じ早期に軟化するため食味や保存性が低下する。また、加害果実の表面は本種の排泄物に生じたスス状の黒カビにより汚染され、外観が著しく劣化する。本種は、5月から10月まで連続的に成虫が発生し、防除適期の見極めが難しく殺虫剤による防除が困難とされている。
【0003】
近年、多くの昆虫において性フェロモンの化学構造が明らかにされ、これを化学合成した合成性フェロモンを用いて、害虫の発生消長調査が効率的に行われるようになった。性フェロモンは、一般に雌成虫が分泌する化学物質で、同種の雄成虫に対して種特異的に誘引作用を示す。このような性フェロモンの化学構造を明らかにして、いわゆる性誘引物質として用いることにより、効率的な発生消長を調査することが可能となる。さらに、この性誘引物質を用いて、雌雄の交尾行動を撹乱する、いわゆる交信撹乱法や、フェロモントラップを用いた雄成虫の大量誘殺により、成虫期を対象とした害虫の防除を行うことも可能である(例えば特許文献1を参照。)。
【0004】
コナカイガラムシ科の虫としては、ミカンヒメコナカイガラムシ(Planococcus citriculus) (例えば特許文献2を参照。)、ミカンコナカイガラムシ(Planococcuscitri) (例えば非特許文献1を参照。)、the vine mealybug (Planococcus ficus) (例えば非特許文献2を参照。)などの性フェロモンの化学構造が明らかにされているが、フジコナカイガラムシに関しては未だに解明されていない。
【0005】
【特許文献1】特開平9−323906号公報
【特許文献2】特開2004−161654号公報
【非特許文献1】BIERL-LEONHARDT, B. A., MORENO, D. S., SCHWARZ, M., FARGERLUND, J.,and PLIMMER, J. R. 1981. Isolation, identification and synthesis of the sexpheromone of the citrus mealybug, Planococcus citri (Risso). Tetrahedron Lett.22:389-392.
【非特許文献2】HlNKENS.D. M., MCELFRESH, J. S., and MILLAR, J. G. 2001. Identification and synthesisof the sex pheromone of the vine mealybug, Planococcusficus. Tetrahedron Lett.42: 1619-1621 .
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、クワコナカイガラムシの性フェロモンの化学構造を明らかにし、本種の性誘引剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、クワコナカイガラムシの性フェロモンを単離同定することにより、本発明に至った。即ち本発明は以下の通りである。
<1> 本発明は、下記一般式1で示されるエステル化合物を含むことを特徴とするフジコナカイガラムシの性誘引剤である。
【化3】

(一般式1)
〔式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基のいずれかを表し、Rは水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基のいずれかを表わす。〕
<2> 前記一般式1は、下記構造式1で示される5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレートであることが好ましい。
【化4】

(構造式1)
<3> 更に前記一般式1に示すエステル化合物、又は構造式1に示す5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレートが、有機溶媒に0.0005〜1mg/1μLの濃度で溶解されていることが好ましい。
<4> 更に本発明は、前記<3>のフジコナカイガラムシの性誘引剤が、徐放性担体に含浸されているフジコナカイガラムシの捕獲用又は交信撹乱用性誘引剤である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の性誘引剤により、クワコナカイガラムシの雄成虫を特異的に誘引することができる。本発明の実施により、本種の発生状況を把握することができ、大量誘殺、さらに、交信撹乱への応用により、直接的に本種を防除することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、下記一般式1で示されるエステル化合物を含むことを特徴とするフジコナカイガラムシの性誘引剤である。
【化5】

(一般式1)
【0010】
前記一般式1において、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基のいずれかを表す。又Rは、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基のいずれかを表わす。
【0011】
前記エステル化合物は、フジコナカイガラムシの性誘引剤として、フジコナカイガラムシの発生調査、大量誘殺、及び交信撹乱において、効果的に用いることができる。
【0012】
中でもフジコナカイガラムシの性誘引剤としては、前記一般式におけるR、R、R、Rがいずれもメチル基で、Rがプロピル基であり、下記構造式1に示される、5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレートが特に好ましい。
【0013】
【化6】

(構造式1)
【0014】
前記5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレート(以下C8:Butと略記する。)は、常温では揮発性で、人間にとっては無臭、無害、且つ透明の液体である。
【0015】
前記C8:Butを、フジコナカイガラムシの性誘引剤として使用する場合に、発生調査、又は大量誘殺として使用する場合と、交信撹乱として使用する場合と、それぞれの利用法に応じて使用方法が異なる。
【0016】
前記C8:Butを発生調査、又は大量誘殺として使用するときは、有機溶媒、中でも好ましくはペンタン又はヘキサン、更に好ましくはヘキサンに、溶解して使用することが好ましい。該溶解濃度としては、0.0005〜1mg/100μLが好ましく、0.0008〜0.2mg/100μLがより好ましい。
【0017】
前記C8:Butの溶解液を発生調査、又は大量誘殺剤として野外で使用する場合は、徐放性担体に含浸させて使用することが好ましい。該徐放性担体としては、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル等の放出量制御機能を有する物資からなる、キャップ、細管、ラミネート製の袋、カプセル等の容器が好ましく、中でもゴム、ポリエチレンからなるキャップ、又は細管が特に好ましい。
【0018】
前記含浸量としては、1徐放性担体当りC8:Butの量として0.001〜1mgを含浸させることが、更には0.05〜0.5mgがより好ましい。
【0019】
前記によりC8:Butの溶解液を含浸させた徐放性担体は屋外に設置されるが、該設置密度は、10a当り1〜1000個、より好ましくは100〜500個を設置する。担体相互の間隔は1〜100m、より好ましくは1.4〜3mの間隔が好ましい。又設置位置としては、地上0.5〜3m、より好ましくは0.8〜1.5mの高さに設置することが好ましい。該徐放性担体を捕獲用として用いる場合は、粘着トラップ、水盤トラップ、吸引トラップ等のトラップと併用することが好ましく、中でも粘着トラップと併用することがより好ましい。
【0020】
前記設置時期は、フジコナカイガラムシの成虫発生期である4月〜11月に設置することが好ましく、該徐放性担体は30日おきに、前記粘着トラップは14日おきに更新することが好ましい。
【0021】
前記C8:Butを交信撹乱剤として徐放性担体に含浸させて使用するときは、希釈せずに原液を直接含浸させる、又は前記有機溶媒に0.0005〜1mg/1μL、より好ましくは0.0008〜0.2mg/1μLの濃度に溶解して、該溶解液を1徐放性担体当りC8:Butの量として0.001〜1gを、より好ましくは0.05〜0.5gを含浸させて用いる。
【0022】
前記徐放性担体は、10a当り10〜500個を設置することが好ましい。担体相互の間隔は0.5〜100m、より好ましくは1.4〜10mの間隔が好ましい。又設置位置は、発生調査、又は大量誘殺剤と同様の高さに設置することが好ましい。
【0023】
前記C8:Butの交信撹乱用としての使用において、網等に前記C8:Butの原液、又は前記溶解液をスプレーしてもよい。スプレーして使用する場合は、前記徐放性担体と同様の密度の網等を設置して、C8:Butの量として1〜10mgを、毎日継続して日没後に使用することが好ましい。
【実施例】
【0024】
(単離同定)
クワコナカイガラムシの羽化した処女雌を餌と共に容器に収納し、雌の放出物を含む容器内の空気を、吸着剤としてポラパックQ(Waters社製)を用いて捕集し、性フェロモンを含む捕集物を得た。性フェロモン活性はシャーレ中に雄成虫を放飼しておき、試料を塗布したろ紙に誘引されるかどうかで室内検定を行った。
【0025】
前記捕集物は、室内検定で性フェロモン活性が確認されたので、約50万頭分の捕集物を、フロリシルを用いたカラムクロマトグラフィにより分画した。このカラムをヘキサンにジエチルエーテルを加えた溶媒系を用い、ヘキサン、5%ジエチルエーテル/へキサン、15%ジエチルエーテル/へキサン、20%ジエチルエーテル/へキサン、50%ジエチルエーテル/へキサンにより順次抽出溶出したところ、5%ジエチルエーテル/へキサンでの溶出画分に、性フェロモン活性が認められた。
【0026】
そこで該溶出画分を、シリカゲルカラム(ジーエルサイエンス、インナートSIL-100A)を用いた高速液体クロマトグラフィ(アジレント1050)で分画した。2%ジエチルエーテル/へキサンで溶出したところ10.5〜11.8分の間に性フェロモン活性成分が溶出された。
【0027】
つぎに前記性フェロモン活性画分を、FFAPカラム(ジーエルサイエンス、FFAP bonded)を用いたガスクロマトグラフィ(アジレント、6890)により分取をした。性フェロモン活性は13〜14分に溶出される画分に認められた。さらにこの性フェロモン活性画分を、OV-1カラム(ジーエルサイエンス、TC−1)を用いたガスクロマトグラフィ(アジレント、6890)により分取をした。性フェロモン活性は10.18分に溶出される一つのピークから成る画分に認められ、クワコナカイガラムシの性フェロモン活性物質(以下単に活性物質という。)が単離された。
【0028】
前記活性物質の化学構造を決定するために以下の分析を行った。活性物質をガスクロマトグラフー質量分析計(日本電子、SX102)で分析し、質量スペクトルを得た。このスペクトルとCIモード(反応ガス:イソブタン)による分析から、分子量が224であることが明らかとなった。活性物質を10%水酸化カリウムのメタノールを加えて加水分解すると分子量154の物質が得られた。該物質の質量スペクトルはラバンデュロールと類似していたが、保持時間(12.72分)は一致せず、同一の物質でないことが明らかとなった。
【0029】
前記活性物質が、分子量154のアルコールとブチル酸とのエステルであることを確認するため、活性物質を10%水酸化カリウムのメタノールを加えて加水分解して得たアルコールを、塩化ブチリルによりブチルエステルに変えたところ、ガスクロマトグラフー質量分析計での分析で、保持時間(13.76分)や質量スペクトルが活性物質と同じであり、性フェロモン活性も確認され、活性物質は成分がブチルエステルであることが確認された。
【0030】
さらに、活性物質の水素添加産物とラバンデュロールのブチルエステルの水素添加産物をガスクロマトグラフー質量分析計(日本電子、SX102)で分析して比較したところ、質量スペクトルと保持時間(共に10.42分)が良く一致し、両者の化学構造の基本骨格は同じで、活性物質には2重結合が2個あることが明らかとなった。しかし、この2重結合の位置は各種の化学修飾によって明らかにできなかったので、プロトンNMR(日本電子、A600)による分析を行った。その結果、5個のメチル側鎖が有ることが明らかとなり、活性成分は5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレートと推定された。
【0031】
前記活性物質の解析結果は以下の通りである。
分子式:C1424
質量スペクトル(EI, m/z):105(7),121(100), 136(24), 224(1)
H-NMR(600MHz,C6D6):δ5.26 (mt, 1H), 4.74 (s, 2H), 2.91 (d,2H), 2.12 (t, 2H),
1.65 (s, 3H), 1.64 (s, 3H), 1.62 (s, 3H), 1.56 (s, 3H),1.56(m, 2H), 0.79 (t, 3H)
活性物質の水素添加産物の質量スペクトルは、以下の通りである。
(EI, m/z):71(100),89(15),140(45), 185(8)
ラバンデュロールのブチルエステル水素添加産物の質量スペクトルは、以下の通りである。
(EI, m/z):71(100),89(19), 140(52),185(14)
【0032】
ラバンデュロールのブチルエステルには不純物として、本活性物質と推定される物質が0.2%含まれていた。そこで、この不純物を以上に述べた方法で精製した。この不純物由来物質をプロトンNMR(日本電子、A600)とカーボンNMR(日本電子、A600)分析により、CHHSHF,HMBC等による解析したところ、5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレートであると同定され、その化学的性質は天然物の本活性物質と一致した。
【0033】
前記不純物由来物質の解析結果は以下の通りである。
1H-NMR(600MHz,C6D6):δ5.15 (mt, 1H), 4.73 (s, 2H), 2.90 (d,2H), 2.11(t,2H),1.643 (s, 3H), 1.635 (s, 3H), 1.62 (s, 3H), 1.557(s, 3H),1.556(m, 2H), 0.79 (t, 3H)
13C-NMR(150MHz,C6D6):δ172.9, 132.1, 131.7, 127.9, 123.0,63.5, 36.3, 30.2,25.8, 20.5, 20.4, 18.8, 17.7, 13.7
【0034】
前記5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレートは、常温で揮発性の透明液体であった。
【0035】
(野外誘引試験)
前記5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレート(以下C8:Butと略記する。)と前記活性物質との性フェロモン活性を確認するため、野外で誘引試験を行った。
<実施例1>
前記C8:Butの0.001mg/100μLの濃度のヘキサン溶液を、マイクロシリンジで100μL(C8:Butとして0.001mg)を採取し、底のある円筒状のイソプレンより成るゴムキャップ(WESTSleeve stopper)の内側の空隙に注ぎ込み、一晩放置後、白色粘着型トラップ( 9cm×20cm、サンケイ化学、SE)に取付けた。該トラップを6月22日〜7月22日の1ケ月間、フジコナカイガラムシの発生が認められるカキ樹の枝約100cmの高さに設置し、トラップに捕獲されたフジコナカイガラムシの雄成虫誘引数を調査した。3反復の結果の平均値を表1に示す。
【0036】
<比較例1>
前記C8:Butに代えて、前記活性物質を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1を行った。なお比較例1と実施例1のトラップは、各反復ともに相互に約1m離して設置した。3反復の平均値を表1に示す。
【0037】
【表1】

【0038】
<実施例2>
前記C8:Butの使用量を、0.001mgから0.01mgに代え、実施時期を8月23日〜9月21日代えた以外は実施例1と同様にして実施例2を行った。結果を表2に示す。
【0039】
<比較例1>
前記C8:Butに代えて、前記活性物質を用いた以外は実施例2と同様にして比較例2を行った。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
表1、及び表2の結果から、C8:Butは0.001mg の量で29頭(実施例1)、0.01mgの量で48頭(実施例2)の誘引が、天然物由来の活性物質では0.001mgの量で23頭(比較例1)、0.01mgの量で35頭(比較例2)の誘引が認められた。従って、C8:Butが活性物質と同一の物質であることが生物活性の面からも確認された。
【0042】
(野外長期誘引試験)
<実施例3、4、5>
前記C8:Butの長期に渡る性フェロモン活性を確認するため、野外で長期誘引試験を行った。
実施例2における試験時期を、5月16日〜5月24日(実施例3)、5月24日〜6月1日(実施例4)、及び6月1日〜6月13日(実施例5)に、それぞれ代えた以外は、実施例2と同様にして、フジコナカイガラムシの雄成虫誘引数を調査した。各試験とも3反復の平均値を表3に示す。
【0043】
<比較例3、4>
前記C8:Butと白色粘着型トラップに代えて、同一樹内の約1m離れた枝に白色粘着トラップ(9cm×20cm)のみを設置し、試験時期は実施例3、実施例4、及び実施例5と同様として比較例3、4、5を行った。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】

【0045】
実施例3〜実施例5のように、C8:Butの添加量が0.1mgであれば、比較例3〜比較例5に比べ明らかに多数のフジコナカイガラムシ雄を誘引することができ、効果的な誘引成分であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、クワコナカイガラムシの雄成虫を特異的に誘引し、発生状況を知るのに有効な誘引剤を得ることができ、さらに、大量誘殺や交信撹乱への応用により、直接的に本種を防除することが可能となる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式1で示されるエステル化合物を含むことを特徴とするフジコナカイガラムシの性誘引剤。
【化1】

(一般式1)

〔式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基のいずれかを表し、Rは水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基のいずれかを表わす。〕
【請求項2】
前記一般式1が、下記構造式1で示される化合物5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレートである請求項1に記載のフジコナカイガラムシの性誘引剤。
【化2】

(構造式1)

【請求項3】
前記一般式1に示すエステル化合物、又は構造式1に示す5-メチル-2-(プロパン-2-イリデン)-4-ヘキセン-1-オールブチレートが、有機溶媒に0.0005〜1mg/1μLの濃度で溶解されている請求項1又は請求項2に記載のフジコナカイガラムシの性誘引剤。
【請求項4】
請求項3に記載のフジコナカイガラムシの性誘引剤が、徐放性担体に含浸されているフジコナカイガラムシの捕獲用又は交信撹乱用性誘引剤。


【公開番号】特開2007−284400(P2007−284400A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115255(P2006−115255)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(501245414)独立行政法人農業環境技術研究所 (60)
【出願人】(591065549)福岡県 (121)
【出願人】(591282205)島根県 (122)
【Fターム(参考)】