説明

フットレスト

【課題】フットレストが運行位置と乗降位置との間の座席下で自動的に位置調整されるようにし、乗客の足が拘束されるリスクをなくし、乗客が乗降に集中できるようにする。
【解決手段】チェアリフトのチェア3は、フットレスト6を備える。フットレスト6は、自動位置決め機構17に接続されており、運行位置と乗降位置との間において座席5の下に位置決めされる。チェア3がターミナル外に移動すると、フットレスト6は電気モータを備える位置決め機構17によって自動的に位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座面を有する少なくとも1つの座席と、座席の上で横方向に延びて開位置から閉位置に枢動する安全バーと、少なくとも1つのフットレストと、を備えるチェアリフトのチェア(椅子)に関する。
【0002】
さらに、本発明は、座面を有する少なくとも1つの座席を備えるチェアが一方のターミナル(terminal)から他方のターミナルへと移動され、安全バーがターミナルにおいて開位置と閉位置との間で枢動されるチェアリフトの運転方法に関する。
【背景技術】
【0003】
チェアリフトのチェアは、少なくとも1個の座席を有し、しばしば、2、3、4個、最大で8個以上、例えば10個の隣り合う座席を有し、各座席にはフットレストが割り当てられている。乗客は、このフットレストに、スキーまたはスノーボードが任意的に固定された自分の足を載せて休ませることができる(例えば特許文献1、特許文献2)。フットレストは、座席の前で安全バーから下方に延びるサポートバーを介して、チェアの安全バーにしっかりと固定されている。フットレスト自体はサポートバーから側方へと突出するバーや管から構成され、サポートバーの下端に固定されて、安全バーを枢動させることにより乗降位置へと持って来られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】オーストリア特許第411523B号
【特許文献2】オーストリア特許第411046B号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
安全バーを枢動させる上での問題は、乗客が正しい着座位置にないときに、フットレストが配置されているサポートバーが乗客の足を拘束してしまうかもしれないということである。この問題は、乗客が座席から滑り落ちる危険があるとして着座位置を修正したいときに重大である。これが修正できないと、乗客が不快な着座位置に留まらざるを得ないこともあり得る。
【0006】
乗客が正しい着座位置についた後に自分で安全バーを閉じるという方法は、安全バーの閉止が遅くなりすぎるという危険があるため不利である。さらに、ターミナルの領域では、乗客が正しい乗降に十分に集中できるようにする必要がある。製造元が提供する安全対策は乗客が正しく行動する場合に最も効果的であるため、チェアリフトのターミナル内および一方のターミナルから他方への行程全体の間の安全面において、乗客が正確に乗降することは重要である。
【0007】
従って、本発明の目的は、上述した問題を可能な限り回避することが可能な、上述したタイプのチェアおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明によれば、請求項1の特徴を有するチェアリフトのチェアによって達成される。
【0009】
また、この目的は、請求項24の特徴を有する方法によって達成される。
【0010】
本発明の好ましい有利な実施態様は、従属請求項の主題を形成する。
【0011】
本発明によるフットレストが運行位置と乗降位置との間の座席下で自動位置決め機構によって調整されることにより、乗客の足が拘束されるリスクがなくなり、乗客がフットレストなしで過ごす必要もなくなる。したがって、安全バーを閉じてフットレストを位置決めすることについて心配する必要がなく、乗客は専ら乗降に集中することができる。また、安全バーの開閉と、フットレストの配置および取り外しは、時間的に分離してもよい。言い換えれば、乗車時は、安全バーを最初に閉じることができ、その後にのみフットレストを配置することができる。降車時は、安全バーがまだ閉じているときにフットレストを遠ざけることができる。
【0012】
本発明によれば、運行位置に到達する前に、フットレストが鉛直上向きに向けている運動成分を有して移動することができると特に好ましい。フットレストは、乗降位置から移動して、鉛直方向下向きとなる運動成分を有する。この運動成分は、運行位置に向かって、鉛直方向上向きの運動成分と併合されると好ましい。フットレストは、運行位置へと配置されるとき、スキー、スノーボードなどの下側から近接して移動されるので、フットレストによるスポーツ用品の上面の押圧が防止される。
【0013】
好ましい実施形態において、位置決め機構はチェアに配置され、作動装置(tripping device)はチェアリフトのターミナルの領域に配置されている。本発明の範囲内で、位置決め機構は、特にガイドローラに接続可能である。ターミナルの領域で、ガイドローラに割り当てられたガイド装置が設けられた領域を通過するとき、ガイドローラは高くなったり低くなったりする。ガイド装置は、例えば、位置決め装置のための駆動装置や作動装置などのガイドレールである。
【0014】
本発明の範囲内で、位置決め装置の作動もまたワイヤレスで行われる場合がある。例えば、作動装置としてセンサが設けられてもよい。
【0015】
さらに好ましい実施形態においては、位置決め機構は、安全バーを開閉するための及び/または座面を枢動させるための機構に接続することができる。これにより製造業者は、複数の安全対策が同時に実装されていることを簡単な方法で保障することができる。
【0016】
本発明の範囲内において、位置決め機構は、少なくとも1つのモータ、特に電気モータを含んでいてもよい。この場合、同様に、ターミナルの領域において、作動装置はモータの電気信号の送信機である。電動モータが使用されている場合、チェアがターミナルを通過する時および/またはチェアリフトの稼働時間外に充電される充電式バッテリによって電動モータが動作可能であると好ましい。
【0017】
ターミナルを通過する時にバッテリを充電することが意図されている場合、バッテリは、クランプ本体または各チェアのサスペンションバー上に配置された集電器(current corrector)に直接的に接続可能である。索道のターミナルに入るときには、バッテリが充電されるように、索道システムに設けられる接触装置(contact device)に集電器が接触する。集電器は、転がり接触とすべり接触のいずれをも備えることができ、各場合に応じて設計されたターミナル内の接触装置と協働する。接触装置は、コンベヤのケーブルおよび/または索道システムのケーブルプル(cable pull)に沿って配置された導体レールとして構成されていると好ましい。また、エネルギーは、誘導結合の態様において、非接触で伝送される。この場合、ケーブルに沿った対応する装置によって交番電界が形成されてもよく、これはチェアの対応する装置によって受信されて、バッテリを充電するために役立つ。
【0018】
純粋に機械的な位置決め機構において、当該機構は例えばケーブルによってフットレスト上に引張力を及ぼし、および/または、例えばロッド配置によってフットレスト上に圧縮力を及ぼすことができる。モータにより運転される位置決め機構では、フットレストの引張および/または圧縮力を発揮するために必ずしもケーブルやロッドを設ける必要はない。
【0019】
本発明の一実施形態では、運行位置から乗降位置へとフットレストを移動する際に、バネ荷重装置に張力をかけることができ、続いて、乗降位置から運行位置へとフットレストがバネ荷重装置によって移動可能である。バネ荷重装置としては、例えば機械的なバネや圧力媒体のシリンダーを使用でき、これは、フットレストが運行位置から乗降位置へと移動される間、チェアがターミナルへと移動するとき張力をかけられる。蓄積されたエネルギーは、その後、乗降位置から所定の位置へとフットレストを移動するために使用することができる。チェアがターミナルから移動するときには、張力をかけられるバネ荷重装置によって代わりにこれを逆に行ってもよく、蓄積されたエネルギーが、フットレストを運行位置から乗降位置へと移動させるために使用されるのは当然である。安全バーやチェアリフトの保護カバーの自動開閉から既にそれ自体公知であるように、機構は、バネ荷重装置に張力をかけるために、例えばターミナルの中のまたは上流のガイドレールへと結合可能である。したがって、バネ荷重装置を作動させるためにはバネ荷重装置のロックを解放しさえすればよく、これは機械的に、またはワイヤレスおよび/または電気的に行なうことができる。
【0020】
本発明によれば、フットレストは特に、運行位置において座面の前縁部の下の領域に配置され、乗降位置において座面の後縁部の領域に配置される。また、発明の範囲内で、乗降位置において、フットレストは座面下の領域および/または背もたれの後ろの領域に配置されてもよい。
【0021】
運行位置、すなわち、乗客が任意的にスキーまたはスノーボードが固定された足をフットレスト上に位置決めして載せているとき、フットレストは少なくとも1つのテンションロッドによって適切な位置に保持可能である。本発明によるチェアの実施形態では、位置決め機構自身が十分安定的に適切な位置に留まるため、追加のストラットを設ける必要はない。
【0022】
フットレストは、例えば、少なくとも部分的に座席の幅にわたって、または実質的に座席の幅全体にわたって延びるクロスビームである。本発明の範囲内において、例えば板状のフットレストなど、異なる設計のフットレストを使用することも可能である。
【0023】
本発明のさらなる詳細、特徴および利点は、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかに示されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】2つのターミナルを有するリフト設備を示し、ターミナルを離れるときに本発明によるフットレストを位置決めした場合の連続した動作を(a)〜(c)に示し、ターミナルに入るときに本発明によるフットレストを引き戻した場合の連続した動作を(d)〜(e)に示す。
【図2】本発明によるフットレストを位置決めした場合の連続した動作を詳細に示す。
【図3】本発明によるフットレストを位置決めした場合の連続した動作を詳細に示す。
【図4】本発明によるフットレストを位置決めした場合の連続した動作を詳細に示す。
【図5】本発明によるフットレストを位置決めした場合の連続した動作を詳細に示す。
【図6】本発明によるフットレストを位置決めした場合の連続した動作を詳細に示す。
【図7】本発明によるフットレストを位置決めした場合の連続した動作を詳細に示す。
【図8】本発明によるフットレストの支柱の詳細図を示す。
【図9】本発明によるフットレストの支柱の詳細図を示す。
【図10】図7の位置における本発明のフットレストのさらなる実施形態を示す。
【図11】運行位置における本発明のフットレストのさらなる実施形態を示す。
【図12】中間位置における図11に示す実施例を示す。
【図13】乗降位置における図11に示す実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、第1ターミナル1と第2ターミナル2とを備えるチェアリフト設備が示されており、これらの間でコンベアケーブル4上をチェア3が移動する。チェアは、固定的なクランプ形式や、結合可能であることによって、搬送ケーブル4に接続することができる。
【0026】
第1ターミナル1で乗客がチェア3の座席5に着座している場合、フットレスト6は、チェア3の背面において乗車位置にある(図1(a)及び図1の領域1a)。第1ターミナル1を出る間、または第1ターミナル1を出た後、フットレスト6は座席5の下へと枢動され(図1(b)および図1の領域1b)、図1(c)に示される運行位置を取る。この位置において、乗客は彼/彼女の足やスポーツ用品をフットレスト6上に載せる。チェア3が第2ターミナル2の入口領域に到達するまで、フットレスト6はこの運行位置に留まる。第2ターミナル2の入口領域では、フットレスト6が座席5の後側且つ下側へと枢動されて(図1(d)及び図1の領域1d)、フットレスト6が再びチェア3の背面上に配置される降車位置となる。この降車位置(図1(e)および図1の領域1e)は乗車位置に対応するが、乗客は第2ターミナルにおいてチェア3から降車することができ、新たな乗客がチェア3へと乗車可能である。
【0027】
図2〜7においては、本発明に係るフットレスト6を備えるチェア3が、後方から斜めに示されている。チェア3は4つの座席5を有しており、座席のそれぞれが座面および背もたれ7を含む。座面は、背もたれ7に割り当てられた後縁部8と、後縁部8と反対側に前縁部9と、を有している。また、チェア3は、座席5を越えて横方向に延びると共に、開位置から閉位置へと枢動可能な安全バー10を有している。
【0028】
フットレスト6を除いた他の部分は、従来と同様に従来の方法で設計することができる。そのため、一般的な方法において例としてのみ述べるが、ジョイントを介して支持バー12に接続されているフレーム11には安全バー10が配置されており、上端にはコンベアケーブル4にチェア3を取り付けるためのクランプ装置が配置されている。本発明は、いかなる設計のチェアに対しても用いることができる。
【0029】
図2〜7に示される実施形態において、フットレスト6は、チェア3の幅全体に実質的にわたって延びるクロスビーム(crossbeam 横桁)である。クロスビーム上には、2つの側部6a、6bが配置されており、これらは、ジョイント15を介してチェア3に配置された平行な枢動ロッド14に、ジョイント13を介して接続されている。フットレスト6の側部6a、6bには、フットレスト6を運行位置へとさらに固定する支柱(strut ストラット)16が連接式に(articulated manner)配置されている。本発明の範囲内において、支柱16は、枢動ロッド14上に配置されてもよい。しかしながら、フットレスト6で支承される乗客からの負荷は支柱16により最も良好に受け止められる可能性があるので、支柱16はフットレスト6にできるだけ近く配置されると好ましい。
【0030】
フットレスト6と側部6a、6bは、U字型のハーフフレームを形成する。枢動ロッド14は、本発明の範囲内において、2つの平行なロッドおよび横ロッドを有するU字型フレームの部分であってもよい。示されているように、このU字型枢動フレーム14の上にフットレスト6が配置されていてもよい。代替的には、複数のフットレストが、例えばT字型のロッドの形態で、U字型の枢動フレーム14に配置されていてもよい。したがって、各座席5について1つのフットレスト、例えば、運行方向に見たときに運行位置にある座席5の下の中央を延びるU字型枢動フレーム14の横ロッドに由来するロッドが設けられている。ここで配置されたT字型のクロスビームの形態のフットレストは、前縁部9の長さにわたって最大限に延びる。2つの座席に対して1つのフットレストを設けることも可能であり、運行方向に見たとき、U字型枢動フレーム14の横ロッドに由来するロッドは運行位置にある2つの座席5の間に延びる。このようにして配置されたフットレストは、例えば一方の隣接する座席5の中心から、他方の隣接する座席5の中心へと延びる。
【0031】
図2には、図1(a)および1(e)に類似したフットレスト6の乗降位置が示されている。安全バー10が開位置で座席5の上に配置されるこの位置において、フットレスト6、枢動ロッド14は背もたれ7の背面に位置しており、フットレスト6として働くクロスビームは座面の後縁部8の領域に配置される。枢動ロッド14と側部6a、6b、およびクロスビームによって規定された平面は、背もたれ7の表面と略平行に延びている。支柱16はその初期位置に配置されており、フットレスト6の側部6a、6bに対して略平行に(約10°の角度で)配置されている。
【0032】
チェア3が第1ターミナル外に移動すると、フットレスト6は位置決め機構17によって自動的に、図3〜7に示すように枢動する。図3〜7による例示的な実施形態において、位置決め機構17は、枢動ロッド14と側部6a、6bとの間、チェア3と枢動ロッド14との間、側部6a、6bとテンションロッド16との間の、ジョイント13、15、19による接続領域に配置された電気モータを備える。フットレスト6の枢動は部分的に後部へ、しかしながら実質的には座席5の下へと行われている。
【0033】
図4は、図1(b)と1(d)に示す位置に類似した位置を示す。この位置の領域において、フットレスト6はその最も低い位置にあって、フットレスト6が乗客のスキーやスノーボードに後下方から近づくように斜め前方且つ上方へとさらに順に移動している。このように、図7に示す運行位置に到達する前において、フットレスト6の移動は、鉛直方向上向きと水平方向正面に配向している運動成分を有する。
【0034】
図6には、フットレスト6が既にほぼ運行位置へと配置された状態の位置が示されている。フットレスト6として働くクロスビームは、ここでは、座面の前縁部9の下方に配置されている。この位置では、テンションロッド16の自由端20が座面の前端部9に近づくように、支柱16は、ジョイント19を介して初期位置から枢動されている。支柱の枢動は、電気モータ19によって行われる。
【0035】
図7には、図1(c)に類似した、フットレスト6の最後の運行位置が示されている。この位置では、フットレスト6として働くクロスビームは、座面の前縁部9の下方に配置されている。支柱16は、側部6a、6bに対して約90°の角度で配置されている。図8に示すように、この運行位置において、支柱16は、フットレスト6を保持するためにその自由端20が座面の前縁部9の領域で固定された使用位置にある。図7に示すように、第1ターミナル1から第2ターミナル2の入口領域への全行程において、チェア3は運行位置に留まる。
【0036】
図8、9は、座面の前縁部9の領域に配置される、その長手方向軸に沿って変位可能なピン21を示す。フットレスト6の運行位置において、ピン21はテンションロッド16の自由端20(図8)を締め付ける。一方、ピンは図9に示される位置へと引き戻されるとテンションロッド16の自由端20を解放し、フットレスト6が乗降位置へと変位可能である。しかしながら、チェアの安定した部分に支柱16をロックするために、他の手段を用いてもよいことは当然である。
【0037】
フットレスト6が運行位置から降車位置へと戻るよう枢動されることが意図された第2ターミナル2の入口の領域のように、テンションロッド16の自由端20が解放されるよう意図されているとき、テンションロッド16の自由端部20のロックが解除されるように、ピン21が座席5へと押し込まれる。本発明の範囲内において、フットレスト6の位置決め用のものと同じ作動装置を介して、ピン21を変位させてもよい。
【0038】
運行位置から降車位置へのフットレスト6の枢動は、前述の実施形態と同様の位置決め機構17によって反対の方法で自動的に行われる。
【0039】
図10には、本発明に係るフットレストのさらなる実施形態が運行位置で示されている。この実施形態において、位置決め機構17は、チェア3に配置された電気モータに加えて、支柱16および側部6a、6b上の枢動ロッド14に配置されたケーブル18をさらに含む。ケーブル18によって上述した構成要素に引張力を作用させることが可能になり、運行位置から乗降位置へのフットレスト6の位置決めが補助される。
【0040】
図11〜13には本発明のさらなる実施形態が示されている。ここで、位置決め機構22は、ジョイント25を介して互いに接続された2つのレバーアーム23、24を含むトグルレバーを有する。2つのレバーアーム23のうち一方のレバーアーム23は、ジョイント26を介して、フレームに固定された構成部品27に連結式に接続される。他方のレバーアーム24は、ジョイント28を介して側部6a、6bに接続される。2つのレバーアーム23、24の対は、チェア3の各側に配置されている。
【0041】
ジョイント26に割り当てられているレバーアーム23の端部は不図示の駆動軸に接続されており、チェア3に配置された電気モータにより駆動可能である。また、上述したものとは別の駆動機構がレバーアーム23に設けられていてもよい。
【0042】
図11は、運行位置にあるフットレスト6を示す。この位置において、乗客は、スポーツ用具が任意に装着された彼/彼女の足をフットレスト6の上で休めることがある。そのため、2つのレバー23、24はいわゆるロック位置に配置される。このロック位置において、ジョイント25はさらに上方へと移動できず、レバー23はさらに反時計回りへと回転できない。ストップは、レバー23、24に配置されてロック位置を定義することが好ましい。
【0043】
このようなフットレスト6を、図11による運行位置から図13による乗降位置へと移動させる場合には、図12から見て取れるように、レバー23が時計回りに回動される。フットレスト6は、レバー23のさらなる回転により、図13に示す位置へと第2のレバー24を介して枢動する。
【0044】
図11に示す運行位置へとフットレスト6をさらに枢動させるため、レバー23は、図13に示す位置から、図12に示す中間位置を経由して、図11に示す位置へと再び到達するまで反時計回りに枢動する。ここで、不図示のストップは互いに対して当接するので、乗客がフットレスト6にいる場合であっても、さらなる枢動を防ぐことができる。
【0045】
前述のストップに代わって、レバー23、24が図11に示す位置を越えてさらに枢動することを防止する他の手段を設けることができるのは当然である。
【0046】
本発明において、安全バー10の動作は、フットレスト6の動作と同時であってもよく、あるいはフットレスト6の動作とは時間的にずれていてもよい。特に動作が時間的にずれている場合には、まず安全バー10が閉じ、乗降位置から出て運行位置へのフットレスト6の動作を続けることができる。その一方で、運行位置から乗降位置へのフットレスト6の動作は、安全バー10が開く前に行なうことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座面を有する少なくとも1つの座席(5)と、
前記座席(5)を越えて横方向に延び、開位置から閉位置へと枢動可能な安全バー(10)と、
少なくとも1つのフットレスト(6)と、を備えるチェアリフトのチェアであって、
前記フットレスト(6)が、自動位置決め機構(17、22)に接続されており、運行位置と乗降位置との間において前記座席(5)の下で調整されることを特徴とする、チェア。
【請求項2】
前記フットレスト(6)が、前記運行位置に到達する前、鉛直上方に配向している運動成分をもって移動することができることを特徴とする請求項1に記載のチェア。
【請求項3】
前記フットレスト(6)が、鉛直下方に配向している運動成分をもって前記乗降位置から移動することができ、前記鉛直下方に配向している運動成分は、前記運行位置へと向かって、鉛直上方に配向している運動成分と統合されることを特徴とする請求項2に記載のチェア。
【請求項4】
前記位置決め機構(17、22)が前記チェア(3)上に配置され、作動装置がチェアリフトのターミナルの領域に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項5】
前記位置決め機構(17、22)が、前記安全バー(10)を開閉する機構におよび/または座面を旋回させるための機構に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項6】
前記座面が、前縁部(9)および後縁部(8)を有し、
前記フットレスト(6)が、前記運行位置において、前記座面の前記前縁部(9)の下の領域に配置されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項7】
前記フットレスト(6)が、前記乗降位置において、前記座面の下におよび/または前記座面の前記後縁部(8)の領域に配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項8】
前記フットレスト(6)が、前記乗降位置において、背もたれの背面(7)に配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項9】
前記フットレスト(6)が、少なくとも部分的に前記座席(5)の幅にわたって延びるクロスビームであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項10】
前記フットレスト(6)が、前記座席(5)の幅に略わたって延びるクロスビームであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項11】
前記フットレスト(6)が、枢動ロッド(14)を介して前記チェア(3)に接続されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項12】
前記枢動ロッド(14)がフレームに接続されていることを特徴とする請求項11に記載のチェア。
【請求項13】
前記フットレスト(6)のための少なくとも1つのテンションロッド(16)が、前記フットレスト(6)の少なくとも1つの部分(6a、6b)または前記枢動ロッド(14)に配置されており、
前記テンションロッド(16)の前記自由端(20)が、前記運行位置において、前記座面の前記前縁部(9)の領域で固定可能であることを特徴とする、請求項11または12に記載のチェア。
【請求項14】
前記テンションロッド(16)の自由端(20)が、前記運行位置において、隣接部に固定されることを特徴とする、請求項13に記載のチェア。
【請求項15】
前記テンションロッド(16)の自由端(20)が、前記運行位置において、その長手方向軸に沿って変位することができるピン(21)に、当接して固定されることを特徴とする、請求項14に記載のチェア。
【請求項16】
前記位置決め機構(17)が、前記枢動ロッド(14)と、前記フットレスト(6)の少なくとも1つの部分(6a、6b)と、前記テンションロッド(16)と、に接続されていることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項17】
前記位置決め機構(17、22)が、少なくとも1つのモータを有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項18】
前記位置決め機構(17、22)が、少なくとも1つの電気モータを有することを特徴とする、請求項17に記載のチェア。
【請求項19】
前記位置決め機構(17)が、少なくとも1つのケーブル(18)および/またはロッドの配列を有することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項20】
前記フットレスト(6)が前記運行位置から前記乗降位置へと移動されるときに張力をかけられるバネ荷重装置を特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項21】
前記フットレスト(6)が前記乗降位置から前記運行位置へと移動されるときに張力をかけられるバネ荷重装置を特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項22】
枢動機構(22)がトグルレバーを有し、
前記トグルレバーによって、前記チェア(3)または前記チェア(3)に固定的に接続されている部分にレバー(23)が取り付けられ、
他のレバー(24)が、前記フットレスト(6)または前記フットレスト(6)に接続されている部分に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のチェア。
【請求項23】
前記トグルレバー(23、24)がロック位置を有し、少なくとも1つのレバー(23、24)が前記ロック位置において少なくとも1つの方向にさらに枢動することができないことを特徴とする、請求項22に記載のチェア。
【請求項24】
座面を有する少なくとも1つの座席(5)を備えるチェア(3)が第1ターミナル(1)から他のターミナル(2)へと移動され、前記ターミナル(1、2)の領域において、安全バー(10)が開位置と閉位置との間で枢動される、チェアリフトの運転方法であって、
前記ターミナル(1、2)の領域内では、少なくとも1つのフットレスト(6)が、自動位置決め機構(17、22)によって、前記座席(5)の下で運行位置と乗降位置の間で配置されることを特徴とする方法。
【請求項25】
運行位置の前に、前記フットレスト(6)が、鉛直上方に配向している運動成分をもって移動されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
乗降位置の後に、前記フットレスト(6)が、鉛直下方に配向している運動成分をもって移動され、運行位置に向かって、鉛直上方に配向している運動成分と統合されることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記位置決め機構(17、22)が、前記チェアに配置されて、チェアリフトのターミナルの領域において作動装置によって作動および/または駆動されることを特徴とする、請求項24〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記位置決め機構(17、22)が、前記安全バーを開閉するための機構によって駆動されるか、前記座面を枢動させるための機構によって作動および/または駆動されることを特徴とする、請求24〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記フットレスト(6)は、前記運行位置のために前記座面の前縁部(9)の下の領域に配置され、
前記フットレストは、前記乗降位置のために前記座面の後縁部(8)の領域に配置されることを特徴とする、請求24〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記フットレスト(6)が、前記乗降位置のために前記座席(5)の下に配置されることを特徴とする、請求項24〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記フットレスト(6)が、前記乗降位置のために背もたれ(7)の背面に配置されることを特徴とする、請求項24〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記フットレスト(6)が前記運行位置から前記乗降位置へと移動されているとき、前記バネ荷重装置に張力がかけられ、続いて前記フットレスト(6)が前記乗降位置から前記運行位置へと前記バネ荷重装置によって移動されることを特徴とする、請求項24〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記フットレスト(6)が前記乗降位置から前記運行位置へと移動したときに、前記バネ荷重装置が張力をかけられ、続いて、前記フットレスト(6)が前記運行位置から前記乗降位置に前記バネ荷重装置によって移動されることを特徴とする、請求24〜32のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−81960(P2012−81960A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−226961(P2011−226961)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(500579431)インノヴァ・パテント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (31)