説明

フラッシュバック血液採集ニードル

ニードル組立体は、流体の入口端部、流体の出口端部、フラッシュバックチャンバー、及びそれらの間の通気機構を備える透明又は半透明のハウジングを含んでいる。ほぼ軸方向に整列された入口及び出口のカニューレがハウジングから延び、チャンバーに連通している。シール可能なスリーブが出口カニューレの外部端部を覆っている。カニューレ、チャンバー、及びスリーブの相対容積は、内部通気体が、内部を第1及び第2のチャンバーに分割するようにハウジング内に位置され、第2のチャンバーが、患者からの引き抜きの際にニードルのからの血液の漏れを抑制すべく、外部環境に対して負圧を維持するように適合されている状態で、静脈への進入を指示する迅速な信頼性のあるフラッシュバックをもたらすべく、選定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「フラッシュバック血液採集ニードル」の名称で2008年3月7日に出願された米国出願第12/044,354号の優先権を主張している。
【0002】
本発明は、患者に静脈穿刺を行うことにより血液サンプルを採集する装置に関する。より詳しくは、本発明は、患者から真空採血管へ血液サンプルを採集するときに、瀉血専門医が静脈への進入が生じたか否かを確定するのを可能にする、多重のサンプル血液採集用ニードル組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
静脈穿刺は、臨床試験のために血液サンプルを取得するのに用いられる一次の方法である。静脈穿刺を行う処置において、瀉血専門医はいくつかのステップに同時に従わねばならない。かかるステップは、静脈穿刺の部位及び技術を適切に選定するために、患者の総合的な身体的及び心理的な状態を評価することを含んでいる。瀉血専門医はまた、適切な、対応する機器を選定し、出血を制御する技術を実行し、そして試験のための流体試料を適切に採集及び識別しなければならない。かかる因子は静脈の膨張及び静脈穿刺処置の期間に悪影響を及ぼすかもしれないので、瀉血専門医はこれらの同時性の因子の全てを確認しなければならない。
【0004】
上述の問題に対処するために、様々な静脈穿刺装置が開発された。これらの装置は、静脈への進入がなされたのを確認するために、瀉血専門医を支援すべく意図された製品を含んでいる。例えば、特許文献1及び特許文献2参照。かかる装置は、内部にチャンバーを画成するハウジングを備えたニードル組立体を包含している。両端部で尖らされた単一のカニューレがハウジングに固着されている。カニューレの静脈内(IV)端部は、患者の静脈に穿通するよう適合されている。カニューレの非患者側端部は、シール可能なスリーブを有し、真空容器内に位置された貫通可能な栓を穿通するよう適合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,222,502号明細書
【特許文献2】米国特許第5,303,713号明細書
【発明の概要】
【0006】
カニューレの静脈内端部によって静脈へ進入すると、血液がカニューレを介してシール可能なスリーブ、及び可視化(「フラッシュバック」)のために透明又は半透明であるハウジングのチャンバーに流れる。フラッシュバックチャンバーから空気が一旦排気されると、真空容器の起動時にシール可能なスリーブがハウジングのチャンバーに向けて押されるごとに、内部の血液が加圧される。
【0007】
静脈への進入とフラッシュバックとの間の時間的長さのせいで、シースルーのチャンバーに静脈への進入の即時の指示がないことから、瀉血専門医は満足な静脈への進入が達成されていないと誤って信じるかもしれない。従って、瀉血専門医は、真空容器及び/又はニードル組立体自体の交換を必要とする、静脈穿刺処置を不必要に繰り返すかもしれない。かかる繰り返しの作業は、患者により我慢される身体的及び感情的な不快感を長引かせる。このような場合、瀉血専門医は、何らかの進入指示を提供する血液採集セットを用いてもよく、それで血液採集セットのコストのみならず、廃棄した管のコストを負担するであろう。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、血液が比較的短いニードルを介して直接にフラッシュバックチャンバーに流れるのを可能にし、これにより成功した静脈への進入の即時の指示をもたらす、改良された血液採集装置を提供することが望まれるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、臨床試験のために、少なくとも1つの流体サンプルを真空容器に採取するためのニードル組立体を提供する。ニードル組立体は、内部の通気機構でもって、静脈への進入の成功を確認するための使用者による可視化のために、血液がフラッシュバックチャンバーへ流れるのに十分なデッドスペースを備えた透明又は半透明なハウジングを提供している。
【0010】
1つの実施形態において、本発明は、ハウジング内部を画成するハウジング、ハウジングの第1の端部から延びる患者側穿刺先端及びハウジングの第2の端部から延びる非患者側穿刺先端を有するカニューレ、を備えるニードル組立体に関する。非患者側穿刺先端及び患者側穿刺先端は、ハウジング内部と外部環境との間の唯一の連通経路が患者側穿刺先端を経由してであるように、カニューレを介して互いに流体の連通がなされている。多孔質の通気体は、カニューレが第1のチャンバー と流体の連通をする状態でハウジング内部を第1のチャンバー 及び第2のチャンバーに分けるように、ハウジング内部に位置されている。多孔質の通気体は、第1のチャンバーから第2のチャンバーへの血液の通路のための孔を含んでいる。第1のチャンバー及び第2のチャンバーは、患者側ニードル先端の患者への挿入のとき、多孔質の通気体をシールすることなく、血液がカニューレを介して第1のチャンバーへ流れるように構成されている。真空容器が非患者側穿刺先端に適用されたとき、血液は第1のチャンバーから引き込まれ、及び空気は第2のチャンバーから引き込まれ、それによって、ニードル組立体の外部環境に関して、第2のチャンバー内に負圧を確立させる。その後、血液は、負圧が第2のチャンバー内に維持された状態で、第1のチャンバー内に及び多孔質の通気体を介して引き込まれる。
【0011】
1つの実施形態において、カニューレは患者側穿刺先端を備える第1の端部、及び非患者側穿刺先端を備える第2の端部を含み、第1の端部及び第2の端部の間の開口部が、カニューレとハウジングの第1のチャンバーの間の流体の連通を提供している。代替の実施形態では、カニューレが患者側穿刺先端を有している第1のカニューレを備え、ニードル組立体が非患者側穿刺先端を含んでいる第2のカニューレをさらに備え、第1のカニューレ及び第2のカニューレがほぼ軸方向に整列され、そしてハウジングの第1のチャンバーに流体の連通をする間隙によって分離されている。スリーブが非患者側穿刺先端の周りに延在してもよい。
【0012】
1つの実施形態において、第2のチャンバーは、第1の内部領域及び第2の内部領域のような、流体の連通をした複数の内部領域を含んでもよい。第2のチャンバーの第1及び第2の内部領域は、多孔質の通気体を介して互いに流体の連通をする。
【0013】
特定の実施形態においては、ハウジングの第1の端部が第1の直径を有する細長い長手方向の第1の部分を備え、及びハウジングの第2の端部が第1の部分の第1の直径より大きな第2の直径を有する第2の部分を備える。かかる実施形態では、第1の直径を有する第1の部分と第2の直径を有する第2の部分との間のハウジング内部に、多孔質の通気体が位置され得る。代わりに、多孔質の通気体は、第1の位置の第1の直径と第2の位置の第2の直径との間の推移部にわたる位置のハウジング内部に位置されてもよい。第2のチャンバーが、第1の内部領域及び第2の内部領域のような複数の内部領域を含む実施形態では、第1のチャンバーは、第2のチャンバーの第2の内部領域のような、内部領域の少なくとも1つが第1のチャンバーの周りに同心に延在する状態で、長手方向の第1の部分の一部に沿って延在してもよい。
【0014】
さらなる実施形態では、ニードル組立体からの血液の漏れを防止する方法が提供される。この方法は、ニードル組立体が、ハウジング内部を画成するニードルハウジング、ニードルハウジングの第1の端部から延びる患者側穿刺先端を有するカニューレ、ニードルハウジングの第2の端部から延びる非患者側穿刺先端、非患者側穿刺先端及び患者側穿刺先端がカニューレを介して互いに流体の連通をされており、及び、ハウジング内部に位置され、ハウジング内部を第1のチャンバー及び第2のチャンバーに分けている多孔質の通気体を含む状態で、患者側穿刺先端を通して、ニードル組立体の第1のチャンバー内に血液を受け入れることを含んでいる。カニューレは、ハウジング内部及び外部環境の間の唯一の連通経路が患者側穿刺先端を経由してであるように、第1のチャンバーと流体の連通をし、及び多孔質の通気体は、第1のチャンバーから第2のチャンバーへの血液の通路のための孔を含んでいる。非患者側穿刺先端と真空採集容器の間の流体の連通は、第1のチャンバー内に包含されている血液が真空採集容器に引き込まれ、及び空気が第2のチャンバーの外に多孔質の通気体を通して引き込まれるように確立される。そのようなものとして、負圧は、血液がカニューレを介して第1のチャンバーに流れ、多孔質の通気体に接触するように、ニードル組立体の外部環境に対して第2のチャンバー内に確立される。血液はその後、患者側穿刺先端を患者の脈管構造から取り外した後に、カニューレに包含されている血液が第2のチャンバー内に確立されている負圧に基づいて、患者側穿刺先端から変位されるように、多孔質の通気体の孔を介して第2のチャンバーに向って引かれる。
【0015】
加えて、さらなるステップは、患者側穿刺先端及びカニューレを介して第2の真空採集容器に血液を引き込む前に、非患者側穿刺先端と第2の真空採集容器の間の流体の連通を解除することに続く、非患者側穿刺先端と第2の真空採集容器の間の流体の連通を確立することを含んでいる。
【0016】
さらなる実施形態において、本発明は、患者側ニードル先端及び非患者側ニードル先端とフラッシュバック可視化チャンバーを有するハウジングとを有する血液採集組立体を用いて、患者から真空採血管へ血液サンプルを採集する方法に向けられている。当該方法は、ハウジングの内部を、フラッシュバック可視化チャンバーを形成する第1のチャンバーと第2のチャンバーとに分けるべく位置されている多孔質の通気体を有するハウジングを備え、第1のチャンバー及び第2のチャンバーは、空気が多孔質の通気体を介して第2のチャンバーから真空採血管内に血液サンプルと共に引き出され、それによって、第2のチャンバー内に負圧を確立させるように構成されている、ニードル組立体を用いることを含んでいる。該負圧は、患者側ニードル先端が患者から取り外された後に、第2のチャンバー内の負圧が患者側ニードル先端から第2のチャンバーに向けて血液を引き込み、それによって患者側ニードル先端から血液が漏れるのを防止するように、血液が第1のチャンバーに引き込まれ、多孔質の通気体に接触することを生じさせる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のニードル組立体の典型的な実施形態の断面図である。
【図2】第2の実施形態の断面図である。
【図3】第3の実施形態の断面図である。
【図4】第4の実施形態の断面図である。
【図5】図1のニードル組立体の使用前の概略図である。
【図6】図5と類似の概略図であるが、静脈進入の最初の兆候を示している。
【図7】第5の実施形態の概略図である。
【図8】さらなる実施形態において、フラッシュチャンバーを有するニードル組立体の斜視図である。
【図9】図8のフラッシュチャンバーを有するニードル組立体の後部斜視図である。
【図10】図8のフラッシュチャンバーを有するニードル組立体の分解図である。
【図11A】図8のフラッシュチャンバーを有するニードル組立体の断面図である。
【図11B】図11Aのニードル組立体の一部の拡大断面図である。
【図12A】さらなる実施形態において、血液採集組立体に関連して用いられるフラッシュチャンバーを有するニードル組立体の断面図である。
【図12B】図12Aのニードル組立体の一部の拡大断面図である。
【図13A】さらなる実施形態において、血液採集組立体に関連して用いられるフラッシュチャンバーを有するニードル組立体の断面図である。
【図13B】図13Aのニードル組立体の一部の拡大断面図である。
【図13C】図13Bのニードル組立体の一部の拡大断面図である。
【図14】シールド位置にあるニードルシールドを備え、血液採集ホルダーと組み合わせて示された図13Aのニードル組立体の斜視図である。
【図15】図14のニードル組立体の側面図である。
【図16】図15のニードル組立体の拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、患者から1つ以上の真空採血管への血液又は他の流体サンプルの採集時に、静脈への進入の可視の指示(「フラッシュバック」)を与え、且つ患者から取り外すときにIVカニューレからの血液又は流体サンプルの漏れを抑制する血液採集のためのニードル組立体を提供する。
【0019】
本発明の様々な実施形態が図1ないし7に示されている。図1を参照するに、この実施形態は、流体入口端部214、流体の出口端部216、及び両端部間に延在する錐台形状の外壁218を有するハウジング212を備えるニードル組立体210に向けられている。外壁218はハウジング内部220を画成している。ハウジング212は、ハウジング内部220で流体入口端部214から通気プラグ900まで、筒状の外壁218にほぼ同心に延びる筒状の内部壁224をさらに含んでいる。筒状の内部壁224及び通気プラグ900は、フラッシュバックチャンバー226を画成している。
【0020】
ニードル組立体210はまた、尖った斜面を形成している外部端部、及びハウジング212の流体入口端部214に固く取り付けられた内部端部244を有する流体入口のカニューレ236を含んでいる。流体入口のカニューレ236は、両端部間に延在し、及びハウジング212の内部に連通しているほぼ円形の内腔によってさらに特徴付けられている。
【0021】
ニードル組立体210は、流体出口のカニューレ252をさらに含んでいる。出口のカニューレ252は、鈍い内部端部254、尖った斜面を形成している外部端部、及び両端部間に延在するほぼ円形の内腔を含んでいる。出口のカニューレ252の両端部間の部分がハウジング212の出口端部216にしっかりと固定されている。出口のカニューレ252は、その内部端部254が内部壁224内にほぼ同心に通り、且つ出口のカニューレ252の内部端部254が入口のカニューレ236の内部端部244に軸方向にほぼ整列するように、取り付けられている。加えて、出口のカニューレ252の内部端部254は、入口のカニューレ236の内部端部244から小さな距離だけ離間されている。出口のカニューレ252の内部端部254と入口のカニューレ236の内部端部244との間の0.5mmより小さい軸方向の間隙は、一貫性のないフラッシュバックに帰するかもしれない。
【0022】
筒状の内部壁224は、組立体210を通る血液の所望の流れを達成し、且つ効果的なフラッシュバック指示を達成するように、出口のカニューレ252に対して寸法付けられている。詳しくは、筒状の内部壁224は、好ましくは、図1に寸法「c」で示されているように、出口のカニューレ252の周りに約0.2mmの半径方向間隙をもたらすべく寸法付けられている。この間隙は、フラッシュバックチャンバー226内でのほぼ直線状の血液の流れを達成させ、そして血液の血球破壊を防止する。加えて、筒状の内部壁224と出口のカニューレ252との間の小さな半径方向間隙は、血液の滴りが半径方向間隙を横切ってフラッシュバックチャンバー226内で薄く広がることを可能にし、極めて少量の血液でもって拡大されたフラッシュバック指示を提供する。かくて、入口のカニューレ236の内部端部244からの血液の最初の出現ですぐに、容易に可視化されたフラッシュバック指示が達成される。
【0023】
ニードル組立体210は、ハウジング212の流体の出口端部216に取り付けられ、シール可能なスリーブ261が偏倚されない状態のとき、出口のカニューレ252の外部端部258を覆うシール可能なスリーブ261をさらに含んでいる。しかしながら、シール可能なスリーブ261は、シール可能なスリーブ261及び減圧された管のストッパーの両者を介して出口のカニューレ252の外部端部260を付勢するために、減圧された管のストッパーにより及ぼされた圧力に応えて、当該技術分野で知られているように、折り畳まれ得る。
【0024】
上記実施形態は、通気プラグに関して述べられている。しかしながら、如何なる通気機構でも適切である。通気機構は、例えば、水性、すなわち、含水物質に接触すると膨らむ親水性材料で覆われた、含浸された、又はそれを包含している、典型的には疎水性の、マトリックス又は担体材料から形成された多孔質の通気プラグであってもよい。疎水性の担体材料は、限定はされないが、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン、ナイロン6、ポリプロピレン、ポリ弗化ビニリデン及びポリエーテルスルホンであってもよい。親水性材料の膨潤性は、それににより、血液に接触するときの通気部におけるシール機能をもたらす。例えば、通気孔を塞ぐ、凝固及び/又は細胞凝集による生物学的現象、、水性の流体に接触すると膨らむことにより通気孔をシールする高吸収性材料、又は一方向弁(例えば、通気孔を覆うプラスチックフィルムのような薄いフラップ、ゴム又はプラスチックのダックビル(かものはし)弁のような変形可能なシール、又は通気孔上の変形可能なラップ)を用いて、血液に接触するとシールするようになる多孔質の通気プラグを使用することもまた可能である。これらの様々な機構の組み合わせもまた可能であることに留意すべきである。
【0025】
図2ないし4は、異なる通気プラグを備えた実施形態を示す。図2は、筒状の内部壁224aの端部に位置され、ハウジング内部の非患者側壁300の凹所301に組み込まれている通気プラグ900aを示している。図3は、図2の通気プラグと同様の位置の通気プラグを示すが、しかしながら、通気プラグ900bが肩部901bを有している。図4は、筒状の内部壁224cとハウジング内部の非患者側壁300の凹所301との両者内に位置され、肩部901cを有している通気プラグ900cを示している。これらの実施形態の各々における通気プラグの配置は、空気が通気機構(900a、900b900c)を通らずに、フラッシュバックチャンバー226を出てハウジング内部220に流れることがないようにされている。
【0026】
図5及び6は、ニードル組立体210がホルダー(不図示)に連結され、静脈へ進入させるべく患者の皮膚を穿刺する通常の静脈穿刺の前及び後での、図1のニードル組立体210の概略的描写を提供する。静脈へ進入すると、血液がIVカニューレ236に入り、そしてフラッシュバックチャンバー226に向って流れる。血液は、血液が出口のカニューレ252及びフラッシュバックチャンバー226の両者へと流れるように、入口のカニューレ236から入口及び出口のカニューレの間の空間内に流れる。この時点では、フラッシュバックチャンバー226が成功した静脈への進入を指示し、図6に示されたハウジング212内に存する空気の容積を減らしている。IVカニューレの内腔248、フラッシュバックチャンバー226、ハウジング内部220、及び非患者側カニューレ262の内腔で、静脈への進入の前に大気圧であった空気は、かくて、静脈圧の影響の故に圧縮を経験する。従って、この空気は、図6に示されているIVカニューレ236を介してフラッシュバックチャンバー226へ、且つ通気プラグを介してチャンバー220へと押し込まれる。ハウジング内部220への血液の流れは、加圧された空気が通過して流れるのを許容するが、血液に接触すると、実質的にシールするか時には完全にシールする通気プラグ900によって阻止され、それによって、(静脈圧に)圧縮された空気をハウジング内部220に捕捉する。ニードル組立体の全体での血液の流れは、チャンバー226内の圧力と静脈圧とが一旦等しくなると停止する。
【0027】
一旦、前段落で述べたステップが起こり、静脈進入が瀉血専門医によって視覚的に確認されると、そこで、当該技術分野で知られているように、第2のカニューレ252の外部端部260が容器のストッパーを突き通るように、真空容器(不図示)がホルダーに挿入される。第2のカニューレ252によってストッパーが穿通されると、負圧の勾配がチャンバー226に伝えられ、チャンバー226から容器への血液の流れが生ずる。
【0028】
上述のニードル組立体は、望ましくは、好都合な使用の為に小さくあるべきであるが、信頼性があり早いフラッシュバックを保証すべく構成されねばならない。上で説明され図示されたニードル組立体におけるフラッシュバックの発生は、理想気体の法則に従って作用している。詳しくは、極めて低い密度では、全ての気体及び蒸気は理想気体挙動に近似し、下式で与えられる「ボイル・シャルルの法則」に従う。
11 = P22
ここで、
1は、ニードル挿入前のニードル組立体内の空気の圧力であり、
2は、静脈への進入後のニードル組立体内の空気の圧力であり、
1は、静脈への進入前のニードル組立体内の空気の容積であり、そして
2は、静脈への進入後のニードル組立体内の空気の容積である。
【0029】
設計パラメーターは、上式により規定された適切な容積を保証しつつ、容易な使用のために、ニードル装置を可能な限り小さく保つべきである。図5及び6は、理想気体の法則の適用を表現するために、図1のニードル組立体210の概略的描写を提供している。この関連で、Aは、入口のカニューレ236を通る内腔248の容積を特定している。Bは、ハウジング内部220、フラッシュバックチャンバー226、出口のカニューレ252を通る内腔242の容積、及びシール可能なスリーブ261の合計の容積を意味している。上式を再度参照するに、P1は、使用前のニードル組立体210内の圧力であり、従って、ほぼ大気圧に等しい。大気圧は、時々に且つ場所ごとに僅かに変わる。しかしながら、この分析の目的のために、大気圧P1は760mm Hgと仮定する。上式におけるV2は、静脈への進入の後のニードル組立体210内のデッドスペースの容積である。より詳しくは、静脈への進入の後、血液が入口のカニューレ236の内腔248を満たすであろうし、それによってニードル組立体210の残りの部分で気体によって占められる容積を減らし、従って、ニードル組立体210の残りの部分における空気の圧力を増大させる。概ね図1に示されているような寸法を備えるニードル組立体は、静脈圧で約790mm Hgの圧力P2を有する(止血帯による)。上式におけるV1は、使用前のニードル組立体210での全デッドスペースの容積を規定し、従って、図5に示されているA + Bに等しい。V2は、入口のカニューレ236の内腔248が血液で満たされている状態の静脈への進入後の装置内のデッドスペースを規定する。従って、上式のV2はBに等しい。これらの入力パラメーターが、ニードル組立体200のそれぞれの構成部品について最小の望ましい大きさを定めるために、下記の理想気体の法則式の適用に示されるように、用いられてもよい。
11 = P22
1/P2 = V2/ V1
760/790 = B/(A+B)
0.962 = B/(A+B)
0.962(A+B) = B
0.038B = 0.962A
B=25.3A
【0030】
従って、ハウジング212、出口のカニューレ252、及びスリーブ261内のデッドスペースは、有利には、入口のカニューレ236を通る内腔248によって規定される容積の少なくとも25.3倍であり、最も有利には、内腔248の容積の約26倍である。しかしながら、他の構成も可能であり、ここに述べられるように機能する。
【0031】
減圧された管が出口のカニューレ252に連通して置かれたときの即時の反応は、静脈から管(不図示)内へ血液を引き込むことである。最大の圧力勾配が常に静脈と減圧された管との間に維持される。従って、軸方向に整列された入口のカニューレ236と出口のカニューレ252とが、静脈から減圧された管への血液の流れのための障害のない経路をもたらしている。
【0032】
必要な管が血液で満たされたとき、ニードル組立体は静脈から取り外される。通気プラグ900のシール性は、IVカニューレ先端からの血液の滴りを促進するであろう、ハウジング内部220内の加圧された空気がフラッシュバックチャンバー226、及び入口のカニューレ236内に移動するのを抑制する。
【0033】
上述の実施形態は、互いに軸方向に整列され、そして互いに端部対端部の関係で置かれた、構造的に別々の入口及び出口のカニューレを示している。しかしながら、上述の本発明の原理は、フラッシュバックチャンバー内で横スロットすなわち開口が形成されている単一のカニューレによっても達成される。例えば、図7は、上に説明され図示されたハウジング212とほぼ同一であるハウジング312を備えたニードル組立体310を概略的に示している。ニードル組立体310は、単一の両端ニードルカニューレ336が設けられて、ハウジング312全体を貫通している点において、ニードル組立体210と異なっている。より詳しくは、ニードルカニューレ336は、静脈進入端部338、非患者側端部340、及びそれらの間に延在する内腔342を含んでいる。内壁324内のカニューレ336の部分は、内腔342と内壁324内のフラッシュバックチャンバー336との間の連通をもたらすスロットすなわち開口344を含んでいる。ニードル組立体310は、上に説明され図示されたニードル組立体210とほぼ同じく機能する。
【0034】
図8ないし11は、本発明のさらなる実施形態におけるニードル組立体を示している。図1ないし7に関して説明されたニードル組立体のある実施形態では、ハウジング内部がハウジング内部220/320からフラッシュバックチャンバー226/326をシールする通気プラグ900を含んでいる。かかる前述の実施形態では、通気プラグは、フラッシュバックチャンバーへ血液が流れるときにシールし、それによって、(初期のフラッシュ手順中にフラッシュバックチャンバー226/326からハウジングチャンバー220/320への空気の移動のように)ハウジングチャンバー220/320内に蓄積し得る加圧空気が入口カニューレに向って逆方向に移動することを抑制するように、述べられている。図8ないし11の実施形態では、多孔質の通気体がハウジング内に配置され、当該通気体が、ハウジングを所定の容積を確立するための大きさ(サイズ)及び寸法を有する2つのチャンバーに分割するようにしている。さらに、多孔質の通気体は血液に対し多孔質のまま残り、血液に接触してもシールしない。望ましくは、多孔質の通気体は初期のフラッシュ指示では血液に接触せず、かかる接触は、以下により詳しく説明されるように、組立体の使用中の後の時点で生ずる。
【0035】
例えば、図8ないし11は、上の図1ないし6に関連して述べられたのと類似のニードル組立体410を示している。図8ないし11に示されているように、ニードル組立体410は、流体の入口端部すなわち第1の端部414、及び流体の出口端部すなわち第2の端部416を有するハウジング412を含む。ニードル組立体410は、ハウジング内部を画成する外壁418を含む。外壁418は、第1の端部414において概ね長手方向に延び、第1の直径を有する細長の長手方向第1の部分419を形成している。第2の端部416において、外壁418は、第1の部分419の第1の直径よりも一般に大きな第2の直径を有する第2の部分421を形成している。その結果、ハウジング412は概ねT形断面を有する構造体を形成し得る。第2の端部416における外壁418は、ハウジング412を形成する本体部分430に取り付け可能な別のエレメント428であって、それによってニードル組立体410の製造及び組み立てを支援してもよい。第1の部分419及び第2の部分421は、ここに述べられるように、両者間の空気の移送機能が可能である限り、互いに対し種々の配列法で配列され得る。
【0036】
ニードル組立体410は、ハウジング412の第1の端部414から延びる流体の入口カニューレ436をさらに含んでいる。流体の入口カニューレ436は、患者側穿刺先端438に尖った斜面のような第1の穿刺先端を規定する外部端部を含み、そして開口端部429でハウジング412の第1の端部414内に延び、そこに固定して取り付けられ得る。流体の入口カニューレ436は、両端部間に延在し、そしてハウジング412の内部と連通しているほぼ円形の内腔によってさらに特徴付けられている。
【0037】
ニードル組立体410はまた、ハウジング412の第2の端部416から延びている非患者側穿刺先端462のような第2の穿刺先端を含んでいる。これは、図10から分かるように、流体の出口カニューレ452の形態の第2のカニューレを備えるニードル組立体410をもたらすことにより達成されよう。詳しくは、流体の出口カニューレ452の端部が非患者側穿刺先端462を形成する尖った斜面を規定する。流体の出口カニューレ452は、ハウジング412の第2の端部416内に延び、そこに固定的に取り付けられ得る。流体の出口カニューレ452は、ハウジング412の内部に連通しているほぼ円形の内腔によってさらに特徴付けられている。出口カニューレ452は、内部端部464がほぼ同心に通るべくハウジング412内に取り付けられ、出口カニューレ452が入口カニューレ436の内部端部と軸方向にほぼ整列するようにされている。望ましくは、これは、出口カニューレ452の内部端部464が入口カニューレ436の内部端部439の近くの位置までハウジング412内を延びるように、出口カニューレ452をハウジング412の第2の端部416の近くの位置に取り付けることにより達成される。図11Bから分かるように、出口カニューレ452の内部端部464は、入口カニューレ436の内部端部439から小さな距離だけ離間されており、それによって出口カニューレ452の周りのフラッシュバックチャンバー426への血液の流れのために、間に軸方向の間隙を形成している。軸方向の間隙を形成している、出口カニューレ452の内部端部464と入口カニューレ436の内部端部439との間の距離は、静脈穿刺後の患者の血液圧力に基づいて、フラッシュバックチャンバー426への血液の流れをもたらすに十分である。ある実施形態では、0.5mmより小さい軸方向の間隙は一貫性のないフラッシュバックに帰するかもしれない。
【0038】
図11Bから分かるように、流体の入口カニューレ436と流体の出口カニューレ452は、組立体410を通る血液の所望の流れと効果的なフラッシュバック指示との両者を達成するように、ハウジング412内に位置され且つ寸法付けられている。詳しくは、ハウジング412の壁418は、出口カニューレ452の周りでその内部端部464を囲む領域に約0.2mmの半径方向間隙をもたらすべく、寸法付けられている。この間隙は、フラッシュバックチャンバー426内でのほぼ直線状の血液の流れを達成し、そして血液の血球破壊を防止する。加えて、壁418の内表面と出口カニューレ452との間で内部端部464を囲む領域での小さな半径方向間隙は、血液の滴りがフラッシュバックチャンバー426内で半径方向間隙を横切って薄く広がるのを可能にし、極めて少量の血液でもって、拡大されたフラッシュバック指示を提供する。かくて、フラッシュバックチャンバー426内での血液の最初の出現ですぐに、容易に可視化されたフラッシュバック指示が達成される。出口カニューレ452の内部端部464は、フラッシュバックチャンバー426への血液の流れが内部端部464の周りで達成される限り、ハウジング412内に部分的に支持され得ることが意図されている。
【0039】
代替の配列では、図7に関連して述べた実施形態と同様に、単一のカニューレが設けられている。かかる配列は、図12A及び12Bの実施形態(ここでより詳細に説明される血液採集組立体に関連して示されている)に描かれている。かかる配列において、流体の入口カニューレ及び流体の出口カニューレは、患者側穿刺先端438、非患者側穿刺先端462、及び両者間に延在する内腔442を有する単一のカニューレ470を表わし、そして、カニューレ470の本体はハウジング412の一部に固定して取り付けられ、ハウジング412を全体的に貫通している。ハウジング412を通って延在しているカニューレ470の一部は、内腔442とハウジング412内のフラッシュバックチャンバー436との間の連通をもたらすために、スロットすなわち開口部444のような1つ以上の開口を含んでいる。フラッシュバックチャンバー436への血液の流れのためには、かかる開口はいくつ含まれてもよいことが熟慮されているが、図12A及び12Bに見られる実施形態では、カニューレ470の両側に2つの別々の開口部が示されている。
【0040】
図8ないし11の実施形態に戻ると、ニードル組立体410はハウジング412の流体の出口端部416に取り付けられたシール可能なスリーブ461をさらに含んでいる。これは、エレメント428のようなハウジング412の第2の端部416に取付け用突出部429を設け、シール可能なスリーブ461を該突出部429に摩擦嵌合されるか取り付けられる、エラストマーのエレメントとすることによって達成される。シール可能なスリーブ461は、シール可能なスリーブ461が偏倚されない状態にあるとき、出口カニューレ452の外部端部の非患者側穿刺先端462を覆う。しかしながら、シール可能なスリーブ461は、当該技術分野で知られているように、シール可能なスリーブ461と減圧された管のストッパーとにより出口カニューレ452の外部端部460を付勢するために、減圧された管のストッパーによって及ぼされる圧力に応えて、折り畳まれる。
【0041】
図8ないし11の実施形態は、ハウジング412の内部に位置された多孔質の通気体910をさらに含んでいる。多孔質の通気体910は、ハウジング412を2つの異なるチャンバー、すなわち、フラッシュバックチャンバー426で表わされる第1のチャンバー、及び二次的チャンバー427で表わされる第2のチャンバーに分割すべく、ハウジング412内に位置されている。多孔質の通気体910は、接触時に膨らむ親水性材料を備えないが、通気プラグ900に関して上述した適切な材料から構成されてもよい。このようにして、多孔質の通気体910は、それを介して空気を通気すべく適合され、そして、この技術分野で知られているように、通気プラグが親水性材料を含む状態で血液に接触するときの流体の流れをシールすることなく、血液の通過を可能にする複数の孔を含む多孔質構造を示している。ここでより詳細に論ぜられるように、ニードル組立体410の使用中、多孔質の通気体910内の内部孔は、二次的チャンバー427内に確立されている負圧のせいで、少なくとも部分的に血液で満たされる。二次的チャンバー427内の負圧と組み合わされたかかる充満された孔は、二次的チャンバー427とフラッシュバックチャンバー426との間の空気の流れを防止し、さらに詳細に説明されるように、多孔質の通気体910を通る血液の流れの流体抵抗を提供する。
【0042】
望ましくは、多孔質の通気体910は、ハウジング412の内部で第1の部分419及び第2の部分421の間に位置される。このように、ハウジング412の第1の部分419は、原則的にフラッシュバックチャンバー426を画成し、ハウジング412の第2の部分421は原則的に二次的チャンバー427を画成している。代わりに、多孔質の通気体910は、ハウジング412の内部で、第1の部分419の第1の直径と第2の部分421の第2の直径との間の推移部にわたる位置に位置されてもよい。いずれにしても、多孔質の通気体910は、カニューレ、特に、流体の出口カニューレ452の一部を軸方向に包囲する中心開口を備える概ね円筒形の部材である。
【0043】
ハウジング412の内部容積は、フラッシュバックチャンバー426と二次的チャンバー427との容積のみならず、多孔質の通気体910の孔により表される容積の合計によって定められる。かかる内部容積は、ニードル組立体410にある特性、詳しくは、二次的チャンバー427の能力に関して、使用時に、ニードル組立体410へ減圧された管が適用されると、内部に負圧を確立させるべく、その内部の空気の一部が少なくとも部分的に排出される特性を提供するように構成されている。二次的チャンバー427内のかかる負圧は、血液が多孔質の通気体910に接触し、その孔を部分的に満たすときに基づいて、多孔質の通気体910の孔を通して血液を引き込む。本発明の特定の実施形態では、ハウジング412の総合的な内部容積は約300mm3から約400mm3である。かかる容積は、この技術分野で知られているように、静脈穿刺のための通常の規格(ゲージ)を有しているニードルカニューレを用いて、患者から血液サンプルを引き込む通常の静脈穿刺についてのニードル組立体410の意図された使用に対して特に有益である。かかる容積はまた、初期の静脈穿刺の際に内部容積空間内にかなりの量の正圧の蓄積を防止するのにハウジング412の内部容積が十分であるという点で、比較的低血圧を有する患者について、ニードル組立体を特に有益にすることができる。
【0044】
多孔質の通気体910は、下記の容積を有するようなフラッシュバックチャンバー426を画成すべくハウジング内部に望ましくは位置されており、その容積は、二次的チャンバー427の容積及び多孔質の通気体910内の孔の容積を含む、ハウジング412の全総合的容積の約5パーセントから約20パーセント、望ましくは、ハウジング412の全総合的容積の約7パーセントから約12パーセントを示す。このようにして、多孔質の通気体910の内部孔及び二次的チャンバー427の容積を含み、多孔質の通気体910とフラッシュバックチャンバー426との間の界面より下流に位置されている内部容積によって規定される、ハウジング412の残りの内部容積は、ハウジング412の内部容積のかなりの部分を表わしている。ハウジング412の全総合的容積に対するフラッシュバックチャンバー426のかかる比率は、血液をフラッシュバックチャンバー426内に強いる静脈圧によって起こされる二次的チャンバー427内での初期の圧力蓄積に基づいて、望ましくは、初期の静脈穿刺において、血液が多孔質の通気体910に完全に接触するのを防止しつつ、フラッシュバックチャンバー426が初期のフラッシュを適切に可視化するのに十分な容積を有することを保証している。かかる容積比率は、ここにさらに詳細に説明されるような意図された使用のためには効果的であり、そこで、初期の静脈穿刺時に、フラッシュバックチャンバー426へ流れる血液は、多孔質の通気体910に完全には接触せず、及び望ましくは、多孔質の通気体910に接触せず、及び空気の少なくとも一部が、ニードル組立体410への真空採血管の適用に基づいて、二次的チャンバー427から引き込まれる。このようにして、二次的チャンバー427は、患者側穿刺先端438が患者から取り外され、そして外部環境にさらされたとき、多孔質の通気体910の孔へ、及びそれを介するようにして、フラッシュバックチャンバー426内から、及び流体の入口カニューレ426内から二次的チャンバー427に向けて、血液を効果的に引き込むことができる。1つの特有な実施形態において、ハウジング412の全内部容積は約380mm3であり、フラッシュバックチャンバー426が約30mm3の容積を有し、二次的チャンバー427が約300mm3の容積を有し、及び多孔質の通気体910の孔が約50mm3の容積を示している。
【0045】
ニードル組立体410は以下のようにして組立てられる。流体の入口カニューレ436は、開いた内部端部439がハウジング412の内部の第1の部分419に位置され、そして患者側穿刺先端438が第1の端部414から外方に延びるように、ハウジング412の第1の端部414を通して位置される。流体の出口カニューレ452は、開いた内部端部464がハウジング412の内部の第1の部分419で流体の入口カニューレ436の内部端部439の近くに、両者間に僅かな間隙を備え、そして非患者側穿刺先端が第2の端部416から外方に延びる状態で位置されるように、反対側の端部を通ってハウジング412内に位置される。流体の入口カニューレ436及び流体の出口カニューレ452は、望ましくは、医療グレードの接着剤を介して、公知の方法によって取り付けられ得る。
【0046】
単一のカニューレ470のみを含む代替の実施形態において、かかるカニューレ470は、患者側穿刺先端438が第1の端部414から外方に延び、そして非患者側穿刺先端462が第2の端部416から外方に延びる状態で、開口472がハウジング412の内部の第1の部分419に位置されるように、ハウジング412内に取り付けられる。
【0047】
そこで、多孔質の通気体910がハウジング412内に挿入され、そして流体の出口カニューレ454上(又は単一のカニューレ470上)に位置され、その後、エレメント428が第2の端部416に取り付けられ、ハウジング412の内部を囲う。そこで、シール可能なスリーブ461が突出部429に取り付けられる。このようにして、ハウジング412の内部と外部環境の間の流体の連通のための唯一の経路が患者側穿刺先端438を通してもたらされる状態で、ハウジング412の内部が外部環境から閉鎖される。
【0048】
このようにして組み立てられたニードル組立体410は、図12に示されている実施形態に描かれているように、採血管ホルダー800と関連して用いられる。かかる組立体は、採血管ホルダー800の後部の開いた端部を通して完成され、ニードル組立体410の全体が入口カニューレ436の少なくとも患者側穿刺先端438及び少なくとも一部が採血管ホルダー800の前端部を通って延出する部分まで挿入される。ニードル組立体410の第2の部分421が第1の部分419より半径方向に大きい実施形態において、かかる挿入及び配列は、フラッシュバックチャンバー426が採血管ホルダー800の前端部から延出した状態で、二次的チャンバー427が採血管ホルダー800内の内部空間内に完全に包含されることを可能にする。
【0049】
使用時には、ニードル組立体410が採血管ホルダー800に取り付けられて提供されてもよい。患者側穿刺先端438は患者の皮膚を通して患者の脈管構造、望ましくは、静脈へ挿入される。静脈穿刺時には、ハウジング412は全体的に閉鎖構造であり、そしてシール可能なスリーブ461がハウジング412の唯一の出口(すなわち、流体の出口カニューレ452)を閉鎖しているので、ハウジング412内に閉環境が達成される。患者の血圧が、患者側穿刺先端438を通って流体の入口カニューレ436へ、及び内部端部439(又は、図12の実施形態では開口472)から出口カニューレ452の内部端部464を囲っているフラッシュバックチャンバー426への血液の流れを生じさせる。ハウジング412の透明又は半透明性がフラッシュバックチャンバー426内の血液の可視化を可能にし、静脈穿刺が達成されていることの指示を提供する。
【0050】
ハウジング412の内部は閉環境であるので、血液のフラッシュバックチャンバー426への流れは、フラッシュバックチャンバー426、多孔質の通気体910及び二次的チャンバー427内に加えて、流体の出口カニューレ452内を含むハウジング内部内に、空気が捕捉されるのを生じさせ、かかる捕捉された空気がそこで僅かに加圧されるのを生じさせる。フラッシュバックチャンバー426及び二次的チャンバー427は、それらの容積は、この初期の静脈穿刺時に、血液がフラッシュバックチャンバー426に流れるのを許すが、多孔質の通気体910の孔内、及び二次的チャンバー427内の空気圧力の蓄積が、血液の多孔質の通気体910への完全な接触を防止し、及び望ましくは、初期の静脈穿刺時に、血液が多孔質の通気体910に部分的にさえ接触するのを防止するように、それらの大きさ及び寸法でもって構成されている。
【0051】
かかる初期の静脈穿刺及びフラッシュの可視化の後に、内部に負圧を有する、真空採血管(不図示)のようなサンプル採集容器が、この技術分野で一般に知られているように、管ホルダー800内に挿入される。かかる真空容器のストッパー(不図示)は、シール可能なスリーブ461に接触して動かし、非患者側穿刺先端462がシール可能なスリーブ461及び真空容器のストッパーを通って穿刺するのを生じさせる。この時点で、非患者側穿刺先端462と真空採集容器の内部との間に流体の連通が確立される。真空採集容器内の負圧がフラッシュバックチャンバー426内に採集された血液を、流体の出口カニューレ452、及び真空採集容器内に引き込む。フラッシュバックチャンバー426内の血液とともに、真空採集容器内の負圧は、フラッシュバックチャンバー426から、及び多孔質の通気体910の孔を介して二次的チャンバー427から、空気の少なくとも一部を真空採集容器に向けて及びその中に引き込む。加えて、流体の出口カニューレ452及び流体の入口カニューレ426の近い接近及び配列は、かかる空気がフラッシュバックチャンバー426及び二次的チャンバー427から引き込まれるのと同時に、血液が流体の入口カニューレ436及び患者から引き込まれるのを生じさせる。
【0052】
かかる空気の引き込みは、フラッシュバックチャンバー426及び二次的チャンバー427内の圧力を減らし、患者の血流に関して及び外部環境に関して負圧を確立させる。ハウジング412の内部、及び特にフラッシュバックチャンバー426及び二次的チャンバー427内にに確立されたこの負圧は、血液が多孔質の通気体910に接触している状態で、流体の入口カニューレ436内及び患者からフラッシュバックチャンバー426へ追加の血液を引き込む。かかる血液がフラッシュバックチャンバー426を満たすと、血液はフラッシュバックチャンバー426内に延びている多孔質の通気体910の表面に完全に接触し、そして多孔質の通気体910の孔に充満し始める。多孔質の通気体910とフラッシュバックチャンバー426との界面に直接に存する、多孔質の通気体910の孔へのかかる充満は、多孔質の通気体を通る空気の流れを遮断するが、しかし、血液が多孔質の通気体の材料を膨らませ、すなわち、空気の流れを遮断することを生じさせずに、代わりに、多孔質の通気体内の空洞を単に物理的に満たしているという点で、シールのようには完全に作用しない。さらに、二次的チャンバー427内の空気の一部が二次的チャンバー427から引き出されているので、二次的チャンバー427は外部環境に対して負圧を持って閉じられたチャンバーを意味している。二次的チャンバー427の容積はハウジング412の総合的内部容積のかなりの部分を示しているので、多孔質の通気体910とフラッシュバックチャンバー426との界面で充満されている孔の下流のハウジング412のかなりの部分は、内部容積の残りの部分に関して負圧のまま残る。従って、二次的チャンバー427は、多孔質の通気体910の孔内及びフラッシュバックチャンバー426内の血液に対して、血液で満たされているフラッシュバックチャンバー426の界面において、多孔質の通気体910の孔のせいで二次的チャンバー427から反対方向に空気を解放することなく、それにより、充満された孔のせいで、多孔質の通気体910を通る空気の流れを効果的に防止して、多孔質の通気体910の孔を介しての二次的チャンバー427に向けての引き込み効果を持ち続ける。二次的チャンバー427内の負圧により作り出された引き込みは、多孔質の通気体910の孔を満たしている血液に基づく、及び多孔質の通気体910の孔により作り出された蛇行性経路に基づく流体抵抗を有す故に、減速された流体の移動を伴う緩やかな引き込みである。
【0053】
この時点で、真空採集容器及び二次的チャンバー427は共に、外部環境に関して(及び患者の血流に関して)負圧であり、従って、両者は流体の入口カニューレ436から引き込み作用する。この互いの引き込み作用は、フラッシュバックチャンバー426内に包含されている血液が、多孔質の通気体910の孔を介しての二次的チャンバー427又は流体の入口カニューレ436を介しての真空採集容器のいずれに向けても引き込まれないが、しかし、代わりに、フラッシュバックチャンバー426内に定常状態で原則的に残るように、フラッシュバックチャンバー426内に平衡を原則的に確立させる。真空採集容器の負圧は、流体の出口カニューレ452及び流体の入口カニューレ426の近い接近及び配列のせいに加えて、フラッシュバックチャンバー426内に確立された平衡(真空採集容器及び減圧された二次的チャンバー427の間の逆方向の引き込み力に基づく)のせいで、流体の入口カニューレ436を介して患者から直接に血液を引き込む。真空採集容器への継続的な血液の引き込みは、緩やかに採集容器内の圧力の上昇を生じさせる。
【0054】
一旦、真空採集容器が所望の量の血液で満たされると、容器は非患者側穿刺先端462から取り外され、それによって、シール可能なスリーブ461が非患者側穿刺先端462を覆って閉鎖した状態で、非患者側穿刺先端462及び真空採集容器の間の流体の連通を解除する。真空採集管の負圧によるかかる引き込みがないときは、二次的チャンバー427内の負圧が、血液多孔質の通気体910の孔を介してフラッシュバックチャンバー426内の血液に対し僅かに引き込み作用する。しかしながら、かかる引き込みは、多孔質の通気体910の孔を通る血液の流れの蛇行性経路のせいで、遅く且つ緩やかである。
【0055】
第2の真空採集容器をホルダー800内に置き、上述のように、ストッパーを穿刺して非患者側穿刺先端462と真空採集容器の内部の間の流体の連通を確立することにより、追加の真空採集容器がその後管ホルダー800に挿入され、非患者側穿刺先端462を介しての上述のサンプル採集のために用いられる得る。かかるさらなるサンプル採集では、真空採集容器及び二次的チャンバー427は両者共に負圧であり、従って、両者は流体の入口カニューレから引き込み作用する。前述のように、この作用は、フラッシュバックチャンバー426内の平衡を原則的に確立させ、それによって、フラッシュバックチャンバー426内に包含されている血液が(多孔質の通気体910を介して)二次的チャンバー427に向けて引き込まれるのを防止している。真空採集容器の負圧は、上述のように、流体の出口カニューレ452及び流体の入口カニューレ426の近い接近及び配列のせいで、流体の入口カニューレ436を介して患者から血液を直接に引き込む。一旦、かかる追加の真空採集容器が所望の量の血液で満たされると、容器は非患者側穿刺先端462から取り外され、それによって、シール可能なスリーブ461が非患者側穿刺先端462を覆って且つ閉鎖する状態で、非患者側穿刺先端462及び真空採集容器の間の流体の連通を解除する。
【0056】
一旦、このようにして、所望の血液サンプルの全てが引き込まれると、患者側穿刺先端438が患者の脈管構造から(すなわち、血流から)取り外され、それによって、患者側穿刺先端438の開口を外部環境にさらす。ハウジング内部及び外部環境の間の唯一の連通経路は患者側穿刺先端438を介してであるから、外部環境に対して二次的チャンバー427内に確立されている負圧が、フラッシュバックチャンバー426内に及び流体の入口カニューレ436内に包含されている血液に対し、多孔質の通気体910に向けて及びそれを介して緩やかに引き込み作用する。かかる引き込み作用は、流体の入口カニューレ436内に包含されている血液を患者側穿刺先端438から二次的チャンバー427に向けて移動させ、それによって、流体の入口カニューレ436の患者側穿刺先端438から血液が漏れるのを防止する。かかる二次的チャンバー427内の負圧は、患者側穿刺先端438の患者からの取り外しの後の延長された期間に亘り、多孔質の通気体910を介して緩やかな引き込み作用を有し続けることができ、流体の入口カニューレ436及びフラッシュバックチャンバー426内に包含されている残りの血液を、多孔質の通気体910を介して及び/又は二次的チャンバー427内に引き込み得る。その後、ニードル組立体410は既知の方法で適切に処分され得る。
【0057】
図13A、13B、及び13Cは、ニードル組立体のさらなる実施形態を示している。図13Aないし13Cに示されているニードル組立体は、二次的チャンバーが、二次的チャンバーの内部容積を定めるのに、互いに流体の連通、望ましくは、気体を通気する流体の連通をしている複数の内部領域をさらに備えてはいるが、図8ないし11に関連して上に述べられた実施形態に類似している。
【0058】
詳しくは、図13Aに描かれるように、ニードル組立体510は、流体の入口端部すなわち第1の端部514及び流体の出口端部すなわち第2の端部516を有するハウジング512を含んでいる。ニードル組立体510はさらに、ハウジング512の第1の端部514から延びている流体の入口カニューレ536を含む。流体の入口カニューレ536は、患者側穿刺先端538における尖った斜面のような第1の穿刺先端を規定する外部端部とハウジング512の第1の端部514内に延びる内部開口端部539との間に延在し、そこに固定されて取り付けられてもよい。流体の入口カニューレ536は、両端間に延在しハウジング512の内部に連通しているほぼ円形の内腔によってさらに特徴付けられている。
【0059】
ニードル組立体510はまた、例えば、流体の出口カニューレ552の形態の第2のカニューレによるように、ハウジング512の第2の端部516から延びている非患者側穿刺先端のような第2の穿刺先端を含んでいる。詳しくは、流体の出口カニューレ552の端部は非患者側穿刺先端562を形成する尖った斜面を画成してもよい。流体の出口カニューレ552は、ハウジング512の第2の端部516内を延び、そこに固定されて取り付けられてもよい。流体の出口カニューレ552は、ハウジング512の内部に連通しているほぼ円形の内腔によってさらに特徴付けられている。出口カニューレ552は、上述の図8ないし11に描かれた実施形態に関連して論ぜられたのと同様の方法で、出口カニューレ552が入口カニューレ536の内部端部にほぼ軸方向に整列し、内部端部564がほぼ同心でそこを通過するように、ハウジング512内に取り付けられている。例えば、出口カニューレ552の内部端部564が、入口カニューレ536の内部端部539から小さな距離だけ離間され、それによって、両者間に、図13Cに示されるように、出口カニューレ552の周りのフラッシュバックチャンバー526内への血液の流れのための軸方向の間隙を形成するか、又は、図12Aないし12Bの実施形態に関連して述べられたように、そこに開口を有する単一のカニューレであってもよい。
【0060】
図13Aない13Cに示されているように、ニードル組立体510は、第1の端部514に、一般に内部壁515及び外壁517を含んでいる概ね細長い長手方向部分を含む。内部壁515は、フラッシュバックチャンバー526の形態の内部チャンバーを規定する第1の直径を備えて、ハウジング512内を概ね長手方向に延びている。第2の端部516は、内部壁515の第1の直径よりも一般に大きな第2の直径を有する第2の部分を規定している。内部壁515は、その内側端部564を取り囲む領域で出口カニューレ552の周りに約0.2mmの半径方向間隙をもたらすべく寸法付けられており、それによって、上述のように、フラッシュバックチャンバー526内でのほぼ直線状の血液の流れを達成している。出口カニューレ552の内側端部564は、上述の実施形態のように、ハウジング512内に支持されてもよい。ニードル組立体510はさらに、上述のような取付け用突出部529を介するようにして、ハウジング512の流体の出口端部516に取り付けられたシール可能なスリーブ561を含んでもよい。
【0061】
図8ないし11の実施形態と同様に、ニードル組立体510はさらに、ハウジング512の内部に位置されている多孔質の通気体910aを含んでいる。多孔質の通気体910aは、軸方向に離間された中心開口を備え、カニューレ、詳しくは、流体の出口カニューレ452の一部を包囲している概ね円筒形状の部材である。多孔質の通気体910aは、図8ないし11の実施形態との関連で上に述べられたような適切な材料から構成され得る。多孔質の通気体910aは、ハウジング512が少なくとも2つの異なるチャンバー、すなわち、フラッシュバックチャンバー526で代表される第1のチャンバーと、多孔質の通気体910aの下流に位置されているハウジング512の全内部容積を表わす第2のチャンバーとに分割されるように、ハウジング512内に位置されている。ここで、用語「下流」は、ニードル組立体510のハウジング512を通る意図された血液の流れ、すなわち、流体の入口カニューレ536の患者側穿刺先端538から、開口端部539を介して、フラッシュバックチャンバー526へ、多孔質の通気体910aへ、及び二次的チャンバーへ向ってハウジング512を通って血液が流れるのに関しての位置を表わすために用いられている。
【0062】
多孔質の通気体910aは、第1の端部514及び第2の端部516の間の推移部にわたる位置で、ハウジング512の内部に位置されてもよい。ハウジング512の内部容積は、フラッシュバックチャンバー及び二次的チャンバーの容積のみならず、多孔質の通気体910aの孔に代表される容積の合計によって定義される。かかる内部容積は、ニードル組立体510に特定の特性を提供するように、詳しくは、二次的チャンバーの能力に関して、上記の実施形態に関連して述べられたように、使用時に減圧された管をニードル組立体510に適用したときに、二次的チャンバー内の空気の一部が抜かれてそこに負圧を確立するように、構成されている。二次的チャンバー内のかかる負圧は、多孔質の通気体910aとフラッシュバックチャンバー526との間の界面で血液が多孔質の通気体910aに接触、及び部分的にその孔を満たしたときに基づいて、多孔質の通気体910aの孔内に血液を引き込む。
【0063】
図13Aないし13Cの実施形態において、二次的チャンバーは、第1の内部領域527a及び第2の内部領域527bのような複数の区別できる内部領域を備えている。特に、図8ないし11の実施形態では、二次的チャンバー427はハウジング412の第2の端部416の半径方向に拡大された部分を意味し、この拡大された部分は適切な大きさの多孔質の通気体910及び二次的チャンバー427が意図された方法で機能する(すなわち、上述のように、使用中に内部に負圧を確立させることができるように、ハウジング512の全内部容積の相当な容積を表わす)のに必要な適切な内部容積に順応している。従来の血液採集セットに関連して用いられるとき、組立体に対して目立たないよう維持することが望ましい。これは、減少された全体的な外形、特に、二次的チャンバーの全体的に減少された直径を提供することにより達成され得る。
【0064】
意図された使用のために二次的チャンバーの適切な容積を維持するためには、二次的チャンバーがハウジング510に長手方向に沿って延びていてもよい。しかしながら、二次的チャンバーの意図された使用において、一旦、二次的チャンバーが減圧されたときの十分な引き込み作用を確実にするために、二次的チャンバーと多孔質の通気体910の孔との間に、十分な表面積が存在するのを保証することが重要である。したがって、二次的チャンバーは、図13Aないし13Cの実施形態におけるような複数の領域に分割されてもよい。ここでは、二次的チャンバーは、第1の内部領域527a及び第2の内部領域527bが多孔質の通気体910aを介して互いに流体の連通をし、且つまたフラッシュバックチャンバー526の下流のフラッシュバックチャンバー526に関しても流体の連通をした状態で、第1及び第2の内部領域527a、527bを含んでいる。このようにして、多孔質の通気体によって分離された複数の内部領域によって作られている、フラッシュバックチャンバーの下流の二次的チャンバーの全容積は、二次的チャンバーをニードルハウジングの十分な全容積量に維持することによって、ここに説明された装置の意図された用途を達成するのに十分である。
【0065】
本実施形態は2つ内部領域527a及び527bを描写しているが、二次的チャンバーの全内部容積(多孔質の通気体910aの下流に位置されている組み合わされた内部領域の全容積によって表わされている)は、図8ないし11の実施形態に関して上に述べた容積及び比率に対応する下流の二次的チャンバー容積を定めている限り、内部領域の数は任意であってもよいことが意図されている。
【0066】
二次的チャンバーの第1の内部領域527aはハウジング512の第2の端部516の概ね近くに位置されてもよく、一方、二次的チャンバーの第2の内部領域527bはフラッシュバックチャンバー526の一部の周りに概ね同心に位置されてもよい。これは、第1の端部514がハウジングの主本体部分530を表わし、そして第2の端部516が主本体部分530に取り付け可能であるハウジングの別の本体部分528を表して、ハウジング512を形成している2部分ハウジングとして、ハウジング512を提供することによって達成され得る。例えば、ハウジングの主本体部分530がフラッシュバックチャンバー526を画成する内部壁515及び第2の内部領域527bを画成する外壁517を含んでもよい。主本体部分530は、内部壁515がフラッシュバックチャンバー526の第1の直径を規定し、及び外壁517が第2の内部領域527bの第2の直径を規定して、細長い長手方向部分を画成すべく、ニードル組立体510の軸方向に概ね沿って延在している。ハウジング512の第2の端部516における別の本体部分528の外壁は、第1の内部領域527aを概ね画成し、そしてハウジング512の主本体部分530の外壁517は第2の内部領域527bを概ね画成している。このようにして、第2の内部領域527bは多孔質の通気体910から末端方向に延在し、フラッシュバックチャンバー526の一部を長手方向且つ環状に取り囲んでいる。望ましくは、内部壁515及び外壁517の両者とも、フラッシュバックチャンバー526の内容物(その中の血液の流れのようなもの)が第2の内部領域527b及び/又は第1の内部領域527aを通して視認され得るように、透明又は半透明である。
【0067】
ハウジング512の外壁517は、第1の端部514に向って大径から小径へと概ね先細になっている。図13Bに示されている外壁517の部分517pにおける部分は、多孔質の通気体910aを堅くシールする配列で収容するほぼ一定の径を含んでいてもよい。代わりに、多孔質の通気体910aが、先細の外壁517に沿う内部壁表面に一致すべく先細の寸法を含んでもよい。
【0068】
図14ないし16はさらなる実施形態を描写し、ここで、ニードル組立体510は、標準的な血液採集処置の際に 既知の方法で真空採血管(不図示)を収容する管ホルダー810、及び安全血液採集セットの使用後にニードルを保護する旋回式安全シールド812を含む安全血液採集セットに関連して使用されている状態で示されている。
【0069】
使用時において、ニードル組立体510は、第1及び第2の内部領域527a、527bが先の実施形態で述べられた二次的チャンバー427と同様に作用する、図8ないし12に関連して説明されたニードル組立体410とほぼ同様に作動する。詳しくは、ニードル組立体510が管ホルダー810のような管ホルダーと組み合わされて提供される。流体の入口カニューレ536が患者の静脈へ穿刺されると、患者の血圧に基づいて、血液が流体の入口カニューレ536へ、そしてその開口端部539から血液の流れの可視化のためのフラッシュバックチャンバー526内に流れるが、しかし多孔質の通気体910の孔Aに完全には接触しない。フラッシュ可視化の後、真空血液採集容器が、流体の出口カニューレ552の非患者側穿刺先端562による穿刺のために管ホルダー810内に挿入され、真空血液採集容器は、フラッシュバックチャンバー526から血液を、及び第1及び第2の内部領域527a、527bから空気を引き込み、それにより、上述の方法によって、フラッシュバックチャンバー526と第1及び第2の内部領域527a、527b内の圧力を減圧する。その後、フラッシュバックチャンバー526と第1及び第2の内部領域527a、527b内の負圧が、流体の入口カニューレ536を通して患者から血液を引き込み、多孔質の通気体910aとフラッシュバックチャンバー526との間の界面において多孔質の通気体910aの表面に完全に接触し、その孔に充満する。第1及び第2の内部領域527a、527bの内部容積は真空引きされているので、第1及び第2の内部領域527a、527bはその中に負圧を備える閉環境を示し、従って、上述のように、多孔質の通気体910aの充満された孔内及びフラッシュバックチャンバー526内の血液への引き込み作用を有し続ける。一旦、全ての管が満たされそして取り外されても、第1及び第2の内部領域527a、527bを外部環境から封鎖している多孔質の通気体910aの充満された孔のせいで、第1及び第2の内部領域527a、527b内に負圧が維持され、そして第1及び第2の内部領域527a、527b内のかかる負圧が、多孔質の通気体910aの孔とフラッシュバックチャンバー526内及び患者側穿刺先端538から離れた流体の入口カニューレ536内に包含されている血液に緩やかな引き込み作用を及ぼし続け、それによって、血液が患者側穿刺先端538から漏れ出すのを防止する。かかる継続的な引き込みは、血液が多孔質の通気体910の孔を介して第1及び第2の内部領域527a、527bの一方又は両方内に完全に流れるのを生じさせる。
【0070】
相対的な寸法計算、容積及び圧力は本発明の図示及び不図示の両実施形態に当てはまる。その結果、添付の請求項によって定義された範囲は特定の図示の実施形態に限定されない。様々な他の変形及び変更が、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく当業者によって達成されよう。かかる変形及び変更は、本発明の範囲内に収まることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内部を画成するハウジング、
該ハウジングの第1の端部から延びる第1の穿刺先端を有するカニューレ、
該ハウジングの第2の端部から延びる第2の穿刺先端であって、該第2の穿刺先端及び第1の穿刺先端はカニューレを介して互いに流体の連通をなし、そこで前記ハウジング内部と外部環境との間の唯一の連通経路が前記第1の穿刺先端を経由してのものである第2の穿刺先端、及び
前記ハウジング内部を、第1のチャンバーと第2のチャンバーとに分離すべく前記ハウジング内部に位置された多孔質の通気体であって、該第1のチャンバーが、カニューレが第1のチャンバーと流体の連通をしている状態で、ハウジング内部の全容積の約5パーセントから約20パーセントの容積を有するように位置され、多孔質の通気体は第1のチャンバー及び第2のチャンバーの間に流体の経路をもたらすべく、それを貫通して延在する孔を含み、かかる孔は、孔をシールすることなく少なくとも部分的に多孔質の通気体への流体の通路用に適合されている多孔質の通気体、
を備えていることを特徴とするニードル組立体。
【請求項2】
前記ハウジング内部は、約300 mm3から約400 mm3の全容積を有していることを特徴とする請求項1に記載のニードル組立体。
【請求項3】
前記カニューレは、第1の穿刺先端を備える第1の端部と第2の穿刺先端を備える第2の端部を含み、該第1の端部及び該第2の端部の間の開口が、カニューレと前記ハウジングの前記第1のチャンバーとの間に流体の連通をもたらしていることを特徴とする請求項1に記載のニードル組立体。
【請求項4】
前記カニューレは、第1の穿刺先端を有している第1のカニューレを備え、及び前記ニードル組立体は、前記第2の穿刺先端を含んでいる第2のカニューレをさらに備え、該第1のカニューレ及び該第2のカニューレは、前記ハウジングの前記第1のチャンバーとの流体の連通で、ほぼ軸方向に整列されると共に間隙によって分離されていることを特徴とする請求項1に記載のニードル組立体。
【請求項5】
前記第2の穿刺先端の周りに延在するスリーブをさらに備え、前記スリーブは前記ハウジングの第2の端部を外部環境から封鎖していることを特徴とする請求項1に記載のニードル組立体。
【請求項6】
前記第1のチャンバーを形成している前記ハウジングの少なくとも一部は、透明又は半透明な材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のニードル組立体。
【請求項7】
前記多孔質の通気体は、多孔質の疎水性担体材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のニードル組立体。
【請求項8】
前記ハウジングの第1の端部は、第1の直径を有する細長い長手方向の第1の部分を備え、及び前記ハウジングの第2の端部は、第1の部分の第1の直径よりも大きな第2の直径を有する第2の部分を備えることを特徴とする請求項1に記載のニードル組立体。
【請求項9】
前記多孔質の通気体は、ハウジング内部で、第1の直径を有する第1の部分と第2の直径を有する第2の部分との間に位置されていることを特徴とする請求項8に記載のニードル組立体。
【請求項10】
前記多孔質の通気体は、第1の位置の第1の直径と第2の位置の第2の直径との間の推移部にわたる位置に位置されていることを特徴とする請求項8に記載のニードル組立体。
【請求項11】
前記第2のチャンバーは、少なくとも第1の内部領域及び第2の内部領域を備え、第1の内部領域及び第2の内部領域は互いに多孔質の通気体によって分離され、且つ互いに多孔質の通気体を介して流体の連通をすることを特徴とする請求項1に記載のニードル組立体。
【請求項12】
第1のチャンバーの内容物は、第2のチャンバーの第1の内部領域及び第2の内部領域の少なくとも1つを介して視認できることを特徴とする請求項11に記載のニードル組立体。
【請求項13】
第2のチャンバーの第1の内部領域及び第2の内部領域の1つは、多孔質の通気体から末端方向に延びていることを特徴とする請求項11に記載のニードル組立体。
【請求項14】
第2のチャンバーの第1の内部領域及び第2の内部領域の1つは、長手方向にあり第1のチャンバーの一部を取り囲んでいることを特徴とする請求項13に記載のニードル組立体。
【請求項15】
ハウジングの第1の端部は第1の直径を有する細長い長手方向の第1の部分を備え、及びハウジングの第2の端部は第1の部分の第1の直径より大きな第2の直径を有する第2の部分を備え、多孔質の通気体が、第1の部分の第1の直径と第2の部分の第2の直径との間の推移部にわたる位置で、第1の直径を有する第1の部分と第2の直径を有する第2の部分との間のハウジング内部に位置されていることを特徴とする請求項11に記載のニードル組立体。
【請求項16】
第1のチャンバーは長手方向の第1の部分の一部に沿って延び、第2のチャンバーの第1の内部領域は第2の部分の近くに位置され、及び第2のチャンバーの第2の内部領域は第1のチャンバーの一部の周りで、長手方向に旦つ同心に延びていることを特徴とする請求項15に記載のニードル組立体。
【請求項17】
ハウジングの第1の端部は、第1の直径の内部壁と第1の部分の第1の直径より大きい第2の直径の外壁を有する細長い長手方向の第1の部分を備え、及びハウジングの第2の端部は、第1の部分の第1の直径よりも大きな直径の第2の外壁を有する第2の部分を備え、多孔質の通気体は、該多孔質の通気体が第1の部分の内部壁の第1の直径、第1の部分の外壁の第2の直径、及び第2の部分の第2の外壁の直径にわたり、それによって、第1の部分の内部壁内の第1のチャンバー、第2の部分の第2の外壁内の第2のチャンバーの第1の領域、及び第1の部分の外壁内の第2のチャンバーの第2の領域を規定するような位置のハウジング内部に位置されていることを特徴とする請求項11に記載のニードル組立体。
【請求項18】
第1の部分及び第2の部分は、その両者間に延在する多孔質の通気体を備えて、互いに対し別々に取り付けられていることを特徴とする請求項17に記載のニードル組立体。
【請求項19】
ハウジング内部を画成するハウジング、
該ハウジングの第1の端部から延びる患者側穿刺先端を有するカニューレ、
該ハウジングの第2の端部から延びる非患者側穿刺先端であって、該非患者側穿刺先端及び患者側穿刺先端はカニューレを介して互いに流体の連通をなし、そこで前記ハウジング内部と外部環境との間の唯一の連通経路が前記患者側穿刺先端を経由してのものである非患者側穿刺先端、及び
前記ハウジング内部を、前記カニューレが流体の連通をする第1のチャンバーと、第2のチャンバーとに分離すべく前記ハウジング内部の中に位置された多孔質の通気体であって、少なくとも部分的に多孔質の通気体への血液の通路のための孔を含んでいる多孔質の通気体、を備え、
該第1のチャンバー及び該第2のチャンバーは、患者側ニードル先端を患者に挿入すると、血液が前記カニューレを介して前記多孔質の通気体をシールすることなく前記第1のチャンバーに流れ、且つ、真空容器を前記非患者側穿刺先端に適用すると、血液が前記第1のチャンバーから引き込まれると共に、空気が前記第2のチャンバーから引き込まれ、それによりニードル組立体の外部環境に関して前記第2のチャンバー内に負圧を確立させるように、構成されていることを特徴とするニードル組立体。
【請求項20】
前記カニューレは、患者側穿刺先端を備える第1の端部と非患者側穿刺先端を備える第2の端部を含み、該第1の端部及び該第2の端部の間の開口が、カニューレと前記ハウジングの前記第1のチャンバーとの間に流体の連通をもたらしていることを特徴とする請求項19に記載のニードル組立体。
【請求項21】
前記カニューレは、患者側穿刺先端を有している第1のカニューレを備え、及び前記ニードル組立体は、前記非患者側穿刺先端を含んでいる第2のカニューレをさらに備え、該第1のカニューレ及び該第2のカニューレは、前記ハウジングの前記第1のチャンバーとの流体の連通で、ほぼ軸方向に整列されると共に間隙によって分離されていることを特徴とする請求項19に記載のニードル組立体。
【請求項22】
前記非患者側穿刺先端の周りに延在するスリーブをさらに備えていることを特徴とする請求項19に記載のニードル組立体。
【請求項23】
前記第1のチャンバー及び前記第2のチャンバーから空気の少なくとも一部が引き込まれると、前記第2のチャンバーは多孔質の通気体を介して前記第1のチャンバーから血液を引き込むことを特徴とする請求項19に記載のニードル組立体。
【請求項24】
前記第1のチャンバーを形成している前記ハウジングの少なくとも一部は、透明又は半透明な材料から形成されていることを特徴とする請求項19に記載のニードル組立体。
【請求項25】
前記多孔質の通気体は、多孔質の疎水性担体材料から形成されていることを特徴とする請求項19に記載のニードル組立体。
【請求項26】
前記ハウジングの第1の端部は、第1の直径を有する細長い長手方向の第1の部分を備え、及び前記ハウジングの第2の端部は、第1の部分の第1の直径よりも大きな第2の直径を有する第2の部分を備えることを特徴とする請求項19に記載のニードル組立体。
【請求項27】
前記多孔質の通気体は、ハウジング内部で、第1の直径を有する第1の部分と第2の直径を有する第2の部分との間に位置されていることを特徴とする請求項26に記載のニードル組立体。
【請求項28】
前記多孔質の通気体は、第1の位置の第1の直径と第2の位置の第2の直径との間の推移部にわたる位置に位置されていることを特徴とする請求項26に記載のニードル組立体。
【請求項29】
前記ハウジング内部は、約300 mm3から約400 mm3の全容積を有し、前記第1のチャンバーは、前記ハウジング内部の全容積の約5パーセントから約20パーセントの容積を有していることを特徴とする請求項19に記載のニードル組立体。
【請求項30】
前記第2のチャンバーは、少なくとも第1の内部領域及び第2の内部領域を備え、第1の内部領域及び第2の内部領域は互いに多孔質の通気体によって分離され、且つ互いに多孔質の通気体を介して流体の連通をすることを特徴とする請求項19に記載のニードル組立体。
【請求項31】
第1のチャンバーの内容物は、第2のチャンバーの第1の内部領域及び第2の内部領域の少なくとも1つを介して視認できることを特徴とする請求項30に記載のニードル組立体。
【請求項32】
第2のチャンバーの第1の内部領域及び第2の内部領域の1つは、多孔質の通気体から末端方向に延びていることを特徴とする請求項30に記載のニードル組立体。
【請求項33】
第2のチャンバーの第1の内部領域及び第2の内部領域の1つは、長手方向にあり第1のチャンバーの一部を取り囲んでいることを特徴とする請求項32に記載のニードル組立体。
【請求項34】
ハウジングの第1の端部は第1の直径を有する細長い長手方向の第1の部分を備え、及びハウジングの第2の端部は第1の部分の第1の直径より大きな第2の直径を有する第2の部分を備え、多孔質の通気体が、第1の部分の第1の直径と第2の部分の第2の直径との間の推移部にわたる位置で、第1の直径を有する第1の部分と第2の直径を有する第2の部分との間のハウジング内部に位置されていることを特徴とする請求項30に記載のニードル組立体。
【請求項35】
第1のチャンバーは長手方向の第1の部分の一部に沿って延び、第2のチャンバーの第1の内部領域は第2の部分の近くに位置され、及び第2のチャンバーの第2の内部領域は第1のチャンバーの一部の周りで、長手方向に旦つ同心に延びていることを特徴とする請求項34に記載のニードル組立体。
【請求項36】
ニードル組立体からの血液の漏れを防止する方法であって、
a)血液を、患者側穿刺先端を介してニードル組立体の第1のチャンバーに受け入れ、
該ニードル組立体は、
i)ハウジング内部を画成するニードルハウジングと、
ii)該ニードルハウジングの第1の端部から延在する患者側穿刺先端を有するカニューレと、
iii)ニードルハウジングの第2の端部から延在する非患者側の穿刺先端であって、該非患者側穿刺先端と該患者側穿刺先端とは前記カニューレを介して互いに流体の連通をする非患者側穿刺先端と、
iv)ハウジング内部に位置され、及びハウジング内部を第1のチャンバーと第2のチャンバーとに分離する多孔質の通気体であって、該ハウジング内部と外部環境との間の唯一の連通経路が患者側の穿刺先端を介してのものとなるように、前記カニューレが第1のチャンバーと流体の連通をし、該第1のチャンバーから該第2のチャンバーへの貫通する血液の通路のための孔を含む多孔質の通気体と、を備え、
b)第1のチャンバー内に包含されている血液が真空採集容器に引き込まれ、及び空気が第2のチャンバーから多孔質の通気体を介して引き込まれるように、非患者側穿刺先端と真空採集容器との間に流体の連通を確立し、それによって、血液がカニューレを介して第1のチャンバーに流れて、多孔質の通気体に接触するように、第2のチャンバー内にニードル組立体の外部環境に対しての負圧を確立させ、及び
c)カニューレに包含されている血液が患者側の穿刺先端から離れ且つ第2のチャンバーに向けて変位されるように、第2のチャンバーに確立されている負圧に基づいて、血液を多孔質の通気体の孔を通して第2のチャンバーに向けて引き込む、
ことを備えることを特徴とする方法。
【請求項37】
前記受け入れステップa)は、患者の血流から患者側穿刺先端を介して血液を受け入れることを備え、及び前記引き込むステップc)は、患者側穿刺先端を患者の血流から取り外した後に、血液を患者側穿刺先端から離して変位させることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ステップb)の後でステップc)の前に、非患者側穿刺先端と真空採集容器との間の流体の連通を解放するステップをさらに含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項39】
該流体の連通を解放するステップは、非患者側穿刺先端から真空採集容器を取り外し、そして非患者側穿刺先端を外部環境からシールすることを備えることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
ニードル組立体は、非患者側穿刺先端の周りに延在するシール可能なスリーブを備え、前記シール可能なスリーブは、ステップ b)における真空採集容器と非患者側穿刺先端との間の流体の連通を可能にし、且つ、非患者側穿刺先端からの真空採集容器の取り外しのとき再シールするように変位可能であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記非患者側穿刺先端と真空採集容器との間の流体の連通を解放するステップの後に、血液が患者側穿刺先端及びカニューレを介して第2の真空採集容器に引き込まれるように非患者側穿刺先端と第2の真空採集容器との間の流体の連通を確立し、続いて非患者側穿刺先端と第2の真空採集容器との間の流体の連通を解放することを備えるステップをさらに含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項42】
患者側ニードル先端と非患者側ニードル先端、及びフラッシュバック可視化チャンバーを有するハウジングを有する血液採集組立体を用いて、患者から血液サンプルを真空採血管へ採集する方法において、ハウジングの内部を、フラッシュバック可視化チャンバーを形成する第1のチャンバーと第2のチャンバーとに分離すべく位置されている多孔質の通気体を有するハウジングを備え、該第1のチャンバー及び第2のチャンバーは、空気が血液サンプルと共に多孔質の通気体を介して第2のチャンバーから真空採血管に引き込まれ、それによって第2のチャンバー内に負圧を確立させるように構成され、前記負圧は、患者側ニードル先端が患者から取り外された後に、第2のチャンバー内の負圧が患者側ニードル先端から第2のチャンバーに向けて血液を引き込み、それによって患者側ニードル先端からの血液の漏れを防止するように、第1のチャンバーに引き込まれ多孔質の通気体に接触するのを生じさせる、ニードル組立体を用いることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−528237(P2011−528237A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549628(P2010−549628)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/075716
【国際公開番号】WO2009/110922
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】