フラッシュバック血液採集針
ニードルアッセンブリ(10)は、流体用入口端(14)、流体用出口端(16)を備える透明、または半透明のハウジング(13)と、その間のフラッシュバックチャンバー(22)とを含む。実質的に中心線が入口(26)と一致する出口(52)の
カニューレが、ハウジング(12)から延在し、そのチャンバーに連通している。その出口用カニューレの外側端部は、密封可能なスリーブ(61)により覆われている。カニューレ、チャンバー、およびスリーブの相対的な容量が、静脈エントリーにおける迅速な信頼できるフラッシュバックの表示をもたらすように選択される。
カニューレが、ハウジング(12)から延在し、そのチャンバーに連通している。その出口用カニューレの外側端部は、密封可能なスリーブ(61)により覆われている。カニューレ、チャンバー、およびスリーブの相対的な容量が、静脈エントリーにおける迅速な信頼できるフラッシュバックの表示をもたらすように選択される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者において静脈注射を行うことにより血液試料を採集するための装置に関する。さらに詳細には、本発明は、患者からの血液試料を真空にされた血液採集管に採集する場合、瀉血士が静脈エントリー(vein entry)が発生するかどうか決定できる多種多様な血液試料採集のためのニードルアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
静脈注射は、臨床検査のための血液試料を得るために使用される主要な方法である。静脈注射処置の実行において、瀉血士は、幾つかの手順に並行して従わなければならない。そのような手順は、静脈注射の部位および技法を適切に選択するように患者の全体的な身体および精神的な状態を評価することを含む。また、瀉血士は、適切に対応する器具を選択し、出血を制御するように技法を実行しなければならず、また、試験用流体試料を適切に採集し識別しなければならない。瀉血士は、そのような要素が静脈の拡張および静脈注射処置の長さに悪影響を及ぼす場合があるのでこれらの同時に起きるすべての要素を確認しなければならない。
【0003】
様々な静脈注射器具が、上述の問題を対処するために開発されている。これらの器具は、チャンバーを形成するハウジングを備えるニードルアッセンブリを含む。双方の端部で鋭い単一のカニューレは、そのハウジングに固定される。そのカニューレにおける静脈内への端部は、患者の静脈に穿通するようになっている。そのカニューレにおける患者側でない端部は、密封可能なスリーブを有し、真空にされた容器内に位置付けられ貫通され得る栓を穿通するようになっている。カニューレの静脈内への端部による静脈エントリーのとき、血液は、カニューレを通じて密封可能なスリーブおよび、視覚化(フラッシュバック)のために透明または半透明のハウジングのチャンバーに流れ込むだろう。空気がハウジングのチャンバーから抜けたなら、その中の血液は、真空にされた容器の作動と同時に密封可能なスリーブがハウジングのチャンバーに向けて押されるたびに加圧される。
【0004】
静脈エントリーとフラッシュバックとの間の期間により、瀉血士は、透けて見えるチャンバー内の静脈エントリーの速やかな表示がないので申し分のない静脈エントリーが達成されていないと間違えて考える。しばしば、瀉血士は、静脈注射処置を必要以上に繰り返し、真空にされた容器、および/またはニードルアッセンブル自体の交換を要求する。そのような繰り返しの多い処置は、患者により耐えられる身体的および精神的な不安を長引かせる。そのような場合、瀉血士は、エントリー表示をもたらすように血液採集セットを使用し、それから、血液採集セットの費用ならびに廃棄管の費用を被るだろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、瀉血士が申し分のない静脈エントリーをもたらすように常にフラッシュバックを信頼する従来の血液採集処置に対し速く、正確な、また費用効率が高い解決策を提供することが望ましい。さらに、血液が比較的短い針により直接的にフラッシュバックチャンバーに流れ込み、それにより、申し分のない静脈エントリーの即時表示をもたらす血液採集装置を提供することが特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、臨床検査のための真空にされた容器に少なくとも一つの流体試料を採取するためのニードルアッセンブリを提供する。そのニードルアッセンブリは、血液のための十分なデッドスペースを備えた透明または半透明のハウジングチャンバーを設け、申し分のない静脈エントリーを確認するために使用者による視覚化ためのそのチャンバーに流れ込ませる。
【0007】
ニードルアッセンブリは、引き続き少なくとも一つの真空にされた容器に排出するために患者からの少なくとも一つの流体試料を採集するためのものである。本発明のニードルアッセンブリは、円筒状の外壁により形成される流体入口端部を有する透明または半透明のハウジングを含む。その壁は、血液の試料の貯留のためのそのハウジング内に環状のフラッシュバックチャンバーの輪郭を描く。さらに、そのハウジングは、前記流体入口端部に連通する流体出口端部を含む。血液の入口端部に流体連通する第1のカニューレは、外方に延在している。その第1のカニューレは、チャンバー近傍に位置付けられる内側の端部と、患者の静脈に突き刺すようにした対向する外側の端部とを有している。同様に、第2のカニューレは、流体出口端部に流体連通して設けられ、外方に延在している。第2のカニューレは、第1の内側の端部近傍に位置付けられた内側の端部を有し、さらに前記第2の内側の端部に対向して外側の端部を含む。第2の外側の端部は、真空にされた容器内の貫通され得る栓を突き刺すようになっている。第1および第2のカニューレは、好ましくは、互いにその中心軸線上にあり、その間にハウジングの長手方向に沿って軸方向の流体流路をもたらす。第2のカニューレは、さらに密封可能なスリーブを含む。そのカニューレの中の管腔、チャンバー、スリーブにより形成される容積は、密封可能な通気孔またはプラグや廃棄管を要することを回避しながら静脈エントリーの大変迅速な表示を実現するように選択される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、血液または他の流体の試料を患者から1個以上の真空にされた血液採集管に採集するとき、静脈エントリー(フラッシュバック)の視覚表示をもたらす血液採集用ニードルアッセンブリを提供する。
【0009】
図1〜図4に示されるように、本発明のニードルアッセンブリ10は、ハウジングの一方側の流体入口用ニードル(第1のカニューレ)およびそれに対向する側の流体出口用ニードル(第2のカニューレ)を支持する透明または半透明のハウジング12を含んでいる。第1のカニューレから採集された流体が、そのハウジングにより即座に視覚化され、正確な静脈エントリーの時を得た表示をもたらす。
【0010】
図1〜図3に示されるように、ニードルアッセンブリ10は、流体入口端部14および流体出口端部16を有するハウジング12を含んでいる。流体入口端部14は、その末端に隣接した流体出口端部16から突き出た環状の肩状部20を有する円筒状の外壁18により形成されている。壁18は、その中のフラッシュバックチャンバー22を取り囲む。チャンバー22は、さらに、壁18から外見上垂れ下がる円錐台形のテーパ部28内に形成されている環状の溝26を含んでいる。
【0011】
さらに、流体入口端部14は、円筒状の延在部32が設けられる注入端部30により形成されている。壁18の内径よりもより小なる外径を有する円筒状の延在部32は、円錐台形のテーパ部28がその間を橋渡しする状態で壁18から外見上突き出ている。
【0012】
円筒状の延在部32は、その中の第1の流体入口用カニューレ36の挿入部および取付部を収容するように作られる大きな貫通穴34を有している。第1のカニューレ36は、注入端30から外方に突出する外側の端部40を有し、さらに鋭い斜面を有している。
第1の内側の端部44は、注入端部30におけるカニューレ36の挿入のためのとがっていない先端46を有するカニューレ36における対向する端部に形成されている。斜面42およびとがっていない先端46は、それぞれ、それを貫く流体の連続した通路のためのそれに対応した形状の開口を含んでいる。
【0013】
第1のカニューレ36は、第1の内側の端部44が流体連通を維持するように隣接した環状の溝26にあるように穴34に位置付けられている。カニューレ36が適切に位置付けられたならば、カニューレは穴34により摩擦係合され得る。または、カニューレは、接着剤等の手段によりその中に取り付けられてもよい。
【0014】
穴34は、円筒状の延在部32の広がりに跨っており、各第1のカニューレ36と第2の流体出口用カニューレ52とが連通するようにテーパ28内に延在する。第2のカニューレは、とがっていない先端56を備える第2の内側の端部54を有している。とがっていない先端56は、第1のカニューレ36における第1の内側の端部44に隣接するように溝26内の開口を取り囲んでいる。さらに、第2のカニューレ52は、患者側ではない斜面の端部60を有する外側の端部58を含んでいる。第2のカニューレ52は、ハウジング12の中に細長い流体通路を形成するように流体出口端部16から外方に向けて延在している。患者側ではない斜面の端部60は、さらに外側の端部58を覆う密封可能なスリーブ61を含んでいる。
【0015】
ハウジング12の流体出口端部16は、そこから外方に延在する円筒状の突出部66を有する円盤状のベース64を含んでいる。ベース64は、その間に境界面80を形成するように流体入口端部14の環状の肩状部20と組んで嵌めこまれている環状のフランジ68を含んでいる。その端部は、接着剤等のような適当な固定用手段により境界面80にそって共に取り付けられ得る。
【0016】
図4に示されるように、流体出口端部16は、好ましくは、ニードルアッセンブリ10をホルダー78に取り付けるための手段を含む。そのような手段は、複数の螺旋ねじ山82を含んでいる。嵌めあうネジの機構がこの中で示されているが、本発明を実施するのに適している如何なる取付手段が利用され得ることは了解される。
【0017】
ハウジング12は、そのアッセンブリの使用者がチャンバー22の中身を容易に見ることができるように透明または半透明の物質で作られる。透明の硬質プラスチックが望ましいが、図2に示される窓100のような様々な密封された開口部即ち窓が使用されてもよく、その結果、使用者がチャンバー22内の中身を見ることができる。
【0018】
図4に示されるように、従来の静脈注射処置の間、ホルダー78に接続されたニードルアッセンブリ10は、患者の皮膚を突き刺し、静脈エントリーの状態となる。フラッシュバックチャンバー22は、静脈エントリー(venous entry)に関し瞬間的なフラッシュバックの視覚化のために血液が内側の端部44の開口を超えて溝26に流れ込むようにチャンバー22に十分な空間を設けている。この方法で、瀉血士は、静脈エントリーが第1のカニューレ36により十分に実現されるほぼ瞬時の視覚表示を有することとなる。従って、申し分のない静脈エントリーのとき、大気圧でチャンバー内の空気は、静脈圧の作用により圧縮状態となる。静脈圧がチャンバー22内の大気圧を超えるので血液は流れ込み、第2の内側の端部54の開口を覆う。血流は、チャンバー22内の圧迫をいったんやめ、静脈圧が等しくなる。
【0019】
瀉血士により、静脈エントリーが視覚的に確認されたならば、それから、真空にされる容器70が、第2のカニューレ52の斜面60が図5に示されるように、栓72を貫通するようにホルダー78に挿入される。第2のカニューレ52により真空部79に進入するとき、負圧勾配がニードルアッセンブリに伝達される。容器内の低圧により、血液が静脈から容器に流れ込む。中心線が一致するので負圧勾配の作用下でカニューレ36および52が、容器70内に血流のための障害物が除去された通路をもたらす。溝26およびチャンバー22にあるその血液は、チャンバー22内の負圧勾配のために第2の内側の端部54の開口を通じて容器70に引き込まれる。これが引き起こる場合、チャンバー22および溝26内の圧力は、患者の静脈圧以下に低下し、それにより、より高い静脈圧が再び静脈圧を戻すように溝26およびチャンバー22を加圧するだろう。溝26内で脈動する血液の小さな柱が、その開口を閉じようとし、第2の内側の端部54による容器70へ引き込まれるチャンバー22内の空気を最小限にするという正味効果がある。血液は、対応する多種多様な試料が単一のニードルアッセンブリ10を使用して得られ得るように多種多様な真空にされた容器に採集されてもよい。静脈注射処置は、患者の静脈から第1のカニューレ36を取り外すことにより終了される。
【0020】
本発明のさらなる実施例は、図6〜図8に示され、図1〜図5における部品と実質的に同一である多数の部品を含んでいる。
【0021】
図6を参照するに、代替的な実施例は、流体入口端部214、流体出口端部216、およびその相互間に延在する錐台形状の外壁218を有するハウジング22を備えるニードルアッセンブリ210について述べられる。外壁218は、アウタチャンバー220を形成する。さらに、ハウジング212は、流体入口端部214と流体出口端部216との間の範囲の主要部分について円筒状の外壁218と実質的に同心円上の流体入口端部214からアウタチャンバー220内に延在する円筒状の内壁224を含んでいる。円筒状の内壁224の開口端部は、たった1.15mmの距離「a」だけハウジング212の出口端部216から離隔されている。円筒状の内壁224は、フラッシュバックチャンバー226を形成する。細長いフラッシュバックチャンバー226は、以前からのハウジング212内の残留血液を引き抜き、ここで説明されるような新たな真空にされた管に引き込むストローのように作用する。
【0022】
また、ニードルアッセンブリ210は、鋭い斜面を形成する外側の端部240と、ハウジング214の流体入口端部214に固定状態に装着される内側の端部244とを有する流体入口用カニューレ236を含む。さらに、流体入口用カニューレ236は、端部相互間に延在しハウジング212の内部に連通する実質的に円筒状の管腔248により特徴づけられる。
【0023】
さらに、ニードルアッセンブリ210は、流体出口用カニューレ252を含む。出口用カニューレ252は、とがっていない内側の端部254と、鋭い斜面を形成する外側の端部260と、その端部相互間を延在する実質的に円筒状の管腔262とで完結している。その端部相互間における出口用カニューレ252の一部は、ハウジング212の外側の端部216に確実に固定される。出口用カニューレ252は、内側の端部254が内壁224と実質的に同軸上に通過し、出口用カニューレ252の内側の端部254が入口用カニューレ236の内側の端部244とその中心線が実質的に一致するように取り付けられる。加えて、出口用カニューレ252の内側の端部254は、入口用カニューレ236の内側の端部244から少しの距離だけ離隔している。入口用カニューレ236と出口用カニューレ252との間のこの距離「b」は、好ましくは、0.5mmから1.2mmまでの間、最も好ましくは、約1.0mmである。出口用カニューレ252の内側の端部254と入口用カニューレ236の内側の端部244との間の軸方向の0.5mm未満の隙間は、一致しないフラッシュバックを招く場合がある。また、1.2mmより大なる隙間は、ハウジング212からより多くの空気を真空にされた管に引き込む原因となる場合がある。
【0024】
円筒状の内壁224は、アッセンブリ210による双方の望ましい血流を実現し、有効なフラッシュバック表示を実現するように出口用カニューレ252に対し寸法を有している。特に、円筒状の内壁224は、好ましくは、図6における寸法「c」により表示されるような、約0.2mmの出口用カニューレ252の回りに半径方向の隙間をもたらす寸法を有している。この隙間が、フラッシュバックチャンバー226内に実質的に薄層状の血流を実現し、血液溶血を防止する。加えて、円筒状の内壁224と出口カニューレ252との間のその小さな半径方向の隙間は、血液の落下がフラッシュチャンバー226内で半径方向の隙間にわたって薄く広がることができ、微量の血液で拡大されたフラッシュバック表示をもたらす。従って、容易に視覚化されたフラッシュバック表示が、入口用カニューレ236の内側の端部244からの初めてお目見えする血液で迅速に実現される。また、その小さな半径方向の隙間は、血液と円筒状の内壁224との間の表面付着を増大させることがわかり、ハウジング212から図8に示される真空にされた管270に引き込む空気をさらに低減する。
【0025】
さらに、ニードルアッセンブリ210は、ハウジング212の流体出口端部216に取り付けられ、密封可能なスリーブ261が片寄らない状態の場合、出口用カニューレ252の外側の端部258を覆う密封可能なスリーブ261を含んでいる。しかしながら、密封可能スリーブ261は、密封可能なスリーブ261および真空にされた管270の栓272双方により出口用カニューレ252の外側の端部260を付勢するために真空にされた管270の栓272により作用される圧力を受けて潰され得る。
【0026】
図7に示されるように、従来の静脈注射の間、ニードルアッセンブリ210は、ホルダー278に接続され、患者の皮膚を突き刺し、静脈エントリーの状態となる。フラッシュバックチャンバー226は、上首尾の静脈エントリーを表示し、ハウジング212にある空気の引き込みを低減する。従って、申し分のない静脈エントリーのとき、チャンバー220内の大気圧での空気は、静脈圧の作用により圧縮を受ける。静脈圧がチャンバー220内で大気圧を超えるので血液が流れる。血流が一旦途絶えるならば、チャンバー220内の圧力と静脈圧とが等しくなる。
【0027】
静脈エントリーが一旦瀉血士により視覚的に確認されたならば、真空にされた容器270は、それから、第2のカニューレ252の外側の端部260が図8に示されるように、栓272を突き刺すようにホルダー278内に挿入される。第2のカニューレ252により真空部279に入り込むとき、負圧勾配がチャンバー220および226に伝達される。容器270内の低圧により、血液がチャンバー220および226から容器270へ流れ込む。
【0028】
上述のニードルアッセンブリは、好ましくは、従来の使用のために小さくあるべきだが、しかし、確実かつ迅速なフラッシュバックのために構成されるべきである。上述の図示され説明されたニードルアッセンブリにおけるフラッシュバックの発生は、理想気体の法則に従い起きる。特に、極小の密度ですべてのガスおよび蒸気の性質は、理想気体の性質に似ており、既述のボイルシャルルの法則(P1V1=P2V2)に密接に従う。
P1は、針挿入以前のニードルアッセンブリ内の空気圧を表す。
P2は、静脈エントリー後のニードルアッセンブリ内の空気圧を表す。
V1は、静脈エントリー以前のニードルアッセンブリ内の空気量を表す。
V2は、静脈エントリー後のニードルアッセンブリ内の空気量を表す。
【0029】
上述の平衡状態による規定されるような適量を確保しながら、設計パラメータは、使い方を簡単にするためにできる限り小さいニードルデバイスを保つべきである。図9および図10は、理想気体の法則の適用を図示するために図6〜図8におけるニードルアッセンブリ210の略図をもたらす。これに関して、Aは、入口用カニューレ236の中の管腔248の容積を表す。Bは、アウターチャンバー220、インナーチャンバー226、出口用カニューレ252の中の管腔242、および密封可能なスリーブ261における全容積を表す。再び上述の平衡状態を参照し、P1は、使用前のニードルアッセンブリ210内の圧力であり、従って、実質的に大気圧に等しい。大気圧は、時々、場所により僅かに変化するだろう。しかしながら、この分析のために大気圧P1は、760mmHgと仮定する。上述の平衡状態でP2は、静脈エントリー後のニードルアッセンブリ210内のデッドスペースの容積である。さらに詳細には、静脈エントリー後、血液は、カニューレ236の管腔248を満たし、それにより、ニードルアッセンブリ210における残部においてガスにより占有される容積を減少させ、従って、ニードルアッセンブリ210の残部において空気圧を増大させる。およそ図6〜図10に示されるような寸法を有するニードルアッセンブリは、静脈圧(止血器付き)で約790mmHgの圧力P2を有するだろう。上述の平衡状態でV1は、使用前におけるニードルアッセンブリ210のデッドスペース全体の容積を規定し、従って、図9に示されるようにA+Bに等しいだろう。V2は、図10に示されるように、静脈エントリー後において入口用カニューレ236の管腔248が血液で満たされた状態で装置におけるデッドスペースを規定する。従って、上述の平衡状態でV2は、Bと等しいだろう。これらの入力パラメータは、以下の理想気体の法則の方程式の適用において示されるように、ニードルアッセンブリ200の各部品の最小とされる望ましい大きさを形成するように用いられ得る。
【0030】
P1V1=P2V2
P1/P2=V2/V1
760/790=B/(A+B)
0.962=B/(A+B)
0.962(A+B)=B
0.038B=0.962A
B=25.3A
従って、ハウジング212、出口用カニューレ252、およびスリーブ261におけるデッドスペースは、好ましくは、入口用カニューレ236の中の管腔248により形成される容積の少なくとも25.3倍であり、最も好ましくは、管腔248の容積の約26倍である。
【0031】
申し分のない静脈エントリーのとき、ハウジング212内の空気は、静脈圧の作用下で圧縮される。それにより、視覚化のために血液がインナーチャンバー220に流入可能である。血流が一旦止まるならば、ハウジング212内の圧力は、静脈圧と等しくなり、血流が出口用カニューレ252の内側の端部254を覆う。
【0032】
真空にされた管が出口用カニューレ252に連通して配される場合、即時反応により静脈からの血液およびハウジング212からの空気を図8に示されるように管270に引き込む。最も高い圧力勾配が、常に静脈と真空にされた管270との間に維持される。中心軸線が一致する入口用カニューレ236および出口用252は、静脈から真空にされた管270への血流のためのふさがれない通路をもたらす。逆に、ハウジング212内の空気は、出口用カニューレ252への曲がりくねった通路を有し、ハウジング212から出口用カニューレ252への空気の流れは、入口用カニューレ236と出口用カニューレ252との間の遮るものがない軸方向の各血流により迂回される。ハウジング212内のいくらかの空気が真空にされた管270に引き込まれるとき、ハウジング212内の圧力は、静脈圧以下に低下する。従って、ハウジング212が加圧され静脈圧に戻るまでより多くのエアーロス(air loss)が防止され、ハウジング212内の圧力が静脈圧と等しくなるまで血液がフラッシュバックチャンバー226に流れ込む。ハウジング212内の上述の加圧および減圧の動力学が、フラッシュバックチャンバー226内の脈動血液の柱をもたらし、従って、真空にされた管270に引き込まれる空気を最小にする。
【0033】
上記の実施例は、互いに中心軸線を一致させ互いに直列に近接した関係をもって配されている構造的に入口用カニューレと出口用カニューレとが分離したものを示している。しかしながら、上述の本発明の最も重要な点は、フラッシュバックチャンバー内の横の穴または開口とともに形成される単一のカニューレにより達成され得る。例えば、図11は、上述され図示されたハウジング212と実質的に同一であるハウジング312を有するニードルアッセンブリ310を簡略化して示す。ニードルアッセンブリ310は、単一複合式(single and double)でニードルカニューレ336が設けられ、ハウジング312内を全体が通過している点でニードルアッセンブリ210と相違する。さらに詳細には、ニードルカニューレ336は、静脈エントリー用端部338と、患者側でない端部340と、その間を延在する管腔342とを含んでいる。内壁324内のカニューレ336の一部は、管腔342と内壁324内のフラッシュバックチャンバー336との間を連通させるように設けられる長穴即ち開口344を含んでいる。ニードルアッセンブリ310は、上述され図示されたニードルアッセンブリ210と実質的に同様な方法で
機能を果たす。
【0034】
相対的な寸法の計算、容積および圧力が第2の実施例に対して行なわれたが、同様な理論は、第1の実施例、他に示されるフラッシュバックチャンバー付きニードルアッセンブリにも適用される。従って、添付の請求の範囲により定義される本発明の範囲は、特定の示される実施例に制限されない。様々な他の変更および修正が本発明の範囲または精神から逸脱することなく、当業者により行なわれても良い。また、本発明の範囲内に入るそのような変更および修正のすべてを請求することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のニードルアッセンブリの斜視図である。
【図2】図1におけるニードルアッセンブリの側面図である。
【図3】図2における3−3線に沿ったニードルアッセンブリの側断面図である。
【図4】従来のニードルホルダーを備えた図1におけるニードルアッセンブリの使い方を示す。
【図5】患者の腕における静脈注射の間、従来のニードルホルダーおよび容器により使用されているニードルアッセンブリの断面図である。
【図6】本発明のニードルアッセンブリの代替えの実施例の断面図である。
【図7】従来のニードルホルダーによる図6におけるニードルアッセンブリの使い方を示す。
【図8】患者の腕における静脈注射の間、従来のニードルホルダーおよび容器により使用されているニードルアッセンブリの断面図である。
【図9】使用前の図6におけるニードルアッセンブリの概略説明図である。
【図10】静脈エントリーを示す図9に類似する概略説明図である。
【図11】第3実施例の概略説明図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者において静脈注射を行うことにより血液試料を採集するための装置に関する。さらに詳細には、本発明は、患者からの血液試料を真空にされた血液採集管に採集する場合、瀉血士が静脈エントリー(vein entry)が発生するかどうか決定できる多種多様な血液試料採集のためのニードルアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
静脈注射は、臨床検査のための血液試料を得るために使用される主要な方法である。静脈注射処置の実行において、瀉血士は、幾つかの手順に並行して従わなければならない。そのような手順は、静脈注射の部位および技法を適切に選択するように患者の全体的な身体および精神的な状態を評価することを含む。また、瀉血士は、適切に対応する器具を選択し、出血を制御するように技法を実行しなければならず、また、試験用流体試料を適切に採集し識別しなければならない。瀉血士は、そのような要素が静脈の拡張および静脈注射処置の長さに悪影響を及ぼす場合があるのでこれらの同時に起きるすべての要素を確認しなければならない。
【0003】
様々な静脈注射器具が、上述の問題を対処するために開発されている。これらの器具は、チャンバーを形成するハウジングを備えるニードルアッセンブリを含む。双方の端部で鋭い単一のカニューレは、そのハウジングに固定される。そのカニューレにおける静脈内への端部は、患者の静脈に穿通するようになっている。そのカニューレにおける患者側でない端部は、密封可能なスリーブを有し、真空にされた容器内に位置付けられ貫通され得る栓を穿通するようになっている。カニューレの静脈内への端部による静脈エントリーのとき、血液は、カニューレを通じて密封可能なスリーブおよび、視覚化(フラッシュバック)のために透明または半透明のハウジングのチャンバーに流れ込むだろう。空気がハウジングのチャンバーから抜けたなら、その中の血液は、真空にされた容器の作動と同時に密封可能なスリーブがハウジングのチャンバーに向けて押されるたびに加圧される。
【0004】
静脈エントリーとフラッシュバックとの間の期間により、瀉血士は、透けて見えるチャンバー内の静脈エントリーの速やかな表示がないので申し分のない静脈エントリーが達成されていないと間違えて考える。しばしば、瀉血士は、静脈注射処置を必要以上に繰り返し、真空にされた容器、および/またはニードルアッセンブル自体の交換を要求する。そのような繰り返しの多い処置は、患者により耐えられる身体的および精神的な不安を長引かせる。そのような場合、瀉血士は、エントリー表示をもたらすように血液採集セットを使用し、それから、血液採集セットの費用ならびに廃棄管の費用を被るだろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、瀉血士が申し分のない静脈エントリーをもたらすように常にフラッシュバックを信頼する従来の血液採集処置に対し速く、正確な、また費用効率が高い解決策を提供することが望ましい。さらに、血液が比較的短い針により直接的にフラッシュバックチャンバーに流れ込み、それにより、申し分のない静脈エントリーの即時表示をもたらす血液採集装置を提供することが特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、臨床検査のための真空にされた容器に少なくとも一つの流体試料を採取するためのニードルアッセンブリを提供する。そのニードルアッセンブリは、血液のための十分なデッドスペースを備えた透明または半透明のハウジングチャンバーを設け、申し分のない静脈エントリーを確認するために使用者による視覚化ためのそのチャンバーに流れ込ませる。
【0007】
ニードルアッセンブリは、引き続き少なくとも一つの真空にされた容器に排出するために患者からの少なくとも一つの流体試料を採集するためのものである。本発明のニードルアッセンブリは、円筒状の外壁により形成される流体入口端部を有する透明または半透明のハウジングを含む。その壁は、血液の試料の貯留のためのそのハウジング内に環状のフラッシュバックチャンバーの輪郭を描く。さらに、そのハウジングは、前記流体入口端部に連通する流体出口端部を含む。血液の入口端部に流体連通する第1のカニューレは、外方に延在している。その第1のカニューレは、チャンバー近傍に位置付けられる内側の端部と、患者の静脈に突き刺すようにした対向する外側の端部とを有している。同様に、第2のカニューレは、流体出口端部に流体連通して設けられ、外方に延在している。第2のカニューレは、第1の内側の端部近傍に位置付けられた内側の端部を有し、さらに前記第2の内側の端部に対向して外側の端部を含む。第2の外側の端部は、真空にされた容器内の貫通され得る栓を突き刺すようになっている。第1および第2のカニューレは、好ましくは、互いにその中心軸線上にあり、その間にハウジングの長手方向に沿って軸方向の流体流路をもたらす。第2のカニューレは、さらに密封可能なスリーブを含む。そのカニューレの中の管腔、チャンバー、スリーブにより形成される容積は、密封可能な通気孔またはプラグや廃棄管を要することを回避しながら静脈エントリーの大変迅速な表示を実現するように選択される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、血液または他の流体の試料を患者から1個以上の真空にされた血液採集管に採集するとき、静脈エントリー(フラッシュバック)の視覚表示をもたらす血液採集用ニードルアッセンブリを提供する。
【0009】
図1〜図4に示されるように、本発明のニードルアッセンブリ10は、ハウジングの一方側の流体入口用ニードル(第1のカニューレ)およびそれに対向する側の流体出口用ニードル(第2のカニューレ)を支持する透明または半透明のハウジング12を含んでいる。第1のカニューレから採集された流体が、そのハウジングにより即座に視覚化され、正確な静脈エントリーの時を得た表示をもたらす。
【0010】
図1〜図3に示されるように、ニードルアッセンブリ10は、流体入口端部14および流体出口端部16を有するハウジング12を含んでいる。流体入口端部14は、その末端に隣接した流体出口端部16から突き出た環状の肩状部20を有する円筒状の外壁18により形成されている。壁18は、その中のフラッシュバックチャンバー22を取り囲む。チャンバー22は、さらに、壁18から外見上垂れ下がる円錐台形のテーパ部28内に形成されている環状の溝26を含んでいる。
【0011】
さらに、流体入口端部14は、円筒状の延在部32が設けられる注入端部30により形成されている。壁18の内径よりもより小なる外径を有する円筒状の延在部32は、円錐台形のテーパ部28がその間を橋渡しする状態で壁18から外見上突き出ている。
【0012】
円筒状の延在部32は、その中の第1の流体入口用カニューレ36の挿入部および取付部を収容するように作られる大きな貫通穴34を有している。第1のカニューレ36は、注入端30から外方に突出する外側の端部40を有し、さらに鋭い斜面を有している。
第1の内側の端部44は、注入端部30におけるカニューレ36の挿入のためのとがっていない先端46を有するカニューレ36における対向する端部に形成されている。斜面42およびとがっていない先端46は、それぞれ、それを貫く流体の連続した通路のためのそれに対応した形状の開口を含んでいる。
【0013】
第1のカニューレ36は、第1の内側の端部44が流体連通を維持するように隣接した環状の溝26にあるように穴34に位置付けられている。カニューレ36が適切に位置付けられたならば、カニューレは穴34により摩擦係合され得る。または、カニューレは、接着剤等の手段によりその中に取り付けられてもよい。
【0014】
穴34は、円筒状の延在部32の広がりに跨っており、各第1のカニューレ36と第2の流体出口用カニューレ52とが連通するようにテーパ28内に延在する。第2のカニューレは、とがっていない先端56を備える第2の内側の端部54を有している。とがっていない先端56は、第1のカニューレ36における第1の内側の端部44に隣接するように溝26内の開口を取り囲んでいる。さらに、第2のカニューレ52は、患者側ではない斜面の端部60を有する外側の端部58を含んでいる。第2のカニューレ52は、ハウジング12の中に細長い流体通路を形成するように流体出口端部16から外方に向けて延在している。患者側ではない斜面の端部60は、さらに外側の端部58を覆う密封可能なスリーブ61を含んでいる。
【0015】
ハウジング12の流体出口端部16は、そこから外方に延在する円筒状の突出部66を有する円盤状のベース64を含んでいる。ベース64は、その間に境界面80を形成するように流体入口端部14の環状の肩状部20と組んで嵌めこまれている環状のフランジ68を含んでいる。その端部は、接着剤等のような適当な固定用手段により境界面80にそって共に取り付けられ得る。
【0016】
図4に示されるように、流体出口端部16は、好ましくは、ニードルアッセンブリ10をホルダー78に取り付けるための手段を含む。そのような手段は、複数の螺旋ねじ山82を含んでいる。嵌めあうネジの機構がこの中で示されているが、本発明を実施するのに適している如何なる取付手段が利用され得ることは了解される。
【0017】
ハウジング12は、そのアッセンブリの使用者がチャンバー22の中身を容易に見ることができるように透明または半透明の物質で作られる。透明の硬質プラスチックが望ましいが、図2に示される窓100のような様々な密封された開口部即ち窓が使用されてもよく、その結果、使用者がチャンバー22内の中身を見ることができる。
【0018】
図4に示されるように、従来の静脈注射処置の間、ホルダー78に接続されたニードルアッセンブリ10は、患者の皮膚を突き刺し、静脈エントリーの状態となる。フラッシュバックチャンバー22は、静脈エントリー(venous entry)に関し瞬間的なフラッシュバックの視覚化のために血液が内側の端部44の開口を超えて溝26に流れ込むようにチャンバー22に十分な空間を設けている。この方法で、瀉血士は、静脈エントリーが第1のカニューレ36により十分に実現されるほぼ瞬時の視覚表示を有することとなる。従って、申し分のない静脈エントリーのとき、大気圧でチャンバー内の空気は、静脈圧の作用により圧縮状態となる。静脈圧がチャンバー22内の大気圧を超えるので血液は流れ込み、第2の内側の端部54の開口を覆う。血流は、チャンバー22内の圧迫をいったんやめ、静脈圧が等しくなる。
【0019】
瀉血士により、静脈エントリーが視覚的に確認されたならば、それから、真空にされる容器70が、第2のカニューレ52の斜面60が図5に示されるように、栓72を貫通するようにホルダー78に挿入される。第2のカニューレ52により真空部79に進入するとき、負圧勾配がニードルアッセンブリに伝達される。容器内の低圧により、血液が静脈から容器に流れ込む。中心線が一致するので負圧勾配の作用下でカニューレ36および52が、容器70内に血流のための障害物が除去された通路をもたらす。溝26およびチャンバー22にあるその血液は、チャンバー22内の負圧勾配のために第2の内側の端部54の開口を通じて容器70に引き込まれる。これが引き起こる場合、チャンバー22および溝26内の圧力は、患者の静脈圧以下に低下し、それにより、より高い静脈圧が再び静脈圧を戻すように溝26およびチャンバー22を加圧するだろう。溝26内で脈動する血液の小さな柱が、その開口を閉じようとし、第2の内側の端部54による容器70へ引き込まれるチャンバー22内の空気を最小限にするという正味効果がある。血液は、対応する多種多様な試料が単一のニードルアッセンブリ10を使用して得られ得るように多種多様な真空にされた容器に採集されてもよい。静脈注射処置は、患者の静脈から第1のカニューレ36を取り外すことにより終了される。
【0020】
本発明のさらなる実施例は、図6〜図8に示され、図1〜図5における部品と実質的に同一である多数の部品を含んでいる。
【0021】
図6を参照するに、代替的な実施例は、流体入口端部214、流体出口端部216、およびその相互間に延在する錐台形状の外壁218を有するハウジング22を備えるニードルアッセンブリ210について述べられる。外壁218は、アウタチャンバー220を形成する。さらに、ハウジング212は、流体入口端部214と流体出口端部216との間の範囲の主要部分について円筒状の外壁218と実質的に同心円上の流体入口端部214からアウタチャンバー220内に延在する円筒状の内壁224を含んでいる。円筒状の内壁224の開口端部は、たった1.15mmの距離「a」だけハウジング212の出口端部216から離隔されている。円筒状の内壁224は、フラッシュバックチャンバー226を形成する。細長いフラッシュバックチャンバー226は、以前からのハウジング212内の残留血液を引き抜き、ここで説明されるような新たな真空にされた管に引き込むストローのように作用する。
【0022】
また、ニードルアッセンブリ210は、鋭い斜面を形成する外側の端部240と、ハウジング214の流体入口端部214に固定状態に装着される内側の端部244とを有する流体入口用カニューレ236を含む。さらに、流体入口用カニューレ236は、端部相互間に延在しハウジング212の内部に連通する実質的に円筒状の管腔248により特徴づけられる。
【0023】
さらに、ニードルアッセンブリ210は、流体出口用カニューレ252を含む。出口用カニューレ252は、とがっていない内側の端部254と、鋭い斜面を形成する外側の端部260と、その端部相互間を延在する実質的に円筒状の管腔262とで完結している。その端部相互間における出口用カニューレ252の一部は、ハウジング212の外側の端部216に確実に固定される。出口用カニューレ252は、内側の端部254が内壁224と実質的に同軸上に通過し、出口用カニューレ252の内側の端部254が入口用カニューレ236の内側の端部244とその中心線が実質的に一致するように取り付けられる。加えて、出口用カニューレ252の内側の端部254は、入口用カニューレ236の内側の端部244から少しの距離だけ離隔している。入口用カニューレ236と出口用カニューレ252との間のこの距離「b」は、好ましくは、0.5mmから1.2mmまでの間、最も好ましくは、約1.0mmである。出口用カニューレ252の内側の端部254と入口用カニューレ236の内側の端部244との間の軸方向の0.5mm未満の隙間は、一致しないフラッシュバックを招く場合がある。また、1.2mmより大なる隙間は、ハウジング212からより多くの空気を真空にされた管に引き込む原因となる場合がある。
【0024】
円筒状の内壁224は、アッセンブリ210による双方の望ましい血流を実現し、有効なフラッシュバック表示を実現するように出口用カニューレ252に対し寸法を有している。特に、円筒状の内壁224は、好ましくは、図6における寸法「c」により表示されるような、約0.2mmの出口用カニューレ252の回りに半径方向の隙間をもたらす寸法を有している。この隙間が、フラッシュバックチャンバー226内に実質的に薄層状の血流を実現し、血液溶血を防止する。加えて、円筒状の内壁224と出口カニューレ252との間のその小さな半径方向の隙間は、血液の落下がフラッシュチャンバー226内で半径方向の隙間にわたって薄く広がることができ、微量の血液で拡大されたフラッシュバック表示をもたらす。従って、容易に視覚化されたフラッシュバック表示が、入口用カニューレ236の内側の端部244からの初めてお目見えする血液で迅速に実現される。また、その小さな半径方向の隙間は、血液と円筒状の内壁224との間の表面付着を増大させることがわかり、ハウジング212から図8に示される真空にされた管270に引き込む空気をさらに低減する。
【0025】
さらに、ニードルアッセンブリ210は、ハウジング212の流体出口端部216に取り付けられ、密封可能なスリーブ261が片寄らない状態の場合、出口用カニューレ252の外側の端部258を覆う密封可能なスリーブ261を含んでいる。しかしながら、密封可能スリーブ261は、密封可能なスリーブ261および真空にされた管270の栓272双方により出口用カニューレ252の外側の端部260を付勢するために真空にされた管270の栓272により作用される圧力を受けて潰され得る。
【0026】
図7に示されるように、従来の静脈注射の間、ニードルアッセンブリ210は、ホルダー278に接続され、患者の皮膚を突き刺し、静脈エントリーの状態となる。フラッシュバックチャンバー226は、上首尾の静脈エントリーを表示し、ハウジング212にある空気の引き込みを低減する。従って、申し分のない静脈エントリーのとき、チャンバー220内の大気圧での空気は、静脈圧の作用により圧縮を受ける。静脈圧がチャンバー220内で大気圧を超えるので血液が流れる。血流が一旦途絶えるならば、チャンバー220内の圧力と静脈圧とが等しくなる。
【0027】
静脈エントリーが一旦瀉血士により視覚的に確認されたならば、真空にされた容器270は、それから、第2のカニューレ252の外側の端部260が図8に示されるように、栓272を突き刺すようにホルダー278内に挿入される。第2のカニューレ252により真空部279に入り込むとき、負圧勾配がチャンバー220および226に伝達される。容器270内の低圧により、血液がチャンバー220および226から容器270へ流れ込む。
【0028】
上述のニードルアッセンブリは、好ましくは、従来の使用のために小さくあるべきだが、しかし、確実かつ迅速なフラッシュバックのために構成されるべきである。上述の図示され説明されたニードルアッセンブリにおけるフラッシュバックの発生は、理想気体の法則に従い起きる。特に、極小の密度ですべてのガスおよび蒸気の性質は、理想気体の性質に似ており、既述のボイルシャルルの法則(P1V1=P2V2)に密接に従う。
P1は、針挿入以前のニードルアッセンブリ内の空気圧を表す。
P2は、静脈エントリー後のニードルアッセンブリ内の空気圧を表す。
V1は、静脈エントリー以前のニードルアッセンブリ内の空気量を表す。
V2は、静脈エントリー後のニードルアッセンブリ内の空気量を表す。
【0029】
上述の平衡状態による規定されるような適量を確保しながら、設計パラメータは、使い方を簡単にするためにできる限り小さいニードルデバイスを保つべきである。図9および図10は、理想気体の法則の適用を図示するために図6〜図8におけるニードルアッセンブリ210の略図をもたらす。これに関して、Aは、入口用カニューレ236の中の管腔248の容積を表す。Bは、アウターチャンバー220、インナーチャンバー226、出口用カニューレ252の中の管腔242、および密封可能なスリーブ261における全容積を表す。再び上述の平衡状態を参照し、P1は、使用前のニードルアッセンブリ210内の圧力であり、従って、実質的に大気圧に等しい。大気圧は、時々、場所により僅かに変化するだろう。しかしながら、この分析のために大気圧P1は、760mmHgと仮定する。上述の平衡状態でP2は、静脈エントリー後のニードルアッセンブリ210内のデッドスペースの容積である。さらに詳細には、静脈エントリー後、血液は、カニューレ236の管腔248を満たし、それにより、ニードルアッセンブリ210における残部においてガスにより占有される容積を減少させ、従って、ニードルアッセンブリ210の残部において空気圧を増大させる。およそ図6〜図10に示されるような寸法を有するニードルアッセンブリは、静脈圧(止血器付き)で約790mmHgの圧力P2を有するだろう。上述の平衡状態でV1は、使用前におけるニードルアッセンブリ210のデッドスペース全体の容積を規定し、従って、図9に示されるようにA+Bに等しいだろう。V2は、図10に示されるように、静脈エントリー後において入口用カニューレ236の管腔248が血液で満たされた状態で装置におけるデッドスペースを規定する。従って、上述の平衡状態でV2は、Bと等しいだろう。これらの入力パラメータは、以下の理想気体の法則の方程式の適用において示されるように、ニードルアッセンブリ200の各部品の最小とされる望ましい大きさを形成するように用いられ得る。
【0030】
P1V1=P2V2
P1/P2=V2/V1
760/790=B/(A+B)
0.962=B/(A+B)
0.962(A+B)=B
0.038B=0.962A
B=25.3A
従って、ハウジング212、出口用カニューレ252、およびスリーブ261におけるデッドスペースは、好ましくは、入口用カニューレ236の中の管腔248により形成される容積の少なくとも25.3倍であり、最も好ましくは、管腔248の容積の約26倍である。
【0031】
申し分のない静脈エントリーのとき、ハウジング212内の空気は、静脈圧の作用下で圧縮される。それにより、視覚化のために血液がインナーチャンバー220に流入可能である。血流が一旦止まるならば、ハウジング212内の圧力は、静脈圧と等しくなり、血流が出口用カニューレ252の内側の端部254を覆う。
【0032】
真空にされた管が出口用カニューレ252に連通して配される場合、即時反応により静脈からの血液およびハウジング212からの空気を図8に示されるように管270に引き込む。最も高い圧力勾配が、常に静脈と真空にされた管270との間に維持される。中心軸線が一致する入口用カニューレ236および出口用252は、静脈から真空にされた管270への血流のためのふさがれない通路をもたらす。逆に、ハウジング212内の空気は、出口用カニューレ252への曲がりくねった通路を有し、ハウジング212から出口用カニューレ252への空気の流れは、入口用カニューレ236と出口用カニューレ252との間の遮るものがない軸方向の各血流により迂回される。ハウジング212内のいくらかの空気が真空にされた管270に引き込まれるとき、ハウジング212内の圧力は、静脈圧以下に低下する。従って、ハウジング212が加圧され静脈圧に戻るまでより多くのエアーロス(air loss)が防止され、ハウジング212内の圧力が静脈圧と等しくなるまで血液がフラッシュバックチャンバー226に流れ込む。ハウジング212内の上述の加圧および減圧の動力学が、フラッシュバックチャンバー226内の脈動血液の柱をもたらし、従って、真空にされた管270に引き込まれる空気を最小にする。
【0033】
上記の実施例は、互いに中心軸線を一致させ互いに直列に近接した関係をもって配されている構造的に入口用カニューレと出口用カニューレとが分離したものを示している。しかしながら、上述の本発明の最も重要な点は、フラッシュバックチャンバー内の横の穴または開口とともに形成される単一のカニューレにより達成され得る。例えば、図11は、上述され図示されたハウジング212と実質的に同一であるハウジング312を有するニードルアッセンブリ310を簡略化して示す。ニードルアッセンブリ310は、単一複合式(single and double)でニードルカニューレ336が設けられ、ハウジング312内を全体が通過している点でニードルアッセンブリ210と相違する。さらに詳細には、ニードルカニューレ336は、静脈エントリー用端部338と、患者側でない端部340と、その間を延在する管腔342とを含んでいる。内壁324内のカニューレ336の一部は、管腔342と内壁324内のフラッシュバックチャンバー336との間を連通させるように設けられる長穴即ち開口344を含んでいる。ニードルアッセンブリ310は、上述され図示されたニードルアッセンブリ210と実質的に同様な方法で
機能を果たす。
【0034】
相対的な寸法の計算、容積および圧力が第2の実施例に対して行なわれたが、同様な理論は、第1の実施例、他に示されるフラッシュバックチャンバー付きニードルアッセンブリにも適用される。従って、添付の請求の範囲により定義される本発明の範囲は、特定の示される実施例に制限されない。様々な他の変更および修正が本発明の範囲または精神から逸脱することなく、当業者により行なわれても良い。また、本発明の範囲内に入るそのような変更および修正のすべてを請求することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のニードルアッセンブリの斜視図である。
【図2】図1におけるニードルアッセンブリの側面図である。
【図3】図2における3−3線に沿ったニードルアッセンブリの側断面図である。
【図4】従来のニードルホルダーを備えた図1におけるニードルアッセンブリの使い方を示す。
【図5】患者の腕における静脈注射の間、従来のニードルホルダーおよび容器により使用されているニードルアッセンブリの断面図である。
【図6】本発明のニードルアッセンブリの代替えの実施例の断面図である。
【図7】従来のニードルホルダーによる図6におけるニードルアッセンブリの使い方を示す。
【図8】患者の腕における静脈注射の間、従来のニードルホルダーおよび容器により使用されているニードルアッセンブリの断面図である。
【図9】使用前の図6におけるニードルアッセンブリの概略説明図である。
【図10】静脈エントリーを示す図9に類似する概略説明図である。
【図11】第3実施例の概略説明図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口端部と、出口端部と、その相互間に形成されるチャンバーとを有するハウジングと、
相対向する外側の端部および内側の端部と、該端部相互間に延在する管腔とを有する入口用カニューレであって、該入口用カニューレの前記外側の端部が前記ハウジングの外部にあり、該入口用カニューレの中の前記管腔が前記チャンバーに連通するように前記ハウジングに取り付けられる入口用カニューレと、
相対向する内側の端部および外側の端部と、該端部の相互間を延在する管腔とを有する
出口用カニューレであって、該出口用カニューレの前記外側の端部が前記ハウジングの外側にあり、該出口用カニューレの該管腔が前記チャンバーに連通するように前記ハウジングに取り付けられる出口用カニューレと、
前記ハウジングの外部に配され前記出口用カニューレの一部の上方に取り付けられる密封可能なスリーブと、を備え、
前記密封可能なスリーブと、前記出口用カニューレの前記管腔と、前記ハウジングの前記チャンバーとは、前記入口用カニューレの前記管腔により形成される容積よりも十分大なる結合された容積を形成し、前記入口用カニューレの前記外側の端部近傍に静脈エントリーの迅速な表示を実現するニードルアッセンブリ。
【請求項2】
前記密封可能なスリーブと、前記出口用カニューレの前記管腔と、前記チャンバーにおける結合された容積は、前記入口用カニューレの前記管腔の容積の約26倍である請求項1記載のニードルアッセンブリ。
【請求項3】
前記密封可能なスリーブと、前記出口用カニューレの前記管腔と、前記チャンバーにおける結合された容積は、使用前のニードルアッセンブリ内の圧力と前記入口用カニューレの前記管腔が流体で満たされる場合における該ニードルアッセンブリの圧力との比率と前記ニードルアッセンブリにおける使用前の容積とを掛けた積に少なくとも等しい請求項1記載のニードルアッセンブリ。
【請求項4】
前記入口用カニューレの前記管腔は、中心軸線が前記出口用カニューレの前記管腔と実質的に一致する請求項1記載のニードルアッセンブリ。
【請求項5】
前記入口用カニューレは、約0.5mmから約1.2mmまでの間の距離だけ前記出口用カニューレに対し離隔している請求項4記載のニードルアッセンブリ。
【請求項6】
前記入口用カニューレは、約1.0mmの距離だけ前記出口用カニューレに対し離隔している請求項5記載のニードルアッセンブリ。
【請求項7】
前記ハウジングの前記入口端部から延在し前記チャンバー内に配され、前記入口用カニューレの内側の端部と前記出口用カニューレの内側の端部とを囲むフラッシュバックチャンバー壁をさらに含む請求項4記載のニードルアッセンブリ。
【請求項8】
前記フラッシュバックチャンバー壁は、前記入口用カニューレおよび前記出口用カニューレの回りに約0.2mmの半径方向の隙間を形成する寸法を有する請求項7記載のニードルアッセンブリ。
【請求項9】
前記フラッシュバックチャンバー壁は、前記ハウジングにおける入口端部と出口端部との間の距離の大部分を延在する請求項8記載のニードルアッセンブリ。
【請求項10】
前記フラッシュバックチャンバー壁は、約1.15mmの距離だけ前記ハウジングの出口用端部から離隔している請求項9記載のニードルアッセンブリ。
【請求項11】
前記入口用カニューレは、約0.5mmから約1.2mmまでの間の距離だけ前記出口用カニューレから離隔している請求項10記載のニードルアッセンブリ。
【請求項12】
前記ハウジングは、該ハウジングの入口端部に入口端部壁を有し、前記入口用カニューレは、該入口端部壁、前記入口用カニューレと溝を形成する前記チャンバーとの間の入口端部壁の一部分に確実に取り付けられ、前記出口用カニューレは、前記出口用カニューレの前記内側の端部が該溝にあるように前記チャンバーを貫通する請求項1記載のニードルアッセンブリ。
【請求項13】
前記溝は、該溝に延在する出口用カニューレの一部分を囲む環状の空間を形成するような寸法を有している請求項12記載のニードルアッセンブリ。
【請求項14】
前記ハウジングは、空気抜きがない請求項1記載のニードルアッセンブリ。
【請求項15】
入口端壁と、出口端壁と、該入口端壁と該出口端壁との相互間に延在し空気抜きがないチャンバーを形成する実質的に管状の外壁と、該入口端壁から該出口端壁に向かって延在する実質的に管状のフラッシュバックチャンバー壁とを有するハウジングであって、該管状の外壁および該フラッシュバックチャンバー壁における少なくとも一部分が実質的透明物質で形成されるハウジングと、
相対向する外側の端部および内側の端部と、該端部相互間に延在する管腔とを有する入口用カニューレであって、該入口用カニューレの前記外側の端部が前記ハウジングの外部にあり、該入口用カニューレの中の前記管腔が前記フラッシュバックチャンバー壁により結合される前記チャンバーの一部分に連通するように前記入口端壁に取り付けられる入口用カニューレと、
相対向する内側の端部および外側の端部と、該端部の相互間を延在する管腔とを有する
出口用カニューレであって、該出口用カニューレの前記外側の端部が前記ハウジングの外側にあり、該出口用カニューレの内側の端部は、前記入口用カニューレの内側の端部と一直線となるように前記出口端壁に取り付けられる出口用カニューレと、
前記ハウジングの外部に配され前記出口用カニューレの一部の上方に取り付けられる密封可能なスリーブと、を備え、
前記チャンバーは、前記密封可能なスリーブ、前記出口用カニューレの前記管腔、および前記入口用カニューレの前記管腔の容積を基準とした容積を画定するように形成され、前記フラッシュバックチャンバー壁により結合された領域に静脈エントリーの迅速な表示を実現する血液採集用ニードルアッセンブリ。
【請求項16】
前記密封可能なスリーブと、前記出口用カニューレの前記管腔と、前記チャンバーにおける結合された容積は、前記入口用カニューレの前記管腔の容積の約26倍である請求項15記載の血液採集用ニードルアッセンブリ。
【請求項17】
前記入口用カニューレは、約0.5mmから約1.2mmまでの間の距離だけ前記出口用カニューレに対し離隔している請求項16記載の血液採集用ニードルアッセンブリ。
【請求項18】
前記フラッシュバックチャンバー壁は、前記入口用カニューレおよび前記出口用カニューレの回りに約0.2mmの半径方向の隙間を形成する寸法を有する請求項17記載の血液採集用ニードルアッセンブリ。
【請求項1】
入口端部と、出口端部と、その相互間に形成されるチャンバーとを有するハウジングと、
相対向する外側の端部および内側の端部と、該端部相互間に延在する管腔とを有する入口用カニューレであって、該入口用カニューレの前記外側の端部が前記ハウジングの外部にあり、該入口用カニューレの中の前記管腔が前記チャンバーに連通するように前記ハウジングに取り付けられる入口用カニューレと、
相対向する内側の端部および外側の端部と、該端部の相互間を延在する管腔とを有する
出口用カニューレであって、該出口用カニューレの前記外側の端部が前記ハウジングの外側にあり、該出口用カニューレの該管腔が前記チャンバーに連通するように前記ハウジングに取り付けられる出口用カニューレと、
前記ハウジングの外部に配され前記出口用カニューレの一部の上方に取り付けられる密封可能なスリーブと、を備え、
前記密封可能なスリーブと、前記出口用カニューレの前記管腔と、前記ハウジングの前記チャンバーとは、前記入口用カニューレの前記管腔により形成される容積よりも十分大なる結合された容積を形成し、前記入口用カニューレの前記外側の端部近傍に静脈エントリーの迅速な表示を実現するニードルアッセンブリ。
【請求項2】
前記密封可能なスリーブと、前記出口用カニューレの前記管腔と、前記チャンバーにおける結合された容積は、前記入口用カニューレの前記管腔の容積の約26倍である請求項1記載のニードルアッセンブリ。
【請求項3】
前記密封可能なスリーブと、前記出口用カニューレの前記管腔と、前記チャンバーにおける結合された容積は、使用前のニードルアッセンブリ内の圧力と前記入口用カニューレの前記管腔が流体で満たされる場合における該ニードルアッセンブリの圧力との比率と前記ニードルアッセンブリにおける使用前の容積とを掛けた積に少なくとも等しい請求項1記載のニードルアッセンブリ。
【請求項4】
前記入口用カニューレの前記管腔は、中心軸線が前記出口用カニューレの前記管腔と実質的に一致する請求項1記載のニードルアッセンブリ。
【請求項5】
前記入口用カニューレは、約0.5mmから約1.2mmまでの間の距離だけ前記出口用カニューレに対し離隔している請求項4記載のニードルアッセンブリ。
【請求項6】
前記入口用カニューレは、約1.0mmの距離だけ前記出口用カニューレに対し離隔している請求項5記載のニードルアッセンブリ。
【請求項7】
前記ハウジングの前記入口端部から延在し前記チャンバー内に配され、前記入口用カニューレの内側の端部と前記出口用カニューレの内側の端部とを囲むフラッシュバックチャンバー壁をさらに含む請求項4記載のニードルアッセンブリ。
【請求項8】
前記フラッシュバックチャンバー壁は、前記入口用カニューレおよび前記出口用カニューレの回りに約0.2mmの半径方向の隙間を形成する寸法を有する請求項7記載のニードルアッセンブリ。
【請求項9】
前記フラッシュバックチャンバー壁は、前記ハウジングにおける入口端部と出口端部との間の距離の大部分を延在する請求項8記載のニードルアッセンブリ。
【請求項10】
前記フラッシュバックチャンバー壁は、約1.15mmの距離だけ前記ハウジングの出口用端部から離隔している請求項9記載のニードルアッセンブリ。
【請求項11】
前記入口用カニューレは、約0.5mmから約1.2mmまでの間の距離だけ前記出口用カニューレから離隔している請求項10記載のニードルアッセンブリ。
【請求項12】
前記ハウジングは、該ハウジングの入口端部に入口端部壁を有し、前記入口用カニューレは、該入口端部壁、前記入口用カニューレと溝を形成する前記チャンバーとの間の入口端部壁の一部分に確実に取り付けられ、前記出口用カニューレは、前記出口用カニューレの前記内側の端部が該溝にあるように前記チャンバーを貫通する請求項1記載のニードルアッセンブリ。
【請求項13】
前記溝は、該溝に延在する出口用カニューレの一部分を囲む環状の空間を形成するような寸法を有している請求項12記載のニードルアッセンブリ。
【請求項14】
前記ハウジングは、空気抜きがない請求項1記載のニードルアッセンブリ。
【請求項15】
入口端壁と、出口端壁と、該入口端壁と該出口端壁との相互間に延在し空気抜きがないチャンバーを形成する実質的に管状の外壁と、該入口端壁から該出口端壁に向かって延在する実質的に管状のフラッシュバックチャンバー壁とを有するハウジングであって、該管状の外壁および該フラッシュバックチャンバー壁における少なくとも一部分が実質的透明物質で形成されるハウジングと、
相対向する外側の端部および内側の端部と、該端部相互間に延在する管腔とを有する入口用カニューレであって、該入口用カニューレの前記外側の端部が前記ハウジングの外部にあり、該入口用カニューレの中の前記管腔が前記フラッシュバックチャンバー壁により結合される前記チャンバーの一部分に連通するように前記入口端壁に取り付けられる入口用カニューレと、
相対向する内側の端部および外側の端部と、該端部の相互間を延在する管腔とを有する
出口用カニューレであって、該出口用カニューレの前記外側の端部が前記ハウジングの外側にあり、該出口用カニューレの内側の端部は、前記入口用カニューレの内側の端部と一直線となるように前記出口端壁に取り付けられる出口用カニューレと、
前記ハウジングの外部に配され前記出口用カニューレの一部の上方に取り付けられる密封可能なスリーブと、を備え、
前記チャンバーは、前記密封可能なスリーブ、前記出口用カニューレの前記管腔、および前記入口用カニューレの前記管腔の容積を基準とした容積を画定するように形成され、前記フラッシュバックチャンバー壁により結合された領域に静脈エントリーの迅速な表示を実現する血液採集用ニードルアッセンブリ。
【請求項16】
前記密封可能なスリーブと、前記出口用カニューレの前記管腔と、前記チャンバーにおける結合された容積は、前記入口用カニューレの前記管腔の容積の約26倍である請求項15記載の血液採集用ニードルアッセンブリ。
【請求項17】
前記入口用カニューレは、約0.5mmから約1.2mmまでの間の距離だけ前記出口用カニューレに対し離隔している請求項16記載の血液採集用ニードルアッセンブリ。
【請求項18】
前記フラッシュバックチャンバー壁は、前記入口用カニューレおよび前記出口用カニューレの回りに約0.2mmの半径方向の隙間を形成する寸法を有する請求項17記載の血液採集用ニードルアッセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2006−512969(P2006−512969A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−566488(P2004−566488)
【出願日】平成15年11月7日(2003.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/035522
【国際公開番号】WO2004/062499
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年11月7日(2003.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/035522
【国際公開番号】WO2004/062499
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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