説明

フランジ又は接続リングにフレキシブルコンテナを接続するための接続装置

本発明は、フランジ又は接続リング(3)にフレキシブルコンテナ(1)を接続するための接続装置において、内側、及び、フランジ又は接続リング(3)に面する接続側面(18)において半径方向に内面を有する外側リング(10、10’、10’’)と、コンテナ(1)の端部(2)がそのまわりに向きを変えることができる外側において半径方向に外面を有する内側リング(20、20’、20’’)とを有し、外面及び内面が、少なくとも部分的に互いと合致して形成されており、その結果、接続位置をもたらすために外側リング(10、10’、10’’)と内側リング(20、20’、20’’)との間に端部(2)が固定されることができ、内側リング(20、20’、20’’)が、接続側面(18)から外側リング(10、10’、10’’)内に挿入されることができ、接続位置において、内側リング(20、20’、20’’)が、接続側面(18)とは反対向きに外側リング(10、10’、10’’)に支持されており、外側リング(10、10’、10’’)が、完全に円周状の、円形断面を有する半径方向内側に開放した容器溝(15)を、内側において半径方向に有し、内側リング(20)が、1部品で形成されており、外面の1つの領域において円形断面を有し、内側リング(20)が、接続位置をもたらすために、容器溝(15)内に嵌入するのを可能とするように単一の柔軟性材料からなる、ことを特徴とする接続装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば欧州特許第1656311号明細書に記載された請求項1のプリアンブルに開示されたような特徴を有するフランジ又は接続リングにフレキシブルコンテナを接続するための接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の公知の接続装置は、環境に対してできる限り封止された方法でフランジ又は他のコンテナに対してフレキシブルコンテナを接続するために、複雑な方法で互いと組み合わされなければならない複数の要素からなる。その際、フレキシブルコンテナは、少なくとも2つの要素間に固定される。固定は、例えば円周クランプリング等の要素まわりにともに係合するリソースによって補助される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が課題とする問題は、できる限り少ない要素でフランジ又は接続リングにフレキシブルコンテナを接続するための接続装置を構成することを含み、少ない要素は、複数の機能を組み合わせ、製造する際にできる限りコスト効率がよい。特に、環境に対して封止され、且つ、装置内に挿入されることになるできる限り簡便な、できるだけ少数の封止要素を有する接続を提供することが試みられる。
【0004】
問題は、請求項1の特徴を有する接続装置により、本発明にしたがって解決される。有利な実施形態は、従属請求項において規定される。
【0005】
汎用型の接続装置は、フランジ又は接続リングに対するフレキシブルコンテナの接続に適している。それは、内側及びフランジ又は接続リングに面する接続側面において半径方向に内面を有する外側リングと、外側において半径方向に外面を有する内側リングとを有する。コンテナの端部は、外面まわりに向きを変えることができる。コンテナの端部は、外面まわりに向きを変えることができる。外面及び内面は、少なくとも部分的に互いと合致して形成されており、その結果、接続位置をもたらすために外側リングと内側リングとの間に端部が固定されることができる。内側リングは、接続側面から外側リング内に挿入されることができ、接続位置において、前記内側リングは、接続側面とは反対向きに外側リングに支持される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、外側リングは、内側において半径方向に、完全に円周状の、円形断面を有する半径方向内側に開放した容器溝を有する。内側リングは、1部品で且つ外面の1領域において円形断面を有して形成されている。さらにまた、内側リングは、接続位置をもたらすために、容器溝内に嵌入することができるように単一の柔軟性材料からなる。
【0007】
例えば、接続リングとして提案される構成において、外側リングと同一である他のリングが、外側リングに対して接続され得る。その際、例えば外側リングと接続リングとの間に配置されなければならないであろういかなる他の要素も必要とはしない。コンテナの中身は、もっぱら内側リング及び外側リングによって完全に確保され、その結果、この種の直接接続は、接続リングに対して可能とされる。その際、コンテナ及び環境に対して封止される封止部をしっかりと保持する機能は、互いに相互作用する2つのリングによって果たされる。
【0008】
柔軟性材料は、外側リング内への内側リングの十分な固定を確保する。一方、挿入プロセス中には柔軟性が要求される。内側リングは、接続側面における外側リングの内径にわたって且つ容器溝内に挿入されるのを可能とするために、より小さくならなければならない。さらにまた、柔軟性は、好ましくは、コンテナに対してリングを封止するのに利用される。そのため、好ましい実施形態において、内側リングの半径方向最外部の外径は、外側リングの半径方向最外部の内径よりも大きく形成される。溝に輪郭がある場合、溝又は内側リングの断面における複数の隆起部分のうちの1つはまた、過剰な寸法を有することがある。
【0009】
内側リングは、さらなるリソースなしで、記載された過剰な寸法によって内側リング内にここで挿入されることができる。内側リングまわりに折り曲げられるフレキシブルコンテナは、外面の円弧状断面により、さらなるリソースなしでリング間に押し込められ、その結果、環境に対して封止された接続が、リングとフレキシブルコンテナとの間に形成される。
【0010】
過剰な寸法による解決策の代わりに又はさらに、リングのうちの1つは、少なくとも部分的に円周状の隆起部分を有することができ、その結果、貫流方向でみたとき、対応するリングは、隆起部分なしで他のリングと同じ高さで終わらない。一般的なフランジに対して固定されることにより、この方法で形成されたリングは、結果として互いに対して貫流方向に移動され、その結果、一般的なフランジに対して隆起部分によってリングの圧力が高められて所望の封止が改善される。
【0011】
提案された接続装置は、間違った取り付けをする可能性がないような方法で取り付けたり、取り外したりすることが容易である。リングは、1つの与えられた配向だけで回転配向なしで嵌合させる。位置的配向は、ここでは内側リングについては必要ない。
【0012】
内側リングの場合、標準部品に対してリソースを有する費用効率の高い可能性がある。断面でみたとき、外面の近くに、また、適切な場合にはそれに応じて容器溝内にも輪郭を備えるのが有利であり得る。
【0013】
有利な実施形態において、コンテナへの損傷を防止するためにコンテナに接触する部品において鋭い端部を回避することに注意が払われる。
【0014】
さらなる有利な実施形態において、外側リングは、単一部品からなる。
【0015】
さらなる有利な実施形態において、嵌め位置において、内側リングは、軸方向において容器溝内に両側で支持されている。
【0016】
さらなる有利な実施形態において、外側リングは、接続側面において、内側リングの外径よりも小さい内径を有して形成されている。
【0017】
さらなる有利な実施形態において、容器溝は、時計の文字盤にしたがって考えたとき、前記容器溝が嵌め位置において約7時から1時まで又は反対に11時から5時まで内側リングの円形断面まわりに係合するように形成されている。
【0018】
さらなる有利な実施形態において、外側リング及び/又は内側リングは、各接続側面上に円周状封止リップを有する。そのような隆起部分はまた、封止機能が隆起部分によって果たされるべきであるかどうかにかかわらず、フランジ又は接続リングに対するセンタリング機能を果たす。
【0019】
さらなる有利な実施形態において、外側リング及び/又は内側リングは、軸方向においてフランジに面して、封止部を受けるための円周溝を有する。
【0020】
したがって、環境に対して封止されるようにフランジに対して又は接続リングに対してコンテナを封止することは、内側リング、外側リング、又は双方のリングと、フランジ又は接続リングとの間におけるコンテナの固定によって有利に確保される。ここで、封止部又は封止リップは、好ましくは、特に約80ショアAの硬度を有する、硬いが弾力性のあるプラスチックからなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明は、以下の図面を参照して以下により詳細に説明されるであろう。
【0022】
【図1】嵌め位置をもたらすために外側リングに固定するのに使用可能である、内側リングまわりに向きを変えられたフレキシブルコンテナを有する第1の典型的な実施形態にかかる接続装置を通る軸方向断面図を示す。
【0023】
【図2】嵌め位置における図1の接続装置を通る軸方向断面図を示す。
【0024】
【図3】嵌め位置をもたらすために外側リング内に固定するのに使用可能である、内側リングまわりに向きを変えられたフレキシブルコンテナを有する第2の典型的な実施形態にかかる接続装置を通る軸方向断面図を示す。
【0025】
【図4】嵌め位置における図3の接続装置を通る軸方向断面図を示す。
【0026】
【図5】嵌め位置において、接続リングに対する接続がある、内側リングまわりに向きを変えられたフレキシブルコンテナを有する第3の典型的な実施形態にかかる接続装置を通る軸方向断面図を示す。
【0027】
【図6】さらなる接続リングに対する接続がある、図4の接続装置を通る軸方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1乃至図6は、3つの典型的な実施形態における本発明の接続装置を示す。
【0029】
一般に、接続装置は、フランジ又は接続リング3にフレキシブルコンテナ1を接続する。接続装置は、半径方向外側要素として、常にコンテナ1の半径方向外側に配置されている外側リング10、10’、10’’を有する。外側リング10、10’、10’’は、内側において半径方向にコンテナ1に面する内面を有する。外側リング10、10’、10’’は、軸方向Aにおいてフランジ又は接続リング3に面する接続側面18を有する。
【0030】
接続装置は、半径方向内側要素として、コンテナ1の端部2がそのまわりに向きを変えることができる外側において半径方向に外面を有する内側リング20、20’、20’’を有する。図1乃至図6は、各内側リング20、20’、20’’まわりに内側から外側へと向きを変えられたコンテナ1を示す。
【0031】
外面及び内面は、互いと合致するように形成されている。図2及び図4乃至図6によれば、端部2は、内側リング20、20’、20’’が外側リング10、10’、10’’内に嵌められた後、外側リング10、10’、10’’と内側リング20、20’、20’’との間に固定される。本願明細書では、嵌入は、外側リング内への内側リングの挿入であると理解される。ここで、内側リング自体は、その柔軟性のため外側リング内に固定する。そのため、本発明にかかる容器溝15、15’、15’’は、外側リング内の内側リングのために形成される。
【0032】
内側リング20、20’、20’’は、接続側面18から外側リング10、10’、10’’内に挿入される。挿入されるとき、まず、接続側面18とは反対向きに容器溝15、15’、15’’内に支持される。つぎに、半径方向内側に完全に円周状の、円形断面を有する半径方向内側に開放した容器溝15、15’、15’’が、接続側面18に面しながら内側リング20、20’、20’’を支持する。
【0033】
内側リング20、20’、20’’は、外面の領域において円形断面を有する1部品で形成されている。接続側面18における外側リング10、10’、10’’のより狭い内径19に適合された後に接続位置をもたらすために、前記内側リング20、20’、20’’は、容器溝15、15’、15’’内に嵌入することができるように単一の柔軟性材料からなる。
【0034】
外側リング10、10’、10’’に面して、内側リング20、20’、20’’は、環境に対して封止されるような方法で容器溝15、15’、15’’内にコンテナ1を押圧する円形固定面25を有する。容器溝15、15’、15’’に対する内側リング10、10’、10’’の過剰寸法は、コンテナ1の壁厚に応じて形成される又は形成されない。オーバーサイズ量は、固定面25の半径方向最外部の外径29と、容器溝15、15’、15’’の半径方向最外部の内径17との差異によって寸法決めされる。結果として、適切な内側リングが、対応するコンテナにそれぞれ備えられる。
【0035】
図1及び図2に示される第1の典型的な実施形態は、他の円形断面を有する半径方向内側に平坦な内側リング20と、封止リップ14を有する外側リング10とを有する。封止リップ14は、フランジ又は接続リングに面して外側リング10上において円周状に一体的に成形される。
【0036】
図3、図4及び図6に示される第2の典型的な実施形態は、接続リング3’に面する円周状隆起部分として具体化される突起24’を有する半径方向内側に平坦な内側リング20’を有する。接続位置において、突起24’は、内側リング20’まわりに向きを変えられたコンテナ1に接触して接続リング3’とともに内側リングを封止し、また、前記突起24’は、反対方向に固定された接続リング3’を封止する。
【0037】
図5に示される第3の典型的な実施形態は、非常に簡便なデザインからなり且つ完全に円形断面を有する内側リング20’’を有する。外側リング10’’は、接続リング3’’に面する円周封止リップ14’’を有する。
【0038】
様々な典型的な実施形態は、1部品で具体化されることができる異なる外側リング10、10’、10’’を示している。示される封止リップ14、14’’は、その上に一体的に成形されることができるか、又は、外側リング10、10’’における接続側面18上の円周溝内に別個の封止リングとして挿入されることができる。円周溝は、軸方向において接続リング3’’に面して開放されている。
【符号の説明】
【0039】
1 コンテナ
2 端部
3’、3’’ 接続リング
10、10’、10’’ 外側リング
14、14’’ 封止リング
15、15’、15’’ 容器溝
17 半径方向最外部の内径
18 接続側面
19 内径
20、20’、20’’ 内側リング
24’ 突起
25 固定面
29 外径
A 軸方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ又は接続リング(3)にフレキシブルコンテナ(1)を接続するための接続装置において、
1.1 内側、及び、フランジ又は接続リング(3)に面する接続側面(18)において半径方向に内面を有する外側リング(10、10’、10’’)と、
1.2 コンテナ(1)の端部(2)がそのまわりに向きを変えることができる外側において半径方向に外面を有する内側リング(20、20’、20’’)とを有し、
1.3 外面及び内面が、少なくとも部分的に互いと合致して形成されており、その結果、接続位置をもたらすために外側リング(10、10’、10’’)と内側リング(20、20’、20’’)との間に端部(2)が固定されることができ、
1.4 内側リング(20、20’、20’’)が、接続側面(18)から外側リング(10、10’、10’’)内に挿入されることができ、接続位置において、内側リング(20、20’、20’’)が、接続側面(18)とは反対向きに外側リング(10、10’、10’’)に支持されており、
外側リング(10、10’、10’’)が、完全に円周状の、円形断面を有する半径方向内側に開放した容器溝(15)を、内側において半径方向に有し、内側リング(20)が、1部品で形成されており、外面の1つの領域において円形断面を有し、内側リング(20)が、接続位置をもたらすために、容器溝(15)内に嵌入するのを可能とするように単一の柔軟性材料からなる、ことを特徴とする接続装置。
【請求項2】
外側リング(10)が1部品からなる、ことを特徴とする請求項1記載の接続装置。
【請求項3】
嵌め位置において、内側リング(20)が、軸方向(A)において容器溝(15)内に両側において支持されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の接続装置。
【請求項4】
外側リング(10)が、接続側面(18)において、内側リング(20)の半径方向最外部の外径(29)よりも小さい内径(19)を有して形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項記載の接続装置。
【請求項5】
容器溝(25)が、時計の文字盤にしたがって考えたとき、前記容器溝が嵌め位置において約7時から1時まで内側リング(20)の円形断面まわりに係合するように形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項記載の接続装置。
【請求項6】
外側リング(10)及び/又は内側リング(20)が、各接続側面(18)上に円周状封止部(14、14’、14’’)を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項記載の接続装置。
【請求項7】
外側リング(10)及び/又は内側リング(20)が、軸方向(A)においてフランジ又は接続リング(3)に面して、封止部を受けるための円周溝を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項記載の接続装置。
【請求項8】
内側リング(20)の半径方向最外部の外径(29)が、外側リング(10)の半径方向最外部の内径(17)よりも大きい、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項記載の接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−520374(P2013−520374A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554240(P2012−554240)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000654
【国際公開番号】WO2011/103965
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(511250219)フレコテック アーゲー (4)
【Fターム(参考)】