説明

フレコン開封装置

【課題】 フレキシブルコンテナバッグ(以下、「フレコン」という)内容物の流動性が少なくても、容易に内容物を排出でき、かつ簡単な構造のフレコン開封装置を提供する。
【解決手段】 荷受けホッパ1上部にフレコン預け台2を設置し、前記フレコン預け台2に切れ歯4を取り付けた回転可能な回転体3を取付け、前記回転体3を回転させることによってフレコン底部を切断し、フレコンを開封する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不定形耐火物などの入ったフレキシブルコンテナバッグ(以下、「フレコン」という)を安全かつ迅速に開封して内容物を排出させる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フレコンの開封は、内容物の入ったフレコンを不定形耐火物を混練するミキサーや不定形耐火物を混練する前に収容する荷受けホッパ(以下、単に「ホッパ」という)の真上に吊った状態にして、作業者が吊られた状態のフレコンの下に手を入れて、鎌などの刃物でフレコン底部を切開して開封していた。しかし、この作業は吊り荷の真下で作業であり、危険な作業である。そこで、種々の技術が開発されている。特許文献1はホッパ内の開口部に上刃付きナイフ体を逆V字状に固設し、吊られたフレコンをホッパ開口部に下ろしたときに、フレコン底部を前記ナイフ体に接触させて、フレコンを開封する仕組みである。特許文献2はホッパ開口部上端に預け台を固設し、該預け台に刃物を駆動手段により移動可能に設け、フレコンを預け台に戴置した後に、該刃物でフレコン底部を開封する仕組みである。
【0003】
特許文献1はフレコン内容物が粉体など、ある程度流動性を有し、フレコンが変形可能なときは大きく開封でき、経済的にも有効な手段であるが、練り土などフレコン内容物に流動性がほとんどない場合は、刃先が十分入り込めず開封口が小さく、内容物が排出されない。このため、前記のごとく人手にて刃物で切開することが多かった。
【0004】
特許文献2では、駆動装置を有しているため、特許文献1に比べ手間は少なくて済むが、装置の構造が非常に複雑となり、製作コストが嵩むというデメリットがある。また、複数の刃物を有していても、刃物は互いに平行にかつ直線的にしか動かないため、実質的な開口径はあまり大きなものではなく、特許文献1同様ある程度の流動性を有する材料にしか適用できない。
【0005】
【特許文献1】実開平04−132017号公報
【特許文献2】特開平11−292044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者らは従来の技術が有する問題点を検討し、本発明に係るフレコン開封装置の開発に至った。
【0007】
通常粉体等ある程度流動性のある材料の場合は、排出口付のフレコンが使用され排出口をあけると、材料は流れ落ちる。しかし、フレコンの内容物が練り土状でほとんど流動しないような材料が詰まった状態のものでは、フレコン内部で棚吊現象を起こし、ほとんどフレコン直径に近い開口径がないとスムーズな排出ができない。
【0008】
そこで簡単な構造で、開口径が大きく開封できるフレコン装置を開発し実用化に至った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に本発明に係る開封装置の構造と機能について説明する。ホッパ上部にはフレコンの預け台が設置されており、クレーン等で運ばれたフレコンは一旦この預け台に戴せられる。
このフレコン預け台の外側には、切れ歯を有した回転可能な回転体が取り付けられており、モータ等にて前記回転体を回転させることでフレコン底部を切断し、フレコンを開封する(請求項1)。
【0010】
前記回転体はフレコン底部の1/2周以上全周未満回転したところで自動停止し、フレコン底部がその回転体が回転した分切断される(請求項2)。フレコンを再度吊り上げることにより、フレコン底部が開封され、スムーズに材料が排出できる上、フレコン底部は全部が切断されていないため、本体と一緒に持ち上がり、フレコンの切れ端が材料に混ざりこむことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0011】
本発明に係るフレコン装置の一例について図1〜図3を用いて説明する。本装置はホッパなどにフレコンから材料を供給するとき、フレコンの底部の一部を切断し、供給するときに使用される。
【0012】
クレーン等で搬送されたフレコン(図示せず)はホッパ1の上部に設置したフレコン預け台2に載せられる。フレコン預け台2の周囲に切れ歯4が取り付けられた回転体3が取り付けられており、ベルト6にて連結した駆動モータ5により回転体3が回転し、フレコン底部を切断する構造としている。
【0013】
また、切れ歯4の回転ストローク両端にはそれぞれ近接スイッチ7が取り付けられており、その部分で回転体3は自動停止する。回転の始端から終端までのストロークはフレコン預け台のほぼ3/4周であり、フレコン底の一部を残して切断するようにしている。これは中の材料を排出した後、フレコンを吊り上げたとき、一緒に持ち上げることにより、フレコンの切れ端が材料に混入しないよう配慮したものである。
【0014】
本装置の運転方法は下記(1)〜(3)の通り。
(1) クレーン等でフレコンを預け台2に載せる。
(2) 駆動モータ5を起動して回転体を回転させる。
(3) 回転体3が自動停止後、フレコンを吊り上げることにより、材料を確実にホ ッパ1に投入することができる。
【0015】
フレコン預け台2は、フレコンの底部のレベルを規制し、切れ歯4が安定して食い込むためのものである。特にフレコン内容物の流動性が低い場合、切れ歯4の食い込みは少ない方が動力を必要としないうえ、切れ歯4の傷みも少ないことから、フレコン預け台2と切れ歯4の位置関係は重要となる。
【0016】
本発明において、回転体3はフレコン預け台2の周囲を回転できる構造であればよい。本実施例では、フレコン預け台2に取り付けた複数の荷重受けローラ9上に回転体3を載せているが、例えばフレコン預け台2と回転体3を旋回ベアリングにより連結しても良い。但しローラ部分やベアリング部分に粉体が入り込むことは好ましくなく、フレコン預け台2と回転体3との接触部にはゴム板等でシールすることが望ましい。
【0017】
また、本実施例では駆動モータ5と回転体3をベルト6で連結しているが、チェーン等で連結してもよく、シャフト等で連結しても良い。そしてベルト6に粉体材料がかからないよう、カバー8を取り付けている。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明によって、簡単な構造で、練り土のような非常に流動性の低い材料の入ったフレコンの排出においても、フレコン底部を大きく開口でき、安全でスムーズな排出が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】 本発明の一実施例の平面図である。
【図2】 本発明の側面図である。
【図3】 本発明の概略図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ホッパ
2 フレコン預け台
3 回転体
4 切れ歯
5 駆動モータ
6 ベルト
7 近接センサー
8 ベルトカバー
9 荷重ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルコンテナバッグ(以下、「フレコン」という)で材料を供給する設備において、受けホッパ上部にフレコン預け台を設置し、前記フレコン預け台に切れ歯を取り付けた回転可能な回転体を取り付け、前記回転体を回転させることによってフレコン底部を切断し、フレコンを開封することを特徴とするフレコン開封装置。
【請求項2】
前記回転体はフレコン底部の1/2周以上全周未満回転したところにて自動停止し、フレコン底部を一定量切断することを特徴とする請求項1に記載のフレコン開封装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−96545(P2009−96545A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294899(P2007−294899)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000001971)品川白煉瓦株式会社 (112)
【Fターム(参考)】