説明

フロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置、運転方法、フロー系レーザーアブレーションシステム

【課題】レーザーアブレーションシステムに分散液を固形物粒子を沈降させずに一定量を安定して供給し得るフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置、その運転方法、該ポンプ装置を用いたフロー系レーザーアブレーションシステムを提供すること。
【解決手段】レーザーアブレーションシステムに分散液を供給するフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置であって、第1シリンジポンプ1と、第2シリンジポンプ2と、4方弁3と、これらを制御する制御器5とを備え、4方弁には第1乃至第4通路L1〜L4が接続されており、第1通路L1に第1シリンジポンプ1の出口を、第2通路L2に第2シリンジポンプ2の出口をそれぞれ接続し、第3通路に分散液を貯留する原液タンク4を接続し、第4通路L4を分散液吐出通路とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液中に難溶性固形物(例えば水中に難水溶性化合物)を分散させた分散液を連続的に流動させ、該流動させた分散液にレーザー光を照射することによって、分散液中の固形物を微細化するレーザーアブレーションシステムとこれに用いるフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置、及びその運転方法に関するものである。
【0002】
抗ガン剤などの一部の医療用有機化合物は、難水溶性のため細胞に吸収され難い。このような難水溶性医薬品の細胞取り込み効率を向上させるために、ごく最近になって、患部の細胞膜を通過し易い大きさにまで薬物を極微粒子化する技術の開発が行われてきている。即ち、癌細胞の細胞膜は、正常な細胞では通過できないおよそ50nm以上、200nm以下の大きさの粒子でも通過できることがわかっており、かかる知見を利用して、この粒子範囲とされた薬物を癌細胞に選択的に供給する技術が、癌の治療方法として、有望視されつつある。また、将来、薬物の粒子径を自在に調整することができれば、癌だけでなく他の病変についても、各種薬物を、選択的に治療を要する部位に作用させることができることが可能となる。このような背景の下、近年、薬物の粒子範囲を調製するために、各種の極微粒子製造装置が提案されている。この極微粒子製造装置としては、例えば、ウェットボールミルと称せられる粉砕装置がある。この粉砕装置は、多数の金属製、又はセラミック製、或いはプラスチック製のボールを、鍔状リングを有するローターと共に円筒容器に収納し、薬物をボールとローターの回転摩擦で粉砕する装置である。
【0003】
また、有機化合物の極微粒子製造方法としては、ナノ秒或いはフェムト秒短パルスレーザービームを用いる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これは、透明容器中の水中懸濁された薬物に対して、外部からパルスレーザーを照射し、薬物を水中粉砕する方法である。
【0004】
レーザーは良く知られているように、そのエネルギー密度が非常に高い。レーザーアブレーションは、対象とする材料(固形物)に対して高強度のレーザー光を照射することにより、光励起によって対象とする材料のイオン化や化学結合の切断、もしくは対象とする材料に高い熱エネルギーが蓄積されることにより、該材料の被照射領域の温度が急激に上昇することを利用した技術である。この急激な温度上昇により、材料は急激に液化・気化し、より温度の高い内部の爆発的な体積膨張にともなって、材料がクラスターイオンとなって、その表面に対して垂直方向に噴出する。このクラスターイオンなどによる薄膜の形成方法が、半導体製造分野等に用いられている。レーザーアブレーションは、多くの場合、気体中(窒素若しくは大気中)または真空中で行われている。
【0005】
また、液中にて高強度のレーザーを固形物に照射して、固形物を微細化する液中レーザーアブレーション微細化処理は、液中に難溶性固形物を分散された分散液に対して、高強度のレーザー光を照射することにより、被照射物質である分散液中の固形物を微細化する技術として用いられている。このような液中にてレーザーアブレーション微細化処理を行う技術的意義としては、下記の事項が挙げられる。
(1)微細化された固形物が液中に保持されるため、空気中に飛散することを防止できる。
(2)真空装置などの大掛かりな装置が不要である。
(3)液中にて実施するため、外部からの不純物の混入を防止できる。
(4)固形物の周囲が液体で覆われているため、予期せぬ温度上昇が生じ難い。
【特許文献1】特開2005−238342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この液中レーザーアブレーション微細化処理を安定的に行うためには、分散液中の固形物を均一に分散させ、且つ、定量的にレーザー光照射位置に分散液を送液する必要がある。この液中レーザーアブレーション微細化処理において適用する固形物の粒子径は、レーザー照射前の一次粒子径が100〜200μm程度、レーザー照射後の二次粒子径が50nm〜150nm程度と想定される。
【0007】
液中の粒子の沈降に関する一般的な条件として、例えば、沈降速度:V(cm/sec)は、有機化合物の密度ρ:1.1(g/cm3)、水の密度ρw:1.0(g/cm3)、重力加速度g:980(cm/sec2)、水の粘度η:0.01poiseと仮定すると、下記ストークの式(1):
V=2(ρ−ρw)gr2/9η ・・・・(1)
により、粒子径が100nmの粒子の場合、V=5.45-8cm/sec、粒子径が150μmの粒子の場合、V=0.123cm/secであり、一次粒子は沈降が速く、二次粒子は殆ど沈降しない。分散液中の固形物粒子に沈降が生じると、分散液濃度が不均一になり、付着や再凝集を起こす等の微細化処理を行う上で重大な問題を招く可能性が高い。
【0008】
一般に、液中レーザーアブレーション微細化処理を実行するためのレーザーアブレーションシステムとしては、レーザー光源と、分散液を流す流路と、該流路に分散液を供給するポンプとを少なくとも備え、このポンプによって流路に所定の流速で分散液を流すと共に、該流路にレーザー光を照射できるように構成されたシステムがある。また、吐出し流量は高精度に調整する必要がある。
【0009】
上記流量範囲より、適用されるポンプとしては、液体クロマトグラフ用に多用される往復動プランジャーポンプやシリンジポンプが想定されるが、プランジャーポンプはチェッキ弁を装備していることから粒子の付着や噛み込みによる作動不良が発生する。また、汎用シリンダポンプは、分散液吸込み後の静止時間及び押切り時間が長いと固形物粒子の沈降が生じてしまう。
【0010】
また、連続式の定量ポンプ(ダイヤフラム、ロータリー、ギヤ、一軸ネジ等)は、有効な粒子の沈降防止機構の組み込みが困難であり、非接触部、よどみ部に固形物粒子の付着を生じやすい。また、適用流量範囲のものが少ない。更に、液中レーザーアブレーション微細化処理を医薬品へ適用する場合、前記システムに使用するポンプとしては、洗浄性やディスポーザブルの考慮が必要となるため、複雑な構造の沈降防止機構を採用し難い。更に、有効粒子への液中レーザーアブレーションをより効率よく実施するためには、ポンプ機構の工夫だけではなく、レーザーの被照射流体自体のフロー制御をより適切に行える機構を更に設けたほうが望ましい。
【0011】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、レーザーアブレーションシステムに分散液を固形物粒子を沈降させずに一定量を安定して供給し得るフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置、その運転方法、該ポンプ装置を用いたフロー系レーザーアブレーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明は、レーザー光を発する光源、固形物を分散させた分散液を流す流路を備え、該流路に連続的又は間歇的に供給する前記分散液に前記光源からレーザー光を照射し、分散液中の固形物を微細化させるレーザーアブレーションシステムに分散液を供給するフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置であって、第1シリンジポンプと、第2シリンジポンプと、4方弁と、これらを制御する制御器とを備え、4方弁には第1乃至第4通路が接続されており、該第1通路に前記第1シリンジポンプの出口を、該第2通路に前記第2シリンジポンプの出口をそれぞれ接続し、該第3通路に分散液を貯留する分散液貯留槽を接続し、該第4通路を分散液吐出通路としたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記フロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置において、第1及び第2シリンジポンプは、それぞれシリンジと、該シリンジ内に進退可能に挿入されたプランジャーと、該プランジャーを駆動するプランジャー駆動機構と、シリンジ内の分散液中の固形物粒子の沈降を防止する沈降防止手段を具備する構成であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記フロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置において、4方弁は、1個の弁箱内に第1乃至第4の4個のバルブ機構と、第1乃至第4の4個の合流通路・ノズルとを具備し、4個のバルブ機構の開閉の組み合わせにより複数の切換パターンが形成できる構成であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記フロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置の運転方法であって、第1又は第2シリンジポンプが分散液の吐出し動作を行っている間は、他の第1又は第2シリンジポンプは分散液貯留槽内の分散液の吸入吐出しを行い、該分散液中の固形物粒子の沈降を防止する運転を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、レーザー光を発する光源、固形物を分散させた分散液を流す流路を備え、該流路に連続的又は間歇的に供給する分散液に前記光源からレーザー光を照射し、分散液中の固形物を微細化させるレーザーアブレーションシステムにおいて、分散液を供給するポンプ装置が上記フロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置を用いることで、分散液中の固形物粒子の沈降を抑制することができ、分散液中の固形物粒子を沈降させることなく、常時一定の固形物濃度の分散液を安定してレーザーアブレーションシステムの流路に供給することができる。更に、本発明においては、4方弁を設けたことにより、バルブ内での液だまりを最小とすることができ、且つ、変則的な流路の切り替えが容易なシステムとすることができる。また、4方弁を使用することで、フロー制御のために従来必要であった部品を削減し、システムの部品数を最小とすることができるので、分解洗浄等のメンテナンスが容易な、低コストなシステムとすることができる。
【0018】
本発明に係るフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置の運転方法は、第1又は第2シリンジポンプが分散液の吐出し動作を行っている間は、他の第1又は第2シリンジポンプは分散液貯留槽内の分散液の吸入吐出しを行い、該分散液中の固形物粒子の沈降を防止する運転を行うので、分散液中の固形物粒子の沈降を抑制することができる。
【0019】
本発明に係るフロー系レーザーアブレーションシステムは、分散液を供給するポンプに上記のように分散液中の固形物粒子を沈降させることなく、常時一定の固形物濃度の分散液を安定して供給できるフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置を用いたものなので、固形物粒子の分散状態が安定した分散液を正確な流量で流路に供給し、この流路を流動する分散液にレーザー光を照射して液中レーザーアブレーション微細化処理を行うことができるので、分散液中の固形物粒子の沈降(再凝集)による微細化処理効率の低下を抑制でき、効率よく固形物の微細化処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本願発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るフロー系レーザーアブレーションシステム用のポンプ装置の構成例を示す図である。図示するように、本ポンプ装置は第1シリンジポンプ1と、第2シリンジポンプ2と、4方弁3と、原液タンク(分散液貯留槽)4と、制御器5を備えている。4方弁3は第1バルブ機構V1、第2バルブ機構V2、第3バルブ機構V3、第4バルブ機構V4を具備している。そして第1バルブ機構V1には第1通路L1が、第2バルブ機構V2には第2通路L2が、第3バルブ機構V3には第3通路L3が、第4バルブ機構V4の出口6(本ポンプ装置の吐出口)には第4通路L4がそれぞれ接続されている。第1通路L1には第1シリンジポンプ1の出口が接続され、第2通路L2には第2シリンジポンプ2の出口がそれぞれ接続されている。また、第3通路L3には原液タンク4が接続されている。
【0021】
第1バルブ機構V1、第2バルブ機構V2、第3バルブ機構V3、第4バルブ機構V4はそれぞれ個別にバルブ駆動機構D1、バルブ駆動機構D2、バルブ駆動機構D3、バルブ駆動機構D4を具備し、該バルブ駆動機構でそれぞれのバルブ機構を開閉駆動できるようになっている。図2は4方弁3の構成例を示す図である。本4方弁3は図示するように、1個の弁箱7内に第1バルブ機構V1、第2バルブ機構V2、第3バルブ機構V3、及び第4バルブ機構V4と、第1合流通路・ノズルN1、第2合流通路・ノズルN2、第3合流通路・ノズルN3、及び第4合流通路・ノズルN4とを具備する構成である。第1乃至第4バルブ機構V1乃至V4の開閉切替により、図3(a)乃至(l)に示すように下記の12パターンの切換が可能となっている。
【0022】
図3(a)の切換パターンは、4方弁3の第1バルブ機構V1と第4バルブ機構V4を閉じ、第2バルブ機構V2と第3バルブ機構V3を開いて、第4合流通路・ノズルN4を閉じ、第2合流通路・ノズルN2と第3合流通路・ノズルN3と第1合流通路・ノズルN1とを連通させた状態を示す。
【0023】
図3(b)の切換パターンは、4方弁3の第4バルブ機構V4と第2バルブ機構V2を閉じ、第3バルブ機構V3と第1バルブ機構V1を開いて、第2合流通路・ノズルN2を閉じ、第3合流通路・ノズルN3と第1合流通路・ノズルN1と第4合流通路・ノズルN4とを連通させた状態を示す。
【0024】
図3(c)の切換パターンは、4方弁3の第2バルブ機構V2と第3バルブ機構V3を閉じ、第1バルブ機構V1と第4バルブ機構V4を開いて、第3合流通路・ノズルN3を閉じ、第1合流通路・ノズルN1と第4合流通路・ノズルN4と第2合流通路・ノズルN2とを連通させた状態を示す。
【0025】
図3(d)の切換パターンは、4方弁3の第3バルブ機構V3と第1バルブ機構V1を閉じ、第4バルブ機構V4と第2バルブ機構V2を開いて、第1合流通路・ノズルN1を閉じ、第4合流通路・ノズルN4と第2合流通路・ノズルN2と第3合流通路・ノズルN3とを連通させた状態を示す。
【0026】
図3(e)の切換パターンは、4方弁3の第3バルブ機構V3と第1バルブ機構V1と第4バルブ機構V4を閉じ、第2バルブ機構V2を開いて、第1合流通路・ノズルN1と第4合流通路・ノズルN4を閉じ、第2合流通路・ノズルN2と第3合流通路・ノズルN3とを連通させた状態を示す。
【0027】
図3(f)の切換パターンは、4方弁3の第1バルブ機構V1と第4バルブ機構V4と第2バルブ機構V2を閉じ、第3バルブ機構V3を開いて、第4合流通路・ノズルN4と第2合流通路・ノズルN2を閉じ、第3合流通路・ノズルN3と第1合流通路・ノズルN1とを連通させた状態を示す。
【0028】
図3(g)の切換パターンは、4方弁3の第4バルブ機構V4と第2バルブ機構V2と第3バルブ機構V3を閉じ、第1バルブ機構V1を開いて、第2合流通路・ノズルN2と第3合流通路・ノズルN3を閉じ、第1合流通路・ノズルN1と第4合流通路・ノズルN4とを連通させた状態を示す。
【0029】
図3(h)の切換パターンは、4方弁3の第2バルブ機構V2と第3バルブ機構V3と第1バルブ機構V1を閉じ、第4バルブ機構V4を開いて、第3合流通路・ノズルN3と第1合流通路・ノズルN1を閉じ、第4合流通路・ノズルN4と第2合流通路・ノズルN2とを連通させた状態を示す。
【0030】
図3(i)の切換パターンは、4方弁3の第3バルブ機構V3と第4バルブ機構V4を閉じ、第1バルブ機構V1と第2バルブ機構V2を開いて、第1合流通路・ノズルN1と第4合流通路・ノズルN4を連通させ、第2合流通路・ノズルN2と第3合流通路・ノズルN3とを連通させた状態を示す。
【0031】
図3(j)の切換パターンは、4方弁3の第1バルブ機構V1と第2バルブ機構V2を閉じ、第4バルブ機構V4と第3バルブ機構V3を開いて、第4合流通路・ノズルN4と第2合流通路・ノズルN2を連通させ、第3合流通路・ノズルN3と第1合流通路・ノズルN1とを連通させた状態を示す。
【0032】
図3(k)の切換パターンは、4方弁3の第1バルブ機構V1と第2バルブ機構V2と第3バルブ機構V3と第4バルブ機構V4の全部のバルブを開いて、第1合流通路・ノズルN1と第2合流通路・ノズルN2と第3合流通路・ノズルN3と第4合流通路・ノズルN4の全部の合流通路・ノズルを連通させた状態を示す。
【0033】
図3(l)の切換パターンは、4方弁3の第1バルブ機構V1と第2バルブ機構V2と第3バルブ機構V3と第4バルブ機構V4の全部のバルブを閉じて、第1合流通路・ノズルN1と第2合流通路・ノズルN2と第3合流通路・ノズルN3と第4合流通路・ノズルN4の全部の合流通路・ノズルを閉じた状態を示す。
【0034】
図4は図1に示す構成のポンプ装置の第1シリンジポンプ1の構成例を示す図である。なお、図示は省略するが第2シリンジポンプ2の構成も同じである。本シリンジポンプは、先端に吐出口11aを備えたシリンジ11と、該シリンジ11内を進退可能(摺動可能)に挿入されたプランジャー12と、該プランジャー12の先端に装着された往復動シール13と、プランジャー12を進退可能に駆動するプランジャー駆動機構17とを備えたシリンジポンプである。更にシリンジ11内に吸い込んだ分散液中の固形物粒子の沈降を防止する沈降防止手段として、プランジャー12の内部に設けたマグネットスターラ15及び該マグネットスターラ15を回転駆動するマグネットスターラ駆動機16と、プランジャー12の先端面外側に磁力によってマグネットスターラ15と連動して回転するように配設された攪拌子14とを備えている。
【0035】
上記シリンジポンプは、プランジャー駆動機17でプランジャー12を後退(吐出口11aの反対側に移動)させて、吐出口11aからシリンジ11内に分散液を吸い込んだ後、プランジャー駆動機17でプランジャー12を押し出し(吐出口11a側に移動)させて、シリンジ11内の分散液を吐出口11aから一定流量で押し出すようになっている。また、シリンジ11内に分散液が入った状態で、マグネットスターラ15を回転駆動させることによって、このマグネットスターラ15の磁力に連動する攪拌子14がプランジャー12の先端面外側で回転し、シリンジ内の分散液を攪拌することで、分散液中の固形物粒子の沈降を防ぐようになっている。このような構成のシリンジポンプは、非接触部、よどみ部が極めて少なくなるので、ポンプ内側への分散液の固形物粉末の付着・再凝集を少なくできる利点がある。
【0036】
上記シリンジポンプの主要部であるシリンジ11やプランジャー12の材質は、有機物や溶媒との反応を起こさないフッ素樹脂やガラス、耐食性金属とすることが好ましい。また、分散液と接する攪拌子14についても棒状磁石をフッ素樹脂やガラスでコーティングして作製したものが好ましい。
【0037】
マグネットスターラ駆動機16は、プランジャー12の内部に配設され、駆動用の電力は、プランシャー12の後方から電線等を挿通して接続して供給するか、又は無接触給電システムによりポンプ外からマグネットスターラ駆動機16に電力を供給することができる。
【0038】
上記シリンジポンプの容量調整は、シリンジ11の寸法、シリンジ11の本数及びプランジャー12の駆動速度により容易且つ高精度に調整することができる。また、攪拌子14によるシリンジ11内の分散液の攪拌強度は、使用する攪拌子14のサイズやマグネットスターラ駆動機16への供給電力によって調節することが可能であり、マグネットスターラ15の回転速度及び攪拌子14の大きさは、分散液中の固形物粒子の密度、大きさ及び種類による最適な物を選択することが望ましい。
【0039】
図5乃至図9は図1に示すポンプ装置の運転工程を示す図である。図5乃至図9に基づいてポンプ装置の運転工程を説明する。先ず図5に示す運転準備工程に入る。ここでは、4方弁3を図3(a)の切換パターンにする。即ち、第1バルブ機構V1と第4バルブ機構V4を閉じ、第2バルブ機構V2と第3バルブ機構V3を開いて、第4合流通路・ノズルN4を閉じ、第2合流通路・ノズルN2と第3合流通路・ノズルN3と第1合流通路・ノズルN1とを連通させた状態にする。この状態で第1シリンジポンプ1及び第2シリンジポンプ2のプランジャー12を後退させ、各々のシリンジ11内に分散液貯留槽としての原液タンク4から分散液を吸い込む。
【0040】
次に図6に示すように4方弁3を図3(i)の切換パターンにして第1シリンジポンプ1の吐出し工程に入る。即ち、4方弁3の第3バルブ機構V3と第4バルブ機構V4を閉じ、第1バルブ機構V1と第2バルブ機構V2を開いて、第1合流通路・ノズルN1と第4合流通路・ノズルN4を連通させ、第2合流通路・ノズルN2と第3合流通路・ノズルN3とを連通させた状態にする。この状態で第1シリンジポンプ1のプランジャー12を吐出口11aに向け押し出し、分散液を4方弁3の第4合流通路・ノズルN4から第4通路L4を通して分散液を送り出す。この間原液タンク4と第2シリンジポンプ2は連通し、該第2シリンジポンプ2のプランジャー12を往復動させて原液タンク4中の分散液を往復動させる。これにより、分散液中の固形物粒子の沈降を防止する。
【0041】
次に図7に示すように4方弁3を図3(c)の切換パターンにして、第1シリンジポンプ1から第2シリンジポンプ2の切換工程に入る。即ち、4方弁3の第2バルブ機構V2と第3バルブ機構V3を閉じ、第1バルブ機構V1と第4バルブ機構V4を開いて、第3合流通路・ノズルN3を閉じ、第1合流通路・ノズルN1と第4合流通路・ノズルN4と第2合流通路・ノズルN2とを連通させた状態にする。第1シリンジポンプ1のプランジャー12が押し出しの終端に近づくと第2シリンジポンプ2は最大吸込み状態で待機する。第1シリンジポンプ1のプランジャー12が減速状態に入ると同時に、第2シリンジポンプ2のプランジャー12が加速状態に入る。ここで第1シリンジポンプ1と第2シリンジポンプ2の合算流量が常に一定になるように制御する。
【0042】
次に図8に示すように4方弁3を図3(j)の切換パターンにして、第2シリンジポンプ2の吐出し工程に入る。即ち、4方弁3の第1バルブ機構V1と第2バルブ機構V2を閉じ、第4バルブ機構V4と第3バルブ機構V3を開いて、第4合流通路・ノズルN4と第2合流通路・ノズルN2を連通させ、第3合流通路・ノズルN3と第1合流通路・ノズルN1とを連通させた状態とする。この状態で第2シリンジポンプ2のプランジャー12を吐出口11aに向けて押し出し分散液を送り出す。この間原液タンク4と第1シリンジポンプ1は連通し、該第1シリンジポンプ1のプランジャー12を往復動させて原液タンク4中の分散液を往復動させることにより、分散液中の固形物粒子の沈降を防止する。
【0043】
次に図9に示すように4方弁3を図3(c)の切換パターンにして、第2シリンジポンプ2から第1シリンジポンプ1の切換工程に入る。即ち、4方弁3の第2バルブ機構V2と第3バルブ機構V3を閉じ、第1バルブ機構V1と第4バルブ機構V4を開いて、第3合流通路・ノズルN3を閉じ、第1合流通路・ノズルN1と第4合流通路・ノズルN4と第2合流通路・ノズルN2とを連通させた状態にする。第2シリンジポンプ2のプランジャー12が押し出しの終端に近づくと第1シリンジポンプ1は最大吸込み状態で待機する。第2シリンジポンプ2のプランジャー12が減速状態に入ると同時に、第1シリンジポンプ1のプランジャー12が加速状態に入る。ここで第2シリンジポンプ2と第1シリンジポンプ1の合算流量が常に一定になるように制御する。
【0044】
上記図5乃至図9に示す工程を繰り返すことにより、分散液中の固形物粒子の沈降を防止しながら、一定量の分散液を4方弁3の出口6(本ポンプ装置の吐出口)から第4通路L4を通って送液することができる。なお、上記運転工程は、制御器5による4方弁3のバルブ駆動機構D1乃至D4、第1シリンジポンプ1及び第2シリンジポンプ2のプランジャー駆動機構17の制御により行う。
【0045】
図10は、本発明に係るレーザーアブレーションシステムの概略構成例を示す図である。図10中、符号20はフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ、21は分散液供給部、22は配管、23はマイクロ流路導入部、24はレーザー光源、25はマイクロ流路、26は回収部、27は攪拌翼、28は再凝集防止装置をそれぞれ示している。
【0046】
本レーザーアブレーションシステムは、レーザー光源24より発振したレーザー光LAを、マイクロ流路25内を流動する固形物粒子(一次粒子)を液中に分散させた分散液に照射することにより、分散液中の固形物粒子を微細化(二次粒子)するシステムである。レーザー光源24は、マイクロ流路25の受光部に対向し、所定の間隔を置いて設けられている。
【0047】
レーザー光源24としては、エキシマレーザー、窒素レーザー、YAGレーザー、Arイオンレーザ、色素レーザー、半導体レーザー、チタンサファイヤレーザー、ガスレーザー等が用いられる。
【0048】
図10のレーザーアブレーションシステムにおいて、フロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ20には図1に示す構成のポンプ装置を用いる。分散液供給部21は図1の原液タンク(分散液貯留槽)4に相当し、第1シリンジポンプ1と第2シリンジポンプ2の往復運動により、分散液中の固形物粒子の沈降を防止しながら、その分散液を一定流量でマイクロ流路25に送り込むことができる。
【0049】
マイクロ流路25は、石英ガラスなどの透明材料からなる本体に、幅30〜1000μm、深さ45〜200μm程度のマイクロ流路を設けたものであり、レーザー光LAが照射される受光部は、この流路を複数回折り返してジグザグ状に形成し、流路長さを大きくしている。
【0050】
回収部26は、マイクロ流路25の後段に接続され、マイクロ流路25にてレーザー光が照射された分散液を回収するためのものである。この回収部26は、微細化された固形物粒子(一次粒子)の飛散を防止すると共に、外部からの不純物の混入を防止するために、密閉可能な構成とする。回収部26には。回収された分散液の固形物が沈降するのを防ぐために、攪拌翼27や超音波発信器を用いた再凝集防止装置28を設けることが望ましい。回収部26に回収された分散液は、次の工程に送られるまでの間、この回収部26に貯留される。
【0051】
なお、分散液中にレーザーアブレーションによる固形物の微細化率が100%でない場合や、次工程において微細化前の一次粒子が存在してはならない場合には、マイクロ流路25と回収部26の間に、微細化された粒子と一次粒子を分離する機構を設ける。また、このレーザーアブレーションシステムでは、分散液供給部21、フロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ20、マイクロ流路25及び回収部26の操作系を密閉関係とすることができる。
【0052】
次に、このレーザーアブレーションシステムを用いた、固形物の微細化方法について説明する。先ず、対象とする有機化合物等の固形物を含む分散液を超音波処理し、一次粒子を含む分散液を調製し、この分散液を分散供給部21のタンク(図1の原液タンク4)に注入する。
【0053】
固形物を分散させる溶媒としては、微細化しようとする固形物を溶解せず、且つ懸濁させることができるものを用いる。例えば、水、アルコール等の水溶液、有機溶媒、油状液体等が挙げられる。また、溶媒としては、液体ヘリウムや液体窒素等の不活性液体又は準不活性液体を用いてもよい。不活性液体又は準不活性液体を用いた場合、固形物を微細化した後、直ちに溶媒を蒸発させて、微細化した固形物を容易に回収することができると共に、レーザー光を照射したときの温度上昇を抑えることができるので、温度上昇による固形物の変質も防止することができる。
【0054】
液中レーザーアブレーションによる微細化の対象となる固形物としては、粒子状で、且つ、難溶性のものが挙げられ、例えば、難溶性の薬物等の有機化合物が挙げられる。また、分散液を調製する前に、固形物の粒径(一次粒子の粒径)を予め1μm〜100μm程度にしておくことが好ましい。このようにすれば、微細化したときの固形物の粒径を略均一にすることができる。
【0055】
また、固形物を含む分散液の濃度は、固形物の種類(材質)、固形物の吸光度、マイクロ流路25を流動する分散液の流量、レーザーLAの照射面積、レーザー光源24の仕様などに応じて適宜調整されるが、例えば、1〜3mg/mL程度とする。
【0056】
次いで、フロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ20を駆動し、マイクロ流路25に、所定の流量で分散液を送出する。マイクロ流路25内における分散液の流量は、固形物の種類(材質)、固形物を含む分散液の濃度(分散液の単位体積中に含まれる固形物の量)、固形物の吸光度、レーザー光の照射面積、レーザー光源24の仕様等に応じて適宜調整されるが、例えば、0.05〜1.00m3/s程度とする。
【0057】
次いで、マイクロ流路25内への分散液の流入を開始すると同時に、レーザー光源24から、マイクロ流路25の受光部へのレーザー光LAの照射を開始する。レーザー光源24から発振するレーザー光LAの波長は、微細化する固形物の吸収波長或いは多光子吸収の波長に応じて選択される。レーザー光LAとしては、例えば、紫外光レーザー光、可視光レーザー光、近赤外レーザー光、赤外レーザー光等が挙げられる。
【0058】
紫外光レーザー光を用いる場合、エキシマレーザー(193nm、248nm、308nm、351nm)や窒素レーザー(337nm)、YAGレーザーの3倍波及び4倍波(355nm、266nm)等が挙げられる。また、可視光レーザー光を用いる場合、YAGレーザーの2倍波(532nm)、Arイオンレーザー(488nm又は514nm)、その他の色素レーザーなどが挙げられる。更に、近赤外レーザー光を用いる場合、種々の半導体レーザー、チタンサファイヤレーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー等が挙げられる。更にこれらのレーザー光と光パラメトリック発振器を用いて、紫外線から赤外線領域の任意の光を発振させてもよい。
【0059】
また、レーザー光源24から発振されるレーザー光LAは、パルスレーザー光が好ましい。レーザー光源24は、レーザー光が発せられる点灯状態と、レーザー光が発せられない消灯状態とを交互に繰り返し、間欠的にレーザー光を発振することにより、パルスレーザー光を発振する。特に、レーザー光の強度がパルス状に変化することが好ましい。以下、1つのパルスのレーザー光をパルス光と称する。パルスレーザー光を用いた場合、1つのパルス光によって1回の照射が行われる。
【0060】
また、レーザー光源24から発振されるレーザーLAの励起光強度Pは、1mJ/cm2〜1000mJ/cm2程度が好ましい。また、パルス光とパルス光との間の周期Tは、0.1Hz〜1000Hz程度が好ましい。ここで、パルス周期とは、ある一のパルス光の立ち上がりの時点から、該一のパルスと隣り合うパルス光の立ち上がりの時点までの時間、又はパルス光の立ち下がりの時点から、隣り合うパルス光の立ち下がりの時点までの時間をいう。更に、パルス光の各々のパルス幅sが、10フェムト秒〜1マイクロ秒程度が好ましい。なお、パルス幅とは、ある一のパルス光の立ち上がりの時点から、立ち下がりの時点までの時間をいう。
【0061】
レーザー光源24から発振したレーザー光LAを、分散液中の固形物に照射することにより、固形物の内部に急激な温度差が生じ、この温度差によって、固形物に生じる内部応力によって固形物が破砕して微細化する。次いで、マイクロ流路25にて微細化された粒子を含む分散液は、回収部26に送り込まれ、貯留される。
【0062】
上記レーザーアブレーションシステムは、上述したように分散液中の固形物粒子を沈降させずに、常時一定の固形物濃度の分散液を安定して供給可能なフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ(図1に示す構成のポンプ装置)20を用いたものなので、固形物の分散状態が安定した分散液中を正確な流量でマイクロ流路25に供給し、その受光部にレーザー光LAを照射して液中レーザーアブレーション微細化処理を行うことができるので、分散液中の固形物の沈降(再凝集)による微細化処理効率の低下を抑制でき、効率よく固形物の微細化処理を行うことができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、シリンジポンプは図4に示す構成のものに限定されず、シリンジ、該シリンジ内に進退可能に挿入されたプランジャー、該プランジャーを駆動するプランジャー駆動機構を備えていれば、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係るフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置の概略構成例を示す図である。
【図2】4方弁の構成例を示す図である。
【図3】4方弁の切換パターンを示す図である。
【図4】シリンジポンプの構成例を示す図である。
【図5】本発明に係るフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置の運転準備工程を示す図である。
【図6】本発明に係るフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置の吐出し工程を示す図である。
【図7】本発明に係るフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置の切換工程を示す図である。
【図8】本発明に係るフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置の吐出し工程を示す図である。
【図9】本発明に係るフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置の切換工程を示す図である。
【図10】本発明に係るレーザーアブレーションシステムの概略構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 第1シリンジポンプ
2 第2シリンジポンプ
3 4方弁
4 原液タンク
5 制御器
6 出口
7 弁箱
11 シリンジ
12 プランジャー
13 往復動シール
14 攪拌子
15 マグネットスターラ
16 マグネットシターラ駆動機
17 プランジャー駆動機構
20 フロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ
21 分散液供給部
22 配管
23 マイクロ流路導入部
24 レーザー光源
25 マイクロ流路
26 回収部
27 攪拌翼
28 再凝集防止装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光を発する光源、固形物を分散させた分散液を流す流路を備え、該流路に連続的又は間歇的に供給する前記分散液に前記光源からレーザー光を照射し、分散液中の固形物を微細化させるレーザーアブレーションシステムに前記分散液を供給するフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置であって、
第1シリンジポンプと、第2シリンジポンプと、4方弁と、これらを制御する制御器とを備え、
前記4方弁には第1乃至第4通路が接続されており、該第1通路に前記第1シリンジポンプの出口を、該第2通路に前記第2シリンジポンプの出口をそれぞれ接続し、該第3通路に前記分散液を貯留する分散液貯留槽を接続し、該第4通路を分散液吐出通路としたことを特徴とするフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置において、
前記第1及び第2シリンジポンプは、それぞれシリンジと、該シリンジ内に進退可能に挿入されたプランジャーと、該プランジャーを駆動するプランジャー駆動機構と、前記シリンジ内の分散液中の固形物粒子の沈降を防止する沈降防止手段を具備する構成であることを特徴とするフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置において、
前記4方弁は、1個の弁箱内に第1乃至第4の4個のバルブ機構と、第1乃至第4の4個の合流通路・ノズルとを具備し、前記4個のバルブ機構の開閉の組合わせにより複数の切換パターンが形成できる構成であることを特徴とするフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置の運転方法であって、
前記第1又は第2シリンジポンプが前記分散液の吐出し動作を行っている間は、他の第1又は第2シリンジポンプは前記分散液貯留槽内の分散液の吸入吐出しを行い、該分散液の固形物粒子の沈降を防止する運転を行うことを特徴とするフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置の運転方法。
【請求項5】
レーザー光を発する光源、固形物を分散させた分散液を流す流路を備え、該流路に連続的又は間歇的に供給する前記分散液に前記光源からレーザー光を照射し、分散液中の固形物を微細化させるレーザーアブレーションシステムにおいて、
前記分散液を供給するポンプ装置が請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフロー系レーザーアブレーションシステム用ポンプ装置であることを特徴とするフロー系レーザーアブレーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−119487(P2009−119487A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294556(P2007−294556)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】