説明

ブックカバー

【課題】 構造が簡易で、小型化でき、かばんのハンドルに容易に掛けて、かばんと共に容易に持ち歩くことができるブックカバーを提供する。
【解決手段】 ブックカバー1は、本の表裏の表紙を被覆する矩形のカバーシート9を有する一対の表紙カバー5,6と、本の背表紙を被覆し表紙カバー5,6との間を折り曲げ自在に接続する背カバー7とを具備する。表紙カバー5,6は、背カバー7と反対側の端縁において互いに結合分離可能である。一方の表紙カバー5は、閉ループを形成する取っ手3を具備する。取っ手3は、閉ループ内へかばんのハンドルHを受け入れるために当該閉ループを開閉するスナップファスナ10,15,16のような着脱部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、本の携帯に適したブックカバーに関し、特に、電車内等において、かばんのハンドルに掛けて容易に本を携帯できるブックカバーに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、把手やストラップを設けて本を持ち歩き易くしたブックカバーとして、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。このブックカバーは、把手が2つの表紙カバーに設けられており、本を汚れや破損から防止するとともに、把手を手に持ったり、肩に掛けたりして、ハンドバッグ代わりの感覚で、便利に持ち歩くことができるとされる。
【特許文献1】特開2003−54158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のブックカバーにおける2本の把手は、一冊の本を携帯するためには過剰で、却って邪魔になるという問題点がある。外出時には、頻繁にかばんを携帯するが、このブックカバーは、単独で持ち歩くことが想定されているため、かばんと別に持ち歩かなければならない不便がある。
したがって、この出願に係る発明は、構造が簡易で、小型化でき、かばんのハンドルに容易に掛けて、かばんと共に容易に持ち歩くことができるブックカバーを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明のブックカバー1は、本の表裏いずれかの表紙を選択的に被覆する矩形のカバーシート9を有する第1および第2の一対の表紙カバー5,6と、本の背表紙を被覆し第1、第2の表紙カバーとの間を折り曲げ自在に接続する背カバー7とを具備し、第1、第2の表紙カバー5,6が少なくとも背カバー7と反対側の端縁において互いに結合分離可能に構成されるブックカバーである。第1又は第2のいずれか一方の表紙カバー5,6は、かばんBのハンドルHへ掛けるための閉ループを形成する取っ手3を具備する。この取っ手3は、使用時に、第1又は第2のいずれか一方の表紙カバー5,6のカバーシート9における背カバー7と反対側の一端辺からほぼ倒U字状に突出し、閉ループ内へかばんのハンドルHを受け入れるために当該閉ループを開閉するスナップファスナ10,15,16のような着脱部を有する。
この取っ手3は、好ましくは、不使用時に表紙カバー5,6から突出しないように、当該表紙カバー5,6内へ収納される。
【発明の効果】
【0005】
この出願に係る発明によれば、構造が簡易で、小型化でき、かばんのハンドルに容易に掛けて、かばんと共に容易に持ち歩くことができるブックカバーを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係るブックカバーをかばんのハンドルに掛けた使用状態の斜視図、図2(a)は図1のブックカバーの本体の正面図、(b)は同取っ手の正面図、図3は図1のブックカバーにおける取っ手の開放状態の正面図である。
【0007】
図1ないし図3において、ブックカバー1は、本体2と取っ手3とストラップ4とを具備する。本体2は、スライドファスナ8により互いに結合分離可能な第1および第2の一対の表紙カバー5,6と、背カバー7とを具備する。
表紙カバー5,6は、それぞれ本の表紙又は裏表紙を被覆する矩形のカバーシート9を具備し、カバーシート9の周縁にスライドファスナ8が縫い付けられている。一方の表紙カバー5のカバーシート9は、取っ手3の一対の支持片12,13を内側へ収納自在に受け入れる一対の開口9a,9bを有する。カバーシート9はまた、一方の開口9bの上方(背カバー7と反対方向)に位置してスナップファスナ10を有する(図2a)。
【0008】
背カバー7は、本の背表紙を被覆し、第1、第2の表紙カバー5,6との間を折り曲げ自在に接続する。
【0009】
取っ手3は、不使用時に表紙カバー9から上方へ突出しないように、当該表紙カバー9内へ収納される。取っ手3は、平板状部材で構成され、カバーシート9の上方の端辺と平行に延びるように配置される手掛け片11と、この手掛け片11の両端から下方へ直角に延出する一対の支持片12,13とを具備する。支持片12,13の下端側は、開口9a,9bを通してカバーシート9の内側へ上下方向に移動自在に挿入される。一方の支持片13の下端部には、支持片13から直角に他方の支持片13側へ突出する平板状の係止片14が設けられる。この係止片14は支持片12を開口9aから抜け止めする。他方の支持片13の上下の端部付近には、相互に所定間隔を置いてスナップファスナ15,16が取り付けられる。スナップファスナ15,16は、本体2のスナップファスナ10と択一的に係合して、取っ手3を突出位置又は収納位置で本体2に固定する。すなわち、スナップファスナ15は、取っ手3がカバーシート5の内側へ収納された位置において本体2のスナップファスナ10と係合し、スナップファスナ16は、取っ手3が上方へ引き出された位置において本体2のスナップファスナ10と係合する。
【0010】
取っ手3は、図3に示すように、支持片13のスナップファスナ15,16の係合を外した状態で、反時計方向へ回転させ、支持片13の下端部を開口9bから抜くことで、ループを開くことができる。この状態で、支持片13の下端と本体2との間からかばんBのハンドルHをループの内側へ受け入れることができる。受け入れ後は、支持片13を開口9b内へ戻してスナップファスナ15を対応する本体2のスナップファスナ10に係合させることでループを閉じ、ブックカバーをかばんのハンドルHに掛け止める。また、取っ手3は、本体2に対して押し下げることで、支持片12,13を開口9a,9bから表紙カバー9の内側へ収納しておけば、読書中に左右へ広がることがなく、電車内での読書の際等に、左右隣の人の迷惑にならない。
【0011】
ストラップ4は、本体2から延出する紐体17と、その先端に固着されたナス環のようなフック18を具備する。必要に応じ、フック18をかばんのハンドルHに掛け止めておくことができる。
【0012】
図4,5に他の実施形態を示す。図4は他の実施形態のブックカバーの斜視図、図5(a)は図4のブックカバーにおける取っ手を使用する状態の斜視図、(b)は同取っ手のループを開放した状態の斜視図、(c)は同取っ手を収納した状態の斜視図である。
【0013】
この実施形態においては、表紙カバー5,6は、カバーシート9と、その3辺から直角に起立する3つの側面板19,20,21とを有する箱形に形成され、互いに嵌合させて固定可能に構成される。先の実施形態と同様、紐体17の先端にフック18を有するストラップ4を具備する。
【0014】
取っ手3は、延長途上で結合分離自在の平帯状の2つの支持片12,13の二分割構成である。支持片12,13は、基端側が、それぞれ一方の表紙カバー5の対向する側面板19,20の内側へ出入り自在に装着され、先端には互いに結合分離可能なファスナ22が設けられる。支持片12,13をファスナ22で結合した状態で、本体2の上部に、ほぼ倒U字状の手提げ部が形成される。
図6,7にさらに他の実施形態を示す。図6はブックカバーの斜視図、図7は図6に示すブックカバーの使用状態の斜視図である。
【0015】
この実施形態においては、一方の表紙カバー5の上縁部の片側寄り位置に紐状の取っ手3を構成する紐状部材23の基端が固着され、上縁部の他側寄り位置には係止環25が設けられる。取っ手3は、先端部にナス環のような連結具24有し、係止環25を介してカバーシート9に着脱自在に係止される。
【0016】
他方の表紙カバー6の上縁部には、2つの挿通環26,27が相互間隔を置いて設けられる。一方の挿通環26は、取っ手3の基端側に対向し、他方の挿通環27は係止環25に対向する。
【0017】
連結具24は、紐状部材23と共に挿通環26,27に挿通可能である。したがって、紐状部材23を挿通環26,27に順次挿通させ、連結具24を係止環25に連結すれば、一対の表紙カバー5,6の上部間が結合され、また2つの挿通環の間にループが閉じたほぼ倒U字状の手提げ部を持つ取っ手が形成される。
【0018】
連結具24を係止環25から外して、挿通環27から抜けば,取っ手3のループが開くので、ここへかばんBのハンドルHを受け入れることができる。ハンドルHを受け入れ、再び挿通環27を通して連結具24を係止環25に結合すれば、取っ手3をハンドルHに掛け止めることができる。この実施形態のブックカバーも、先の実施形態と同様、紐体17の先端にフック18を有するストラップ4を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るブックカバーをかばんのハンドルに掛けた使用状態の斜視図である。
【図2】(a)は図1のブックカバーの本体の正面図、(b)は同取っ手の正面図である。
【図3】図1のブックカバーにおける取っ手の開放状態の正面図である。
【図4】他の実施形態のブックカバーの斜視図である。
【図5】(a)は図4のブックカバーにおける取っ手を使用する状態の斜視図、(b)は同取っ手のループを開放した状態の斜視図、(c)は同取っ手を収納した状態の斜視図である。
【図6】さらに他の実施形態のブックカバーの斜視図である。
【図7】図6に示すブックカバーの使用状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ブックカバー
2 ブックカバーの本体
3 取っ手
4 ストラップ
5 表紙カバー
6 表紙カバー
7 背カバー
8 スライドファスナ
9 カバーシート
9a 開口
9b 開口
10 スナップファスナ
11 手掛け片
12 支持片
13 支持片
14 係止片
15 スナップファスナ
16 スナップファスナ
17 紐体
18 フック
19 側面板
20 側面板
21 側面板
22 ファスナ
23 紐状部材
24 連結具
25 係止環
26 挿通環
27 挿通環
B かばん
H ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本の表裏いずれかの表紙を選択的に被覆する矩形のカバーシートを有する第1および第2の一対の表紙カバーと、本の背表紙を被覆し第1、第2の表紙カバーとの間を折り曲げ自在に接続する背カバーとを具備し、第1、第2の表紙カバーが少なくとも背カバーと反対側の端縁において互いに結合分離可能に構成されるブックカバーにおいて、
使用時に前記第1又は第2のいずれか一方の表紙カバーのカバーシートにおける前記背カバー部と反対側の一端辺からほぼ倒U字状に突出して当該表紙カバーとの間にかばんのハンドルへ掛けるための閉ループを形成する取っ手をさらに具備し、
この取っ手は、前記閉ループ内へかばんのハンドルを受け入れるために当該閉ループを開閉する着脱部を有することを特徴とするブックカバー。
【請求項2】
前記取っ手は、不使用時に表紙カバーから突出しないように、当該表紙カバー内へ収納されることを特徴とするブックカバー。
【請求項3】
前記取っ手は、前記一方の表紙カバーのカバーシートとほぼ平行に配置される平板状部材で構成され、カバーシートの一端辺と平行に延びるように配置される手掛け片と、この手掛け片の両端から直角に延出する一対の支持片とを具備し、
一方の前記支持片の先端部には、当該支持片から直角に突出する平板状の係止片がさらに設けられ、他方の前記支持片の延長方向両端部には、スナップファスナが取り付けられ、
前記一方の表紙カバーのカバーシートは、前記取っ手の一対の支持片を内側へ収納自在に受け入れる一対の開口を有すると共に、前記取っ手のスナップファスナと択一的に係合して、取っ手を突出位置又は収納位置で固定するための対応スナップファスナを具備することを特徴とする請求項2に記載のブックカバー。
【請求項4】
前記一方の表紙カバーは、カバーシートと、カバーシートの3辺から直角に起立する3つの側面板とを有する箱形に形成され、
前記取っ手は、前記表紙カバーの対向する側面板の内側へ出入り自在に装着され、かつ延長途上でファスナにより結合分離自在に2分割して構成されることを特徴とする請求項2に記載のブックカバー。
【請求項5】
前記他方の表紙カバーのカバーシートにおける前記背カバー部と反対側の一端辺には、相互の所定間隔を置いて2つの挿通環が設けられ、
前記一方の表紙カバーのカバーシートにおける前記背カバー部と反対側の一端辺には、一方の前記挿通環に対応する位置に係止環が設けられ、
前記取っ手は、一端が前記一方の表紙カバーのカバーシートに係止され、他端には前記係止環に係脱自在の連結具を具備し、他方の表紙カバーの2つの挿通環
を通して連結具を前記一方の表紙カバーの係止環に係止することにより、2つの挿通環の間にほぼ倒U字状の手提げ部を形成することを特徴とする請求項1に記載のブックカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−155353(P2010−155353A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333722(P2008−333722)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(505158389)株式会社アッセ (11)