ブラシ体および歯ブラシ
【課題】導電性ブリッスルから口腔内の組織への通電が行われやすい構造、および電解性の薬効成分のイオン化が促進されやすい構造の少なくとも一方を有するブラシ体および歯ブラシを提供する。
【解決手段】導電性を有する導電性ブリッスル30と絶縁性を有する絶縁性ブリッスル40とを含む混合ブリッスル束70が植毛面13に設けられるブラシ体10において、前記植毛面13の基準面を基準とした前記導電性ブリッスル30の高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスル40の高さとが互いに異なる。
【解決手段】導電性を有する導電性ブリッスル30と絶縁性を有する絶縁性ブリッスル40とを含む混合ブリッスル束70が植毛面13に設けられるブラシ体10において、前記植毛面13の基準面を基準とした前記導電性ブリッスル30の高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスル40の高さとが互いに異なる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性を有する導電性ブリッスルと絶縁性を有する絶縁性ブリッスルとが植毛面に設けられるブラシ体、および同ブラシ体を含む歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
上記歯ブラシの一例として、特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1の歯ブラシにおいては、導電性を有する導電ブリッスル束がブラシ体の中央に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−223369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、口腔内殺菌効果を有する電解性の薬効成分を含む歯磨剤を用いてブラッシングをした場合、薬効成分が電流の作用により歯面や歯茎に引き寄せられるため口腔内殺菌する効果が向上する。口腔内、特に歯茎を殺菌することにより歯周病の予防の効果が期待できる。
【0005】
他方、ブラッシング時において導電性ブリッスルが例えば口腔内の組織として歯茎に直接的に接触した場合、導電性ブリッスルから歯茎への通電によりマッサージ効果が得られるため、歯茎の消炎効果が期待できる。
【0006】
しかし、特許文献1の歯ブラシでは、各ブリッスルの高さが均一に揃えられたブラシ体の中央に導電性ブリッスルが設けられているため、歯磨剤をブラシ体の各ブリッスル束の上に載せてブラッシングをするとき、導電性ブリッスルおよび絶縁性ブリッスルのそれぞれの上にある歯磨剤が一斉に歯面にこすりつけられる。このため、導電性ブリッスルからの通電により効率的に歯磨剤中の電解性の薬効成分を移動させることは難しい。
【0007】
また、歯茎等に導電性ブリッスルを接触させようとしたときには、同ブリッスルの周囲にある絶縁性ブリッスルが先に接触するため、導電性ブリッスルから歯茎等への通電によるマッサージ効果も得られにくい。
【0008】
本発明は上記の課題に着目してなされたものであり、その目的は、導電性ブリッスルから口腔内の組織への通電が行われやすい構造、および電解性の薬効成分に電流を作用させやすい構造の少なくとも一方を有するブラシ体および歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のブラシ体は、導電性を有する導電性ブリッスルと絶縁性を有する絶縁性ブリッスルとを含む混合ブリッスル束が植毛面に設けられるブラシ体において、前記植毛面の基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さとが互いに異なることを特徴とする。
【0010】
このブラシ体においては、導電性を有する複数の導電性ブリッスルを含む導電ブリッスル束と、絶縁性を有する複数の絶縁性ブリッスルを含む絶縁性ブリッスル束とが植毛面に設けられるブラシ体において、前記植毛面の基準面を基準とした前記導電ブリッスル束の高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスル束の高さとが互いに異なることが好ましい。
【0011】
このブラシ体においては、導電性を有する導電性ブリッスルと絶縁性を有する絶縁性ブリッスルとを含む混合ブリッスル束が植毛面に設けられるブラシ体において、一の前記混合ブリッスル束において前記植毛面の基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さとが互いに異なること、ならびに前記基準面を基準とした一の前記混合ブリッスル束の高さと前記基準面を基準とした他の前記混合ブリッスル束の高さとが互いに異なることが好ましい。
【0012】
このブラシ体においては、前記導電性ブリッスルは、導電性を有する芯部と絶縁性を有する被覆部とを含み、前記芯部が前記被覆部により被覆され、前記芯部の先端が前記被覆部から突出していることが好ましい。
【0013】
このブラシ体においては、前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さが前記基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さよりも低いことにより、前記絶縁性ブリッスルの先端の部分に歯磨剤を貯留する貯留部が形成されていることが好ましい。
【0014】
このブラシ体においては、前記基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さが前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さよりも低いことにより、前記導電性ブリッスル先端の部分に歯磨剤を貯留する貯留部が形成されていることが好ましい。
【0015】
本発明の歯ブラシは、上記ブラシ体を含む歯ブラシである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、導電性ブリッスルから口腔内の組織への通電が行われやすい構造、および電解性の薬効成分のイオン化が促進されやすい構造の少なくとも一方を有するブラシ体および歯ブラシを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の歯ブラシの第1の実施形態について、その断面構造を示す断面図。
【図2】同実施形態の歯ブラシの回路構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の歯ブラシのブラシ体の図であり、(a)は断面図、(b)はブリッスル先端部の拡大図、(c)は(b)の拡大図。
【図4】同実施形態の歯ブラシのブリッスル先端部について、(a)はブリッスル先端部に載せられた歯磨剤が消費される前の拡大図、(b)はブリッスル先端部に載せられた歯磨剤の一部が消費された後の拡大図。
【図5】本発明の歯ブラシの第2の実施形態について、(a)は歯ブラシの断面図、(b)は導電性ブリッスル先端部の拡大図、(c)は絶縁性ブリッスル先端部の拡大図。
【図6】同実施形態の歯ブラシのブリッスル先端部について、(a)はブリッスル先端部に載せられた歯磨剤が消費される前の拡大図、(b)はブリッスル先端部に載せられた歯磨剤の一部が消費された後の拡大図。
【図7】本発明の歯ブラシの第3の実施形態について、(a)は歯ブラシの断面図、(b)は導電性ブリッスル先端部の拡大図、(c)は絶縁性ブリッスル先端部の拡大図。
【図8】歯磨剤使用状態における第3の実施形態の歯ブラシの歯磨剤をブリッスル先端部に載せたブラシ体の断面図。
【図9】本発明を具体化した変更例における歯ブラシのブラシ体の図であり、(a)は断面図、(b)は導電性ブリッスル先端部の拡大図、(c)は絶縁性ブリッスル先端部の拡大図。
【図10】本発明を具体化した変更例における歯ブラシのブラシ体の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、電動歯ブラシ1は、使用者が把持可能な把持本体部20の先端部にブラシ体10を着脱可能に装着することができる電動歯ブラシである。把持本体部20に内蔵された振動アクチュエータ22によって、ブラシ体10を振動させることによりブラッシングを行うよう構成されている。
【0019】
把持本体部20は、使用者の把持等を考慮した略円柱状に形成されている。把持本体部20には、外側面に把持により接触する把持電極21と、使用者が操作するためのスイッチ26と、動作状態を示すLED27とが設けられている。把持本体部20の内部には、振動アクチュエータ22と、回路部25に電力を供給する電池24と、振動アクチュエータ22への電力の供給等を制御する回路部25とが設けられている。把持本体部20の先端部は、振動アクチュエータ22の出力シャフト23が突出している。出力シャフト23は、ブラシ体10に挿入されている。
【0020】
ブラシ体10は、把持本体部20に接続されるブラシ柄12と、ブラシ柄12と一体に形成されたヘッド部11と、ヘッド部11に植毛された複数の混合ブリッスル束70とを含む。
【0021】
ヘッド部11の内部には、各混合ブリッスル束70の基端部が植毛される導電性部材14が設けられている。ブラシ柄12の内部には、導電性部材14を把持本体部20の出力シャフト23に電気的に接続するための接続ターミナル15と、出力シャフト23を挿入するための空間としての挿入穴16とが設けられている。
【0022】
電動歯ブラシ1においては、把持本体部20の出力シャフト23がブラシ体10の挿入穴16に挿入されることにより、ブラシ体10が把持本体部20に取り付けられる。このとき、導電性部材14は接続ターミナル15および出力シャフト23を介して電池24と電気的に接続される。
【0023】
図2に、電動歯ブラシ1の回路構成を示す。
電動歯ブラシ1の回路部25には、把持電極21と電気的に接続された制御回路25aと、制御回路25aと電気的に接続された充電回路25bおよび電源回路25cとが設けられている。電源回路25cは、電池24から電力の供給を受ける。充電回路25bは、電池24に電力を供給する。
【0024】
使用者が電動歯ブラシ1を使用しているとき、使用者および電動歯ブラシ1により次の電気回路が形成される。すなわち、使用者の手に把持された把持本体部20の把持電極21、回路部25の制御回路25a、把持本体部20の出力シャフト23、ブラシ体10の接続ターミナル15、導電性部材14、各混合ブリッスル束70、口腔内の唾液、歯茎等の組織、および人体からなる電気回路が形成される。制御回路25aが所定の大きさの直流電圧を印加しているとき、上記の電気回路に電流が流れる。
【0025】
図3に、ヘッド部11および混合ブリッスル束70の拡大構造を示す。
図3(a)に示すように、各導電性ブリッスル30および各絶縁性ブリッスル40の基端部は、ヘッド部11の表面である植毛面13を介して導電性部材14に植毛されている。植毛面13は、電動歯ブラシ1の長手方向に沿う平滑な面として形成されている。
【0026】
図3(b)に示すように、混合ブリッスル束70は、導電性を有するブリッスルである複数の導電性ブリッスル30、および絶縁性を有する複数の絶縁性ブリッスル40が混在したブリッスルの束として構成されている。絶縁性ブリッスル40は、ポリアミド樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等の可撓性を有する絶縁性樹脂により形成されている。
【0027】
図3(c)に示すように、導電性ブリッスル30は、カーボン含有のポリアミド樹脂やカーボン含有のポリブチレンテレフタレート樹脂等の可撓性を有する導電性樹脂により形成された芯部31を有している。
【0028】
芯部31の周囲は被覆部33により覆われている。被覆部33は、カーボンを含まないポリアミド樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等の可撓性を有する絶縁性樹脂により形成されている。
【0029】
芯部31の先端部32は被覆部33の先端部から突出している。芯部31の基端部は被覆部33の基端部から突出している。すなわち、芯部31の先端部32および基端部の周囲は被覆部33により覆われていない。芯部31の基端部の周囲が被覆部33により覆われていないことにより、各導電性ブリッスル30が導電性部材14と電気的に接続されている。
【0030】
図3(b)に示すように、混合ブリッスル束70を構成する導電性ブリッスル30と絶縁性ブリッスル40とはヘッド部11の基準面としての植毛面13を基準とした高さが互いに異なる。すなわち、植毛面13から絶縁性ブリッスル40の先端部までの高さが植毛面13から導電性ブリッスル30の先端部までの高さよりも大きい。この高さの差によって、導電性ブリッスル30の先端に貯留部34が形成されている。
【0031】
なお、高さ方向とは、図3(a)に示すように、導電性ブリッスル30および絶縁性ブリッスル40が延びる方向を言う。また、基準面は次のものを示す。すなわち、電動歯ブラシ1の長手方向に沿う仮想面のうち、ヘッド部11において植毛面13とは反対側の面を高さ方向の基準としたときに植毛面13の最も高いところを通過する面を示す。
【0032】
当該電動歯ブラシ1においては、植毛面13が長手方向に沿う平滑な面として形成されているため、植毛面13の最も高い位置が植毛面13の全体において同じものになる。このため、植毛面13と基準面とが一致している。
【0033】
図4を参照して、歯磨剤80を用いた電動歯ブラシ1の使用形態について説明する。
図4(a)に示すように、使用者がブラッシングの開始に先立ち混合ブリッスル束70の先端部に歯磨剤80を載せたとき、歯磨剤80の一部が貯留部34に貯留される。
【0034】
図4(b)に示すように、使用者によりブラッシングが行われたとき、歯磨剤80の一部が消費される。このとき、貯留部34に貯留されている歯磨剤80は、貯留部34外の歯磨剤80すなわち絶縁性ブリッスル40の先端にある歯磨剤80よりも消費されにくい。このため、絶縁性ブリッスル40の先端部に載せられた歯磨剤80が消費されている間、通電により貯留部34の歯磨剤80に電流が作用する。
【0035】
歯磨剤80として電解性の薬効成分を含むものが用いられているときには、電流の作用によりイオンが口腔組織に引き寄せられる。このイオンが殺菌作用を有するときには、イオンにより口腔内が殺菌される。このような電解性の薬効成分としては、塩化セチルピリジニウムが例示できる。
【0036】
上記実施形態の歯ブラシによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)電動歯ブラシ1には、基準面を基準とした導電性ブリッスル30の高さが基準面を基準とした絶縁性ブリッスル40の高さよりも低いことにより、導電性ブリッスル30先端の部分に歯磨剤80を貯留する貯留部34が形成されている。
【0037】
これにより、ブラッシング時において貯留部34の歯磨剤80が貯留部34外の歯磨剤80よりも消費されにくくなるため、通電による貯留部34の歯磨剤80に電流が作用しやすい。また、薬効成分が貯留部34に貯留されるため、口腔内全体に拡散することが抑制される。また、薬効成分を電流の作用で歯茎等の必要部位に集中的に供給することができる。
【0038】
(2)電動歯ブラシ1には、被覆部33から芯部31が突出した構造の導電性ブリッスル30が設けられている。芯部31が突出していることにより通電面積が大きくなるため、薬効成分へ電流を効率良く作用させることができる。また、芯部31において先端部以外の部分が絶縁性部材である被覆部33により覆われているため、芯部31の先端部に電流が集中的に供給される。これにより、薬効成分へ電流を一層効率良く作用させることができるようになる。
【0039】
(第2の実施形態)
図5および図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態の電動歯ブラシ1は、第1実施形態の電動歯ブラシのヘッド部11の構成を変更したものに相当する。以下にこの変更された点についての詳細を示す。なお、その他の点については第1実施形態と同様の構成が採用されているため、共通する構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
図5(a)に示すように、ヘッド部11は歯垢等を擦掃する複数の導電ブリッスル束50および複数の絶縁ブリッスル束60を備えている。各導電ブリッスル束50および各絶縁ブリッスル束60の基端部は、ヘッド部11の表面である植毛面13を介して導電性部材14に植毛されている。また、導電ブリッスル束50と絶縁ブリッスル束60とが交互に設けられている。長手方向の両外側には、絶縁ブリッスル束60が設けられている。植毛面13は、電動歯ブラシ1の長手方向に沿う平滑な面として形成されている。
【0041】
図5(b)に示すように、導電ブリッスル束50は導電性を有するブリッスルである複数の導電性ブリッスル30の束として構成されている。各導電性ブリッスル30は、導電性部材14と電気的に接続されている。
【0042】
図5(c)に示すように、絶縁ブリッスル束60は絶縁性を有する複数の絶縁性ブリッスル40の束として構成されている。
図5(a)に示すように、導電ブリッスル束50と絶縁ブリッスル束60とはヘッド部11の基準面としての植毛面13を基準とした高さが互いに異なる。すなわち、植毛面13から絶縁ブリッスル束60の先端部までの高さhが植毛面13から導電ブリッスル束50の先端部までの高さよりも大きい。この高さの差によって、導電ブリッスル束50の先端に貯留部34が形成されている。
【0043】
図6を参照して、歯磨剤80を用いた電動歯ブラシ1の使用形態について説明する。
図6(a)に示すように、ブラッシングの開始に先立ち、使用者が導電ブリッスル束50および絶縁ブリッスル束60の先端部に歯磨剤80を載せたとき、歯磨剤80の一部が貯留部34に貯留される。
【0044】
図6(b)に示すように、使用者によりブラッシングが行われたとき、歯磨剤80の一部が消費される。このとき、貯留部34に貯留されている歯磨剤80は、貯留部34外の歯磨剤80すなわち絶縁ブリッスル束60の先端にある歯磨剤80よりも消費されにくい。このため、絶縁ブリッスル束60の先端部に載せられた歯磨剤80が消費されている間、通電により貯留部34の歯磨剤80に電流が作用する。
【0045】
歯磨剤80として電解性の薬効成分を含むものが用いられているときには、薬効成分がに電流が作用し口腔組織へと引き寄せられる。この薬効成分が殺菌作用を有するときには、口腔内が殺菌される。
【0046】
上記実施形態の歯ブラシによれば、第1実施形態の(1)および(2)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(3)第1の実施形態の電動歯ブラシ1よりも1つの貯留部34の大きさが大きい。このため、ブラッシング時により多くの歯磨剤80に電流を作用させることができる。また、使用者がブラッシング前に歯磨剤80をヘッド部11に載せるとき、絶縁ブリッスル束60の先端および導電ブリッスル束50の先端(貯留部34)のうち後者のみに歯磨剤80を載せる作業を容易に行うことができる。
【0047】
(4)電動歯ブラシ1においては、絶縁ブリッスル束60の高さが導電ブリッスル束50よりも大きいため、ブラッシング時に絶縁ブリッスル束60の先端が歯周ポケットに入り込みやすい。このため、導電ブリッスル束50の高さが絶縁ブリッスル束60よりも大きい場合と比較して、歯周ポケットの汚れを落とす効果が高くなる。
【0048】
(5)また、絶縁ブリッスル束60がヘッド部11の長手方向において導電ブリッスル束50よりも外側に設けられているため、ブラッシング時に絶縁ブリッスル束60が歯周ポケットに入り込みやすい。従って、歯周ポケットの汚れを落とす効果がより高くなる。
【0049】
(第3の実施形態)
図7および図8を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態の電動歯ブラシ1は、第2実施形態の電動歯ブラシのヘッド部11の構成を変更したものに相当する。以下にこの変更された点についての詳細を示す。なお、その他の点については第2実施形態と同様の構成が採用されているため、共通する構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図7(a)に示すように、植毛面13から絶縁ブリッスル束60の先端部までの高さhが植毛面13から導電ブリッスル束50の先端部までの高さよりも大きい。この高さの差によって、導電ブリッスル束50の先端に貯留部34が形成されている。
【0051】
ヘッド部11においては、長手方向の両外側に絶縁ブリッスル束60が植毛されている。両外側の絶縁ブリッスル束60の間に、複数の導電ブリッスル束50が植毛されている。複数の導電ブリッスル束50が隣り合うように植毛されているため、それぞれの導電ブリッスル束50の先端に形成されている貯留部34が連続している。すなわち、複数の貯留部34により1つの大きな貯留部が形成されている。
【0052】
図8を参照して、歯磨剤80を用いた電動歯ブラシ1の使用形態について説明する。
ブラッシングの開始に先立ち、使用者が導電ブリッスル束50および絶縁ブリッスル束60の先端部に歯磨剤80を載せたとき、歯磨剤80の一部が貯留部34に貯留される。
【0053】
図8に示すように、使用者によりブラッシングが行われたとき、歯磨剤80の一部が消費される。このとき、貯留部34に貯留されている歯磨剤80は、貯留部34外の歯磨剤80すなわち絶縁ブリッスル束60の先端にある歯磨剤80よりも消費されにくい。このため、絶縁ブリッスル束60の先端部に載せられた歯磨剤80が消費されている間、通電により貯留部34の歯磨剤80がイオン化される。
【0054】
歯磨剤80として電解性の薬効成分を含むものが用いられているときには、薬効成分に電流が作用し口腔組織に引き寄せられる。この薬効成分が殺菌作用を有するときには、イ口腔内が殺菌される。
【0055】
上記実施形態の歯ブラシによれば、第1の実施形態の(1)および(2)、ならびに第2の実施形態の(3)〜(5)の効果に加えて、以下に示す効果が得られる。
(6)各導電ブリッスル束50の先端の貯留部34により1つの貯留部が形成されている。このため、ブラッシング時により多くの歯磨剤80に電流を作用させることができる。また、使用者がブラッシング前に歯磨剤80をヘッド部11に載せるとき、貯留部のみに歯磨剤80を載せる作業をより一層容易に行うことができる。
【0056】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・第1の実施形態においては、混合ブリッスル束70の高さは全て同じであるが、異なる高さとしても良い。すなわち、混合ブリッスル束70において基準面を基準とした導電性ブリッスル30の高さと基準面を基準とした絶縁性ブリッスル40の高さとが互いに異なり、かつ基準面を基準とした一の混合ブリッスル束70の高さと基準面を基準とした他の混合ブリッスル束70の高さとが互いに異なる構成としても良い。この場合、例えば、図5に準じて、長手方向の両外側と中央部の混合ブリッスル束の高さが高く、それ以外の混合ブリッスル束の高さが低い構成としても良い。あるいは、図7に準じて、長手方向の両外側に配された混合ブリッスル束が高く、中央部に配された混合ブリッスル束が低い構成としてもよい。また、その他の構成であっても良い。
【0057】
・また上記変形例のように、基準面を基準とした一の混合ブリッスル束70の高さと基準面を基準とした他の混合ブリッスル束70の高さとが互いに異なる構成とした場合において、各混合ブリッスル束70を構成する導電性ブリッスル30の高さと絶縁性ブリッスル40の高さは同じ構成としても良い。
【0058】
・第1実施形態では、植毛面13をブラシ体10の長手方向に延びる平滑な面として形成しているが、例えば次のように変更することもできる。すなわち、図10に示すように、ヘッド部11の長手方向の中央部分が外側に向けて突出した湾曲形状の植毛面13を形成することもできる。この場合には、同じ長さの各混合ブリッスル束70の基端部を同じ長さだけヘッド部11に植毛したとき、基準面から先端までの長さが隣り合う混合ブリッスル束70同士の間で互いに異なる。なお、この変形例においては、植毛面13とは反対側の面を高さ方向の基準としたとき、植毛面13の中央部分を通過する仮想面(図中の一点鎖線で示される面)が植毛面13の最も高いところを通過する基準面となる。
【0059】
・第1の実施形態では、導電性ブリッスル30の基準面からの高さが、絶縁性ブリッスル40の基準面からの高さよりも低いが、導電性ブリッスル30の基準面からの高さを絶縁性ブリッスル40の高さよりも高くすることもできる。この場合、絶縁性ブリッスル40先端に貯留部が形成される。従って、導電性ブリッスル30の先端の歯磨剤は絶縁性ブリッスル40の貯留部に貯留されている歯磨剤に比して先に消費される。そのため、導電性ブリッスル30の先端が歯茎に直接触れることにより、導電性ブリッスル30と歯茎との接触が歯磨剤によって妨げられることが抑制される。従って、電気が流れることにより歯茎を暖め、消炎する等の電気マッサージ効果を得ることができる。なお、このとき蓄熱剤や発熱剤を成分として含む歯磨剤を併せて用いれば、蓄熱効果または発熱効果により上記電気マッサージ効果は一層向上する。
【0060】
・第1の実施形態では、混合ブリッスル束70を構成する導電性ブリッスル30の基準面からの高さが、絶縁性ブリッスル40の基準面からの高さよりも低いが、導電性ブリッスル30の基準面からの高さを絶縁性ブリッスル40の高さよりも高くすることもできる。この場合、絶縁性ブリッスル40先端に貯留部が形成される。この場合にも、導電性ブリッスル30の先端に載せられた歯磨剤80は、絶縁性ブリッスル40の貯留部に貯留されている歯磨剤に比して先に消費されるため、上述した作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0061】
更に、電動歯ブラシ1には、被覆部33から芯部31が突出した構造の導電性ブリッスル30が設けられている。このため、芯部31が歯周ポケット等の隙間に入り込むことにより、塩素で集中的に細菌の殺菌を行うことができる。また、芯部31が突出していることにより通電面積が大きくなるため、電気マッサージ効果を高めることができる。また、芯部31において先端部以外の部分が絶縁性部材である被覆部33により覆われているため、芯部31の先端部に電流が集中的に供給される。これにより、電気マッサージ効果を一層高めることができようになる。
【0062】
・また、第2,第3の実施形態では、導電ブリッスル束50の基準面からの高さを絶縁ブリッスル束60の基準面からの高さよりも低くしているが、導電ブリッスル束50の基準面からの高さを絶縁ブリッスル束60の高さよりも高くすることもできる。この場合も上記変更例と同様の作用効果を奏することができる。また、使用者がブラッシング前に歯磨剤80をヘッド部11に載せるとき、貯留部のみに歯磨剤80を載せる作業を容易に行うことができる。
【0063】
・第2の実施形態では、長手方向の両外側と中央部に高さの高い絶縁ブリッスル束60が配置されているが、例えば、中央部には高さの高い導電ブリッスル束50を配置してもよい。また、長手方向の両外側に高さの高い導電ブリッスル束50を配置しても良い。
【0064】
・各実施形態においては、導電性ブリッスル30同士は、基準面を基準とした高さが全て同じであり、絶縁性ブリッスル40同士もまた、全て高さが同じである。言い換えるとブリッスルの高さは2段階しかないが、3段階以上の高さによって構成されていても良い。例えば、図9に示すように、中央部に植毛される導電ブリッスル束50の高さを他の導電ブリッスル束50の高さより低くすることもできる。この場合には、薬効成分が外部に漏れ出すことを抑制する効果がより一層大きくなる。
【0065】
・各実施形態では、ヘッド部11およびブラシ柄12を含めてブラシ体10を構成したが、ブラシ柄12を除いてブラシ体10を構成することもできる。この場合には、除かれたブラシ柄12の部分を把持本体部20と一体に形成すること、またはヘッド部11および把持本体部20とは別の要素として形成することができる。
【0066】
・各実施形態では、振動型の電動歯ブラシに本発明を適用したが、ブリッスルが植毛されたヘッド部の一部を回転させる回転型の電動歯ブラシに本発明を適用することもできる。また、ヘッド部を振動させる機能またはヘッド部を回転させる機能が省略された歯ブラシに対して本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0067】
1…電動歯ブラシ、10…ブラシ体、11…ヘッド部、12…ブラシ柄、13…植毛面、14…導電性部材、15…接続ターミナル、16…挿入穴、20…把持本体部、21…把持電極、22…振動アクチュエータ、23…出力シャフト、24…電池、25…回路部、25a…制御回路、25b…充電回路、25c…電源回路、26…スイッチ、27…LED、30…導電性ブリッスル、31…芯部、32…先端部、33…被覆部、34…貯留部、40…絶縁性ブリッスル、50…導電ブリッスル束、60…絶縁ブリッスル束、70…混合ブリッスル束、80…歯磨剤。
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性を有する導電性ブリッスルと絶縁性を有する絶縁性ブリッスルとが植毛面に設けられるブラシ体、および同ブラシ体を含む歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
上記歯ブラシの一例として、特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1の歯ブラシにおいては、導電性を有する導電ブリッスル束がブラシ体の中央に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−223369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、口腔内殺菌効果を有する電解性の薬効成分を含む歯磨剤を用いてブラッシングをした場合、薬効成分が電流の作用により歯面や歯茎に引き寄せられるため口腔内殺菌する効果が向上する。口腔内、特に歯茎を殺菌することにより歯周病の予防の効果が期待できる。
【0005】
他方、ブラッシング時において導電性ブリッスルが例えば口腔内の組織として歯茎に直接的に接触した場合、導電性ブリッスルから歯茎への通電によりマッサージ効果が得られるため、歯茎の消炎効果が期待できる。
【0006】
しかし、特許文献1の歯ブラシでは、各ブリッスルの高さが均一に揃えられたブラシ体の中央に導電性ブリッスルが設けられているため、歯磨剤をブラシ体の各ブリッスル束の上に載せてブラッシングをするとき、導電性ブリッスルおよび絶縁性ブリッスルのそれぞれの上にある歯磨剤が一斉に歯面にこすりつけられる。このため、導電性ブリッスルからの通電により効率的に歯磨剤中の電解性の薬効成分を移動させることは難しい。
【0007】
また、歯茎等に導電性ブリッスルを接触させようとしたときには、同ブリッスルの周囲にある絶縁性ブリッスルが先に接触するため、導電性ブリッスルから歯茎等への通電によるマッサージ効果も得られにくい。
【0008】
本発明は上記の課題に着目してなされたものであり、その目的は、導電性ブリッスルから口腔内の組織への通電が行われやすい構造、および電解性の薬効成分に電流を作用させやすい構造の少なくとも一方を有するブラシ体および歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のブラシ体は、導電性を有する導電性ブリッスルと絶縁性を有する絶縁性ブリッスルとを含む混合ブリッスル束が植毛面に設けられるブラシ体において、前記植毛面の基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さとが互いに異なることを特徴とする。
【0010】
このブラシ体においては、導電性を有する複数の導電性ブリッスルを含む導電ブリッスル束と、絶縁性を有する複数の絶縁性ブリッスルを含む絶縁性ブリッスル束とが植毛面に設けられるブラシ体において、前記植毛面の基準面を基準とした前記導電ブリッスル束の高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスル束の高さとが互いに異なることが好ましい。
【0011】
このブラシ体においては、導電性を有する導電性ブリッスルと絶縁性を有する絶縁性ブリッスルとを含む混合ブリッスル束が植毛面に設けられるブラシ体において、一の前記混合ブリッスル束において前記植毛面の基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さとが互いに異なること、ならびに前記基準面を基準とした一の前記混合ブリッスル束の高さと前記基準面を基準とした他の前記混合ブリッスル束の高さとが互いに異なることが好ましい。
【0012】
このブラシ体においては、前記導電性ブリッスルは、導電性を有する芯部と絶縁性を有する被覆部とを含み、前記芯部が前記被覆部により被覆され、前記芯部の先端が前記被覆部から突出していることが好ましい。
【0013】
このブラシ体においては、前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さが前記基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さよりも低いことにより、前記絶縁性ブリッスルの先端の部分に歯磨剤を貯留する貯留部が形成されていることが好ましい。
【0014】
このブラシ体においては、前記基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さが前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さよりも低いことにより、前記導電性ブリッスル先端の部分に歯磨剤を貯留する貯留部が形成されていることが好ましい。
【0015】
本発明の歯ブラシは、上記ブラシ体を含む歯ブラシである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、導電性ブリッスルから口腔内の組織への通電が行われやすい構造、および電解性の薬効成分のイオン化が促進されやすい構造の少なくとも一方を有するブラシ体および歯ブラシを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の歯ブラシの第1の実施形態について、その断面構造を示す断面図。
【図2】同実施形態の歯ブラシの回路構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の歯ブラシのブラシ体の図であり、(a)は断面図、(b)はブリッスル先端部の拡大図、(c)は(b)の拡大図。
【図4】同実施形態の歯ブラシのブリッスル先端部について、(a)はブリッスル先端部に載せられた歯磨剤が消費される前の拡大図、(b)はブリッスル先端部に載せられた歯磨剤の一部が消費された後の拡大図。
【図5】本発明の歯ブラシの第2の実施形態について、(a)は歯ブラシの断面図、(b)は導電性ブリッスル先端部の拡大図、(c)は絶縁性ブリッスル先端部の拡大図。
【図6】同実施形態の歯ブラシのブリッスル先端部について、(a)はブリッスル先端部に載せられた歯磨剤が消費される前の拡大図、(b)はブリッスル先端部に載せられた歯磨剤の一部が消費された後の拡大図。
【図7】本発明の歯ブラシの第3の実施形態について、(a)は歯ブラシの断面図、(b)は導電性ブリッスル先端部の拡大図、(c)は絶縁性ブリッスル先端部の拡大図。
【図8】歯磨剤使用状態における第3の実施形態の歯ブラシの歯磨剤をブリッスル先端部に載せたブラシ体の断面図。
【図9】本発明を具体化した変更例における歯ブラシのブラシ体の図であり、(a)は断面図、(b)は導電性ブリッスル先端部の拡大図、(c)は絶縁性ブリッスル先端部の拡大図。
【図10】本発明を具体化した変更例における歯ブラシのブラシ体の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、電動歯ブラシ1は、使用者が把持可能な把持本体部20の先端部にブラシ体10を着脱可能に装着することができる電動歯ブラシである。把持本体部20に内蔵された振動アクチュエータ22によって、ブラシ体10を振動させることによりブラッシングを行うよう構成されている。
【0019】
把持本体部20は、使用者の把持等を考慮した略円柱状に形成されている。把持本体部20には、外側面に把持により接触する把持電極21と、使用者が操作するためのスイッチ26と、動作状態を示すLED27とが設けられている。把持本体部20の内部には、振動アクチュエータ22と、回路部25に電力を供給する電池24と、振動アクチュエータ22への電力の供給等を制御する回路部25とが設けられている。把持本体部20の先端部は、振動アクチュエータ22の出力シャフト23が突出している。出力シャフト23は、ブラシ体10に挿入されている。
【0020】
ブラシ体10は、把持本体部20に接続されるブラシ柄12と、ブラシ柄12と一体に形成されたヘッド部11と、ヘッド部11に植毛された複数の混合ブリッスル束70とを含む。
【0021】
ヘッド部11の内部には、各混合ブリッスル束70の基端部が植毛される導電性部材14が設けられている。ブラシ柄12の内部には、導電性部材14を把持本体部20の出力シャフト23に電気的に接続するための接続ターミナル15と、出力シャフト23を挿入するための空間としての挿入穴16とが設けられている。
【0022】
電動歯ブラシ1においては、把持本体部20の出力シャフト23がブラシ体10の挿入穴16に挿入されることにより、ブラシ体10が把持本体部20に取り付けられる。このとき、導電性部材14は接続ターミナル15および出力シャフト23を介して電池24と電気的に接続される。
【0023】
図2に、電動歯ブラシ1の回路構成を示す。
電動歯ブラシ1の回路部25には、把持電極21と電気的に接続された制御回路25aと、制御回路25aと電気的に接続された充電回路25bおよび電源回路25cとが設けられている。電源回路25cは、電池24から電力の供給を受ける。充電回路25bは、電池24に電力を供給する。
【0024】
使用者が電動歯ブラシ1を使用しているとき、使用者および電動歯ブラシ1により次の電気回路が形成される。すなわち、使用者の手に把持された把持本体部20の把持電極21、回路部25の制御回路25a、把持本体部20の出力シャフト23、ブラシ体10の接続ターミナル15、導電性部材14、各混合ブリッスル束70、口腔内の唾液、歯茎等の組織、および人体からなる電気回路が形成される。制御回路25aが所定の大きさの直流電圧を印加しているとき、上記の電気回路に電流が流れる。
【0025】
図3に、ヘッド部11および混合ブリッスル束70の拡大構造を示す。
図3(a)に示すように、各導電性ブリッスル30および各絶縁性ブリッスル40の基端部は、ヘッド部11の表面である植毛面13を介して導電性部材14に植毛されている。植毛面13は、電動歯ブラシ1の長手方向に沿う平滑な面として形成されている。
【0026】
図3(b)に示すように、混合ブリッスル束70は、導電性を有するブリッスルである複数の導電性ブリッスル30、および絶縁性を有する複数の絶縁性ブリッスル40が混在したブリッスルの束として構成されている。絶縁性ブリッスル40は、ポリアミド樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等の可撓性を有する絶縁性樹脂により形成されている。
【0027】
図3(c)に示すように、導電性ブリッスル30は、カーボン含有のポリアミド樹脂やカーボン含有のポリブチレンテレフタレート樹脂等の可撓性を有する導電性樹脂により形成された芯部31を有している。
【0028】
芯部31の周囲は被覆部33により覆われている。被覆部33は、カーボンを含まないポリアミド樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等の可撓性を有する絶縁性樹脂により形成されている。
【0029】
芯部31の先端部32は被覆部33の先端部から突出している。芯部31の基端部は被覆部33の基端部から突出している。すなわち、芯部31の先端部32および基端部の周囲は被覆部33により覆われていない。芯部31の基端部の周囲が被覆部33により覆われていないことにより、各導電性ブリッスル30が導電性部材14と電気的に接続されている。
【0030】
図3(b)に示すように、混合ブリッスル束70を構成する導電性ブリッスル30と絶縁性ブリッスル40とはヘッド部11の基準面としての植毛面13を基準とした高さが互いに異なる。すなわち、植毛面13から絶縁性ブリッスル40の先端部までの高さが植毛面13から導電性ブリッスル30の先端部までの高さよりも大きい。この高さの差によって、導電性ブリッスル30の先端に貯留部34が形成されている。
【0031】
なお、高さ方向とは、図3(a)に示すように、導電性ブリッスル30および絶縁性ブリッスル40が延びる方向を言う。また、基準面は次のものを示す。すなわち、電動歯ブラシ1の長手方向に沿う仮想面のうち、ヘッド部11において植毛面13とは反対側の面を高さ方向の基準としたときに植毛面13の最も高いところを通過する面を示す。
【0032】
当該電動歯ブラシ1においては、植毛面13が長手方向に沿う平滑な面として形成されているため、植毛面13の最も高い位置が植毛面13の全体において同じものになる。このため、植毛面13と基準面とが一致している。
【0033】
図4を参照して、歯磨剤80を用いた電動歯ブラシ1の使用形態について説明する。
図4(a)に示すように、使用者がブラッシングの開始に先立ち混合ブリッスル束70の先端部に歯磨剤80を載せたとき、歯磨剤80の一部が貯留部34に貯留される。
【0034】
図4(b)に示すように、使用者によりブラッシングが行われたとき、歯磨剤80の一部が消費される。このとき、貯留部34に貯留されている歯磨剤80は、貯留部34外の歯磨剤80すなわち絶縁性ブリッスル40の先端にある歯磨剤80よりも消費されにくい。このため、絶縁性ブリッスル40の先端部に載せられた歯磨剤80が消費されている間、通電により貯留部34の歯磨剤80に電流が作用する。
【0035】
歯磨剤80として電解性の薬効成分を含むものが用いられているときには、電流の作用によりイオンが口腔組織に引き寄せられる。このイオンが殺菌作用を有するときには、イオンにより口腔内が殺菌される。このような電解性の薬効成分としては、塩化セチルピリジニウムが例示できる。
【0036】
上記実施形態の歯ブラシによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)電動歯ブラシ1には、基準面を基準とした導電性ブリッスル30の高さが基準面を基準とした絶縁性ブリッスル40の高さよりも低いことにより、導電性ブリッスル30先端の部分に歯磨剤80を貯留する貯留部34が形成されている。
【0037】
これにより、ブラッシング時において貯留部34の歯磨剤80が貯留部34外の歯磨剤80よりも消費されにくくなるため、通電による貯留部34の歯磨剤80に電流が作用しやすい。また、薬効成分が貯留部34に貯留されるため、口腔内全体に拡散することが抑制される。また、薬効成分を電流の作用で歯茎等の必要部位に集中的に供給することができる。
【0038】
(2)電動歯ブラシ1には、被覆部33から芯部31が突出した構造の導電性ブリッスル30が設けられている。芯部31が突出していることにより通電面積が大きくなるため、薬効成分へ電流を効率良く作用させることができる。また、芯部31において先端部以外の部分が絶縁性部材である被覆部33により覆われているため、芯部31の先端部に電流が集中的に供給される。これにより、薬効成分へ電流を一層効率良く作用させることができるようになる。
【0039】
(第2の実施形態)
図5および図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態の電動歯ブラシ1は、第1実施形態の電動歯ブラシのヘッド部11の構成を変更したものに相当する。以下にこの変更された点についての詳細を示す。なお、その他の点については第1実施形態と同様の構成が採用されているため、共通する構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
図5(a)に示すように、ヘッド部11は歯垢等を擦掃する複数の導電ブリッスル束50および複数の絶縁ブリッスル束60を備えている。各導電ブリッスル束50および各絶縁ブリッスル束60の基端部は、ヘッド部11の表面である植毛面13を介して導電性部材14に植毛されている。また、導電ブリッスル束50と絶縁ブリッスル束60とが交互に設けられている。長手方向の両外側には、絶縁ブリッスル束60が設けられている。植毛面13は、電動歯ブラシ1の長手方向に沿う平滑な面として形成されている。
【0041】
図5(b)に示すように、導電ブリッスル束50は導電性を有するブリッスルである複数の導電性ブリッスル30の束として構成されている。各導電性ブリッスル30は、導電性部材14と電気的に接続されている。
【0042】
図5(c)に示すように、絶縁ブリッスル束60は絶縁性を有する複数の絶縁性ブリッスル40の束として構成されている。
図5(a)に示すように、導電ブリッスル束50と絶縁ブリッスル束60とはヘッド部11の基準面としての植毛面13を基準とした高さが互いに異なる。すなわち、植毛面13から絶縁ブリッスル束60の先端部までの高さhが植毛面13から導電ブリッスル束50の先端部までの高さよりも大きい。この高さの差によって、導電ブリッスル束50の先端に貯留部34が形成されている。
【0043】
図6を参照して、歯磨剤80を用いた電動歯ブラシ1の使用形態について説明する。
図6(a)に示すように、ブラッシングの開始に先立ち、使用者が導電ブリッスル束50および絶縁ブリッスル束60の先端部に歯磨剤80を載せたとき、歯磨剤80の一部が貯留部34に貯留される。
【0044】
図6(b)に示すように、使用者によりブラッシングが行われたとき、歯磨剤80の一部が消費される。このとき、貯留部34に貯留されている歯磨剤80は、貯留部34外の歯磨剤80すなわち絶縁ブリッスル束60の先端にある歯磨剤80よりも消費されにくい。このため、絶縁ブリッスル束60の先端部に載せられた歯磨剤80が消費されている間、通電により貯留部34の歯磨剤80に電流が作用する。
【0045】
歯磨剤80として電解性の薬効成分を含むものが用いられているときには、薬効成分がに電流が作用し口腔組織へと引き寄せられる。この薬効成分が殺菌作用を有するときには、口腔内が殺菌される。
【0046】
上記実施形態の歯ブラシによれば、第1実施形態の(1)および(2)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(3)第1の実施形態の電動歯ブラシ1よりも1つの貯留部34の大きさが大きい。このため、ブラッシング時により多くの歯磨剤80に電流を作用させることができる。また、使用者がブラッシング前に歯磨剤80をヘッド部11に載せるとき、絶縁ブリッスル束60の先端および導電ブリッスル束50の先端(貯留部34)のうち後者のみに歯磨剤80を載せる作業を容易に行うことができる。
【0047】
(4)電動歯ブラシ1においては、絶縁ブリッスル束60の高さが導電ブリッスル束50よりも大きいため、ブラッシング時に絶縁ブリッスル束60の先端が歯周ポケットに入り込みやすい。このため、導電ブリッスル束50の高さが絶縁ブリッスル束60よりも大きい場合と比較して、歯周ポケットの汚れを落とす効果が高くなる。
【0048】
(5)また、絶縁ブリッスル束60がヘッド部11の長手方向において導電ブリッスル束50よりも外側に設けられているため、ブラッシング時に絶縁ブリッスル束60が歯周ポケットに入り込みやすい。従って、歯周ポケットの汚れを落とす効果がより高くなる。
【0049】
(第3の実施形態)
図7および図8を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態の電動歯ブラシ1は、第2実施形態の電動歯ブラシのヘッド部11の構成を変更したものに相当する。以下にこの変更された点についての詳細を示す。なお、その他の点については第2実施形態と同様の構成が採用されているため、共通する構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図7(a)に示すように、植毛面13から絶縁ブリッスル束60の先端部までの高さhが植毛面13から導電ブリッスル束50の先端部までの高さよりも大きい。この高さの差によって、導電ブリッスル束50の先端に貯留部34が形成されている。
【0051】
ヘッド部11においては、長手方向の両外側に絶縁ブリッスル束60が植毛されている。両外側の絶縁ブリッスル束60の間に、複数の導電ブリッスル束50が植毛されている。複数の導電ブリッスル束50が隣り合うように植毛されているため、それぞれの導電ブリッスル束50の先端に形成されている貯留部34が連続している。すなわち、複数の貯留部34により1つの大きな貯留部が形成されている。
【0052】
図8を参照して、歯磨剤80を用いた電動歯ブラシ1の使用形態について説明する。
ブラッシングの開始に先立ち、使用者が導電ブリッスル束50および絶縁ブリッスル束60の先端部に歯磨剤80を載せたとき、歯磨剤80の一部が貯留部34に貯留される。
【0053】
図8に示すように、使用者によりブラッシングが行われたとき、歯磨剤80の一部が消費される。このとき、貯留部34に貯留されている歯磨剤80は、貯留部34外の歯磨剤80すなわち絶縁ブリッスル束60の先端にある歯磨剤80よりも消費されにくい。このため、絶縁ブリッスル束60の先端部に載せられた歯磨剤80が消費されている間、通電により貯留部34の歯磨剤80がイオン化される。
【0054】
歯磨剤80として電解性の薬効成分を含むものが用いられているときには、薬効成分に電流が作用し口腔組織に引き寄せられる。この薬効成分が殺菌作用を有するときには、イ口腔内が殺菌される。
【0055】
上記実施形態の歯ブラシによれば、第1の実施形態の(1)および(2)、ならびに第2の実施形態の(3)〜(5)の効果に加えて、以下に示す効果が得られる。
(6)各導電ブリッスル束50の先端の貯留部34により1つの貯留部が形成されている。このため、ブラッシング時により多くの歯磨剤80に電流を作用させることができる。また、使用者がブラッシング前に歯磨剤80をヘッド部11に載せるとき、貯留部のみに歯磨剤80を載せる作業をより一層容易に行うことができる。
【0056】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・第1の実施形態においては、混合ブリッスル束70の高さは全て同じであるが、異なる高さとしても良い。すなわち、混合ブリッスル束70において基準面を基準とした導電性ブリッスル30の高さと基準面を基準とした絶縁性ブリッスル40の高さとが互いに異なり、かつ基準面を基準とした一の混合ブリッスル束70の高さと基準面を基準とした他の混合ブリッスル束70の高さとが互いに異なる構成としても良い。この場合、例えば、図5に準じて、長手方向の両外側と中央部の混合ブリッスル束の高さが高く、それ以外の混合ブリッスル束の高さが低い構成としても良い。あるいは、図7に準じて、長手方向の両外側に配された混合ブリッスル束が高く、中央部に配された混合ブリッスル束が低い構成としてもよい。また、その他の構成であっても良い。
【0057】
・また上記変形例のように、基準面を基準とした一の混合ブリッスル束70の高さと基準面を基準とした他の混合ブリッスル束70の高さとが互いに異なる構成とした場合において、各混合ブリッスル束70を構成する導電性ブリッスル30の高さと絶縁性ブリッスル40の高さは同じ構成としても良い。
【0058】
・第1実施形態では、植毛面13をブラシ体10の長手方向に延びる平滑な面として形成しているが、例えば次のように変更することもできる。すなわち、図10に示すように、ヘッド部11の長手方向の中央部分が外側に向けて突出した湾曲形状の植毛面13を形成することもできる。この場合には、同じ長さの各混合ブリッスル束70の基端部を同じ長さだけヘッド部11に植毛したとき、基準面から先端までの長さが隣り合う混合ブリッスル束70同士の間で互いに異なる。なお、この変形例においては、植毛面13とは反対側の面を高さ方向の基準としたとき、植毛面13の中央部分を通過する仮想面(図中の一点鎖線で示される面)が植毛面13の最も高いところを通過する基準面となる。
【0059】
・第1の実施形態では、導電性ブリッスル30の基準面からの高さが、絶縁性ブリッスル40の基準面からの高さよりも低いが、導電性ブリッスル30の基準面からの高さを絶縁性ブリッスル40の高さよりも高くすることもできる。この場合、絶縁性ブリッスル40先端に貯留部が形成される。従って、導電性ブリッスル30の先端の歯磨剤は絶縁性ブリッスル40の貯留部に貯留されている歯磨剤に比して先に消費される。そのため、導電性ブリッスル30の先端が歯茎に直接触れることにより、導電性ブリッスル30と歯茎との接触が歯磨剤によって妨げられることが抑制される。従って、電気が流れることにより歯茎を暖め、消炎する等の電気マッサージ効果を得ることができる。なお、このとき蓄熱剤や発熱剤を成分として含む歯磨剤を併せて用いれば、蓄熱効果または発熱効果により上記電気マッサージ効果は一層向上する。
【0060】
・第1の実施形態では、混合ブリッスル束70を構成する導電性ブリッスル30の基準面からの高さが、絶縁性ブリッスル40の基準面からの高さよりも低いが、導電性ブリッスル30の基準面からの高さを絶縁性ブリッスル40の高さよりも高くすることもできる。この場合、絶縁性ブリッスル40先端に貯留部が形成される。この場合にも、導電性ブリッスル30の先端に載せられた歯磨剤80は、絶縁性ブリッスル40の貯留部に貯留されている歯磨剤に比して先に消費されるため、上述した作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0061】
更に、電動歯ブラシ1には、被覆部33から芯部31が突出した構造の導電性ブリッスル30が設けられている。このため、芯部31が歯周ポケット等の隙間に入り込むことにより、塩素で集中的に細菌の殺菌を行うことができる。また、芯部31が突出していることにより通電面積が大きくなるため、電気マッサージ効果を高めることができる。また、芯部31において先端部以外の部分が絶縁性部材である被覆部33により覆われているため、芯部31の先端部に電流が集中的に供給される。これにより、電気マッサージ効果を一層高めることができようになる。
【0062】
・また、第2,第3の実施形態では、導電ブリッスル束50の基準面からの高さを絶縁ブリッスル束60の基準面からの高さよりも低くしているが、導電ブリッスル束50の基準面からの高さを絶縁ブリッスル束60の高さよりも高くすることもできる。この場合も上記変更例と同様の作用効果を奏することができる。また、使用者がブラッシング前に歯磨剤80をヘッド部11に載せるとき、貯留部のみに歯磨剤80を載せる作業を容易に行うことができる。
【0063】
・第2の実施形態では、長手方向の両外側と中央部に高さの高い絶縁ブリッスル束60が配置されているが、例えば、中央部には高さの高い導電ブリッスル束50を配置してもよい。また、長手方向の両外側に高さの高い導電ブリッスル束50を配置しても良い。
【0064】
・各実施形態においては、導電性ブリッスル30同士は、基準面を基準とした高さが全て同じであり、絶縁性ブリッスル40同士もまた、全て高さが同じである。言い換えるとブリッスルの高さは2段階しかないが、3段階以上の高さによって構成されていても良い。例えば、図9に示すように、中央部に植毛される導電ブリッスル束50の高さを他の導電ブリッスル束50の高さより低くすることもできる。この場合には、薬効成分が外部に漏れ出すことを抑制する効果がより一層大きくなる。
【0065】
・各実施形態では、ヘッド部11およびブラシ柄12を含めてブラシ体10を構成したが、ブラシ柄12を除いてブラシ体10を構成することもできる。この場合には、除かれたブラシ柄12の部分を把持本体部20と一体に形成すること、またはヘッド部11および把持本体部20とは別の要素として形成することができる。
【0066】
・各実施形態では、振動型の電動歯ブラシに本発明を適用したが、ブリッスルが植毛されたヘッド部の一部を回転させる回転型の電動歯ブラシに本発明を適用することもできる。また、ヘッド部を振動させる機能またはヘッド部を回転させる機能が省略された歯ブラシに対して本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0067】
1…電動歯ブラシ、10…ブラシ体、11…ヘッド部、12…ブラシ柄、13…植毛面、14…導電性部材、15…接続ターミナル、16…挿入穴、20…把持本体部、21…把持電極、22…振動アクチュエータ、23…出力シャフト、24…電池、25…回路部、25a…制御回路、25b…充電回路、25c…電源回路、26…スイッチ、27…LED、30…導電性ブリッスル、31…芯部、32…先端部、33…被覆部、34…貯留部、40…絶縁性ブリッスル、50…導電ブリッスル束、60…絶縁ブリッスル束、70…混合ブリッスル束、80…歯磨剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する導電性ブリッスルと絶縁性を有する絶縁性ブリッスルとを含む混合ブリッスル束が植毛面に設けられるブラシ体において、
前記植毛面の基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さとが互いに異なる
ことを特徴とするブラシ体。
【請求項2】
導電性を有する複数の導電性ブリッスルを含む導電ブリッスル束と、絶縁性を有する複数の絶縁性ブリッスルを含む絶縁性ブリッスル束とが植毛面に設けられるブラシ体において、
前記植毛面の基準面を基準とした前記導電ブリッスル束の高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスル束の高さとが互いに異なる
ことを特徴とするブラシ体。
【請求項3】
導電性を有する導電性ブリッスルと絶縁性を有する絶縁性ブリッスルとを含む混合ブリッスル束が植毛面に設けられるブラシ体において、
一の前記混合ブリッスル束において前記植毛面の基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さとが互いに異なること、ならびに前記基準面を基準とした一の前記混合ブリッスル束の高さと前記基準面を基準とした他の前記混合ブリッスル束の高さとが互いに異なること
を特徴とするブラシ体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラシ体において、
前記導電性ブリッスルは、導電性を有する芯部と絶縁性を有する被覆部とを含み、前記芯部が前記被覆部により被覆され、前記芯部の先端が前記被覆部から突出している
ことを特徴とするブラシ体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラシ体において、
前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さが前記基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さよりも低いことにより、前記絶縁性ブリッスルの先端の部分に歯磨剤を貯留する貯留部が形成されている
ことを特徴とするブラシ体。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラシ体において、
前記基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さが前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さよりも低いことにより、前記導電性ブリッスルの先端の部分に歯磨剤を貯留する貯留部が形成されている
ことを特徴とするブラシ体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のブラシ体を含む歯ブラシ。
【請求項1】
導電性を有する導電性ブリッスルと絶縁性を有する絶縁性ブリッスルとを含む混合ブリッスル束が植毛面に設けられるブラシ体において、
前記植毛面の基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さとが互いに異なる
ことを特徴とするブラシ体。
【請求項2】
導電性を有する複数の導電性ブリッスルを含む導電ブリッスル束と、絶縁性を有する複数の絶縁性ブリッスルを含む絶縁性ブリッスル束とが植毛面に設けられるブラシ体において、
前記植毛面の基準面を基準とした前記導電ブリッスル束の高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスル束の高さとが互いに異なる
ことを特徴とするブラシ体。
【請求項3】
導電性を有する導電性ブリッスルと絶縁性を有する絶縁性ブリッスルとを含む混合ブリッスル束が植毛面に設けられるブラシ体において、
一の前記混合ブリッスル束において前記植毛面の基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さと前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さとが互いに異なること、ならびに前記基準面を基準とした一の前記混合ブリッスル束の高さと前記基準面を基準とした他の前記混合ブリッスル束の高さとが互いに異なること
を特徴とするブラシ体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラシ体において、
前記導電性ブリッスルは、導電性を有する芯部と絶縁性を有する被覆部とを含み、前記芯部が前記被覆部により被覆され、前記芯部の先端が前記被覆部から突出している
ことを特徴とするブラシ体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラシ体において、
前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さが前記基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さよりも低いことにより、前記絶縁性ブリッスルの先端の部分に歯磨剤を貯留する貯留部が形成されている
ことを特徴とするブラシ体。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラシ体において、
前記基準面を基準とした前記導電性ブリッスルの高さが前記基準面を基準とした前記絶縁性ブリッスルの高さよりも低いことにより、前記導電性ブリッスルの先端の部分に歯磨剤を貯留する貯留部が形成されている
ことを特徴とするブラシ体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のブラシ体を含む歯ブラシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−200466(P2011−200466A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71142(P2010−71142)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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