説明

ブラジャーのための滑り落ちないショルダーストラップ

【課題】ブラジャーのための滑り落ちないショルダーストラップを提供する。
【解決手段】剛質の繊維から形成されたブラジャーストラップ10が提供されている。このストラップ10は、シリコーンジェルの2つ以上の列30が設けられた第1の面15を有している。好ましくは、これら列30は、まっすぐな軸線内に設けられている。前記第1の面15は、これに印し20を有していることが好ましい。着用者の肩を抑制するために位置されたこの第1の面15は、ブラジャーストラップ10が着用者の肩から滑り落ちるのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に滑り落ちないストラップに関する。特に、本発明は、着用者の肩から滑り落ちたり、ずれ落ちたりするのを防止し、又は減じる一方、例えば、ショルダーストラップメーカーの名前のような確認できるものを有するショルダーストラップに関する。
【背景技術】
【0002】
ショルダーストラップ、特に、ブラジャーのショルダーストラップに関連した周知の課題は、着用者の肩から滑り落ちたり、ずれ落ちたりする傾向にあることである。この課題は、ブラジャーショルダーストラップを形成するためにしばしばし使用される滑らかな繻子のような材料によって引き起こされる。この課題を解決するために試みがなされている。このような試みには、着用者の肩の表面領域に渡ってブラジャーショルダーストラップのウエイトを比較的均等に分配するために、ブラジャーショルダーストラップの幅を大きくすることを含む。他の試みでは、ブラジャーショルダーストラップに取着されている滑らない材料から形成された発明品を含む。しかし、これら発明品は、不快をもたらすように着用者の肩に食い込むかもしれず、またブラジャーショルダーストラップに損傷を与えるかもしれない。また、これら発明品は、ショルダーストラップの曲がりをもたらすかもしれない。
【0003】
従って、所望のすべらない特性を有し、着用者にとって快適で、ショルダーストラップを傷つけず、そしてショルダーストラップの好ましくない曲がりを減じるようなブラジャーショルダーストラップが必要である。また、本人がショルダーストラップに明瞭な存在を残すための確認するものが与えられているようなブラジャーショルダーストラップが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、着用者の肩から滑り落ちない、又は滑り落ちるの減じる、特にブラジャーのためのショルダーストラップを提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、剛質の材料から形成され、滑らない面を有するようなショルダーストラップを提供することである。
【0006】
さらに、本発明の他の目的は、滑らない面にプリントされた文字又はデザインを有するようなショルダーストラップを提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、以下の特質、つまり、着用者のショルダー領域の不快及びいらいらを軽減し、かさばらない美的な体裁と、長い着用期間とを有する特質のうちの1つを、好ましくはすべてを有するようなブラジャーショルダーストラップを提供することである。
【0008】
なお、本発明のさらなる目的は、ショルダーストラップの曲がりを防止するために、滑らない面の適用の前に予め収縮されたようなブラジャーショルダーストラップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のこれら及び他の目的と効果とは、シリコーンジェルの複数の列が、剛質の繊維の片側に、好ましくはまっすぐな縦線に適用されている単一の剛質の繊維を有したブラジャーショルダーストラップによって達せられる。このシリコーンジェルは、好ましくは、細いビード、即ちラインの形状で、繊維上に押し出されている。シリコーンジェルのラインは、ストラップの片側に適用されて、このストラップは、着用者の肩に密着され、ブラジャーショルダーストラップが着用者の肩から滑り落ちたり、ずれ落ちたりするのを防止する。
【0010】
好ましい実施の形態では、文字又はデザインが、連続線を形成するシリコーンのビードの列を有する繊維の片側にプリントされている。この文字又はデザインの明瞭さは、シリコーンによって影響されることはない。
【0011】
本発明の好ましいブラジャーショルダーストラップでは、ショルダーストラップの軸方向に対して垂直であるショルダーストラップの幅は、約5/8インチ(1.6cm)から約3/4インチ(1.9cm)である。好ましくは、シリコーンの2つの列は、約5/8インチ(1.6cm)幅のストラップの実施の形態で使用されており、一方、シリコーンの3つの列は、約3/4インチ(1.9cm)幅のストラップに使用されている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態では、前記文字又はデザインがショルダーストラップの面に与えられた後に、これと同じショルダーストラップの面に、シリコーンの列が適用されている。文字又はデザインが設けられた、及び設けられていない実施の形態を有する、本発明の異なる好ましい実施の形態では、ショルダーストラップは、シリコーンの列の適用より先に、予め収縮されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のショルダーストラップの片側を示す平面図である。
【図2】本発明のショルダーストラップの異なる実施形態の片側を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を、特に、図1を参照すると、参照符号10によって全体的に示されたブラジャーストラップが示されている。好ましくは、このブラジャーストラップ10は、ブラジャーショルダーストラップである。ブラジャーストラップ10は、第1の面15と、これの反対側の第2の面(示されていない)とを有している。第1の面15は、着用者と接するように位置される面であり、一方、第2の面は、着用者から離れて面し、他人の目に見えるであろう。従って、この第2の面は、いずれの材料から形成可能である。
【0015】
ブラジャーストラップ10は、剛質の繊維で構成され又は形成されている。このような剛質の繊維は、ナイロン、ポリエステル、又はナイロンとポリエステルとの組み合わせを有するが、これらに制限されることはない。好ましくは、この剛質の繊維は、100%のナイロンである。
【0016】
好ましくは、ブラジャーストラップ10は、比較的均一な幅を有している。本発明に使用されているように、幅は、ブラジャーストラップの軸方向への延びに対して垂直なディメンションを意味している。しかし、ブラジャーストラップ10は、これが2種以上の幅を有するように形成されることができる。例えば、ブラジャーストラップ10の真中の部分は、ブラジャーストラップの両端部に向かう部分よりも多少大きい幅を有することができる。
【0017】
好ましい実施の形態には、ブラジャーストラップ10は、約5/8インチ(1.6cm)から約3/4インチ(1.9cm)までの幅の範囲を有する。しかし、ブラジャーストラップ10の幅は、ブラジャーのスタイルに依存してこの範囲より狭く又は広くすることができる。好ましくは、ブラジャーストラップ10は、2つの異なる幅のサイズ、即ち、約5/8インチ(1.6cm)と約3/4(1.9cm)とを有する。
【0018】
図1の好ましい実施の形態に示されたように、ブラジャーストラップ10は、これにプリントされた印し20を有している。好ましい一実施の形態では、印し20は、例えば、ブラジャーメーカーの名前のような文字である。異なる実施の形態では、印し20は、代わりに、デザイン又はロゴ、若しくは、文字とデザイン又はロゴとの組み合わせであってもよい。印し20は、例えば、水で落ちないインクのような一般的なプリント材料を使用した一般的なプリント方法によってブラジャーストラップ10の第1の面15にプリントされている。
【0019】
印し20を有する図1と、印しの無い図2との実施の形態に示されたように、ブラジャーストラップ10の第1の面15は、これにシリコーンの少なくとも2つの列30を有している。このシリコーンは、好ましくは、シリコーンジェル(silicone gel)である。このシリコーンジェルは、好ましくは、細いビード(bead)になるようにブラジャーストラップ10に押し出されている。より好ましい実施の形態では、複数の細いビードが、図1及び図2に示されたように、連続線、即ち列30を形成している。しかし、これら細いビードは、互いに隣接するビードが、これらの間にわずかなスペースを有する列30を形成することができる。好ましくは、列30は、一の軸方向、即ち長手方向のラインである。異なる実施の形態では、列30は、ウェーブ又はギザギザのラインパターンに、しかし、軸又は長手方向に適用されている。
【0020】
隣接する複数の列30の間の距離は、約1/16インチ(0.16cm)ないし約1/8インチ(0.32cm)である。好ましくは、隣接する列30の間の距離は、約3/32インチ(0.24cm)である。各ビードのサイズは、約0.002mmないし0.004mmである。好ましくは、各ビードのサイズは、直径が約0.003mmである。
【0021】
好ましい一実施の形態では、ブラジャーストラップ10は、約5/8インチ(1.6cm)の幅を有する。この実施の形態では、ブラジャーストラップ10は、2つの列30を有している。ブラジャーストラップ10が、約3/4インチ(1.9cm)の幅を有する異なる実施の形態では、ブラジャーストラップ10は、3つの列30を有している。列30の数は、ブラジャーストラップ10の幅に依存して変更できる。そして、万一、ブラジャーストラップ10が、約3/4インチ(1.9cm)より広ければ、4つ以上の列30を形成可能である。しかし、すべての実施の形態では、少なくとも2つの列30が必要であると信じられている。
【0022】
ブラジャーストラップ10の第1の面15は、着用者の肩と接する面である。シリコーンは、着用者の肩をわずかにグリップするように形成されている。このグリップ、即ち密着は、ブラジャーストラップ10が、着用者の肩からずれ落ちるのを防止するのに十分強く、しかし、着用者の肩の肌をいらいらさせることはない。
【0023】
異なる実施の形態では、列30を有する剛質の繊維が、ブラジャーのサイド並びに/もしくはバックパネル内に形成可能である。
【0024】
ブラジャーストラップ10のよじれ、即ち曲がりが、過度の洗濯及び着用によって生じるかもしれない。これは、ブラジャーストラップ10を形成するために使用された剛質の繊維が、ブラジャーストラップに与えられたシリコーンと異なる割合で収縮するためである。本発明の一態様が、この曲がりを防止するための方法である。このために、ブラジャーストラップ10を形成するために使用された剛質の繊維は、第1の面の列30、従って、シリコーンの適用より先に、予め収縮される。印し20は、剛質の繊維が予め収縮された後に与えられる。ブラジャーストラップ10が、予め収縮されてから、シリコーンの列30の収縮は、ブラジャーストラップ10を曲げさせないであろう。従って、本発明は、ストラップにシリコーンのずれ落ちないジェルを使用するにもかかわらず、伸ばされた、即ち曲がっていないブラジャーストラップ10を提供する。
【0025】
ブラジャーストラップ10は、これに列30とあるいは印し20とを備えた第1の面15を有している。同時に、この第1の面15の反対側の第2の面は、これにいずれの材料を有することができる。このような材料は、繻子の感触、即ち装飾的なレースを有することができる。
【0026】
本発明は、これの好ましい態様に特に関して説明されているが、様々な変更及び変形が、添付された請求項に規定されたような本発明の趣旨及び範囲から外れることなく本発明内で形成可能であることは明らかであろう。
【符号の説明】
【0027】
10…ブラジャーストラップ、15…第1の面、20…印し、30…列。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛質の繊維で形成され、第1の面を有する本体と、
各々が前記第1の面上のラインであり、シリコーンで形成された2つ以上の列とを具備するブラジャーのためのショルダーストラップであって、前記第1の面は、このショルダーストラップの滑り落ちを防止するために、着用者の肩上に位置されるように適用されているショルダーストラップ。
【請求項2】
前記剛質の繊維は、ナイロン、ポリエステル、及びこれらの組み合わせのグループから選択されている材料である請求項1のショルダーストラップ。
【請求項3】
前記剛質の繊維は、約5/8インチ(1.6cm)の幅を有する請求項1のショルダーストラップ。
【請求項4】
前記2つ以上の列は、2つの列である請求項3のショルダーストラップ。
【請求項5】
前記本体の第1の面は、これの上に、印しを有する請求項4のショルダーストラップ。
【請求項6】
前記印しは、文字、デザイン、及びこれらの組み合わせのグループから選択されている請求項5のショルダーストラップ。
【請求項7】
前記剛質の繊維は、約3/4インチ(1.9cm)の幅を有する請求項1のショルダーストラップ。
【請求項8】
前記2つ以上の列は、3つの列である請求項7のショルダーストラップ。
【請求項9】
前記本体の第1の面は、これの上に印しを有する請求項8のショルダーストラップ。
【請求項10】
前記印しは、文字、デザイン、及びこれらの組み合わせのグループから選択されている請求項9のショルダーストラップ。
【請求項11】
前記ラインは、直線である請求項1のショルダーストラップ。
【請求項12】
前記ラインは、ウェーブ又はギザギザのラインである請求項1のショルダーストラップ。
【請求項13】
前記剛質の繊維は、前記2つ以上の列の適用より先に、予め収縮されている請求項1のショルダーストラップ。
【請求項14】
ナイロン、ポリエステル、及びこれらの組み合わせのグループから選択された材料である剛質の繊維から形成され、第1の面を有する本体と、
各々が前記第1の面上のラインであり、シリコーンで形成された2つ以上の列とを具備するブラジャーのためのショルダーストラップであって、前記第1の面は、このショルダーストラップのずれ落ちを防止するために、着用者の肩上に位置されるように適用されているショルダーストラップ。
【請求項15】
前記本体の第1の面は、これに印しを有する請求項14のショルダーストラップ。
【請求項16】
前記剛質の繊維は、約5/8インチ(1.6cm)の幅を有する請求項15のショルダーストラップ。
【請求項17】
前記2つ以上の列は、2つの列である請求項16のショルダーストラップ。
【請求項18】
前記剛質の繊維は、約3/4インチ(1.9cm)の幅を有する請求項15のショルダーストラップ。
【請求項19】
前記2つ以上の列は、3つの列である請求項18のショルダーストラップ。
【請求項20】
ブラジャーストラップを形成する方法であって、
第1の面を有するブラジャーストラップを形成することと、
このブラジャーストラップを予め収縮させることと、
このブラジャーストラップの前記第1の面上にシリコーンからなる2つ以上の列を与えることとを具備する方法。
【請求項21】
ブラジャーストラップを形成した後で、ブラジャーストラップを予め収縮させる前に、ブラジャーストラップの第1の面上に印しを与えることをさらに有する請求項20の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−31449(P2010−31449A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−191923(P2009−191923)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【分割の表示】特願2003−581611(P2003−581611)の分割
【原出願日】平成15年3月10日(2003.3.10)
【出願人】(302003303)サラ リー コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】