ブラジャー
【課題】バストを美しい形状に保持でき、体の動きに対する追従性の良い装着感に優れたブラジャーを提案すること。
【解決手段】ブラジャー１の左右のバストカップ２Ｌ、２Ｒは、上下方向に伸縮可能な所定の剛性を備えたサイドボーン１０Ｌ、１０Ｒによって保持されているサイドパネル４Ｌ、４Ｒによって引張られると共に、サイドパネル４Ｌ、４Ｒの上縁部分から延びているショルダーストラップ８Ｌ、８Ｒによって引上げられるので、バストが前中心側に引き寄せられると共にリフトアップされ、美しい形状に保持される。サイドボーン１０Ｌ、１０Ｒは上下に伸縮可能であるので肩関節の動きに追従してサイドパネル４Ｌ、４Ｒが伸縮する。窮屈感がなく、ショルダーストラップに過剰な張力が掛からないので、肩にショルダーストラップが食い込み、装着感が悪化するという弊害も改善される。
【解決手段】ブラジャー１の左右のバストカップ２Ｌ、２Ｒは、上下方向に伸縮可能な所定の剛性を備えたサイドボーン１０Ｌ、１０Ｒによって保持されているサイドパネル４Ｌ、４Ｒによって引張られると共に、サイドパネル４Ｌ、４Ｒの上縁部分から延びているショルダーストラップ８Ｌ、８Ｒによって引上げられるので、バストが前中心側に引き寄せられると共にリフトアップされ、美しい形状に保持される。サイドボーン１０Ｌ、１０Ｒは上下に伸縮可能であるので肩関節の動きに追従してサイドパネル４Ｌ、４Ｒが伸縮する。窮屈感がなく、ショルダーストラップに過剰な張力が掛からないので、肩にショルダーストラップが食い込み、装着感が悪化するという弊害も改善される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、バストを自然な状態でリフトアップでき、体の動きにも追従可能な装着感の良いブラジャーに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
プラジャーとして、バストカップの下側の縁に沿って金属製あるいはプラスチック製のカップワイヤーを配置し、バストの形を美しく整える造形機能を備えたカップワイヤー付きブラジャーが広く普及している。例えば、下記の特許文献１にこのようなブラジャーが開示されている。
【０００３】
カップワイヤー付きプラジャーは、左右のカップを左右のバストに被せ、カップから横方向に延びている左右のバックパネルを胸部の後側に引っ張り、背中側の中央において締結することにより着用される。着用状態では、左右のバックパネルの引っ張り力によって、カップの下縁に沿って配置されているカップワイヤーが脇側に引かれる。また、このように所定の緊張状態に保持されているカップワイヤーによって支えられている左右のカップは、それらの上縁から延びているショルダーストラップによって、全体として上に吊り上げられた状態に保持される。この結果、左右のバストが前中心方向に寄せられると共にリフトアップされた状態が形成される。
【特許文献１】特許第２８５３０９１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
カップワイヤー付きのブラジャーは所定の剛性を備えたカップワイヤーを用いることによりバストをリフトアップさせるなどバストの形を整える造形機能を備えているが、剛性のあるカップワイヤーを所定の緊張状態で体に装着しているので、ワイヤー装着箇所に対応する胸部の部位が圧迫されて窮屈感がある。また、カップワイヤーによって体の動きが拘束されているので、装着感が悪い。特に、肩関節を動かした場合において、ブラジャーが体の動きに追従できず、両肩に掛けてあるショルダーストラップが肩に食い込むなど、装着感が悪いという問題点がある。
【０００５】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、カップワイヤーを用いることなくバストを美しい形状に保持でき、体の動きに対する追従性の良い装着感に優れたブラジャーを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記の課題を解決するために、本発明のブラジャーは、
左右のバストカップと、
これらバストカップにおける下側縁に沿って左右に延びているアンダーパネルと、
各バストカップにおける脇側縁に沿って上下方向に延びている左右のサイドパネルと、
各サイドパネルにおける脇側縁から左右に延びている左右のバックパネルと、
各サイドパネルの上側の縁から延びている左右のショルダーストラップと、
左右の前記サイドパネルのそれぞれに取り付けられ、当該サイドパネルの上下方向の伸縮に応じて上下方向に伸縮可能な所定の剛性を備えたサイドボーンとを有していることを特徴としている。
【０００７】
一般的には、左右の前記サイドボーンは、左右の前記サイドパネルと左右の前記バックパネルの連結部分に配置される。
【０００８】
また、各サイドボーンは、前記連結部分における下側縁部分に下端部が固定された上向き部材と、当該連結部分における上側縁部分に上端部が固定された下向き部材とを備えた構成とすることができ、この場合には、これら上向き部材および下向き部材を、前記連結部分の上下方向の伸縮に応じて相対的に上下方向にスライド可能とすればよい。
【０００９】
本発明のブラジャーでは、左右のバストカップに連結されているサイドパネルの脇側縁にはサイドボーンが配置されている。着用した状態では、サイドパネルは体の脇にフィットした平面状に保持され、この状態で、バストカップが脇方向に引っ張られる。また、サイドパネルの上縁にはショルダーストラップが連続しており、サイドパネルは全体として上方に引上げられた状態になる。したがって、サイドパネルによって保持されているバストカップは全体として脇方向および上方に引っ張られた状態になり、当該バストカップが被せられているバストが前中心側に寄せられると共にリフトアップされ、美しい形状に保持される。
【００１０】
また、着用状態において、肩関節の動きにおいては、そのための大胸筋が伸縮する。サイドボーンはサイドパネルの伸縮に応じて上下に伸縮可能であるので、体にフィットしているサイドパネルは、大胸筋の伸縮に追従して伸縮可能である。このため、大胸筋の動きを妨げないので、着用状態において肩関節を動かす際に窮屈感がない。また、肩関節を動かす際の体の動きに追従してサイドパネルが上下方向に伸縮するので、ショルダーストラップに過剰な張力が掛からず、したがって、肩にショルダーストラップが食い込み、装着感が悪化するという弊害も改善される。
【００１１】
ここで、前記連結部分に、前記サイドボーンをスライド可能な状態で収納しているテープなどからなる上下方向に延びる帯状の袋部分を形成し、ここに、前記サイドボーンを構成している上向き部材および下向き部材をスライド可能な状態で収納することができる。
【００１２】
また、前記上向き部材および下向き部材としては、金属製あるいはプラスチック製の板ばね、または、金属製あるいはプラスチック製の棒材を用いることができる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明のブラジャーにおいては、左右のバストカップの脇側縁に沿って配置されているサイドパネルと、バックパネルとの連結部分に、上下方向に伸縮可能な所定の剛性を備えたサイドボーンを配置すると共に、サイドパネルの上縁からショルダーストラップを引き出してある。したがって、サイドボーンによって支えられているサイドパネルによってバストが美しい形に保持される。また、肩関節を動かす場合などにおいてはサイドボーンの上下方向の伸縮によってサイドパネルなどが体の動きに追従して伸縮するので、良好な装着感も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したブラジャーの一例を説明する。
【００１５】
図１は本例のブラジャーの装着状態を示す正面図であり、図２は平面上に展開した状態を示す平面図である。これらの図を参照して説明すると、ブラジャー１は、左右のバストカップ２Ｌ、２Ｒを備えており、これらのバストカップ２Ｌ、２Ｒはそれぞれ、上カップ２ａおよび下カップ２ｂを立体的に縫合することにより前方に突出した湾曲形状に成形されている。バストカップ２Ｌ、２Ｒはそれらの内側縁部分が相互に縫合されており、これらの下側縁部分には、左右方向に延びる細幅のアンダーパネル３の上縁部分が縫合されている。
【００１６】
左右のバストカップ２Ｌ、２Ｒの外側縁（脇側縁）は外方に僅かに突出した円弧状輪郭をしている。当該円弧状の外側縁部分には、左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒにおける湾曲形状の内側縁部分が縫合されている。また、各サイドパネル４Ｌ、４Ｒの内側縁部分の下端部分には、それぞれアンダーパネル３の両端縁部分も縫合されている。サイドパネル４Ｌ、４Ｒは、バストカップ２Ｌ、２Ｒの外側縁部分に沿って上下方向に延びており、それらの外側縁は上下方向にほぼ直線状に延びており、ここに、左右のバックパネル５Ｌ、５Ｒの内側縁部分が縫合されている。
【００１７】
左右のバックパネル５Ｌ、５Ｒは先端側に向けて幅が漸減しており、一方のバックパネル５Ｒの先端にはフック（図示せず）が取り付けられており、他方のバックパネル５Ｌにはフックを掛けることのできるフックアイ６が一定間隔で複数列形成されている。バックパネル５Ｌ、５Ｒの上縁部分の途中位置から立ち上がる左右のショルダーストラップ８Ｌ、８Ｒが左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒの上縁部分に取り付けられた丸幅７Ｌ、７Ｒに架け渡されている。
【００１８】
ここで、左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒと、左右のバックパネル５Ｌ、５Ｒとの縫合部分９Ｌ、９Ｒ（連結部分）には、これらの縫合部分に沿って上下方向にサイドボーン１０Ｌ、１０Ｒが取り付けられている。サイドボーン１０Ｌ、１０Ｒは所定の剛性を備えており、上下方向に伸縮可能である。
【００１９】
図３は左側のサイドボーン１０Ｌを示す説明図である。サイドパネル４Ｌおよびバックパネル５Ｌには、それらの上縁部分および下縁部分に沿って細幅のテープ１１、１２が縫い付けられている。これらの上下のテープ１１、１２の間には、テープなどからなる一定幅の帯状の袋１３が上下方向に形成されている。この袋１３の中には、上下方向に延びる一対の細長い板ばね１４、１５がスライド可能な状態で収納されている。板ばね１４、１５は金属製あるいはプラスチック製のものである。板ばねの代わりに、棒状のものを用いることもできる。
【００２０】
一方の板ばね１４はその下端部分のみが下側のテープ１１に固定され、上方に延びている。他方の板ばね１５はその上端部分のみが上側のテープ１２に固定され、下方に延びている。これらの板ばね１４、１５の上下方向の長さは、テープ１１、１２の間隔、すなわち、袋１３の長さよりも短い。よって、板ばね１４、１５は袋１３よりも短い分だけ、袋１３内において上下方向にスライド可能となっている。なお、他方のサイドボーン１０Ｒも同一構造であるので、その説明は省略するものとする。
【００２１】
この構成のブラジャー１を装着した状態においては、図１に示すように、左右のバストが左右のバストカップ２Ｌ、２Ｒによって覆われて、これらのバストカップ２Ｌ、２Ｒは、左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒを介して左右のバックパネル５Ｌ、５Ｒによって左右に引っ張られた状態となる。サイドパネル４Ｌ、４Ｒは、上下方向にサイドボーン１０Ｌ、１０Ｒが取り付けられているので、上下方向に平面状に広がった状態で体に密着しており、全体として脇方向に引っ張られている。また、平面状に保持されているサイドパネル４Ｌ、４Ｒは、ショルダーストラップ８Ｌ、８Ｒによって上方に引っ張られている。
【００２２】
この状態の左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒによって、左右のバストカップ２Ｌ、２Ｒは左右に引っ張られると同時に上方に持ち上げられる。この結果、左右のバストが前中心側に寄せられると共にリフトアップされて美しい形状に保持される。
【００２３】
また、肩関節の運動などにおいては、大胸筋が伸縮する。大胸筋を覆っている体脂肪および皮膚の上に密着している左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒは、大胸筋の伸縮に追従して速やかに伸縮可能である。すなわち、サイドパネル４Ｌ、４Ｒに取り付けられている剛性のあるサイドボーン１０Ｌ、１０Ｒは、これらを構成している一対の板ばね１４、１５がサイドパネル４Ｌ、４Ｒの伸縮に伴って上下方向に相対的にスライドして、上下方向に伸縮する。よって、体の動きに追従するため、ブラジャーの装着感も良い。さらに、体を動かす際に、ショルダーストラップ８Ｌ、８Ｒに過剰な張力が作用しないので、これらが肩に食い込むことがなく、この点においても装着感が改善される。
【００２４】
（その他の実施の形態）
なお、上記の例では、サイドパネル４Ｌ、４Ｒとバックパネル５Ｌ、５Ｒの縫合部分にサイドボーン１０Ｌ、１０Ｒを配置してある。サイドボーン１０Ｌ、１０Ｒの取付位置は、当該部分以外とすることもできる。いずれの場合においても、サイドボーンを大胸筋の外に位置させるべきである。また、サイドボーン１０Ｌ、１０Ｒは所定の剛性を備え、上下方向に所定量だけ伸縮可能であればよく、上記の例の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本発明を適用したブラジャーを装着した状態の正面図である。
【図２】図１のブラジャーを平面上に展開した状態を示す平面図である。
【図３】図１のブラジャーにおけるサイドボーンの部分の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【００２６】
１ ブラジャー
２Ｌ、２Ｒ バストカップ
３ アンダーパネル
４Ｌ、４Ｒ サイドパネル
５Ｌ、５Ｒ バックパネル
８Ｌ、８Ｒ ショルダーストラップ
９Ｌ、９Ｒ 縫合部分（連結部分）
１０Ｌ、１０Ｒ サイドボーン
１１、１２ テープ
１３ 袋
１４、１５ 板ばね
【技術分野】
【０００１】
本発明は、バストを自然な状態でリフトアップでき、体の動きにも追従可能な装着感の良いブラジャーに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
プラジャーとして、バストカップの下側の縁に沿って金属製あるいはプラスチック製のカップワイヤーを配置し、バストの形を美しく整える造形機能を備えたカップワイヤー付きブラジャーが広く普及している。例えば、下記の特許文献１にこのようなブラジャーが開示されている。
【０００３】
カップワイヤー付きプラジャーは、左右のカップを左右のバストに被せ、カップから横方向に延びている左右のバックパネルを胸部の後側に引っ張り、背中側の中央において締結することにより着用される。着用状態では、左右のバックパネルの引っ張り力によって、カップの下縁に沿って配置されているカップワイヤーが脇側に引かれる。また、このように所定の緊張状態に保持されているカップワイヤーによって支えられている左右のカップは、それらの上縁から延びているショルダーストラップによって、全体として上に吊り上げられた状態に保持される。この結果、左右のバストが前中心方向に寄せられると共にリフトアップされた状態が形成される。
【特許文献１】特許第２８５３０９１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
カップワイヤー付きのブラジャーは所定の剛性を備えたカップワイヤーを用いることによりバストをリフトアップさせるなどバストの形を整える造形機能を備えているが、剛性のあるカップワイヤーを所定の緊張状態で体に装着しているので、ワイヤー装着箇所に対応する胸部の部位が圧迫されて窮屈感がある。また、カップワイヤーによって体の動きが拘束されているので、装着感が悪い。特に、肩関節を動かした場合において、ブラジャーが体の動きに追従できず、両肩に掛けてあるショルダーストラップが肩に食い込むなど、装着感が悪いという問題点がある。
【０００５】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、カップワイヤーを用いることなくバストを美しい形状に保持でき、体の動きに対する追従性の良い装着感に優れたブラジャーを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記の課題を解決するために、本発明のブラジャーは、
左右のバストカップと、
これらバストカップにおける下側縁に沿って左右に延びているアンダーパネルと、
各バストカップにおける脇側縁に沿って上下方向に延びている左右のサイドパネルと、
各サイドパネルにおける脇側縁から左右に延びている左右のバックパネルと、
各サイドパネルの上側の縁から延びている左右のショルダーストラップと、
左右の前記サイドパネルのそれぞれに取り付けられ、当該サイドパネルの上下方向の伸縮に応じて上下方向に伸縮可能な所定の剛性を備えたサイドボーンとを有していることを特徴としている。
【０００７】
一般的には、左右の前記サイドボーンは、左右の前記サイドパネルと左右の前記バックパネルの連結部分に配置される。
【０００８】
また、各サイドボーンは、前記連結部分における下側縁部分に下端部が固定された上向き部材と、当該連結部分における上側縁部分に上端部が固定された下向き部材とを備えた構成とすることができ、この場合には、これら上向き部材および下向き部材を、前記連結部分の上下方向の伸縮に応じて相対的に上下方向にスライド可能とすればよい。
【０００９】
本発明のブラジャーでは、左右のバストカップに連結されているサイドパネルの脇側縁にはサイドボーンが配置されている。着用した状態では、サイドパネルは体の脇にフィットした平面状に保持され、この状態で、バストカップが脇方向に引っ張られる。また、サイドパネルの上縁にはショルダーストラップが連続しており、サイドパネルは全体として上方に引上げられた状態になる。したがって、サイドパネルによって保持されているバストカップは全体として脇方向および上方に引っ張られた状態になり、当該バストカップが被せられているバストが前中心側に寄せられると共にリフトアップされ、美しい形状に保持される。
【００１０】
また、着用状態において、肩関節の動きにおいては、そのための大胸筋が伸縮する。サイドボーンはサイドパネルの伸縮に応じて上下に伸縮可能であるので、体にフィットしているサイドパネルは、大胸筋の伸縮に追従して伸縮可能である。このため、大胸筋の動きを妨げないので、着用状態において肩関節を動かす際に窮屈感がない。また、肩関節を動かす際の体の動きに追従してサイドパネルが上下方向に伸縮するので、ショルダーストラップに過剰な張力が掛からず、したがって、肩にショルダーストラップが食い込み、装着感が悪化するという弊害も改善される。
【００１１】
ここで、前記連結部分に、前記サイドボーンをスライド可能な状態で収納しているテープなどからなる上下方向に延びる帯状の袋部分を形成し、ここに、前記サイドボーンを構成している上向き部材および下向き部材をスライド可能な状態で収納することができる。
【００１２】
また、前記上向き部材および下向き部材としては、金属製あるいはプラスチック製の板ばね、または、金属製あるいはプラスチック製の棒材を用いることができる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明のブラジャーにおいては、左右のバストカップの脇側縁に沿って配置されているサイドパネルと、バックパネルとの連結部分に、上下方向に伸縮可能な所定の剛性を備えたサイドボーンを配置すると共に、サイドパネルの上縁からショルダーストラップを引き出してある。したがって、サイドボーンによって支えられているサイドパネルによってバストが美しい形に保持される。また、肩関節を動かす場合などにおいてはサイドボーンの上下方向の伸縮によってサイドパネルなどが体の動きに追従して伸縮するので、良好な装着感も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したブラジャーの一例を説明する。
【００１５】
図１は本例のブラジャーの装着状態を示す正面図であり、図２は平面上に展開した状態を示す平面図である。これらの図を参照して説明すると、ブラジャー１は、左右のバストカップ２Ｌ、２Ｒを備えており、これらのバストカップ２Ｌ、２Ｒはそれぞれ、上カップ２ａおよび下カップ２ｂを立体的に縫合することにより前方に突出した湾曲形状に成形されている。バストカップ２Ｌ、２Ｒはそれらの内側縁部分が相互に縫合されており、これらの下側縁部分には、左右方向に延びる細幅のアンダーパネル３の上縁部分が縫合されている。
【００１６】
左右のバストカップ２Ｌ、２Ｒの外側縁（脇側縁）は外方に僅かに突出した円弧状輪郭をしている。当該円弧状の外側縁部分には、左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒにおける湾曲形状の内側縁部分が縫合されている。また、各サイドパネル４Ｌ、４Ｒの内側縁部分の下端部分には、それぞれアンダーパネル３の両端縁部分も縫合されている。サイドパネル４Ｌ、４Ｒは、バストカップ２Ｌ、２Ｒの外側縁部分に沿って上下方向に延びており、それらの外側縁は上下方向にほぼ直線状に延びており、ここに、左右のバックパネル５Ｌ、５Ｒの内側縁部分が縫合されている。
【００１７】
左右のバックパネル５Ｌ、５Ｒは先端側に向けて幅が漸減しており、一方のバックパネル５Ｒの先端にはフック（図示せず）が取り付けられており、他方のバックパネル５Ｌにはフックを掛けることのできるフックアイ６が一定間隔で複数列形成されている。バックパネル５Ｌ、５Ｒの上縁部分の途中位置から立ち上がる左右のショルダーストラップ８Ｌ、８Ｒが左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒの上縁部分に取り付けられた丸幅７Ｌ、７Ｒに架け渡されている。
【００１８】
ここで、左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒと、左右のバックパネル５Ｌ、５Ｒとの縫合部分９Ｌ、９Ｒ（連結部分）には、これらの縫合部分に沿って上下方向にサイドボーン１０Ｌ、１０Ｒが取り付けられている。サイドボーン１０Ｌ、１０Ｒは所定の剛性を備えており、上下方向に伸縮可能である。
【００１９】
図３は左側のサイドボーン１０Ｌを示す説明図である。サイドパネル４Ｌおよびバックパネル５Ｌには、それらの上縁部分および下縁部分に沿って細幅のテープ１１、１２が縫い付けられている。これらの上下のテープ１１、１２の間には、テープなどからなる一定幅の帯状の袋１３が上下方向に形成されている。この袋１３の中には、上下方向に延びる一対の細長い板ばね１４、１５がスライド可能な状態で収納されている。板ばね１４、１５は金属製あるいはプラスチック製のものである。板ばねの代わりに、棒状のものを用いることもできる。
【００２０】
一方の板ばね１４はその下端部分のみが下側のテープ１１に固定され、上方に延びている。他方の板ばね１５はその上端部分のみが上側のテープ１２に固定され、下方に延びている。これらの板ばね１４、１５の上下方向の長さは、テープ１１、１２の間隔、すなわち、袋１３の長さよりも短い。よって、板ばね１４、１５は袋１３よりも短い分だけ、袋１３内において上下方向にスライド可能となっている。なお、他方のサイドボーン１０Ｒも同一構造であるので、その説明は省略するものとする。
【００２１】
この構成のブラジャー１を装着した状態においては、図１に示すように、左右のバストが左右のバストカップ２Ｌ、２Ｒによって覆われて、これらのバストカップ２Ｌ、２Ｒは、左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒを介して左右のバックパネル５Ｌ、５Ｒによって左右に引っ張られた状態となる。サイドパネル４Ｌ、４Ｒは、上下方向にサイドボーン１０Ｌ、１０Ｒが取り付けられているので、上下方向に平面状に広がった状態で体に密着しており、全体として脇方向に引っ張られている。また、平面状に保持されているサイドパネル４Ｌ、４Ｒは、ショルダーストラップ８Ｌ、８Ｒによって上方に引っ張られている。
【００２２】
この状態の左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒによって、左右のバストカップ２Ｌ、２Ｒは左右に引っ張られると同時に上方に持ち上げられる。この結果、左右のバストが前中心側に寄せられると共にリフトアップされて美しい形状に保持される。
【００２３】
また、肩関節の運動などにおいては、大胸筋が伸縮する。大胸筋を覆っている体脂肪および皮膚の上に密着している左右のサイドパネル４Ｌ、４Ｒは、大胸筋の伸縮に追従して速やかに伸縮可能である。すなわち、サイドパネル４Ｌ、４Ｒに取り付けられている剛性のあるサイドボーン１０Ｌ、１０Ｒは、これらを構成している一対の板ばね１４、１５がサイドパネル４Ｌ、４Ｒの伸縮に伴って上下方向に相対的にスライドして、上下方向に伸縮する。よって、体の動きに追従するため、ブラジャーの装着感も良い。さらに、体を動かす際に、ショルダーストラップ８Ｌ、８Ｒに過剰な張力が作用しないので、これらが肩に食い込むことがなく、この点においても装着感が改善される。
【００２４】
（その他の実施の形態）
なお、上記の例では、サイドパネル４Ｌ、４Ｒとバックパネル５Ｌ、５Ｒの縫合部分にサイドボーン１０Ｌ、１０Ｒを配置してある。サイドボーン１０Ｌ、１０Ｒの取付位置は、当該部分以外とすることもできる。いずれの場合においても、サイドボーンを大胸筋の外に位置させるべきである。また、サイドボーン１０Ｌ、１０Ｒは所定の剛性を備え、上下方向に所定量だけ伸縮可能であればよく、上記の例の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本発明を適用したブラジャーを装着した状態の正面図である。
【図２】図１のブラジャーを平面上に展開した状態を示す平面図である。
【図３】図１のブラジャーにおけるサイドボーンの部分の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【００２６】
１ ブラジャー
２Ｌ、２Ｒ バストカップ
３ アンダーパネル
４Ｌ、４Ｒ サイドパネル
５Ｌ、５Ｒ バックパネル
８Ｌ、８Ｒ ショルダーストラップ
９Ｌ、９Ｒ 縫合部分（連結部分）
１０Ｌ、１０Ｒ サイドボーン
１１、１２ テープ
１３ 袋
１４、１５ 板ばね
【特許請求の範囲】
【請求項１】
左右のバストカップと、
これらバストカップにおける下側縁に沿って左右に延びているアンダーパネルと、
各バストカップにおける脇側縁に沿って上下方向に延びている左右のサイドパネルと、
各サイドパネルにおける脇側縁から左右に延びている左右のバックパネルと、
各サイドパネルの上側の縁から延びている左右のショルダーストラップと、
左右の前記サイドパネルのそれぞれに取り付けられ、当該サイドパネルの上下方向の伸縮に応じて上下方向に伸縮可能な所定の剛性を備えたサイドボーンとを有していることを特徴とするブラジャー。
【請求項２】
請求項１において、
左右の前記サイドボーンは、左右の前記サイドパネルと左右の前記バックパネルの連結部分に配置されていることを特徴とするブラジャー。
【請求項３】
請求項１または２において、
各サイドボーンは、前記連結部分における下側縁部分に下端部が固定された上向き部材と、当該連結部分における上側縁部分に上端部が固定された下向き部材とを備えており、
これら上向き部材および下向き部材は、前記連結部分の上下方向の伸縮に応じて相対的に上下方向にスライド可能となっていることを特徴とするブラジャー。
【請求項４】
請求項１、２または３において、
前記連結部分には、前記サイドボーンをスライド可能な状態で収納しているテープなどからなる上下方向に延びる帯状の袋部分が形成されており、
当該袋部分の中に、前記サイドボーンを構成している上向き部材および下向き部材がスライド可能な状態で収納されていることを特徴とするブラジャー。
【請求項５】
請求項１ないし４のうちのいずれかの項において、
前記上向き部材および下向き部材は、金属製あるいはプラスチック製の板ばね、または、金属製あるいはプラスチック製の棒材であることを特徴とするブラジャー。
【請求項１】
左右のバストカップと、
これらバストカップにおける下側縁に沿って左右に延びているアンダーパネルと、
各バストカップにおける脇側縁に沿って上下方向に延びている左右のサイドパネルと、
各サイドパネルにおける脇側縁から左右に延びている左右のバックパネルと、
各サイドパネルの上側の縁から延びている左右のショルダーストラップと、
左右の前記サイドパネルのそれぞれに取り付けられ、当該サイドパネルの上下方向の伸縮に応じて上下方向に伸縮可能な所定の剛性を備えたサイドボーンとを有していることを特徴とするブラジャー。
【請求項２】
請求項１において、
左右の前記サイドボーンは、左右の前記サイドパネルと左右の前記バックパネルの連結部分に配置されていることを特徴とするブラジャー。
【請求項３】
請求項１または２において、
各サイドボーンは、前記連結部分における下側縁部分に下端部が固定された上向き部材と、当該連結部分における上側縁部分に上端部が固定された下向き部材とを備えており、
これら上向き部材および下向き部材は、前記連結部分の上下方向の伸縮に応じて相対的に上下方向にスライド可能となっていることを特徴とするブラジャー。
【請求項４】
請求項１、２または３において、
前記連結部分には、前記サイドボーンをスライド可能な状態で収納しているテープなどからなる上下方向に延びる帯状の袋部分が形成されており、
当該袋部分の中に、前記サイドボーンを構成している上向き部材および下向き部材がスライド可能な状態で収納されていることを特徴とするブラジャー。
【請求項５】
請求項１ないし４のうちのいずれかの項において、
前記上向き部材および下向き部材は、金属製あるいはプラスチック製の板ばね、または、金属製あるいはプラスチック製の棒材であることを特徴とするブラジャー。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−２２５８１９（Ｐ２００６−２２５８１９Ａ）
【公開日】平成１８年８月３１日（２００６．８．３１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−４４３８７（Ｐ２００５−４４３８７）
【出願日】平成１７年２月２１日（２００５．２．２１）
【出願人】（５０３４２８６００）株式会社六本木事務所 (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年８月３１日（２００６．８．３１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年２月２１日（２００５．２．２１）
【出願人】（５０３４２８６００）株式会社六本木事務所 (1)
【Ｆターム（参考）】
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