説明

ブランドまたは製品に関連する属性を判定する方法

ブランドまたは製品の特徴を評価する方法であって、
(a)第1期間中に、ブランドまたは製品を被験者に提示するステップと、
(b)第1期間中に、被験者の脳活動を判定するステップと、
(c)第2期間中に、ニュートラルな視覚および/または聴覚素材を被験者に提示するステップと、
(d)第2期間中に、被験者の脳活動の基準レベルを提示するステップと、
(e)第1および第2期間の間の脳活動における差を判定することにより、被験者によるブランドまたは製品に関連する属性を評価するステップを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
消費者の心の中における、ブランドまたは製品に関連する性質は、深い商業的意味の事柄である。ブランドまたは製品が消費者にどのように認識されるかは、消費者の購買行動の可能性に強力な影響を与える。ブランドに起因する価値は、現代企業の価値のますます重要な要素になっている。ブランドの価値は、基本的には、そのブランドに対する消費者の態度により判定される。信頼および忠誠心の感情が、例えば、高いブランド価値に関連している。ブランドマネージャもまた、特別な性質を、ブランド、例えば、自動車の安全および自動車の特別なブランド、または革新技術、およびある高い技術製造者に関連付けようとする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
現在では、そのような関連付けは、アンケート調査、フォーカスグループの討論、および詳しいインタビューにより判定されている。これらの技術は、被験者の言葉による反応に依存するという点で不十分であると広く認識されている。そのような言葉による反応は、ブランドに関連する感情的な性質の指標としては不十分であると考えられている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、任意のブランドまたは製品に関連する種々の心理的性質を決定するために、言葉による反応ではなく、脳活動の測定に依存する方法を開示する。
【0004】
本発明の第1形態は、ブランドまたは製品に関連する一般的な特徴の評価に関する。
【0005】
本発明の第1形態によれば、ブランドまたは製品の特徴を評価する方法が提供され、本方法は、
(a)第1期間中に、ブランドまたは製品を被験者に提示するステップと、
(b)第1期間中に、被験者の脳活動を判定するステップと、
(c)第2期間中に、ニュートラルな視覚および/または聴覚素材を被験者に提示するステップと、
(d)第2期間中に、被験者の脳活動の基準レベルを提示するステップと、
(e)第1および第2期間の間の脳活動における差を判定することにより、被験者によるブランドまたは製品に関連する属性を評価するステップを含む。
【0006】
本発明の第2形態には、ブランドまたは製品に特別に関連する属性に関する。
【0007】
本発明の第2形態によれば、ブランドまたは製品に関連する属性を判定する方法が提供され、本方法は、
(a)第1期間中に、ブランドまたは製品と、セマンティックプローブを被験者に同時に提示するステップと、
(b)第1期間中に、被験者の脳活動を判定するステップと、
(c)第2期間中に、ニュートラルな視覚および/または聴覚素材を被験者に提示するステップと、
(d)第2期間中に、被験者の脳活動の基準レベルを判定するステップと、
(e)ステップ(d)に比較して、ステップ(b)における脳活動において増加があるかまたは減少があるかを評価することにより、ブランドまたは製品とセマンティックプローブに関連する属性間に一致が見られるか見られないかを判定するステップを含む。
【0008】
本発明はまた、ブランドまたは製品に関連する属性を判定するシステムを提供し、本システムは、
ブランドまたは製品イメージを被験者に表示する表示手段と、
被験者の脳活動を判定する脳活動判定手段と、
脳活動の基準レベルを確立するために、ブランドまたは製品イメージが被験者に表示される第1期間に、脳活動判定手段から第1出力信号を受信し、ニュートラルな素材が被験者に表示される第2期間に、脳活動判定手段から第2出力信号を受信するように結合された評価手段であって、第1および第2出力信号間の差を評価するように作動できる評価手段を含む。
【0009】
本発明はまた、ブランドまたは製品に関連する属性を判定するシステムを提供し、本システムは、
ブランドまたは製品イメージを被験者に表示する表示手段と、
被験者の脳活動を判定する脳活動判定手段と、
脳活動の基準レベルを確立するために、ブランドまたは製品イメージが被験者に表示される第1期間に、脳活動判定手段から第1出力信号をセマンティックプローブと同時に受信し、ニュートラルな素材が被験者に表示される第2期間に、脳活動判定手段から第2出力信号を受信するように結合された評価手段であって、第1および第2出力信号間の差を評価するように作動できる評価手段を含む。
【0010】
好ましくは、脳活動は、被験者が、ビデオディスプレイ上のブランド名およびロゴにより提示された、または製品および製品名の視覚表現により提示されたブランドイメージまたは製品イメージを見ているときに測定される。ブランドまたは製品イメージは、0.5秒から5秒、好ましくは1秒の初期持続時間だけスクリーン上に残る。続く期間の間は、ブランドまたは製品イメージはスクリーンに残り、性質を説明する言葉、またはセマンティックプローブがブランドまたは製品イメージの下に現れる。この続く期間の持続時間は0.5から5秒、好ましくは、初期持続時間と同じである。
【0011】
ブランドイメージと製品イメージは静止している必要はなく、製品またはブランドの動画像もまた使用できる。セマンティックプローブは、最も一般的には1語または2語以上の言葉であるが、音または他の画像でもよい。
【0012】
一般的ブランドまたは製品の特徴の評価
ブランドまたは製品イメージに対する心理的反応は、ブランドまたは製品イメージが提示されている初期期間の間の脳活動の分布からのみ突き止めることができる。
【0013】
詳細に対する視覚注目度
この尺度は、初期期間中にブランドまたは製品イメージにより引き起こされた詳細またはテキストに対する視覚注目度のレベルに関する。
【0014】
左後頭部領域、好ましくはInternational 10−20 Systemにおける電極O1でのSSVEP位相の進みまたは振幅変化は、被験者の詳細に対する視覚注目度(Visual Attention to Detail)の評価に適切であることが分かってきた。逆写像技術を使用すると、左大脳皮質における適切な位置は、ブロートマン(Brodmans)領野17の近傍である。
【0015】
全体的特徴に対する視覚注目度
この尺度は、初期期間中にブランドまたは製品イメージにより引き起こされた全体の特徴に対する視覚注目度のレベルに関する。
【0016】
右後頭部領域、好ましくはInternational 10−20 Systemにおける電極O2でのSSVEP位相の進みまたは振幅変化は、スクリーン上に表示された顔の表情に対する反応を含めて、被験者の全体的特徴に対する視覚注目度(Visual Attention to Global Features)の評価に適切であることが分かってきた。逆写像技術を使用すると、右大脳皮質における適切な位置は、ブロートマン(Brodmans)領野17の近傍である。
【0017】
ブランドまたは製品イメージに関連する願望度は、初期期間における左および右頭頂部記録部位における脳活動の増大により示される。脳の記録部位を分類するInternational 10−20システムにおいては、上記に言及した場所は、P3およびP4近傍に対応する。逆写像技術を使用すると、左大脳皮質における適切な位置は、左頭頂内領域近傍である。
【0018】
ブランドまたは製品イメージに関連する感情強度は、初期期間中に、右頭頂側頭部位、好ましくは、右大脳半球O2、F4、およびT6からほぼ等距離における脳活動の増大により示される。逆写像技術が使用される場合は、右大脳皮質における適切な位置は、右頭頂側頭接合部の近傍である。
【0019】
ブランドまたは製品イメージがどの程度首尾よく長期記憶に格納または符号化されたかは、初期期間中の、T5とT6近傍における左および右側頭部位と、C4、F4、およびF8から等距離の右前頭部位おける脳活動の増大により示される。逆写像技術が使用される場合は、適切な位置は、ブロートマン(Brodman)領野20近傍の左および右側頭葉、およびブロートマン(Brodman)領野6、44、45、46、および47近傍の左および右前頭皮質である。
【0020】
個人がどの程度まで、ブランドイメージまたは製品イメージに引き付けられたか、または反発したかは、左前頭/前頭葉前部および右前頭/前頭葉前部部位における脳活動の差により与えられる。引き付け度(Attraction)は、右と比較して、左大脳半球におけるより大きな脳活動により示され、反発度(Repulsion)は、左と比較して、右大脳半球におけるより大きな脳活動により示される。
【0021】
引き付け度(Attraction)=(a1*電極F3において記録された脳活動+a2*電極Fp1において記録された脳活動−a3*電極F4において記録された脳活動−a4*電極Fp2において記録された脳活動)、
ここにおいて、a1=a2=a3=a4=1.0 式1
引き付け度(Attraction)の測定値が正の場合は、参加者が、素材が魅力的で好感が持てると感じていることに関連し、一方、負の測定値は、反発(repulsion)または嫌悪に関連している。
【0022】
逆写像技術が使用されると、適切な式は、
引き付け度(Attraction)=(c1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+c2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)における脳活動+c3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+c4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)における脳活動)、
ここにおいて、c1=1、c2=1、c3=1、c4=1 式2
である。
【0023】
ブランドイメージまたは製品イメージが、どの程度まで共感を呼んだかは、下記の式により説明する、前頭葉前部部位における初期期間の重み付き平均の脳活動により与えられる。
【0024】
共感度(Engagement)=(b1*電極F3における脳活動+b2*電極Fp1における脳活動+b3*電極F4における脳活動+b4*電極Fp2における脳活動)、
ここにおいて、b1=0.1、b2=0.4、b3=0.1、b4=0.4 式3
逆写像技術が使用されると、適切な式は、
共感度(Engagement)=(d1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+d2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)における脳活動+d3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+d4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)における脳活動)、
ここにおいて、d1=0.1、d2=0.4、d3=0.1、d4=0.4 式4
である。
【0025】
特別ブランドまたは製品の特徴の評価
特別な特徴とブランドまたは製品イメージの関連付けは、ブランドまたは製品イメージ、およびセマンティックプローブが現れている間の脳活動の分布により示される。セマンティックプローブと、被験者の心の中にあるブランドまたは製品イメージに関連する性質の間の一致は、電極Fp2近傍における、右前頭葉前部部位における脳活動の増大により示される。逆写像技術を使用すると、これは、右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動に対応する。セマンティックプローブと、被験者の心の中にあるブランドまたは製品イメージに関連する性質の間の不一致は、電極Fp2近傍における、右前頭葉前部部位における脳活動の縮小により示される。逆写像技術を使用すると、これは、右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における縮小した脳活動に対応する。
【0026】
脳活動の測定
脳活動の測定に対しては多くの方法が利用できる。それらの方法が所有しなければならない主要な機能は、十分な時間分解能または脳活動における急速な変化を追尾する能力である。自発的な脳の電気的活動、または脳電図(EEG)、または定常状態視覚誘発電位(Steady State Visually Evoked Potential(SSVEP))である連続的な視覚フリッカにより誘発される脳の電気的活動は、十分な時間分解能で、脳活動における変化を測定するために使用できる脳の電気的活動の2例である。等価なものとして、自発的な磁気的な脳活動、または脳磁図(MEG)と、連続的な視覚フリッカにより誘発される脳の磁気的活動である、定常状態視覚誘発反応(Steady State Visually Evoked Response(SSVER))がある。
【0027】
脳電図と脳磁図(EEGとMEG)
EEGとMEGは、頭皮表面またはその近傍において記録された、自発的な脳の電気的および磁気的活動の記録である。脳活動は、下記のEEGまたはMEG成分から評価できる。
【0028】
1.ガンマまたは高周波数EEGまたはMEG活動
これは一般的には、35Hzと80Hzの間の周波数を含むEEGまたはMEG活動として定義される。ガンマ活動の高められたレベルは、脳活動の高められたレベルに関連しており、特に認識に関連している(Fitzgibbon SP,Pope KJ,Mackenzie L,Clark CR,Willoughby JO. 「認知作業拡大ガンマEEGパワー」(Cognitive tasks augment gamma EEG power),Clin Neurophysiol.2004:115:1802−1809)。
【0029】
頭皮EEGガンマ活動が、脳活動の指標として使用される場合は、適切な頭皮記録部位は、上記の一覧表示のようになる。上記の一覧表示された特別な脳部位におけるEEGガンマ活動が、脳活動の指標として使用される場合は、LORETAのような逆写像技術を使用しなければならない(Pascual−Marqui,Michel C,Lehmann D (1994):「低分解能電磁断層撮影法:脳における電気的活動を局在化する新しい方法」(Low resolution electromagnetic tomography:a new method for localizing electrical activity in the brain),Int J Psychophysiol 18:49−65)。
【0030】
上記に一覧表示した特別な脳部位でのMEGガンマ活動が、脳活動の指標として使用される場合は、複検出器MEG記録システムを、MEG逆写像技術と連係して使用しなければならない(Uutela K,Ha・・ma・・la・・inen M,Somersalo E(1999):「最小電流推定値を使用する磁気脳電測定データの視覚化」(Visualization of magnetoencephalographic data using minimum current estimates),Neuroimage 10:173−180 and Fuchs M,Wagner M,Kohler T,Wischmann HA(1999):「線形および非線形電流密度再構成」(Linear and nonlinear current density reconstructions),J Clin Neurophysiol 16:267−295参照)。
【0031】
2.EEGまたはMEGアルファ活動の周波数
脳活動はまた、アルファ周波数範囲(8.0Hz−13.0Hz)における進行中のEEGまたはMEGの周波数における変化によっても示される。増大する周波数は、増大する活動を示している。周波数は、高い時間分解能で評価する必要がある。「瞬間的周波数」を測定するために使用できる2つの技術は、複合変調(Walter D,「複合変調の方法」(The Method of Complex Demodulation).Electroencephalog.Clin.Neurophysiol,1968 Suppl 27:53−7)と、「ヒルベルト変換の使用」(the use of the Hilbert Transform)の使用(Leon Cohen,「時間周波数解析」(”Time−frequency analysis”),Prentice−Hall,1995)である。増大する脳活動は、アルファ周波数範囲におけるEEGの瞬間周波数の増加により示される。
【0032】
頭皮EEGアルファ活動の周波数が、脳活動の指標として使用されると、適切な頭皮記録部位は、上記に一覧表示してある。上記に一覧表示した特別な脳部位でのEEGアルファ活動の周波数が、脳活動の指標として使用されると、LORETAのような逆写像技術を使用しなければならない(Pascual−Marqui,Michel C,Lehmann D (1994):「低分解能電磁断層撮影法:脳における電気的活動を局在化する方法」(Low resolution electromagnetic tomography:a new method for localizing electrical activity in the brain),Int J Psychophysiol 18:49−65)。
【0033】
上記に一覧表示した特別な脳部位におけるMEGアルファ活動の周波数が脳活動の指標として使用される場合は、複検出器MEG記録システムが、MEG逆写像技術と提携して使用されなければならない(Uutela K,Ha・・ma・・la・・inen M,Somersalo E(1999):「最小電流推定値を使用する磁気脳電測定データの視覚化」(Visualization of magnetoencephalographic data using minimum current estimates),Neuroimage 10:173−180 and Fuchs M,Wagner M,Kohler T,Wischmann HA(1999):「線形および非線形電流密度再構成」(Linear and nonlinear current density reconstructions),J Clin Neurophysiol 16:267−295参照)。
【0034】
3.脳活動の指標としてのSSVEPまたはSSVER位相
脳活動はまた、定常状態視覚誘発電位(Steady State Visually Evoked Potential(SSVEP))または定常状態視覚誘発反応(Steady State Visually Evoked Response(SSVER))の位相により示すこともできる。
【0035】
米国特許第4,955,938号、第5,331,969号、および第6,792,304号(その内容は、本明細書に参考文献として組み込んである)は、被験者から、定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を得るための技術を開示している。この技術は、定常状態視覚誘発反応(SSVER)を得るためにも使用できる。これらの特許は、SSVEPとSSVER位相と、それに対する変化を迅速に得るための、フーリエ解析の使用を開示している。SSVEPとSSVER振幅および位相を計算するための好適な方法が下記にまとめられている。
【0036】
SSVEPとSSVER振幅および位相
デジタル化された脳の電気的活動(脳電図またはEEG)と、脳の磁気的活動(MEG)は共に、刺激ゼロクロッシングのタイミングで、特別な刺激周波数におけるフリッカにより誘発されたSSVEPまたはSSVERを、記録されたEEGまたはMEGから、または、人工産物を除去し、信号対雑音比を高めるために独立成分解析(ICA)を使用して前処理されたEEGまたはMEGデータから計算することを可能にする。[Bell A.J.and Sejnowski T.J.1995,「ブラインド分離およびブラインドデコンボルーションへの情報最大化アプローチ」(An information maximisation approach to blind separation and blind deconvolution),Neural Computation,7,6,1129−1159;T−P.Jung,S.Makeig,M.Westerfield,J.Townsend,E.Courchesne and T.J.Sejnowskik,「単一試行事象関連電位の独立成分解析」(Independent component analysis of single−trial event−related potential) Human Brain Mapping,14(3):168−85,2001]
【0037】
所与の刺激周波数の各刺激サイクルに対するSSVEPまたはSSVER振幅と位相の計算。式5と6を使用し、フーリエ技術を使用して達成される計算を下記に示す。
【0038】
【数1】

【0039】
SSVEPフーリエ成分の計算で、ここでanとbnはそれぞれ、余弦および正弦フーリエ係数である。nはn番目の刺激サイクルを示し、Sは、1刺激サイクル当りの試料数(16)であり、Δτは、試料間の時間間隔であり、Tは、1サイクルの周期であり、f(nT+iΔτ)は、EEGまたはMEG信号(未処理、またはICAを使用して前処理済)である。
【0040】
【数2】

【0041】
ここで、AnとBnは、下記の式7を使用して計算された、重複平滑化フーリエ係数である。
【0042】
【数3】

【0043】
振幅と位相成分は、単一サイクルフーリエ係数(anとbn)または、複数サイクルに渡って平滑化することにより計算された係数(AnとBn)のいずれかを使用して計算できる。
【0044】
式6と7は、一人の被験者に対して、平滑化SSVEPまたはSSVER係数を計算するための手順を示している。まとめられたデータに対して、所与の電極に対するSSVEPまたはSSVER係数(AnとBn)は、被験者全員に対して、または選択された被験者のグループに対して平均化される。
【0045】
平滑化において使用されるサイクル数が増大するにつれ、信号対雑音比は増大するが、時間分解能は減少する。平滑化に使用されるサイクル数は、典型的には5より大きく、130より小さい。
【0046】
式6と7は、頭蓋骨とより深い部位に接する皮質表面において推測される脳の電気的活動と同様に、頭皮SSVEPデータに適用される。眼窩前頭皮質または腹内側皮質のような脳のより深い部位における活動は、EMSE(Source Signal Imaging,Inc,2323 Broadway,Suite 102,San Diego,CA 92102,USA)およびLORETA(Pascual−Marqui,Michel C,Lehmann D (1994):「低分解能電磁断層撮影法:脳における電気的活動を局在化する方法」(Low resolution electromagnetic tomography:a new method for localizing electrical activity in the brain),Int J Psychophysiol 18:49−65)のような多数の利用できる逆写像技術を使用して決定できる。上記に一覧表示された特別な脳部位におけるSSVER振幅または位相の変化が、脳活動の指標として使用される場合は、複検出器MEG記録システムを、MEG逆写像技術と連係して使用しなければならない(Uutela K,Ha・・ma・・la・・inen M,Somersalo E(1999):「最小電流推定値を使用する磁気脳電測定データの視覚化」(Visualization of magnetoencephalographic data using minimum current estimates),Neuroimage 10:173−180,and Fuchs M,Wagner M,Kohler T,Wischmann HA(1999):「線形および非線形電流密度再構成」(Linear and nonlinear current density reconstructions),J Clin Neurophysiol 16:267−295参照)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
本発明を、添付された図面を参照することにより、ここで更に説明をする。
【0048】
図1は、被験者または被験者のグループの、ビデオスクリーン3とラウドスピーカ2で提示された視聴覚用素材に対する反応を判定するためのシステム50を図示している。本システムは、ハードウェアの種々の部分を制御し、下記に説明するように、被験者7の脳活動から導出された信号に対して計算を行うコンピュータ1を含む。コンピュータ1はまた、スクリーン3上で、および/またはラウドスピーカ2を介して、1人または複数の被験者7に提示できる画像と音を保持する。
【0049】
テスト対象の被験者または複数の被験者7には、被験者7の頭皮上の種々の部位から、脳の電気的活動を得るための複数の電極を含むヘッドセット5が取り付けられる。SSVERが使用される場合は、ヘッドセット5における記録電極は使用されず、9 Burbidge Street,Coquitlam,BC,CanadaのVSM Medtech Ltd.により製造されたCTF MEG Systemのような、商用のMEG記録システムを代わりに使用することができる。ヘッドセットは、図2に示されるように、半銀鏡8と、白の発光ダイオード(LED)アレイ9を含むバイザ4を含む。半銀鏡は、LEDアレイ9からの光を被験者7の眼に向けて導くように配置される。LEDアレイ9は、そこからの光強度が、制御回路6の制御により、シヌソイド的に変化するように制御される。制御回路6は、シヌソイド信号を生成するための波形生成器を含む。SSVERが使用される場合は、LEDアレイからの光は、ファイバ光学システムを介して、バイザに搬送される。回路6はまた、増幅器、フィルタ、アナログーデジタル変換器、および種々の電極信号をコンピュータ1に結合するためのUSBインタフェース、またはTCPインタフェース、または、他のデジタルインタフェースも含む。
【0050】
半透明スクリーン10は、各LEDアレイ9の前に位置している。スクリーン上には不透明パターンが印刷されている。図3に示されるように、不透明度は、スクリーンの中心の中心にある円形領域において最大である。円形領域から離れるに従って、不透明度は、円形領域円周からの半径方向の距離に沿って、滑らかに減衰し、好ましくは、不透明度は、式8により説明されたガウス関数として減衰する。スクリーンは、中心視野におけるフリッカを減少して、視覚的に提示された素材の明確な像を被験者に与える。中心の不透明円のサイズは、垂直および水平に、1度から4度の間の中心視野における視覚的フリッカを遮蔽するようなサイズである。
【0051】
r<Rならば、P=1
r>=Rならば、Pは、下記の式8により与えられる。
【0052】
【数4】

【0053】
ここでPは半透明スクリーン上のパターンの不透明度である。P=1.0の不透明度は、スクリーンを透過する光がまったくないことに対応し、P=0の不透明度は、完全な透明に対応する。
【0054】
Rは、中心不透明ディスクの半径であり、rは、不透明ディスクの中心からの半径方向の距離である。Gは、半径方向の距離に沿う、不透明度の減衰率を決定するパラメータである。典型的に、Gは、R/4と2Rの間の値を有する。図5は、ディスクの中心からの半径方向の距離に沿う不透明度の減衰を示している。図5において、R=1、G=2Rである。
【0055】
コンピュータ1は、ヘッドセット5の各電極またはMEGセンサからのSSVEPまたはSSVER振幅および位相を計算するソフトウェアを含む。
【0056】
SSVEPおよびSSVERを生成するために必要なハードウェアとソフトウェアの詳細はよく知られているので、詳細に説明する必要はない。この点に関しては、上述のSSVEP計算のためのハードウェアと技術の詳細を開示している米国特許の明細書を参照されたい。簡単に説明すれば、被験者7は、連続的な背景フリッカを周辺視野に与えるバイザ4を介してビデオスクリーン3を見る。背景フリッカの周波数は、典型的には、13Hzであるが、3Hzと50Hzの間で選択できる。複数のフリッカを同時に提示することもできる。周波数の数は、1から5の間で変えることができる。脳の電気的活動は、信号をフィルタ処理して増幅し、回路6でデジタル化し、その後、信号は格納と解析のためにコンピュータ1に転送されるような特殊化電子ハードウェアを使用して記録される。
【0057】
SSVEPを使用するときは、脳の電気的活動は、ヘッドセット5における複数の電極、またはElectro−cap(ECI Inc., Eaton,Ohio USA)のような市場で入手可能な別の複数電極システムを使用して記録される。SSVERを使用するときは、VSM MedTech Ltdにより製造されたCTF MEG Systemのような、商用MEG記録システムを使用できる。電極または磁気記録部位の数は、通常は8以上で、128以下であり、典型的には16から32の間である。
【0058】
各電極における脳の電気的活動は、信号調整システムと制御回路6に伝えられる。回路6は、複数ステージ固定ゲイン増幅、バンドパスフィルタ処理、および各チャネルに対するサンプリング保持回路を含む。増幅/フィルタ処理された脳活動は、300Hz以上の率で、16−24ビットの精度でデジタル化され、ハードディスク上に格納するためにコンピュータ1に転送される。各脳の電気的サンプリングのタイミングは、視聴覚素材の異なる成分のプレゼンテーション時とともに、10マイクロ秒の精度で登録されて格納される。市場で入手可能な、等価のMEG記録システムは同じ機能を果たす。
【0059】
1人または複数の被験者が評価対象の画像を見ている間に、視覚フリッカは、バイザ4内でスイッチが入れられ、脳の電気的活動は、コンピュータ1上で連続的に記録される。
【0060】
記録段階の最後に、SSVEPまたはSSVER振幅および位相は、各個人ごとに別々に計算される。すべての記録が完了したら、グループ平均データが、グループに含めるべき被験者(例えば、男性、女性、若年者、老年者)からの平滑化されたSSVEPまたはSSVER振幅および位相を平均することにより計算される。
【0061】
例1
クライアントに対して、ブランドの属性を評価するために、下記の手順が使用される。選択された被験者数、例えば、50人をテストルームで着席させ、ヘッドセット5を被験者の頭に取り付ける。バイザ4は、決められた位置に設置され、スクリーン10による中心窩のブロックが、画像が提示されるスクリーン3上にフリッカが現れることを防止するように調整される。記録セッションにおける被験者数は可変であり、典型的には、1から100超の間で可変である。被験者をまとめて、平均反応を作成するときは、平均に含むべきデータの被験者数は、好ましくは、16人以上とすべきである。
【0062】
評価対象のブランドまたは製品イメージは、特別なシーケンスで被験者に提示される。図4は、典型的なシーケンス86を図示している。シーケンスそれ自体は、ブロック88から構成されており、その各々は、ブランク期間90で開始し、ブランドまたは製品イメージがスクリーン上に表示されるブランドイメージ期間に続いて、そのブロック88の同じブランドまたは製品イメージとセマンティックプローブが同時に表示される一致期間94が続く。図示された配置においては、ブランク期間90と、ブランドイメージ期間92と、一致期間94のそれぞれは同じ長さであり、0.5から5秒の範囲の長さである。全シーケンス86は、最終ブロック88に続く基準期間95を含む。基準期間は10秒から60秒、好ましくは、約30秒の持続時間を有し、その間に、情景画像のようなニュートラルな素材が連続的に表示される。基準期間95は、情景画像を0.5秒間表示し、音楽の伴奏も伴う。シーケンス86は、ブロック88の任意の都合のよい数を有する。ブランドまたは製品イメージの典型的な評価においては、3から6個のブロック88が被験者に提示され、その中で、一致期間94において異なるセマンティックプローブが提示される。更に、5から10個の異なるブランドがシーケンス86に含むことができる。従って、シーケンス86には15から60個のブロック88が含まれる。
【0063】
脳活動は、期間90、92、および94のそれぞれの間に被験者から記録され、基準脳活動は、各被験者に対して、基準期間95において計算される。
【0064】
典型的な評価においては、シーケンス86は、テレビプログラムに組み込まれる。第1シーケンス86は、典型的には、テレビプログラムの早い段階で提示され、第2シーケンスは、1回または2回以上の、プログラムに含むことができる「広告ブレーク」の後に、プログラムの後半で提示される。広告ブレークには類似した基準期間95が続くことが好ましい。基準期間95は、好ましくは、情景画像を0.5秒間表示し、音楽伴奏を伴う。また、基準期間95が、2個のシーケンス86と同じで、広告ブレークの後と同じであることも好ましい。基準期間95中の脳活動レベルは、先行するブロック88と広告ブレークにおける脳活動の基準レベルとして使用される。これにより、記録期間の時間経過に起因して起こりえる脳活動におけるいかなる長期変化の除去が可能になる。
【0065】
種々の脳部位においてまとめられ、平均されたデータは、クライアントに、基準レベルと、シーケンス86における他の時点での値との差として表示できる。0.2から0.6ラジアン、好ましくは、0.3ラジアンの固定オフセットが上記の差に加えられ、各頭皮部位におけるSSVEP位相データが作成される。
【0066】
図4に示されるシーケンスにおいて、各ブロック88は、ブランク期間90で開始した。これは、隣接するブロック88の期間92と94の間の脳活動レベルを適切に区別するためには非常に好ましいと考えられる。しかし、ブランク期間90の持続時間をゼロに縮小することもでき、この場合は、隣接するブロック88における期間92と94の間に十分な差を形成できるように、ブロック92と94の持続時間をずっと長くすることにより相殺できる。
【0067】
基準レベル95を、シーケンス86の最後にすることも好ましい。これは、基準期間95がシーケンスの最初にあると、被験者は、最初にどんな素材が提示されるかに初期の関心を持ち、これによりある程度不正確な結果となるので、より良好な基準レベルを得ることを支援することになる。多数のシーケンスがテレビプログラムに含まれているときは、基準期間95が、第2およびそれ以降のシーケンス86に対して、シーケンス86の最後にあるということはおそらくそれほど重要ではなくなってくるだろう。
【0068】
フリッカによる被験者の苛立ちまたは不快感を最小限に抑えるため、フリッカ刺激は強度が可変であり、シーケンス86または広告ブレークなどのような、クライアントが関心を持つ素材がスクリーン上に登場するときのみ、最高の強度に切り替わる。関心対象の素材がスクリーンに提示されていない間は、刺激の強度は、典型的にはゼロで、スクリーン上に関心対象の素材が登場しているときに使用される典型的な値の10%を超えない。好ましくは、刺激は、急激にはスイッチを入れずに、各シーケンス86または広告ブレークの前に緩やかに増大し、各シーケンス86または広告ブレーク終了後に緩やかに減少する。典型的には、刺激はシーケンス86または画像ブロックまたは広告ブレークの前に、30〜60秒の時間をかけて直線的に増大し、それにより、第1画像シーケンスまたは広告の前に最大値の60秒に到達する。基準期間95の基準画像のシーケンスの終了直後に、刺激強度は、30秒の時間をかけて直線的に最小値に減少される。刺激強度の緩やかな直線的な増大および減少は、すべてのシーケンス86または広告ブレークに対して行われる。
【0069】
一般的なブランドの特徴
すべての被験者から、脳活動が記録されると、各特別画像シーケンスに関連する活動は、各被験者の試行に対して平均され、その後、すべての被験者に対して平均される。好ましくは、広告ブレークの前と後に提示された画像シーケンスは、別々に平均される。一般的なブランドの特徴、またはブランドのみに対する心理的反応は、ブランドまたは製品イメージのみが提示されている間に、上記に一覧表示した頭皮部位における脳活動のピーク値により示される。より具体的には、ピーク脳活動は、図4のブランドイメージ期間92の間に評価され、そこから、基準期間95の間に評価された脳活動が差し引かれる。このように、ブランドまたは製品イメージに対する心理的反応は下記を含む。
【0070】
・ ブランドまたは製品イメージにより引き起こされた詳細に対する注目度(attention)のレベル
・ ブランドまたは製品イメージにより引き起こされた全体の特徴に対する注目度(attention)のレベル
・ ブランドまたは製品イメージにより引き起こされた願望度のレベル
・ ブランドまたは製品イメージにより引き起こされた感情強度のレベル
・ ブランドまたは製品イメージにより引き起こされたテキストおよび詳細に対する記憶符号化のレベル
・ ブランドまたは製品イメージにより引き起こされた感情またはイメージに対する記憶符号化のレベル
・ ブランドまたは製品イメージが引き起こした引き付け度(attraction)または反発度(repulsion)の感情の程度
・ ブランドまたは製品イメージが被験者に共感された程度
これらの反応は、上述したようにして判定される。
【0071】
図6は、3種類の仮説的なブランド、つまり、ブランド1、ブランド2、およびブランド3に対する上記の測定値のピーク値を示している。この例では、ブランド1は、冷凍野菜製品ブランドであり、ブランド2はタバコ製品ブランドであり、ブランド3は、地球規模の航空会社および携帯電話ブランドである。ブランド1が、種々の測定値(図6に分類されるように)に対して、低いあるいは中程度のレベルしか引き起こさないのに対して、ブランド2は、感情強度、全体記憶符号化、および共感度(engagement)に対してはより高いレベルを引き起こし、かつ強い反発度(repulsion)を引き起こしている。ブランド3は、注目度(attention)、感情強度、感情記憶、共感度(engagement)の最も強いレベルと、強い引き付け度(attraction)を引き起こしている。このデータは、ブランドマネージャに、ブランド1は、一般的にニュートラルからポジティブへの、相対的に弱いブランドの存在感を有していること示している。一方、ブランド2は、より強い感情強度と共感度(engagement)を引き起こし、強い感情の存在を示している。しかし、被験者は、ブランドに反発しており、ブランドに対して積極的な嫌悪を示している。対照的に、ブランド3は、注目度(attention)、感情強度、共感度(engagement)の非常に高いレベルと、強い引き付け度(attraction)を引き起こしている。このブランドは、非常にポジティブである、非常に高い存在感を有している。これらのデータは、被験者グループが、ブランド1に対しては、ほとんど個人的な共感がないと考え、ブランドに対する忠誠心に対して弱い動機付けとなっていることを示している。ブランド2は、否定的に認識され、被験者グループは積極的にこのブランドを回避するであろう。ブランド3は、非常に強く、ポジティブな存在感を有しており、それは被験者が、ブランド3に対する高いブランド忠誠心の感情を有していることと一致している。
【0072】
一般的なブランドの特徴は、何回も測定して、これらのブランドの特徴の変化を調べることができる。広告またはテレビプログラムの影響は、ブランドの特徴における変化または、テレビプログラムまたは広告またはプログラムを見た後のブランドの特徴から、テレビプログラムまたは広告を見る前のブランドの特徴を差し引いたものより判定することで評価できる。
【0073】
ブランド認識における長期変化もまた、ある期間において、ブランドの特徴を繰り返し測定することにより評価できる。これらは、ブランドの特徴追尾研究と称され、測定から次の測定までの期間は、数週間(広告追尾に対して)から数ヶ月(ブランド追尾に対して)まで変わり得る。
【0074】
特別なブランドの特徴
例2
ブランドおよび特別な性質に関連する認識と感情の間の一致、またはブランドの特徴は、ブランドまたは製品イメージ、およびセマンティックプローブの同時表示により引き起こされる脳の反応から判定できる。特別なブランドの特徴は、基準期間95における活動の基準レベルと、一致期間94における画像−セマンティックプローブの組合せを見ているときの脳活動の差を参照することにより判定できる。この例では、50人の被験者が20の企業ロゴ(ブランドを代表している)を期間92において見て、各ロゴは2回提示され、その後、一致期間94が続き、そこにおいて、一致期間の1つはブランドの認識に一般的に一致しているセマンティックプローブを含み、その後に、セマンティックプローブが、ブランドの認識とは一般的には一致していない一致期間が続いた。一致と不一致の組合せに対する反応は、全体の試行と個人に対して別々に平均された。一致の組合せが、この部位において活動の増大と正の測定値を引き起こしたのに対して、不一致の組合せは、活動の縮小または負の測定値という結果になった。
【0075】
ブランドまたは製品イメージとセマンティックプローブの間の一致は、International 10−20システムにおける電極Fp2近傍に位置する右前頭葉前部部位における脳活動のピーク値により示される。逆写像技術を使用すると、適切な皮質一は、ブロートマン(Brodman)領野11近傍の右眼窩前頭皮質である。
【0076】
図5は、シーケンス86に含まれる20の企業ロゴの1つに対して判定されたブランド一致を示している。同様なグラフによる結果も、他の19の企業ロゴに対して作成できるが、これらすべてを詳細に記述する必要はない。より特別には、図5は、ブランドまたは製品イメージが示された期間92と、それに続く、ブランドまたは製品イメージとセマンティックプローブが示された一致期間94と、それに続く、ブランク期間90を示している。この場合は、期間92、84、および90のそれぞれは、1秒の持続時間である。線96はセマンティックプローブと、被験者の、ブランドまたは製品イメージの認識の間の一致を示している。線96は、セマンティックプローブと、被験者の、ブランドまたは製品イメージの認識との間の強い一致を示すピーク98を含むことは理解されるであろう。
【0077】
図5はまた、ブランドまたは製品イメージとセマンティックプローブの間の不一致を示す線100も示している。例えば、製品が、安全を売り物にした自動車の場合、セマンティックプローブは、「安全でない」という言葉であり得、これは被験者の認識とブランドまたは製品イメージとセマンティックプローブの間の不一致を示すトラフを生成する。不一致を測定する機能は、クライアントが、セマンティックプローブにより示されるような、種々の反対の特徴に対する、ブランドまたは製品イメージの認識を評価するためには有益なツールである。
【0078】
例3
この例は、3種類の仮説的なブランドが、ブランド期間90に含まれ、6種類の異なるセマンティックプローブが一致期間94に含まれたことを除いて、例2と類似している。脳活動は、基準期間95と同様に、期間90、92、および94のそれぞれの間に記録された。図7は、6種類のセマンティックプローブ、つまり「革新的な(Innovative)」、「洗練された(Cool)」、「信頼できる(Trustworthy)」、「安全な(Safe)」、「楽しみ(Fun)」、および「責任感のある(Responsible)」と、3種類の仮説的なブランド(ブランド1は安全性を強調していることで知られる自動車ブランド、ブランド2はタバコブランド、そしてブランド3は、航空会社および携帯電話ブランド)の間の一致の測定値をグラフで示している。グラフの結果は、ブランド1は、被験者により信頼でき、安全で、責任感があると見られているが、セマンティックプローブ「洗練された」および「楽しみ」に対して負または低いレベルにより示されるように、ファッション性または楽しみに欠けていることを示している。ブランド2は、低い正の値を示した「楽しみ」の言葉を除き、すべてのセマンティックプローブに対して強い負の評価により示されるように、ファッション性に欠け、安全ではなく、信頼できないとして否定的に見られている。ブランド3は、セマンティックプローブ「洗練された」と「楽しみ」に対する高い正の反応に示されるように、ファッション性があり楽しいと見られている。
【0079】
これらの測定値は、ブランドマネージャに、ブランドが認識される仕方について、またブランド認識の変化について反対のそしてより正確な指標を提供する。そのような変化は、広告またはスポンサとして会社が取った行動の結果、または、所望する、または所望しない公共性の結果の可能性がある。ブランド認識におけるいかなる所望しない変化は、初期段階で検出でき、適切な行動を取ることができる。
【0080】
この技術に精通した者には、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、多数の変形が可能であることは明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、本発明のシステムの模式図である。
【図2】図2は、視覚フリッカ刺激を被験者に提示する方法をより詳細に示した模式図である。
【図3】図3は、半径の関数としての、スクリーンの不透明度を示すグラフである。
【図4】図4は、ブランドまたは製品イメージ、およびセマンティックプローブのプレゼンテーションのタイミングを図示している。
【図5】図5は、時間の関数としての脳活動のグラフによる表現である。
【図6】図6は、3種類の異なるブランドに対する脳活動のピーク値を示すグラフである。
【図7】図7は、3種類の異なるブランドに関連するブランドの一致を示すグラフ表現である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランドまたは製品の特徴を評価する方法であって、
(a)第1期間中に、ブランドまたは製品を被験者に提示するステップと、
(b)第1期間中に、被験者の脳活動を判定するステップと、
(c)第2期間中に、ニュートラルな視覚および/または聴覚素材を被験者に提示するステップと、
(d)第2期間中に、被験者の脳活動の基準レベルを提示するステップと、
(e)前記第1および第2期間の間の脳活動における差を判定することにより、被験者によるブランドまたは製品に関連する属性を評価するステップを含む方法。
【請求項2】
プレゼンテーションシーケンスとして、ステップ(a)と(c)を表示するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各プレゼンテーションシーケンスにおいては複数のステップ(a)があり、ブランク期間が、連続するステップ(a)の間に存在する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1期間は0.5から5秒の持続時間であり、第2期間は10から60秒の持続時間であり、ブランク期間は、0から5秒の持続時間である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第2期間は、前記シーケンスの最後である請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(a)から(d)は、複数の被験者に提示され、ステップ(e)は、被験者の脳活動における差を平均するステップを含む請求項1から5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
ステップ(a)は、ビデオスクリーン上にブランドまたは製品を表示することにより行われる請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
ステップ(b)と(d)は、ガンマまたは高周波数EEGまたはMEG活動を判定することにより行われる請求項1から7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
ステップ(b)と(d)は、周波数範囲8から13HzにおけるEEGまたはMEG活動を検出することにより行われる請求項1から7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
ステップ(b)と(d)は、被験者または複数の被験者から得られたEEG信号における定常状態視覚誘発電位(SSVEP)の位相の評価、または被験者または複数の被験者から得られたMEG信号における定常状態視覚誘発反応(SSVER)の評価により行われる請求項1から7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
ステップ(a)と(c)は、
ブランドまたは製品の詳細に対する視覚注目度、
ブランドまたは製品の全体の特徴に対する視覚注目度、
ブランドまたは製品の願望度、
ブランドまたは製品に関連する感情強度、
ブランドまたは製品に関連する長期記憶符号化、
ブランドまたは製品の共感度(engagement)、および/または
ブランドまたは製品に関連する引き付け度(attraction)
の評価を可能にする出力EEG信号を得るために、電極を頭皮部位に設置するステップを含む請求項1から10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
シヌソイド的に変化する視覚フリッカ刺激を、ステップ(a)と(c)の間に各被験者に加えて、フーリエ係数を前記出力信号から計算することを可能にし、それにより、前記SSVEP振幅および/または位相差の計算を可能にするステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記SSVEP振幅および位相は、式
【数1】

で計算され、ここで、anとbnは、式
【数2】

で計算される余弦および正弦フーリエ係数であり、ここにおいて、
nとbnは、それぞれ余弦および正弦フーリエ係数、
nは、n番目のフリッカ刺激サイクルを示し、
Sは1フリッカ刺激サイクル当たりの試料数、
Δτは、試料間の時間間隔、
Tは、1サイクルの周期、
f(nT+iΔτ)は、前記所定頭皮部位から得られたEEG信号(未処理またはICAを使用して前処理済)
であり、AnとBnは、式
【数3】

を使用して計算された重複平滑化フーリエ係数である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
各被験者の複数の頭皮部位からのEEG信号を得るステップと、
BESA、EMSA、またはLORETAのような逆写像技術を利用して、眼窩前頭皮質または腹内側皮質のような、各被験者の脳のより深い部位における活動を表現する修正EEG信号を生成するステップを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
被験者の選択されたグループに対してフーリエ係数AnとBnを平均し、前記被験者のグループに対するSSVEP振幅とSSVEP位相差を計算するステップを含む請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
フリッカ信号は、各被験者の周辺視野にのみ加えられる請求項12から15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
光を、それぞれが不透明領域を含む第1および第2スクリーンを介して、各被験者の眼に向けて導き、スクリーンを通過する光が前記フリッカ信号を構成するようにするステップと、スクリーンを、前記不透明領域が、前記フリッカ信号が各被験者の各眼の中心窩に当ることを防止するように、各被験者の相対位置に置くステップを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
各スクリーンの不透明度は、各被験者の各網膜に当るフリッカ信号の強度が、中心視野から周辺視野へ向けて値が減少するように、その不透明領域からの距離の関数として減少する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
各スクリーンに、その不透明度を画定するためにマスキングパターンを適用するステップと、パターンを、各被験者の周辺視野に当るフリッカ信号の部分を画定する不透明領域とその周辺領域に隣接して、不透明度における変化に対してゼロまたは低勾配を提供するマスキングパターン関数に従って加えるステップを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
各スクリーンの不透明領域は円形であり、マスキングパターン関数は、スクリーンの不透明度Pが、式
【数4】

により定義されるように、ガウス関数であるように選択され、ここにおいて
rは不透明領域の中心からの半径方向距離、
Gは、半径方向距離に関する不透明度の降下率を決定するパラメータであり、
r<RのときP=1である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
Gは、R/4と2/Rの範囲の値を有する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
部位O1において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅と位相差を計算するステップを含み、それにより出力信号は、各被験者の、ブランドまたは製品の詳細に対する視覚注目度(attention)示すステップを含む請求項13に記載の方法。
【請求項23】
逆写像を利用するステップは、ブロートマン(Brodman)領野17近傍の左大脳皮質における脳活動を判定し、それにより出力信号は、各被験者の、ブランドまたは製品の詳細に対する視覚注目度(attention)を示す請求項14に記載の方法。
【請求項24】
2部位において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅と位相差を計算するステップを含み、それにより出力信号は、各被験者の、ブランドまたは製品の全体の特徴に対する視覚注目度(attention)を示す請求項13に記載の方法。
【請求項25】
逆写像を利用するステップは、ブロートマン(Brodman)領野17近傍の右大脳皮質における脳活動を判定し、それにより出力信号は、各被験者の、ブランドまたは製品の全体の特徴に対する視覚注目度(attention)を示す請求項14に記載の方法。
【請求項26】
3部位において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅および位相差を計算するステップを含み、それにより出力信号は、各被験者の、ブランドまたは製品の詳細に対する多モード注目度(attention)またはブランドまたは製品の特徴に対する願望度を示す請求項13に記載の方法。
【請求項27】
逆写像を利用するステップは、頭頂内領域近傍の左大脳皮質における脳活動を判定し、それにより出力信号は、各被験者の、ブランドまたは製品の詳細に対する多モード注目度(attention)またはブランドまたは製品の特徴の願望度を示す請求項14に記載の方法。
【請求項28】
4部位において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅および位相差を計算するステップを含み、それにより出力信号は、各被験者の、ブランドまたは製品の全体の特徴に対する多モード注目度(attention)またはブランドまたは製品の特徴の願望度を示す請求項13に記載の方法。
【請求項29】
逆写像を利用するステップは、頭頂内領域近傍の右大脳皮質における脳活動を判定し、それにより出力信号は、各被験者の、ブランドまたは製品の全体の特徴に対する多モード注目度(attention)またはブランドまたは製品の特徴の願望度を示す請求項14に記載の方法。
【請求項30】
部位O2、P4、およびT6からほぼ等距離にある部位において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅および位相差を計算するステップを含み、それにより出力信号は、各被験者の、ブランドまたは製品に関連する感情強度を示す請求項13に記載の方法。
【請求項31】
逆写像を利用するステップは、右頭頂側頭接合部近傍の右大脳皮質における脳活動を判定し、それにより出力信号は、各被験者の、ブランドまたは製品に関連する感情強度を示す請求項14に記載の方法。
【請求項32】
3、F4、Fp1、およびFp2部位において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅と位相差を計算するステップと、式
引き付け度(attraction)=(a1*電極F3におけるSSVEP位相の進み+a2*電極Fp1におけるSSVEP位相の進み−a3*電極F4におけるSSVEP位相の進み−a4*電極Fp2におけるSSVEP位相の進み)、
ここにおいて、a1=a2=a3=a4=1.0
を使用して、引き付け度−反発度(attraction−repulsion)に対する値を計算するステップを含み、それにより、前記値は、各被験者の、ブランドまたは製品の特徴に対する引き付け度(attraction)または反発度(repulsion)を示す請求項13に記載の方法。
【請求項33】
逆写像を利用するステップは、
ブロートマン(Brodman)領野11近傍の右眼窩前頭皮質、
ブロートマン(Brodman)領野9近傍の右側背前頭葉前部皮質、
ブロートマン(Brodman)領野11近傍の左眼窩前頭皮質、および
ブロートマン(Brodman)領野9近傍の左側背前頭葉前部皮質
における脳活動を判定し、式
引き付け度(attraction)=(c1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+c2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)+c3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+c4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍))、
ここにおいて、c1=1、c2=1、c3=1、c4=1
を使用して引き付け度−反発度(attraction−repulsion)に対する値を計算し、それにより、前記値は、各被験者の、ブランドまたは製品の特徴に対する引き付け度(attraction)または反発度(repulsion)を示す請求項14に記載の方法。
【請求項34】
3、F4、Fp1、およびFp2部位において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極から、SSVEP振幅と位相差を計算するステップと、式
共感度(engagement)=(b1*電極F3におけるSSVEP位相の進み+b2*電極Fp1におけるSSVEP位相の進み+b3*電極F4におけるSSVEP位相の進み+b4*電極Fp2におけるSSVEP位相の進み)、
ここにおいて、b1=0.1、b2=0.4、b3=0.1、b4=0.4
を使用して、前記部位における重み付き平均SSVEP位相の進みにより、広告の特徴における共感度(engagement)に対する値を計算するステップを含み、それにより、前記値は、各被験者の、ブランドまたは製品の特徴における共感度(engagement)を示す請求項13に記載の方法。
【請求項35】
逆写像を利用するステップは、
ブロートマン(Brodman)領野11近傍の右眼窩前頭皮質、
ブロートマン(Brodman)領野9近傍の右側背前頭葉前部皮質、
ブロートマン(Brodman)領野11近傍の左眼窩前頭皮質、および
ブロートマン(Brodman)領野9近傍の左側背前頭葉前部皮質
における脳活動を判定し、
前記電極からの前記修正されたEEG信号から、SSVEP振幅と位相差を計算し、式
共感度(engagement)=(d1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+d2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)+d3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+d4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍))、
ここにおいて、d1=0.1、d2=0.4、d3=0.1、d4=0.4
を使用して共感度(engagement)に対する値を計算し、それにより、前記値は、各被験者の、ブランドまたは製品の特徴における共感度(engagement)を示す請求項14に記載の方法。
【請求項36】
(f)第3期間中に、ブランドまたは製品と、セマンティックプローブを被験者に同時に提示するステップと、
(g)第3期間中に、被験者の脳活動を判定するステップと、
(h)ステップ(d)に比較して、ステップ(g)における脳活動において増加があるかまたは減少があるかを評価することにより、ブランドまたは製品とセマンティックプローブに関連する属性間に一致が見られるか見られないかを判定するステップを含む請求項1から35のいずれか1つに記載の方法。
【請求項37】
ブランドまたは製品に関連する属性を判定する方法で、
(a)第1期間中に、ブランドまたは製品と、セマンティックプローブを被験者に同時に提示するステップと、
(b)第1期間中に、被験者の脳活動を判定するステップと、
(c)第2期間中に、ニュートラルな視覚および/または聴覚素材を被験者に提示するステップと、
(d)前記第2期間中に、被験者の脳活動の基準レベルを判定するステップと、
(e)ステップ(d)に比較して、ステップ(b)における脳活動において増加があるかまたは減少があるかを評価することにより、ブランドまたは製品とセマンティックプローブに関連する属性間に一致が見られるか見られないかを判定するステップを含む方法。
【請求項38】
被験者の頭皮に、ステップ(b)と(d)が右前頭部位における脳活動を判定するように、1つまたは2つ以上の電極を取り付けることを含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
ステップ(a)と(c)をプレゼンテーションシーケンスとして表示するステップを含む請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
各プレゼンテーションシーケンスは、複数のプレゼンテーションブロックを含み、ステップ(c)デ終了し、各プレゼンテーションブロックはステップ(a)を含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
各プレゼンテーションブロックは、ブランドまたは製品が被験者に提示される第3期間を含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
各プレゼンテーションブロックは、被験者に視覚的および/または聴覚的素材のいずれも提示しないブランク期間をその開始時または終了時に含む請求項39から41のいずれか1つに記載の方法。
【請求項43】
ステップ(a)から(d)は、複数の被験者に提示され、ステップ(c)は、被験者の脳活動における差を平均するステップを含む請求項37から42のいずれか1つに記載の方法。
【請求項44】
第1期間は0.5から5秒の範囲の持続時間を有する請求項37から43のいずれか1つに記載の方法。
【請求項45】
第2期間は10から60秒の範囲の持続時間を有する請求項37から44のいずれか1つに記載の方法。
【請求項46】
第3期間は0.5から5秒の範囲の持続時間を有する請求項42に記載の方法。
【請求項47】
ブランク期間は0から5秒の範囲の持続時間を有する請求項42から46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項48】
第1期間と、第3期間と、ブランク期間は同じ長さである請求項47に記載の方法。
【請求項49】
セマンティックプローブは、言葉または複数の言葉である請求項37から48のいずれか1つに記載の方法。
【請求項50】
セマンティックプローブをテキストとして表示するステップを含む請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ステップ(a)は、ブランドまたは製品をビデオスクリーン上に表示し、テキストもまたはビデオスクリーンに表示することで行われる請求項50に記載の方法。
【請求項52】
ステップ(b)と(d)は、ガンマまたは高周波数EEGまたはMEG活動を判定することにより行われる請求項37から51のいずれか1つに記載の方法。
【請求項53】
ステップ(b)と(d)は、周波数範囲8から13HzにおけるEEGまたはMEG活動を検出することにより行われる請求項37から51のいずれか1つに記載の方法。
【請求項54】
ステップ(b)と(d)は、被験者または複数の被験者から得られたEEG信号における定常状態視覚誘発電位(SSVEP)の位相の評価、または被験者または複数の各被験者から得られたMEG信号における定常状態視覚誘発反応(SSVER)の評価により行われる請求項37から51のいずれか1つに記載の方法。
【請求項55】
ステップ(b)と(d)は、被験者または各被験者のFps電極からのEEG信号の評価により行われる請求項37から54のいずれか1つに記載の方法。
【請求項56】
ステップ(b)と(d)は、EEG信号の評価により行われ、Brodman領野11近傍の右眼窩前頭皮質における脳の活動を判定するために逆写像技術を適用するステップを含む請求項37から54のいずれか1つに記載の方法。
【請求項57】
ブランドまたは製品に関連する属性を判定するシステムであって、
ブランドまたは製品イメージを被験者に表示する表示手段と、
被験者の脳活動を判定する脳活動判定手段と、
脳活動の基準レベルを確立するために、ブランドまたは製品イメージが被験者に表示される第1期間に、前記脳活動判定手段から第1出力信号を受信し、ニュートラルな素材が被験者に表示される第2期間に、前記脳活動判定手段から第2出力信号を受信するように結合された評価手段であって、前記第1および第2出力信号間の差を評価するように作動できる評価手段を含むシステム。
【請求項58】
ブランドまたは製品に関連する属性を判定するシステムであって、
ブランドまたは製品イメージを被験者に表示する表示手段と、
被験者の脳活動を判定する脳活動判定手段と、
脳活動の基準レベルを確立するために、ブランドまたは製品イメージが被験者に表示される第1期間に、前記脳活動判定手段から第1出力信号をセマンティックプローブと同時に受信し、ニュートラルな素材が被験者に表示される第2期間に、前記脳活動判定手段から第2出力信号を受信するように結合された評価手段であって、前記第1および第2出力信号間の差を評価するように作動できる評価手段を含むシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−514015(P2010−514015A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541686(P2009−541686)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/AU2006/002007
【国際公開番号】WO2008/077179
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(507290386)ニューロ−インサイト プロプライアタリー リミティド (4)