ブリスターパック
【課題】たとえば食品、化粧品、医薬品等の被包装物であって、液状、ゲル状、固形等の各種の性状の被包装物を小容量収容しうるようなブリスターパックに関し、開封起点において蓋材とパック本体とが密着した状態となることがなく、蓋材の開封を容易に行うことができ、しかもその開封起点となる部分が摘まみ易く、把持し易いものであり、それによって内容物を排出する作業等、パック本体の取り扱いを容易に行うことができるブリスターパックを提供することを課題とする。
【解決手段】開口部の周縁の一側縁側に把持部6が延設されて構成されたパック本体と、該パック本体の前記開口部を閉塞する蓋材とからなるブリスターパックにおいて、前記パック本体の把持部が、前記開口部から延設される方向に湾曲又は屈曲して形成されているとともに、該延設方向と交差する方向にも前記把持部が湾曲又は屈曲して形成されていることを特徴とする。
【解決手段】開口部の周縁の一側縁側に把持部6が延設されて構成されたパック本体と、該パック本体の前記開口部を閉塞する蓋材とからなるブリスターパックにおいて、前記パック本体の把持部が、前記開口部から延設される方向に湾曲又は屈曲して形成されているとともに、該延設方向と交差する方向にも前記把持部が湾曲又は屈曲して形成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスターパック、さらに詳しくは、たとえば食品、化粧品、医薬品等の被包装物であって、液状、ゲル状、固形等の各種の性状の被包装物を小容量収容しうるようなブリスターパックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種食品、化粧品、医薬品等の被包装物であって、液状、ゲル状、固形等の各種の性状の被包装物を小容量収容しうるようなブリスターパックとしては、たとえば図19及び図20に示すように、平面略円形状に形成されたものが市販されている。すなわち、この従来のブリスターパックは、同図に示すように、内容物を収容する収容部4bを有するパック本体1bと、該パック本体1bを閉塞する蓋材3bとで構成され、該収納部4bの開口縁の周囲には、パック本体1bと蓋材3bとのシール部分となるフランジ部5bが形成され、さらに該フランジ部5bの一側縁側に、前記シール部分で蓋材3bを剥離して
パック本体1bを開封する開封起点となる突出部6bが形成されている。
【0003】
しかしながら、上記従来のブリスターパックにおける突出部6bは、単に蓋材3bをパック本体1bから剥離して該パック本体1bを開封する開封起点として形成されたものにすぎないので、その突出部6bは図19に示すように略三角形状に突設されて全体として面積の非常に小さいものである。従って、使用者にとってその突出部6bは摘みにくいものであり、パック本体1bの収容部4bから内容物を排出する作業等、パック本体1bの取り扱い自体も必ずしも容易なものではなかった。
【0004】
また、この種のブリスターパックは、予めシート状に形成された合成樹脂製のパック本体形成用シートに内容物を収容する収容部を多数形成し、その収容部に内容物を収容した後、シート状の蓋材形成用シートで閉塞し、蓋材形成用シートとパック本体形成用シートとを所望形状である円形等に打ち抜いて製造されるので、その打ち抜き時に、上記のような突出部6bにおける端縁11と蓋材3bとが不用意にシールされるおそれがある。
【0005】
そして、このようにパック本体形成用シートと蓋材形成用シートとが打ち抜いて製造されるので、上記突出部6bは必然的に平坦な形状のものであり、パック本体1bからの蓋材3bの剥離時初期においては蓋材3bが突出部6bに密着した状態となっており、蓋材3bの開封作業を容易に行うことができないという問題点があった。
【0006】
尚、開封作業を容易に行うことができるようにしたブリスターパックとしては、たとえば下記特許文献1のような特許出願がなされている。この特許文献1に係る発明は、シール部材(蓋材)で上面縁周部がシールされたブリスター包装容器等の包装体であって、その剥離部において、剥離部の上面縁周部の外側に沿って容器形成材(パック本体)が段差を形成するように折り曲げられて構成されたものである。
【0007】
しかしながら、この特許文献1に開示されたブリスターパックは、上記図19、図20のような平面円形の収容部を備え、その一側縁側に開封起点となる突出部6bを突設させたものではなく、全体が平面四角形状に形成されたパック本体のコーナー部を開封起点とした構成からなるもので、上記のように剥離部においてパック本体に段差を形成することで、蓋材の開封は容易となるものの、その剥離部において、パック本体の摘まみ易さ、把持し易さが改良されるわけではない。
【0008】
【特許文献1】特開2002−225932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、開封起点において蓋材とパック本体とが密着した状態となることがなく、蓋材の開封を容易に行うことができ、しかもその開封起点となる部分が摘まみ易く、把持し易いものであり、それによって内容物を排出する作業等、パック本体の取り扱いを容易に行うことができるブリスターパックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、開口部2の周縁の一側縁側に把持部6が延設されて構成されたパック本体1と、該パック本体1の前記開口部2を閉塞する蓋材3とからなるブリスターパックにおいて、前記パック本体1の把持部6が、前記開口部2から延設される方向に湾曲又は屈曲して形成されているとともに、該延設方向と交差する方向にも前記把持部6が湾曲又は屈曲して形成されていることを特徴とするブリスターパックを提供する。
【0011】
把持部6は、たとえば開口部2の周縁の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部6aと、該根元側部6aから境界線部6bを介して下向きに屈曲した状態で延設され且つ該屈曲する方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成された先端側部6cとで構成される。この場合、把持部6の根元側部6aは、好ましくは6〜12mmに形成される。また把持部6には、好ましくは補強リブ8が形成される。さらに、好ましくは、把持部6の延設方向と交差する方向における開口部2の周縁に、パック本体1の収容部4に収容されている内容物を排出するための排出部9が形成される。この排出部9は、たとえば開口部2の周縁の対向する2箇所に形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のブリスターパックは、上述のように、開口部の周縁の一側縁側に把持部が延設されて構成されたパック本体と、該パック本体の前記開口部を閉塞する蓋材とからなるブリスターパックにおいて、前記パック本体の把持部が、前記開口部から延設される方向に湾曲又は屈曲して形成されているとともに、該延設方向と交差する方向にも前記把持部が湾曲又は屈曲して形成されているものであるため、パック本体から蓋材を剥離する際において、2方向に湾曲又は屈曲して形成された把持部に対して蓋材が不用意に密着した状態となることもなく、従って、蓋材の開封作業を容易に行うことができる。
【0013】
さらに、パック本体の把持部が、開口部から延設される方向と、その延設方向と交差する方向との2方向に湾曲又は屈曲して形成されているので、このように形成された把持部は、
手や指に適合しやすい形態となり、非常に摘まみ易く、把持し易いものとなる。また、このように2方向に湾曲又は屈曲して形成されているので、把持部全体の面積も大きいものとなり、それによって摘まみ易さ、把持し易さが一層良好となる。
【0014】
またパック本体の把持部が上記のように2方向に湾曲又は屈曲して形成されて、手や指に適合しやすい形態となっているので、把持した際に、ブリスターパックが手や指から不用意に落下することがない。
【0015】
特に、把持部が、開口部の周縁の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部と、該根元側部から境界線部を介して下向きに屈曲した状態で延設され且つ該屈曲する方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成された先端側部とで構成される場合には、根元側部の裏面側に人指し指を設置して収容部の外壁面と把持部の先端側部との間で人指し指を好適に保持させ、さらに親指を把持部の先端側部の湾曲面に好適に沿わせて接触させることで、親指と人指し指とで把持部を非常に安定した状態で把持することができることとなる。この場合、平坦な根元側部を6〜12mmに形成した場合には、その部分の裏面側に指を好適に適合させることができ、把持したパック本体の不用意な落下をより確実に防止することができるという効果がある。
【0016】
さらに、把持部に補強リブを形成した場合には、パック本体を形成するシートの厚みが薄い場合や、そのシートが比較的柔軟な素材で構成されている場合でも、上記のように把持部を2方向に湾曲又は屈曲させるための曲げ加工と、補強リブとの相乗効果によって、把持部の部分に剛性を具備させることができる。
【0017】
さらに、把持部の延設方向と交差する方向における開口部の周縁に、パック本体の収容部に収容されている内容物を排出するための排出部を形成した場合には、把持部を把持した状態で、パック本体の収容部の横方向から内容物を排出させることができ、その排出作業を容易に行うことができる。特に、そのような排出部を開口部の周縁の対向する2箇所に形成した場合には、左右の利き手とは無関係にいずれの方向からでも内容物を排出することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、一実施形態のブリスターパックについて図面に従って説明する。一実施形態のブリスターパックは、図1乃至図8に示すように、上面に開口部2を有するパック本体1と、該パック本体1の開口部2を閉塞するための蓋材3とで構成されている。
【0019】
パック本体1は全体が合成樹脂で構成され、図1乃至図5に示すように、内容物(被包装物)を収容しうる略碗形の収容部4と、該収容部4の外側であって前記開口部2の周囲に形成されたフランジ部5と、該フランジ部5の一側縁側に延長された把持部6とで構成されている。このフランジ部5の上面側には、蓋材3とパック本体1とのシール部分となるシール部7が形成されている。このシール部7の内側縁7aは前記開口部2の端縁2aから少し外側に離間して形成され、またシール部7の外側縁7bは前記フランジ部5の外周縁5aから少し内側に離間して形成されている。そしてパック本体1は、平面視における一端側が略円形の曲線を描くとともに他端側が略楕円形の曲線を描くように、平面略卵形に形成されている。
【0020】
把持部6は、図1乃至図3に示すように、前記フランジ部5の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部6aと、該根元側部6aから境界線部6bを介して前記収容部4から遠ざかる方向に下向きに屈曲した状態で延設された先端側部6cとで構成されている。この把持部6の根元側部6aの両側縁は、図1に示すように平面視において先端側に向かって先細なテーパ状となるように形成され、把持部6の先端側部6cは、平面視において前記根元側部6aの両側縁に連続して略円弧状となるように形成されている。この結果、パック本体1は、平面視において略卵形となるように形成されている。
【0021】
さらに把持部6の先端側部6cは、図5に示すように、前記屈曲する方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成されている。前記根元側部6aと先端側部6cとの境界線部6bは、図1に示すように、平面視において略弓形状に形成されている。また把持部6の裏面側には、図2に示すように2条の補強リブ8が形成されている。この補強リブ8は、同図のように把持部6の根元側部6aと先端側部6cとに跨がるように、パック本体1の成形時に、該パック本体1と一体成形されることにより形成されている。また把持部6の根元側部6aの寸法は、6〜12mmに形成されている。ここで、把持部6の根元側部6aの寸法とは、開口部2の端縁2aから境界線部6bまでの寸法である。
【0022】
パック本体1の収容部4の開口部2は、全体が略円形に形成されているが、その開口部2における前記把持部6の延設方向と交差する方向の対向する両側の2箇所には、内容物を排出する部分となる排出部9、9が形成されている。この排出部9は、前記収容部4の略円形の内周縁に連続して平面視で略三角形状に窪んだ状態となるように形成されている。
【0023】
蓋材3は、全体が合成樹脂製フィルムで構成されているとともに、前記パック本体1に合致するように、平面略卵形に形成されている。そして、この蓋材3は、前記フランジ部5のシール部7においてシールされることになる。
【0024】
そして、上述のような構成からなるブリスターパックで液状、ゲル状、固形状等の内容物(被包装物)を包装する場合には、図7及び図8に示すように内容物10をパック本体1の収容部4内に収容し、その状態で、蓋材3を、パック本体1のフランジ部5でシールすることによって前記内容物10が包装され、図6乃至図8に示すように密閉状態で収容されることになる。
【0025】
このように内容物10が包装されたブリスターパックの製造方法の一例について説明すると、先ず合成樹脂製のパック本体形成用シートを準備し、そのパック本体形成用シートに上記のような形状の収容部4を多数成形する。次に、その多数の収容部4内に内容物10を収容した後、それぞれの収容部4の周縁のフランジ部5に蓋材形成用シートをシールする。その後、前記平面略卵形の所望の形状に蓋材形成用シート及びパック本体形成用シートを打ち抜いて形成することにより、図9及び図10に示すように内容物10が包装されたブリスターパックが得られる。このように蓋材形成用シート及びパック本体形成用シートを打ち抜いて形成した直後においては、図10のように把持部6は平坦に形成されており、従来のブリスターパックと同様の形態である。
【0026】
さらにこの状態から把持部6を加熱し、把持部6の曲げ加工を行う。より具体的には、境界線部6bの位置で収容部4から遠ざかる方向に把持部6を下向きに屈曲させ、さらにその屈曲方向と交差する方向に把持部6を下向きに湾曲させることによって、上記のような根元側部6a及び先端側部6cからなる把持部6を有する本実施形態のブリスターパックが製造されることとなるのである。
【0027】
このようにして内容物10が包装されたブリスターパックを開封する場合には、図11に示すように蓋材3を持ち上げ、パック本体1の開口部2の周縁のフランジ部5におけるシール部7でなされたシールを解除すべく蓋材3を剥離し、パック本体1を開口させることができる。
【0028】
この場合において、把持部6の先端側部6cは、上述のように収容部4から遠ざかる方向に下向きに屈曲して形成され、さらにその屈曲方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成されているため、すなわち相互に交差する2方向に屈曲及び湾曲して形成されているので、蓋材3とパック本体1とが不用意に密着するのが好適に防止されることとなる。従って、蓋材3を剥離してパック本体1を開封させる作業を容易に行うことができるのである。
【0029】
そして、開口したパック本体1から内容物を取り出す場合には、把持部6を把持し、容器本体1の収納部4を前記把持部6に対して横向きに傾斜させることで、内容物を収容部4から容易に取り出すことができる。この場合において、収容部4の開口部2における把持部6の延設方向と交差する方向の対向する両側の2箇所には、上記のような排出部9、9が収容部4の略円形の内周縁に連続して平面視で略三角形状に窪んだ状態となるように形成されているため、上記のように容器本体1の収納部4を前記把持部6に対して横向きに傾斜させることで、排出部9から内容物がスムーズに排出されることとなるのである。
【0030】
しかも、把持部6の先端側部6cが上述のように収容部4から遠ざかる方向に下向きに屈曲して形成され、さらにその屈曲方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成されているため、これらの屈曲面や湾曲面を手や指に好適に適合させることで、把持部6を確実に把持することができる。
【0031】
これをより詳細に説明すると、把持部6は上述のようにフランジ部5の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部6aと、該根元側部6aから境界線部6bを介して前記収容部4から遠ざかる方向に且つ下向きに屈曲した状態で延設された先端側部6cとで構成されているため、その平坦に形成された根元側部6aの裏面側に人指し指を設置すると、人指し指は、碗状に形成されたパック本体1の収容部4の外壁面と、下向きに屈曲させて形成された把持部6の先端側部6cとの間で好適に保持されることとなる。
【0032】
また、把持部6の先端側部6cは、上記屈曲方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成されているため、その下向きの湾曲面に沿って、親指を好適に接触させることができる。すなわち、親指の膨出した内面側が、上記把持部6の先端側部6cの湾曲面に好適に沿うこととなるので、その接触面の面積が大きくなる。
【0033】
このように、根元側部6aの裏面側に人指し指を設置して収容部4の外壁面と把持部6の先端側部6cとの間で人指し指を好適に保持させ、さらに親指を把持部6の先端側部6cの湾曲面に好適に沿わせて接触させることで、親指と人指し指とで把持部6を非常に安定した状態で把持することができることとなる。
【0034】
従って、たとえば内容物がゲル状や液状の飲食物の場合には、非常に安定した状態で把持部6を把持しながら、上述のように収納部4を把持部6に対して横向きに傾斜させ、排出部9から内容物を排出させることで、内容物を口に入れることができる。また内容物が医薬品のような場合でも、同様にして経口投与を容易に行うことができる。さらに、内容物が化粧料の場合には、手のひらに排出させた上で肌等に付着させる作業を容易に行うことができる。
【0035】
いずれにしても、収納部4の両側2箇所に上記のような排出部9が形成されていることで、収納部4からの内容物の取り出しを容易に行うことができ、しかも、親指と人指し指とで把持部6を非常に安定した状態で把持することができるので、収納部4内に収容された内容物を不用意に零すようなこともないのである。
【0036】
さらに把持部6の裏面側には上述のような補強リブ8が形成されているため、上述のように把持部6を把持して収納部4を傾倒させる場合に、手が滑ってパック本体を不用意に落下させるようなこともなく、また把持部6に剛性を付与することができる。
【0037】
尚、上記実施形態では、把持部6が、前記フランジ部5の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部6aと、該根元側部6aから境界線部6bを介して前記収容部4から遠ざかる方向に下向きに屈曲した状態で延設され且つ前記屈曲する方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成された先端側部6cとで構成されていたが、把持部6の構成は該実施形態に限定されるものではない。
【0038】
ただし、上記実施形態のように根元側部6aの裏面側に人指し指を設置して収容部4の外壁面と把持部6の先端側部6cとの間で人指し指を好適に保持させ、さらに親指を把持部6の先端側部6cの湾曲面に好適に沿わせて接触させることで、親指と人指し指とで把持部6を非常に安定した状態で把持することができるという効果に鑑みれば、上記のような平坦な根元側部6aと、相互に交差する2方向に屈曲及び湾曲した先端側部6cとで把持部6が構成されていることが好ましい。尚、屈曲とは、一般には折れ曲がることを意味し、湾曲とは弓形に曲がることを意味すると認められるが、本発明においては両者を厳密に区別する趣旨ではなく、要は曲げ加工等により曲がった状態に形成されていればよいのである。
【0039】
また上記実施施形態では、パック本体1を、平面視において一端側が略円形の曲線を描くとともに他端側が略楕円形の曲線を描くように、平面略卵形に形成したが、パック本体1の形状は上記実施形態に限定されるものではない。
【0040】
また、パック本体1の材質も、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエステル等の合成樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系合成樹脂、或いはこれらの合成樹脂のうちの2以上をラミネートやコーティング等により複層構造としたもの等の種々の合成樹脂の素材を用いることが可能であり、その材質は問わない。また合成樹脂以外の素材、たとえばアルミニウム箔や紙等の素材を用いることも可能である。
【0041】
さらに、蓋材3の形状も上記実施形態に限定されるものではなく、パック本体1の形状に応じて任意に変更可能である。尚、蓋材3の平面形状は、基本的にはパック本体1の平面形状に合致させることが望ましいが、両者の平面形状を合致させることは本発明に必須の事項ではない。
【0042】
さらに、蓋材3の材質も、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエステル等の合成樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系合成樹脂、ポリアミド系合成樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、或いはこれらの合成樹脂のうちの2以上をラミネートやコーティング等により複層構造としたもの等の種々の合成樹脂の素材を用いることが可能であり、その材質は問わない。また合成樹脂以外の素材、たとえばアルミニウム箔や紙等のものを用いることも可能である。
【0043】
さらに、上記実施形態では、パック本体形成用シートに収容部4を多数形成し、その多数の収容部4内に内容物10を収容した後、それぞれの収容部4の周縁のフランジ部5に蓋材3をシールし、その後、所望の形状に蓋材形成用シート及びパック本体形成用シートを打ち抜いて形成した後に、把持部6を加熱し、曲げ加工を行ってブリスターパックを製造したが、ブリスターパックの製造方法も上記実施形態に限定されるものではなく、把持部6を加熱し、曲げ加工を行った後に蓋材形成用シート及びパック本体形成用シートを打ち抜いて製造することも可能である。
【0044】
その製造方法についてより詳細に説明すると、先ず図12に示すように、パック本体形成用シート11に多数の収容部4を形成する。この図12では、収容部4は縦方向に3個並設されているが、この3個並設された状態が左右に連続して多数の収容部4が形成された状態となっている。このようにパック本体形成用シート11に多数の収容部4を形成する点は上記実施形態と同様である。
【0045】
次に、図13に示すように、前記各収容部4の一側面側に舌片状の把持部6が形成されるように、所望の波形形状の孔12を打ち抜いて形成する。この孔12は、同図に示すように3個の収容部4に近接して1個形成されることとなる。
【0046】
次に、図14に示すように、把持部6及び孔12に跨がるような位置に加熱板(図示せず)を当接させる。この場合、加熱板は孔12の全体を塞ぐような位置に当接させるのではなく、孔12の一側縁側が少し開口した状態となるように当接させる。図14の網かけで図示する部分は、この加熱板による当接位置13を示すもので、加熱板は、前記孔12の形状に近似した略波形形状に形成されている。このように、把持部6及び孔12に跨がるような位置に、孔12の形状に近似した加熱板が当接されることで、その加熱板は孔12の空間部分に臨出するとともに、把持部6の部分のみが加熱されることとなる。
【0047】
次に、図15に示すように、前記加熱板で加熱された把持部6の部分を、上下からクランプ(図示せず)で挟持し、所望の形状に成形する。この場合の所望の形状とは、上記実施形態のように、境界線部6bの位置で収容部4から遠ざかる方向に把持部6を下向きに屈曲させ、さらにその屈曲方向と交差する方向に把持部6を下向きに湾曲させたような形状である。
【0048】
次に、図16に示すように、前記収容部4内に内容物10を収容する。次に、図17に示すように、パック本体形成用シート11の上面であって、収容部4、把持部6、及び孔12に跨がるような位置に蓋材形成用シート14を当接させ、加熱して該蓋材形成用シート14を前記パック本体形成用シート11にシールさせる。蓋材形成用シート14は、図17に示すように、平面略長方形状に形成されており、孔12の全体を塞ぐような位置に当接させるのではなく、孔12の一側縁側が開口した状態となるようにパック本体形成用シート11に当接させる。
【0049】
この場合において、把持部6の部分は、上述のように上下からクランプで挟持されることによって、境界線部6bの位置で収容部4から遠ざかる方向に把持部6を下向きに屈曲させ、さらにその屈曲方向と交差する方向に把持部6を下向きに湾曲させたような所望の形状に形成されているため、蓋材形成用シート14は、屈曲及び湾曲して形成された把持部6の部分には密着状態でシールされるようなことがなく、平坦なフランジ部5におけるシール部7に相当する部分のみが密着状態で確実にシールされることとなる。
【0050】
その後、フランジ部5及び把持部6の外側の輪郭に沿ってパック本体形成用シート11と蓋材形成用シート14とを打ち抜くことによって、図18に示すように、平面視において一端側が略円形の曲線を描くとともに他端側が略楕円形の曲線を描くような平面略卵形の所望形状のブリスターパックが製造されることとなる。この場合、所望形状のブリスターパックは、多数個同時に得られることとなる。
【0051】
尚、上記図9、10で示す製造方法と、図12乃至図18で示す製造方法とは、パック本体形成用シート11と蓋材形成用シート14とを打ち抜いた後に把持部6を成形するか、把持部6を成形した後にパック本体形成用シート11と蓋材形成用シート14とを打ち抜くかで相違しているが、収容部4を形成した後に把持部6を成形する点では共通している。
【0052】
しかしながら、把持部6の成形は必ずしも収容部4を形成した後に行う必要はなく、たとえば収容部4の成形と把持部6の成形とを同時に行うことも可能である。すなわち、収容部4と把持部6とを圧空成形によって同時に形成し、その後は上記図13と同様に、舌片状の把持部6が形成されるように所望の波形形状の孔12を打ち抜いて形成した後、収容部4内に内容物10を収容し、蓋材形成用シート14をパック本体形成用シート11にシールさせた後、フランジ部5及び把持部6の外側の輪郭に沿ってパック本体形成用シート11と蓋材形成用シート14とを打ち抜くことによって、上記実施形態と同様にブリスターパックが製造されることとなる。
【0053】
従って、いずれにしてもブリスターパックの製造方法は問うものではなく、上述のような3種類の製造方法のいずれを採用することも可能であり、また上記3種類の製造方法以外の製造方法を採用することも可能である。
【0054】
尚、本発明のブリスターパックの用途も、上述のような食品、化粧料、医薬品等に限定されるものではなく、その用途は問うものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】一実施形態としてのブリスターパックのパック本体を示す平面図。
【図2】同底面図。
【図3】図1のA−A線断面図。
【図4】図1のB−B線断面図。
【図5】図1のC−C線断面図
【図6】蓋材でパック本体を閉塞した状態のブリスターパックの平面図。
【図7】図6のD−D線断面図。
【図8】図6のE−E線断面図。
【図9】蓋材とパック本体との打ち抜き形成直後のブリスターパックの平面図。
【図10】図9のF−F線断面図。
【図11】開封時の状態を示す断面図。
【図12】ブリスターパックの他の製造方法を示す図であって、収容部の形成工程を示す概略平面図。
【図13】孔を打ち抜いて把持部を形成する工程を示す概略平面図。
【図14】把持部を加熱する工程を示す概略平面図。
【図15】把持部を成形する工程を示す概略平面図。
【図16】内容物を収容する工程を示す概略平面図。
【図17】蓋材をシールする工程を示す概略平面図。
【図18】蓋材形成用シートと合成樹脂製シートとを打ち抜いた状態を示す概略平面図。
【図19】従来のブリスターパックの平面図。
【図20】図19のG−G線断面図。
【符号の説明】
【0056】
1…パック本体1 2…開口部
3…蓋材 4…収容部
5…フランジ部 6…把持部
6a…根元側部 6b…境界線部
6c…先端側部 8…補強リブ
9…排出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスターパック、さらに詳しくは、たとえば食品、化粧品、医薬品等の被包装物であって、液状、ゲル状、固形等の各種の性状の被包装物を小容量収容しうるようなブリスターパックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種食品、化粧品、医薬品等の被包装物であって、液状、ゲル状、固形等の各種の性状の被包装物を小容量収容しうるようなブリスターパックとしては、たとえば図19及び図20に示すように、平面略円形状に形成されたものが市販されている。すなわち、この従来のブリスターパックは、同図に示すように、内容物を収容する収容部4bを有するパック本体1bと、該パック本体1bを閉塞する蓋材3bとで構成され、該収納部4bの開口縁の周囲には、パック本体1bと蓋材3bとのシール部分となるフランジ部5bが形成され、さらに該フランジ部5bの一側縁側に、前記シール部分で蓋材3bを剥離して
パック本体1bを開封する開封起点となる突出部6bが形成されている。
【0003】
しかしながら、上記従来のブリスターパックにおける突出部6bは、単に蓋材3bをパック本体1bから剥離して該パック本体1bを開封する開封起点として形成されたものにすぎないので、その突出部6bは図19に示すように略三角形状に突設されて全体として面積の非常に小さいものである。従って、使用者にとってその突出部6bは摘みにくいものであり、パック本体1bの収容部4bから内容物を排出する作業等、パック本体1bの取り扱い自体も必ずしも容易なものではなかった。
【0004】
また、この種のブリスターパックは、予めシート状に形成された合成樹脂製のパック本体形成用シートに内容物を収容する収容部を多数形成し、その収容部に内容物を収容した後、シート状の蓋材形成用シートで閉塞し、蓋材形成用シートとパック本体形成用シートとを所望形状である円形等に打ち抜いて製造されるので、その打ち抜き時に、上記のような突出部6bにおける端縁11と蓋材3bとが不用意にシールされるおそれがある。
【0005】
そして、このようにパック本体形成用シートと蓋材形成用シートとが打ち抜いて製造されるので、上記突出部6bは必然的に平坦な形状のものであり、パック本体1bからの蓋材3bの剥離時初期においては蓋材3bが突出部6bに密着した状態となっており、蓋材3bの開封作業を容易に行うことができないという問題点があった。
【0006】
尚、開封作業を容易に行うことができるようにしたブリスターパックとしては、たとえば下記特許文献1のような特許出願がなされている。この特許文献1に係る発明は、シール部材(蓋材)で上面縁周部がシールされたブリスター包装容器等の包装体であって、その剥離部において、剥離部の上面縁周部の外側に沿って容器形成材(パック本体)が段差を形成するように折り曲げられて構成されたものである。
【0007】
しかしながら、この特許文献1に開示されたブリスターパックは、上記図19、図20のような平面円形の収容部を備え、その一側縁側に開封起点となる突出部6bを突設させたものではなく、全体が平面四角形状に形成されたパック本体のコーナー部を開封起点とした構成からなるもので、上記のように剥離部においてパック本体に段差を形成することで、蓋材の開封は容易となるものの、その剥離部において、パック本体の摘まみ易さ、把持し易さが改良されるわけではない。
【0008】
【特許文献1】特開2002−225932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、開封起点において蓋材とパック本体とが密着した状態となることがなく、蓋材の開封を容易に行うことができ、しかもその開封起点となる部分が摘まみ易く、把持し易いものであり、それによって内容物を排出する作業等、パック本体の取り扱いを容易に行うことができるブリスターパックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、開口部2の周縁の一側縁側に把持部6が延設されて構成されたパック本体1と、該パック本体1の前記開口部2を閉塞する蓋材3とからなるブリスターパックにおいて、前記パック本体1の把持部6が、前記開口部2から延設される方向に湾曲又は屈曲して形成されているとともに、該延設方向と交差する方向にも前記把持部6が湾曲又は屈曲して形成されていることを特徴とするブリスターパックを提供する。
【0011】
把持部6は、たとえば開口部2の周縁の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部6aと、該根元側部6aから境界線部6bを介して下向きに屈曲した状態で延設され且つ該屈曲する方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成された先端側部6cとで構成される。この場合、把持部6の根元側部6aは、好ましくは6〜12mmに形成される。また把持部6には、好ましくは補強リブ8が形成される。さらに、好ましくは、把持部6の延設方向と交差する方向における開口部2の周縁に、パック本体1の収容部4に収容されている内容物を排出するための排出部9が形成される。この排出部9は、たとえば開口部2の周縁の対向する2箇所に形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のブリスターパックは、上述のように、開口部の周縁の一側縁側に把持部が延設されて構成されたパック本体と、該パック本体の前記開口部を閉塞する蓋材とからなるブリスターパックにおいて、前記パック本体の把持部が、前記開口部から延設される方向に湾曲又は屈曲して形成されているとともに、該延設方向と交差する方向にも前記把持部が湾曲又は屈曲して形成されているものであるため、パック本体から蓋材を剥離する際において、2方向に湾曲又は屈曲して形成された把持部に対して蓋材が不用意に密着した状態となることもなく、従って、蓋材の開封作業を容易に行うことができる。
【0013】
さらに、パック本体の把持部が、開口部から延設される方向と、その延設方向と交差する方向との2方向に湾曲又は屈曲して形成されているので、このように形成された把持部は、
手や指に適合しやすい形態となり、非常に摘まみ易く、把持し易いものとなる。また、このように2方向に湾曲又は屈曲して形成されているので、把持部全体の面積も大きいものとなり、それによって摘まみ易さ、把持し易さが一層良好となる。
【0014】
またパック本体の把持部が上記のように2方向に湾曲又は屈曲して形成されて、手や指に適合しやすい形態となっているので、把持した際に、ブリスターパックが手や指から不用意に落下することがない。
【0015】
特に、把持部が、開口部の周縁の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部と、該根元側部から境界線部を介して下向きに屈曲した状態で延設され且つ該屈曲する方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成された先端側部とで構成される場合には、根元側部の裏面側に人指し指を設置して収容部の外壁面と把持部の先端側部との間で人指し指を好適に保持させ、さらに親指を把持部の先端側部の湾曲面に好適に沿わせて接触させることで、親指と人指し指とで把持部を非常に安定した状態で把持することができることとなる。この場合、平坦な根元側部を6〜12mmに形成した場合には、その部分の裏面側に指を好適に適合させることができ、把持したパック本体の不用意な落下をより確実に防止することができるという効果がある。
【0016】
さらに、把持部に補強リブを形成した場合には、パック本体を形成するシートの厚みが薄い場合や、そのシートが比較的柔軟な素材で構成されている場合でも、上記のように把持部を2方向に湾曲又は屈曲させるための曲げ加工と、補強リブとの相乗効果によって、把持部の部分に剛性を具備させることができる。
【0017】
さらに、把持部の延設方向と交差する方向における開口部の周縁に、パック本体の収容部に収容されている内容物を排出するための排出部を形成した場合には、把持部を把持した状態で、パック本体の収容部の横方向から内容物を排出させることができ、その排出作業を容易に行うことができる。特に、そのような排出部を開口部の周縁の対向する2箇所に形成した場合には、左右の利き手とは無関係にいずれの方向からでも内容物を排出することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、一実施形態のブリスターパックについて図面に従って説明する。一実施形態のブリスターパックは、図1乃至図8に示すように、上面に開口部2を有するパック本体1と、該パック本体1の開口部2を閉塞するための蓋材3とで構成されている。
【0019】
パック本体1は全体が合成樹脂で構成され、図1乃至図5に示すように、内容物(被包装物)を収容しうる略碗形の収容部4と、該収容部4の外側であって前記開口部2の周囲に形成されたフランジ部5と、該フランジ部5の一側縁側に延長された把持部6とで構成されている。このフランジ部5の上面側には、蓋材3とパック本体1とのシール部分となるシール部7が形成されている。このシール部7の内側縁7aは前記開口部2の端縁2aから少し外側に離間して形成され、またシール部7の外側縁7bは前記フランジ部5の外周縁5aから少し内側に離間して形成されている。そしてパック本体1は、平面視における一端側が略円形の曲線を描くとともに他端側が略楕円形の曲線を描くように、平面略卵形に形成されている。
【0020】
把持部6は、図1乃至図3に示すように、前記フランジ部5の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部6aと、該根元側部6aから境界線部6bを介して前記収容部4から遠ざかる方向に下向きに屈曲した状態で延設された先端側部6cとで構成されている。この把持部6の根元側部6aの両側縁は、図1に示すように平面視において先端側に向かって先細なテーパ状となるように形成され、把持部6の先端側部6cは、平面視において前記根元側部6aの両側縁に連続して略円弧状となるように形成されている。この結果、パック本体1は、平面視において略卵形となるように形成されている。
【0021】
さらに把持部6の先端側部6cは、図5に示すように、前記屈曲する方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成されている。前記根元側部6aと先端側部6cとの境界線部6bは、図1に示すように、平面視において略弓形状に形成されている。また把持部6の裏面側には、図2に示すように2条の補強リブ8が形成されている。この補強リブ8は、同図のように把持部6の根元側部6aと先端側部6cとに跨がるように、パック本体1の成形時に、該パック本体1と一体成形されることにより形成されている。また把持部6の根元側部6aの寸法は、6〜12mmに形成されている。ここで、把持部6の根元側部6aの寸法とは、開口部2の端縁2aから境界線部6bまでの寸法である。
【0022】
パック本体1の収容部4の開口部2は、全体が略円形に形成されているが、その開口部2における前記把持部6の延設方向と交差する方向の対向する両側の2箇所には、内容物を排出する部分となる排出部9、9が形成されている。この排出部9は、前記収容部4の略円形の内周縁に連続して平面視で略三角形状に窪んだ状態となるように形成されている。
【0023】
蓋材3は、全体が合成樹脂製フィルムで構成されているとともに、前記パック本体1に合致するように、平面略卵形に形成されている。そして、この蓋材3は、前記フランジ部5のシール部7においてシールされることになる。
【0024】
そして、上述のような構成からなるブリスターパックで液状、ゲル状、固形状等の内容物(被包装物)を包装する場合には、図7及び図8に示すように内容物10をパック本体1の収容部4内に収容し、その状態で、蓋材3を、パック本体1のフランジ部5でシールすることによって前記内容物10が包装され、図6乃至図8に示すように密閉状態で収容されることになる。
【0025】
このように内容物10が包装されたブリスターパックの製造方法の一例について説明すると、先ず合成樹脂製のパック本体形成用シートを準備し、そのパック本体形成用シートに上記のような形状の収容部4を多数成形する。次に、その多数の収容部4内に内容物10を収容した後、それぞれの収容部4の周縁のフランジ部5に蓋材形成用シートをシールする。その後、前記平面略卵形の所望の形状に蓋材形成用シート及びパック本体形成用シートを打ち抜いて形成することにより、図9及び図10に示すように内容物10が包装されたブリスターパックが得られる。このように蓋材形成用シート及びパック本体形成用シートを打ち抜いて形成した直後においては、図10のように把持部6は平坦に形成されており、従来のブリスターパックと同様の形態である。
【0026】
さらにこの状態から把持部6を加熱し、把持部6の曲げ加工を行う。より具体的には、境界線部6bの位置で収容部4から遠ざかる方向に把持部6を下向きに屈曲させ、さらにその屈曲方向と交差する方向に把持部6を下向きに湾曲させることによって、上記のような根元側部6a及び先端側部6cからなる把持部6を有する本実施形態のブリスターパックが製造されることとなるのである。
【0027】
このようにして内容物10が包装されたブリスターパックを開封する場合には、図11に示すように蓋材3を持ち上げ、パック本体1の開口部2の周縁のフランジ部5におけるシール部7でなされたシールを解除すべく蓋材3を剥離し、パック本体1を開口させることができる。
【0028】
この場合において、把持部6の先端側部6cは、上述のように収容部4から遠ざかる方向に下向きに屈曲して形成され、さらにその屈曲方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成されているため、すなわち相互に交差する2方向に屈曲及び湾曲して形成されているので、蓋材3とパック本体1とが不用意に密着するのが好適に防止されることとなる。従って、蓋材3を剥離してパック本体1を開封させる作業を容易に行うことができるのである。
【0029】
そして、開口したパック本体1から内容物を取り出す場合には、把持部6を把持し、容器本体1の収納部4を前記把持部6に対して横向きに傾斜させることで、内容物を収容部4から容易に取り出すことができる。この場合において、収容部4の開口部2における把持部6の延設方向と交差する方向の対向する両側の2箇所には、上記のような排出部9、9が収容部4の略円形の内周縁に連続して平面視で略三角形状に窪んだ状態となるように形成されているため、上記のように容器本体1の収納部4を前記把持部6に対して横向きに傾斜させることで、排出部9から内容物がスムーズに排出されることとなるのである。
【0030】
しかも、把持部6の先端側部6cが上述のように収容部4から遠ざかる方向に下向きに屈曲して形成され、さらにその屈曲方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成されているため、これらの屈曲面や湾曲面を手や指に好適に適合させることで、把持部6を確実に把持することができる。
【0031】
これをより詳細に説明すると、把持部6は上述のようにフランジ部5の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部6aと、該根元側部6aから境界線部6bを介して前記収容部4から遠ざかる方向に且つ下向きに屈曲した状態で延設された先端側部6cとで構成されているため、その平坦に形成された根元側部6aの裏面側に人指し指を設置すると、人指し指は、碗状に形成されたパック本体1の収容部4の外壁面と、下向きに屈曲させて形成された把持部6の先端側部6cとの間で好適に保持されることとなる。
【0032】
また、把持部6の先端側部6cは、上記屈曲方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成されているため、その下向きの湾曲面に沿って、親指を好適に接触させることができる。すなわち、親指の膨出した内面側が、上記把持部6の先端側部6cの湾曲面に好適に沿うこととなるので、その接触面の面積が大きくなる。
【0033】
このように、根元側部6aの裏面側に人指し指を設置して収容部4の外壁面と把持部6の先端側部6cとの間で人指し指を好適に保持させ、さらに親指を把持部6の先端側部6cの湾曲面に好適に沿わせて接触させることで、親指と人指し指とで把持部6を非常に安定した状態で把持することができることとなる。
【0034】
従って、たとえば内容物がゲル状や液状の飲食物の場合には、非常に安定した状態で把持部6を把持しながら、上述のように収納部4を把持部6に対して横向きに傾斜させ、排出部9から内容物を排出させることで、内容物を口に入れることができる。また内容物が医薬品のような場合でも、同様にして経口投与を容易に行うことができる。さらに、内容物が化粧料の場合には、手のひらに排出させた上で肌等に付着させる作業を容易に行うことができる。
【0035】
いずれにしても、収納部4の両側2箇所に上記のような排出部9が形成されていることで、収納部4からの内容物の取り出しを容易に行うことができ、しかも、親指と人指し指とで把持部6を非常に安定した状態で把持することができるので、収納部4内に収容された内容物を不用意に零すようなこともないのである。
【0036】
さらに把持部6の裏面側には上述のような補強リブ8が形成されているため、上述のように把持部6を把持して収納部4を傾倒させる場合に、手が滑ってパック本体を不用意に落下させるようなこともなく、また把持部6に剛性を付与することができる。
【0037】
尚、上記実施形態では、把持部6が、前記フランジ部5の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部6aと、該根元側部6aから境界線部6bを介して前記収容部4から遠ざかる方向に下向きに屈曲した状態で延設され且つ前記屈曲する方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成された先端側部6cとで構成されていたが、把持部6の構成は該実施形態に限定されるものではない。
【0038】
ただし、上記実施形態のように根元側部6aの裏面側に人指し指を設置して収容部4の外壁面と把持部6の先端側部6cとの間で人指し指を好適に保持させ、さらに親指を把持部6の先端側部6cの湾曲面に好適に沿わせて接触させることで、親指と人指し指とで把持部6を非常に安定した状態で把持することができるという効果に鑑みれば、上記のような平坦な根元側部6aと、相互に交差する2方向に屈曲及び湾曲した先端側部6cとで把持部6が構成されていることが好ましい。尚、屈曲とは、一般には折れ曲がることを意味し、湾曲とは弓形に曲がることを意味すると認められるが、本発明においては両者を厳密に区別する趣旨ではなく、要は曲げ加工等により曲がった状態に形成されていればよいのである。
【0039】
また上記実施施形態では、パック本体1を、平面視において一端側が略円形の曲線を描くとともに他端側が略楕円形の曲線を描くように、平面略卵形に形成したが、パック本体1の形状は上記実施形態に限定されるものではない。
【0040】
また、パック本体1の材質も、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエステル等の合成樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系合成樹脂、或いはこれらの合成樹脂のうちの2以上をラミネートやコーティング等により複層構造としたもの等の種々の合成樹脂の素材を用いることが可能であり、その材質は問わない。また合成樹脂以外の素材、たとえばアルミニウム箔や紙等の素材を用いることも可能である。
【0041】
さらに、蓋材3の形状も上記実施形態に限定されるものではなく、パック本体1の形状に応じて任意に変更可能である。尚、蓋材3の平面形状は、基本的にはパック本体1の平面形状に合致させることが望ましいが、両者の平面形状を合致させることは本発明に必須の事項ではない。
【0042】
さらに、蓋材3の材質も、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエステル等の合成樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系合成樹脂、ポリアミド系合成樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、或いはこれらの合成樹脂のうちの2以上をラミネートやコーティング等により複層構造としたもの等の種々の合成樹脂の素材を用いることが可能であり、その材質は問わない。また合成樹脂以外の素材、たとえばアルミニウム箔や紙等のものを用いることも可能である。
【0043】
さらに、上記実施形態では、パック本体形成用シートに収容部4を多数形成し、その多数の収容部4内に内容物10を収容した後、それぞれの収容部4の周縁のフランジ部5に蓋材3をシールし、その後、所望の形状に蓋材形成用シート及びパック本体形成用シートを打ち抜いて形成した後に、把持部6を加熱し、曲げ加工を行ってブリスターパックを製造したが、ブリスターパックの製造方法も上記実施形態に限定されるものではなく、把持部6を加熱し、曲げ加工を行った後に蓋材形成用シート及びパック本体形成用シートを打ち抜いて製造することも可能である。
【0044】
その製造方法についてより詳細に説明すると、先ず図12に示すように、パック本体形成用シート11に多数の収容部4を形成する。この図12では、収容部4は縦方向に3個並設されているが、この3個並設された状態が左右に連続して多数の収容部4が形成された状態となっている。このようにパック本体形成用シート11に多数の収容部4を形成する点は上記実施形態と同様である。
【0045】
次に、図13に示すように、前記各収容部4の一側面側に舌片状の把持部6が形成されるように、所望の波形形状の孔12を打ち抜いて形成する。この孔12は、同図に示すように3個の収容部4に近接して1個形成されることとなる。
【0046】
次に、図14に示すように、把持部6及び孔12に跨がるような位置に加熱板(図示せず)を当接させる。この場合、加熱板は孔12の全体を塞ぐような位置に当接させるのではなく、孔12の一側縁側が少し開口した状態となるように当接させる。図14の網かけで図示する部分は、この加熱板による当接位置13を示すもので、加熱板は、前記孔12の形状に近似した略波形形状に形成されている。このように、把持部6及び孔12に跨がるような位置に、孔12の形状に近似した加熱板が当接されることで、その加熱板は孔12の空間部分に臨出するとともに、把持部6の部分のみが加熱されることとなる。
【0047】
次に、図15に示すように、前記加熱板で加熱された把持部6の部分を、上下からクランプ(図示せず)で挟持し、所望の形状に成形する。この場合の所望の形状とは、上記実施形態のように、境界線部6bの位置で収容部4から遠ざかる方向に把持部6を下向きに屈曲させ、さらにその屈曲方向と交差する方向に把持部6を下向きに湾曲させたような形状である。
【0048】
次に、図16に示すように、前記収容部4内に内容物10を収容する。次に、図17に示すように、パック本体形成用シート11の上面であって、収容部4、把持部6、及び孔12に跨がるような位置に蓋材形成用シート14を当接させ、加熱して該蓋材形成用シート14を前記パック本体形成用シート11にシールさせる。蓋材形成用シート14は、図17に示すように、平面略長方形状に形成されており、孔12の全体を塞ぐような位置に当接させるのではなく、孔12の一側縁側が開口した状態となるようにパック本体形成用シート11に当接させる。
【0049】
この場合において、把持部6の部分は、上述のように上下からクランプで挟持されることによって、境界線部6bの位置で収容部4から遠ざかる方向に把持部6を下向きに屈曲させ、さらにその屈曲方向と交差する方向に把持部6を下向きに湾曲させたような所望の形状に形成されているため、蓋材形成用シート14は、屈曲及び湾曲して形成された把持部6の部分には密着状態でシールされるようなことがなく、平坦なフランジ部5におけるシール部7に相当する部分のみが密着状態で確実にシールされることとなる。
【0050】
その後、フランジ部5及び把持部6の外側の輪郭に沿ってパック本体形成用シート11と蓋材形成用シート14とを打ち抜くことによって、図18に示すように、平面視において一端側が略円形の曲線を描くとともに他端側が略楕円形の曲線を描くような平面略卵形の所望形状のブリスターパックが製造されることとなる。この場合、所望形状のブリスターパックは、多数個同時に得られることとなる。
【0051】
尚、上記図9、10で示す製造方法と、図12乃至図18で示す製造方法とは、パック本体形成用シート11と蓋材形成用シート14とを打ち抜いた後に把持部6を成形するか、把持部6を成形した後にパック本体形成用シート11と蓋材形成用シート14とを打ち抜くかで相違しているが、収容部4を形成した後に把持部6を成形する点では共通している。
【0052】
しかしながら、把持部6の成形は必ずしも収容部4を形成した後に行う必要はなく、たとえば収容部4の成形と把持部6の成形とを同時に行うことも可能である。すなわち、収容部4と把持部6とを圧空成形によって同時に形成し、その後は上記図13と同様に、舌片状の把持部6が形成されるように所望の波形形状の孔12を打ち抜いて形成した後、収容部4内に内容物10を収容し、蓋材形成用シート14をパック本体形成用シート11にシールさせた後、フランジ部5及び把持部6の外側の輪郭に沿ってパック本体形成用シート11と蓋材形成用シート14とを打ち抜くことによって、上記実施形態と同様にブリスターパックが製造されることとなる。
【0053】
従って、いずれにしてもブリスターパックの製造方法は問うものではなく、上述のような3種類の製造方法のいずれを採用することも可能であり、また上記3種類の製造方法以外の製造方法を採用することも可能である。
【0054】
尚、本発明のブリスターパックの用途も、上述のような食品、化粧料、医薬品等に限定されるものではなく、その用途は問うものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】一実施形態としてのブリスターパックのパック本体を示す平面図。
【図2】同底面図。
【図3】図1のA−A線断面図。
【図4】図1のB−B線断面図。
【図5】図1のC−C線断面図
【図6】蓋材でパック本体を閉塞した状態のブリスターパックの平面図。
【図7】図6のD−D線断面図。
【図8】図6のE−E線断面図。
【図9】蓋材とパック本体との打ち抜き形成直後のブリスターパックの平面図。
【図10】図9のF−F線断面図。
【図11】開封時の状態を示す断面図。
【図12】ブリスターパックの他の製造方法を示す図であって、収容部の形成工程を示す概略平面図。
【図13】孔を打ち抜いて把持部を形成する工程を示す概略平面図。
【図14】把持部を加熱する工程を示す概略平面図。
【図15】把持部を成形する工程を示す概略平面図。
【図16】内容物を収容する工程を示す概略平面図。
【図17】蓋材をシールする工程を示す概略平面図。
【図18】蓋材形成用シートと合成樹脂製シートとを打ち抜いた状態を示す概略平面図。
【図19】従来のブリスターパックの平面図。
【図20】図19のG−G線断面図。
【符号の説明】
【0056】
1…パック本体1 2…開口部
3…蓋材 4…収容部
5…フランジ部 6…把持部
6a…根元側部 6b…境界線部
6c…先端側部 8…補強リブ
9…排出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(2)の周縁の一側縁側に把持部(6)が延設されて構成されたパック本体(1)と、該パック本体(1)の前記開口部(2)を閉塞する蓋材(3)とからなるブリスターパックにおいて、前記パック本体(1)の把持部(6)が、前記開口部(2)から延設される方向に湾曲又は屈曲して形成されているとともに、該延設方向と交差する方向にも前記把持部(6)が湾曲又は屈曲して形成されていることを特徴とするブリスターパック。
【請求項2】
把持部(6)が、開口部(2)の周縁の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部(6a)と、該根元側部(6a)から境界線部(6b)を介して下向きに屈曲した状態で延設され且つ該屈曲する方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成された先端側部(6c)とで構成されている請求項1記載のブリスターパック。
【請求項3】
把持部(6)の根元側部(6a)が6〜12mmに形成されている請求項2記載のブリスターパック。
【請求項4】
把持部(6)に補強リブ(8)が形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のブリスターパック。
【請求項5】
把持部(6)の延設方向と交差する方向における開口部(2)の周縁に、パック本体(1)の収容部(4)に収容されている内容物を排出するための排出部(9)が形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載のブリスターパック。
【請求項6】
排出部(9)が開口部(2)の周縁の対向する2箇所に形成されている請求項5記載のブリスターパック。
【請求項1】
開口部(2)の周縁の一側縁側に把持部(6)が延設されて構成されたパック本体(1)と、該パック本体(1)の前記開口部(2)を閉塞する蓋材(3)とからなるブリスターパックにおいて、前記パック本体(1)の把持部(6)が、前記開口部(2)から延設される方向に湾曲又は屈曲して形成されているとともに、該延設方向と交差する方向にも前記把持部(6)が湾曲又は屈曲して形成されていることを特徴とするブリスターパック。
【請求項2】
把持部(6)が、開口部(2)の周縁の一側縁側に延設されて平坦に形成された根元側部(6a)と、該根元側部(6a)から境界線部(6b)を介して下向きに屈曲した状態で延設され且つ該屈曲する方向と交差する方向に下向きに湾曲して形成された先端側部(6c)とで構成されている請求項1記載のブリスターパック。
【請求項3】
把持部(6)の根元側部(6a)が6〜12mmに形成されている請求項2記載のブリスターパック。
【請求項4】
把持部(6)に補強リブ(8)が形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のブリスターパック。
【請求項5】
把持部(6)の延設方向と交差する方向における開口部(2)の周縁に、パック本体(1)の収容部(4)に収容されている内容物を排出するための排出部(9)が形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載のブリスターパック。
【請求項6】
排出部(9)が開口部(2)の周縁の対向する2箇所に形成されている請求項5記載のブリスターパック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−56340(P2008−56340A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238999(P2006−238999)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(000129057)株式会社カナエ (39)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(000129057)株式会社カナエ (39)
【Fターム(参考)】
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