ブリスターパッケージ
【課題】
ステープラやラベル等を用いることなく、パッケージ本体と蓋体との係合を確実に保つことができ、蓋体の開閉も行えるブリスターパッケージを提供する。
【解決手段】
パッケージの本体2と蓋体4に、互いに係合する係合フラップ6と係合孔5bを、これら係合フラップ6と係合孔5bが対となるように配し、例えば、本体2に有する係合孔フラップ3に配した係合孔5bに、蓋体4に配した係合フラップ6を挿通させた際、同係合孔5bの開口面に対し略直交方向に進行する係合フラップ6の遊端部を、係合フラップ6に設けた突部6aにより係合孔フラップ3の下方に強制的に変向させるとともに、本体2の当接面2dと係合フラップ6の当接面6bとを当接させ、パッケージの本体2と蓋体4との係合を確実に保つことができ、蓋体4の開閉も行なえるようにした。
ステープラやラベル等を用いることなく、パッケージ本体と蓋体との係合を確実に保つことができ、蓋体の開閉も行えるブリスターパッケージを提供する。
【解決手段】
パッケージの本体2と蓋体4に、互いに係合する係合フラップ6と係合孔5bを、これら係合フラップ6と係合孔5bが対となるように配し、例えば、本体2に有する係合孔フラップ3に配した係合孔5bに、蓋体4に配した係合フラップ6を挿通させた際、同係合孔5bの開口面に対し略直交方向に進行する係合フラップ6の遊端部を、係合フラップ6に設けた突部6aにより係合孔フラップ3の下方に強制的に変向させるとともに、本体2の当接面2dと係合フラップ6の当接面6bとを当接させ、パッケージの本体2と蓋体4との係合を確実に保つことができ、蓋体4の開閉も行なえるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の収容部を設けた本体と、前記収容部を閉塞するための蓋体とを有するブリスターパッケージに関し、より詳しくは、本体と蓋体との係合を確実に保つことができて、商品を安定して収容できるブリスターパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品はブリスターパッケージ等のパッケージによって包装されていて、同パッケージは、商品の収容部たる凹部を成形してなるパッケージ本体と、パッケージ本体における前記凹部開口を閉塞するための蓋体とによって構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、パッケージの中でも特にブリスターパッケージは商品を収容して吊り下げ展示されるのが一般的であり、商品を展示している状態で中の商品が抜け落ちるようなことがないように、前記蓋体は、蓋体に設けている差込片等をブリスターパッケージ本体もしくはブリスターパッケージ本体に重着する商品説明等の印刷表示がなされた台紙に形成されたスリットに差し込んで、蓋体が不用意に開放されないようにしている。
【0004】
さらには、ブリスターパッケージ本体に形成したスリットに、蓋体に設けているフラップ片に形成したスリットを係合して蓋体の開放を防止しているものや、蓋体を確実に開かないようにするものは、ブリスターパッケージ本体と蓋体とをステープラで固定したり、ラベルや粘着テープを貼り付けたりして固定し、これらステープラやラベルなどを取らない限り蓋体が開かないようにしているものもある。
【0005】
しかしながら、上述した従来のものにおける蓋体の固定は、ブリスターパッケージ本体と蓋体とをステープラで固定したり、ラベルや粘着テープを貼り付けて固定するものを除き、蓋体に設けている差込片等をブリスターパッケージ本体もしくはブリスターパッケージ本体に重着する台紙に形成されたスリットに差し込むようにしたものや、ブリスターパッケージ本体に形成したスリットに蓋体のフラップ片に形成したスリットを係合するものは、ブリスターパッケージ本体に捻りが生じるような力が掛かると、スリットに差し込まれている差込片等が抜けたり、ブリスターパッケージ本体と蓋体のフラップ片とのスリット係合が外れたりして商品が脱落する恐れがある。
【0006】
また、ブリスターパッケージ本体と蓋体とをステープラで固定したり、ラベルや粘着テープを貼り付けたりして固定するものは、ブリスターパッケージ本体と蓋体との固定がより確実にできるのであるが、ステープラは商品を取り出す際に指を傷付ける恐れがあり、またラベルや粘着テープは破損して商品が脱落したり、あるいは剥がした際に糊が残って体裁を損なったりする恐れがある。
【0007】
さらに、ブリスターパッケージ本体と蓋体とをステープラで固定したり、ラベルや粘着テープを貼り付けて固定するものは、再チェック作業等によって商品を一旦パッケージから取り出すと、再び商品を収容する際には改めてブリスターパッケージ本体と蓋体とをステープラで固定したり、ラベルや粘着テープを貼り付けて固定しなければならないという煩雑さがある。
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3072351号公報(第1〜10頁、図1〜8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ステープラやラベル等を用いることなく、パッケージ本体と蓋体との係合を確実に保つことができ、また、所望により被収容物の収納、取り出しを繰り返し行なえる保管容器としても使用できるブリスターパッケージを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明に係るブリスターパッケージは、パッケージの本体と蓋体に、互いに係合する係合フラップと係合孔とを、これら係合フラップと係合孔が対となるように配し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、同係合孔の開口面に対し略直交方向に進行する係合フラップの遊端部を、強制的に変向させる変向手段を設けたものとしてある。
【0011】
また、前記係合孔の下方に斜面を有する壁面を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記壁面の斜面に前記係合フラップの遊端部が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記壁面と略反対方向に変向させられるように構成したものとしてある。
【0012】
さらに、前記係合孔の下方に、同係合孔の開口面に対し略直交方向に沿う略平坦な壁面を形成するとともに、前記係合フラップにおける前記略平坦な壁面側のフラップ面に突部を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記略平坦な壁面に前記係合フラップの突部が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記突部の突出方向と略反対方向に変向させられるように構成したものとしてある。
【0013】
また、前記係合孔の下方に、同係合孔の開口面に対し略直交方向に突出する突部を有する壁面を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記突部に前記係合フラップにおける一側のフラップ面が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記突部の突出方向と略同じ方向に変向させられるように構成したものとしてある。
【0014】
さらに前記壁面を、パッケージの本体における被収容物を収容するための凹部側壁としたり、前記壁面を、パッケージの断面略逆U字状に形成した蓋体の側壁とした構成のものとしてある。
【0015】
また前記係合フラップを、同係合フラップにおける基部の左右幅よりも本体の左右幅を大に形成し、また前記係合孔を、同係合孔における開口の前後方向に対し、一側辺部を係合フラップが挿通できる左右幅にするとともに、他側辺部を係合フラップにおける基部の左右幅よりも大に、かつ本体の左右幅よりも小の左右幅にした開口の平面視において略台形状に形成し、また同他側が、係合孔に挿通された係合フラップにおける遊端部の進行方向側になるようにして配し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、係合フラップにおける基部と本体の左右端部の間に有する肩辺部が、前記係合孔を配した部材の下方に入り込むようにした構成のものとしてある。
【0016】
さらに、前記本体の被収容物を収容する凹部開口縁部に、係合孔を形成するための係合孔フラップを接続するとともに、同係合孔フラップにおける基部の一点を始点にし、同始点から係合孔フラップ上を経由して始点から所定の距離を開けた基部の他点に渡る切れ込みを入れて、同係合孔フラップを、前記凹部開口側もしくは反対側に折り曲げることによって前記係合孔を係合孔フラップ上に形成するように構成したものとしてある。
【0017】
また、前記係合孔フラップに被収容物の保持部を形成し、同保持部に被収容物を保持させた後に係合孔フラップを前記凹部開口上に折り曲げることによって被収容物が凹部内に収容されるようにしたものとしてある。
【発明の効果】
【0018】
本発明のブリスターパッケージによれば、係合孔に挿通した係合フラップの大部分が同係合孔を配した部材の下方に入り込むので、同係合フラップの基部や基部近傍における一側のフラップ面が、係合孔の縁部や同係合孔を配している部材の下面部分と接触して係合する。
【0019】
また係合フラップの大部分が同係合孔を配した部材の下方に入り込んでいる状態では、同係合フラップが変向手段によって強制的に曲げられているので、係合フラップの基部や基部近傍における一側のフラップ面と、係合孔の縁部や同係合孔を配している部材の下面部分との係合を確実に保持することができ、蓋体が開いてパッケージ中の被収容物が脱落するのを確実に防止できる。
【0020】
そして、係合孔の開口形状や、係合フラップが係合孔を配した部材の下方に入り込む量を大または小に調整したり、同係合フラップの肩辺部のテーパ角度を調整したりすることによって係合力の強弱を任意に設定できるので、絶対に開けられては困るような商品を収納する場合は係合力が強となるように設計し、また、収納、取り出しを容易に繰り返して行なえる保管容器とする場合には係合力が弱となるように設計することが可能であり、広範な用途に適用することができる。
【0021】
さらに、係合フラップにおける基部と本体との左右端部(最大幅部)の間における肩辺部が、前記係合孔を配した部材の下方に入り込むようにしたものでは、係合フラップと係合孔を配した部材との係合がより強固になるので、比較的重量の大なる商品を包装するためのパッケージとしても、商品の脱落の恐れが少なくて好適に用いることができる。
【0022】
したがって本ブリスターパッケージは、従来のように、ステープラやラベル等の固定具、固定材を用いることなく、パッケージ本体と蓋体との係合を確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明のブリスターパッケージを添付図面に基づいて説明する。
ブリスターパッケージ1は、例えばポリエチレンテレフタレート等の透明な合成樹脂製のシートよりなり、適度の柔軟性と保形性を有し、被収容物たる商品を収容するための凹部2aを本体2に形成している(図2参照)。
【0024】
本ブリスターパッケージ1には、本体2における凹部2a上縁部の一方に折り目3aを介して係合孔フラップ3を、また凹部2a上縁部の他方に折り目4aを介して蓋体4を設けていて、このように構成することで、成形性に優れる一体成形によりブリスターパッケージ1を形成できるようにしている。
【0025】
またブリスターパッケージ1は、普通は全体を透明にして収納する商品が外部からはっきりと確認できるようにしているが、光を嫌うものやデザイン性等の理由から、ブリスターパッケージ1の全体あるいは一部を半透明や不透明にする場合もある。なお、図中の符号7は吊り下げ展示用の通孔を示している。
【0026】
そして、係合孔フラップ3には、この係合孔フラップ3の基部となる折り目3a上を始点にし、この始点から係合孔フラップ3内を経由して始点から所定の距離を開けた折り目3a上の他点に渡る切れ込み5を設けていて、図3に示すように、パッケージの際に係合孔フラップ3を本体2の凹部2a上に折り重ねることにより、この係合孔フラップ3に、後述する蓋体4に設けている係合フラップ6を挿通するための係合孔5bが形成されるようにしている。
【0027】
なお、係合孔5bの形成に際し、本体2の凹部2a上部縁には外方に突出する庇5aが残るが、この庇5aが、蓋体4の係合フラップ6が本体2の凹部2a上に折り重ねた係合孔フラップ3の係合孔5bに挿通された状態の時、係合フラップ6と係合孔フラップ3との係合部に外力が加わった際に、この係合部を保護する緩衝用の保護部材(バンパー)として機能する。
【0028】
また、ブリスターパッケージ1によるパッケージングは、図4に示す(a)から(c)のように、本体2の凹部2a上に係合孔フラップ3を折り重ね(a→b)、次に本体2の凹部2a上に折り重ねられた合用フラップ3の上に蓋体4を折り重ねるとともに、蓋体4に設けた係合フラップ6を、係合孔フラップ3が本体2の凹部2a上に折り重ねられることにより形成された係合孔5bに挿通する(b→c)ことで完成される。
【0029】
なお、図4における上方の図は、ブリスターパッケージ1を平面視する図であり、下方の図は、ブリスターパッケージ1を正面視する図である。
【0030】
そして、上記パッケージングによって完成された図4に示す(c)の係合孔5bに挿通されている係合孔フラップ3の係合状態は、図5に示すように、本体2の凹部2a内壁に設けた平坦な当接面2bと係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bとを当接させているので、この平坦な面どうしの接触によって本体2の当接面2bと係合フラップ6の当接面6bの係合が解き難く、したがって展示品のセキュリティを向上できる。
【0031】
そして、係合孔フラップ3に形成した係合孔5bに挿通される蓋体4に設けた係合フラップ6との寸法関係は、図6に示すように、係合孔5bの基部幅(C、C')に対して係合フラップ6の最大幅(E、E')を同じかあるいは僅かに小とし、また、係合孔5bの最小幅(D、D') に対して係合フラップ6の基部幅(F、F')を同じかあるいは僅かに小としている。
【0032】
また、実施例には係合フラップ6の最大幅部(E、E')から基部(F、F')間の肩辺部(E、F間およびE'、F'間)を基部に向って細くなるテーパにしているものを示していて、このように辺(E、FおよびE'、F')をテーパにすることで、係合孔フラップ3と係合孔5bとが係合した際、前記肩辺部(E、FおよびE'、F')が、係合孔5bを有する係合孔フラップ3の下方に入り込むので、係合孔フラップ3の係合をより強固にできる。
【0033】
そして、係合孔5bの開口形状や、係合フラップ6が係合孔5bを有する係合孔フラップ3の下方に入り込む量を大または小に調整したり、同係合フラップ6の肩辺部(E、F間およびE'、F'間)のテーパ角度やテーパ辺長さ等を調整したりすることによって係合力の強弱を調整できるので、簡単に開けられては困るような商品を収納する場合は係合力を強にし、また、収納、取り出しを繰り返し行なう保管容器として使用する場合には係合力を弱にするというように用途に合わせて適宜設計する。
【0034】
また実施例には示していないが、係合孔フラップ3における係合孔5bの最小幅(D、D')をより小なる幅にするとともに、係合フラップ6の基部幅(F、F')を前記係合孔5bの最小幅(D、D')の幅に合わせることで、係合孔フラップ3の下面下に入り込む係合フラップ6の左右端部近傍(最大幅部(E、E'))が大になり、したがって、蓋体4を開けようとする際の力により係合フラップ6の左右端部近傍(最大幅部(E、E'))が変形した場合でも、係合フラップ6と係合孔フラップ3における係合孔5bとの係合力が強くなって、蓋体4の開放をより強力に阻止することができる。
【0035】
そして、上記寸法関係における蓋体4に設けた係合フラップ6を係合孔フラップ3に形成した係合孔5bに挿通した際、係合フラップ6が係合孔5bに係合する係合過程を図7中の(a)から(d)に基づき説明する。
【0036】
また図7における上方の各図は、係合フラップ6と係合孔5bとの係合過程を平面視するものであり、下方の各図は、上方の図におけるH−H部分の断面を示すものである。
【0037】
まず、係合フラップ6は、図7(a)に示すように、係合フラップ6の遊端部を係合孔フラップ3の係合孔5bに向けて蓋体4を閉める方向に進行させ、図7(b)に示すように係合孔5bに挿入する。
【0038】
さらに係合フラップ6を挿入すると、図7(c)に示すように、係合フラップ6の突部6aにおける斜面が本体2における凹部2aの内壁面に形成する当接面2bの上端に接触し、この接触によって係合フラップ6の突部6aとともに、係合フラップ6が係合孔フラップ3の遊端部方向に押されながら係合孔5bを通過する。
【0039】
さらに係合フラップ6を奥へ挿入すると、図7(d)に示すように係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bと本体2の凹部2a内壁に設けた平坦な当接面2bとが当接(平面同士の接触)し、基部から屈曲する係合フラップ6の大部分が係合孔5bを配した係合孔フラップ3の下方に位置する。
【0040】
そして、係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bと本体2の凹部2a内壁に設けた平坦な当接面2bとの当接(平面同士の接触)が蓋体4を閉じている間維持されるので、係合孔5bに挿通されている係合孔フラップ3は確実に係合して蓋体4の不用意な開放が防止される。
【0041】
また、図8に示すように、係合孔フラップ3上に被収容物の保持部3bを形成し、収納する商品を先ずこの保持部3bに固定してから係合孔フラップ3を本体2の凹部2a上に折り重ねて商品を凹部2a内に収容する場合もある。
【0042】
そして、図9に示すように、本体2の上端に係合孔2cを設け、また係合孔2cの外方縁部の下方に続く凹部2aの内壁面を、上方に凹部2a内方に向う下り傾斜面2eを僅かに設けるとともに、下方に続けて平坦な内壁2d面を設けて、この平坦な内壁2d面に、蓋体4の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bを当接(平面同士の接触)させる場合もある。
【0043】
ここで図9中の(a)は、蓋体4を閉じる前を示し、同(b)は、蓋体4を閉じて、本体2の平坦な内壁2dと蓋体4の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bとが当接(平面同士の接触)した状態を示している。
【0044】
また図10に示すように、本体2における凹部2aの上端に係合フラップ6を設け、蓋体4における前記本体2に設けた係合フラップ6に対向する位置に係合孔4bを設けるとともに、蓋体4の内壁に、係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bと当接する平坦な当接面4cを設けて、この平坦な当接面4cに、蓋体4の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bを当接(平面同士の接触)させる場合もある。
【0045】
この図10中においては、(a)が蓋体4を閉じる前を示し、(b)が蓋体4を閉じて、本体2の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bと蓋体4の平坦な当接面4cとが当接(平面同士の接触)した状態を示している。
【0046】
さらに図11に示すように、本体2と蓋体4とを各々別体として設け、蓋体4の所望の部位(実施例では両側)に係合フラップ6を設け、また、本体2における前記蓋体4に設けた係合フラップ6に対向する位置に係合孔2cを設けるとともに、本体2における凹部2aの内壁に、係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bと当接(平面同士の接触)する平坦な当接面2dを設けて、この平坦な当接面2dに、蓋体4の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bを当接(平面同士の接触)させる場合もある。
【0047】
同図11中の(a)は蓋体4を閉じる前を、同(b)は、蓋体4を閉じて本体2の平坦な内壁2dと蓋体4の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bとが当接(平面同士の接触)した状態を示している。
【0048】
さらに、本実施例では係合フラップ6が本体2の凹部2a内または蓋体4内に位置するように係合させているが、係合フラップ6を本体2の凹部2a外または蓋体4外に位置させた状態で係合させるように構成する場合もある。
【0049】
また、本実施例では本体2と蓋体4の各々に係合フラップ、係合孔を複数配する場合、同じもの(本体2には係合孔、蓋体には係合フラップ)を配しているが、本体2に係合孔と係合フラップを、蓋体に係合フラップと係合孔を、各々一対となるように配する場合もある。
【0050】
そして、図12に示すように、係合孔と係合フラップの各々を独立した部材として、係合孔アッセンブリ8、係合フラップアッセンブリ9として設け、これら係合孔アッセンブリ8、係合フラップアッセンブリ9を所定のパッケージにおける本体と蓋体に溶着や接着等によって取り付け、同パッケージの係合部材とする場合もある。
【0051】
図12中の符号8aは、係合フラップアッセンブリ9の係合フラップ9aを挿通する係合孔、符号8bは当接面をそれぞれ示し、この当接面8bは、係合孔8aに挿通された係合フラップアッセンブリ9における係合フラップ9aの突部9bに形成している当接面9cと当接する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係わるブリスターパッケージの一例を示す平面図。
【図2】図1に示すブリスターパッケージの正面図。
【図3】図1に示すブリスターパッケージの係合孔フラップを本体上に折り重ねた状態を示す平面図。
【図4】パッケージング過程を示す図。
【図5】係合フラップの係合状態を示す図
【図6】係合孔と係合フラップとの寸法関係の一例を示す図。
【図7】係合フラップの係合過程を示す図。
【図8】係合孔フラップに商品を保持したブリスターパッケージを示す図。
【図9】ブリスターパッケージの他の係合形態を示す図。
【図10】ブリスターパッケージの他の係合形態を示す図。
【図11】ブリスターパッケージの他の係合形態を示す図。
【図12】係合孔アッセンブリと係合フラップアッセンブリを示す斜視図。
【符号の説明】
【0053】
1 ブリスターパッケージ
2 本体
2a 凹部
2b 当接面
2c 係合孔
2d 内壁
2e 傾斜面
3 係合孔フラップ
3a 折り目
3b 保持部
4 蓋体
4a 折り目
4b 係合孔
4c 当接面
5 切れ込み
5a 庇
5b 係合孔
6 係合フラップ
6a 突部
6b 当接面
7 通孔
8 係合孔アッセンブリ
8a 係合孔
8b 当接面
9 係合フラップアッセンブリ
9a 係合フラップ
9b 突部
9c 当接面
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の収容部を設けた本体と、前記収容部を閉塞するための蓋体とを有するブリスターパッケージに関し、より詳しくは、本体と蓋体との係合を確実に保つことができて、商品を安定して収容できるブリスターパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品はブリスターパッケージ等のパッケージによって包装されていて、同パッケージは、商品の収容部たる凹部を成形してなるパッケージ本体と、パッケージ本体における前記凹部開口を閉塞するための蓋体とによって構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、パッケージの中でも特にブリスターパッケージは商品を収容して吊り下げ展示されるのが一般的であり、商品を展示している状態で中の商品が抜け落ちるようなことがないように、前記蓋体は、蓋体に設けている差込片等をブリスターパッケージ本体もしくはブリスターパッケージ本体に重着する商品説明等の印刷表示がなされた台紙に形成されたスリットに差し込んで、蓋体が不用意に開放されないようにしている。
【0004】
さらには、ブリスターパッケージ本体に形成したスリットに、蓋体に設けているフラップ片に形成したスリットを係合して蓋体の開放を防止しているものや、蓋体を確実に開かないようにするものは、ブリスターパッケージ本体と蓋体とをステープラで固定したり、ラベルや粘着テープを貼り付けたりして固定し、これらステープラやラベルなどを取らない限り蓋体が開かないようにしているものもある。
【0005】
しかしながら、上述した従来のものにおける蓋体の固定は、ブリスターパッケージ本体と蓋体とをステープラで固定したり、ラベルや粘着テープを貼り付けて固定するものを除き、蓋体に設けている差込片等をブリスターパッケージ本体もしくはブリスターパッケージ本体に重着する台紙に形成されたスリットに差し込むようにしたものや、ブリスターパッケージ本体に形成したスリットに蓋体のフラップ片に形成したスリットを係合するものは、ブリスターパッケージ本体に捻りが生じるような力が掛かると、スリットに差し込まれている差込片等が抜けたり、ブリスターパッケージ本体と蓋体のフラップ片とのスリット係合が外れたりして商品が脱落する恐れがある。
【0006】
また、ブリスターパッケージ本体と蓋体とをステープラで固定したり、ラベルや粘着テープを貼り付けたりして固定するものは、ブリスターパッケージ本体と蓋体との固定がより確実にできるのであるが、ステープラは商品を取り出す際に指を傷付ける恐れがあり、またラベルや粘着テープは破損して商品が脱落したり、あるいは剥がした際に糊が残って体裁を損なったりする恐れがある。
【0007】
さらに、ブリスターパッケージ本体と蓋体とをステープラで固定したり、ラベルや粘着テープを貼り付けて固定するものは、再チェック作業等によって商品を一旦パッケージから取り出すと、再び商品を収容する際には改めてブリスターパッケージ本体と蓋体とをステープラで固定したり、ラベルや粘着テープを貼り付けて固定しなければならないという煩雑さがある。
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3072351号公報(第1〜10頁、図1〜8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ステープラやラベル等を用いることなく、パッケージ本体と蓋体との係合を確実に保つことができ、また、所望により被収容物の収納、取り出しを繰り返し行なえる保管容器としても使用できるブリスターパッケージを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明に係るブリスターパッケージは、パッケージの本体と蓋体に、互いに係合する係合フラップと係合孔とを、これら係合フラップと係合孔が対となるように配し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、同係合孔の開口面に対し略直交方向に進行する係合フラップの遊端部を、強制的に変向させる変向手段を設けたものとしてある。
【0011】
また、前記係合孔の下方に斜面を有する壁面を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記壁面の斜面に前記係合フラップの遊端部が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記壁面と略反対方向に変向させられるように構成したものとしてある。
【0012】
さらに、前記係合孔の下方に、同係合孔の開口面に対し略直交方向に沿う略平坦な壁面を形成するとともに、前記係合フラップにおける前記略平坦な壁面側のフラップ面に突部を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記略平坦な壁面に前記係合フラップの突部が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記突部の突出方向と略反対方向に変向させられるように構成したものとしてある。
【0013】
また、前記係合孔の下方に、同係合孔の開口面に対し略直交方向に突出する突部を有する壁面を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記突部に前記係合フラップにおける一側のフラップ面が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記突部の突出方向と略同じ方向に変向させられるように構成したものとしてある。
【0014】
さらに前記壁面を、パッケージの本体における被収容物を収容するための凹部側壁としたり、前記壁面を、パッケージの断面略逆U字状に形成した蓋体の側壁とした構成のものとしてある。
【0015】
また前記係合フラップを、同係合フラップにおける基部の左右幅よりも本体の左右幅を大に形成し、また前記係合孔を、同係合孔における開口の前後方向に対し、一側辺部を係合フラップが挿通できる左右幅にするとともに、他側辺部を係合フラップにおける基部の左右幅よりも大に、かつ本体の左右幅よりも小の左右幅にした開口の平面視において略台形状に形成し、また同他側が、係合孔に挿通された係合フラップにおける遊端部の進行方向側になるようにして配し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、係合フラップにおける基部と本体の左右端部の間に有する肩辺部が、前記係合孔を配した部材の下方に入り込むようにした構成のものとしてある。
【0016】
さらに、前記本体の被収容物を収容する凹部開口縁部に、係合孔を形成するための係合孔フラップを接続するとともに、同係合孔フラップにおける基部の一点を始点にし、同始点から係合孔フラップ上を経由して始点から所定の距離を開けた基部の他点に渡る切れ込みを入れて、同係合孔フラップを、前記凹部開口側もしくは反対側に折り曲げることによって前記係合孔を係合孔フラップ上に形成するように構成したものとしてある。
【0017】
また、前記係合孔フラップに被収容物の保持部を形成し、同保持部に被収容物を保持させた後に係合孔フラップを前記凹部開口上に折り曲げることによって被収容物が凹部内に収容されるようにしたものとしてある。
【発明の効果】
【0018】
本発明のブリスターパッケージによれば、係合孔に挿通した係合フラップの大部分が同係合孔を配した部材の下方に入り込むので、同係合フラップの基部や基部近傍における一側のフラップ面が、係合孔の縁部や同係合孔を配している部材の下面部分と接触して係合する。
【0019】
また係合フラップの大部分が同係合孔を配した部材の下方に入り込んでいる状態では、同係合フラップが変向手段によって強制的に曲げられているので、係合フラップの基部や基部近傍における一側のフラップ面と、係合孔の縁部や同係合孔を配している部材の下面部分との係合を確実に保持することができ、蓋体が開いてパッケージ中の被収容物が脱落するのを確実に防止できる。
【0020】
そして、係合孔の開口形状や、係合フラップが係合孔を配した部材の下方に入り込む量を大または小に調整したり、同係合フラップの肩辺部のテーパ角度を調整したりすることによって係合力の強弱を任意に設定できるので、絶対に開けられては困るような商品を収納する場合は係合力が強となるように設計し、また、収納、取り出しを容易に繰り返して行なえる保管容器とする場合には係合力が弱となるように設計することが可能であり、広範な用途に適用することができる。
【0021】
さらに、係合フラップにおける基部と本体との左右端部(最大幅部)の間における肩辺部が、前記係合孔を配した部材の下方に入り込むようにしたものでは、係合フラップと係合孔を配した部材との係合がより強固になるので、比較的重量の大なる商品を包装するためのパッケージとしても、商品の脱落の恐れが少なくて好適に用いることができる。
【0022】
したがって本ブリスターパッケージは、従来のように、ステープラやラベル等の固定具、固定材を用いることなく、パッケージ本体と蓋体との係合を確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明のブリスターパッケージを添付図面に基づいて説明する。
ブリスターパッケージ1は、例えばポリエチレンテレフタレート等の透明な合成樹脂製のシートよりなり、適度の柔軟性と保形性を有し、被収容物たる商品を収容するための凹部2aを本体2に形成している(図2参照)。
【0024】
本ブリスターパッケージ1には、本体2における凹部2a上縁部の一方に折り目3aを介して係合孔フラップ3を、また凹部2a上縁部の他方に折り目4aを介して蓋体4を設けていて、このように構成することで、成形性に優れる一体成形によりブリスターパッケージ1を形成できるようにしている。
【0025】
またブリスターパッケージ1は、普通は全体を透明にして収納する商品が外部からはっきりと確認できるようにしているが、光を嫌うものやデザイン性等の理由から、ブリスターパッケージ1の全体あるいは一部を半透明や不透明にする場合もある。なお、図中の符号7は吊り下げ展示用の通孔を示している。
【0026】
そして、係合孔フラップ3には、この係合孔フラップ3の基部となる折り目3a上を始点にし、この始点から係合孔フラップ3内を経由して始点から所定の距離を開けた折り目3a上の他点に渡る切れ込み5を設けていて、図3に示すように、パッケージの際に係合孔フラップ3を本体2の凹部2a上に折り重ねることにより、この係合孔フラップ3に、後述する蓋体4に設けている係合フラップ6を挿通するための係合孔5bが形成されるようにしている。
【0027】
なお、係合孔5bの形成に際し、本体2の凹部2a上部縁には外方に突出する庇5aが残るが、この庇5aが、蓋体4の係合フラップ6が本体2の凹部2a上に折り重ねた係合孔フラップ3の係合孔5bに挿通された状態の時、係合フラップ6と係合孔フラップ3との係合部に外力が加わった際に、この係合部を保護する緩衝用の保護部材(バンパー)として機能する。
【0028】
また、ブリスターパッケージ1によるパッケージングは、図4に示す(a)から(c)のように、本体2の凹部2a上に係合孔フラップ3を折り重ね(a→b)、次に本体2の凹部2a上に折り重ねられた合用フラップ3の上に蓋体4を折り重ねるとともに、蓋体4に設けた係合フラップ6を、係合孔フラップ3が本体2の凹部2a上に折り重ねられることにより形成された係合孔5bに挿通する(b→c)ことで完成される。
【0029】
なお、図4における上方の図は、ブリスターパッケージ1を平面視する図であり、下方の図は、ブリスターパッケージ1を正面視する図である。
【0030】
そして、上記パッケージングによって完成された図4に示す(c)の係合孔5bに挿通されている係合孔フラップ3の係合状態は、図5に示すように、本体2の凹部2a内壁に設けた平坦な当接面2bと係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bとを当接させているので、この平坦な面どうしの接触によって本体2の当接面2bと係合フラップ6の当接面6bの係合が解き難く、したがって展示品のセキュリティを向上できる。
【0031】
そして、係合孔フラップ3に形成した係合孔5bに挿通される蓋体4に設けた係合フラップ6との寸法関係は、図6に示すように、係合孔5bの基部幅(C、C')に対して係合フラップ6の最大幅(E、E')を同じかあるいは僅かに小とし、また、係合孔5bの最小幅(D、D') に対して係合フラップ6の基部幅(F、F')を同じかあるいは僅かに小としている。
【0032】
また、実施例には係合フラップ6の最大幅部(E、E')から基部(F、F')間の肩辺部(E、F間およびE'、F'間)を基部に向って細くなるテーパにしているものを示していて、このように辺(E、FおよびE'、F')をテーパにすることで、係合孔フラップ3と係合孔5bとが係合した際、前記肩辺部(E、FおよびE'、F')が、係合孔5bを有する係合孔フラップ3の下方に入り込むので、係合孔フラップ3の係合をより強固にできる。
【0033】
そして、係合孔5bの開口形状や、係合フラップ6が係合孔5bを有する係合孔フラップ3の下方に入り込む量を大または小に調整したり、同係合フラップ6の肩辺部(E、F間およびE'、F'間)のテーパ角度やテーパ辺長さ等を調整したりすることによって係合力の強弱を調整できるので、簡単に開けられては困るような商品を収納する場合は係合力を強にし、また、収納、取り出しを繰り返し行なう保管容器として使用する場合には係合力を弱にするというように用途に合わせて適宜設計する。
【0034】
また実施例には示していないが、係合孔フラップ3における係合孔5bの最小幅(D、D')をより小なる幅にするとともに、係合フラップ6の基部幅(F、F')を前記係合孔5bの最小幅(D、D')の幅に合わせることで、係合孔フラップ3の下面下に入り込む係合フラップ6の左右端部近傍(最大幅部(E、E'))が大になり、したがって、蓋体4を開けようとする際の力により係合フラップ6の左右端部近傍(最大幅部(E、E'))が変形した場合でも、係合フラップ6と係合孔フラップ3における係合孔5bとの係合力が強くなって、蓋体4の開放をより強力に阻止することができる。
【0035】
そして、上記寸法関係における蓋体4に設けた係合フラップ6を係合孔フラップ3に形成した係合孔5bに挿通した際、係合フラップ6が係合孔5bに係合する係合過程を図7中の(a)から(d)に基づき説明する。
【0036】
また図7における上方の各図は、係合フラップ6と係合孔5bとの係合過程を平面視するものであり、下方の各図は、上方の図におけるH−H部分の断面を示すものである。
【0037】
まず、係合フラップ6は、図7(a)に示すように、係合フラップ6の遊端部を係合孔フラップ3の係合孔5bに向けて蓋体4を閉める方向に進行させ、図7(b)に示すように係合孔5bに挿入する。
【0038】
さらに係合フラップ6を挿入すると、図7(c)に示すように、係合フラップ6の突部6aにおける斜面が本体2における凹部2aの内壁面に形成する当接面2bの上端に接触し、この接触によって係合フラップ6の突部6aとともに、係合フラップ6が係合孔フラップ3の遊端部方向に押されながら係合孔5bを通過する。
【0039】
さらに係合フラップ6を奥へ挿入すると、図7(d)に示すように係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bと本体2の凹部2a内壁に設けた平坦な当接面2bとが当接(平面同士の接触)し、基部から屈曲する係合フラップ6の大部分が係合孔5bを配した係合孔フラップ3の下方に位置する。
【0040】
そして、係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bと本体2の凹部2a内壁に設けた平坦な当接面2bとの当接(平面同士の接触)が蓋体4を閉じている間維持されるので、係合孔5bに挿通されている係合孔フラップ3は確実に係合して蓋体4の不用意な開放が防止される。
【0041】
また、図8に示すように、係合孔フラップ3上に被収容物の保持部3bを形成し、収納する商品を先ずこの保持部3bに固定してから係合孔フラップ3を本体2の凹部2a上に折り重ねて商品を凹部2a内に収容する場合もある。
【0042】
そして、図9に示すように、本体2の上端に係合孔2cを設け、また係合孔2cの外方縁部の下方に続く凹部2aの内壁面を、上方に凹部2a内方に向う下り傾斜面2eを僅かに設けるとともに、下方に続けて平坦な内壁2d面を設けて、この平坦な内壁2d面に、蓋体4の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bを当接(平面同士の接触)させる場合もある。
【0043】
ここで図9中の(a)は、蓋体4を閉じる前を示し、同(b)は、蓋体4を閉じて、本体2の平坦な内壁2dと蓋体4の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bとが当接(平面同士の接触)した状態を示している。
【0044】
また図10に示すように、本体2における凹部2aの上端に係合フラップ6を設け、蓋体4における前記本体2に設けた係合フラップ6に対向する位置に係合孔4bを設けるとともに、蓋体4の内壁に、係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bと当接する平坦な当接面4cを設けて、この平坦な当接面4cに、蓋体4の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bを当接(平面同士の接触)させる場合もある。
【0045】
この図10中においては、(a)が蓋体4を閉じる前を示し、(b)が蓋体4を閉じて、本体2の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bと蓋体4の平坦な当接面4cとが当接(平面同士の接触)した状態を示している。
【0046】
さらに図11に示すように、本体2と蓋体4とを各々別体として設け、蓋体4の所望の部位(実施例では両側)に係合フラップ6を設け、また、本体2における前記蓋体4に設けた係合フラップ6に対向する位置に係合孔2cを設けるとともに、本体2における凹部2aの内壁に、係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bと当接(平面同士の接触)する平坦な当接面2dを設けて、この平坦な当接面2dに、蓋体4の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bを当接(平面同士の接触)させる場合もある。
【0047】
同図11中の(a)は蓋体4を閉じる前を、同(b)は、蓋体4を閉じて本体2の平坦な内壁2dと蓋体4の係合フラップ6に設けた突部6aの平坦な当接面6bとが当接(平面同士の接触)した状態を示している。
【0048】
さらに、本実施例では係合フラップ6が本体2の凹部2a内または蓋体4内に位置するように係合させているが、係合フラップ6を本体2の凹部2a外または蓋体4外に位置させた状態で係合させるように構成する場合もある。
【0049】
また、本実施例では本体2と蓋体4の各々に係合フラップ、係合孔を複数配する場合、同じもの(本体2には係合孔、蓋体には係合フラップ)を配しているが、本体2に係合孔と係合フラップを、蓋体に係合フラップと係合孔を、各々一対となるように配する場合もある。
【0050】
そして、図12に示すように、係合孔と係合フラップの各々を独立した部材として、係合孔アッセンブリ8、係合フラップアッセンブリ9として設け、これら係合孔アッセンブリ8、係合フラップアッセンブリ9を所定のパッケージにおける本体と蓋体に溶着や接着等によって取り付け、同パッケージの係合部材とする場合もある。
【0051】
図12中の符号8aは、係合フラップアッセンブリ9の係合フラップ9aを挿通する係合孔、符号8bは当接面をそれぞれ示し、この当接面8bは、係合孔8aに挿通された係合フラップアッセンブリ9における係合フラップ9aの突部9bに形成している当接面9cと当接する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係わるブリスターパッケージの一例を示す平面図。
【図2】図1に示すブリスターパッケージの正面図。
【図3】図1に示すブリスターパッケージの係合孔フラップを本体上に折り重ねた状態を示す平面図。
【図4】パッケージング過程を示す図。
【図5】係合フラップの係合状態を示す図
【図6】係合孔と係合フラップとの寸法関係の一例を示す図。
【図7】係合フラップの係合過程を示す図。
【図8】係合孔フラップに商品を保持したブリスターパッケージを示す図。
【図9】ブリスターパッケージの他の係合形態を示す図。
【図10】ブリスターパッケージの他の係合形態を示す図。
【図11】ブリスターパッケージの他の係合形態を示す図。
【図12】係合孔アッセンブリと係合フラップアッセンブリを示す斜視図。
【符号の説明】
【0053】
1 ブリスターパッケージ
2 本体
2a 凹部
2b 当接面
2c 係合孔
2d 内壁
2e 傾斜面
3 係合孔フラップ
3a 折り目
3b 保持部
4 蓋体
4a 折り目
4b 係合孔
4c 当接面
5 切れ込み
5a 庇
5b 係合孔
6 係合フラップ
6a 突部
6b 当接面
7 通孔
8 係合孔アッセンブリ
8a 係合孔
8b 当接面
9 係合フラップアッセンブリ
9a 係合フラップ
9b 突部
9c 当接面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージの本体と蓋体に、互いに係合する係合フラップと係合孔とを、これら係合フラップと係合孔が対となるように配し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、同係合孔の開口面に対し略直交方向に進行する係合フラップの遊端部を、強制的に変向させる変向手段を設けてなるブリスターパッケージ。
【請求項2】
前記係合孔の下方に斜面を有する壁面を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記壁面の斜面に前記係合フラップの遊端部が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記壁面と略反対方向に変向させられるように構成してなる請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項3】
前記係合孔の下方に、同係合孔の開口面に対し略直交方向に沿う略平坦な壁面を形成するとともに、前記係合フラップにおける前記略平坦な壁面側のフラップ面に突部を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記略平坦な壁面に前記係合フラップの突部が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記突部の突出方向と略反対方向に変向させられるように構成してなる請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項4】
前記係合孔の下方に、同係合孔の開口面に対し略直交方向に突出する突部を有する壁面を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記突部に前記係合フラップにおける一側のフラップ面が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記突部の突出方向と略同じ方向に変向させられるように構成してなる請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項5】
前記壁面を、パッケージの本体における被収容物を収容するための凹部側壁としてなる請求項2乃至4に記載のブリスターパッケージ。
【請求項6】
前記壁面を、パッケージの断面略逆U字状に形成した蓋体の側壁としてなる請求項2乃至4に記載のブリスターパッケージ。
【請求項7】
前記係合フラップを、同係合フラップにおける基部の左右幅よりも本体の左右幅を大に形成し、また前記係合孔を、同係合孔における開口の前後方向に対し、一側辺部を係合フラップが挿通できる左右幅にするとともに、他側辺部を係合フラップにおける基部の左右幅よりも大に、かつ本体の左右幅よりも小の左右幅にした開口の平面視において略台形状に形成し、また同他側が、係合孔に挿通された係合フラップにおける遊端部の進行方向側になるようにして配し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、係合フラップにおける基部と本体の左右端部の間に有する肩辺部が、前記係合孔を配した部材の下方に入り込むようにしてなる請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項8】
前記本体の被収容物を収容する凹部開口縁部に、係合孔を形成するための係合孔フラップを接続するとともに、同係合孔フラップにおける基部の一点を始点にし、同始点から係合孔フラップ上を経由して始点から所定の距離を開けた基部の他点に渡る切れ込みを入れて、同係合孔フラップを、前記凹部開口側もしくは反対側に折り曲げることによって前記係合孔を係合孔フラップ上に形成するようにしてなる請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項9】
前記係合孔フラップに被収容物の保持部を形成し、同保持部に被収容物を保持させた後に係合孔フラップを前記凹部開口上に折り曲げることによって被収容物が凹部内に収容されるようにしてなる請求項8に記載のブリスターパッケージ。
【請求項1】
パッケージの本体と蓋体に、互いに係合する係合フラップと係合孔とを、これら係合フラップと係合孔が対となるように配し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、同係合孔の開口面に対し略直交方向に進行する係合フラップの遊端部を、強制的に変向させる変向手段を設けてなるブリスターパッケージ。
【請求項2】
前記係合孔の下方に斜面を有する壁面を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記壁面の斜面に前記係合フラップの遊端部が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記壁面と略反対方向に変向させられるように構成してなる請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項3】
前記係合孔の下方に、同係合孔の開口面に対し略直交方向に沿う略平坦な壁面を形成するとともに、前記係合フラップにおける前記略平坦な壁面側のフラップ面に突部を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記略平坦な壁面に前記係合フラップの突部が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記突部の突出方向と略反対方向に変向させられるように構成してなる請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項4】
前記係合孔の下方に、同係合孔の開口面に対し略直交方向に突出する突部を有する壁面を形成し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、前記突部に前記係合フラップにおける一側のフラップ面が接触し、同係合フラップにおける遊端部の進行方向が、前記突部の突出方向と略同じ方向に変向させられるように構成してなる請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項5】
前記壁面を、パッケージの本体における被収容物を収容するための凹部側壁としてなる請求項2乃至4に記載のブリスターパッケージ。
【請求項6】
前記壁面を、パッケージの断面略逆U字状に形成した蓋体の側壁としてなる請求項2乃至4に記載のブリスターパッケージ。
【請求項7】
前記係合フラップを、同係合フラップにおける基部の左右幅よりも本体の左右幅を大に形成し、また前記係合孔を、同係合孔における開口の前後方向に対し、一側辺部を係合フラップが挿通できる左右幅にするとともに、他側辺部を係合フラップにおける基部の左右幅よりも大に、かつ本体の左右幅よりも小の左右幅にした開口の平面視において略台形状に形成し、また同他側が、係合孔に挿通された係合フラップにおける遊端部の進行方向側になるようにして配し、係合孔に係合フラップを挿通させた際、係合フラップにおける基部と本体の左右端部の間に有する肩辺部が、前記係合孔を配した部材の下方に入り込むようにしてなる請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項8】
前記本体の被収容物を収容する凹部開口縁部に、係合孔を形成するための係合孔フラップを接続するとともに、同係合孔フラップにおける基部の一点を始点にし、同始点から係合孔フラップ上を経由して始点から所定の距離を開けた基部の他点に渡る切れ込みを入れて、同係合孔フラップを、前記凹部開口側もしくは反対側に折り曲げることによって前記係合孔を係合孔フラップ上に形成するようにしてなる請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項9】
前記係合孔フラップに被収容物の保持部を形成し、同保持部に被収容物を保持させた後に係合孔フラップを前記凹部開口上に折り曲げることによって被収容物が凹部内に収容されるようにしてなる請求項8に記載のブリスターパッケージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−265856(P2008−265856A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115144(P2007−115144)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【特許番号】特許第4065309号(P4065309)
【特許公報発行日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(504332953)株式会社 ビラーゴ (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【特許番号】特許第4065309号(P4065309)
【特許公報発行日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(504332953)株式会社 ビラーゴ (5)
【Fターム(参考)】
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