説明

ブリスター包装体及びブリスター包装体の製造方法

【課題】商品取扱説明をするブリスター包装体の台紙裏面の印刷面を3面に増加し、商品取扱説明書を別途添付する必要がないブリスター包装体であって、自動包装製造工程が簡単で、包装体裁がよく、陳列販売に便利なブリスター包装体を提供する。
【解決手段】1枚の長方形の炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末65〜85重量%含有するポリエチレン樹脂シートの両面に印刷樹脂フイルムをドライラミネートした積層ポリエチレン樹脂シートを折り曲げて片面同士を貼り合わせて重合した長方形台紙の表面側樹脂フイルムに、商品を収納した熱可塑性樹脂製ブリスター部を固定したブリスター包装体であって、該印刷熱可塑性合成樹脂フイルムの表面には感熱接着剤層が全面に設けられてなる印刷熱可塑性合成樹脂フイルム面を感熱接着剤層によって全面的に熱接着させて、かつ、該長方形台紙の表面側に積層された熱可塑性合成樹脂フイルム面の所定の位置に、商品を収納したブリスター部が固定されてなることを特徴とするブリスター包装体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスター包装体及びブリスター包装体の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、商品の宣伝取扱説明を印刷する印刷スペースを台紙の裏面面積の約3倍に増加することによって形成し、増加した印刷スペースに詳細な商品の取扱説明等を印刷することを可能とし、商品取扱説明書をブリスター包装体に別途添付する必要がなく、かつ、ブリスターに商品を収納した状態での簡便な熱溶着工程によって自動的に製造することができるブリスター包装体及びブリスター包装体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より小型の商品などは、ブリスター包装体として店頭に陳列展示されることが広く行われている。
ブリスター包装体は、商品の形状が台紙面から立体的に飛び出しているので、購入者の購買意欲を喚起する点で好まれているが、ブリスター包装体は、台紙の表側に突出しているブリスターによって、台紙の表面側の印刷スペースは使用できないので、ブリスター包装体の取扱説明等の印刷は台紙の裏面のみに限定される欠点がある。
多くの商品の販売において、商品の取扱説明書等の添付が必要であり、ブリスター包装体の場合に台紙の裏面だけでは取扱説明書用の印刷面が不足し、取扱説明書等の収納ポケットを別に備えたブリスター包装体又はブリスター包装体のブリスター部の内部に取扱説明書を商品と一緒に収納したものが使用されている。例えば、ブリスター包装体の台紙の裏面に袋体を取り付け、袋体の内部に取扱説明書を入れるブリスター包装体が知られている。
この場合、小型の商品に添付して袋体に収納される商品取扱説明書も小型のパンフレットとなり、ブリスター包装体を製造する際に、取扱説明書を袋体等に収納する手作業に手間がかかる欠点がある。また、取扱説明書を、袋から取り出して読むことも購入者にとって手間がかかる。
さらに、このような取扱説明書付きブリスター包装体は、取扱説明書の収納に手作業が必要となり、ブリスター包装体を自動的に製造することはできない。
この従来のブリスター包装体の欠点を解消するために、本願出願人は、既に、台紙の裏面の印刷面積をほぼ3倍に増加して、この印刷スペースに印刷することによって取扱説明書の添付が不要となるブリスター包装体を提供している(特許文献1)。
このブリスター包装体は、ポリエチレン樹脂シートを芯材として、芯材の表に表面側の印刷合成樹脂フイルム、裏に裏面側の印刷合成樹脂フイルムが積層された台紙を形成し、この台紙の裏面側の合成樹脂フイルムの上に、両面印刷された合成樹脂フイルムからなる薄手のフラップを台紙の下側縁から延設して設け、このフラップの側縁を剥離可能状態の半溶着で、台紙の裏面の側縁に固定して、ブリスター包装体を形成したものである。この剥離可能な両面印刷されたフラップを台紙の裏面から剥がすと、フラップの表裏両面の印刷と合計3面の印刷スペースが確保できる。
このときは、商品取扱説明のための印刷用の印刷スペース面を2〜3倍に増加させることができる。
当該公知文献のブリスター包装体は、取扱説明書の添付が不要のブリスター包装体であるが、両面印刷された薄手の合成樹脂フラップフイルムを台紙裏面に剥離可能に固定するために台紙の両側縁を溶断する前に、フラップフイルムの内側全面に溶着阻害剥離ニスを塗布する必要がある。この塗布をしないで両側縁を溶断すると、フラップフイルムの側縁は台紙フイルムに溶着して、もはや、両側縁を剥離することができなくなる。また、台紙の側縁の切断を溶断でなく機械的切断にすると、フラップフイルムを台紙裏面に貼り付けることができなくなる。
また、両面印刷するフラップフイルムは、表裏両面から見た二面の印刷が混同しないように、表印刷又は裏印刷の間に、両側の印刷を遮蔽し印刷の文字図形を鮮明にするためのベタ印刷、例えば白一色若しくは黒一色のベタ印刷を施工する必要がある。すなわち、両面印刷のフラップフイルムは、表印刷、ベタ印刷、裏印刷の3度刷り印刷を行う必要があり、手間がかかる。
公知ブリスター包装体では、溶断溶着によるフラップフイルムの固定、溶着阻害剥離ニスの塗布及びフラップフイルムの3度刷り印刷が必須の構成となる。
また、当該公知のブリスター包装体の台紙裏面の印刷は、芯材があるので、印刷面は剛性があって印刷平面は安定しているが、フラップフイルムは、芯材がないので、剥がしたときに、印刷面がペラペラと動き、取扱説明を読みにくいという機能的欠点がある。
さらに、フラップフイルムに芯材がない薄手のフイルムであること及びブリスター包装体の台紙裏面が側縁のみで固定されているために、台紙に固定されているフラップフイルム面の中央部が浮き上がるため、体裁が悪くなる欠点も生じる。
また、一般にブリスター包装体は、商品の自動包装に関しては、ブリスター部の凹部に商品を収納して、これを台紙表面に固定することによって製造できる。すなわち、ブリスター包装材の製造工程に商品の収納工程を組み込めば自動包装による包装体の製造を達成することができる。ブリスター部のベルトコンベア方式のワンッピッチ移動と、このブリスター部の凹部への商品の落としこみ工程及び商品を収納したブリスター部をロボットハンドによって、台紙表面の所定の位置への設置及びブリスター部の台紙表面への固定を自動的に実施することが可能である。
この自動化工程においては、ブリスター部を台紙表面に設置する工程までは容易であるが、ブリスター部を台紙表面へ固定する工程の自動化が困難である。
すなわち、前記公知のブリスター包装体のように、粘着剤によって、ブリスター部を接着固定する場合は、ブリスター部のフランジ面への粘着剤の自動塗布工程が困難である。
また、これを熱溶着によって台紙にブリスター部を溶着する方法に変えると、溶着工程自体は簡単に自動化可能であるが、溶着熱によって、台紙が変形したり、台紙の裏面印刷面に歪が生じたりする欠点がある。
【特許文献1】特開2006−131305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、商品取扱説明をするブリスター包装体の台紙裏面の印刷面を3面に増加し、商品取扱説明書を別途添付する必要がないブリスター包装体であって、自動包装製造工程が簡単で、包装体裁がよく、陳列販売に便利なブリスター包装体を提供することを目的とするものである。
具体的には、従来技術である印刷フラップフイルム付きブリスター包装体の内面の溶着阻害剥離ニスの塗布工程を省略でき、フラップフイルムの3度刷り印刷を回避でき、フラップフイルムの薄いフイルムの柔軟性に基づく、印刷面の台紙からの浮き上がりの欠点を解消したブリスター包装体及び自動包装し易いブリスター包装体の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末65〜85重量%含有するポリエチレン樹脂シートの両面に印刷樹脂フイルムをドライラミネート加工によって積層して形成した1枚の縦長の長方形の両面印刷積層ポリエチレン樹脂シートを表側ポリエチレン樹脂シートと裏側ポリエチレン樹脂シートに横幅方向の折り曲げ線によって区分して表裏を2重に折り重ねて重合して、互いの内面を予めそれぞれの面に塗布されている感熱接着剤層によって全面に亘って貼り合わせて表側積層ポリエチレン樹脂シートと裏側積層ポリエチレン樹脂シートを一体的に積層した長方形台紙を形成し、台紙の裏面側の裏側ポリエチレン樹脂シートを剥がすと、ブリスター包装体の台紙の裏面側に、3面の印刷面が現れる現象を利用して、商品の取扱説明等に必要な印刷スペースを確保し、さらに、従来技術の欠点であった3度刷り印刷の困難を回避し、印刷面の浮き上がりがなく、製造工程において印刷フラップフイルムの溶着阻害剥離ニスの塗布工程を省略できるブリスター包装体を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)1枚の長方形の炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末65〜85重量%含有するポリエチレン樹脂シートの両面に印刷樹脂フイルムをドライラミネートした積層ポリエチレン樹脂シートを折り曲げて片面同士を貼り合わせて重合した長方形台紙の表面側樹脂フイルムに、商品を収納した熱可塑性樹脂製ブリスター部を固定したブリスター包装体であって、該積層ポリエチレン樹脂シートの形状は、横幅は長方形台紙の所定の横幅と同一であり、縦長さは長方形台紙の所定の長さの略2倍であり、該積層ポリエチレン樹脂シートは、ポリエチレン樹脂シートの片面に印刷熱可塑性合成樹脂フイルムを印刷面をポリエチレン樹脂シート側に向けてドライラミネートして、他方の面には、印刷熱可塑性合成樹脂フイルムを印刷面をポリエチレン樹脂シート側に向けてドライラミネートした上に該印刷熱可塑性合成樹脂フイルムの表面には感熱接着剤層が全面に設けられてなる積層構造からなり、前記長方形台紙は、該積層ポリエチレン樹脂シートの感熱接着剤層がある印刷熱可塑性合成樹脂フイルムの面を内側にして横幅方向の折り目線上で折り畳んで内側の印刷熱可塑性合成樹脂フイルム面を感熱接着剤層によって全面的に熱接着させて、かつ、熱接着後の縦長さを長方形台紙の所定の長さに一致させて形成されてなり、該長方形台紙の表面側に積層された熱可塑性合成樹脂フイルム面の所定の位置に、商品を収納したブリスター部が固定されてなることを特徴とするブリスター包装体、
(2)印刷熱可塑性合成樹脂フイルムがポリプロピレンフイルム若しくはポリエステル樹脂フイルムである第1項記載のブリスター包装体、
(3)印刷熱可塑性合成樹脂フイルムがポリプロピレンフイルムであって、商品を収納したブリスター部の樹脂がポリプロピレンであり、ブリスター部の固定が熱溶着である第1項記載のブリスター包装体、
(4)商品を収納したブリスター部の固定がブリスター部の周縁に設けたフランジの外面からの熱溶着固定である第3項に記載のブリスター包装体、
(5)炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末が、二酸化チタン若しくは二酸化シリカを1〜20重量%を含有する無機粉末である第1〜4項のいずれかに記載のブリスター包装体、
(6)台紙が、台紙の略2倍の長さの積層ポリエチレン樹脂シートの略中央の折り目線によって半折重合したものである第1〜5項のいずれかに記載のブリスター包装体、
(7)台紙が、台紙の略2倍の長さの積層ポリエチレン樹脂シートの縦長方向の中央からずれた横幅方向線上であって、台紙の長さと一致する間隔を有する2本の平行折り目線によって2ヵ所を折り曲げて、台紙の裏面側において積層ポリエチレン樹脂シートの両端がほぼ一致するように積層ポリエチレン樹脂シートを重合して、台紙を形成したものである第1〜6項のいずれかに記載のブリスター包装体、及び、
(8)下記の手順(a)〜(f)によって、製造する第1項に記載のブリスター包装体の製造方法、
(a)炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末65〜85重量%含有する長尺のポリエチレン樹脂シートであって、該ポリエチレン樹脂シートの横幅が製造するブリスター包装体の台紙の寸法の倍寸法であるポリエチレン樹脂シートの片面に、印刷熱可塑性合成樹脂フイルムをドライラミネートにより積層し、ポリエチレン樹脂シートの他方の面に感熱接着剤層を有する印刷熱可塑性合成樹脂フイルムをドライラミネートによって積層した長尺の積層ポリエチレン樹脂シートを折り曲げ工程に送り出す。
(b)折り曲げ工程において、感熱接着剤層を有する印刷熱可塑性合成樹脂フイルム側を内側にして長尺積層ポリエチレン樹脂シートの中心線を連続的に折り曲げて半折重合して台紙の長さの幅に一致する長尺の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートを形成する。
(c)2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートを熱圧着工程に送り出し、熱圧着ローラによって連続的に2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートを熱圧着して、2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートの内面側の印刷熱可塑性合成樹脂フイルム面同士を感熱接着剤層によって接着する。
(d)熱圧着された長尺の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートをワンピッチ移送に切り替えて熱溶着工程に送り出す。
(e)長尺の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートと同時に商品を収納したブリスター部を長尺の積層ポリエチレン樹脂シートのワンピッチ移送に同調してブリスター部固定工程にコンベアによって送り出し、ブリスター部のフランジ面を長尺の積層ポリエチレン樹脂シートの表面側の所定の位置に固定する。
(f)ブリスター部付きの長尺の積層ポリエチレン樹脂シートを台紙の寸法ごとに切断する。
を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明のブリスター包装体は、炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末65〜85重量%含有するポリエチレン樹脂シートの片面に感熱接着剤層を有する印刷熱可塑性合成樹脂フイルムを印刷面をポリエチレン樹脂シート側に向けてドライラミネートして、他方の面には、印刷熱可塑性合成樹脂フイルムの印刷面をポリエチレン樹脂シート側に向けてドライラミネートしてなる3シート積層構造からなる積層ポリエチレン樹脂シートを、感熱接着剤層を有する印刷熱可塑性合成樹脂フイルムの積層面を内面にして二つ折りに曲げて重合して、これを熱圧着して、積層ポリエチレン樹脂シートの重合内面を印刷熱可塑性合成樹脂フイルム面に塗布されていた感熱接着剤層の熱接着によって剥離可能状態に固定している。
本発明のブリスター包装体の裏面側には、台紙の寸法の長方形状の第1の印刷面が見える。該第1の印刷面がある積層ポリエチレン樹脂シート片(以下剥離積層ポリエチレン樹脂シート片という)を指で剥がすと、第1の印刷面の代わりに、その下に隠れていた積層ポリエチレン樹脂シートの第2の印刷面が台紙の裏面に現れる。この第2の印刷面とともに、剥がした剥離積層ポリエチレン樹脂シート片の裏面には、第3の印刷面が現れる。裏面側に感熱接着剤層で接着されていた剥離積層ポリエチレン樹脂シート片を指で剥がすと、合計3面の印刷面を露出させることができる。
これら3面の印刷面の印刷フイルムは、ドライラミネート加工でポリエチレン樹脂シート面にしっかりと密着積層されている樹脂フイルムの内面に印刷されていて、かつ、剥離積層ポリエチレン樹脂シート片は対面する積層ポリエチレン樹脂シート面の全面に感熱接着剤層によって接着しているので、印刷層はポリエチレン樹脂シート面からの浮きもなく、剥離積層ポリエチレン樹脂シート片のポリエチレン樹脂シートの地色を背景にして、鮮明な印刷模様を形成している。
本発明におけるブリスター包装体は、台紙が積層ポリエチレン樹脂シートの重合体であり、合計6層の積層体である。当該6層の積層間は、ドライラミネート加工の接着剤又は感圧接着剤によって全面に接着しているので、製造工程において、ブリスター包装体の側縁をそのまま機械的に切断しても各層間が分離することはない。
また、ブリスター包装体の製造工程においてブリスター包装体の側縁を熱刃によって溶断すると、剥離積層ポリエチレン樹脂シート片が半溶着するので、積層ポリエチレン樹脂シート片が取扱の際に起こる摩擦によって端から剥がれることを完全に防止することができる。そして、感熱接着剤層を全面に塗布しているので、台紙側縁の溶断工程の際に、剥離積層ポリエチレン樹脂シート片との積層間に2重に塗布されている感熱接着剤層が溶着阻害作用を発揮するので、ブリスター包装体の側縁は半溶着状態であるので、剥離積層ポリエチレン樹脂シート片を指で剥がすときは、少し強い力を出せば、簡単に剥がすことができる。
本発明はポリエチレン樹脂シートの上に樹脂フイルムを積層し、これを折り曲げて、その表側フイルム上に、熱溶着、特にスポット溶着によって、商品入りのブリスターのフランジを溶着できるので、ブリスター包装体の自動包装製造工程が容易である。
また、積層ポリエチレン樹脂シートを2枚重合した台紙構造では、片面に熱をかけると反りやすいが、本発明では、積層ポリエチレン樹脂シートのポリエチレン樹脂シートに炭酸カルシウムを主成分とする無機粉末を65〜85重量%含有させているので、台紙のドライラミネート加工の熱圧着工程において、台紙に反りが発生しない利点がある。ブリスター包装体において、台紙が反っていることがブリスター包装体の外観を著しく低下させ、商品価値をさげる。また、ブリスター包装体の表面側にブリスター部を溶着する場合の熱による台紙の反りも防止できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明のブリスター包装体の一態様の正面図であり、図2は、図1の中央断面図である。
図1のブリスター包装体の台紙1は、細長の長方形状の積層ポリエチレン樹脂シート6(図3)を図2の断面図で示されるように、中央部を表面側積層ポリエチレン樹脂シート片6aと裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6b(積層ポリエチレン樹脂シート片)に区分して、感熱接着剤層10を有する印刷熱可塑性合成樹脂フイルム11の面を内面側にして折り曲げて、熱圧着することにより、二つの印刷熱可塑性合成樹脂フイルム11のそれぞれの面に設けられている2層の感熱接着剤層11が溶着して表側積層ポリエチレン樹脂シート片と裏側積層ポリエチレン樹脂シート片(積層ポリエチレン樹脂シート片)を密着仮固定して長方形の台紙1の部分が形成されている。材料として用いる積層ポリエチレン樹脂シートの形状は、横幅は長方形台紙の所定の横幅と同一であり、縦長さは長方形台紙の所定の長さの略2倍のものを用いて、貼り合わせ後に所定の寸法の台紙1にすることができる。
【0007】
該台紙1の表面側の熱可塑性樹脂フイルムにブリスター部3のフランジ4の面が10個のスポット溶着による点状熱圧着部5によって溶着されている。台紙1の上部には、吊り下げ穴2が開けられていて、ブリスター部3には、商品16が収納されている。
本発明のブリスター包装体のブリスター部の表面側の熱可塑性樹脂フイルムへの固定方法は、溶着固定手段に限定されるものではなく、表面側の熱可塑性樹脂フイルムに安定的に固定できるものであれば特に制限無く用いることができる。例えば、接着剤によって、表面側の熱可塑性樹脂フイルムにブリスター部のフランジ面を接着することができる。また、表面側積層ポリエチレン樹脂シート片にブリスター部と同寸の孔を開けて、ブリスター部を表面側積層ポリエチレン樹脂シート片の裏からブリスター部のみを突出させて、フランジ面を表面側積層ポリエチレン樹脂シート片と裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片の間に狭持させて固定させることもできる。
図3は、ブリスター包装体の台紙1を構成する積層ポリエチレン樹脂シート6の一態様の積層構造を示す断面図である。
本発明に用いる積層ポリエチレン樹脂シート6は、炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末65〜85重量%含有するポリエチレン樹脂シート7を芯材シートとして、その表面側に印刷熱可塑性合成樹脂フイルム8がその印刷面をポリエチレン樹脂シート7側に密着させてドライラミネート加工方式によってドライラミネート接着剤層9に積層固定され、他方の裏面側には、印刷熱可塑性合成樹脂フイルム11が同じく印刷面をポリエチレン樹脂シート7側に密着させてドライラミネート加工方式によってドライラミネート接着剤層9に積層固定されて、印刷熱可塑性合成樹脂フイルム11の印刷面と反対の非印刷表面には、感熱接着剤が塗布されていて、積層ポリエチレン樹脂シート6の表面の全面は薄い感熱接着剤層10で覆われている。
本発明のドライラミネート加工に用いる接着剤は、公知のドライラミネート加工工程に用いられることができる接着剤であれば、感圧接着剤、感熱接着剤及び硬化性接着剤のいずれも制限無く使用することができる。
【0008】
本発明の印刷熱可塑性合成樹脂フイルムの表面に設ける感熱接着剤層は、印刷面が存在しない方の面に、溶融した感熱接着剤を塗布して形成することができる。また、熱可塑性樹脂溶液を塗布後に乾燥して塗布層を形成することができる。
感熱接着剤としては、熱可塑性樹脂に、所望によって、粘着剤又はワックスを配合したものを使用することができる。例えば、ホットメルト接着剤と呼ばれるものを使用することができる。熱可塑性樹脂として、エチレン酢酸ビニル、ポリオレフィン、アタクチックポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂並びにロジン、石油樹脂等を使用することができる。
本発明に用いる感熱接着剤層は、低融点樹脂が熱圧着しやすい点で望ましい。
本願発明の表面側積層ポリエチレン樹脂シート片6aと裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bとは、感熱接着剤層によって溶着固定しているが、裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bの上端を爪で下方に剥がすと、裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bの全面を簡単に剥がして、第2印刷面及び第3印刷面を見ることができる。裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bを剥がすときの剥離線上にかかる剥離力よりも、印刷熱可塑性合成樹脂フイルムをドライラミネート加工によって貼着した接着力の方が遙かに大きいので、裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bを剥がす操作中に、ドライラミネートされた印刷熱可塑性合成樹脂フイルムがポリエチレン樹脂シートの表面から浮き上がることはない。そして、一旦剥がした後は、熱圧着しない限り、裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bを元通りに貼着させることはできない。
従前は、印刷された紙の印刷模様を擦傷から保護するとともに、印刷面の見栄えを良くするために、印刷紙の表面に、光沢の良い極薄のポリプロピレンフイルム又はポリエステルフイルムがラミネートされた印刷紙が広く利用されていた。この印刷紙に代えて、従来より、ラミネートするフイルムの裏面に印刷を施工して、このラミネートフイルムを紙の所定の位置に合わせて貼り合わせることによって、あたかも紙に印刷したかのように見せる印刷手法が広く行われるようになった。
本発明では、印刷模様を芯材シート表面に施工しないで、フイルムの裏面に印刷して、この印刷フイルムの印刷模様を芯材シートの所定の位置に合わせてラミネートする印刷手段を採用している。
本発明の印刷熱可塑性合成樹脂フイルムは、通常厚さ10〜65μm程度の厚さのものまで使用できるが、ラミネート加工印刷した場合に、印刷模様が鮮明に見栄え良くするためには、厚さが薄いほど望ましい。しかし、薄くすると強度が低下するので、強度があるポリプロピレンフイルム及びポリエステルフイルムが特に望ましい。
これらのフイルムは、薄くしても、ドライラミネート加工及び印刷に耐える強度があり透明性がよく、印刷模様に付与する光沢及び耐擦傷性の点から好適である。
本発明に用いる印刷熱可塑性合成樹脂フイルムの樹脂は、ポリプロピレン樹脂又はポリエステル樹脂が薄くても強度がある点と印刷模様を映えさせる表面光沢の点で望ましく、さらに、ブリスター部を溶着で固定する場合は、製造工程が容易になる点で、ブリスター部及び印刷熱可塑性合成樹脂フイルムの両者が同種の樹脂、すなわちポリプロピレン樹脂製又はポリエステル樹脂製であることが望ましい。
【0009】
本発明に用いる台紙の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートの芯材となる無機粉末含有ポリエチレン樹脂シートは、ラミネート加工可能な平滑表面を有するものであれば、特に制限無く使用することができ、厚さ、60〜300μm程の、ある程度剛性のあるものが台紙として望ましい。
本発明無機粉末含有ポリエチレン樹脂シートに用いるポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン並びに少量の他の単量体を含むポリエチレン系共重合体も使用することができる。
また、これらのポリエチレン樹脂をブレンドしたポリエチレン樹脂シート、例えば、40〜60重量%高密度ポリエチレン、低密度又は中密度ポリエチレンを60〜40重量%配合したブレンドポリエチレン樹脂シートを、熱圧着工程による反りが少ない点で好適に使用することができる。
本発明のポリエチレン樹脂シートは、大量の無機粉末を配合しても、台紙形成の際に、積層ポリエチレン樹脂シートを2枚に折り畳んだときに折り目が破壊することはない。特に、高密度ポリエチレンに低密度又は中密度ポリエチレンをブレンドしたポリエチレンブレン樹脂は本発明ブリスター包装体の製造において、積層ポリエチレン樹脂シートの折り曲げ工程を円滑に実施することができる。
本発明無機粉末含有ポリエチレン樹脂シートに用いる無機粉末は、炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末である。炭酸カルシウム含有量が80重量%未満になると、熱処理工程における積層台紙の反りの防止効果が低下する。
炭酸カルシウム以外の無機粉末としては、二酸化チタン、二酸化珪素、ベントナイト、クレー、珪藻土、硫酸カルシウム、カオリン、マイカ、酸化亜鉛を使用することができ、印刷模様が映える点から、二酸化チタン、二酸化珪素が好適である。
本願発明のポリエチレン樹脂シートは、炭酸カルシウムが配合されていて、シート面は明度が高い白色を呈していて、ラミネートフイルムの裏面印刷模様がポリエチレン樹脂シート面に密着して、あたかもシート面に直接印刷施工しているような見栄えを呈するが、これに淡色の顔料又は染料を配合して印刷フイルムの印刷模様を高い明度で映えさせる背景色にすることができる。
本願発明のポリエチレン樹脂シートとして、炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末65〜85重量%含有するポリエチレン樹脂シートに該当しない一般の無機粉末含有量が低い合成紙シート及び溶剤発砲型の無機粉末が殆どない合成紙も本発明の芯材樹脂シートとして用いることができるが台紙を熱圧着工程の際に台紙の反りが発生して、ブリスター包装体としての陳列したときの見栄えが悪くなる。
本発明に用いる積層ポリエチレン樹脂シートの裏面側にドライラミネートする印刷熱可塑性合成樹脂フイルムは、厚さ10〜100μm、好ましくは30〜70μmの印刷熱可塑性合成樹脂フイルムに印刷を施工したフイルムであって、ポリエチレン樹脂シートにドライラミネート加工によって積層することができる。
本発明の印刷ポリプロピレン系樹脂フイルムを用いた場合のポリプロピレン樹脂としては、市販されているホモポリプロピレン、ランダンポリプロピレン、ブロックポリプロピレン樹脂のフイルムを使用することができ、特に2軸延伸ポリプロピレンフイルムが強度及び光沢の点で望ましい。
本発明に用いる積層ポリエチレン樹脂シートの表面側にドライラミネートする印刷熱可塑性合成樹脂フイルムは、厚さ10〜100μm、好ましくは30〜70μmの樹脂フイルムに印刷を施工したフイルムであってポリエチレン樹脂シートにドライラミネート加工によって積層することができる。
本発明の積層ポリエチレン樹脂シート6の表面側にドライラミネートする印刷熱可塑性合成樹脂フイルム8には、ブリスター包装体のフランジを溶着固定する。
溶着固定のために本発明の積層ポリエチレン樹脂シートの表側に積層する印刷熱可塑性合成樹脂フイルム8は、ブリスター部のフランジと同質の熱可塑性樹脂であることが、溶着固定する工程の容易性のみならず溶着部の強度が大きくなるので、特に望ましい。従って、積層ポリエチレン樹脂シートの表側に積層する印刷熱可塑性合成樹脂フイルム8として、ポリプロピレン樹脂系フイルムを選択した場合は、ブリスター部の材質もポリプロピレン系樹脂を選択するのが望ましい。同じく、積層ポリエチレン樹脂シートの表側に積層する印刷熱可塑性合成樹脂フイルム8として、ポリエステル樹脂系フイルムを選択した場合は、ブリスター部の材質もポリエステル系樹脂を選択するのが望ましい。
本発明に用いるブリスター部は、商品収納部とその周縁のフランジ部とからなる一体的熱可塑性樹脂成形品を使用することができる。積層ポリエチレン樹脂シートへの取り付けを外面からの熱圧着によって行うので、ブリスター部のフランジ面の厚さは1mm未満が望ましい。
ブリスター部の溶着固定は、フランジ面の外側からのスポット溶着の加熱部分が集中限定されて、溶着が迅速簡単に施工でき、溶着部の歪も少ない点で望ましい。
【0010】
本発明のスポット溶着は、自由に点溶接が可能である点で、本発明ブリスター包装体の連続製造工程において、特に好適である。
本発明において、基本的には、図2に示すように、積層ポリエチレン樹脂シートの略中央部を表面側積層ポリエチレン樹脂シート片6aと裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bに区分して折り曲げて、熱圧着することにより、長方形の台紙1の部分が形成されている。この場合は、裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bを剥がすときは、その上端から剥がすことになる。このとき、裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bを折り曲げる位置を中央から僅かにずらすことによって、台紙の上端に、段差12を形成することができる。この段差12があると、裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bを剥がす操作が非常にやり易くなる。
本発明においては、図4に示ように、台紙の略2倍の長さの積層ポリエチレン樹脂シートの縦長方向の中央からずれた横幅方向線上であって、台紙の長さと一致する間隔を有する2本の平行折り目線13、14によって2ヵ所を折り曲げて、台紙の裏面側において積層ポリエチレン樹脂シートの両端が合わせ目15の位置でほぼ一致するように積層ポリエチレン樹脂シートを重合して台紙を用いることができる。この場合、2本の平行折り目線13、14の間隔は正確に台紙の寸法と一致しているが、平行折り目線13、14の上下余白の合計寸法となる裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bは、台紙の寸法と正確に一致しないようにすることができる。この場合は、台紙の裏面側において積層ポリエチレン樹脂シートの両端がずれて、僅かな重なり部分が生じたり、逆に寸足らずになって僅かな隙間が生じる。この重なり部分又は隙間は、裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bを剥がすときのつまみ片となるので、場合によっては、便利な重なり又は隙間となる。
本発明において、炭酸カルシウムを65〜85重量%含有しているポリエチレン樹脂シートを用いることによって、台紙の表面側積層ポリエチレン樹脂シート片6aに、ブリスター部のフランジ面を溶着するときに、表面側積層ポリエチレン樹脂シート片6aに熱変形することを防止することができる。
特に、本発明の台紙にブリスター部を熱溶着する場合には、台紙に反りが発生するおそれが大きい。炭酸カルシウムを65〜85重量%含有しているポリエチレン樹脂シートを用いると、ブリスター部の溶着工程時に発生する台紙の反りを解消することができ、体裁のよい陳列を達成することができる。
【0011】
また、本発明のブリスター包装体の包装材は商品使用後は必然的に廃棄されるが、これを廃棄焼却するときに、炭酸カルシウムの配合は、燃焼熱の上昇を防止して焼却炉の損傷を防止できる利点及び炭酸ガスの発生を25%程度減少させる利点がある。
本願発明ブリスター包装体をブリスター部を熱溶着固定する場合は、プラスチック包装袋の連続的製造方法で使用されている工程を組み合わせて用いて、下記の手順で、製造することができる。
(a)横幅が目的のブリスター包装体の台紙の寸法の倍寸法であり、片面に印刷熱可塑性合成樹脂フイルムをドライラミネートし、他の面に感熱接着剤層を有する印刷熱可塑性合成樹脂フイルムをドライラミネートした長尺の積層ポリエチレン樹脂シートを折り曲げ工程に送り出す。
(b)折り曲げ工程において、感熱接着剤層を有する印刷熱可塑性合成樹脂フイルム側を内側にして長尺積層ポリエチレン樹脂シートの中心線を連続的に折り曲げて半折重合して台紙の長さの幅に一致する長尺の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートを形成する。
(c)2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートを熱圧着工程に送り出し、熱圧着ローラによって連続的に2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートを熱圧着する。
(d)熱圧着された長尺の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートをワンピッチ移送に切り替えて熱溶着工程に送り出す。
(e)長尺の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートと同時に商品を収納したブリスター部を長尺の積層ポリエチレン樹脂シートのワンピッチ移送に同調して熱溶着工程に送り出し、ブリスター部のフランジ面を熱溶着工程上の長尺の積層ポリエチレン樹脂シートの表面側の所定の位置に当接したのち、スポット溶着でブリスター部のフランジ面を長尺の積層ポリエチレン樹脂シートの表面側熱可塑性合成樹脂フイルムに熱溶着して固定する。
【0012】
ブリスター部に商品を収納するには、コンベアベルトで移送中のブリスター部に、ロボットハンドによって商品を投入し、商品を収納したブリスター部のフランジ面を長尺の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートの表面側熱可塑性樹脂フイルムの所定の場所に(上方又は下方から)当接して、ブリスターのフランジ面を当てて(上方又は下方から)の溶接スポットを押圧して空気冷却して溶着するのが望ましい自動包装の工程となる。
(f)ブリスター部付きの長尺の積層ポリエチレン樹脂シートを台紙の寸法ごとに切断する。この切断は、ブリスター包装体の側縁を切断するものである。この切断に、溶断を用いても、感熱接着剤層が溶着阻害剤として作用するので、表面側積層ポリエチレン樹脂シート片6aと裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bの側縁が強力に溶着することがなく指の力で剥がすことができる。
裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片6bを開封するまでの完全な密封性を必要とする場合は、ブリスター部付きの長尺の積層ポリエチレン樹脂シートの切断を溶断によって行うのが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明のブリスター包装体は、商品取扱説明書をブリスター包装体の包装材に直接印刷して、ブリスター包装体の裏面側に3面の印刷面を形成できるので、商品取扱説明書を別途添付する必要がなく、また、商品取扱説明書を紛失するおそれもなく、さらに、合理的かつ経済的にブリスター包装体を製造することができ、そして、炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末65〜85重量%含有するポリエチレン樹脂シートを用いれば、台紙の反りを解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のブリスター包装体の一態様の正面図である。
【図2】図1のブリスター包装体の中央断面図である。
【図3】本発明の台紙を構成する積層ポリエチレン樹脂シートの一態様の積層構造を示す断面図である。
【図4】本発明の台紙の積層ポリエチレン樹脂シートの折り畳み形状を示す正面図及び断面図である。
【符号の説明】
【0015】
1 台紙
2 吊り下げ穴
3 ブリスター部
4 フランジ
5 スポット溶着による点状熱圧着部
6 積層ポリエチレン樹脂シート
6a 表面側積層ポリエチレン樹脂シート片
6b 裏面側積層ポリエチレン樹脂シート片
7 ポリエチレン樹脂シート
8 印刷熱可塑性合成樹脂フイルム
9 ドライラミネート接着剤層
10 感熱接着剤層
11 印刷熱可塑性合成樹脂フイルム
12 段差
13 平行折り目線
14 平行折り目線
15 合わせ目
16 商品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の長方形の炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末65〜85重量%含有するポリエチレン樹脂シートの両面に印刷樹脂フイルムをドライラミネートした積層ポリエチレン樹脂シートを折り曲げて片面同士を貼り合わせて重合した長方形台紙の表面側樹脂フイルムに、商品を収納した熱可塑性樹脂製ブリスター部を固定したブリスター包装体であって、該積層ポリエチレン樹脂シートの形状は、横幅は長方形台紙の所定の横幅と同一であり、縦長さは長方形台紙の所定の長さの略2倍であり、該積層ポリエチレン樹脂シートは、ポリエチレン樹脂シートの片面に印刷熱可塑性合成樹脂フイルムを印刷面をポリエチレン樹脂シート側に向けてドライラミネートして、他方の面には、印刷熱可塑性合成樹脂フイルムを印刷面をポリエチレン樹脂シート側に向けてドライラミネートした上に該印刷熱可塑性合成樹脂フイルムの表面には感熱接着剤層が全面に設けられてなる積層構造からなり、前記長方形台紙は、該積層ポリエチレン樹脂シートの感熱接着剤層がある印刷熱可塑性合成樹脂フイルムの面を内側にして横幅方向の折り目線上で折り畳んで内側の印刷熱可塑性合成樹脂フイルム面を感熱接着剤層によって全面的に熱接着させて、かつ、熱接着後の縦長さを長方形台紙の所定の長さに一致させて形成されてなり、該長方形台紙の表面側に積層された熱可塑性合成樹脂フイルム面の所定の位置に、商品を収納したブリスター部が固定されてなることを特徴とするブリスター包装体。
【請求項2】
印刷熱可塑性合成樹脂フイルムがポリプロピレンフイルム若しくはポリエステル樹脂フイルムである請求項1記載のブリスター包装体。
【請求項3】
印刷熱可塑性合成樹脂フイルムがポリプロピレンフイルムであって、商品を収納したブリスター部の樹脂がポリプロピレンであり、ブリスター部の固定が熱溶着である請求項1記載のブリスター包装体。
【請求項4】
商品を収納したブリスター部の固定がブリスター部の周縁に設けたフランジの外面からの熱溶着固定である請求項3に記載のブリスター包装体。
【請求項5】
炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末が、二酸化チタン若しくは二酸化シリカを1〜20重量%を含有する無機粉末である請求項1〜4のいずれかに記載のブリスター包装体。
【請求項6】
台紙が、台紙の略2倍の長さの積層ポリエチレン樹脂シートの略中央の折り目線によって半折重合したものである請求項1〜5のいずれかに記載のブリスター包装体。
【請求項7】
台紙が、台紙の略2倍の長さの積層ポリエチレン樹脂シートの縦長方向の中央からずれた横幅方向線上であって、台紙の長さと一致する間隔を有する2本の平行折り目線によって2ヵ所を折り曲げて、台紙の裏面側において積層ポリエチレン樹脂シートの両端がほぼ一致するように積層ポリエチレン樹脂シートを重合して、台紙を形成したものである請求項1〜6のいずれかに記載のブリスター包装体。
【請求項8】
下記の手順(a)〜(f)によって、製造する請求項1に記載のブリスター包装体の製造方法。
(a)炭酸カルシウム80重量%以上からなる無機粉末65〜85重量%含有する長尺のポリエチレン樹脂シートであって、該ポリエチレン樹脂シートの横幅が製造するブリスター包装体の台紙の寸法の倍寸法であるポリエチレン樹脂シートの片面に、印刷熱可塑性合成樹脂フイルムをドライラミネートにより積層し、ポリエチレン樹脂シートの他方の面に感熱接着剤層を有する印刷熱可塑性合成樹脂フイルムをドライラミネートによって積層した長尺の積層ポリエチレン樹脂シートを折り曲げ工程に送り出す。
(b)折り曲げ工程において、感熱接着剤層を有する印刷熱可塑性合成樹脂フイルム側を内側にして長尺積層ポリエチレン樹脂シートの中心線を連続的に折り曲げて半折重合して台紙の長さの幅に一致する長尺の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートを形成する。
(c)2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートを熱圧着工程に送り出し、熱圧着ローラによって連続的に2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートを熱圧着して、2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートの内面側の印刷熱可塑性合成樹脂フイルム面同士を感熱接着剤層によって接着する。
(d)熱圧着された長尺の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートをワンピッチ移送に切り替えて熱溶着工程に送り出す。
(e)長尺の2枚重ねの積層ポリエチレン樹脂シートと同時に商品を収納したブリスター部を長尺の積層ポリエチレン樹脂シートのワンピッチ移送に同調してブリスター部固定工程にコンベアによって送り出し、ブリスター部のフランジ面を長尺の積層ポリエチレン樹脂シートの表面側の所定の位置に固定する。
(f)ブリスター部付きの長尺の積層ポリエチレン樹脂シートを台紙の寸法ごとに切断する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−184714(P2009−184714A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28485(P2008−28485)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(500320039)
【Fターム(参考)】