説明

ブルータングウイルスに対する異種プライム−ブースト免疫化レジメン

本発明は、免疫原性組成物の組合せを用いることによって、対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法を提供する。一般に、この方法は、対象に、どちらもブルータングウイルス血清型8を含む、有効量の2つの異なる免疫原性組成物を投与するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異種プライムブースト免疫化レジメンに関する。より詳細には、本発明は、ブルータングウイルス(BTV)に対する抗原特異的免疫応答を生じさせるための、異種プライムブースト免疫化に関する。
【背景技術】
【0002】
節足動物媒介性のウイルス性疾患であるブルータングは、畜牛、ヒツジ、ヤギ、および野生の反芻動物において起こる。罹患した動物におけるブルータング病変は、感染性ウシウイルス性下痢、水疱性口内炎ウイルス、悪性カタル性発熱、糸状菌性口内炎、牛疫、光感作、および口蹄疫に似ている。ブルータングウイルス(BTV)は、畜牛における水無脳症ならびに畜牛およびヒツジにおける不妊症、妊娠中絶、および欠陥のある幼体の出生の原因とみなされている。24の血清型が、不顕性の感染から急性電撃性の感染までの様々な問題を引き起こすとして、文献において報告されている。また、慢性持続性のウイルス脱粒の畜牛も認識されている。BTVでは、身体状態が顕著に低下し、屠畜動物の市場取引が遅延することがある。BTVに感染したヒツジでは、欠陥のあるまたは低収量の毛被を生じる羊毛の中断(break)の発生によって、羊毛の成長が損なわれることがある。BTV感染後の顕著な衰弱は、二次的な細菌またはクラミジア感染および他の有害な要因に対する耐性の低下をもたらし得る。また、感染した動物の繁殖効率も悪影響を受ける。
【0003】
初期のワクチン接種プロトコルは、南アフリカおよびイスラエルにおいて、いくつかのブルータング株を含有する卵弱毒化した多価の生ウイルスワクチンを用いて常法に従って実施されていた。Cutter Laboratoriesによって生成され、米国で使用されていた卵適応したワクチンは、ワクチン接種したヒツジにおける重篤な反応が原因で市場から外されている。続いて、KemenyおよびDrehle、22、AJVR、921(1961)が、BTV国際型10を卵からウシ腎細胞培養物へと適応させた。Colorado Serum Companyによって生成されたこの改変された生ウイルスワクチンは、米国でヒツジに使用されている。
【0004】
本発明は、当技術分野における、1つまたは複数の抗原に対する頑強な細胞応答を生じる投与レジメンの必要性に対応する。免疫原性組成物の有効性を増強させるための以前の試みでは、タンパク質組成物、プラスミドに基づく組成物、および抗原をコードしている組換えウイルス構築体を免疫原性組成物として用いた、様々な免疫原性組成物および方法が報告されている。
【0005】
以前のプライムブーストレジメンは、異種ウイルスベクターおよびプラスミドDNAベクターの様々な組合せを試験するために使用された。一般に、誘発された結果として生じる細胞性免疫応答は、同種のプライムブースト戦略で誘導されたものよりも高かったが(Eganら、2000、J.Virol.、74:7485〜95、Roseら、2001、Cell、106:539〜49)、チャレンジモデルにおける防御の関連した増強は、必ずしも明らかではなかった(Amaraら、2002、J.Virol.、76:7625〜31)。1つまたは複数のHIV−1タンパク質を発現する弱毒化した組換えウイルスを投与することによって、HIV−1タンパク質によって特異的に生じる免疫応答の誘発において免疫原性組成物の有効性を増強させるための方法が用いられている。これらの弱毒化した組換えウイルスは、抗原をコードしている1つの組換えウイルスを、同じ抗原をコードしている第2の組換えウイルスの前に投与する、プライム−ブーストレジメンで投与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、当技術分野において、ブルータングウイルスワクチンに対する免疫応答を増強させる方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本発明は、対象に、ブルータングウイルスを含む第1および第2の免疫原性組成物の少なくとも1回用量を投与するステップを含み、第1および第2の免疫原性組成物が異なっており、第2の免疫原性組成物が、第1の免疫原性組成物が投与された後に投与される、対象において抗原特異的免疫応答を生じさせる方法を提供する。本発明の一部の態様では、抗原特異的免疫応答を生じさせるためのブルータングウイルスは血清型8である。本発明の一部の態様では、抗原特異的免疫応答を生じさせる方法における第1および第2の免疫原性組成物は、BOVILIS BTV−8およびZULVAC8BOVISから選択される。本発明の一部の態様では、抗原特異的免疫応答を生じさせる方法における免疫応答は、第1または第2の免疫原性組成物を単独で投与することによって達成されるものよりも高い、抗原に対する抗体応答の増加を含む。
【0008】
本発明の一部の態様では、抗原特異的免疫応答を生じさせる方法では、免疫原性組成物のうちの少なくとも1つは、静脈内、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、経口、直腸、鼻腔内、頬側、および経膣からなる群から選択される経路によって投与される。本発明の特定の態様では、免疫応答を生じさせる方法では、第1の免疫原性組成物は、筋肉内または皮下経路を用いて投与される。本発明の特定の態様では、免疫応答を生じさせる方法では、第2の免疫原性組成物は、筋肉内または皮下経路を用いて投与される。本発明の一部の態様では、抗原特異的免疫応答を生じさせる方法では、第2の免疫原性組成物は、第1の免疫原性組成物が投与された後の約10週間以内に投与される。本発明の一部の態様では、抗原特異的免疫応答を生じさせる方法では、第2の免疫原性組成物は、第1の免疫原性組成物が投与された約7週間後に投与される。
【0009】
一態様では、本発明は、対象に、ブルータングウイルスを含む第1の免疫原性組成物の少なくとも1回用量を投与するステップ、次いで、対象に、ブルータングウイルスを含む第2の免疫原性組成物の少なくとも1回用量を投与するステップを含み、第1および第2の免疫原性組成物が異なっており、第2の免疫原性組成物が、第1の免疫原性組成物が投与された後に投与される、対象においてウイルス感染を処置する方法を提供する。本発明の一部の態様では、対象においてウイルス感染を処置する方法では、ブルータングウイルスは血清型8である。本発明の一部の態様では、対象においてウイルス感染を処置する方法では、免疫原性組成物はBOVILIS BTV−8およびZULVAC8BOVISから選択される。
【0010】
一態様では、本発明は、ブルータングウイルスを含む第1の免疫原性組成物、および第1の免疫原性組成物の後に投与される、ブルータングウイルスを含む第2の免疫原性組成物を含む、対象において抗原特異的免疫応答を生じさせるための免疫原性組成物を提供する。本発明の一部の態様では、抗原特異的免疫応答を生じさせるための免疫原性組成物は、ZULVAC8BOVISおよびBOVILIS BTV−8から選択される。本発明の一部の態様では、第2の免疫原性組成物は、第1の免疫原性組成物が投与された後の約10週間以内に投与する。
【0011】
一態様では、本発明は、ブルータング(bluetonge)ウイルスを含む第1の免疫原性組成物、および第1の免疫原性組成物の後に投与されるブルータングウイルスを含む第2の免疫原性組成物を含み、第1の免疫原性組成物が第2の免疫原性組成物とは異なる、対象において抗原特異的応答を生じさせるためのキットを提供する。本発明の一部の態様では、キット中の第1および第2の免疫原性組成物は、ZULVAC8BOVISおよびBOVILIS BTV−8から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、免疫原性組成物の組合せを用いることによって、対象において抗原特異的免疫応答を誘導する方法を提供する。一般に、この方法は、対象に、どちらもブルータングウイルスを含む、有効量の2つの異なる免疫原性組成物を投与するステップを含む。
【0013】
プライム用量の1種類のブルータングウイルス免疫原性組成物を投与し、次いでブースト用量の異なる種類のブルータングウイルス免疫原性組成物を投与することで、対象において、第1または第2の免疫原性組成物のいずれかを単独で投与することによって達成されるよりも高い、抗原に対するCD8+T細胞応答の増加を含めた免疫応答が誘導されることが見出されている。この増強された免疫応答は、抗原に対する細胞応答の相乗的な増加であると考えられる。ブルータングウイルスに対する免疫原性組成物のこの組合せおよび投与の順序は、別々の投与または異なる順序で投薬した組成物と比較した場合に、増強された免疫応答を生じさせる。本発明は、当技術分野における、1つまたは複数の抗原に対する頑強な細胞応答を生じる投与レジメンの必要性に対応する。現在、ブルータングウイルス(BTV)免疫原性組成物において幅広く中和させる抗体を誘導する証明された方法は存在せず、したがって、BTVタンパク質に対する、免疫原性組成物に誘導されるピーク細胞性免疫応答を増加させる手法は、記載した異種プライム−ブーストの組合せの投与である。
【0014】
ブルータングウイルス(BTV)血清型8を用いて調製された2つの市販のワクチンを使用した。これらのワクチンのうちの一方はBovilis BTV8であり、他方のワクチンはZulvac8(登録商標)Bovisであり、これはFort Dodge(英国Southampton)から入手可能である。単一用量のBovilis BTV8ワクチンを用いた動物の免疫化により、測定可能なBTVに特異的なIgG応答が誘発され、これは、Zulvac8(登録商標)Bovisを接種した後に顕著にブーストされた。
【0015】
順序正しく投与するこれら2つの免疫原性組成物のうちの1番目のものは、プライム組成物と呼ばれる。順序正しく投与するこれら2つの免疫原性組成物のうちの2番目のものは、ブースト組成物と呼ばれる。一部の実施形態では、プライム組成物は、対象に、ブースト組成物を投与する前に少なくとも1回または複数回投与する。その後、ブースト組成物を、対象に、プライム組成物の少なくとも1回の投与の後に少なくとも1回または複数回続いて投与する。さらに、本発明は、複数投与のプライム組成物、続いて複数投与のブースト組成物を企図する。用語「抗原に対する免疫応答のブースト」とは、対象に、プライム免疫原性組成物を投与した後に第2のブースト免疫原性組成物を投与することをいう。ブースト免疫原性組成物の投与は、プライム免疫原性組成物の投与の直後または投与後の任意の時点で行い得る。代替として、ブースト免疫原性組成物の投与は、プライム免疫原性組成物の投与の約2〜27週間後に行ってもよい。好ましい実施形態では、ブースト免疫原性組成物は、プライム免疫原性組成物の投与の約7週間後に行い得る。
【0016】
一実施形態では、本発明は、異種プライム−ブーストの組合せで、市販のブルータングウイルス血清型8ワクチン(「ワクチンA」として知られるBovilis BTV−8)を含む免疫原性組成物を投与し、次いで、Zulvac(登録商標)8Bovisを投与する方法に関する。この組合せおよび投与の順序は、別々の投与または異なる順序で投薬した組成物と比較した場合に、増強された免疫応答を生じさせる。
【0017】
特定の実施形態では、免疫原性組成物は、ヒトまたは家畜または伴侶動物、たとえば、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ科動物、シカ、ビクーナ、イヌ科動物またはネコ科動物において、免疫応答を誘発させることができる。好ましい実施形態では、誘発される免疫応答は防御免疫応答である。
【0018】
免疫原性的に有効な量の本発明のワクチンを、ブルータングウイルス(BTV)の感染に対する防御を必要としている動物に投与する。動物に接種する免疫原性的に有効な量または免疫原性量は、常法に従う試験によって容易に決定または容易に滴定することができる。有効量とは、ウイルスに曝露された動物を防御するために、ワクチンに対する十分な免疫学的応答が得られる量である。好ましくは、動物は、有害な生理的症状またはウイルス性疾患の効果のうちの1つまたはすべてが顕著に低下、寛解または完全に予防される程度まで防御される。
【0019】
一実施形態では、本発明のレジメンには、BTV抗原の存在によって決定される疾患の予防および/または処置のためものが含まれる。
【0020】
動物をBTVに対してワクチン接種することの機能的結果は、細胞性もしくは液性の免疫またはT細胞活性の誘導を監視する適切なアッセイによって評価することができる。これらのアッセイは当業者に知られているが、たとえばクロム放出アッセイを用いた細胞溶解性T細胞活性の測定が含まれ得る。代替として、T細胞増殖アッセイを免疫反応性またはその欠損の指標として使用し得る。さらに、in vivo研究を行って、本発明の方法を用いて病原体に対してワクチン接種した動物における防御のレベルを評価することができる。典型的なin vivoアッセイは、動物を、本明細書中に記載のウイルスなどの抗原でワクチン接種することを含み得る。抗体またはT細胞応答の誘導が起こるために十分な期間、一般に注射後約1〜2週間待った後、動物をウイルスなどの抗原でチャレンジし、ウイルス感染に関連する1つもしくは複数の症状の寛解、または動物の生存を監視する。BTVに対するワクチン接種レジメンの成功は、ウイルス感染に関連する1つもしくは複数の症状の顕著な減少、またはウイルス血症の減少、またはウイルス感染に関連する病変の数もしくは重篤度の減少、またはワクチン接種してない対照と比較した場合の生存をもたらす。また、血清を採取して、当業者によって知られている方法によって測定する、ワクチン注射に応答して産生された抗体のレベルを監視し得る。
【0021】
本開示の別の態様では、有効な組成物の免疫原構成要素は、1つまたは複数のウイルス免疫原をさらに含み得る。
【0022】
ウイルス免疫原は、非感染性かつ主に無症候性とさせるために継代培養し、前処理した、完全な弱毒化したウイルス免疫原であり得る。本明細書中に記載の免疫原性組成物を含めた組成物の作製に用い得る免疫原は、生きた、弱毒化した(CD、CAV−2、CPI、およびCPVなど)、または死滅させた(不活性化させた)ビリオン(CCVなど)であり得る。弱毒化したものである場合は、その免疫原性を保持しながらその有毒性を減らすために、利用可能な技術を用いたウイルスの一連の継代培養が推奨され得る。完全またはサブユニットインフルエンザビリオンは、たとえば、それだけには限定されないが、二元性エチレンイミン、ベータ−プロピオラクトン、ホルマリン、グルタルアルデヒド、および/またはドデシル硫酸ナトリウムのうちの1つまたは複数を含めた、1つまたは複数の化学的不活性化剤を用いた化学的不活性化などの、従来の手段によって不活性化させ得る。また、ビリオンは、紫外光の存在下での熱またはソラレンによっても不活性化させ得る。これらのウイルスの有毒株を弱毒化する方法および不活性化させたウイルス調製物を作製する方法は当技術分野で知られており、たとえば、米国特許第4,567,042号および第4,567,043号に記載されている。本発明のワクチン組成物中で使用するための、これらの病原体からの抗原は、改変した生ウイルス調製物または不活性化させたウイルス調製物の形態とすることができる。
【0023】
他の好ましい実施形態では、免疫原性組成物は、雌ウシなどのウシにおいて、免疫応答、より好ましくは防御免疫応答を誘発する能力を有する。
【0024】
本開示中に記載した免疫原性組成物の実施形態のうちの任意のものは、1つまたは複数の薬学的または獣医学的に許容できる担体または希釈剤をさらに有し得る。他の実施形態では、免疫原性組成物は、少なくとも1つのアジュバントもしくは少なくとも1つの保存料またはその任意の組合せをさらに含み得る。好ましくは、これらの実施形態による免疫原性組成物はワクチン調製物である。
【0025】
本明細書中に記載のように、本開示は、免疫応答を誘発させるために、イヌ科動物、ブタ、またはウシなどの対象への投与に適した免疫原性組成物を提供する。
【0026】
本明細書中で使用する「薬学的に許容できるまたは獣医学的に許容できる担体および/または希釈剤」には、任意かつすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。薬学的に活性のある物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野で周知である。また、抗微生物剤などの補助的活性成分も、組成物内に組み込むことができる。
【0027】
担体は、たとえば、水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、その適切な混合物、ならびに植物油を含有する溶媒または分散媒とすることができる。適切な流動性は、たとえば、レシチンなどのコーティングを使用することによって、分散液の場合は所要の粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって、維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって実施することができる。多くの場合、等張化剤、たとえば、糖または塩化ナトリウムを含めることが好ましいであろう。注射用組成物の持続吸収は、組成物中に、吸収を遅延させる薬剤、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを使用することによって、もたらすことができる。
【0028】
無菌的な注射用液剤は、本開示の多価の免疫原組成物を、所要量の適切な溶媒中に、必要に応じて本明細書中に列挙した他の成分のうちの様々なものと共に組み込むこと、次いで、熱滅菌、照射または他の適切な滅菌手段によって調製される。一般に、分散液は、様々な滅菌した活性成分を、基本分散媒および上記列挙したものからの必要な他の成分を含有する無菌的なビヒクル内に組み込むことによって、調製される。無菌的な注射用液剤を調製するための無菌的な粉末の場合は、好ましい調製方法は、事前に滅菌濾過したその溶液から、任意の追加の所望の成分を加えた活性成分の粉末を与える、真空乾燥および凍結乾燥技法である。
【0029】
投与の容易性および用量の均一性のために、非経口組成物を単位剤形で配合することが特に有利である。本明細書中で使用する単位剤形とは、処置する哺乳動物対象用の単位用量として適した、物理的に分離された単位をいい、それぞれの単位は、所要の薬学的または獣医学的に許容できる担体と関連して所望の治療効果を生じるように計算された、事前に決定された量の活性物質を含有する。
【0030】
本開示の免疫原を含む医薬組成物は、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、湿式粉砕、乳化、カプセル封入、捕捉または凍結乾燥のプロセスによって製造し得る。医薬組成物は、活性抗微生物リポペプチド誘導体を薬学的に使用できる調製物へと配合することを容易にする、1つまたは複数の生理的に許容できる担体、希釈剤、賦形剤または補助剤を用いて、従来の様式で配合し得る。
【0031】
治療的使用のための薬学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤は医薬分野で周知であり、本明細書中、ならびにたとえばRemington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro編、第18版、1990)およびCRC Handbook of Food, Drug, and Cosmetic Excipients、CRC Press LLC(S.C.Smolinski編、1992)に記載されている。特定の実施形態では、免疫原性組成物は、水もしくはマンニトール溶液などの水性(たとえば、約1%〜約20%)、疎水性(たとえば、油もしくは脂質)、またはその組合せ(たとえば、油および水の乳濁液)である、薬学的または獣医学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤を用いて配合し得る。特定の実施形態では、本明細書中に記載の医薬組成物のうちの任意のものは、保存料もしくは安定化剤(たとえば抗生物質)を有する、または無菌的である。
【0032】
本開示の医薬組成物は、その中に含有される免疫原が、組成物を対象に投与した際に生体利用可能となるように、配合することができる。投与後の血清および他の組織中の免疫原のレベルは、クロマトグラフィーまたは抗体(たとえばELISA)に基づくアッセイなどの、様々な十分に確立されている技法によって監視することができる。他の実施形態では、免疫原性組成物は、動物またはヒトなどの、それを必要としている対象(たとえばグラム陽性細菌感染症に罹患している)に非経口投与するために配合される。好ましい投与経路には、皮下および筋肉内投与が含まれる。
【0033】
適当な配合は、当技術分野で知られているように、選択された投与経路に依存する。たとえば、全身性配合物は、注射、たとえば、皮下、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内または腹腔内の注射による投与のために設計されたもの、および経皮、経粘膜、経口、鼻腔内、または肺の投与のために設計されたものが含まれる一実施形態である。一実施形態では、全身性配合物は無菌的である。注射用の実施形態では、本開示の免疫原性組成物は、水溶液、好ましくは生理的に適合性のある溶液、またはハンクス溶液、リンゲル液、マンニトール溶液もしくは生理食塩水緩衝液などの緩衝液中で配合し得る。特定の実施形態では、本明細書中に記載の免疫原性組成物のうちの任意のものは、懸濁剤、安定化剤または分散剤などの配合剤を含有し得る。代替として、免疫原性組成物は、使用前に適切なビヒクル(たとえば無菌的な発熱物質非含有水)で構成するための、固体(たとえば粉末)の形態であり得る。経粘膜投与のための実施形態では、透過する障壁に適した浸透剤、可溶化剤または軟化剤を配合物中で使用し得る。たとえば、1−ドデシルヘキサヒドロ−2H−アゼピン−2−オン(Azone(登録商標))、オレイン酸、プロピレングリコール、メントール、ジエチレングリコールエトキシグリコールモノエチルエーテル(Transcutol(登録商標))、ポリソルベートポリエチレンソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)−20)、および薬物7−クロロ−1−メチル−5−フェニル−3H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(ジアゼパム)、ミリスチン酸イソプロピル、ならびに当技術分野で一般に知られている他の浸透剤、可溶化剤または軟化剤を、本開示の組成物のうちの任意のものの中で使用し得る。投与は、経路の組合せを用いて、たとえば、最初の投与は非経口経路を用い、続く投与は粘膜経路を用いて、達成することができる。
【0034】
本開示に従って、免疫原性組成物には、一般に獣医学的に許容できる担体が含まれる。本明細書中に記載のように、獣医学的に許容できる担体には、任意かつすべての溶媒、分散媒、コーティング、アジュバント、安定化剤、希釈剤、保存料、抗細菌剤および抗真菌剤、等張化剤、吸収遅延剤などが含まれる。希釈剤には、水、生理食塩水、デキストロース、エタノール、グリセロールなどが含まれ得る。等張化剤には、とりわけ、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、およびラクトースが含まれ得る。安定化剤には、とりわけアルブミンが含まれる。
【0035】
別の態様では、本開示は、本明細書中に定義した免疫原性組成物を含む有能な医薬キットを提供する。また、キットは、動物の疾患(本明細書中に記載のBTVなど)の処置における使用説明書もさらに含み得る。免疫原性組成物の活性薬剤は、単位剤形中に同時梱包し得る。
【0036】
液体として投与する場合、ワクチンは、水溶液、シロップ、エリキシル、チンキ剤などの形態で調製し得る。そのような配合物は当技術分野で知られており、典型的には、抗原および他の典型的な添加剤を適切な担体または溶媒系中に溶かすことによって調製される。適切な「生理的に許容できる」担体または溶媒には、それだけには限定されないが、水、生理食塩水、エタノール、エチレングリコール、グリセロールなどが含まれる。典型的な添加剤は、たとえば、認定されている色素、香料、甘味料およびチメロサール(エチル水銀チオサリチル酸ナトリウム)などの抗微生物保存料である。そのような溶液は、たとえば、部分的に加水分解したゼラチン、ソルビトールまたは細胞培養培地を加えることによって安定化してよく、また、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素酸ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素酸カリウム、その混合物などの当技術分野で知られている試薬を用いた従来の方法によって緩衝し得る。
【0037】
また、液体配合物には、懸濁剤または乳化剤を他の標準の同時配合剤と組み合わせて含有する、懸濁液および乳濁液も含まれ得る。これらの種類の液体配合物は、従来の方法によって調製し得る。懸濁液は、たとえばコロイドミルを用いて調製し得る。乳濁液は、たとえばホモジナイザーを用いて調製し得る。
【0038】
体液系内に注射するために設計された非経口配合物は、対応するブタ体液のレベルまでの適当な等張性およびpH緩衝を必要とする。等張性は、必要に応じて塩化ナトリウムおよび他の塩を用いて適切に調節することができる。エタノールまたはプロピレングリコールなどの適切な溶媒を用いて、配合物中の成分の溶解度および液体調製物の安定性を増加させることができる。本ワクチン中で用いることができるさらなる添加剤には、それだけには限定されないが、デキストロース、通常の抗酸化剤およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの通常のキレート化剤が含まれる。また、非経口剤形は、使用前に滅菌しなければならない。
【0039】
定義
本明細書および添付の特許請求の範囲中で使用する単数形「a」、「an」、および「the」には、内容により明らかにそうでないと指示される場合以外は、複数形への言及が含まれる。したがって、たとえば、「方法」への言及には、1つまたは複数の、方法、および/または本明細書中に記載の種類のステップ、および/または本開示を読んだ際に当業者に明らかとなるものなどが含まれる。
【0040】
したがって、本出願では、当技術分野の技術範囲内にある通常の分子生物学、微生物学、および組換えDNA技法を用い得る。そのような技法は、文献中に完全に説明されている。たとえば、Sambrook、FritschおよびManiatis、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York(本明細書中で「Sambrookら、1989」)、DNA Cloning:A Practical Approach、第IおよびII巻(D.N.Glover編、1985)、Oligonucleotide Synthesis (M.J.Gait編、1984)、Nucleic Acid Hybridization(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編(1985))、Transcription And Translation(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編(1984))、Animal Cell Culture(R.I.Freshney編(1986))、Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press、(1986))、B.Perbal、A Practical Guide To Molecular Cloning(1984)、F.M.Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley&Sons,Inc.(1994)を参照されたい。
【0041】
本明細書中に記載のものと同様または等価の、任意の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、以降、好ましい方法および材料を記載する。本明細書中で言及するすべての出版物は、その全体が参照により組み込まれている。
【0042】
本明細書中で使用する用語は、当業者に認識および知られている意味を有するが、利便性および完全性のために、特定の用語およびその意味を以下に記載する。
【0043】
用語「約」または「およそ」とは、統計的に有意な範囲内の値を意味する。そのような範囲は、所定の値または範囲の一桁以内、典型的には50%以内、より典型的には20%以内、より典型的にはさらに10%以内、さらにより典型的には5%以内とすることができる。用語「約」または「およそ」によって包含される、許容できるばらつきは、研究下にある特定の系に依存し、当業者は容易に理解することができる。
【0044】
「アジュバント」とは、組成物、典型的にはワクチン組成物中の抗原の免疫原性を増強させる1つまたは複数の物質からなる組成物を意味する。アジュバントは、抗原をゆっくりと放出する組織デポーとして、また、免疫応答を非特異的に増強させるリンパ系の活性化剤としても役割を果たすことができる(Hoodら、Immunology、第2版、Menlo Park、CA:Benjamin/Cummings、1984.384ページ)。しばしば、アジュバントの非存在下で抗原を単独で用いた一次ワクチン接種は、液性または細胞性の免疫応答を誘発することができない。アジュバントには、それだけには限定されないが、完全フロイントアジュバント、不完全フロイントアジュバント、水酸化アルミニウムなどの鉱物ゲル、界面活性物質、たとえば、リゾレシチン、pluronicポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油または炭化水素の乳濁液、キーホールリンペットヘモシアニン、ならびにN−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン、BCG(カルメット−ゲラン(Calmette−Guerin)桿菌)およびコリネバクテリウム・パルバム(Corynebacterium parvum)などの潜在的に有用なヒトアジュバントが含まれる。好ましくは、アジュバントは生物学的に許容できるものである。本発明の一実施形態では、組成物は、2つのアジュバント、水酸化アルミニウムおよびサポニンの組合せで投与する。
【0045】
本明細書中に記載の組成物中で用いるアジュバントは、典型的には「生物学的に許容できるアジュバント」であり、したがって、生じる組成物を、動物に対して付随する毒性なしにin vivoで投与し得るように、不活性化させたBTVと組み合わせて使用し得る。水酸化アルミニウム、サポニン、SP−Oil、SL−CD、またはCarbopolからなる群から選択される1つまたは複数の生物学的に許容できるアジュバントと組み合わせた、2度不活性化させたBTVが含まれる組成物が本明細書中で例示される。特定の実施形態では、BTVに対して好ましい免疫応答を誘発させるために、2つのアジュバントを使用する。他の実施形態では、1つまたは複数の不飽和テルペン炭化水素などの代謝可能な油の混合物の使用を検討してよく、たとえば、スクワレンまたはスクワラン、およびPluronic(登録商標)などのポリオキシエチレン−ポリプロピレンブロックコポリマーがある。
【0046】
BTVの不活性化させた株またはそれに由来する分子は、免疫グロブリン(抗体)またはT細胞抗原受容体などの免疫系抗原認識分子と特異的に相互作用する能力を有する場合に、「抗原性」である。典型的には、抗原性分子は、少なくとも約5個、典型的には少なくとも約10個のアミノ酸の「エピトープ」を含有するポリペプチド、またはその変異体である。本明細書中で「エピトープ」とも呼ばれる、ポリペプチドの抗原性部分は、抗体もしくはT細胞受容体の認識について免疫優性である部分とすることができるか、または、免疫化のために抗原性部分を担体ポリペプチドとコンジュゲートさせることによって、分子に対する抗体を生じさせるために使用する部分とすることができる。抗原性である分子は、それ自体が免疫原性である必要はない、すなわち、担体なしに免疫応答を誘発させる能力を有する必要はない。
【0047】
本開示中、「含む(comprise)」、「含まれる(comprised)」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有している(containing)」などの用語は、米国特許法においてそれらのものとみなされる意味を有することができ、たとえば、これらは「含まれる(include)」、「含まれる(included)」、「含んでいる(including)」などを意味し得ることに注目されたい。「から本質的になっている(consisting essentially of)」および「から本質的になる(consist essentially of)」などの用語は、米国特許法においてそれらのものとみなされる意味を有し、たとえば、本発明の新規または基本的な特徴を損ねずに追加の成分またはステップの包含を可能にする、すなわち、これらは本発明の新規または基本的な特徴を損ねる追加の列挙していない成分またはステップを排除し、また、特に本文書の目的は、特許性のある、たとえば、新規であり、自明でなく、従来技術、たとえば、本明細書中で引用したまたは本明細書中に参照により組み込まれている文書を超える進歩性がある実施形態を定義することであるため、これらは本明細書中で引用したまたは本明細書中に参照により組み込まれている文書などの従来技術の成分またはステップを排除する。また、用語「からなる(consist of)」および「からなっている(consisting of)」は、米国特許法においてそれらのものとされている意味を有する、すなわち、これらの用語は制限的である。
【0048】
ワクチンまたは免疫原性組成物に対する「免疫応答」とは、対象における、対象の抗原またはワクチン組成物中に存在する分子に対する液性および/または細胞媒介性の免疫応答の発生である。本発明の目的のために、「液性免疫応答」とは、抗体媒介性免疫応答であり、本発明の抗原/ワクチンに対して親和性を有する抗体の産生を含む一方で、「細胞媒介性免疫応答」とは、Tリンパ球および/または他の白血球によって媒介されるものである。「細胞媒介性免疫応答」は、主要組織適合複合体(MHC)のクラスIまたはクラスII分子と会合した抗原性エピトープの提示によって誘発される。これは、抗原に特異的なCD4+Tヘルパー細胞またはCD8+細胞毒性Tリンパ球細胞(「CTL」)を活性化させる。CTLは、主要組織適合複合体(MHC)によってコードされており、細胞の表面上に発現されるタンパク質と会合して提示されるペプチド抗原に対して、特異性を有する。CTLは誘導を助け、細胞内微生物の細胞内破壊、またはそのような微生物に感染した細胞の溶解を促進する。細胞性免疫の別の態様は、ヘルパーT細胞による抗原に特異的な応答を含む。ヘルパーT細胞は、その表面上のMHC分子と会合したペプチド抗原を提示している細胞に対する、非特異的エフェクター細胞の機能を刺激し、その活性を集中させることを助けるように作用する。また、「細胞媒介性免疫応答」とは、サイトカイン、ケモカイン、ならびに、CD4+およびCD8+T細胞に由来するものを含めた、活性化されたT細胞および/または他の白血球によって産生された他の分子の産生もいう。細胞媒介性免疫学的応答を刺激する特定の抗原または組成物の能力は、リンパ球増殖(リンパ球活性化)アッセイ、CTL細胞毒性細胞アッセイ、感作化した対象において抗原に特異的なTリンパ球についてアッセイすること、または抗原を用いた再刺激に応答したT細胞によるサイトカイン産生の測定などの、いくつかのアッセイによって決定し得る。そのようなアッセイは当技術分野で周知である。たとえば、Ericksonら、J.Immunol.、(1993)151:4189〜4199、Doeら、Eur.J.Immunol.、(1994)24:2369〜2376を参照されたい。
【0049】
「免疫原性的に有効な量」とは、動物において免疫応答を誘発させる、完全な不活性化させたBTVの量である。この量は、レシピエント動物の種、品種、年齢、大きさ、健康状態に依存し、その1つまたは複数の株が毒性株または無毒性株のいずれであるにしても、BTVの1つまたは複数の株への動物の以前の曝露によって影響を受ける。本明細書中で使用する、1つまたは複数の適切なアジュバントと組み合わせて用いた場合の、完全な不活性化させたBTVの「免疫原性的に有効な量」とは、BTVの免疫原性を増強させるために十分であり、したがって、病原性または有毒のBTVの株または血清型を用いたチャレンジに対する防御免疫を提供する、BTVの量である。
【0050】
用語「免疫原性」とは、液性もしくは細胞媒介性のどちらか、または両方の免疫応答を誘発させる、抗原またはワクチンの能力をいう。本明細書中で使用する用語「免疫原性」とは、BTVが液性および/または細胞性の免疫応答を誘発させる能力を有することを意味する。また、免疫原性株は抗原性でもある。免疫原性組成物とは、動物に投与した場合に液性および/または細胞性の免疫応答を誘発させる組成物である。
【0051】
用語「免疫原性組成物」とは、動物において免疫応答を誘発させるために使用することができる、抗原、たとえば微生物を含有する任意の医薬組成物に関する。免疫応答には、T細胞応答、B細胞応答、またはT細胞およびB細胞応答の両方が含まれ得る。組成物は、細胞表面でMHC分子と会合した抗原を提示することによって、動物を感作させる役割を果たし得る。さらに、免疫化した宿主の将来の防御を可能にするために、抗原に特異的なTリンパ球または抗体を産生させることができる。「免疫原性組成物」は、細胞媒介性(T細胞)免疫応答もしくは抗体媒介性(B細胞)免疫応答のどちらか、または両方を誘導する、全微生物またはそれに由来する免疫原性部分を含む、生きた、弱毒化した、または死滅させた/不活性化させたワクチンを含有していてよく、動物を微生物による感染に関連する1つもしくは複数の症状から防御し得る、または動物を微生物の感染が原因の死亡から防御し得る。
【0052】
用語「不活性化させた」とは、本発明のワクチンまたは免疫原性組成物中で使用する微生物の非感染性性質をいう。詳細には、当業者は、ワクチン目的で微生物を非感染性にするために使用し得る材料、たとえばBEIを認識している。本発明では、ブルータングウイルスを非感染性にするための特定の方法も開発されているが、これらの方法は、ワクチン調製物の免疫原性を保持する一方で、同時にウイルス調製物の完全な不活性化をもたらすことも特に強調して開発されている。
【0053】
本明細書中で使用する、用語「単離した」とは、言及した材料がそのネイティブ環境から取り出されていることを意味する。したがって、単離した生体物質は、一部またはすべての細胞成分、すなわち、ネイティブ材料が天然に存在する細胞の構成要素(たとえば、細胞質または膜の構成要素)を含まないとすることができる。材料は、細胞抽出物または上清中に存在する場合に、単離されている。単離したタンパク質は、それが細胞中で会合している他のタンパク質や核酸、もしくは両方と、または膜会合タンパク質である場合は細胞膜と会合していてもよい。単離したオルガネラ、細胞、または組織は、それが生物中で見つかる解剖学的部位から取り出されている。単離した材料は、そうである必要はないが、精製されていてよい。
【0054】
本明細書中で使用する用語「非経口投与」とは、胃腸管を通るもの以外の何らかの他の手段による投与、特に、静脈内、皮下、筋肉内、または髄内の注射による、生物内への物質の導入を意味するが、腹腔内注射または局所的塗布などの他の非経口および非経鼻投与経路も意味する。
【0055】
用語「病原性」とは、細菌またはウイルスなどの任意の感染性因子の、疾患を引き起こす能力をいう。本発明の様式では、用語「病原性」とは、ブルータングウイルス(BTV)の、反芻動物、特にヒツジまたは仔ヒツジにおいて疾患を引き起こす能力をいう。「非病原性」微生物とは、BTVの「病原性」株について上記注目した特徴を欠く微生物をいう。BTVによって引き起こされる疾患は、しばしば、感染性ウシウイルス性下痢、水疱性口内炎ウイルス、悪性カタル性発熱、糸状菌性口内炎、牛疫、光感作、および口蹄疫に似ている、感染した動物における病変によって特徴づけられる。ブルータングウイルス(BTV)は、畜牛における水無脳症ならびに畜牛およびヒツジにおける不妊症、妊娠中絶、および欠陥のある幼体の出生の原因としてみなされている。
【0056】
用語「薬学的に許容できる担体」とは、ヒトおよび非ヒト動物を含めた動物で使用するために、連邦政府、州政府の規制機関、もしくは他の規制機関によって認可されている、または米国薬局方もしくは他の一般に認識されている薬局方に記載されている担体を意味する。用語「担体」とは、医薬組成物を共に投与する希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルをいう。そのような医薬担体は、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱物油、ゴマ油などの、石油、動物、植物または合成起源のものを含めた、水および油などの無菌的な液体とすることができる。医薬組成物を静脈内投与する場合は、水が好ましい担体である。また、生理食塩水およびデキストロース水溶液およびグリセロール溶液は、特に注射用液剤のための液体担体として用いることもできる。適切な医薬賦形剤には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが含まれる。所望する場合は、組成物は、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤も含有することができる。これらの組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、錠剤、丸薬、カプセル、粉末、持続放出配合物などの形態をとることができる。組成物は、伝統的な結合剤およびトリグリセリドなどの担体を用いて、坐薬として配合することができる。経口製剤には、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準の担体が含まれ得る。適切な医薬担体の例はE.W.Martinの「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載されている。配合物は投与様式に適しているべきである。
【0057】
用語「防御する」とは、特定の病原体、たとえばブルータングウイルスに対する免疫応答を誘導することによって、たとえば動物、特に哺乳動物、たとえば、ヒツジ、仔ヒツジ、ヤギまたはウシを、感染または疾患から保護することをいう。そのような防御は、一般に、動物を本明細書中に記載のワクチン組成物で処置した後に達成される。
【0058】
本明細書中で使用する用語「精製した」とは、非関連の材料、すなわち、材料が得られたネイティブ材料を含めた汚染物質の存在を低減または排除する条件下で単離された材料をいう。たとえば、精製した細菌またはタンパク質は、典型的には、組織培養物または卵タンパク質、非特異的な病原体などを含めた宿主細胞または培養の構成要素を実質的に含まない。本明細書中で使用する用語「実質的に含まない」とは、材料の分析試験の状況において操作上(operationally)使用する。典型的には、汚染物質を実質的に含まない精製した材料は、少なくとも50%純粋、より典型的には少なくとも90%純粋、より典型的にはさらに少なくとも99%純粋である。純度は、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、免疫アッセイ、組成分析、生物学的アッセイ、および当技術分野で知られている他の方法によって評価することができる。精製方法は当技術分野で周知である。用語「実質的に純粋」とは、当技術分野で知られている従来の精製技法を用いて達成することができる最高度合の純度を示す。
【0059】
「サポニン」はLacaille−Dubois,MおよびWagner H.(1996.A review of the biological and pharmacological activities of saponins.Phytomedicine、第2巻、363〜386ページ)中に教示されている。サポニンは、植物および海生動物界に広く分布するステロイドまたはトリテルペングリコシドである。サポニンは、水中で振盪した際に発泡するコロイド状溶液を形成し、コレステロールを沈殿させることが注目されている。サポニンは、細胞膜の付近にある場合に、膜中に孔様の構造を作り、これは膜の破裂を引き起こす。赤血球の溶血がこの現象の一例であり、これは、すべてではないが特定のサポニンの特性である。サポニンは、全身投与用のワクチンにおけるアジュバントとして知られている。個々のサポニンのアジュバントおよび溶血活性は、当技術分野において大規模に研究されている(Lacaille−DuboisおよびWagner、上記)。たとえば、「QuilA」(南米の樹木キラヤ・サポニア・モリナ(Quillaja Saponaria Molina)の樹皮に由来する)、およびその画分は、米国特許第5,057,540号および「Saponins as vaccine adjuvants」、Kensil,C.R.、Crit Rev Ther Drug Carrier Syst、1996、12(1〜2):1〜55、ならびにEP 0 362 279 B1号に記載されている。QuilAの画分を含む、免疫刺激複合体(ISCOM)と呼ばれる粒子状構造は溶血性であり、ワクチンの製造において使用されている(Morein,B.、EP 0 109 942 B1号)。これらの構造は、アジュバント活性を有することが報告されている(EP0 109 942 B1号、WO96/11711号)。溶血性サポニンQS21およびQS17(QuilAのHPLC精製した画分)は強力な全身性アジュバントとして記載されており、その生成方法は米国特許第5,057,540号およびEP0 362 279 B1号に開示されている。また、これらの参考文献中には、全身性ワクチン用の強力なアジュバントとして作用する、QS7(Quil−Aの非溶血性画分)の使用も記載されている。QS21の使用は、Kensilら(1991、J.Immunology、第146巻、431〜437)にさらに記載されている。QS21とポリソルベートまたはシクロデキストリンとの組合せも知られている(WO99/10008号)。QS21およびQS7などのQuilAの画分を含む粒子状アジュバント系は、WO96/33739号およびWO96/11711号に記載されている。全身性ワクチン接種の研究に使用されている他のサポニンには、カスミソウ属(Gypsophila)およびサポナリア属(Saponaria)などの他の植物種に由来するものが含まれる(Bomfordら、Vaccine、10(9):572〜577、1992)。また、サポニンは、粘膜塗布するワクチンの研究に使用されていることも知られており、これは、免疫応答の誘導における可変性の成功を収めている。Quil−Aサポニンは、抗原を鼻腔内投与した場合に免疫応答の誘導に対して効果を与えないことが、以前に示されている(Gizurarsonら、1994、Vaccine Research、3、23〜29)。他方で、他の著者がこのアジュバントの使用に成功している(Maharajら、Can.J.Microbiol、1986、32(5):414〜20。ChavaliおよびCampbell、Immunobiology、174(3):347〜59)。QuilAサポニンを含むISCOMは胃内および鼻腔内ワクチン配合物に使用されており、アジュバント活性を示している(McI Mowatら、1991、Immunology、72、317〜322、McI MowatおよびDonachie、Immunology Today、12、383〜385)。また、QuilAの無毒性画分であるQS21も、経口または鼻腔内アジュバントとして記載されている(Suminoら、J.Virol.、1998、72(6):4931〜9、WO98/56415号)。鼻腔内ワクチン接種の研究における他のサポニンの使用が記載されている。たとえば、キノア(Chenopodium quinoa)のサポニンは、鼻腔内および胃内のワクチンのどちらにも使用されている(Estradaら、Comp.Immunol.Microbiol.Infect.Dis.、1998、21(3):225〜36)。
【0060】
用語「SL−CD」とは、米国特許第6,610,310号および第6,165,995号に記載のシクロデキストリンアジュバントのファミリーに属する、スルホリポ−シクロデキストリンをいう。典型的には、SL−CDは、1つまたは複数の不飽和テルペン炭化水素などの代謝可能な油、たとえばスクワラン、好ましくはモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどの非イオン性界面活性剤との混合物中で配合される。
【0061】
用語「SP−Oil」とは、1%〜3%vol/volのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、2%〜6%vol/volのスクワラン、0.1%〜0.5%vol/volのモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、および緩衝塩溶液を含む油乳濁液であるアジュバントをいう。
【0062】
用語「哺乳動物」には、単孔類動物(たとえばカモノハシ)、有袋類動物(たとえばカンガルー)、および有胎盤動物(placental)が含まれ、これには家畜(雄ブタ、ヒツジ、畜牛、およびウマなどの、食品、乳、または繊維のために飼育された家畜)ならびに伴侶動物(たとえば、イヌ、ネコ)が含まれる。「有蹄動物」には、それだけには限定されないが、畜牛(ウシ科動物)、水牛、バイソン、ヒツジ、ブタ、シカ、ゾウ、およびヤクが含まれる。これらのそれぞれには、成体および発生中の形態(たとえば、仔ウシ、仔ブタ、仔ヒツジなど)がどちらも含まれる。本発明の免疫原性組成物は、成体または発生中の哺乳動物、好ましくは家畜のいずれにも投与することができる。用語「反芻動物」とは、ウシ、ヒツジ、キリン、ヤギおよびシカを含めた、その胃が特徴的に4つの部分に分割している有蹄、さらには有脚の、通常は有角の哺乳動物の任意の品種をいう。
【0063】
本明細書中で使用する「処置」(その変形、たとえば「処置する」または「処置した」が含まれる)とは、以下のうちの任意の1つまたは複数をいう:(i)伝統的なワクチンなどにおける、感染または再感染の予防、(ii)症状の重篤度の低減または排除、および(iii)問題の病原体または障害の実質的または完全な排除。したがって、処置は、予防的(感染前)または治療的(感染後)に実施し得る。本発明では、予防的処置が好ましい様式である。本発明の特定の実施形態によれば、宿主動物を、ウイルス感染に対して、予防的および/または治療的に免疫化することを含めて処置する、組成物および方法が提供される。本発明の方法は、動物、好ましくはヒツジ、仔ヒツジ、ウシまたはヤギなどの哺乳動物に予防的および/または治療的免疫を与えるために有用である。また、本発明の方法は、生物医学的研究の応用のために、哺乳動物で実施することもできる。
【0064】
互換性があるように使用する用語「ワクチン」または「ワクチン組成物」とは、動物において免疫応答を誘導する少なくとも1つの免疫原性組成物を含む医薬組成物をいう。ワクチンまたはワクチン組成物は、動物を感染が原因の疾患または場合によっては死亡から防御することができ、活性構成要素の免疫学的活性を増強させる1つまたは複数の追加の構成要素が含まれていても、含まれていなくてもよい。ワクチンまたはワクチン組成物は、医薬組成物に典型的なさらなる構成要素をさらに含み得る。ワクチンまたはワクチン組成物は、たとえばアジュバントまたは免疫調節物質を含めた、ワクチンまたはワクチン組成物に典型的なさらなる構成要素をさらに含み得る。ワクチンの免疫原性的に活性のある構成要素は、その元々の形態、もしくは改変した生ワクチン中の弱毒化した生物としての、完全な生きた生物、または、死滅もしくは不活性化させたワクチン中の適切な方法によって不活性化させた生物、または、ウイルスの1つもしくは複数の免疫原性構成要素を含むサブユニットワクチン、または、当業者に知られている方法によって調製した遺伝子操作、突然変異もしくはクローニングしたワクチンを含み得る。ワクチンまたはワクチン組成物は、1つまたは同時に複数の上述した要素を含み得る。
【実施例】
【0065】
(実施例1)
不活性化前に500抗原単位/ml以上を含有する市販のBTV−8ワクチン(BOVILIS BTV−8/「ワクチンA」)でプライムした畜牛における、単一のブースト用量のZulvac(登録商標)8Bovis(Fort Dodge)に対する中和抗体応答を評価すること。3つの市販の不活性化させたBTV−8ワクチンが、英国において蓄牛での使用が認可されている。
【0066】
7カ月前に2回の用量のBOVILIS BTV−8でプライムした24匹の去勢牛を、類似のBTV−8血清中和試験(SNT)抗体価を有する3つの群に分けた。すべてはBTV−8 RT−PCR陰性であった。第1群(n=4匹)は、対照として未処置のままであった。第2群(n=10匹)には、単一用量のBOVILIS BTV−8を投与した。第3群(n=10匹)には、単一用量のZulvac8Bovisを投与した。血液試料をワクチン接種後に週に1回の間隔で8週間の間採取し、16週間目に再度採取し、SNTのために英国における独立した国際参照研究所(international reference laboratory)に送った。
【0067】
BOVILIS BTV8は市販のBTVワクチンである。このワクチンの1ml用量は、以下を含有する。
不活性化前の少なくとも500抗原単位/mlのブルータングウイルス血清型8。
1回の用量あたりのアジュバント:16.7mgの100%の水酸化アルミニウム、0.31mgのサポニン。
また、組成物は、トロメタモール、塩化ナトリウム、マレイン酸、消泡剤、注射用水も含む。
【0068】
ZULVAC8BOVISは、Fort Dodgeから入手可能なBTV BOVILIS BTV−8である。2mlの用量は、不活性化させたブルータングウイルス、血清型8、株BTV−8/BEL2006/02力価≧106.7TCID50を含有する(不活性化前に測定)。
1回の用量あたりのアジュバント:385.2mg(4mgのAl3+)の3%の水酸化アルミニウムゲルおよび0.4mgのサポニン。
また、組成物は以下も含む:
アルミニウムゲル水酸化物
サポニン
チオマーサル
塩化カリウム
リン酸二水素酸カリウム
リン酸水素二ナトリウム十二水和物
塩化ナトリウム
注射用水
【0069】
結果
SNT抗体価は、最大の陽性血清希釈率のlog10逆数として表した。曲線下面積(AUC)を繰返し測定の略式の指標として使用した。平均AUCは第1〜3群にわたって有意に異なっていた(一方向ANOVA、p=0.023):それぞれ173.0対191.8対272.5単位。事後LSD試験により、第2および3群(p=0.017)ならびに第1および3群(p=0.025)の間に統計的に有意な差異が示されたが、第1および2群(p=0.651)の間では示されなかった。ペアでの差異は、ボンフェローニ調節後に有意でなかった。
【0070】
結論
BOVILIS BTV−8でプライムした畜牛では、ブースト用量のZulvac8Bovisは、ブースト用量のBOVILIS BTV−8よりも5倍高い中和抗体応答を生じた。感染からの防御の差異を決定するためにはチャレンジ研究が必要である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に、ブルータングウイルスを含む第1の免疫原性組成物の少なくとも1回用量を投与するステップと、
対象に、ブルータングウイルスを含む第2の免疫原性組成物の少なくとも1回用量を投与するステップと
を含み、第1および第2の免疫原性組成物が異なっており、第2の免疫原性組成物が、第1の免疫原性組成物を投与した後に投与される、対象において抗原特異的免疫応答を生じさせる方法。
【請求項2】
ブルータングウイルスが血清型8である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の免疫原性組成物がBOVILIS BTV−8であり、第2の免疫原性組成物がZULVAC(登録商標)8BOVISである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1の免疫原性組成物がZULVAC(登録商標)8BOVISであり、第2の免疫原性組成物がBOVILIS BTV−8である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
第1および第2の免疫原性組成物のうちの少なくとも1つが、静脈内、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、経口、直腸、鼻腔内、頬側、および経膣からなる群から選択される経路によって投与される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1の免疫原性組成物が、筋肉内または皮下経路を用いて投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第2の免疫原性組成物が、筋肉内または皮下経路を用いて投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2の免疫原性組成物が、第1の免疫原性組成物が投与された後の約10週間以内に投与される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
第2の免疫原性組成物が、第1の免疫原性組成物が投与された約7週間後に投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
対象に、ブルータングウイルスを含む第1の免疫原性組成物の少なくとも1回用量を投与するステップと、
対象に、ブルータングウイルスを含む第2の免疫原性組成物の少なくとも1回用量を投与するステップと
を含み、第1および第2の免疫原性組成物が異なっており、第2の免疫原性組成物が、第1の免疫原性組成物が投与された後に投与される、対象においてウイルス感染を処置する方法。
【請求項11】
ブルータングウイルスが血清型8である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1の免疫原性組成物がBOVILIS BTV−8であり、第2の免疫原性組成物がZULVAC(登録商標)8BOVISである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1の免疫原性組成物がZULVAC(登録商標)8BOVISであり、第2の免疫原性組成物がBOVILIS BTV−8である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ブルータングウイルスを含む第1の免疫原性組成物、および
第1の免疫原性組成物の後に投与される、ブルータングウイルスを含む第2の免疫原性組成物
を含む、対象において抗原特異的免疫応答を生じさせるための免疫原性組成物。
【請求項15】
第1および第2の免疫原性組成物が、ZULVAC(登録商標)8BOVISおよびBOVILIS BTV−8から選択される、請求項14に記載の免疫原性組成物。
【請求項16】
ブルータングウイルスを含む第1の免疫原性組成物、および第1の免疫原性組成物の後に投与されるブルータングウイルスを含む第2の免疫原性組成物を含み、第1の免疫原性組成物が第2の免疫原性組成物とは異なる、対象において抗原特異的応答を生じさせるためのキット。
【請求項17】
第1および第2の免疫原性組成物が、ZULVAC(登録商標)8BOVISおよびBOVILIS BTV−8から選択される、請求項16に記載のキット。

【公表番号】特表2013−503869(P2013−503869A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527945(P2012−527945)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/047096
【国際公開番号】WO2011/028652
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】