説明

ブレ補正ユニット、レンズ鏡筒及び光学機器

【課題】ねじ止めによる部材の変形を回避すると同時に、ロックリング及び周辺部材の設計自由度を阻害しないロックリングの組立構造を備えるブレ補正ユニットを提供する。
【解決手段】
像ブレを補正するために光軸(α)と交差する方向に移動する可動部(20)と、前記可動部を前記光軸と交差する方向に相対移動可能に保持する保持部(10)と、略円環形状であり、外周面の少なくとも一部が前記保持部に係合し、前記可動部の相対移動を禁止するロック位置と、前記可動部の相対移動を可能とする解除位置との間で変位するロック部(30)と、前記ロック部および前記保持部の一方に設けられ、前記光軸方向に延在し、前記ロック部および前記保持部の他方と係合させる際に前記光軸と交差する方向に弾性変形可能な弾性部材(11)と、を有することを特徴とするブレ補正ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレ補正ユニット、レンズ鏡筒及び光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
手振れなどによる撮像画像のブレを抑制するブレ補正ユニットとして、ブレ補正用のレンズを保持する可動枠と、当該可動枠を相対移動可能に保持する固定枠に加えて、ブレ補正を行わない時に可動枠を固定するロックリングを有するものが提案されている。可動枠がロックリングによって固定されることにより、ブレ補正レンズ群は、ブレ補正動作が実施されない場合には光軸中心付近に固定され、撮影光学系は好適な光学特性を発揮することができる。
【0003】
さらに、ロックリングの組立構造として、ロックリングを光軸方向に挟み込む蓋部材を用いて、当該蓋部材を固定枠にねじ止めするものが提案されている(特許文献1等参照)。また、その他のロックリングの組立構造として、取付位置から光軸周りに相対回転させることによって、ロックリングと固定対象とを組み合わせるバヨネット方式を採用する構造も提案されている(特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−169130号公報
【特許文献2】特開2011−28047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、蓋部材でロックリングを挟み込む組立方式では、ロックリングの他に蓋部材やネジという部品が必要となるため部品点数が多く、生産性およびコストの面で課題を有する。また、蓋部材の固定のためにねじをねじ込む際に固定枠が変形し、撮影光学系の光学性能の劣化を招く場合があり、問題となっていた。また、バヨネット方式による組立方式では、ロックリングと周辺部材との干渉を避けるためにロックリング及び他の部材に要求される空間的な制約が大きくなり、設計自由度が小さくなるという問題を有している。バヨネット方式による組立方式では、ロックリングが組立後に作動する角度領域だけでなく、組立の際にロックリングが通過する角度領域についても、他の部材との干渉を避ける必要があるからである。
【0006】
本発明に係るブレ補正ユニット等は、ねじ止めによる部材の変形を回避すると同時に、ロックリング及び周辺部材の設計自由度を阻害しないロックリングの組立構造を備えるブレ補正ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るブレ補正ユニットは、
像ブレを補正するために光軸(α)と交差する方向に移動する可動部(20)と、
前記可動部を前記光軸と交差する方向に相対移動可能に保持する保持部(10)と、
略円環形状であり、外周面の少なくとも一部が前記保持部に係合し、前記可動部の相対移動を禁止するロック位置と、前記可動部の相対移動を可能とする解除位置との間で変位するロック部(30)と、
前記ロック部および前記保持部の一方に設けられ、前記光軸方向に延在し、前記ロック部および前記保持部の他方と係合させる際に前記光軸と交差する方向に弾性変形可能な弾性部材(11)と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、例えば、前記弾性部材は、前記光軸方向の先端側に、前記弾性部材から前記光軸側に向けて突出する先端部(13)が形成されていても良い。
【0009】
また、例えば、前記先端部は、前記光軸方向先端側であって前記光軸に対する傾きが第1の角度(θ)である第1面(14)と、前記第1面より前記光軸方向後側であって前記光軸に対する傾きが前記第1の角度より大きい第2の角度(θ)で前記ロック部および前記保持部の前記他方と接触する第2面(15)と、を有しても良い。
【0010】
また、例えば、前記第2面は、略球状に突出した表面を備え前記ロック部および前記保持部の前記他方と摺動する摺動突部(15a)を有しても良い。
【0011】
本発明に係るレンズ鏡筒及び光学機器は、上記いずれかのブレ補正ユニットを搭載する。
【0012】
なお上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。さらに、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るブレ補正ユニットを搭載したカメラシステムの概略断面図である。
【図2】図2は、図1に示すカメラシステムに搭載されたブレ補正ユニットの分解斜視図である。
【図3】図3は、図2に示すブレ補正ユニットに含まれるロックリングの平面図及びその部分拡大図である。
【図4】図4は、図2に示すブレ補正ユニットに含まれる固定枠の平面図及び断面図である。
【図5】図5は、ロックリングの組立の第1の段階を表す平面図及び断面図である。
【図6】図6は、ロックリングの組立の第2の段階を表す断面図である。
【図7】図7は、ロックリングの組立の第3の段階を表す平面図及び断面図である。
【図8】図8は、図7の一部を拡大した拡大断面図である。
【図9】図9は、図7の他の一部を拡大した拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係るブレ補正装置を備えるカメラシステム50の概略断面図である。カメラシステム50は、レンズ鏡筒52と、レンズ鏡筒52が装着されるカメラボディ54から成る。本実施形態に係るレンズ鏡筒52は、6群構成のズームレンズであり、第1のレンズ群56と、第2のレンズ群58と、第3のレンズ群60と、第4のレンズ群62と、第5のレンズ群64と、第6のレンズ群66と、絞り76とを有する。
【0015】
第1のレンズ群56と、第3のレンズ群60と、第5のレンズ群64と、第6のレンズ群66は、レンズ鏡筒52の倍率調整の際に、カメラシステム50の光軸α方向に沿って移動する。また、第1のレンズ群56は、レンズ鏡筒52のピント合わせの際に、カメラシステム50の光軸α方向に沿って移動する。カメラシステム50は、第1のレンズ群56を移動させて焦点調整を行うことによって、カメラボディ54の内部に備えられる像面74に、被写体の像を結ぶ。
【0016】
第2のレンズ群58と、第4のレンズ群62とは、レンズ鏡筒52の倍率調整およびピント合わせの際に、光軸α方向の位置が変化しない。第2レンズ群58は、非ブレ補正レンズ群70,72と、ブレ補正レンズ群78とから成る。
【0017】
ブレ補正レンズ群78は、ブレ補正を行うためのレンズ群であり、後述のブレ補正ユニット80(図2等参照)によって、光軸αに略垂直な方向に移動することができる。なお、本実施形態では、レンズ鏡筒52に備えられるブレ補正ユニット80(図2等参照)を例に説明を行うが、本発明を適用するブレ補正ユニットとしてはこれに限定されず、カメラボディ54に備えられるものであってもよく、ビデオカメラや携帯電話等に備えられるものであってもよい。
【0018】
図2は、図1に示すブレ補正レンズ群78を移動させるブレ補正ユニット80の分解斜視図である。ブレ補正ユニット80は、蓋部材40、可動枠20、固定枠10、ロックリング30等を有する。図2には表示していないが、可動枠20は、その中心部にブレ補正レンズ群78(図5〜図7参照)を保持し、像ブレを補正するために光軸αに略垂直な方向に移動することができる。
【0019】
固定枠10は、可動枠20とは異なり、光軸αに垂直な方向に関しては移動せず、可動枠20を光軸αに略垂直な方向に相対移動可能に保持する。可動枠20は、固定枠10に対して、3つの鋼球44と2つのコイルばね46を介して保持されている。可動枠20と固定枠10は、3つの鋼球44を間に挟んだ状態で、コイルばね46によって互いに押し付け合う方向に付勢されている。コイルばね46は、可動枠20と固定枠10とを光軸α方向に連結し、可動枠20と固定枠10が光軸α方向に分離することを防止する。
【0020】
固定枠10には、ロックリング30を保持する機能を有する弾性部材11が設けられている。弾性部材11は、ロックリング30が固定枠10に対して光軸α方向に抜け落ちることを防止する。弾性部材11等と関連するロックリング30の組立構造については、後ほど詳述する。
【0021】
可動枠20及び固定枠10には、VCM(ボイスコイルモータ)が設置されており、可動枠20に保持されるブレ補正レンズ群78は、VCMからの駆動力を受けて光軸αに略垂直な方向に移動し、像ブレを補正する。また、可動枠20及び固定枠10には、可動枠20の位置を検出するための位置検出センサも設置されている。レンズ鏡筒52の内部等に設置される制御部(不図示)は、角速度センサ等の検出センサによる振れの結果や、可動枠20の位置を検出する位置検出センサ等の出力を用いて、VCMの駆動及びこれに伴うブレ補正レンズ群78の移動を制御し、像ブレを補正する。
【0022】
蓋部材40は、可動枠20が光軸α方向に脱落することを防止する。蓋部材40は、固定枠10との間に、可動枠20を光軸α方向に挟み込むように配置され、ネジ47によって固定枠10に固定される。
【0023】
ロックリング30は、略円環形状であり、ブレ補正を行わない時に、可動枠20が固定枠10に対して相対移動しないようにロックするための部材である。ロックリング30は、固定枠10に対して、光軸αを中心として相対回転可能に保持されるが、詳細な構造については後ほど詳述する。
【0024】
図3は、図2に示すロックリング30を、固定枠10の側から観察した平面図である。ロックリング30は、固定枠10に取り付けられたモータからの回転力を受けるギア部33を有している。ロックリング30は、ギア部33から伝えられる回転力により光軸αを中心として回転し、ロック位置と解除位置の間で変位する。またロックリング30は、回転範囲を制限するための制限部34を有している。制限部34は、ロックリング30が所定の範囲を超えて回転しようとすると固定枠10に設けられた突起に接触し、所定の範囲内のみで回転するようにロックリング30の回転範囲を制限する。
【0025】
ロックリング30の内周面には、光軸α側に向かって突出する嵌合部38が形成されている。ロックリング30がロック位置にある場合、嵌合部38は、図2に示す可動枠20の突起部28と係合し、可動枠20の相対移動を禁止する。また、ロックリング30がロック位置から解除位置に変位することにより、嵌合部38と突起部28の係合は解除される。ロックリング30が解除位置にある場合、可動枠20の突起部28は、嵌合部38の間に形成された逃げ部39に位置し、可動枠20は、ブレ補正動作のための移動を行うことができる。
【0026】
図3に示すロックリング30は、ロックリング30における外周面の一部であって固定枠10の対向内周面17に係合する対向外周面37を有している。図4(a)は、固定枠10をロックリング30側から見た平面図であり、図4(b)は固定枠10の断面図である。図4(a)及び図4(b)に示すように、ロックリング30の対向内周面17は、弾性部材11が設けられている位置を除いて周方向に延在しており、組立状態においては、ロックリング30の対向外周面37と対向する(図7及び図9参照)。ロックリング30の対向外周面37が、固定枠10の対向内周面17と係合することにより、ロックリング30は、光軸αを中心とする回転運動を、円滑に行うことができる。
【0027】
図4(a)に示すように、固定枠10には、周方向に沿って略等間隔に、3つの弾性部材11が設けられている。固定枠10とロックリング30の組立後の状態を表す図7(b)の部分拡大図である図8に示すように、弾性部材11は、固定枠10から突出して光軸α方向に延在しており、基端部12と先端部13とを有する。先端部13は、弾性部材11における光軸α方向の先端側に形成されており、弾性部材11が延在する位置から光軸α側に向かって突出している。弾性部材11の基端部12は、ロックリング30を固定枠10に係合させる際に弾性部材11が好適に弾性変形できるように、先端部13より肉薄に形成されている。
【0028】
ロックリング30は、図4(a)に示す固定枠10の第3面16と、図8及び図9等に示す弾性部材11の先端部13によって光軸α方向の移動を規制され、光軸α方向に関して保持される。なお、固定枠10の第3面16は、光軸αに略直交する方向に延在する面であり、第3面16には、略球状に突出した表面を備え、ロックリング30と点当たりして摺動する摺動突部16aが形成されている。
【0029】
以下に、図5から図7を用いて、ロックリング30の組立方法について説明する。図5は、ロックリング30の組立の第1の段階を表す図であり、図5(a)は、ロックリング30、固定枠10及び可動枠20をロックリング30側から見た平面図であり、図5(b)は光軸αを通る断面によるロックリング30等の断面図である。第1の段階では、ロックリング30を、可動枠20が取り付けられた固定枠10に対して、弾性部材11の先端側から、光軸α方向に沿って接近させる。
【0030】
図6は、ロックリング30の組立の第2の段階を表す図であり、図5(b)と同様に、ロックリング30、固定枠10及び可動枠20を、光軸αを通る断面で見た断面図である。図6に示すように、第2の段階では、弾性部材11の先端部13(特に後述の第1面14(図8参照))が、ロックリング30の外周面と接触することにより、弾性部材11が、光軸αと交差する方向に弾性変形する。すなわち、弾性部材11の先端部13(図8参照)は、弾性部材11に外力が加わらない状態では、ロックリング30の外周面より光軸αに近接しているため、弾性部材11は、ロックリング30を固定枠10に係合させる際に、一次的に外径側へ押し広げられる。
【0031】
図7は、ロックリングの組立の第3の段階を表す図であり、図7(a)は、図5(a)と同様に、ロックリング30、固定枠10及び可動枠20をロックリング30側から見た平面図である。また、図7(b)は、図5(b)及び図6と同様に、ロックリング30、固定枠10及び可動枠20を、光軸αを通る断面で見た断面図である。第3の段階では、ロックリング30の外周面が弾性部材11の先端部13(図8等参照)と対向する位置を通り過ぎ、基端部12(図8等参照)と対向している。したがって、弾性部材11における先端部13の光軸α側端部は、ロックリング30と接触しない状態となり、弾性部材11は、図5と同様の状態に戻る。このようにして、ロックリング30は、光軸α方向に脱落しないように、固定枠10に対して組み立てられる。
【0032】
図7の拡大図である図8に示すように、弾性部材11の先端部13は、光軸α方向先端側に位置しており光軸αに対する傾きが第1の角度θである第1面14と、第1面14より光軸α方向後側に位置しており光軸αに対する傾きが第1の角度θより大きい第2の角度θである第2面15とを有する。第2面15は、ロックリング30の第2対向面35と接触し、固定枠10から分離しないように、ロックリング30を保持する。第2面15には、略球状に突出した表面を備え、ロックリング30の第2対向面35と摺動する摺動突部15aが形成されている。摺動突部15aは、第2対向面35に対して点接触するため、ロックリング30は、光軸αを中心として円滑に変位することができる。
【0033】
図8に示す第1の角度θ1は、組立時にロックリング30の外周面をスムーズに通過させることができるように、0度より大きく90度より小さい角度とすることが好ましい。また、第2の角度θは、組立後にロックリング30が誤って脱落しないように、第1の角度θより大きい角度とすることが好ましく、図8に示す例では略90度である。
【0034】
図7の他の部分に関する拡大図である図9に示すように、組立後の状態において、ロックリング30の第3対向面36は、固定枠10の第3面16に接触する。したがって、ロックリング30は、弾性部材11における先端部13の第2面15と、固定枠10の第3面16の間に挟まれて、光軸α方向に関して保持される。なお、ロックリング30の第2対向面35及び第3対向面36は、光軸αと略直交する方向に延在する面である。
【0035】
上述したように、本実施形態に係るブレ補正ユニット80は、固定枠10に設けられた弾性部材11を有し、弾性部材11の弾性変形を利用して、ロックリング30を組立・保持する機構を採用している。したがって、ブレ補正ユニット80は、ロックリング30を固定するための他の部材が必要なく、部品点数を低減することができ、生産性およびコストの面で有利である。また、ロックリング30の固定のために、固定枠10にねじをねじ込む必要がないため、組立時における固定枠10の変形の危険性が少なく、固定枠10の変形に伴う光学性能の劣化を防止できる。
【0036】
また、ブレ補正ユニット80は、弾性部材11の光軸αと交差する方向の弾性変形を利用することにより、ロックリング30を固定枠10に対して、光軸α方向に沿って近づけていくだけで、ロックリング30を組み立てることができる。したがって、ブレ補正ユニット80は、ロックリング30の組立が極めて容易であり、しかもバヨネット方式に比べて設計における空間的制約が少なく、ロックリング30およびその周辺部材の設計自由度が高い。
【0037】
また、ロックリング30は、弾性部材11の先端部13と固定枠10の間に挟持され、好適に保持される。さらに、先端部13の第2面15に摺動突部15aを形成することにより、ロックリング30はより円滑に回転移動することが可能である。また、弾性部材11における第1面14の角度θと、第2面15の角度θを適切に設計することにより、ロックリング30のより円滑な組立及び確実な保持を実現することができる。
【0038】
なお、弾性部材11の材質は特に限定されず、樹脂や金属によって形成することができるが、固定枠10と一体に形成されることが、部品点数削減及び組立の簡易化の観点から好ましい。また、弾性部材11は、ロックリング30側に設けることも可能であり、この場合は、弾性部材11は、ロックリング30と一体に形成されることが好ましい。
【符号の説明】
【0039】
10…固定枠
11…弾性部材
12…基端部
13…先端部
14…第1面
15…第2面
15a,16a…摺動突部
16…第3面
17…対向内周面
20…可動枠
28…突起部
30…ロックリング
33…ギア部
34…制限部
35…第2対向面
36…第3対向面
37…対向外周面
38…嵌合部
39…逃げ部
40…蓋部材
44…鋼球
46…コイルばね
47…ネジ
50…カメラシステム
52…レンズ鏡筒
54…カメラボディ
56〜66…第1〜第6のレンズ群
70,72…非ブレ補正レンズ群
74…像面
76…絞り
78…ブレ補正レンズ群
80…ブレ補正ユニット
α…光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像ブレを補正するために光軸と交差する方向に移動する可動部と、
前記可動部を前記光軸と交差する方向に相対移動可能に保持する保持部と、
略円環形状であり、外周面の少なくとも一部が前記保持部に係合し、前記可動部の相対移動を禁止するロック位置と、前記可動部の相対移動を可能とする解除位置との間で変位するロック部と、
前記ロック部および前記保持部の一方に設けられ、前記光軸方向に延在し、前記ロック部および前記保持部の他方と係合させる際に前記光軸と交差する方向に弾性変形可能な弾性部材と、を有することを特徴とするブレ補正ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のブレ補正ユニットであって、
前記弾性部材は、前記光軸方向の先端側に、前記弾性部材から前記光軸側に向けて突出する先端部が形成されていることを特徴とするブレ補正ユニット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のブレ補正ユニットであって、
前記先端部は、前記光軸方向先端側であって前記光軸に対する傾きが第1の角度である第1面と、前記第1面より前記光軸方向後側であって前記光軸に対する傾きが前記第1の角度より大きい第2の角度で前記ロック部および前記保持部の前記他方と接触する第2面と、を有することを特徴とするブレ補正ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載のブレ補正ユニットであって、
前記第2面は、略球状に突出した表面を備え前記ロック部および前記保持部の前記他方と摺動する摺動突部を有することを特徴とするブレ補正ユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のブレ補正ユニットを搭載するレンズ鏡筒。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のブレ補正ユニットを搭載する光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−109040(P2013−109040A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251977(P2011−251977)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)