説明

ブロッコリーの葉を配合した飼料及び飼料の製造方法

【課題】 飼料以外にも用途がなく本来廃棄される材料であるとともに飼料として有効に利用できる滋養分を有する材料であるブロッコリーの葉を配合した飼料を提供すること。
【解決手段】 飼料に配合されるブロッコリーの葉は、前処理工程において、灰及び塩を添加したお湯の中で煮沸され、灰汁抜きが行われるようになっている。灰及び塩をお湯に添加することによって、効率よく灰汁抜きを行うことができるとともに前処理工程でのブロッコリーの葉の溶解を最小限に抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料及び飼料の製造方法に関し、特にブロッコリーの葉を配合した飼料及び飼料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家畜の餌として、とうもろこし、大豆、大麦等や牧草などを材料とする飼料が使用されてきた。飼料は、対象家畜にとって必要な滋養分のバランスを実現するために、とうもろこし、大豆、大麦や牧草等を適正な割合で混合する。
【0003】
このような飼料として、例えば、特許文献1に示すようなものが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2008−54643
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、飼料に含まれる材料は、商品として取引対象となっており、材料の商品としての価格が飼料の価格に影響を及ぼすという問題があった。特に、飼料には、飼料以外にも用途がある材料が含まれている。飼料以外にも用途がある材料の比率が高い飼料では、飼料以外の用途への材料供給が大きくなり飼料用途への材料供給が小さくなった場合に飼料の材料が不足し、飼料を安定的に製造することが難しくなる場合がある。
【0006】
そこで、商品として取引対象となっておらず、従来廃棄される材料を飼料に配合することが考えられるが、どんな材料でも飼料に配合できるわけではなく、飼料として有効に利用できる滋養分を有する材料を飼料に配合しなければならないという問題がある。
【0007】
上記のような問題を鑑み、本発明は、飼料以外にも用途がなく従来廃棄される材料であるとともに飼料として有効に利用できる滋養分を有する材料であるブロッコリーの葉を配合した飼料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の飼料は、ブロッコリーの葉を配合したものである。
【0009】
請求項2の飼料の製造方法は、ブロッコリーの葉を灰汁抜きする前処理工程を有する。
【0010】
請求項3の飼料の製造方法は、前処理工程では、灰及び塩を添加するようになっている。
【0011】
請求項4の飼料の製造方法は、灰がわら灰である。
【0012】
請求項5の飼料の製造方法は、塩が岩塩である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の飼料によれば、ブロッコリーは花蕾と茎の一部が食用とされている。したがって、食用部分以外には用途がなく従来廃棄されているが、葉の部分にも飼料として有効に利用できる滋養分を有し、ブロッコリーの葉を配合した安価な飼料を提供することができる。
【0014】
請求項2の飼料の製造方法によれば、ブロッコリーの葉を灰汁抜きする前処理工程を有することによって、ブロッコリーの葉の苦味を除去することができ、飼料の材料として好適なものとすることができる。
【0015】
請求項3の飼料の製造方法によれば、灰汁抜きする前処理工程では、灰を添加することによって効率よく灰汁抜きを行うことができる。また、塩を添加することによって、灰汁抜きする前処理工程でのブロッコリーの葉の溶解を最小限に抑えることができる。
【0016】
請求項4の飼料の製造方法によれば、灰がわら灰であることによって、効率よく灰汁抜きを行うことができる。また、灰がわら灰であることによって、灰汁抜きする前処理工程でのブロッコリーの葉の溶解を最小限に抑えることができるとともに、灰汁抜き後のブロッコリーの葉を容易に伸張することができる。
【0017】
請求項5の飼料の製造方法によれば、塩が岩塩であることによって、岩塩に含まれるミネラルを飼料に添加し飼料の滋養分のバランスを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態の飼料について説明する。本実施形態の飼料は、とうもろこし、大豆、大麦等や牧草などの材料に、後述する前処理を行ったブロッコリーの葉を配合したものである。
【0019】
ブロッコリーは花蕾と茎の一部が食用とされている。食用部分以外には用途がなく従来廃棄されているが、ブロッコリーの葉は100g当たり、粗タンパク質2.79g、粗脂肪0.39g、炭水化物8.06g、灰分2.35g、粗繊維1.59g含んでおり、ブロッコリーの葉の部分にも飼料として有効に利用できる滋養分を有する。
【0020】
しかしながら、ブロッコリーの葉をそのまま配合すると、ブロッコリーの葉の苦味が家畜の食欲を減退させるおそれがある。したがって、ブロッコリーの葉を飼料に配合するためには、ブロッコリーの葉の苦味を抜く必要がある。本実施形態では、ブロッコリーの葉は、苦味を抜くための前処理を行った後で飼料に配合されるようになっている。
【0021】
本実施形態では、前処理は、ブロッコリーの葉の灰汁抜きする前処理工程と、灰汁抜きしたブロッコリーの葉を乾燥させる前処理工程と、乾燥させたブロッコリーの葉を裁断・粉末化する前処理工程とからなる。ブロッコリーの葉の灰汁抜きをすることによって、ブロッコリーの葉の苦味を除去することができ、飼料の材料として好適なものとなる。
【0022】
灰汁抜きする前処理工程では、ブロッコリーの葉を煮沸する。本実施形態では、わら灰及び岩塩を煮沸するお湯に添加する。
【0023】
わら灰を添加することによって効率よく灰汁抜きを行うことができる。また、わら灰を添加することによって、灰汁抜きする前処理工程でのブロッコリーの葉の溶解を最小限に抑えることができるとともに、灰汁抜き後の乾燥させる前処理工程で、ブロッコリーの葉を容易に伸張することができる。
【0024】
岩塩を添加することによって、前処理工程でのブロッコリーの葉の溶解を最小限に抑えることができる。また、岩塩を添加するあることによって、岩塩に含まれるミネラルを飼料に添加し飼料の滋養分のバランスを向上させることができる。
【0025】
乾燥させる前処理工程では、灰汁抜きを行ったブロッコリーの葉を伸張させた状態で乾燥させる。次いで、裁断・粉末化する前処理工程では、乾燥させたブロッコリーの葉を細かく裁断・粉末化する。
【0026】
裁断・粉末化したブロッコリーの葉を、前述したとうもろこし、大豆、大麦等や牧草などを材料に配合することによって、飼料として有効に利用できる滋養分を有し、ブロッコリーの葉を配合した安価な飼料を製造することができる。
【0027】
本実施形態では、灰汁抜きする前処理工程において灰としてわら灰を添加する場合について説明したがこれに限定されることなく、例えば木灰等の灰汁抜きを効率よく行えるものを添加して灰汁抜きを行ってもよい。
【0028】
また、本実施形態では、灰汁抜きする前処理工程において塩として岩塩を添加する場合について説明したがこれに限定されることなく、例えば食塩等の塩を添加して灰汁抜きを行ってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロッコリーの葉を配合したことを特徴とする飼料。
【請求項2】
ブロッコリーの葉を灰汁抜きする前処理工程を有することを特徴とするブロッコリーの葉を配合した飼料の製造方法。
【請求項3】
灰汁抜きする前処理工程では、灰及び塩を添加することを特徴とする請求項2に記載のブロッコリーの葉を配合した飼料の製造方法。
【請求項4】
灰は、わら灰であることを特徴とする請求項3に記載のブロッコリーの葉を配合した飼料の製造方法。
【請求項5】
塩は、岩塩であることを特徴とする請求項3に記載のブロッコリーの葉を配合した飼料の製造方法。

【公開番号】特開2010−11752(P2010−11752A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172530(P2008−172530)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(306011067)
【Fターム(参考)】