説明

ブーツ

【課題】リボン等の好みの装飾品を即興的に自由に装着することができるブーツを提供すること。
【解決手段】取付け具3によってシャフト部2の一部に留め具20を固定しているので、留め具20の一対の環状部分に帯状のリボンRBを通して結ぶことにより、例えば帯状のリボン等である様々な種類の装飾品をシャフト部2の周辺に交換可能に飾り付けることができる。これにより、ブーツ50の多様な履きこなしが可能になり、特に服装や外出場所等の状況に応じた個性的な装飾品を設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾品を着脱可能にしたブーツに関し、特に装飾品を着脱自在にする留め具を備えるブーツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブーツとして、足首部に飾り体を装着するものであって、飾り体が、足首部に巻き付けられる帯状片と、帯状片に取り付けられる飾り部と、帯状片の端部を着脱可能に係合するファスナーとを備えるものが存在する(特許文献1参照)。
【0003】
また、別のブーツとして、ブーツを開閉するファスナーのスライダーに解除可能に連結される連結フックと、この連結フックに連結されブーツ部の外周長さよりも長い環状の装飾機機能を有する鎖体と、この鎖体に取り付けられた装飾品とを備えるものが存在する(特許文献2参照)。
【0004】
シューズ・アクセサリー金具として、アクセサリーを支持する飾り受金具と、飾り受金具を支持する取付金具本体とを有し、この取付金具本体において、弾性変形する心材と、靴を押さえる部分に滑り止め突起半球とを備えるものが存在する(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3145543号公報
【特許文献2】実用新案登録第3094678号公報
【特許文献3】実用新案登録第3022812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のブーツは、飾り部と帯状片とがセットになっており、ブーツに対してユーザーの好みの装飾品を即興的に装着することができない。具体的には、例えばスカーフとアンサンブルのリボンをブーツに対して好みの形態で結びつけるといった装いができない。
【0007】
また、特許文献2のブーツも、装飾品と鎖体とがセットになっており、ブーツに好みの装飾品を即興的に装着することができない。つまり、上述のようにスカーフとアンサンブルのリボンをブーツに対して好みの形態で結びつけるといった装いができない。
【0008】
さらに、特許文献3のシューズ・アクセサリー金具も、アクセサリーと取付金具本体とが一体化されており、ブーツに好みの装飾品を即興的に装着することができない。また、このシューズ・アクセサリー金具は、靴の甲部分等の縁部分に取り付けるものであり、装着態様が極めて制限されたものとなる。
【0009】
そこで、本発明は、リボン等の好みの装飾品を即興的に自由に装着することができるブーツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係るブーツは、足首より下に対応するフット部と、足首より上に対応するシャフト部と、互いに隣接する一対の環状部分を有する留め具と、記留め具をシャフト部の一部に固定するための取付け具とを備える。
【0011】
上記ブーツでは、取付け具によってシャフト部の一部に留め具を固定しているので、この留め具を構成する一対の環状部分に帯状の装飾品を通して結ぶことでこれを保持することができる。つまり、例えばリボン等である様々な種類の装飾品又は飾りを、シャフト部の周辺に好みの形態で交換可能に飾り付けることができる。これにより、ブーツの多様な履きこなしが可能になり、服装や外出場所等の状況に応じた個性的な装飾品を設定することができる。特に、外出場所、会合相手、気分等を反映して着用するスカーフやマフラー等に対して、アンサンブルのデザインとなっているリボンをブーツに好みの結び方等の形態で装着するといった装いが可能になる。
【0012】
また、本発明の具体的な側面では、上記ブーツにおいて、留め具が、一対の環状部分を8の字状に配置した本体部分と、一対の環状部分の接続部分から一対の環状部分に沿ってそれぞれ外側に延びる一対のクリップ部とを有する。この場合、クリップ部にリボン等の端の部分を留めることで、装飾品を小さく収納することができ、歩行性を重視した着こなし等を可能にする。
【0013】
本発明の別の側面では、留め具が、本体部を支持する前側支持部材と、シャフト部側に取り付けられて前側部材との間に通し空間を設けて前側部材を支持する後側支持部材とを有する。この場合、リボンの結び目等の要部の裏側に配置される通し空間にその他の一部を通すことができ、リボン等の装飾品の取付けや巻き付けの自由度を高めることができる。
【0014】
本発明のさらに別の側面では、取付け具が、留め具をシャフト部の外周の一部に着脱可能に固定するファスナーである。この場合、留め具等を着脱可能にでき、装飾品を取り付けないで着用する場合のシャフト部をすっきりしたデザインにすることができる。なお、ファスナーが留め具の姿勢を左右に傾けるように修正できるものである場合、留め具に支持される飾りの姿勢を留め具側で適宜調整することができるようになる。
【0015】
本発明のさらに別の側面では、ファスナーが、シャフト部の所定位置に固定された第1の面ファスナー部と、留め具側に固定された第2の面ファスナー部と有する。この場合、取付け具の構造を簡易にすることができ、留め具の着脱が簡易になる。
【0016】
本発明のさらに別の側面では、取付け具が、シャフト部に両端が固定されて本体部分を通す帯状の保持部材を有する。この場合、留め具等を簡易に着脱可能にでき、装飾品を取り付けない場合のシャフト部をすっきりしたデザインにすることができる。
【0017】
本発明のさらに別の側面では、シャフト部において、留め具の周辺に形成される複数のベルト通しをさらに備える。この場合、ベルト通しを補助的に利用してリボン等である様々な種類の装飾品を取り付けることができる。
【0018】
なお、ブーツのシャフト部に光透過性の立体的な基材と、基材の裏面に形成された反射体とを一体化した装飾部を埋め込むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(A)は、第1実施形態に係るブーツの正面図である。(B)は、ブーツに装飾品としてリボンを取り付けた状態の図である。(C)は、ブーツから留め具を取り外した状態の図であり、(D)は、ブーツの側面図である。
【図2】(A)〜(D)は、留め具の上面図、正面図、側面図及び背面図である。
【図3】(A)は、リボンの装着方法の一例を説明するための一部拡大正面図であり、(B)は、リボンの装着方法の別の一例を説明するための一部拡大正面図である。
【図4】リボンの装着方法のさらに別の一例を説明するための一部拡大側面図である。
【図5】(A)〜(C)は、留め具のその他の例を説明するための正面図である。
【図6】第2実施形態に係るブーツに用いる留め具の一例を説明するための正面図である。
【図7】(A)、(B)は、第3実施形態に係るブーツに用いる留め具の一例を説明するための上面図及び正面図である。
【図8】第4実施形態に係るブーツに用いる留め具の一例を説明するための正面図である。
【図9】(A)は、第5実施形態に係るブーツの正面図であり、(B)、(C)は、留め具を説明するための正面図及び背面図である。
【図10】(A)は、第6実施形態に係るブーツの正面図であり、(B)〜(D)は、ブーツの使用例を説明する部分的な正面図である。
【図11】(A)、(B)は、第7実施形態に係るブーツの正面図及び側面図であり、(C)は、ブーツの一部を拡大した図面であり、(D)は、ブーツの使用例を説明するための正面図である。
【図12】留め具の変形例を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
以下、図1(A)〜1(D)等を参照して、第1実施形態に係るブーツについて説明する。
【0021】
図1(A)〜1(D)に示すブーツ50は、フット部1と、シャフト部2と、留め具20と、取付け具3とを備える。
【0022】
ブーツ50のうち、フット部1とシャフト部2とは、ブーツ50の全体的な外観を構成するものである。これらのうち、前者のフット部1は、足首より下に対応する部分であり、フット部本体1aと、底部1bと、ヒール部1cとを有する。後者のシャフト部2は、足首より上に対応する筒状の部分であり、シャフト部本体2aと、その外周の上方側の所定の高さ位置に設けられた複数のベルト通し2bとを有する。複数のベルト通し2bは、上下の両端がそれぞれシャフト部本体2aに固定されており、結果的に形成される左右方向の通し孔THにスカーフやハンカチ等を帯状にした装飾布地を挿通させることが可能となっている。
【0023】
図2(A)〜2(D)に示すように、留め具20は、互いに隣接する一対の環状部分10a,10bを8の字状に配置した本体部分10と、これら環状部分10a,10bが連結される接続部分10cにおいてこの接続部分10cに接合されて本体部分10を支持する支持部材11と、本体部分10の接続部分10cから一対の環状部分10a,10bの存在する面に沿ってそれぞれ外側に延びる一対のクリップ部12a,12bとを備える。図1(A)及び1(C)に示すように、留め具20は、取付け具3により、シャフト部2の外周のうち上方側部分の正面位置において着脱自在に取り付けられている。これにより、ブーツ50に留め具20が取り付けられた装着状態では、留め具20の周辺に複数のベルト通し2bが配置されている状態となる。例えば図1(B)に示すように、留め具20及び複数のベルト通し2bにスカーフやハンカチを通して結びつけることで、装飾品又は飾りとしてのリボンRBを簡易に着脱可能に取り付けることができる。
【0024】
取付け具3は、図1(C)に示すシャフト部2の外周のうち上方側部分の正面位置に固定又は接着された第1の面ファスナー部3aと、図2(C)及び2(D)に示す留め具20の支持部材11の裏面に固定又は接着された第2の面ファスナー部3bとを有し、両ファスナー部3a,3bが協働して留め具20を着脱可能にしている。具体的には、例えば面ファスナー部3a,3bは、フック状に密集して起毛された面とループ状に密集して起毛された面とを有し、これらを押し付けて貼り付けたり、引き剥がしたりすることで、留め具20が簡易に着脱される。このような面ファスナー部3a,3bを用いることにより、装飾品を取り付けないでブーツ50を着用する場合に、留め具20を取り外すことができ、シャフト部2をすっきりしたデザインにすることができる。
【0025】
以下、図2(A)〜2(D)等を参照して、留め具20について詳しく説明する。留め具20は、金属又はプラスチックによって形成され、支持部材11を中心として略左右対称に一対の環状部分10a,10b及びクリップ部12a,12bを配している。クリップ部12a,12bは、可撓性を有し、環状部分10a,10bの上方側の外縁Ra,Rbに沿って形成されている。また、図2(A)に示すように、一方のクリップ部12aと他方のクリップ部12bとは、平面視で約110°の角度をなしている。同様に、一方の環状部分10aと他方の環状部分10bとは、平面視で約110°の角度をなしている。この結果、図2(C)に示すように、各環状部分10a,10bによって形成される通し孔ISa,ISbは、側面から見た場合にリボンRB(図1(B)参照)を形成するスカーフ等の装飾布地を通すのに十分な空間を確保しており、また、リボンRBを下に向くことなく正面に向く状態に保つことができ、リボンRBを見栄えのするものにできる。
【0026】
留め具20のうち支持部材11は、本体部分10を支持する前側支持部材11aと、前側支持部材11aを支持する後側支持部材11bと、前側支持部材11aと後側支持部材11bとを連結する中間支持部材11cとを有する。
【0027】
前側支持部材11aは、本体部分10をその接続部分10cにおいて接着、ねじ止め等により支持している。後側支持部材11bは、裏面に第2の面ファスナー部3bを有して図1(A)等に示すブーツ50に取付け可能になっており、中間支持部材11cを介して前側支持部材11aを支持している。
【0028】
支持部材11は、図2(C)に示すように、前側支持部材11a、後側支持部材11b及び中間支持部材11cを合わせて側面視逆U字状の曲面形状を有することで、前側支持部材11aと後側支持部材11bとの間に通し空間SPを設けている。支持部材11は、通し空間SPを有することで、装飾品又は飾りとなるリボンRBの輪部Rr(図3(A)参照)を通すのに十分な空間を確保している。なお、支持部材11において、後側支持部材11bの横幅は、前側支持部材11aの横幅よりも広くなっており、取付け具3による支持の安定を高めやすくなっている。
【0029】
以下、図3(A)等により、留め具20を用いてリボンRB等の装飾品をブーツ50に装着するためのいくつかの方法について説明する。
【0030】
まず、第1の方法として、図3(A)の矢印AW1に示すようにリボンRB等の装飾品を装着することができる。つまり、留め具20が装着された状態のブーツ50において、リボンRBの輪部Rrを、シャフト部2の上端外周に設けた複数のベルト通し2bと、一対の環状部分10a,10bの通し孔ISa,ISbとにハンカチ、スカーフ等の装飾布地を通し、留め具20の前で結びつける。この場合、リボンRBの輪部Rrをシャフト部2の上端外周に巻き付けることになる。このように、留め具20を使用してリボンRBを結ぶことで、固定のための固結び等をせず直接リボン結びをすることができる。従って、結び目を小さくすることもでき、装飾性の高いリボンRBをブーツ50に取り付けることができる。また、留め具20を使用してリボンRBを結ぶことで、リボンRBの型くずれを抑えることができ、長時間意図する形状を維持してほどけを防止することができる。
【0031】
また、第2の方法として、図3(B)の矢印AW2に示すように装着することもできる。この方法では、留め具20の周囲に隣接して形成されている一対のベルト通し2bによってリボンRBの輪部Rrを支持することで、第1の方法とは異なる美感を有するリボンRBを形成できる。この場合、支持部材11によって形成される通し空間SPにリボンRBの結び目の裏側部分である輪部Rrを通すことになる。
【0032】
なお、図3(A)に示す第1の方法については、シャフト部2を一周させるため比較的長さのあるスカーフ等の装飾布地によってリボンRBを形成するのに適している。一方、図3(B)に示す第2の方法については、比較的短いハンカチ等によってリボンRBを形成するのに適している。なお、装飾布地としてスカーフやハンカチといった既製品的なものを用いる場合、これらのスカーフやハンカチは、重ね折りに細長く畳んでベルト通し2bや環状部分10a,10bに通す。これにより、リボンRBの結び目や先端をきれいに整えることができる。
【0033】
また、図4に示すように、ブーツ50の側面にリボンRB等の装飾品を装着することもできる。つまり、図1(D)に示すシャフト部2の側面位置に施した第1の面ファスナー部3aを用いて留め具20を装着することで、上記図3(B)の場合等と同様にベルト通し2b等を利用してブーツ50の側面にリボンRBを取り付けることができる。なお、図示の実施形態では、ベルト通し2bがシャフト部2の外周の上端側に適当な間隔で形成されているが、シャフト部2の中央や下部に一対のベルト通しを設け、この間に第1の面ファスナー部3aを取り付けることによって、シャフト部2の中央や下部に設けた一対のベルト通し間に留め具20を固定することができる。つまり、シャフト部2の側面の所望位置にリボンRB等の装飾品を取り付けることができる。
【0034】
以上のように、留め具20だけでなくベルト通し2bを利用することで、ブーツ50に対してリボンRBをより多様な態様で装着することができる。
【0035】
以上の留め具20は、一対の環状部分10a,10bのほかに、一対の環状部分10a,10bに沿って外側に延びる一対のクリップ部12a,12bを備えている。これにより、環状部分10a,10bの外縁Ra,Rbとクリップ部12a,12bとの間にリボンRBの端等を挟んで留めることができる。つまり、リボンRBの端(しっぽ)が長くなるときや、雨の日等の泥はねを避けたいとき、あるいは歩行性を重視したいとき等に、クリップ部12a,12bを利用できる。
【0036】
また、留め具20については、図5(A)〜5(C)に示すように、様々なデザインを施すことができる。この場合、留め具20自体をブーツ50のアクセサリーとして使用できる。
【0037】
留め具20に装着されるリボンRBについては、図面では省略しているが、ブーツ50を着用する人が着用しているスカーフ、マフラー、ショール、ベルト等と柄や、色彩、生地等を一致又は調和させた柄、色彩、生地等を有するものとする。これにより、ブーツ50と、スカーフ、マフラー、ショール、ベルト等の他の装飾品とが調和してアンサンブルとなる。なお、リボンRBは、上述のようにハンカチやスカーフを用いる場合に限られるものではなく、ブーツ50の専用品として特別に作製した装飾布地とすることができる。
【0038】
装飾布地としてのリボンRBは、例えばスカーフ、マフラー、ショール、ベルト等とセットで販売される。つまり、ユーザーは、上記実施形態のようなブーツ50を予め購入し、スカーフ、マフラー等を購入する際に、これとアンサンブルになっておりブーツ50にリボンRBとして装着可能なハンカチ等の装飾布地を併せて購入することで、自己の嗜好を反映したアンサンブルの着こなしが随時可能になる。さらに、スカーフ、マフラー等とこれに合わせた装飾布地とを徐々に買い増すことで、着せ替え可能なブーツ50をアクセントとして外出先等に合わせた様々なアンサンブルを楽しむこともできる。
【0039】
以上のように、本実施形態のブーツ50では、取付け具3によってシャフト部2の一部に留め具20を固定しているので、留め具20の一対の環状部分10a,10bに帯状のリボンRBを通して結ぶことにより、例えば帯状のリボン等である様々な種類の装飾品をシャフト部2の周辺に交換可能に飾り付けることができる。これにより、ブーツ50の多様な履きこなしが可能になり、特に服装や外出場所等の状況に応じた個性的な装飾品を設定することができる。なお、留め具20自体は、リボンRBの裏側に配置されるので、外側からは見えないあるいは目立たないようにすることができる。
【0040】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係るブーツについて説明する。本実施形態に係るブーツは、図1に示す第1実施形態のブーツ50の変形例であり、留め具の構造を除き、特に説明のないものは第1実施形態と同様である。また、留め具以外についての図示を省略する。
【0041】
図6に示す留め具120は、互いに隣接する一対の環状部分10a,10bを有する本体部分110と、本体部分110の環状部分10a,10bに接着され本体部分110を支持する支持部材11とを備える。つまり、図2(A)等に示す留め具20と比較して一対のクリップ部を有さない構造である点が異なる。本実施形態の留め具120の場合、構造がよりシンプルなものとなり、リボン等の装飾品を取り付けた後の留め具120を、より目立たないものとすることができる。
【0042】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係るブーツについて説明する。本実施形態に係るブーツは、図1に示す第1実施形態のブーツ50の変形例であり、留め具の構造を除き、特に説明のないものは第1実施形態と同様である。また、留め具以外についての図示を省略する。
【0043】
図7(A)及び7(B)に示す留め具220は、互いに隣接する一対の環状部分10a,10bを有する本体部分10と、本体部分10の環状部分10a,10bに接着され本体部分10を支持する支持部材11と、一対の環状部分10a,10bに沿ってそれぞれ外側に延びる一対のクリップ部212a,212bとを備える。ここで、一対のクリップ部212a,212bは、前方に突き出した構成となっている。この場合、クリップ部212a,212bと環状部分10a,20bとによる挟み口が前倒しした状態になるので、装飾品であるリボンRBの端をより挟みやすくなる。
【0044】
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係るブーツについて説明する。本実施形態に係るブーツは、図1に示す第1実施形態のブーツ50の変形例であり、留め具の構造を除き、特に説明のないものは第1実施形態と同様である。また、留め具以外についての図示を省略する。
【0045】
図8に示す留め具320は、互いに隣接する一対の環状部分10a,10bを有する本体部分10と、本体部分10の環状部分10a,10bに接着され本体部分10を支持する支持部材11と、一対の環状部分10a,10bの上方側の外縁Ra,Rbに沿ってそれぞれ外側に延びる一対のクリップ部12a,12bと、一対の環状部分10a,10bの下方側の外縁Ua,Ubに沿ってそれぞれ外側に延びる一対のクリップ部312a,312bとを備える。この場合、装飾品であるリボンRBの端が特に長くなるときに、例えば、リボンRBの両端を、上方側のクリップ部12a,12bと下方側のクリップ部312a,312bとに分けて、挟んで留めることができる。
【0046】
〔第5実施形態〕
以下、図9(A)等を参照して、第5実施形態に係るブーツについて説明する。本実施形態に係るブーツは、図1に示す第1実施形態のブーツ50の変形例であり、特に説明のないものは第1実施形態と同様である。
【0047】
図9(A)に示すブーツ450は、フット部1と、シャフト部2と、取付け具403とを備え、着脱可能な部分として留め具420(図9(B)等参照)を備える。
【0048】
図9(B)及び9(C)に示すように、留め具420は、互いに隣接する一対の環状部分10a,10bを有する本体部分10と、本体部分10の環状部分10a,10bに接着され本体部分10と一体化して留め具420全体を支持する支持部材411と、一対の環状部分10a,10bに沿ってそれぞれ外側に延びる一対のクリップ部12a,12bとを備える。支持部材411は、第1実施形態における支持部材411と同様の形状を有しており、前側支持部材411aや後側支持部材411bを備える。前側支持部材411aは、本体部分10を固定によって支持しており、後側支持部材411bは、後述する取付け具403の保持部材403aの差込孔PAに差込可能となっている。
【0049】
取付け具403は、シャフト部2の外周のうち上方の正面位置において左右の両端が固定され、中間に通過可能な差込孔PAを有する帯状の保持部材403aを有する。取付け具403の保持部材403aは、留め具420に設けた支持部材411の後側支持部材411bを通すようになっている。つまり、留め具420は、本体部分10と一体化した支持部材411を保持部材403aの差込孔PAに差し込むことでブーツ450に取付け可能となっている。この場合、留め具420を簡易にブーツ450に着脱可能にでき、リボンRB等の装飾品を取り付けない場合のシャフト部2をすっきりしたデザインにすることができる。
【0050】
〔第6実施形態〕
以下、図10(A)等を参照して、第6実施形態に係るブーツについて説明する。本実施形態に係るブーツは、図1に示す第1実施形態のブーツ50の変形例であり、特に説明のないものは第1実施形態と同様である。
【0051】
図10(A)に示すブーツ750は、留め具20(図1(A)等参照)を着脱可能にする取付け具703を備える。この取付け具703は、シャフト部2の外周に固定又は接着された第1の面ファスナー部3aと、図2(D)等に示す留め具20の支持部材11の裏面に固定又は接着された第2の面ファスナー部3bと、第1の面ファスナー部3aを覆うように固定される帯状の保持部材703cとを有する。保持部材703cは、図9(A)に示す保持部材403aと同様のものであるがひとまわり大きい。つまり、保持部材703cは、左右の両端が固定され、中間に通過可能な差込孔PAを有する。保持部材703aは、図10(B)〜10(D)に示すように、留め具20の後側支持部材11bを通すことができる。この際、保持部材703aの差込孔PAが比較的大きく形成されており、保持部材703c内で後側支持部材11bの姿勢(具体的には傾斜角度)を変更することができる。これにより、後側支持部材11bすなわち留め具20を正立させたり(図10(B)参照)、後側支持部材11bすなわち留め具20を左側に傾斜させたり(図10(C)参照)、後側支持部材11bすなわち留め具20を右側に傾斜させたり(図10(D)参照)することができる。
【0052】
図10(B)〜10(D)に示すように留め具20の傾斜角度を変更することにより、留め具20に通して結ばれたリボンRBの傾きを調節することができる。リボンRBは、留め具20に対する結び付け方(例えば最初の重ね方、片リボン結び、両リボン結び等)によって様々な傾きが生じるので、留め具20の傾斜角度を調整すれば、リボンRBを例えば真横に延びるように取り付けることができる。
【0053】
なお、以上で説明した取付け具703は、ブーツ750の正面に限らず、ブーツ750の側面に設けることもできる。また、保持部材703cは、帯状に限らず下側が閉じたポケット状とすることもできる。
【0054】
〔第7実施形態〕
以下、図11(A)等を参照して、第7実施形態に係るブーツについて説明する。本実施形態に係るブーツは、図1に示す第1実施形態のブーツ50の変形例であり、特に説明のないものは第1実施形態と同様である。
【0055】
図11(A)、11(B)、11(D)に示すブーツ550は、フット部1と、シャフト部2と、留め具20と、取付け具3とを備える。シャフト部2のうちフット部1との境界側には、一対の反射型の装飾部61,61が埋め込むように取り付けられている。
【0056】
図11(C)に示すように、各装飾部61は、ブラスチック、クリスタルガラス、水晶等の光透過性を有する材料で形成された基材61aの裏面に蛍光体や塗料を含有する反射体であるシール61bを貼り付けたものであり、猫の目状の立体的な外観を有する。ここで、基材61aは、ドーム状又は円板状の外形を有しており、レンズ的な機能を持たせることができる。装飾部61は、夜間でも光を反射するので、遠目にも目立ちやすくなっている。特にシール61bとしてビーズ等を埋め込んだものを用いることで、より反射特性を高めることができる。
【0057】
図11(A)等に示すように、ブーツ550には、メガネ状のカバー63を取り付けることもできる。カバー63は、プラスチック、ゴムその他の樹脂材料で形成されており、フレーム部63aとメガネガラス部63bとを備える。特に、メガネガラス部63bは、遮光性、透光性、反射性、散乱性の材料で形成することができ、装飾部61を隠して目立たなくしたり、装飾部61と強調して装飾部61を目立たせたりすることができる。例えば、メガネガラス部63bにレンズ性の材料を用いることで、夜間の反射をより鮮やかにすることができる。カバー63は、その柄部分63cにおいて、ホック、面ファスナー又はマグネットであるファスナー部64aを有し、シャフト部2も、対応する位置に、ホック又は面ファスナーであるファスナー部64bを有する。これらのファスナー部64a,64bにより、カバー63は、着脱自在かつ交換可能となっている。つまり、カバー63を他の種類のカバーに交換することで、ブーツ550の着せ替えが可能になる。
〔その他〕
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0058】
まず、留め具20等に取り付ける装飾品はリボンRBに限らず、ベルト状のものや、紐状・鎖状のもの等種々の態様を適用することができる。
【0059】
また、リボンRBを形成するものとして、スカーフやハンカチ以外にも種々の布状や紙状のもの等を適用できる。なお、スカーフやハンカチは、リボン結びに限らず、様々な方法で留め具20等に固定することができる。さらに、例えばシュシュ状の外観を有し紐状に延びる飾りの両端に連結具を設けて留め具20等に固定することもできる。
【0060】
また、留め具20等は、単一の材料に限らず、樹脂と金属との複合材料から作製することができる。
【0061】
留め具20において、本体部分10の環状部分10a,10bは、完全につながった環に限らず、一部が欠けた例えばC字状の環状体とすることができる。さらに、支持部材11において、通し空間SPを省略し、前側支持部材11aと後側支持部材11bと一体化して支持部材11を薄くすることもできる。さらに、クリップ部12a,12bの一方を省略するといったことも可能である。
【0062】
留め具20において、本体部分10の環状部分10a,10bには、付属的なスリップ止めを取り付けることもできる。図12に示すように、スリップ止め15は、例えば環状部分10a,10bに沿って内側に環状に取り付けられるゴム製のリングである。このようなスリップ止め15は、リボンRBの布地が滑らかである場合に、リボンRBを解けにくくする。なお、スリップ止め15は、図示のように環状のものに限らず、その内側に中央に向けて延びる複数のひだ状の部分を付加したものとすることもできる。
【0063】
取付け具3は、面ファスナー部3a,3bに限らず、着脱可能な様々なファスナーを用いることができ、これらを例えばボタンホック、磁石(マグネット)等に置き換えることができる。
【0064】
シャフト部2に設けたベルト通し2bは、必須のものではなく省略することができるが、ベルト通し2bを省略した場合、取付け具3による留め具20の取付強度をある程度大きくする必要がある。
【0065】
以上では、ブーツ550のフット部1やシャフト部2の表面に付する柄や色について説明しなかったが、これらの表面には、様々な装飾を施すことができる。さらに、ブーツ550のシャフト部2等の形状も図示のものに限らず、深さ、ヒールの高さを適宜設定することができ、網ひもを設けることができ、バックル等の各種装飾品を付加することができる。
【0066】
ブーツ50に装着するリボンRB等の装飾品は、スカーフ、マフラー、ショール、ベルト等に限らず、ユーザーが羽織る上着、帽子、バッグ等についてのアンサンブルとすることができる。
【0067】
ブーツ50に装着するリボンRB等の装飾品は、スカーフ、マフラー、ショール、ベルト等の他の装飾品との関係で単に柄や色等を一致させる場合に限らず、異なる柄であっても色調等の外観的な要素を調和させる場合も含むものとする。
【符号の説明】
【0068】
1…フット部、 1b…底部、 1c…ヒール部、 2…シャフト部、 3,403…取付け具、 3a,3b…面ファスナー部、 10,110,10…本体部分、 10a,10b…環状部分、 10c…接続部分、 11,411…支持部材、 11a…前側支持部材、 11b…後側支持部材、 12a,12b…クリップ部、 20,120,320,420…留め具、 50,450,550…ブーツ、 61…装飾部、 63…カバー、 63a…フレーム部、 63b…メガネガラス部、 63c…柄部分、 64a,64b…ファスナー部、 403a…保持部材、 ISa,ISb…通し孔、 RB…リボン、 SP…空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足首より下に対応するフット部と、
足首より上に対応するシャフト部と、
互いに隣接する一対の環状部分を有する留め具と、
前記留め具を前記シャフト部の一部に固定するための取付け具と
を備えるブーツ。
【請求項2】
前記留め具は、前記一対の環状部分を8の字状に配置した本体部分と、前記一対の環状部分の接続部分から前記一対の環状部分に沿ってそれぞれ外側に延びる一対のクリップ部とを有することを特徴とする請求項1に記載のブーツ。
【請求項3】
前記留め具は、前記本体部を支持する前側支持部材と、前記シャフト部側に取り付けられて前記前側部材との間に通し空間を設けて前記前側部材を支持する後側支持部材とを有することを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載のブーツ。
【請求項4】
前記取付け具は、前記留め具を前記シャフト部の外周の一部に着脱可能に固定するファスナーであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のブーツ。
【請求項5】
前記ファスナーは、前記シャフト部の所定位置に固定された第1の面ファスナー部と、前記留め具側に固定された第2の面ファスナー部と有することを特徴とする請求項4に記載のブーツ。
【請求項6】
前記取付け具は、前記シャフト部に両端が固定されて前記本体部分を通す帯状の保持部材を有する請求項3に記載のブーツ。
【請求項7】
前記シャフト部において、前記留め具の周辺に形成される複数のベルト通しをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のブーツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−30012(P2012−30012A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175144(P2010−175144)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(510181242)
【Fターム(参考)】