説明

プッシャゲーム機

【課題】メダル落下音をゲーム機外部に届きやすくしたプッシャゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機1は、載置されたメダルMをメダル落下孔7の方向に移動するプッシャ台6と、メダル落下孔7に落下したメダルを検出する光学センサ20と、プッシャ台6から落下したメダルを受け止める金属レーン21と、金属レーン21に落下したメダルMのメダル落下音を集音するマイク22と、マイク22が集音したメダル落下音を出力するスピーカ8と、光学センサ20の出力に応じて、マイク22を制御して、金属レーン21に落下したメダルの落下音を集音し、スピーカ8を制御して、マイク22が集音したメダル落下音を出力する制御部40とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機内部のメダルを外部に払いだすプッシャゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム機内部にプッシャ台を備え、プレイヤがメダルを投入してプッシャ台上のメダルを獲得孔に落下させると、メダルを獲得できるプッシャゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、プッシャゲーム機は、ゲーム機内部のプレイフィールドとゲーム機外部とが、ケース及びウィンドウ等によって仕切られている。このため、従来のプッシャゲーム機は、プレイヤがプッシャ台からメダルを落下させても、メダル落下音がゲーム機外部にあまり届かなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−325961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、メダル落下音をゲーム機外部に届きやすくしたプッシャゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
請求項1の発明は、載置されたメダル(M)をメダル落下部(7)の方向に移動して落下させるプッシャ台(6)と、前記メダル落下部に落下した前記メダルを検出する検出部(20,220,220−1〜220−9)と、前記メダル落下部に落下した前記メダルを受け止めるメダル受け止め部(21)と、前記メダル受け止め部に落下した前記メダルのメダル落下音を集音するマイク部(22)と、前記マイク部が集音した前記メダル落下音を出力する音声出力部(8)と、前記検出部の出力に応じて、前記マイク部を制御して、前記メダル受け止め部に落下した前記メダルの前記メダル落下音を集音し、前記音声出力部を制御して、前記マイク部が集音した前記メダル落下音を出力する制御部(40,240)と、を備えるプッシャゲーム機である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のプッシャゲーム機において、前記制御部(40)は、前記検出部(20)の出力に応じて、前記マイク部(22)をオフからオンに制御して前記メダル落下音を集音すること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
請求項3の発明は、請求項1に記載のプッシャゲーム機において、前記制御部は、前記検出部の出力に応じて、前記音声出力部をオフからオンに制御して前記メダル落下音を出力すること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のプッシャゲーム機において、前記マイク部(22)は、前記メダル受け止め部(21)近傍に設けられ、前記メダル受け止め部近傍の音情報を集音し、前記制御部(240)は、前記検出部(220,220−1〜220−9)から出力があるまでの間に前記マイク部が集音した前記音情報の入力の大きさに応じて、前記音声出力部(8)を前記メダル落下音の出力の大きさを変化させるように制御すること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のプッシャゲーム機において、前記制御部(40)は、プレイ進行に応じて、前記マイク部(22)が集音した前記メダル落下音を編集する落下音編集部(41)を備えること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のプッシャゲーム機において、前記メダル受け止め部(21)は、前記プッシャ台(6)から落下した前記メダル(M)を受け止める部分が、金属により形成されていること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のプッシャゲーム機において、前記検出部(220,220−1〜220−9)は、前記プッシャ台(6)の縁部に沿った方向に、複数設けられており、前記メダル受け止め部(21)は、前記縁部(6d)に沿った方向に至るに従って鉛直方向に傾斜しており、前記マイク部(22)が集音した前記メダル落下音を記憶する記憶部(232)を備え、前記制御部(240,243)は、前記検出部が前記プッシャ台の縁部から落下する前記メダルを検出してから、前記記憶部の前記メダル落下音を読み出して前記音声出力部(8)から出力するまでの時間を、前記縁部と前記メダル受け止め部との高さが短い程長くすること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、マイク部が集音したメダル落下音を出力するので、ゲーム機周囲の音が大きくても、メダルが落下した実際の音をプレイヤに確実に聞かせることができ、プレイヤの気持ちを盛り上げてプレイ意欲を向上することができる。
(2)本発明は、検出部の出力に応じてマイク部のオフ、オンを制御するので、メダルが落下していない場合には、マイクが集音することがなく、ハウリング等を防止することができる。
【0008】
(3)本発明は、検出部の出力に応じて音声出力部のオフ、オンを制御するので、上記(2)と同様な効果を得ることができる。
(4)本発明は、マイク部が集音した音情報の入力の大きさに応じて、メダル落下音の出力の大きさを変化させるので、ゲーム機周囲の音が大きいときはメダル落下音の出力を大きくし、一方周囲の音が小さいときはメダル落下音の出力を小さくすることができる。
【0009】
(5)本発明は、プレイの進行に応じて、マイク部に入力されたメダル落下音を編集して音声出力部から出力するので、例えばイベント発生時にエコー等をかけたりして、プレイの進行をメダル落下音に反映することができるので、プレイの態様を面白くすることができる。
(6)本発明は、プッシャ台から落下したメダルを受け止める部分が、金属により形成されているので、メダル落下音を響きのある大きな音にすることができる。
(7)本発明は、プッシャ台の縁部からメダルが落下してからメダル落下音を出力するまでの時間を、メダル落下部の位置の高さが短い程長くするので、メダルがプッシャ台の縁部のどの位置から落下したかに関わらず、メダルが落下してから出力するまでの時間を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図2】第1実施形態のゲーム機の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態のゲーム機の動作を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態のゲーム機の構成を示す図である。
【図5】第2実施形態の出力音量テーブル及び出力時間テーブルを示す図である。
【図6】第2実施形態のゲーム機の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、メダル落下音をゲーム機外部に届きやすくしたプッシャゲーム機を提供するという課題を、ゲーム機が、載置されたメダルをメダル落下孔の方向に移動するプッシャ台と、メダル落下孔に落下したメダルを検出する光学センサと、プッシャ台から落下したメダルを受け止める金属レーンと、金属レーンに落下したメダルのメダル落下音を集音するマイクと、マイクが集音したメダル落下音を出力するスピーカと、光学センサの出力に応じて、マイクを制御して、金属レーンに落下したメダルの落下音を集音し、スピーカを制御して、マイクが集音したメダル落下音を出力する制御部とを備えることによって実現した。
【0012】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
ゲーム機1(プッシャゲーム機)は、メダルプッシャゲームを行うゲーム装置であり、ゲームセンタ等の店舗に設置される。ゲーム機1は、左右方向X1m、奥行方向Y1m、鉛直方向Zの高さ1.5m程度の大型の装置であり、内部に実際にプレイが行われるプレイフィールドFが設けられている。
プレイフィールドFは、プレイヤが投入したメダルMにより実際にプレイが行われる領域である。プレイフィールドFには、メダルMの玉突き現象によりメダルMを奥行方向手前側Y1に移動するプッシャ台6が設置されている。この玉突き現象により、メダルMが固定テーブル6bの手前のメダル落下孔7(メダル落下部)に落下し、メダルMが外部払い出し口9に払い出される。
【0013】
ゲーム機1は、ケース2と、ウィンドウ3と、メダル投入装置4と、ゲーム盤面5と、プッシャ台6と、メダル落下孔7と、外部払い出し口9と、スピーカ8(音声出力部)とを備えている。
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。ゲーム機1には、手前側Y1に操作パネル2aが設けられている。
ウィンドウ3は、ゲーム機1の内部のプレイフィールドFとゲーム機1の外部とを仕切るための部材である。ウィンドウ3は、ゲーム機1の外側からプレイフィールドFが視認できるように透明な材料(例えばアクリル等)により形成されている。
ゲーム機1は、ケース2及びウィンドウ3によって、ゲーム機1の内部と外部とが仕切られており、プレイフィールドF内の音がゲーム機1外部に届きにくい構造になっているが、後述するように、メダル落下音をプレイヤに確実に聞かせることができる。
【0014】
メダル投入装置4は、プレイヤがプレイフィールドFにメダルMを放出するための装置であり、ゲーム機1の正面に設けられている。
ゲーム盤面5は、メダル投入装置4からメダルMが入賞口6c(後述する)に入賞したときに、スロット5aを回転して抽選処理を行い、その結果、大量放出口5bからプレイフィールドFにメダルMを大量に払い出したりする。なお、スロット5aの抽選処理や、メダルMの大量払い出しの制御は、制御部40(後述する)が行う。
【0015】
プッシャ台6は、プレイフィールドFに配置されており、複数のメダルMを載置し、メダルMを手前側Y1に押し出す装置である。プッシャ台6は、往復テーブル6aと、固定テーブル6bと、入賞口6cとを備えている。
【0016】
往復テーブル6aは、大量放出口5bから払い出されたメダルMを受け止め、載置するためのテーブルである。往復テーブル6aは、モータ等から構成される駆動装置(図示せず)によって駆動され、固定テーブル6bに対して奥行方向Yに往復移動する。往復テーブル6aは、手前側Y1の面に、入賞口6cが設けられている。
【0017】
固定テーブル6bは、往復テーブル6aの下側に配置され、往復テーブル6aから落下したメダルMや、メダル投入装置4から直接射出されたメダルMを受け止め、載置するためのテーブルである。固定テーブル6b上に載置されたメダルMは、往復テーブル6aの往復移動にともなって、メダル落下孔7の方向に移動する。固定テーブル6b上のメダルMは、メダル落下孔7に落下すると、払い出し装置(図示せず)によって外部払い出し口9に払い出される。
入賞口6cは、往復テーブル6aの手前側Y1の面に複数並べて設けられたメダル入賞口である。メダル投入装置4から投入されたメダルMは、入賞口6cにうまく転がったときに入賞することができる。
【0018】
メダル落下孔7は、固定テーブル6bの手前側Y1に設けられた開口であり、固定テーブル6b上のメダルMが往復テーブル6aによって押し出され落下する。
外部払い出し口9は、メダルMが払い出される払い出し口であり、外部払い出し口9に払い出されたメダルMは、プレイヤが獲得することができる。
【0019】
スピーカ8は、マイク22(後述する)が集音したメダル落下音を出力したり、プレイ中にBGM(バックグランドミュージック)を出力するものである。スピーカ8は、出力した音声がプレイヤに聞こえやすいように、操作パネル2aの手前側Y1の面の左側X1及び右側X2にそれぞれ配置されている。
【0020】
図2は、第1実施形態のゲーム機1の構成を示す図である。
なお、図2に示すゲーム機1は、ケース2の手前側Y1の部分を削除し固定テーブル6bの手前側Y1を見える状態にした図である(図1に示す矢印II参照)。
ゲーム機1は、光学センサ20(検出部)と、金属レーン21(メダル受け止め部)と、マイク22(マイク部)と、マイクスイッチ23と、駆動回路25と、記憶部30と、制御部40とを備えている。
【0021】
光学センサ20(20a,20b)は、固定テーブル6bからメダル落下孔7に落下したメダルMを検出する光学センサである。光学センサ20は、発光部20aと、発光部20aが発した光線を受光する受光部20bとから構成される。
発光部20aは、固定テーブル6bの縁部6dに沿った方向に、左側X1に光線を発するように配置されている。そして、メダルMが固定テーブル6bから落下したときには、発光部20aが発した光線がこのメダルMによって遮られ、受光部20bがこの光線を受光できないようになっている。光学センサ20は、受光部20bの受光の状態を、制御部40(後述する)に出力する。
【0022】
金属レーン21は、固定テーブル6bから落下したメダルMを受け止め、そのメダルMを払い出し装置(図示せず)に導く部材である。金属レーン21は、固定テーブル6bの手前側Y1の面に設けられ、手前側Y1にケース2が配置されているので、プレイヤから見えにくい。金属レーン21は、プッシャ台6から落下したメダルMを受け止める部分が、金属の板材等を加工して形成されている。これによって、金属レーン21は、メダル落下音を高くて響きのある大きな音にすることができる。金属レーン21は、左レーン21aと、右レーン21bとから形成される。
【0023】
左レーン21aは、固定テーブル6bの中央よりも左側X1のエリアに落下したメダルMを受け止める部材である。左レーン21aは、固定テーブル6bの縁部6dに沿った方向に左側X1から右側X2に至るに従って下側に傾斜している。
右レーン21bは、固定テーブル6bの中央よりも右側X2のエリアに落下したメダルMを受け止める部材である。右レーン21bは、固定テーブル6bの縁部6dに沿った方向に右側X2から左側X1に至るに従って下側に傾斜している。
【0024】
マイク22は、金属レーン21に落下したメダルMのメダル落下音を集音するための部材である。マイク22は、固定テーブル6bの手前側Y1の面の中央の範囲であって、金属レーン21の直ぐ上の範囲に配置されており、金属レーン21近傍の音情報を集音する。
マイクスイッチ23は、マイク22のオン、オフを切り替える電気スイッチであり、制御部40によって制御される。
【0025】
駆動回路25は、マイク22が集音した音情報や、BGM等の音情報を増幅してスピーカ8から出力する増幅回路等を備えた電気回路である。
記憶部30は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部30は、ゲーム音記憶部31を備えている。
ゲーム音記憶部31は、プレイ中のBGM等の音情報を記憶する記憶領域である。
【0026】
制御部40は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。
制御部40は、記憶部30に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部40は、ゲームの進行を統括的に制御し、前述した光学センサ20、マイク22、スピーカ8に電気ケーブル等を介して電気的に接続されており、これらのハードウェアを制御したりする。また、制御部40は、落下音編集部41を備えている。
落下音編集部41は、ゲーム機1のプレイ進行に応じて、マイク22に入力されたメダル落下音を編集してスピーカ8から出力する。
なお、制御部40の処理の詳細は、後述する。
【0027】
次に、ゲーム機1の動作について説明する。
図3は、第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
最初にステップS(以下単に「S」という)10において、メダル投入装置4に投入されたメダルMを、センサ(図示せず)を検出すると、制御部40がセンサの出力に応じて、一連の処理を開始する。
S20において、制御部40は、ゲーム音記憶部31の音情報を読み出して、BGMとしてスピーカ8から出力する。
【0028】
S30において、制御部40は、光学センサ20の出力に基づいて、固定テーブル6bからメダルMが落下したか否かを判定する。制御部40は、メダルMが落下したと判定した場合には(S30:YES)、S40に進み、一方、メダルMが落下していないと判定した場合には(S30:NO)、S60に進む。
【0029】
S40において、制御部40は、マイクスイッチ23をオンとして、マイク22がメダル落下音の音情報を集音し、この音情報を駆動回路25で増幅して、スピーカ8から出力する。
このように、ゲーム機1は、マイク22が集音したメダル落下音をスピーカ8から出力するので、プレイフィールドFがゲーム機1の外部から仕切られ、ゲーム機1の周囲の音が大きくても、メダルMが落下した実際の音をプレイヤに聞かせることができ、プレイヤの気持ちを盛り上げてプレイ意欲を向上することができる。
【0030】
S50において、制御部40は、光学センサ20の出力に基づいて、所定時間(例えば数秒間程度)、固定テーブル6bからメダルMが落下しないと判断すると、マイクスイッチ23をオフとする。
このように、ゲーム機1は、光学センサ20の出力に応じて、マイク22のオン、オフを制御してメダル落下音を集音する。これによって、ゲーム機1は、メダルMが落下していない場合には、マイク22が集音することがなく、ハウリング等を防止することができる。
【0031】
S60において、制御部40は、メダルMが入賞口6cに入賞したか否かを判定する。制御部40は、メダルMが入賞したと判定した場合には(S60:YES)、S70に進み、一方、メダルMが入賞していないと判定した場合には(S60:NO)、S160に進む。
S70において、制御部40は、スロット5aを回転して抽選処理を行う。
【0032】
S80において、制御部40は、抽選処理の結果、当たりか否かの判定を行う。制御部40は、当たりと判定した場合には(S80:YES)、S90に進み、一方、当たりではないと判定した場合には(S80:NO)、S160に進む。
ここで、本実施形態で当たりである場合は、スロット5aに「7」の数字が揃って、「777」が表示された場合である。
【0033】
S90において、制御部40は、例えば30秒間程度のイベント時間内に、イベント処理を行う。制御部40は、イベント時間中に入賞口6cにメダルMが入賞すると、大量放出口5bから複数(例えば5枚程度)のメダルMを放出する。このため、イベント処理中は、メダルMが入賞すると固定テーブル6b上のメダルMがメダル落下孔7に落下しやすくなり、プレイヤにとってメダル獲得のチャンスとなる。
【0034】
S100において、制御部40は、S30と同様に、固定テーブル6bからメダルMが落下したか否かを判定する。制御部40は、メダルMが落下したと判定した場合には(S100:YES)、S110に進み、一方、メダルMが落下していないと判定した場合には(S100:NO)、S150に進む。
【0035】
S110において、制御部40は、マイクスイッチ23をオンとして、メダル落下音の音情報を集音する。
S120において、落下音編集部41は、集音したメダル落下音の音情報を編集する。落下音編集部41は、音情報にエコーをかけて、また通常よりも大きな音量になるように、メダル落下音の音情報を編集する。
S130において、制御部40は、編集したメダル落下音を駆動回路25で増幅してスピーカ8から出力する。
【0036】
このように、ゲーム機1は、プレイ進行に応じて、メダル落下音にエコー等をかけて編集してスピーカ8から出力するので、プレイ内容をメダル落下音に反映し、プレイヤの気持ちをさらに盛り上げてプレイ意欲を向上することができる。
【0037】
S140において、制御部40は、光学センサ20の出力に基づいて、所定時間(例えば数秒間程度)、固定テーブル6bからメダルMが落下しないと判断すると、マイクスイッチ23をオフとする。
S150において、制御部40は、イベント時間が経過し、イベント処理を終了するか否かを判定する。制御部40は、イベント処理を終了すると判定した場合には(S150:YES)、S160に進み、一方、イベント処理を終了しないと判定した場合には(S150:NO)、S100からの処理を繰り返す。
【0038】
S160において、制御部40は、メダル投入装置4のセンサ(図示せず)が所定時間(例えば数十秒程度)メダルMを検出しない場合には、プレイが終了したと判定し(S160:YES)、S170に進んで一連の処理を終了する。一方、制御部40は、メダル投入装置4のセンサ(図示せず)が継続してメダルMを検出している場合には、プレイが終了していないと判定し(S160:NO)、S30からの処理を繰り返す。
【0039】
以上説明したように、ゲーム機1は、マイク22が集音したメダル落下音を出力するので、周囲の音が大きくても、メダルが落下した実際の音をプレイヤに聞かせることができ、プレイヤの気持ちを盛り上げてプレイ意欲を向上することができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分、同様な処理には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図4は、第2実施形態のゲーム機201の構成を示す図(第1実施形態の図2に相当する図)である。
図5は、第2実施形態の出力音量テーブル233a及び出力時間テーブル234aを示す図である。
【0041】
図4に示すように、ゲーム機201は、9個の光学センサ220(220−1〜220−9)と、記憶部230と、制御部240とを備えている。
光学センサ220は、発光部と受光部とが同一面に配置され、発光部が発した光線が対象物に反射したときに、その反射した光線を受光部が受光するいわゆる反射型の光学センサである。
光学センサ220−1〜220−9は、固定テーブル6bの手前側Y1の側面に、固定テーブル6bの縁部6dに沿って並べて配置されている。各光学センサ220は、隣り合う光学センサ220との間隔がメダルMの直径よりも小さい。このため、光学センサ220は、落下したメダルMを確実に検出することができる。
【0042】
記憶部230は、落下音記憶部232と、出力音量記憶部233と、落下音出力時間記憶部234とを有している。
落下音記憶部232は、マイク22が集音したメダル落下音を一時的に記憶する記憶領域である。
図5に示すように、出力音量記憶部233は、出力音量テーブル233aを記憶する記憶領域である。
出力音量テーブル233aは、周囲音量233bのレベルに対応した出力音量233cのレベルを格納している。ここで、周囲音量233bとは、マイク22から入力された音情報の音量のレベルをいい、出力音量233cとは、スピーカ8から音情報を出力する場合の音量のレベルをいう。出力音量テーブル233aは、周囲音量233bが大きくなる程、出力音量233cが大きくなるようになっている。
【0043】
落下音出力時間記憶部234は、出力時間テーブル234aを記憶する記憶領域である。
出力時間テーブル234aは、各光学センサ220−1〜220−9に対応した落下音の出力時間234cを、行234bに格納する。ここで、出力時間234cとは、落下音記憶部232に一時的に記憶したメダル落下音を、光学センサ220がメダルMを検出してからスピーカ8から出力するまでの時間をいう。出力時間テーブル234aは、出力時間が、中央に配置された光学センサ220が最も短く、左側X1及び右側X2に配置された光学センサ220になる程、長くなるようになっている。
【0044】
出力時間234cがこのように設定されている理由は、以下の通りである。
金属レーン21は、中央から左側X1及び右側X2に至る程、固定テーブル6bからの高さが短くなる。このため、メダルMは、固定テーブル6bの左側X1及び右側X2の範囲から落下するもの程、落下時間が短くなる。従って、マイク22に入力されたメダル落下音をそのままスピーカ8から出力した場合には、メダルMが落下してからスピーカ8から出力するまでの時間が、左側X1及び右側X2の範囲から落下するもの程、短くなってしまう。さらに、金属レーン21がプレイヤから見えにくい位置に配置されているので、このように、固定テーブル6bの縁部6dのどの範囲からメダルMが落下するかによって、メダル落下音を出力するまでの時間が異なると、プレイヤに違和感を感じさせる場合がある。
【0045】
これに対して、ゲーム機201は、出力時間テーブル234aに従って、メダル落下音をスピーカ8から出力するまでの時間を、固定テーブル6bの縁部6dと金属レーン21との高さが短い程長くしている。これによって、ゲーム機201は、固定テーブル6bの縁部6dのどの範囲からメダルMが落下しても、メダルMが落下してからスピーカ8から出力するまでの時間を均一にすることができ、プレイヤに違和感を感じさせることがない。
【0046】
図4に示すように、制御部240は、落下音量制御部242と、落下音出力時間制御部243とを有している。
落下音量制御部242は、メダル落下音の出力の大きさを制御する制御部である。
落下音出力時間制御部243は、出力時間テーブル234aの出力時間に基づいて、メダル落下音の出力時間234cを制御する制御部である。
【0047】
次に、ゲーム機201の動作について説明する。
図6は、第2実施形態のゲーム機201の動作を示すフローチャートである。
制御部240は、S210において、メダル投入装置4のメダル投入に応じて、処理を開始し、S220において、BGMをスピーカ8から出力する。
【0048】
S221において、落下音量制御部242は、マイク22への入力に基づいて、周囲音量の測定を開始する。落下音量制御部242は、この周囲音量の測定を、固定テーブル6bからのメダルMの落下に関わらずプレイ終了まで行う。なお、ゲーム機201の周囲の音(例えば、他のゲーム機の音、店舗に流れるBGM等)は、ケース2及びウィンドウ3(図1参照)の内部にまである程度届く。このため、ゲーム機201は、マイク22を利用して周囲音量を測定することができる。
S222において、落下音量制御部242は、出力音量テーブル233a(図5参照)に基づいて、測定した周囲音量233bに対応した出力音量233cを決定する。
【0049】
S230において、制御部240は、光学センサ220の出力に基づいて、メダルMが落下したと判定した場合には(S230:YES)、S231に進み、一方、メダルMが落下していないと判定した場合には(S230:NO)、S260に進む。
S231において、落下音出力時間制御部243は、光学センサ220−1〜220−9のうちいずれから出力があったかを判定し、出力時間テーブル234a(図5参照)に基づいて、判定した光学センサ220−1〜220−9(行234b)に対応した出力時間234cを決定する。
【0050】
S232において、制御部240は、マイク22に入力されたメダル落下音を落下音記憶部232に記憶させる。
S233において、制御部240は、S231で決定した出力時間234cに応じて、落下音記憶部232のメダル落下音を読み出して、S222で決定した出力音量233cに設定し、駆動回路25を制御してスピーカ8から出力する。
このように、ゲーム機201は、前述したようにメダルMが固定テーブル6bのどの位置から落下したかに関わらず、メダル落下音を出力するまでの時間を均一にすることができる。
また、ゲーム機201は、周囲音量に応じて、メダル落下音の出力の大きさを変化させるので、ゲーム機201の周囲の音が大きいときはメダル落下音の出力を大きくてし、メダル落下音を、プレイヤに確実に聞かせることができる。
【0051】
その後、制御部240は、S270以降のイベント処理中においても、S301,S302において、前述したように光学センサ220−1〜220−9の出力に応じて出力時間234cを設定することによって、メダル落下音を出力するまでの時間を均一にすることができる。また、制御部240は、周囲音量に応じた出力音量によって、メダル落下音を、プレイヤに確実に聞かせることができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0053】
(変形形態)
(1)第1実施形態において、制御部は、光学センサの出力に応じて、マイク(マイクスイッチ)のオン、オフを制御する例を示したが、これに限定されない。例えば、制御部は、光学センサの出力に応じて、スピーカのオフ、オンを制御してもよい。
【0054】
(2)各実施形態において、メダル落下音の編集は、スロットの抽選結果に応じて行う例を示したが、これに限定されない。メダル落下音の編集は、プレイ状況が変化する場合に行えばよく、例えばメダルが大量に払い出された場合等に行ってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1,201…ゲーム機,2…ケース,3…ウィンドウ,5a…スロット,5b…大量放出口,6…プッシャ台,6b…固定テーブル,6c…入賞口,7…メダル落下孔,8…スピーカ,20,220,220−1〜220−9…光学センサ,21…金属レーン,22…マイク,23…マイクスイッチ,30,230…記憶部,40,240…制御部,41…落下音編集部,232…落下音記憶部,233…出力音量記憶部,233a…出力音量テーブル,234…落下音出力時間記憶部,234a…出力時間テーブル,242…落下音量制御部,243…落下音出力時間制御部,F…プレイフィールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置されたメダルをメダル落下部の方向に移動して落下させるプッシャ台と、
前記メダル落下部に落下した前記メダルを検出する検出部と、
前記メダル落下部に落下した前記メダルを受け止めるメダル受け止め部と、
前記メダル受け止め部に落下した前記メダルのメダル落下音を集音するマイク部と、
前記マイク部が集音した前記メダル落下音を出力する音声出力部と、
前記検出部の出力に応じて、前記マイク部を制御して、前記メダル受け止め部に落下した前記メダルの前記メダル落下音を集音し、前記音声出力部を制御して、前記マイク部が集音した前記メダル落下音を出力する制御部と、
を備えるプッシャゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のプッシャゲーム機において、
前記制御部は、前記検出部の出力に応じて、前記マイク部をオフからオンに制御して前記メダル落下音を集音すること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項3】
請求項1に記載のプッシャゲーム機において、
前記制御部は、前記検出部の出力に応じて、前記音声出力部をオフからオンに制御して前記メダル落下音を出力すること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のプッシャゲーム機において、
前記マイク部は、前記メダル受け止め部近傍に設けられ、前記メダル受け止め部近傍の音情報を集音し、
前記制御部は、前記検出部から出力があるまでの間に前記マイク部が集音した前記音情報の入力の大きさに応じて、前記音声出力部を前記メダル落下音の出力の大きさを変化させるように制御すること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のプッシャゲーム機において、
前記制御部は、プレイ進行に応じて、前記マイク部が集音した前記メダル落下音を編集する落下音編集部を備えること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のプッシャゲーム機において、
前記メダル受け止め部は、前記プッシャ台から落下した前記メダルを受け止める部分が、金属により形成されていること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のプッシャゲーム機において、
前記検出部は、前記プッシャ台の縁部に沿った方向に、複数設けられており、
前記メダル受け止め部は、前記縁部に沿った方向に至るに従って鉛直方向に傾斜しており、
前記マイク部が集音した前記メダル落下音を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記検出部が前記プッシャ台の縁部から落下する前記メダルを検出してから、前記記憶部の前記メダル落下音を読み出して前記音声出力部から出力するまでの時間を、前記縁部と前記メダル受け止め部との高さが短い程長くすること、
を特徴とするプッシャゲーム機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−155030(P2010−155030A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−328(P2009−328)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)