説明

プラグキャップ

【課題】 ソケット接続用のプラグ筒(21)に被嵌させるプラグキャップにおいて、不用意に外れることがなく、必要に応じて容易に取り外すことのできる安全性の高いプラグキャップを提供すること。
【解決手段】 プラグ筒(21)の基端部に回動自在に且つ抜け止め状態に外嵌されるキャップ補助具(10)と、プラグ筒(21)の略全体を被覆し且つキャップ補助具(10)に螺合接続されるキャップ本体(11)とからなり、キャップ補助具(10)をプラグ筒(11)に対して回動阻止状態に固定できる回動阻止手段(13)(14)が設けられていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグキャップ、特に、ガス圧検圧用接続具のプラグ筒に装着させるプラグキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種検圧用接続具のプラグ筒に被嵌させるプラグキャップとして、特開平10−339384号のものを提案した。前記検圧用接続具は、図7に示すように、ガス栓や、ガス配管に螺合装着されるネジ筒部(30)を具備するもので、これと反対側には、検圧具のソケット(図示せず)が着脱自在に接続可能なプラグ筒(3)が設けられている。この検圧用接続具内には軸線方向に貫通するガス通路(32)が形成されており、当該ガス通路(32)には、これを開閉するガス通路開閉機構が内蔵され、さらに、前記プラグ筒(3)の略全体を被覆する筒状のプラグキャップ(4)が取り外し可能に螺合装着されている。
前記プラグキャップ(4)の開放端近傍の内周面には、雌ネジ部(41)が形成されてあり、これを前記プラグ筒(3)の基端部近傍の外周面に形成した雄ネジ部(31)に螺合させることにより、前記プラグキャップ(4)は、プラグ筒(3)に取り外し可能に被冠される。
尚、 この被冠状態で、 前記プラグキャップ(4)の嵌合部の気密を確保するため、プラグ筒(3)の基端部にOリング(33)が設けられており、前記雌ネジ部(41)が前記雄ネジ部(31)に螺合されたとき、 前記Oリング(33)が前記プラグキャップ(4)の開放端内周面に密に外嵌し、気密が確保される。
このものでは、ガス圧検圧時に、前記プラグキャップ(4)を、プラグ筒(3)との螺合を緩める方向に回動させることにより、前記プラグキャップ(4)は容易に取り外され、前記プラグ筒(3)に検圧具のソケットを接続すれば、ガス配管内、又はガスメータ内の検圧が可能となる。
【特許文献1】特開平10−339384号公報
【特許文献2】特開平10−122928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、この従来のプラグキャップ(4)では、プラグ筒(3)に螺合されているだけであるから、ネジを緩める方向に回動させれば、誰にでも容易に取り外すことができる。よって、いたずらされる危険があり、安全性に欠けるものであった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、『ソケット接続用のプラグ筒に被嵌させるプラグキャップ』において、不用意に外れることがなく、必要に応じて容易に取り外すことのできる、安全性の高く、使い勝手の良いプラグキャップを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1に係る発明のプラグキャップは、『前記プラグ筒の基端部に回動自在に且つ抜け止め状態に外嵌されるキャップ補助具と、前記プラグ筒の略全体を被覆し且つ前記キャップ補助具に螺合接続されるキャップ本体とからなり、
前記キャップ補助具を前記プラグ筒に対して回動阻止状態に固定する回動阻止手段が設けられていること』を特徴とするものである。
上記手段は次のように作用する。
プラグ筒に被嵌させるプラグキャップは、キャップ補助具とキャップ本体とから構成されている。キャップ本体は、前記キャップ補助具に、螺合接続されて一体となっている。前記キャップ補助具は、プラグ筒の基端部に回動自在に装着されているため、前記プラグキャップをプラグ筒に被嵌させた状態にて、前記キャップ本体を、ネジを緩める方向に回動させても、前記キャップ本体は、前記キャップ補助具と共に、前記プラグ筒に対しては空回りすることとなり、前記キャップ本体の螺合を緩めることはできない。又、前記キャップ本体を、例えば、引き抜き方向に引っ張っても、前記キャップ本体と一体に接続されている前記キャップ補助具がプラグ筒の基端部に抜け止め状態に外嵌されていることから、前記キャップ本体が引き抜かれることはない。プラグ筒を使用する際には、回動阻止手段によって、前記キャップ補助具を前記プラグ筒に対して回動阻止状態に固定した後に、前記キャップ本体を前記キャップ補助具に対してネジを緩める方向に回動させれば良い。これにより、プラグキャップのうち、キャップ本体がキャップ補助具から取り外されることとなり、プラグ筒を露出させることができる。
【0005】
(2)請求項1において、『前記キャップ補助具の一方端側は前記キャップ本体内に螺入され、
前記キャップ補助具の他方端側は前記キャップ本体から外方へ突出すると共に、その突出部分の周壁に、前記キャップ補助具の内方へ貫通する貫通孔が設けられている』ものでは、前記貫通孔に、これに貫通可能なピン等を差し込んで固定すれば、前記プラグ筒に対する前記キャップ補助具の回動を阻止することができる。この回動阻止状態を維持させながら、キャップ本体を取外し方向に回動させてキャップ補助具から取り外せば良い。すなわち、前記貫通孔と、これに差し込まれるストッパ用のピンとで回動阻止手段が構成されることとなる。
【0006】
(3)請求項1において、『前記プラグ筒の基端部にはそれよりも大径な工具対応部が張り出しており、
前記キャップ補助具は、一端面が前記キャップ本体の開放端よりも突出する態様で前記キャップ本体内に螺入されると共に、前記キャップ補助具の前記一端面は、前記工具対応部のプラグ側端面に当接可能とし、
前記キャップ補助具の前記一端面とこれが当接する前記工具対応部の前記プラグ側端面のどちらか一方又は両方に粗面が形成されている』ものでは、プラグ筒の基端部には、工具対応部が前記プラグ筒よりも大径に張り出しており、前記工具対応部のプラグ側端面に、プラグ本体内に挿入されているキャップ補助具の一端面が当接する構成となっている。前記キャップ補助具は前記一端面がキャップ本体から突出する態様となれば、その略全体が前記キャップ本体内に挿入される構成としてもよく、この場合では、キャップ本体のみがプラグ筒に装着されているような外観を呈することとなる。この装着状態で、前記プラグキャップを普通に回動させても、前記キャップ補助具の前記一端面が前記工具対応部のプラグ側端面に略接触しながら、前記キャップ本体は前記キャップ補助具と共にプラグ筒に対して空回りするだけである。そこで、キャップ本体を取り外すには、前記プラグキャップを工具対応部側へ強く押しながらキャップ本体を回動させる。前記キャップ補助具の前記一端面と前記工具対応部の前記プラグ側端面の一方又は両面には粗面が形成されていることから、前記キャップ補助具の前記一端面が前記工具対応部の前記プラグ側端面に強く押圧されることにより、両面間に大きな摩擦抵抗が生じ、キャップ補助具のプラグ筒に対する相対回動は阻止される。この押圧状態を維持しながら、キャップ本体を取外し方向に回動させると、キャップ補助具は回動阻止状態に固定されていることから、キャップ本体をキャップ補助具から取り外すことができる。
【0007】
(4)請求項1において、『前記プラグ筒の基端部にはそれよりも大径な工具対応部が張り出しており、
前記キャップ補助具は、一端面が前記キャップ本体の開放端よりも突出する態様で前記キャップ本体内に螺入されると共に、前記キャップ補助具の前記一端面は、前記工具対応部のプラグ側端面に当接可能とし、
前記キャップ補助具の前記一端面とこれが当接する前記工具対応部の前記プラグ側端面の所定位置にそれぞれ係合手段が設けられている』ものでは、前記キャップ補助具の一端面を前記工具対応部の前記端面に押圧させたとき、前記係合手段によって前記キャップ補助具は回動阻止状態に固定されることとなる。
【0008】
(5)請求項1において、『前記キャップ本体の開放端は前記キャップ補助具内に螺入されている』ものでは、キャップ本体の開放端からキャップ補助具が延長する外観を呈している。このものでは、前記キャップ補助具を指で押えることにより、前記キャップ補助具をプラグ筒に対して固定することができ、この状態を保持しながら、キャップ本体をキャップ補助具から取り外し方向に回動させて取り外せば良い。
(6)請求項1から5のプラグキャップにおいて、『前記プラグ筒は、ガスメータのガス配管に接続されるガス圧検圧用接続具の一端に設けられて、検圧具のソケットを着脱自在に接続可能とするもの』では、プラグ筒は、ガスメータのガス配管に連通するように取り付けられており、不使用時においては、プラグキャップが被嵌されて保護されている。そして、ガス圧検圧時には、キャップ本体をキャップ補助具から取り外して、プラグ筒にガス漏れ検査具のソケットが接続されることにより、ガスメータのガス漏れを検査することができる。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、プラグキャップを引っ張っても回しても、プラグ筒から取り外すことができないから、不用意にプラグキャップが外れることも、いたずらにより取り外されることもなく、安全性の高いプラグキャップを提供することができる。又、回動阻止手段を利用すれば、キャップ本体をキャップ補助具から容易に取り外すことができるので、プラグ筒の使用時には、手間取ることなく、プラグ本体をキャップ補助具から取り外して、プラグ筒を露出させることができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、確実に且つ容易に、キャップ補助具をプラグ筒に対して回動阻止状態に維持することができるので、プラグ筒使用時におけるキャップ本体の取り外しが一層確実となる。
また、請求項3又は請求項5に係る発明によれば、回動阻止手段としての工具等を利用することなく、キャップ補助具をプラグ筒に対して固定して、キャップ本体を取り外すことができるから、キャップ本体の取外しが一層容易となる。又、請求項4に係る発明によれば、請求項3に係る発明の効果をさらに確実なものとすることができる。
また、請求項6に係る発明によれば、安全性の高いガス圧検圧用接続具を具備させたガスメータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、ガスメータ(5)の上面に、ガス入口(図示せず)と共に並設されているガス出口(50)にT型配管継手(51)を接続させた状態を示しており、前記T型配管継手(51)の2つの下流端の一方(51a)にはガス圧検圧用接続具(2)が螺合接続されており、他方の下流端(51b)には、給湯器や各種ガス器具にガスを供給する配管(52)が接続されている。
尚、前記ガス圧検圧用接続具(2)が接続されている側がガスメータ(5)の正面であり、前記配管(52)は、ガスメータ(5)の背面側へ延長されている。
【0012】
前記ガス圧検圧用接続具(2)の一端は、前記T型配管継手(51)の前記一方の下流端(51a)に螺合接続されるネジ筒部(20)となっており、他端側には、二点鎖線に示すように、ガス漏れ検査用の検圧具(44)のソケット(40)が着脱自在に接続可能なプラグ筒(21)が螺合接続によって一体的に設けられている。そして、前記ネジ筒部(20)とプラグ筒(21)との境界部分には、前記ネジ筒部(20)をT型配管継手(51)に螺合接続させる際に、工具を対応させるための略六角形状の工具対応部(22)が張り出している。
【0013】
前記プラグ筒(21)内には、前記ソケット(40)の接続により開弁される弁体(23)と、前記弁体(23)をプラグ筒(21)内の弁座(21a)に当接させる方向に付勢するバネ(24)とからなる弁装置が具備されており、ソケット(40)を接続させない限りは、前記弁体(23)によって閉塞状態は維持される。しかしながら、より高い安全性を確保するために、前記プラグ筒(21)の不使用時においては、前記プラグ筒(21)に、プラグキャップ(1)を被嵌させている。
【0014】
本発明の実施の形態のプラグキャップ(1)について、図2に基づいて説明する。
プラグキャップ(1)は、プラグ筒(21)の基端部に外嵌させるキャップ補助具(10)と、これに螺合接続されると共に前記プラグ筒(21)の全体を被覆するキャップ本体(11)とから構成されている。
キャップ補助具(10)は、工具対応部(22)側の大径筒部(10a)と、キャップ本体(11)の開放端内に螺入される小径筒部(10b)とからなる環状体であり、プラグ筒(21)の基端部に回動自在に外嵌されると共に、スナップリング(R)によって、プラグ筒(21)の基端部に対して抜け止め状態に固定されている。
【0015】
上記したように、プラグ筒(21)の基端部に回動自在で且つ抜け止め状態に装着されたキャップ補助具(10)の小径筒部(10b)に、キャップ本体(11)を螺合接続させる。これにより、キャップ補助具(10)とキャップ本体(11)とは相対回動阻止状態に一体となり、キャップ本体(11)の開放端に、それと同じ外径を有する大径筒部(10a)が突出する態様のプラグキャップ(1)が構成される。尚、前記プラグ筒(21)の外周面には、Oリング(25)が配設されており、プラグキャップ(1)との気密性を確保している。
又、キャップ補助具(10)の大径筒部(10a)の所定位置には、前記キャップ補助具(10)をプラグ筒(21)に対して回動阻止状態に固定する回動阻止手段としての貫通孔(13)が貫通している。
【0016】
この実施の形態のものでは、不使用時におけるガス圧検圧用接続具(2)のプラグ筒(21)には、常時プラグキャップ(1)が被嵌された状態となっており、この状態にて、プラグキャップ(1)を構成しているキャップ本体(11)とキャップ補助具(10)とは、上記したように、相対回動阻止状態に連結されていると共に、キャップ補助具(10)はプラグ筒(21)の基端部に回動自在に外嵌されているから、キャップ本体(11)を持ってプラグキャップ(1)を回動させても、キャップ補助具(10)がプラグ筒(21)に対して空回りするだけであり、プラグキャップ(1)が外れることはない。又、キャップ本体(11)を抜き方向に引っ張っても、キャップ補助具(10)はプラグ筒(21)に対して抜け止め状態に装着されているから、プラグキャップ(1)が引き抜かれることもない。
このように、プラグ筒(21)に対してプラグキャップ(1)は不用意に取り外されることがないから、ガス圧検圧用接続具(2)を、事故やいたずら等から確実に防止することができ、安全性は確保されることとなる。
【0017】
そして、ガスメータ(5)のガス漏れ検査時等において、ガス圧検圧用接続具(2)を使用する場合には、前記貫通孔(13)にストッパ用ピン(14)を差し込む。ストッパ用ピン(14)としては、前記貫通孔(13)内に差込可能で且つその差込位置を移動させないように指で支持することができる長さと硬さを有するものが採用可能であり、これを、貫通孔(13)内に挿入して差込位置を固定することにより、キャップ補助具(10)をプラグ筒(21)に対して回動阻止状態に固定することができる。この固定状態を維持しながら、キャップ本体(11)を締付け方向とは逆方向、すなわち、ネジを緩める方向に回動させれば、キャップ本体(11)の開放端におけるキャップ補助具(10)の小径筒部(10b)への螺合は解除されていき、図3に示すように、キャップ本体(11)をキャップ補助具(10)から分離して、キャップ本体(11)のみをガス圧検圧用接続具(2)から取り外すことができる。
【0018】
キャップ本体(11)が取り外されたガス圧検圧用接続具(2)に、図1に示すように、検圧具(44)のソケット(40)を接続する。すると、ソケット(40)の軸体(図示せず)によって弁体(23)が内方に押し込まれ、この弁体(23)が弁座(21a)から離れた開弁状態となる。これにより、検圧具(44)とT型配管継手(51)内のガス流路とが連通され、T型配管継手(51)及びガスメータ(5)と検圧具(44)とが連通された状態となる。この状態で、検圧具(44)によって、T型配管継手(51)及びガスメータ(5)のガス漏れが検査できる。尚、検圧具(44)としては、例えば、マノメーターが採用可能である。
【0019】
検圧後、ソケット(40)をガス圧検圧用接続具(2)のプラグ筒(21)から外すと、バネ(24)により弁体(23)が開放端側に押され、閉弁状態となる。このため、プラグ筒(21)からガスが漏れることはないが、さらに安全性を高めるために、このプラグ筒(21)に、キャップ本体(11)を被嵌させておく。キャップ本体(11)を被嵌させるためには、キャップ本体(11)の開放端内にキャップ補助具(10)の小径筒部(10b)が螺入されるように、キャップ本体(11)を締付け方向に回動させていく。キャップ補助具(10)との接続が完了した後に、前記ストッパ用ピン(14)を貫通孔(13)から引き抜く。これにより、キャップ補助具(10)は、元通り、プラグ筒(21)の基端部に対して回動自在となり、プラグキャップ(1)を回動させても、又は、引き抜き方向に引っ張っても、キャップ本体(11)がガス圧検圧用接続具(2)から不用意に脱落することはなく、ガス圧検圧用接続具(2)の安全性は確保されることとなる。
【0020】
図4に示すものは、第2番目の実施の形態である。
この実施の形態のキャップ補助具(10)は、その外周面略全域にネジが刻設され且つ全体に同径の筒体に構成されており、キャップ本体(11)の開放端内に略全体が捻じ込まれる態様となっている。キャップ本体(11)への最終捻じ込み状態において、キャップ本体(11)の開放端からキャップ補助具(10)の一端がわずかに突出する寸法関係に設定されているものの、外観上は、キャップ本体(11)のみが被嵌されているように見える。
尚、キャップ補助具(10)は、第1番目の実施の形態の場合と同様に、プラグ筒(21)の基端部に対して回動自在で且つスナップリング(12)によって抜け止め状態に取り付けられているものとする。よって、キャップ補助具(10)に一体的に外嵌し、螺合接続されているキャップ本体(11)は、回動させれたり引っ張られたりしても、プラグ筒(21)から外れることはない。
【0021】
ガス圧検圧用接続具(2)の使用時には、プラグキャップ(1)を工具対応部(22)側へ強く押し付ける。プラグキャップ(1)の開放端は、キャップ本体(11)からキャップ補助具(10)が突出しており、プラグキャップ(1)を工具対応部(22)側へ押し付けることにより、キャップ補助具(10)の突出端面(15)が工具対応部(22)のプラグ側端面(26)に押圧されることとなる。
この押圧状態を維持しながら、キャップ本体(11)を取外し方向に回動させる。
尚、前記工具対応部(22)のプラグ側端面(26)及びキャップ補助具(10)の突出端面(15)のどちらか一方面又は両面を粗面状に加工しておけば、キャップ補助具(10)は、工具対応部(22)のプラグ側端面(26)とキャップ補助具(10)の突出端面(15)との間に生じる摩擦抵抗は大きくなり、キャップ補助具(10)はプラグ筒(21)に対して回動阻止状態に固定することができる。このため、キャップ本体(11)のみを取外し方向に回動させることができ、キャップ補助具(10)から取り外すことができる。
【0022】
この実施の形態の場合、工具対応部(22)のプラグ側端面(26)及びキャップ補助具(10)の突出端面(15)が、回動阻止手段として機能することとなる。
さらに、図5に示す第3番目の実施の形態のものは、上記第2番目の実施の形態と同様に、キャップ補助具(10)の略全体をキャップ本体(11)内に収納させると共に、キャップ補助具(10)の突出端面(15)を工具対応部(22)のプラグ側端面(26)に押圧させてキャップ補助具(10)を回動阻止状態とする構成のものであるが、この実施の形態のものでは、回動阻止手段として、工具対応部(22)のプラグ側端面(26)に凹部(27)を形成し、キャップ補助具(10)の突出端面(15)には、前記凹部(27)に嵌合可能な凸部(16)を設ける構成としている。
【0023】
すなわち、プラグキャップ(1)の装着状態においては、キャップ補助具(10)の突出端面(15)の凸部(16)は、工具対応部(22)のプラグ側端面(26)の凹部(27)から外れた位置にあり、キャップ補助具(10)はプラグ筒(21)に対して回動自在となっている。そして、キャップ本体(11)を取り外す際には、プラグキャップ(1)を工具対応部(22)側に押圧しながら回動させていく。すると、キャップ補助具(10)は、凸部(16)が工具対応部(22)のプラグ側端面(26)に接触しながら回動するが、凸部(16)が凹部(27)に対応した時点で、凸部(16)は凹部(27)内に嵌合し、この時点で、キャップ補助具(10)の回動が阻止される。
この実施の形態のものでは、一旦、凸部(16)を凹部(27)に嵌合させると、第2番目の実施の形態のように、プラグキャップ(1)を工具対応部(22)に対して、強い押圧状態を維持しなければならない必要はない。
【0024】
さらに、図6に示すものは、第4番目の実施の形態のプラグキャップ(1)であり、この実施の形態のプラグキャップ(1)では、キャップ本体(11)の開放端をキャップ補助具(10)内に螺入させることにより、キャップ本体(11)とキャップ補助具(10)とを一体とする構成となっている。すなわち、この実施の形態のプラグキャップ(1)は、キャップ本体(11)の開放端にキャップ補助具(10)が設けられた外観を呈するものとなる。
前記キャップ補助具(10)は、プラグ筒(21)に対して回動自在に設けられていると共に、その基端部に装着させたスナップリング(12)によって抜け止め状態に装着されている。又、キャップ補助具(10)の表面には、滑り止め加工が施されている。
【0025】
この実施の形態のプラグキャップ(1)を取り外すには、キャップ補助具(10)を指で支持することにより、キャップ補助具(10)は回動阻止状態に固定し、この状態を維持しながら、キャップ本体(11)を取り外し方向に回動させれば良い。これにより、キャップ本体(11)はキャップ補助具(10)から取り外されることとなり、ガス圧検圧用接続具(2)を外方に露出させることができる。前記キャップ補助具(10)の表面には、上記したように、滑り止め加工が施されているから、キャップ補助具(10)を確実に一方の手で支持しながら、他方の手でキャップ本体(11)を取り外し方向に回動させることができる。
尚、上記各実施の形態のプラグキャップ(1)は、ガスメータ(5)のT型配管継手(51)に接続させるガス圧検圧用接続具(2)のプラグ筒(21)に被嵌させるものとしたが、各種プラグに必要に応じて取り付けても良いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ガスメータ(5)の配管に接続されているガス圧検圧用接続具(2)のプラグ筒(21)に本発明の第1番目の実施の形態のプラグキャップを装着させた状態を示す説明図。
【図2】図1の要部拡大断面図。
【図3】図2の状態から、キャップ本体(11)を取り外した状態を示す説明図。
【図4】本発明の第2番目の実施の形態のプラグキャップの説明図。
【図5】本発明の第3番目の実施の形態のプラグキャップの説明図。
【図6】本発明の第4番目の実施の形態のプラグキャップの説明図。
【図7】従来のプラグキャップの断面図。
【符号の説明】
【0027】
(1) ・・・・プラグキャップ
(10)・・・・キャップ補助具
(11)・・・・キャップ本体
(13)(14)・・回動阻止手段
(21)・・・・プラグ筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケット接続用のプラグ筒に被嵌させるプラグキャップにおいて、
前記プラグ筒の基端部に回動自在に且つ抜け止め状態に外嵌される環状のキャップ補助具と、前記プラグ筒の略全体を被覆し且つ前記キャップ補助具に螺合接続されるキャップ本体とからなり、
前記キャップ補助具を前記プラグ筒に対して回動阻止状態に固定できる回動阻止手段が設けられていることを特徴とするプラグキャップ。
【請求項2】
請求項1に記載のプラグキャップにおいて、前記キャップ補助具の一方端側は前記キャップ本体内に螺入され、
前記キャップ補助具の他方端側は前記キャップ本体から外方へ突出すると共に、その突出部分の周壁に、前記キャップ補助具の内方へ貫通する貫通孔が設けられていることを特徴とするプラグキャップ。
【請求項3】
請求項1に記載のプラグキャップにおいて、前記プラグ筒の基端部にはそれよりも大径な工具対応部が張り出しており、
前記キャップ補助具は、一端面が前記キャップ本体の開放端よりも突出する態様で前記キャップ本体内に螺入されると共に、前記キャップ補助具の前記一端面は、前記工具対応部のプラグ側端面に当接可能とし、
前記キャップ補助具の前記一端面とこれが当接する前記工具対応部の前記プラグ側端面のどちらか一方又は両方に粗面が形成されていることを特徴とするプラグキャップ。
【請求項4】
請求項1に記載のプラグキャップにおいて、前記プラグ筒の基端部にはそれよりも大径な工具対応部が張り出しており、
前記キャップ補助具は、一端面が前記キャップ本体の開放端よりも突出する態様で前記キャップ本体内に螺入されると共に、前記キャップ補助具の前記一端面は、前記工具対応部のプラグ側端面に当接可能とし、
前記キャップ補助具の前記一端面とこれが当接する前記工具対応部の前記プラグ側端面の所定位置にそれぞれ係合手段が設けられていることを特徴とするプラグキャップ。
【請求項5】
請求項1に記載のプラグキャップにおいて、前記キャップ本体の開放端は前記キャップ補助具内に螺入されていることを特徴とするプラグキャップ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のプラグキャップにおいて、前記プラグ筒は、ガスメータのガス配管に接続されるガス圧検圧用接続具の一端に設けられて、検圧具のソケットを着脱自在に接続可能とするものであることを特徴とするプラグキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−2924(P2006−2924A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182838(P2004−182838)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000151977)株式会社藤井合金製作所 (66)
【Fターム(参考)】