説明

プラスチック容器

【目的】強度的には不利である真空成形品であっても、店頭陳列における容器の積み重ねにも耐えられる容器蓋を備えるプラスチック容器を提供する。
【構成】真空成形ないし圧空成形により形成された容器蓋20であって、前記容器本体の底部を載置可能とするエリアSを備える蓋上面部21と、この蓋上面部21のエリアを規制するために、上方に突出した突堤部23と、突堤部23の外側壁23aの下端部23bに連接する接続帯25を介して下方に延出するスカート部27とを有し、容器蓋20の突堤部23の外側壁23aの下端部23bは、容器本体のフランジ部41の平坦部幅内に位置するように設定されているとともに、容器蓋のスカート部27は、内側に突出した凸状の溝帯29を備え、この凸状の溝帯29は、容器本体の傾斜帯部43の外縁43aと係合可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有底筒状の容器本体と、これに被着される容器蓋とを有するプラスチック容器に関し、特に、味噌、漬物、醗酵食品などを収納するために用いられる容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、味噌等の醗酵食品を所定重量包装体につめこみ、店頭で陳列販売する場合、包装体としては簡易な包装形態でありコストも安価なビニール袋が圧倒的に多く用いられていた。しかしながら、このような食品は、通常一度に全部使い切るものではなく、内容物を少しずつ小出しにして比較的長期に亘って使用するものである。そのため、通常のビニール袋形態では、使い勝手が悪かったり、また、袋の取りだし口に味噌等の付着物が残り非衛生的であるという問題がある。また、需要者の高級志向に伴う高級味噌の売れ行き増加と、それに伴う容器の高級化も望まれてきている。
【0003】このような実情のもと、すでに、有底筒状の容器本体と、これに被着される容器蓋から構成される高級感のあるプラスチック容器に味噌などを収納した製品が市場に出まわるようになってきた。このようなプラスチック容器、特に容器蓋は、店頭における陳列販売の際に、容器を何段も積み重ねておいても大丈夫なように、強度の面を考慮し、肉厚の射出成形品が一般に多く使用されている。また、衛生的観点、使用しやすさの観点から、射出成形品の容器蓋に、さらに開閉蓋片を取りつけたものも出始めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの射出成形品の容器は、肉厚のため重く、一過性の消費包装材料としてはコストも高く、使い捨てタイプのものとしては過剰の品質とも言える。また、ヒンジ部を備える開閉蓋片を取りつけたものは、ポリプロピレンなどの特定の材料に限定され、材料選定の自由に乏しいという問題がある。
【0005】このような実情のもとに本発明は創案されたものであって、その目的は、軽くて取扱が容易で、コストも安く、過剰品質でもなく、しかも材料選定の自由度が大きい真空成形品を容器蓋に用いるとともに、容器蓋の構造を容器本体との関係で所定の形態に設定することによって、本来肉厚の薄い成形物であり、強度的には不利である真空成形品であっても、店頭陳列における容器の積み重ねにも耐えられる容器蓋を備えるプラスチック容器を提供することにある。
【0006】また、さらには開閉蓋片も形成できるようになっている容器蓋を備えるプラスチック容器を提供することにもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明は、開口部を備え、内容物を収納するための有底筒状の容器本体と、該容器本体の開口部に被着される容器蓋とを有するプラスチック容器であって、前記容器本体は、開口部を備えて内容物を収納するための有底筒状体部と、その開口部に連接され外方向に延出した一定幅の平坦部を備えるフランジ部と、該フランジ部の外周端に連接され容器の下方に延出した傾斜帯部とを有し、前記容器蓋は、真空成形ないし圧空成形により形成された容器蓋であって、前記容器本体の底部を載置可能とするエリアを備える蓋上面部と、この蓋上面部のエリアを規制するために、上方に突出した突堤部と、該突堤部の外側壁の下端部に連接する接続帯を介して下方に延出するスカート部とを有し、前記容器蓋の突堤部の外側壁の下端部は、前記容器本体のフランジ部の平坦部幅内に位置するように設定されているとともに、前記容器蓋のスカート部は、内側に突出した凸状の溝帯を備え、この凸状の溝帯は、前記容器本体の傾斜帯部の外縁と係合可能に構成される。
【0008】また、プラスチック容器を構成する前記容器蓋は、開閉蓋片形成のために間欠的に配置された打ち抜きラインを蓋の周縁に備え、該打ち抜きラインは、前記突堤部の外側壁の下端部ないしはこれに連接する接続帯の幅内に形成され、かつ、容器蓋の一辺の直線部分に沿う打ち抜きラインは回動可能な開閉基部をなすようにミシン目で形成されており、他の打ち抜きラインは、容易に切り離しできるように数か所の継ぎ目を残したまま打ち抜き加工されているように構成される。
【0009】
【作用】本発明において、容器蓋は、軽くて取扱が容易で、コストも安く過剰品質でなく、しかも材料選定の自由度が大きい真空成形品を用いており、肉薄となる真空成形品の強度の弱さを補うために、容器蓋の構造を容器本体との関係で所定の形態に設定している。具体的には容器蓋の突堤部の外側壁の下端部が、容器本体のフランジ部の平坦部幅内に位置するように設定されているとともに、容器蓋のスカート部は、内側に突出した凸状の溝帯を備え、この凸状の溝帯は、容器本体の最外方に位置する傾斜帯部の外縁と係合可能に構成される。まず、容器蓋の上に容器が積み重ねられると、容器本体のフランジ部の平坦部幅内に設置された容器蓋の突堤部の外側壁の下端部が、容器荷重の作用点(線)となる。
【0010】そして、容器荷重がある一定限度を超えて大きくなると容器蓋のスカート部が前記の作用点(線)を中心にテコの原理で持ち上がるような挙動を示し、このときスカート部の内面突出するように形成されている凸状の溝帯と、容器本体の傾斜帯部の外縁とが確実に係合し、これによって容器蓋の上に積み重ねられた荷重が確実に支えられるように作用する。
【0011】また、プラスチック容器を構成する前記容器蓋は、開閉蓋片形成のために間欠的に配置された打ち抜きラインを蓋の周縁に備え、該打ち抜きラインは、前記突堤部の外側壁の下端部ないしはこれに連接する接続帯の幅内に形成され、かつ、容器蓋の一辺の直線部分に沿う打ち抜きラインは回動可能な開閉基部をなすように人手では容易に切り離せない程度の継ぎ目を残したミシン目で形成されており、他の打ち抜きラインは、容易に切り離しできるように数か所の継ぎ目を残したまま打ち抜き加工されている。そのため、容器蓋の上に積み重ねられた荷重を支えることができることはもとより、例えば、消費者が容器蓋の好ましくは裏面側から所定の数か所の継ぎ目を指等で押し切ることにより開閉蓋片が形成され、内容物の取り出しが衛生かつ簡易に行える。なお前記回動可能な開閉基部はヒンジ成形によるものであってもよい。
【0012】ヒンジ形成の際ヒンジ部を形成するシートの作る樋状部の両端開口部が容器本体のフランジ部によって容器本体の開口部と空気の流通を遮断するようにヒンジ部を成形することが衛生上の観点から望ましい。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0014】図1は、本発明のプラスチック容器1を構成する容器本体20と、容器蓋40とが組み合わされる前の状態の正面図であり、図2はこれらが組み合わされた後の正面図であり、図3は図2の平面図である。
【0015】図1に示されるように、本発明のプラスチック容器1は、内容物を収納するための有底筒状の容器本体40と、これに被着される容器蓋20を有している。
【0016】容器本体40は、内容物の取り出し口となる開口部49を有するとともに、内容物を一時的に収納するための有底筒状体部45を備えている。
【0017】そして、この開口部49には、外方向に延出した一定幅の平坦部を備えるフランジ部41が、開口部49と連接されて形成されており、さらに該フランジ部41の外周端には、容器の下方に延出した傾斜帯部43が連接されて形成されている。
【0018】このような容器本体40の有底筒状体部45は、その断面形状に特に制限はなく略長方形、略正方形、略半円形状等、種々の形状が採択できる。後述するように開閉蓋片構造を設けるということを考慮すれば、一つの直線部分を備えた断面形状とすることが望ましい。また、容器本体40は射出成形、真空成形等、いずれの成形方法で形成されたものであってもよく、特に制限はない。用いる樹脂についても特に制限はないが、通常は、熱可塑性樹脂単体の成形原料やシートあるいはこれらの樹脂からなる積層シートが使用される。具体的には、前者はポリアクリルニトリル(PAN)、塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)などが例示でき、後者はポリエチレンテレフタレートとエチレン・酢酸ビニル積層シート、(PET/EVOH)、ポリプロピレンとエチレン・酢酸ビニル積層シート(PP/EVOH/PP)などが例示出来る。特に、バリアー性にすぐれるポリアクリルニトリル(PAN)単体やエチレン・酢酸ビニル、芳香族ナイロン(MX−NYLON)シートが積層されたシート等が好適に用いられる。
【0019】前記容器蓋20は、いわゆる真空成形ないし圧空成形によって成形された容器蓋であって、この容器蓋20の上面には、本発明のプラスチック容器を積み重ねて載置できるように、前記容器本体40の底部48の外径D1よりも大きな設置エリアS(例えば外径D2(D2>D1))を備える蓋上面部21が形成されている。この蓋上面部21のエリアを規制するとともに、実際に蓋上面部21に積み重ねられた同種類のプラスチック容器の横ずれを防止するために蓋上面部21の外方には、上方に突出した突堤部23が形成されている。さらにこの突堤部23の外側壁23aの下端部23bには、通常平坦面からなる接続帯25が連接され、この接続帯25に連接して下方に延出するスカート部29が形成されている。
【0020】図2に示されるように、容器蓋20を容器本体40に被着させた場合に、本発明においては、前記容器蓋20の突堤部23の外側壁23aの下端部23bが、前記容器本体40のフランジ部41の平坦部幅内(本実施例ではフランジ部41はすべて平坦に形成されている)に位置するように設定されている。好ましい設定位置は、フランジ部41の内周から20%〜80%(フランジ部41の幅に対して)、より好ましくは50%〜80%の範囲である。この設定によって、容器蓋20の上に新たな容器が積み重ねられると、容器本体40のフランジ部41の平坦部幅内に載置された容器蓋20の突堤部23の外側壁23aの下端部23bが、容器荷重の作用点(線)となる。つまり、容器荷重は容器本体40のフランジ部41でしっかりと支えられている。
【0021】さらに、前記容器蓋20のスカート部27は、内側に突出した凸状の溝帯29を備え、この凸状の溝帯29は、前記容器本体40の傾斜帯部43の外縁43aと係合可能になっている。このような凸状の溝帯29は、スカート部27の外周に沿って、一定の間隔を開けて形成することが好ましい。形成する溝帯29の個数、大きさ、形状等には特に制限はなく、容器蓋20の材質、肉厚等、さらには係合すべく容器本体40の傾斜帯部43の強度等を考慮して適宜選定すればよい。ちなみに、本実施例の場合には、合計4個の溝帯29が形成されており(スカート部27の4辺に相当する位置に、それぞれ1個づつ)、その形成位置は、図2に示されるように、容器蓋20を容器本体40に被着した時に、係合すべく容器本体40の傾斜帯部43の外縁43aよりもわずかに下方に位置するように設定される。
【0022】図3に示されるように前記容器蓋20は、開閉蓋片形成のために間欠的に配置された複数の打ち抜きライン30,35を容器蓋の周縁に備えている。より具体的には、複数の打ち抜きライン30,35は、それぞれ、前記突堤部23の外側壁23aの下端部23bないしはこれに連接する接続帯25の幅内に形成される。より好ましくは、荷重作用線と同じ位置である下端部23bか、それよりわずか外側である。こうすることにより、形成される開閉蓋片は、容器本体40の開口部49よりも広くなり、しかも開閉蓋片を開けた時、本体に嵌着している容器蓋20のどの部分も容器本体40の開口部49を覆っていない構造となり、容器内の内容物を容易に取り出しできるという効果を奏する。また、積み重ねによる荷重に対しても十分に対処できる。
【0023】図3に示される実施例において、上記の打ち抜きラインはその性質上、2種類に大別され、一の打ち抜きライン35は、蓋からの切り取りが目的ではなく、回動可能な開閉基部を形成するためのミシン目であり、通常、容器蓋片の一辺の直線部分近傍に図示のごとく直線状(符号Lで示される)に形成される。他の打ち抜きライン30は、開閉蓋片形成のための蓋からの切り取りが目的であり、容易に切り離しできるように数か所の継ぎ目(符号C)を残したまま打ち抜き加工されている。
【0024】この継ぎ目の長さは、容器蓋20の材質や肉厚等を考慮しつつ、簡易に切り離しできるように設定されるが、種々の実験を行った結果、0.5〜2.5mm、より好ましくは、1.0〜1.5mmの範囲がよいことがわかっている。
【0025】なお、回動可能な開閉基部を形成するための上記一の打ち抜きライン35に代えて、公知のいわゆるヒンジ形成部を形成することももちろん可能である。この場合、ミシン目の打ち抜きライン35は、連続した樋形状の溝に取って変えられる。形成される打ち抜きラインは、開閉蓋片形成のために蓋からの切り取りが目的のための打ち抜きライン30のみ形成される。
【0026】また、回動可能な開閉基部(ないしはヒンジ形成部)の対向部側にはさらにカット目を容器蓋20のスカート部27まで入れて、ここを開閉蓋片のつまみ部とすることもできる。また、このカット目を入れることなく、この部分に何か印をつけておき、ハサミ等で切ってもらうようにしておいてもよい。
【0027】本発明における、容器蓋20は真空成形法ないし圧空成形法により形成され、その厚さは、成形後の厚さで、0.05〜1.0mmの範囲内とされる。
【0028】真空成形は、雌型または雄型のいずれか1つと、熱と大気圧を利用して熱可塑性シートを簡易に成形する方法であり、具体的には、硬質シートを型の上方に懸垂した枠にクランプし、加熱軟化させ、続いてシートと型の間を真空にしてシートを型に密着させてそのまま冷却して立体的な形に成形する。通常、真空成形は雌型(キャビティ成形)を用いる場合を指すが、本発明では雄型を用いる場合(ドレープ成形)や移動する雄型プラグを用いる場合(プラグアシスト成形)をも含む広い概念で定義される。
【0029】圧空成形は、シートを雌型と熱盤の間にクランプし、型側から空気を吹込んでシートを熱盤に接触させ軟化させる。次にこの空気の吹込みを止め、熱盤の方から圧縮空気(2〜3.5Kg/cm2 )を吹込みシートを雌型の成形面に押付けることを特徴とする熱成形法である。圧縮空気の代りに液圧や機械的圧力を用いることもある。
【0030】容器蓋20に用いる樹脂については特に制限はないが、通常は、熱可塑性樹脂単体のシートあるいはこれらの樹脂からなる積層シートが使用される。具体的には、前者はポリアクリルニトリル(PAN)、塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)などが例示でき、後者はポリエチレンテレフタレートとエチレン・酢酸ビニル積層シート、(PET/EVOH)、ポリプロピレンとエチレン・酢酸ビニル積層シート(PP/EVOH/PP)などが例示出来る。特に、バリアー性にすぐれるポリアクリルニトリル(PAN)単体やエチレン・酢酸ビニル、芳香族ナイロン(MX−NYLON)シートが積層されたシート等が好適に用いられる。
【0031】このように真空成形された容器蓋20に上記の打ち抜きライン30,35を形成する好適な一手法が図4に示される。
【0032】図4はダイプレス装置を用いて、容器蓋20aに所定形状の打ち抜きラインを形成する状況を模式的に示した図である。
【0033】この図に示されるように、上下には一対のダイプレス61,65(上盤61と下盤65)が対置されており、下方のダイプレス65の上には、所定の打ち抜きラインパターンのブレード71を備える抜刃型73が設置されており、このブレード71を受けるための合せ型の当板77が上方のダイプレス61側に配置されている。そして、これらのブレード71と当板77との間に、打ち抜きラインが形成されるべき真空成形された容器蓋20aが所定の枚数(10〜20枚程度)重ねられて配置されている。そして、一対のダイプレス61,65が作動することにより容器蓋20aの所定箇所に打ち抜きラインが一度に形成される(10〜20枚程度重ねられたまま)ようになっている。
【0034】このように所定の打ち抜きラインが形成された容器蓋20bは、図5に示されるような打ち抜き刃72を備える一対のダイプレス62,66(上盤62と下盤65)の装置を用いて、外周トリミングが行われ、最終的に商品に使われる容器蓋20が形成される。
【0035】上述してきたプラスチック容器1に内容物を収納して製品化する場合には、通常、容器本体40の中に味噌等の内容物を収納した後、密封シール部材で一旦開口部をヒートシールし、このシール部材の上から、容器蓋20を容器本体40に被着させる。
【0036】このような製品を実際に使用するに際しては、まず、購入者が容器蓋20を外し、シール部材を除去する。そして、容器蓋20を容器本体40にはめ込む前に、例えば、容器蓋の裏側から開閉蓋片を形成するための打ち抜きラインを押し上げて開閉蓋片を形成し、このものを、最後に容器本体40にはめ込み、開閉蓋片付きのプラスチック容器が完成する。
【0037】以下、具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
(容器本体の作製)厚さ0.5mmのPAN(ポリアクリルニトリル)シートを準備し、このものを250℃に余熱した後に真空成形し、高さ90mm、幅115mm、長さ115mmの図1で示される正面図の形状をもつ容器本体を作製した。なお、余熱から成形までの成形サイクルは14秒であった。
(容器蓋の作製)厚さ0.4mmのPVC(塩化ビニル)シートを準備し、このものを240℃に余熱した後に真空成形し、幅約118mm、長さ約118mmの容器蓋を作製した。なお、余熱から成形までの成形サイクルは10秒であり、成形後の容器蓋の肉厚は、0.1〜0.4mmの範囲内であった。
【0038】このような容器蓋に図3に示されるような打ち抜きライン30,35を、ダイプレス装置を用いて形成した。
【0039】このように成形された容器本体および容器蓋を数個用い、容器本体の中に、味噌を750g収納した後に、容器蓋を被せたプラスチック容器を数個作った。この容器を3段重ねしたところ、容器蓋にはなんら異常が確認されなかった。
【0040】また、容器蓋の裏側から開閉蓋片を形成するための打ち抜きラインを押し上げて開閉蓋片を形成してみたところ、実にスムースに開閉蓋片が形成できることが確認できた。開閉蓋片を開閉すること200回行ったが開閉蓋片が開閉基部からちぎれること(脱落)はなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されているので、容器蓋の構造を容器本体との関係で所定の形態に設定することによって、本来肉厚の薄い成形物であり、強度的には不利である真空成形品であっても、店頭陳列における容器の積み重ねにも耐えられる容器蓋を備えるプラスチック容器が提供できる。さらには開閉蓋も形成できる容器蓋を備えるプラスチック容器をも提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック容器を構成する容器本体と、容器蓋とが組み合わされる前の状態の正面図である。
【図2】本発明のプラスチック容器を構成する容器本体と、容器蓋とが組み合わされた後の正面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】ダイプレス装置を用いて、容器蓋に所定形状の打ち抜きラインを形成する状況を模式的に示した図である。
【図5】ダイプレス装置を用いて、最終的なトリミングを行う状態を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1…プラスチック容器
20…容器蓋
21…蓋上面部
23…突堤部
23a…外側壁
23b…外側壁の下端部
25…接続帯
27…スカート部
29…凸状の溝帯
40…容器本体
41…フランジ部
43…傾斜帯部
43a…傾斜帯部の外縁
45…有底筒状体部
49…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 開口部を備え、内容物を収納するための有底筒状の容器本体と、該容器本体の開口部に被着される容器蓋とを有するプラスチック容器であって、前記容器本体は、開口部を備えて内容物を収納するための有底筒状体部と、その開口部に連接され外方向に延出した一定幅の平坦部を備えるフランジ部と、該フランジ部の外周端に連接され容器の下方に延出した傾斜帯部とを有し、前記容器蓋は、真空成形ないし圧空成形により形成された容器蓋であって、前記容器本体の底部を載置可能とするエリアを備える蓋上面部と、この蓋上面部のエリアを規制するために、上方に突出した突堤部と、該突堤部の外側壁の下端部に連接する接続帯を介して下方に延出するスカート部とを有し、前記容器蓋の突堤部の外側壁の下端部は、前記容器本体のフランジ部の平坦部幅内に位置するように設定されているとともに、前記容器蓋のスカート部は、内側に突出した凸状の溝帯を備え、この凸状の溝帯は、前記容器本体の傾斜帯部の外縁と係合可能になっていることを特徴とするプラスチック容器。
【請求項2】 前記容器蓋は、開閉蓋片形成のために間欠的に配置された打ち抜きラインを蓋の周縁に備え、該打ち抜きラインは、前記突堤部の外側壁の下端部ないしはこれに連接する接続帯の幅内に形成され、かつ、容器蓋の一辺の直線部分に沿う打ち抜きラインは回動可能な開閉基部をなすようにミシン目で形成されており、他の打ち抜きラインは、容易に切り離しできるように数か所の継ぎ目を残したまま打ち抜き加工されていることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項3】 前記容器蓋は、開閉蓋片形成のために間欠的に配置された打ち抜きラインをおよびヒンジ形成部を蓋の周縁に備え、該打ち抜きラインおよびヒンジ形成部は、前記突堤部の外側壁の下端部ないしはこれに連接する接続帯の幅内に形成されており、前記打ち抜きラインは、容易に切り離しできるように数か所の継ぎ目を残したまま打ち抜き加工されていることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項4】 前記継ぎ目は、0.5〜2.5mmであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプラスチック容器。
【請求項5】 前記容器蓋の厚さは、0.05〜1.0mmの範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のプラスチック容器。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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