説明

プラズマディスプレイパネル

【課題】本発明は、封止材を通じた封止性能の信頼度が向上したプラズマディスプレイパネルを提供するためのものである。
【解決手段】本発明は、前面パネルと、背面パネルと、上記前面パネルと背面パネルとの間に介された中間構造物と、上記背面パネルと前面パネルとの間の空間を封止するための封止材と、相互交叉するように配列されたアドレス電極及び維持電極を含み、上記中間構造物は少なくとも1つの誘電層を備え、上記誘電層は複数の第1方向成分と、上記第1方向成分と交叉する複数の第2方向成分と、上記第1方向成分と第2方向成分の最外角を連結する縁部を備え、封止材はパネルと垂直な方向から見て、縁部の領域内にあるように形成されることを特徴とする。誘電層が複数の場合、複数の誘電層中、いずれかの1つの誘電層の縁部の幅は他の誘電層の縁部の幅より大きくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルに関し、より詳細には、封止材を通じた封止性能の信頼度が向上したプラズマディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ表示装置は、対向する2つの基板に各々電極を形成し、一定の間隔を有するように重ねて内部に放電ガスを注入した後に封止して形成するプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel;PDP、以下、パネルと混用する)を用いた平板型表示装置をいう。プラズマ表示装置は、プラズマディスプレイパネルを形成した後、パネルの各電極と連結される駆動回路など、画面の表示に必要とする要素を設置してなされる。
【0003】
プラズマ表示装置は、多くの容積を占めるブラウン管(CRT:Cathode ray tube)表示装置に比べて薄く形成できるので、比較的少ない容積で軽い大型画面を表示するのに適している。また、プラズマ表示装置は、LCDのような他の平板型表示装置に比べてトランジスタのような能動素子を必要とせず、視野角が広くて、かつ、輝度が高いという一般的な特性を有する。
【0004】
プラズマ表示パネルでは、画面を表示するための数多くの画素がマトリックス形態で配列される。プラズマ表示パネルにおいて、各画素はその駆動のための能動素子無しに単純に電極に電圧を印加する方式、即ち、受信マトリックス方式により駆動される。各電極を駆動するための電圧信号の形態によってプラズマ表示パネルは直流型と交流型とに区分でき、放電電圧が印加される2つの電極の配置によって対向型、面放電型などに分けられる。
【0005】
交流型の場合、電極が誘電体層で覆われるので自然に静電容量を有することになり、電極を流れる電流が制限され、放電時のイオン衝撃から電極を保護することが容易になる。その結果、電極の寿命も長くなる利点がある。通常の交流面放電型プラズマ表示パネルにおいて、両基板中の一方の内側に形成された面放電型プラズマ表示パネルに、複数のアドレス電極が互いに平行するように垂直方向に形成される。表示電極と走査電極は、“維持電極”とよばれ、同じ基板や異なる基板の内側に、交互に互いに平行するように、水平方向に形成される。
【0006】
表示電極はパネルの1側辺で互いに共通に連結される。画素を構成する各セルには1つの垂直電極であるアドレス電極と2つの水平電極、即ち、走査電極及び表示電極が関連して上から見て交叉することになる。前面発光プラズマ表示装置では維持電極が光路を妨害しないようにセルの維持電極を透明電極で形成し、導電性が良くて幅が狭いバス電極で透明電極を横に連結する構造を有することができる。
【0007】
一方、マトリックス形態という画素の配列は、隔壁と電極の形成によりなされる。隔壁は、アドレス電極と並べて列方向のみに直線形態でなされたストライプ型、行方向と列方向からなり、1セルを区画する格子型等からなることができる。
【0008】
以下、添付の図面を参照しながら従来の技術に対して説明する。
【0009】
図1a及び図1bは、従来のプラズマディスプレイパネルを説明するための図面である。
【0010】
図1a及び図1bを参照すると、従来のプラズマディスプレイパネルは、背面パネル10、前面パネル20及び上記背面パネル10と前面パネル20との間に介された中間構造物を備え、一般的にフリット(frit)と呼ばれる低融点ガラスからなる封止材40を用いて上記背面パネル10及び前面パネル20を合着して封止された構造でなされることができる。
【0011】
上記背面パネル10は一般的に、絶縁性基板と、上記絶縁性基板上の前面パネル方向に所定間隔離隔配置されて互いに平行した複数のアドレス電極と、上記アドレス電極を備える絶縁性基板上の前面パネル方向に形成された絶縁層とを備える。
上記前面パネル20は絶縁性基板を備え、上記背面パネルの方向に絶縁層を更に備えることもできる。
【0012】
上記中間構造物30は、上記背面パネルと前面パネルとの間に介されて一種の隔壁の役割を遂行して、複数の平行した第1方向成分31及び上記第1方向成分31と交叉する複数の平行した第2方向成分32を備え、複数のセル(cell)を備える格子構造からなる。また、維持電極は、上記第1方向成分31または第2方向成分32の中に埋め込まれており、上記アドレス電極と交叉するように構成される。
【0013】
一方、図1aに図示されたようなプラズマディスプレイパネルは、上記背面パネル10と前面パネル20との間に中間構造物30を配置した後、上記中間構造物30の外角に上記封止材40を塗布し、上記背面パネル10及び前面パネル20を合着して封止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、従来のプラズマディスプレイによれば、その合着工程は単純であるが、上記中間構造物30から電極端子を外部に引き出すことが困難であるという問題がある。
【0015】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、封止材を通じた封止性能の信頼度を向上させることが可能な、新規かつ改良されたプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、前面パネルと;背面パネルと;上記前面パネルと上記背面パネルとの間に介された中間構造物と;上記背面パネルと上記前面パネルとの間の空間を封止するための封止材と;相互に交叉するように配列されたアドレス電極及び維持電極と;を備え、上記中間構造物は、複数の誘電層を有し、上記誘電層は、上記誘電層の外周部から所定の幅をもつ縁部と、上記縁部の内側に位置する複数の第1方向成分と、上記縁部の内側に位置し上記第1方向成分と交叉する複数の第2方向成分と、を有し、上記複数の誘電層のうちいずれかの1つの誘電層の縁部の幅は、他の誘電層の縁部の幅より大きいことを特徴とする、プラズマディスプレイパネルが提供される。
【0017】
また、上記中間構造物は、第1誘電層及び第2誘電層を備え、上記アドレス電極は上記前面パネルまたは上記後面パネル上に形成され、上記維持電極は上記第1誘電層と上記第2誘電層との間に介されてもよい。
【0018】
上記封止材は、上記第1誘電層及び上記第2誘電層のうち、上記背面パネル側に配置された誘電層の背面パネル側の縁部に沿って形成され、上記第1誘電層及び上記第2誘電層のうち、上記前面パネル側に配置された誘電層の前面パネル側の縁部に沿って形成されてもよい。
【0019】
また、上記封止材は、低融点ガラスであってもよい。
【0020】
また、上記第1誘電層及び上記第2誘電層の縁部のうち、上記背面パネル方向の誘電層の縁部の幅は、上記前面パネル方向の誘電層の縁部の幅より大きくてもよい。
【0021】
また、上記第1誘電層及び上記第2誘電層の縁部のうち、上記背面パネル方向の誘電層の縁部の幅は、上記前面パネル方向の誘電層の縁部の幅より5mm〜8mm大きくてもよい。
【0022】
また、上記維持電極は、上記第1誘電層の縁部の幅と上記第2誘電層の縁部の幅の差だけ露出して外部回路と連結されてもよい。
【0023】
また、上記中間構造物は、上記前面パネルから上記背面パネルの方向への順に第1誘電層、第2誘電層及び第3誘電層を備え、上記アドレス電極は、上記第2誘電層と第3誘電層との間に介され、上記維持電極は上記第2誘電層と上記第1誘電層との間に介されてもよい。
【0024】
また、上記封止材は、上記第1誘電層、上記第2誘電層及び上記第3誘電層のうち、上記背面パネル側に配置された誘電層の背面パネル側の縁部に沿って形成され、上記第1誘電層、上記第2誘電層及び上記第3誘電層のうち、上記前面パネル側に配置された誘電層の上記前面パネル側の縁部に沿って形成されてもよい。
【0025】
また、上記第1誘電層、上記第2誘電層及び上記第3誘電層のうち、上記第3誘電層の縁部の幅が最も大きくて、上記第1誘電層の縁部の幅が最も小さくてもよい。
【0026】
また、上記第1誘電層及び上記第2誘電層の縁部の幅の差は5mm〜8mmであり、上記第2誘電層及び上記第3誘電層の縁部の幅の差は5mm〜8mmであってもよい。
【0027】
また、上記第1誘電層、上記第2誘電層及び上記第3誘電層は、低融点ガラスからなってもよい。
【0028】
また、上記維持電極は、上記第1誘電層の縁部の幅と上記第2誘電層の縁部の幅の差だけ露出し、上記アドレス電極は、上記第2誘電層及び上記第3誘電層の縁部の幅の差だけ露出して外部回路と連結されてもよい。
【0029】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前面パネルと;背面パネルと;上記前面パネルと上記背面パネルとの間に介された中間構造物と;上記背面パネルと上記前面パネルとの間の空間を封止するための封止材と;相互交叉するように配列されたアドレス電極及び維持電極と;を備え、上記中間構造物は少なくとも1つの誘電層を備え、上記誘電層は、上記誘電層の外周部から所定の幅をもつ縁部と、上記縁部の内側に複数の第1方向成分と、上記第1方向成分と交叉する複数の第2方向成分と、を有し、上記封止材は、上記パネルと垂直する方向から見て上記縁部の幅内に設けられることを特徴とする、プラズマディスプレイパネルが提供される。
【0030】
また、上記中間構造物は、1つの誘電層からなり、上記維持電極は、上記誘電層の上記前面パネル側の面に形成され、上記前面パネルは、上記維持電極が形成された方向への幅が上記誘電層の幅より小さく形成されて、上記維持電極の少なくとも一端部が上記パネルと垂直する方向から見て上記前面パネルの外周部より外側に露出し、上記縁部に位置してもよい。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、封止材を通じた封止性能の信頼度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する発明特定事項については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0033】
まず、従来の技術の問題を克服するための試みとして図2a及び図2bに図示されたような比較例を考案することができる。このような例において、プラズマディスプレイパネルは、上記背面パネル10と前面パネル20との間に中間構造物30を配置した後、上記中間構造物30の第1方向成分31及び第2方向成分32の両終端部の一部分に亘って低融点ガラスからなる封止材40を塗布して、上記背面パネル10及び前面パネル20を合着して封止する。しかし、このようなプラズマディスプレイパネルは、上記封止材40の厚さが、上記中間構造物30が形成された部分と形成されていない部分とで互いに異なるので、封止工程が完了した後、上記封止材40の内部に残留応力が残って、今後、上記プラズマディスプレイパネルの封止性能の信頼性が落ちる問題がある。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態に係るプラズマディスプレイパネルを説明するための概略的な分解斜視図である。
【0035】
図3を参照すると、本発明の一実施形態に係るプラズマディスプレイパネルは、対向配置された背面パネル110及び前面パネル120、そして上記背面パネル110と前面パネル120との間に介されて格子状からなる中間構造物130を備える構造からなることができる。また、上記背面パネル110及び前面パネル120のうち少なくとも1つに蛍光層が形成されている。例えば、背面パネル110上の上記前面パネル120方向には蛍光層(図示していない)が形成されている。
【0036】
上記背面パネル110及び前面パネル120は、少なくとも絶縁性基板111、121を備えて、各々対向する方向に絶縁層113、123を更に備えることができる。
【0037】
上記中間構造物130は、複数の平行した第1方向成分131及び上記第1方向成分131と交叉する第2方向成分132を備えて格子状の構造からなる。この際、上記第1方向成分131と第2方向成分132が交叉して複数のセル(Cell)135が形成される。また、上記中間構造物130は、上記背面パネル110及び前面パネル120のうちいずれかの1つと一体化することもできる。また、上記中間構造物130は一般的にフリット(Frit)と呼ばれる低融点ガラス及びこれの等価物からなることができるが、本発明にその材質を限るのではない。
【0038】
一方、プラズマディスプレイパネルのプラズマ放電のためのアドレス電極112及び維持電極対133X、133Yは多様な形態で配置されることができる。
【0039】
例えば、図示のように、上記背面パネル110及び前面パネル120のうちいずれかの1つの絶縁性基板111、121上に所定間隔離隔した複数のアドレス電極112が配置される。また、上記維持電極対133X、133Yは、上記中間構造物130の第1方向成分131及び第2方向成分132のうち上記アドレス電極112と交叉する方向の成分、例えば、上記第2方向成分132に埋め込まれた構造で配置される。即ち、上記維持電極対133X、133Yは上記アドレス電極112に交叉するように配置される。
【0040】
また、図示してはいないが、上記アドレス電極112及び維持電極対133X、133Yの全てが上記中間構造物130に埋め込まれた構造で配置されることもできる。より詳細に説明すると、上記アドレス電極134は上記中間構造物130の第1方向成分131及び第2方向成分132のうちのいずれかの1つ、例えば、第1方向成分131に埋め込まれ、上記維持電極対133X、133Yは上記中間構造物130の第1方向成分131及び第2方向成分132のうちの他の1つ、例えば、第2方向成分132に埋め込まれて、上記アドレス電極134及び維持電極対133X、133Yが互いに交叉するように配置されることもできる。
【0041】
図4aは本発明の第1実施形態に係るプラズマディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図であり、図4bは本発明の第1実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの中間構造物を説明するための斜視図である。
【0042】
図4a及び図4bを参照すると、本発明の第1実施形態に係るプラズマディスプレイパネルは、対向配置された背面パネル210及び前面パネル220、そして、上記背面パネル210と前面パネル220との間に介されて格子状からなる中間構造物230を備え、上記中間構造物230の上下の周り部に塗布された封止材240を通じて封止された構造からなることができる。即ち、上記封止材240は上記背面パネル210と前面パネル220との間の空間を封止するものである。
【0043】
また、上記背面パネル210及び前面パネル220のうちの少なくともいずれかの1つ、例えば、背面パネル210の絶縁層213の上には蛍光層250が形成されている。また、上記封止材240は一般的にフリット(frit)と呼ばれる低融点ガラス及びこれの等価物からなることができるが、本発明にその材質を限るのではない。
【0044】
上記背面パネル210は、上記前面パネル220の方向に少なくとも絶縁性基板211、上記絶縁性基板211の上に所定間隔で離隔して形成された複数のアドレス電極212、上記アドレス電極212が形成された絶縁性基板211の上に形成された絶縁膜213を備える。上記絶縁性基板211としては一般的にガラス基板が使われる。また、図示してはいないが、上記絶縁膜213の上に形成された保護膜を備えることもでき、上記保護膜は一般的に酸化マグネシウム(MgO)からなる。
【0045】
上記前面パネル220は少なくとも絶縁性基板221を備え、上記背面パネル210の方向に上記絶縁性基板221の上に形成された絶縁膜222を更に備えることもできる。
【0046】
上記中間構造物230は、第1誘電層231、第2誘電層232及び上記第1誘電層231と第2誘電層232との間に介された維持電極対234(234X、234Y)を備える。
【0047】
上記第1誘電層231及び第2誘電層232は一般的な低融点ガラス(glass)からなり、各々全て複数の平行した第1方向成分231A、232A及び上記第1方向成分231A、232Aと交叉する第2方向成分231B、232Bからなり、上記第1方向成分231A、232A及び第2方向成分231B、232Bの最外角は所定の幅を備える縁部231C、232Cに連結されている。
【0048】
また、第1誘電層231及び第2誘電層232の第1方向成分231A、232A及び第2方向成分231B、232Bが交叉して形成される空間は互いに対応するように配置されることが好ましくて、上記空間はプラズマ放電がなされる放電セルとして作用する。
【0049】
また、上記維持電極対234(234X、234Y)は、上記第1誘電層231と第2誘電層232との間に介されて、上記背面パネル210のアドレス電極212と交叉するように配置される。
【0050】
上記封止材240は、上記第1誘電層231の前面パネル220方向の縁部231C及び第2誘電層232の背面パネル210方向の縁部232Cに沿って形成されて、上記背面パネル210、前面パネル220及び中間構造物230を合着して、上記背面パネル210と前面パネル220との間の空間を封止する。封止材240は、縁部231Cの幅内に設けられる。例えば、図4aにおいて絶縁膜213と第2誘電層232の間の封止材240は、縁部231Cの外周部から蛍光層250側の間に縁部231Cの幅W1の範囲内で配置されることができる。
【0051】
一方、図4bに示すように、本発明の一実施の形態に係るプラズマディスプレイパネルの中間構造物230において、上記第1誘電層231及び第2誘電層232の縁部231C、232Cのうちいずれかの1つの幅は、他の1つの幅より大きいことが好ましい。好ましくは、上記第1誘電層231及び第2誘電層232の縁部231C、232Cのうち、上記背面パネル210方向の誘電層の縁部の幅が大きいことが好ましい。例えば、上記第2誘電層232の縁部232Cの幅W2が上記第1誘電層231の縁部231Cの幅W1より大きいことが好ましい。
【0052】
また、上記第1誘電層231及び第2誘電層232の縁部231C、232Cの幅の差(W2−W1)は5mm〜8mmであることが好ましい。これは、上記維持電極対234、234X、234Yの一部が外部に露出するようにして上記維持電極対234、234X、234Yが外部回路、例えば、FPC(軟性回路基板、Flexible Printed Circuit Board)、PCB(印刷回路基板、Printed Circuit Board)等とより容易に連結できるようにするためである。即ち、上記維持電極対234、234X、234Yは、上記第1誘電層231及び第2誘電層232の縁部231C、232Cの幅の差(W2−W1)だけ露出して、上記維持電極対234、234X、234Yは露出した部分を通じて外部回路と連結されるものである。
【0053】
図5aは、本発明の第2実施形態に係るプラズマディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図であり、図5bは本発明の第2実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの中間構造物を説明するための斜視図である。
【0054】
図5a及び図5bを参照すると、本発明の第2実施形態に係るプラズマディスプレイパネルは、対向配置された背面パネル310及び前面パネル320、そして、上記背面パネル310と前面パネル320との間に介されて、格子状からなる中間構造物330を備え、上記中間構造物330の上・下の周り部に塗布された封止材340を通じて封止された構造からなることができる。また、上記背面パネル310及び前面パネル320のうちの少なくともいずれかの1つ、例えば、背面パネル310の絶縁層上には蛍光層350が形成されている。
【0055】
上記背面パネル310及び前面パネル320は、少なくとも絶縁性基板311、321を備え、互いに対向する方向に上記絶縁性基板311、321上に形成された絶縁膜312、322を更に備えることができる。
【0056】
上記中間構造物330は、上記前面パネル320方向から背面パネル310の方向への順に、第1誘電層331、第2誘電層332及び第3誘電層333を備える。また、上記中間構造物330は上記第1誘電層331と第2誘電層332との間に介された維持電極対334及び上記第2誘電層332と第3誘電層333との間に介されたアドレス電極335を備える。
【0057】
上記第1誘電層331、第2誘電層332及び第3誘電層333は、一般的な低融点ガラス(glass)からなり、各々全て複数の平行した第1方向成分331A、332A、333A及び上記第1方向成分331A、 332A、333Aと交叉する第2方向成分331B、332B、333Bからなり、上記第1方向成分331A、332A、333A及び第2方向成分331B、332B、333Bの最外角は所定の幅を備える縁部331C、332C、333Cに連結されている。
【0058】
また、第1誘電層331、第2誘電層332及び第3誘電層332の第1方向成分331A、332A、333A及び第2方向成分331B、332B、333Bが交叉して形成される空間は互いに対応するように配置されることが好ましくて、上記空間はプラズマ放電がなされる放電セル(Discharge Cell)として作用する。
【0059】
また、上記維持電極対334(334X、334Y)は、上記第1誘電層331と第2誘電層332との間に介され、上記アドレス電極335は上記第2誘電層332と第3誘電層333との間に介される。この際、上記維持電極対334(334X、334Y)は、上記第1誘電層331及び第2誘電層332の第1方向成分331A、332A及び第2方向成分331B、332Bのうちいずれか1つと平行するように配列され、上記アドレス電極335は上記第2誘電層332及び第3誘電層333の第1方向成分332A、333A及び第2方向成分332B、333Bのうち、他の1つと平行するように配列される。即ち、上記維持電極対334、334X、334Y及びアドレス電極335は互いに交叉する形態で配列されるものである。
【0060】
上記封止材340は、上記第1誘電層331の前面パネル320方向の縁部331C及び上記第3誘電層333の背面パネル210方向の縁部333Cに沿って形成され、上記背面パネル310、前面パネル320及び中間構造物330を合着して、上記背面パネル310と前面パネル320との間の空間を封止する。
【0061】
一方、図5bに示すように、本発明の第2実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの中間構造物330は、上記第1誘電層331、第2誘電層332及び第3誘電層333のうち、上記第3誘電層333の縁部333Cの幅W5が最も大きくて、第1誘電層331の縁部331Cの幅W3が最も小さな構造でなされることが好ましい。即ち、上記中間構造物330は上記第1誘電層331、第2誘電層332及び第3誘電層333のうち、上記背面パネル310方向の誘電層の縁部の幅が最も大きくて、上記前面パネル320方向の誘電層の縁部の幅が最も小さな構造からなることができる。
【0062】
また、上記第1誘電層331及び第2誘電層332の縁部331C、332Cの幅の差(W4−W3)は5mm〜8mmであることが好ましくて、上記第2誘電層332及び第3誘電層333の縁部332C、333Cの幅の差(W5−W4)も5mm〜8mmであることが好ましい。これは 上記維持電極対334(334X、334Y)及びアドレス電極335の一部が外部に露出するようにして上記維持電極対334(334X、334Y)が外部回路、例えば、FPC(軟性回路基板、Flexible Printed Circuits Board)、PCB(印刷回路基板、Printed Circuit Board)等とより容易に連結できるようにするためである。即ち、上記維持電極対334(334X、334Y)は、上記第1誘電層331及び第2誘電層332の縁部331C、332Cの幅の差(W4−W3)だけ露出し、上記アドレス電極335は上記第2誘電層332及び第3誘電層333の縁部332C、333Cの幅の差(W5−W4)だけ露出し、上記維持電極対334、334X、334Y及びアドレス電極335は露出した部分を通じて外部回路と連結されるのである。
【0063】
このように、本発明の第1及び第2実施形態に係るプラズマディスプレイパネルは、中間構造物230が格子状の第1誘電層231及び第2誘電層232を備え、中間構造物330が第1誘電層331、第2誘電層332及び第3誘電層333を備える。そして上記第1方向成分231A、232A、331A、332A、333A、第2方向成分231B、232B、331B、332B、333B及び上記第1方向成分231A、232A、331A、332A、333Aと第2方向成分231B、232B、331B、332B、333Bの最外角を連結する縁部231C、232C、331C、332C、333Cを備え、上記縁部231C、232C、331C、332C、333Cに沿って封止材240、340が形成されて、上記背面パネル210、310と前面パネル220、320との間の空間を封止する構造からなるので、中間構造物230、330による封止材240、340の厚さの差により発生する封止性能低下を防止することができる。
【0064】
また、各誘電層231、232、331、332、333の縁部231C、232C、331C、332C、333Cの幅W1、W2、W3、W4、W5を異なるようにして上記維持電極対234、334及びアドレス電極212、335を外部に簡単に引出して外部回路との連結をより容易にすることができる。
【0065】
図6a及び図6bは、中間構造物の誘電層が1層からなった本発明の第3実施形態におけるパネルの断面図及び誘電層斜視図である。
【0066】
この実施の形態を図4a及び図4bと比較しながら説明すると、図6aには図4aにある2つの誘電層中に前面側誘電層231のない状態をなしている。従って、パネル全体の構成が簡単になりながら中間構造物の形成がより容易になることができる。
【0067】
図6bには、図4bと比較する際、前面側誘電層が除去されて全体が1つの誘電層432のみを備える。この1つの誘電層432の前面には維持電極対434(434X、434Y)が形成される。この中間構造物430をなす誘電層432も第1成分432A及び第2成分432Bと、これらの成分の周り終端部を連結する少なくとも一定以上の幅を有する縁部432Cと、を備える。維持電極対434(434X、434Y)の終端はFPCとの連結が容易になるように誘電層の縁部に位置することになる。そして、封止材440も前面基板及び後面基板との封止を容易にするために縁部の幅と重なって位置することになる。維持電極の少なくとも1つの終端部は封止材の外に位置することになる。また蛍光層450は、背面パネル410と中間構造物430の間に配置される。
【0068】
背面パネル410は、前面パネル420の方向に少なくとも絶縁性基板411、上記絶縁性基板411の上に所定間隔で離隔して形成された複数のアドレス電極412、上記アドレス電極412が形成された絶縁性基板411の上に形成された絶縁膜413を備える。
【0069】
前面パネル420は少なくとも絶縁性基板421を備え、上記背面パネル410の方向に上記絶縁性基板421の上に形成された絶縁膜422を更に備えることもできる。
【0070】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、プラズマディスプレイに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1a】従来のプラズマディスプレイパネルを説明するための側断面図である。
【図1b】従来のプラズマディスプレイパネルを説明するための平面図である。
【図2a】本発明と比較されるプラズマディスプレイパネル比較例を説明する側断面図である。
【図2b】本発明と比較されるプラズマディスプレイパネル比較例を説明する平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るプラズマディスプレイパネルを説明するための概略的な分解斜視図である。
【図4a】本発明の第1実施形態に係るプラズマディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図である。
【図4b】本発明の第1実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの中間構造物を説明するための斜視図である。
【図5a】本発明の第2実施形態に係るプラズマディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図である。
【図5b】本発明の第2実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの中間構造物を説明するための斜視図である。
【図6a】本発明の第3実施形態に係るプラズマディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図である。
【図6b】本発明の第3実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの中間構造物を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0073】
110、210、310、410 背面パネル
120、220、320、420 前面パネル
130、230、330、430 中間構造物
231、331 第1誘電層
232、332 第2誘電層
333 第3誘電層
113、212、335 アドレス電極
133、234、334 維持電極
240、340、440 封止材
250、350、450 蛍光層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面パネルと;
背面パネルと;
前記前面パネルと前記背面パネルとの間に介された中間構造物と;
前記背面パネルと前記前面パネルとの間の空間を封止するための封止材と;
相互に交叉するように配列されたアドレス電極及び維持電極と;
を備え、
前記中間構造物は、複数の誘電層を有し、
前記誘電層は、前記誘電層の外周部から所定の幅をもつ縁部と、前記縁部の内側に位置する複数の第1方向成分と、前記縁部の内側に位置し前記第1方向成分と交叉する複数の第2方向成分と、を有し、
前記複数の誘電層のうちいずれかの1つの誘電層の縁部の幅は、他の誘電層の縁部の幅より大きいことを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記中間構造物は、第1誘電層及び第2誘電層を備え、
前記アドレス電極は前記前面パネルまたは前記後面パネル上に形成され、
前記維持電極は前記第1誘電層と前記第2誘電層との間に介されたことを特徴とする、請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記封止材は、
前記第1誘電層及び前記第2誘電層のうち、前記背面パネル側に配置された誘電層の背面パネル側の縁部に沿って形成され、
前記第1誘電層及び前記第2誘電層のうち、前記前面パネル側に配置された誘電層の前面パネル側の縁部に沿って形成されていることを特徴とする、請求項2記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
前記封止材は、低融点ガラスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
前記第1誘電層及び前記第2誘電層の縁部のうち、前記背面パネル方向の誘電層の縁部の幅は、前記前面パネル方向の誘電層の縁部の幅より大きいことを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第1誘電層及び前記第2誘電層の縁部のうち、前記背面パネル方向の誘電層の縁部の幅は、前記前面パネル方向の誘電層の縁部の幅より5mm〜8mm大きいことを特徴とする、請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記維持電極は、前記第1誘電層の縁部の幅と前記第2誘電層の縁部の幅の差だけ露出して外部回路と連結されることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
前記中間構造物は、前記前面パネルから前記背面パネルの方向への順に第1誘電層、第2誘電層及び第3誘電層を備え、
前記アドレス電極は、前記第2誘電層と第3誘電層との間に介され、
前記維持電極は前記第2誘電層と前記第1誘電層との間に介されたことを特徴とする、請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
前記封止材は、
前記第1誘電層、前記第2誘電層及び前記第3誘電層のうち、前記背面パネル側に配置された誘電層の背面パネル側の縁部に沿って形成され、
前記第1誘電層、前記第2誘電層及び前記第3誘電層のうち、前記前面パネル側に配置された誘電層の前記前面パネル側の縁部に沿って形成されていることを特徴とする、請求項8記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
前記第1誘電層、前記第2誘電層及び前記第3誘電層のうち、前記第3誘電層の縁部の幅が最も大きくて、前記第1誘電層の縁部の幅が最も小さいことを特徴とする、請求項8または9に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】
前記第1誘電層及び前記第2誘電層の縁部の幅の差は5mm〜8mmであり、前記第2誘電層及び前記第3誘電層の縁部の幅の差は5mm〜8mmであることを特徴とする請求項10記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項12】
前記第1誘電層、前記第2誘電層及び前記第3誘電層は、低融点ガラスからなることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項13】
前記維持電極は、前記第1誘電層の縁部の幅と前記第2誘電層の縁部の幅の差だけ露出し、前記アドレス電極は、前記第2誘電層及び前記第3誘電層の縁部の幅の差だけ露出して外部回路と連結されることを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項14】
前面パネルと;
背面パネルと;
前記前面パネルと前記背面パネルとの間に介された中間構造物と;
前記背面パネルと前記前面パネルとの間の空間を封止するための封止材と;
相互交叉するように配列されたアドレス電極及び維持電極と;
を備え、
前記中間構造物は少なくとも1つの誘電層を備え、
前記誘電層は、前記誘電層の外周部から所定の幅をもつ縁部と、前記縁部の内側に複数の第1方向成分と、前記第1方向成分と交叉する複数の第2方向成分と、を有し、
前記封止材は、前記縁部の幅内に設けられることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
【請求項15】
前記中間構造物は、1つの誘電層からなり、
前記維持電極は、前記誘電層の前記前面パネル側の面に形成され、
前記前面パネルは、前記維持電極が形成された方向への幅が前記誘電層の幅より小さく形成されて、前記維持電極の少なくとも一端部が前記前面パネルの外周部より外側に露出し、前記縁部に位置することを特徴とする、請求項14記載のプラズマディスプレイパネル。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2006−318904(P2006−318904A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129647(P2006−129647)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】