説明

プラズマディスプレイパネル

【課題】 蛍光体側の電極を陰極とした放電を実施する際のプライミング電子を効率よく発生させるプラズマディスプレイパネルを提供すること。
【解決手段】 プラズマディスプレイパネルは、第1方向に延在する複数の表示電極が設けられた第1基板と、放電空間を介して第1基板に対向する第2基板とを有している。例えば、第2基板には、第2方向に延在する複数のアドレス電極と、蛍光体層とが設けられている。例えば、蛍光体層は、酸化マグネシウム結晶体および複数種類の蛍光体を含み、蛍光体の種類毎に分けられている。そして、複数種類の蛍光体の1種類であるマンガン付活珪酸亜鉛は、少なくとも1種類の元素が酸化した酸化物である被覆酸化物により、粒子の表面が被覆されている。なお、例えば、被覆酸化物の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均は、珪酸亜鉛の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均より小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、2枚のガラス基板(前面ガラス基板および背面ガラス基板)を互いに貼り合わせて構成されており、ガラス基板の間に形成される空間(放電空間)に放電を発生させることで画像を表示する。画像における画素に対応するセルは、自発光型であり、放電により発生する紫外線を受けて赤、緑、青の可視光を発生する蛍光体が塗布されている。
【0003】
一般的なPDPでは、X電極およびY電極は前面ガラス基板に配置され、アドレス電極は背面ガラス基板に配置されている。また、アドレス電極上には、誘電体層を介して、叙述の蛍光体(蛍光体層)が設けられている。この種の3電極構造のPDPは、サステイン期間に、X電極およびY電極間でサステイン放電を発生させることで、画像を表示する。サステイン放電を発生させるセル(点灯させるセル)は、例えば、アドレス期間において、Y電極およびアドレス電極間で選択的にアドレス放電を発生させることにより、選択される。また、アドレス期間の前には、全てのセルを初期化するためのリセット期間が存在する。
【0004】
リセット期間の放電(リセット放電)により発生する光の輝度が高い場合、PDPの黒表示の際の背景輝度が高くなり、画像のコントラスト(暗コントラスト)が低下する。一般的なPDPでは、X電極およびY電極間の面放電によるリセット放電が実施される。近年、蛍光体層の下側に配置されたアドレス電極を陰極とする対向放電の強度を減少させるために、2次電子を放出する酸化マグネシウム(MgO)結晶体を含む蛍光体層を形成し、アドレス電極およびY電極間の対向放電によるリセット放電を実施することにより、暗コントラストの低下を防止するPDPが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−66176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MgO結晶体から放出された電子は、放電の種火となるプライミング電子として放電空間に残留する。したがって、MgO結晶体の電子放出能力が低下した場合、放電空間に残留するプライミング電子が減少するため、蛍光体層の下側に配置されたアドレス電極を陰極とする対向放電が不安定になる。本発明者らが鋭意研究を行ったところ、緑の可視光を発生する蛍光体(緑色蛍光体)がマンガン付活珪酸亜鉛(ZnSiO:Mn)の場合、長時間の点灯により、緑色蛍光体の蛍光体層に含まれるMgO結晶体の電子放出能力が低下し、緑色蛍光体層の下側に配置されたアドレス電極を陰極とする放電が不安定になることが明らかになった。
【0006】
本発明の目的は、蛍光体側の電極を陰極とした放電を実施する際のプライミング電子を効率よく発生させるPDPを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
プラズマディスプレイパネルは、第1方向に延在する複数の表示電極が設けられた第1基板と、放電空間を介して第1基板に対向する第2基板とを有している。例えば、第2基板には、第1方向と交差する第2方向に延在する複数のアドレス電極と、放電空間を仕切るための隔壁と、蛍光体層とが設けられている。例えば、蛍光体層は、酸化マグネシウム結晶体および複数種類の蛍光体を含み、蛍光体の種類毎に分けられている。そして、複数種類の蛍光体の1種類であるマンガン付活珪酸亜鉛は、少なくとも1種類の元素が酸化した酸化物である被覆酸化物により、粒子の表面が被覆されている。なお、例えば、被覆酸化物の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均は、珪酸亜鉛の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均より小さい。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、蛍光体側の電極を陰極とした放電を実施する際のプライミング電子を効率よく発生させるPDPを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態におけるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPとも称する)の要部を示している。図中の矢印D1は、第1方向D1を示し、矢印D2は、第1方向D1に画像表示面に平行な面内で直交する第2方向D2を示している。PDP10は、画像表示面を構成する前面基板部12(第1基板)と、前面基板部12に対向する背面基板部14(第2基板)とにより構成されている。前面基板部12と背面基板部14の間(より詳細には、背面基板部の凹部)に放電空間DSが形成される。
【0011】
前面基板部12は、ガラス基材FSのガラス基材RSに対向する面上(図では下側)に第1方向D1に延在して設けられ、互いに間隔を置いて配置された複数のX電極XE(表示電極、維持電極)およびY電極YE(表示電極、走査電極)を有している。X電極XEは、第1方向D1に延在するXバス電極XbとXバス電極Xbに接続されたX透明電極Xtとにより構成され、Y電極YEは、第1方向D1に延在するYバス電極YbとYバス電極Ybに接続されたY透明電極Ytとにより構成されている。例えば、互いに対をなすX電極XEおよびY電極YE間(より具体的には、X透明電極XtおよびY透明電極Yt間)で繰り返して放電(サステイン放電)を発生させる。
【0012】
X電極XEおよびY電極YEは、誘電体層DL1に覆われており、誘電体層DL1の表面は、保護層PLに覆われている。例えば、保護層PLは、放電を容易に発生させるために、陽イオンの衝突による2次電子の放出特性の高い酸化マグネシウム(MgO)膜で形成される。例えば、MgO膜等の保護層PLから放出された電子は、放電の種火となるプライミング電子として放電空間DSに残留する。
【0013】
放電空間DSを介して前面基板部12に対向する背面基板部14は、ガラス基材RSの放電空間DS側の面上に、互いに平行に形成されたアドレス電極AEを有している。アドレス電極AEは、バス電極Xb、Ybに直交する方向(第2方向D2)に延在して配置されている。アドレス電極AEは、誘電体層DL2に覆われている。誘電体層DL2には、放電空間DSを仕切るための隔壁(バリアリブ)BRが形成されている。例えば、隔壁BRは、第2方向D2に延在する第1隔壁BR1と第1方向D1に延在する第2隔壁BR2とにより格子状に形成される。なお、隔壁BRは、第2隔壁BR2が設けられずに、第2方向D2に延在する第1隔壁BR1のみにより構成されてもよい。
【0014】
隔壁BR1、BR2の側面と、隔壁BR1、BR2に囲まれた部分の誘電体層DL2上とには、赤(R)、緑(G)、青(B)の可視光を発生する蛍光体層PHLr、PHLg、PHLbが、それぞれ設けられている。例えば、緑の可視光を発生する蛍光体層PHLgは、紫外線により励起されて緑の可視光を発生する蛍光体(後述する図2の蛍光体PHg)と、電子を放出するMgO結晶体(後述する図2のMgO結晶体MOC)とを有している。同様に、例えば、赤の可視光を発生する蛍光体層PHLrは、紫外線により励起されて赤の可視光を発生する蛍光体(図示せず)と、電子を放出するMgO結晶体(図示せず)とを有している。
【0015】
また、例えば、青の可視光を発生する蛍光体層PHLbは、紫外線により励起されて青の可視光を発生する蛍光体(図示せず)と、電子を放出するMgO結晶体(図示せず)とを有している。以下、可視光の色毎に区別しない場合等、蛍光体層PHLr、PHLg、PHLbを、蛍光体層PHLとも称する。上述したように、蛍光体層PHLは、MgO結晶体および複数種類の蛍光体を含み、蛍光体の種類毎に分けられている。なお、1つのアドレス電極AE上に配置される蛍光体層PHLに含まれる蛍光体は、互いに同じ種類である。すなわち、1つのアドレス電極AE上に配置される蛍光体層PHLは、互いに同じ色の可視光を発生する。
【0016】
ここで、例えば、蛍光体層PHLは、スクリーン印刷法により、蛍光体ペーストを背面基板部14に印刷して形成される。例えば、蛍光体ペーストは、蛍光体、MgO結晶体およびバインダを混合して形成される。また、蛍光体層PHLに含まれるMgO結晶体から放出された電子は、放電の種火となるプライミング電子として放電空間DSに残留する。以下、MgO膜等の保護層PLおよびMgO結晶体から放出される電子をプライミング電子とも称する。
【0017】
PDP10の1つの画素は、赤、緑および青の光を発生する3つのセルにより構成される。ここで、1つのセル(一色の画素)は、例えば、隔壁BR1、BR2で囲われる領域に形成される。このように、PDP10は、画像を表示するためにセルをマトリックス状に配置し、かつ互いに異なる色の光を発生する複数種のセルを交互に配列して構成されている。
【0018】
PDP10は、前面基板部12および背面基板部14を、保護層PLと隔壁BR1が互いに接するように貼り合わせ、Ne、Xe等の放電ガスを放電空間DSに封入することで構成される。
【0019】
図2は、図1に示したPDP10の第2方向D2に沿う断面を示している。なお、図2は、蛍光体層PHLgが配置された位置の断面を示している。図中の矢印D2の意味は、上述した図1と同じである。なお、図では、MgO結晶体MOCと蛍光体PHgとを区別するため、MgO結晶体MOCを四角で示し、蛍光体PHgを丸(より詳細には、2重丸の内側の丸)で示している。
【0020】
上述したように、緑の可視光を発生する蛍光体層PHLgは、紫外線により励起されて緑の可視光を発生する蛍光体PHg(以下、緑色蛍光体PHgとも称する)と、プライミング電子を放出するMgO結晶体MOCとを有している。例えば、蛍光体層PHLに含まれる複数種類の蛍光体の1種類である緑色蛍光体PHgは、マンガン付活珪酸亜鉛(ZnSiO:Mn)であり、粒子(マンガン付活珪酸亜鉛の粒子)の表面が酸化物OX(以下、被覆酸化物OXとも称する)で被覆されている。例えば、被覆酸化物OXは、1種類の元素が酸化した酸化物(酸化マグネシウム、酸化アルミニウム(Al)、酸化ランタン(La)等)である。
【0021】
例えば、被覆酸化物の含有元素(酸化マグネシウムのマグネシウム、酸化アルミニウムのアルミニウム、酸化ランタンのランタン等)を含む溶液に、緑色蛍光体PHg(マンガン付活珪酸亜鉛)の粒子を浸し、沈殿後、焼成することにより、緑色蛍光体PHgの粒子の表面は、被覆酸化物OXで被覆される。あるいは、例えば、被覆酸化物OXの微粒子と、緑色蛍光体PHg(マンガン付活珪酸亜鉛)の粒子とを混合することにより、緑色蛍光体PHgの粒子の表面は、被覆酸化物OXで被覆される。
【0022】
例えば、後述する図5に示すサンプルSPL1、SPL2、SPL3では、被覆酸化物OXの微粒子と、緑色蛍光体PHg(マンガン付活珪酸亜鉛)の粒子とをアセトン中で混合し、乾燥させることにより、緑色蛍光体PHgの粒子の表面を被覆酸化物OXで被覆している。なお、例えば、赤および青の可視光を発生する蛍光体では、粒子の表面を被覆酸化物OXで被覆する必要がないため、粒子の表面を被覆酸化物OXで被覆するための工程は、実施されない。
【0023】
また、例えば、プライミング電子を放出するMgO結晶体MOCは、200〜300nmの波長域にピークを有するカソードルミネッセンス発光を行う。なお、例えば、MgO結晶体MOCは、フッ素を50ppm含有して形成されてもよい。ここで、“ppm”は、重量濃度を示している。
【0024】
図3は、1画面の画像を表示するためのフィールドFLDの構成例を示している。1つのフィールドFLDの長さは、1/60秒(約16.7ms)であり、例えば、8個のサブフィールドSF(SF1−SF8)で構成される。図の例では、各サブフィールドSFは、リセット期間RST、アドレス期間ADRおよびサステイン期間SUSを有している。
【0025】
リセット期間RSTは、全てのセルを初期化するために、リセット放電を発生させる期間である。例えば、リセット期間RSTでは、アドレス電極AEがY電極YEに対して負極性になるように、アドレス電極AEおよびY電極YE間に電圧が印加される。これにより、アドレス電極AEおよびY電極YE間の対向放電によるリセット放電が発生する。例えば、リセット放電により、各電極XE、YE、AEに蓄積される壁電荷の量が調整され、全てのセルの放電開始電圧(アドレス期間ADRのアドレス放電が発生し始める電圧)が合わせられる。ここで、壁電荷とは、例えば、各セルにおいて、図1に示したMgO等の保護層PLの表面に蓄積されるプラス電荷およびマイナス電荷である。
【0026】
アドレス期間ADRは、サステイン期間SUSに点灯させるセルを選択する期間である。例えば、サステイン期間SUSに点灯させるセルは、アドレス期間ADRにおいて、Y電極YEおよびアドレス電極AE間で選択的にアドレス放電を発生させることにより、選択される。
【0027】
サステイン期間SUSは、アドレス期間ADRに選択されたセル(点灯させるセル)のX電極XEおよびY電極YE間でサステイン放電を発生させる期間である。例えば、サステイン期間SUSでは、互いに極性の異なるサステインパルスが、X電極XEおよびY電極YEに繰り返して印加される。これにより、アドレス期間ADRに選択されたセルの放電(サステイン放電)が繰り返し行われる。なお、サステイン期間SUSでは、電極XE、YE間のサステイン放電の他に、アドレス電極AEを陰極とする対向放電(電極AE、YE間の放電や電極AE、XE間の放電)が少ない割合で発生している。
【0028】
サステイン期間SUSの長さは、サブフィールドSFにより異なり、セルの放電回数(輝度)に依存する。このため、点灯させるサブフィールドSFの組み合わせを変えることにより、画像を多階調で表示することが可能になる。この例では、サブフィールドSF1−8に予め設定されているサステイン放電の回数は、それぞれ4、8、16、32、64、128、256、512である。例えば、1回のサステイン放電で、セルは2回放電する。
【0029】
なお、例えば、1つのフィールドFLDは、複数のサブフィールドSFで構成されていればよく、7個以下のサブフィールドSFで構成されてもよいし、9個以上のサブフィールドSFで構成されてもよい。また、サブフィールドのサステイン放電の回数は、2のn乗(n=2以上の整数)に限定されない。さらに、フィールドFLD内のサブフィールドSF1−8は、順次に配列されなくてもよい。例えば、サブフィールドSF8がフィールドFLDの中央付近に配置されてもよい。
【0030】
図4は、図1に示したPDP10の放電遅れを測定するための測定波形の一例を示している。なお、図4は、上述した図2に示した蛍光体層PHLg側の電極であるアドレス電極AEを陰極とした放電の放電遅れを測定するために、各電極XE、YE、AEに印加される電圧の波形の一例を示している。ここで、放電遅れは、例えば、測定期間MEAで、60Vおよび0Vの電圧がY電極YEおよびアドレス電極AEにそれぞれ印加されてから電極YE、AE間で放電が発生するまでの時間である。
【0031】
初期期間INIは、全てのセルを初期化するために、電極XE、YE、AE間で放電を発生させる期間である。例えば、初期期間INIでは、正および負の初期パルス(200V、−200V)が、X電極XEおよびY電極YEにそれぞれ印加される(図4(a))。そして、負および正の初期パルス(−200V、200V)が、X電極XEおよびY電極YEにそれぞれ印加される(図4(b))。なお、初期期間INIでは、アドレス電極AEは、正および負の初期パルスの中間の電圧(0V)に維持される。
【0032】
生成期間PRDは、プライミング電子を生成する期間である。例えば、生成期間PRDでは、正および負の生成パルス(85V、−85V)が、X電極XEおよびY電極YEに繰り返して印加される(図4(c)、(d))。これにより、電極XE、YE間で放電が発生し、プライミング電子が生成される。例えば、上述した図1に示したMgO膜等の保護層PLに陽イオンが衝突することにより、MgO膜等の保護層PLからプライミング電子が放出される。
【0033】
そして、生成期間PRDのうち、所定の回数(図の例では、2回)の生成パルスが印加された後の期間では、X電極XEは、正の生成パルスの高レベル電圧(85V)に維持され(図4(e))、Y電極XEは、負の生成パルスの低レベル電圧(−85V)に維持される(図4(f))。また、生成期間PRDでは、バイアス電圧(200V)が、最初の生成パルスに同期して、アドレス電極AEに印加され、その後、アドレス電極AEは、バイアス電圧(200V)に維持される(図4(g))。なお、生成期間PRDの最後では、電極XE、YE、AEに蓄積される壁電荷の量が調整され、壁電荷を含めた電極XE、YE、AEの電圧は、互いに同じ電圧に調整される。
【0034】
休止期間IDLでは、生成期間PRDの最後の状態(85V、−85Vおよび200Vが電極XE、YE、AEにそれぞれ印加された状態)を、測定期間MEAまで維持する。例えば、休止期間IDLの長さは、50msである。ここで、プライミング電子は、放電直後(例えば、生成期間PRDに発生した放電の直後)に最も多く発生し、次第に減少していく。したがって、放電空間DSに存在するプライミング電子の量は、休止期間IDL中に、次第に減少していく。
【0035】
測定期間MEAは、蛍光体層PHL側の電極であるアドレス電極AEを陰極とした放電の放電遅れを測定する期間である。したがって、測定期間MEAでは、アドレス電極AEがY電極YEに対して負極性になるように、Y電極YEおよびアドレス電極AE間に電圧が印加される。例えば、測定期間MEAでは、先ず、第1測定電圧(60V)および第2測定電圧(0V)が、Y電極YEおよびアドレス電極AEにそれぞれ印加される(図4(h))。
【0036】
すなわち、測定期間MEAの開始時に、Y電極YEに印加される電圧は、休止期間IDLの電圧(−85V)から第1測定電圧(60V)に変化し、アドレス電極AEに印加される電圧は、休止期間IDLの電圧(200V)から第2測定電圧(0V)に変化する。したがって、放電遅れは、測定期間MEAの開始時点から電極YE、AE間で放電が発生するまでの時間である。なお、測定期間MEAでは、X電極XEは、休止期間IDL(生成期間PRDの最後)の電圧(85V)に維持される。このため、電極XE、AE間の放電は発生しない。このように、図4に示した測定波形を電極XE、YE、AEに印加することにより、蛍光体層PHL側の電極であるアドレス電極AEを陰極とした放電の放電遅れを測定することができる。
【0037】
図5は、複数のサンプルにおける放電遅れtdの測定結果を示している。なお、図中の各サンプルSPL1、SPL2、SPL3、SPL4の放電遅れtdは、上述した図4の測定波形を用いて放電開始までの時間を1000回測定し、累積放電確率が90%になる時間を示している。また、図中の“68h点灯後”(網掛け)は、PDPを68時間(68h)点灯させた後(例えば、68h実動作させた後)の放電遅れtd(単位はμs)を示し、図中の“点灯前”は、PDPを68時間点灯させる前の放電遅れtd(単位はμs)を示している。例えば、PDPを68時間点灯させた後の放電遅れは、PDPを68時間点灯させた後に、図4の測定波形を用いて放電開始までの時間を1000回測定し、累積放電確率が90%になる時間である。
【0038】
サンプルSPL1、SPL2、SPL3は、上述した図2で説明したように、被覆酸化物OXの微粒子と、緑色蛍光体PHg(マンガン付活珪酸亜鉛)の粒子とをアセトン中で混合し、乾燥させることにより、緑色蛍光体PHgの粒子の表面を被覆酸化物OXで被覆したサンプルである。なお、サンプルSPL1、SPL2、SPL3の被覆酸化物OXは、それぞれ酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび酸化ランタンである。また、サンプルSPL4は、緑色蛍光体PHgの粒子の表面が被覆酸化物OXで被覆されていない比較用のサンプルである。
【0039】
また、蛍光体層PHLに含まれるMgO結晶体は、フッ素を50ppm含有して形成されている。したがって、蛍光体層PHLを形成する際に用いられる蛍光体ペーストは、フッ素が50ppm添加されたMgO結晶体と、蛍光体と、バインダとを混合して形成される。例えば、サンプルSPL1、SPL2、SPL3では、図2に示した被覆酸化物OXで被覆された緑色蛍光体PHgと、フッ素が50ppm添加されたMgO結晶体MOCとの重量比は、100:2.5である。また、例えば、サンプルSPL4では、被覆酸化物OXで被覆されていない緑色蛍光体PHgと、フッ素が50ppm添加されたMgO結晶体MOCとの重量比は、100:2.5である。
【0040】
緑色蛍光体PHgの粒子の表面が被覆酸化物OXで被覆されたサンプルSPL1、SPL2、SPL3では、PDPを68時間点灯させた前後で、放電遅れtdは、殆ど変化せず、0.4μs付近で安定している。これに対し、緑色蛍光体PHgの粒子の表面が被覆酸化物OXで被覆されていない比較用のサンプルSPL4では、PDPを68時間点灯させた後の放電遅れtdは、約1.25μsであり、68時間点灯前の放電遅れtd(約0.5μs)に比べて、大幅に劣化している。
【0041】
ここで、放電遅れは、プライミング電子の量に依存して変化する。このため、放電遅れを測定することにより、プライミング電子が効率よく発生しているか否かを判断できる。すなわち、図5の測定結果は、例えば、PDPを68時間点灯させた後では、サンプルSPL1、SPL2、SPL3が、プライミング電子を効率よく発生していることを示し、サンプルSPL4が、プライミング電子を効率よく発生していないことを示している。したがって、サンプルSPL1、SPL2、SPL3は、PDPを68時間点灯させた後でも、プライミング電子を効率よく発生させることができる。これに対し、サンプルSPL4は、PDPを68時間点灯させた後では、プライミング電子を効率よく発生させることができない。
【0042】
すなわち、被覆酸化物OXで緑色蛍光体PHgの粒子(マンガン付活珪酸亜鉛の粒子)の表面を被覆することにより、アドレス電極AE(蛍光体層PHL側の電極)を陰極とした放電を実施する際のプライミング電子を効率よく発生させることができる。なお、後述する図6で説明するように、被覆酸化物OXの酸素を除く含有元素の電気陰性度は、珪酸亜鉛の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均より小さい。
【0043】
図6は、被覆酸化物OXの電気陰性度と放電遅れtdとの関係の一例を示している。図中の“68h点灯後”および“点灯前”の意味は、上述した図5と同じである。すなわち、図中の黒の三角は、PDPを68時間点灯させた後の放電遅れtd(単位はμs)を示し、図中の四角は、PDPを68時間点灯させる前の放電遅れtd(単位はμs)を示している。なお、図中の各サンプルSPL1、SPL2、SPL3、SPL4の放電遅れtdは、上述した図4の測定波形を用いて放電開始までの時間を1000回測定し、累積放電確率が90%になる時間を示している。
【0044】
そして、図の横軸は被覆酸化物OXの電気陰性度を示し、縦軸は放電遅れtd(単位はμs)を示している。ここで、被覆酸化物OXの電気陰性度は、被覆酸化物OXの酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均である。なお、図中のサンプルSPL4の放電遅れtdは、被覆酸化物OXの電気陰性度に対する放電遅れtdの代わりに、珪酸亜鉛(ZnSiO)の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均(1.73)に対する放電遅れtdを示している。
【0045】
例えば、サンプルSPL1(被覆酸化物OXが酸化マグネシウムの場合)では、被覆酸化物OXの電気陰性度は、被覆酸化物OXの酸素を除く含有元素がマグネシウムのみであるため、マグネシウムの電気陰性度1.31である。同様に、例えば、サンプルSPL2(被覆酸化物OXが酸化アルミニウムの場合)では、被覆酸化物OXの電気陰性度は、アルミニウムの電気陰性度1.61である。また、例えば、サンプルSPL3(被覆酸化物OXが酸化ランタンの場合)では、被覆酸化物OXの電気陰性度は、ランタンの電気陰性度1.1である。
【0046】
なお、緑色蛍光体PHgの粒子の表面が被覆酸化物OXで被覆されていない比較用のサンプルSPL4では、上述したように、被覆酸化物OXの電気陰性度の代わりに、珪酸亜鉛(ZnSiO)の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均を算出している。例えば、珪酸亜鉛の酸素を除く含有元素は、2個の亜鉛(Zn)および1個の珪素(Si、シリコン)である。したがって、珪酸亜鉛の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均は、亜鉛の電気陰性度1.65の3分の2と、珪素の電気陰性度1.90の3分の1との和(1.1+0.63=1.73)から算出され、1.73である。
【0047】
図に示すように、被覆酸化物OXの電気陰性度が1.61以下では、PDPを68時間点灯させた前後で、放電遅れtdは、殆ど変化せず、0.4μs付近で安定している。そして、電気陰性度が1.61〜1.73の間では、PDPを68時間点灯させた前後で、放電遅れtdが大きく変化している。これは、上述した図2に示したMgO結晶体MOCの劣化(例えば、プライミング電子の放出能力の低下)と、被覆酸化物OXの電気陰性度との間に相関があることを示唆している。
【0048】
例えば、図6は、電気陰性度が1.67((1.61+1.73)/2)以下の元素の酸化物OX(被覆酸化物OX)で、緑色蛍光体PHgの粒子(マンガン付活珪酸亜鉛の粒子)の表面を被覆した場合、点灯時間に拘わらず、放電遅れtdが1.0μs以下であることを示唆している。すなわち、被覆酸化物OXの電気陰性度が1.67以下のPDPでは、アドレス電極AE(蛍光体層PHL側の電極)を陰極とした放電を実施する際のプライミング電子を効率よく発生させることができる。
【0049】
図7は、図1に示したPDP10を用いて構成されたプラズマディスプレイ装置の一例を示している。プラズマディスプレイ装置(以下、PDP装置とも称する)は、四角板形状を有するPDP10、PDP10の画像表示面16側(光の出力側)に設けられる光学フィルタ20、PDP10の画像表示面16側に配置された前筐体30、PDP10の背面18側に配置された後筐体40およびベースシャーシ50、ベースシャーシ50の後筐体40側に取り付けられ、PDP10を駆動するための回路部60、およびPDP10をベースシャーシ50に貼り付けるための両面接着シート70を有している。回路部60は、複数の部品で構成されるため、図では、破線の箱で示している。光学フィルタ20は、前筐体30の開口部32に取り付けられる保護ガラス(図示せず)に貼付される。なお、光学フィルタ20は、電磁波を遮蔽する機能を有してもよい。また、光学フィルタ20は、保護ガラスではなく、PDP10の画像表示面16側に直接貼付されてもよい。
【0050】
以上、この実施形態では、緑色蛍光体PHgの粒子(マンガン付活珪酸亜鉛の粒子)の表面は、珪酸亜鉛の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均より小さい電気陰性度の元素の酸化物(被覆酸化物OX)で被覆されている。これにより、PDPの点灯時間に拘わらず、放電遅れtdを小さくすることができる。特に、被覆酸化物OXが酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび酸化ランタンのいずれかの場合、PDPの点灯時間に拘わらず、小さい放電遅れtdで安定させることができる。すなわち、この実施形態では、蛍光体層PHL側(蛍光体側)の電極であるアドレス電極AEを陰極とした放電を実施する際のプライミング電子を効率よく発生させるPDPを提供できる。
【0051】
なお、上述した実施形態では、1つの画素が、3つのセル(赤(R)、緑(G)、青(B))により構成される例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、1つの画素を4つ以上のセルにより構成してもよい。あるいは、1つの画素が、緑(G)の色を発生するセルと、赤(R)、青(B)以外の色を発生するセルとにより構成されてもよく、1つの画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)以外の色を発生するセルを含んでもよい。
【0052】
上述した実施形態では、第2方向D2が、第1方向D1に直交する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、第2方向D2は、第1方向D1と、ほぼ直角方向(例えば、90度±5度)に交差してもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
上述した実施形態では、被覆酸化物OXが1種類の元素の酸化物で形成される例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、被覆酸化物OXは、複数の種類の元素が酸化した酸化物でもよい。例えば、マグネシウム、アルミニウムおよびランタンの少なくとも1種類を含む複数の種類の元素が酸化した酸化物でもよい。すなわち、被覆酸化物OXは、少なくとも1種類の元素が酸化した酸化物である。この場合、被覆酸化物OXの酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均を、被覆酸化物OXの電気陰性度として算出する。したがって、被覆酸化物OXの酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均は、珪酸亜鉛の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均より小さい。あるいは、被覆酸化物OXの酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均は、1.67以下である。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
上述した実施形態では、蛍光体層PHLに含まれるMgO結晶体が、フッ素を50ppm含有して形成される例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、蛍光体層PHLに含まれるMgO結晶体は、フッ素の含有量が10000ppm程度以下であればよく、フッ素の含有量が50ppmより多くてもよいし、フッ素の含有量が50ppmより少なくてもよい。すなわち、蛍光体層PHLに含まれるMgO結晶体は、フッ素を1〜10000ppm含有して形成されてもよいし、フッ素を含まずに形成されてもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
なお、MgO結晶体のフッ素の含有量(1〜10000ppm)は、発明者等によって本発明前に検討されたPDPの試験結果に基づいて算出している。例えば、この試験に用いられたPDPは、上述した図5で説明した比較用のサンプルSPL4の構成から蛍光体層PHL内のMgO結晶体が省かれ、保護層PLを覆うプライミング電子放出層が追加された構成である。例えば、プライミング電子放出層は、フッ素が添加されたMgO結晶体により形成される。そして、発明者等は、プライミング電子放出層を形成するMgO結晶体のフッ素の含有量が互いに異なる複数のサンプルを測定し、MgO結晶体のフッ素の含有量と放電遅れとの関係を検討した。なお、この構成では、プライミング電子放出層側の電極(Y電極YE)を陰極にして電極AE、YE間で放電を発生させ、放電遅れが測定される。また、放電遅れを測定する際の休止期間(上述した図4に示した休止期間IDLに対応)の長さは、50msである。発明者等によって本発明前に検討されたPDPの試験結果の一例を以下に示す。
【0056】
例えば、MgO結晶体のフッ素の含有量が24ppm、48ppm、80ppm、160ppmおよび440ppmのPDPでは、放電遅れは、それぞれ0.431μs、0.484μs、0.485μs、0.474μsおよび0.622μsである。また、フッ素を含まないMgO結晶体によりプライミング電子放出層が形成されたPDPでは、放電遅れは、1.231μsである。このように、フッ素の含有量が24〜440ppmの範囲では、放電遅れの変化が小さい。したがって、フッ素の含有量が1〜10000ppm程度の範囲では、放電遅れの変化が小さく、プライミング電子が効率よく発生されることを示唆していると考えられる。
【0057】
なお、上述した図1に示したPDPでは、蛍光体層PHLに含まれるMgO結晶体がフッ素を含まずに形成された場合でも、緑色蛍光体PHgの粒子(マンガン付活珪酸亜鉛の粒子)の表面は、被覆酸化物OXで被覆されている。このため、この場合にも、上述した図5および図6に示したように、長時間の点灯後に、放電遅れtdが劣化することを防止できる。したがって、この場合にも、蛍光体層PHL側の電極(アドレス電極AE)を陰極とした放電を実施する際のプライミング電子を効率よく発生させるPDPを提供できる。
【0058】
上述した実施形態では、200〜300nmの波長域にピークを有するカソードルミネッセンス発光を行うMgO結晶体MOCが蛍光体層PHLに含まれる例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、MgO結晶体MOCは、200〜300nmの波長域以外にピークを有するカソードルミネッセンス発光を行う特性でもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、プラズマディスプレイパネルに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】一実施形態におけるPDPの要部を示す図である。
【図2】図1に示したPDPの第2方向に沿う断面を示す図である。
【図3】1画面の画像を表示するためのフィールドの構成例を示す図である。
【図4】放電遅れを測定するための測定波形の一例を示す図である。
【図5】複数のサンプルにおける放電遅れの測定結果を示す図である。
【図6】被覆酸化物の電気陰性度と放電遅れとの関係の一例を示す図である。
【図7】図1に示したPDPを用いて構成されたプラズマディスプレイ装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
10‥プラズマディスプレイパネル(PDP);12‥前面基板;14‥背面基板;16‥PDPの画像表示面;18‥PDPの背面;20‥光学フィルタ;30、40‥筺体;32‥筺体の開口部;50‥ベースシャーシ;60‥回路部;70‥両面接着シート;AE‥アドレス電極;BR‥隔壁;DL‥誘電体層;DS‥放電空間;FS、RS‥ガラス基材;MOC‥酸化マグネシウム結晶体;OX‥被覆酸化物;PH‥蛍光体;PHL‥蛍光体層;PL‥保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する複数の表示電極が設けられた第1基板と、
放電空間を介して前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第2基板に設けられ、前記第1方向と交差する第2方向に延在する複数のアドレス電極と、
前記放電空間を仕切るために、前記第2基板に設けられた隔壁と、
前記第2基板に設けられ、酸化マグネシウム結晶体および複数種類の蛍光体を含み、前記蛍光体の種類毎に分けられた蛍光体層とを備え、
前記複数種類の蛍光体の1種類であるマンガン付活珪酸亜鉛は、少なくとも1種類の元素が酸化した酸化物である被覆酸化物により、粒子の表面が被覆され、
前記被覆酸化物の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均は、珪酸亜鉛の酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均より小さいことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
請求項1記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
前記被覆酸化物は、1.67以下の電気陰性度の元素を少なくとも1種類有し、かつ、酸素を除く含有元素の電気陰性度の平均は、1.67以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
請求項1記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
前記酸化マグネシウム結晶体は、200〜300nmの波長域にピークを有するカソードルミネッセンス発光を行う特性を有していることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
請求項1記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
前記酸化マグネシウム結晶体は、フッ素を1〜10000ppm含有していることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
請求項1記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
前記被覆酸化物は、マグネシウム、アルミニウムおよびランタンの少なくとも1種類を有していることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
請求項5記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
前記被覆酸化物は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび酸化ランタンのいずれかであることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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