説明

プラント監視制御装置及びプラント監視制御方法

【課題】同時多発的にアラームが発せられる場合に、プラントの制御状態を回復させるために必要となるガイダンスを操作者に通知し、かつ、操作者が当該通知されるガイダンスから最適なガイダンスを選択可能なプラント監視制御装置を提供すること。
【解決手段】実施形態のプラント監視制御装置は、プラントの制御状態が異常であるか否かを判定し、制御値情報とアラーム情報とを含む複数のタグデータを管理及び通知するコントローラに接続する。前記プラント監視制御装置においては、前記通知された各タグデータ内のアラーム情報の数と、前記読出された状態情報内の発生アラーム情報により示されるアラームの数と、当該アラーム情報により示されるアラーム及び当該発生アラーム情報により示されるアラームのうちの互いに一致するアラームの数とに基づいてアラーム適合率を計算する。また、前記計算されたアラーム適合率を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プラント監視制御装置及びプラント監視制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の制御ループで構成されるプラントを制御するコントローラと通信し、コントローラが制御する制御値に基づいて、プラントの制御状態を監視するプラント監視制御装置が知られている。ここで、コントローラには、多数の制御値を示す制御値情報と、制御状態の異常を表すアラーム(警報)とを含むタグデータが制御ループ毎に予め登録されている。また、コントローラは、制御している制御値が予め設定される異常範囲閾値を超えた場合にプラントの制御状態を異常と判定し、この制御値を示す制御値情報及びアラームを含むタグデータをプラント監視制御装置に送信する。
【0003】
これにより、プラント監視制御装置は、プラントの制御状態が異常であるか否かをコントローラが判定するための複数の制御値を示す制御値情報等を含むタグデータを監視制御可能となっている。
【0004】
このプラント監視制御装置は、一般に、タグデータをディスプレイに表示させる機能、プラントの制御状態の異常時にコントローラから発せられるアラームを確認する機能、当該アラームが発せられたプラントの制御状態を回復させる作業を示唆するガイダンスを操作者に通知する機能、及び複数のタグデータを管理するコントローラに制御要求を送る機能等をもっている。
【0005】
これにより操作者(監視者又はプラントオペレータとも呼ぶ)は、コントローラからアラームが発せられると、プラント監視制御装置からガイダンスの通知を受けることができ、このガイダンスに基づいて、コントローラに適切な制御要求を送ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−39648号公報
【特許文献2】特開2000−89873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、以上のように構成されたプラント監視制御装置では、コントローラから同時多発的にアラームが発せられると、多数のガイダンスを操作者に通知する。このため、操作者には、当該通知された多数のガイダンスから最適なガイダンスを選択しなければならないという不都合が生じる。また、同時多発的にアラームが発せられ、多数のガイダンスが操作者に通知される場合、これらガイダンスの全てが、プラントの制御状態を回復させるために必ずしも必要ではないという不都合がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、同時多発的にアラームが発せられる場合に、プラントの制御状態を回復させるために必要となるガイダンスを操作者に通知し、かつ、操作者が当該通知されるガイダンスから最適なガイダンスを選択可能なプラント監視制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態のプラント監視制御装置は、プラントの制御状態が異常であるか否かをコントローラが判定するための複数の制御値を示す制御値情報と、前記制御状態が異常であると判定されたときに前記コントローラが発生する複数のアラームのうち、現在、発生中のアラームを示すアラーム情報とを含む複数のタグデータを管理及び通知する前記コントローラに接続する。
【0010】
前記プラント監視制御装置においては、履歴情報記憶手段が、時刻情報と、前記管理された各タグデータ内の制御値情報及びアラーム情報がどのように変化したかを示す履歴内容情報とを含む履歴情報を記憶する。
【0011】
前記プラント監視制御装置においては、状態情報記憶手段が、前記制御状態が異常である期間を示す期間情報と、当該期間情報により示される期間に前記発生したアラームを示す発生アラーム情報とを含む状態情報を記憶する。
【0012】
前記プラント監視制御装置においては、操作者の操作に応じて、前記期間情報を前記状態情報記憶手段に書込む。
【0013】
前記プラント監視制御装置においては、前記期間情報が前記状態情報記憶手段に書込まれると、前記通知された各タグデータ内のアラーム情報を前記発生アラーム情報として前記状態情報記憶手段に書込み、かつ当該期間情報により示される期間内の時刻を示す時刻情報をもつ履歴情報を前記履歴情報記憶手段から読出し、当該読出された履歴情報内の履歴内容情報により新たに発生するように変化した旨が示されるアラームを前記発生アラーム情報として前記状態情報記憶手段に書込む。
【0014】
前記プラント監視制御装置においては、前記記憶された状態情報に含まれる情報のうち、少なくとも1つの情報の値を検索条件として設定する。
【0015】
前記プラント監視制御装置においては、前記設定された検索条件に基づいて、当該検索条件に一致する状態情報を前記状態情報記憶手段から読出す。
【0016】
前記プラント監視制御装置においては、前記通知された各タグデータ内のアラーム情報の数と、前記読出された状態情報内の発生アラーム情報により示されるアラームの数と、当該アラーム情報により示されるアラーム及び当該発生アラーム情報により示されるアラームのうちの互いに一致するアラームの数とに基づいてアラーム適合率を計算する。
【0017】
前記プラント監視制御装置においては、前記計算されたアラーム適合率を表示させる。
【0018】
前記プラント監視制御装置においては、ガイダンス情報記憶手段が、ガイダンスID情報と、前記アラームの組合せを示す条件情報と、前記アラーム情報が当該条件情報により示されるアラームの組合せに一致するときに、操作者に通知するガイダンスの内容を示すガイダンス内容情報とを含むガイダンス情報を記憶する。
【0019】
前記プラント監視制御装置においては、前記書込まれた発生アラーム情報により示されるアラームに一致するアラームの組合せを前記条件情報としてもつガイダンス情報を前記ガイダンス情報記憶手段から読出し、当該読出されたガイダンス情報内のガイダンスID情報を発生ガイダンス情報として前記状態情報記憶手段に書込む。
【0020】
前記プラント監視制御装置においては、前記読出されたガイダンス情報に含まれるガイダンス内容情報を表示させることにより、当該ガイダンス内容情報を前記操作者に通知する。
【0021】
前記プラント監視制御装置においては、前記操作者に通知されているガイダンス内容情報をもつガイダンス情報の数と、前記読出された状態情報内の発生ガイダンス情報により示されるガイダンスの数と、当該ガイダンス情報内のガイダンスID情報及び当該発生ガイダンス情報により示されるガイダンスID情報のうちの互いに一致するガイダンスID情報の数とに基づいてガイダンス適合率を計算する。
【0022】
前記プラント監視制御装置においては、前記計算されたガイダンス適合率を表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態に係るプラント監視制御装置を含むプラント監視システムの構成例を示す模式図である。
【図2】同実施形態における履歴情報の一例を示す模式図である。
【図3】同実施形態におけるガイダンス情報の一例を示す模式図である。
【図4】同実施形態における状態情報の一例を示す模式図である。
【図5】同実施形態におけるプラント監視制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態における登録画面の画面例を示す模式図である。
【図7】同実施形態における検索画面の画面例を示す模式図である。
【図8】同実施形態における検索結果画面の画面例を示す模式図である。
【図9】同実施形態における計算結果画面の画面例を示す模式図である。
【図10】第2の実施形態に係るプラント監視制御装置を含むプラント監視システムの構成例を示す模式図である。
【図11】同実施形態におけるプラント情報の一例を示す模式図である。
【図12】同実施形態におけるプラント監視制御装置のプラント情報生成動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施形態に係るプラント監視制御装置を含むプラント監視システムの構成例を示す模式図である。
【図14】同実施形態におけるプラント監視制御装置の履歴実行動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るプラント監視制御装置を含むプラント監視システムの構成例を示す模式図である。プラント監視システム1は、コントローラ10、プラント監視制御装置20、入力装置30及び表示装置40を含む。
【0025】
コントローラ10は、タグデータ記憶部11及び管理部12を備えている。
【0026】
タグデータ記憶部11は、制御値情報及びアラーム情報を含む複数のタグデータを記憶している。制御値情報は、プラントの制御状態が異常であるか否かを管理部12が判定するための複数の制御値(例えば、現在値、目標値、設定値及び上限値等)を示す。また、アラーム情報は、制御値情報により示される各制御値が変動することでプラントの制御状態が異常であると判定されたとき、管理部12が作成する複数のアラームのうち、現在、発生中のアラームを示す。
【0027】
管理部12は、プラントの制御状態を異常であると判定するとアラーム情報を作成(発生)し、タグデータ記憶部11に記憶された各タグデータ内にアラーム情報を書込む(又は、各タグデータ内のアラーム情報を書き換える)機能をもっている。また、管理部12は、各タグデータ内にアラーム情報を書込むと(又は、各タグデータ内のアラーム情報を書き換えると)、当該アラーム情報を含むタグデータをプラント監視制御装置20に通知する機能をもっている。
【0028】
ここで、プラント監視制御装置20は、履歴情報記憶部21、ガイダンス情報記憶部22、状態情報記憶部23、入力受付部24、表示部25及び監視制御部26を備えている。
【0029】
履歴情報記憶部21は、図2に一例を示す如き、時刻情報及び履歴内容情報を含む履歴情報21aを記憶している。時刻情報は時刻を示す。また、履歴内容情報は、コントローラ10により管理(通知)される各タグデータ内の制御値情報及びアラーム情報がどのように変化したかを示す。なお、本実施形態では、時刻情報は24時間表記であるとしたが、これに限定されず、例えば午前(AM)及び午後(PM)を用いた表記等が適用可能である。
【0030】
ガイダンス情報記憶部22は、図3に一例を示す如き、ガイダンスID情報、条件情報及びガイダンス内容情報を含むガイダンス情報22aを記憶している。ガイダンスID情報は、ガイダンス情報22aを識別するための識別情報を示す。また、条件情報は、操作者にガイダンスを通知するための条件を示しており、プラントから発せられるアラームの組合せを示す。更に、ガイダンス内容情報は、プラントにおいて発生中のアラームの組合せが条件情報により示されるアラームの組合せに一致するときに、操作者に通知するガイダンスの内容を示す。
【0031】
なお、本実施形態では、プラント監視制御装置20は、履歴情報記憶部21とガイダンス情報記憶部22とをそれぞれ備える構成としたが、これに限定されず、例えば、履歴情報記憶部21とガイダンス情報記憶部22とに記憶された情報を記憶する記憶部を備える構成等が適用可能である。
【0032】
状態情報記憶部23は、図4に一例を示す如き、登録ID情報、期間情報、発生アラーム情報、発生ガイダンス情報、メモ情報及び履歴情報を含む状態情報23aを記憶している。登録ID情報は状態情報23aを識別するための識別情報を示す。期間情報は、プラントの制御状態が異常である期間を示す。発生アラーム情報は、期間情報により示される期間内に発生したアラームを示す。また、発生ガイダンス情報は、発生アラーム情報により示されるアラームの組合せに基づいて操作者に発せられた(通知された)ガイダンスを示す。更に、メモ情報は、操作者が任意に入力可能な文書を示しており、例えば、操作者が期間情報により示される期間内にどんな作業をしていたかを説明するための文書等を示す。
【0033】
入力受付部24は、操作者の操作に応じて、入力装置30により入力される情報(例えば、期間情報及びメモ情報等)を受け付ける機能をもっている。
【0034】
表示部25は、後述する監視制御部26から送信される画面表示要求に基づいて画面情報を生成し、当該生成された画面情報を表示装置40に表示させる機能をもっている。
【0035】
監視制御部26は、例えば、以下の各機能(f26-1)〜(f26-8)をもっている。
【0036】
(f26-1) 入力受付部24で受け付けた期間情報及びメモ情報を状態情報記憶部23に書込む機能。
【0037】
(f26-2) 期間情報及びメモ情報が状態情報記憶部23に書込まれると、コントローラ10により管理(通知)された各タグデータ内のアラーム情報を発生アラーム情報として状態情報記憶部23に書込み、かつ当該期間情報により示される期間内の時刻を示す時刻情報をもつ履歴情報21aを履歴情報記憶部21から読出し、当該読出された履歴情報21a内の履歴内容情報により新たに発生するように変化した旨が示されるアラームを発生アラーム情報として状態情報記憶部23に書込むアラーム情報書込機能。
【0038】
(f26-3) アラーム情報書込機能(f26-2)により読出された履歴情報21aを状態情報記憶部23に書込む機能。
【0039】
(f26-4) アラーム情報書込機能(f26-2)により書込まれた発生アラーム情報により示されるアラームに一致するアラームの組合せを条件情報としてもつガイダンス情報22aをガイダンス情報記憶部22から読出し、当該読出されたガイダンス情報22a内のガイダンスID情報を発生ガイダンス情報として状態情報記憶部23に書込むガイダンス情報書込機能。
【0040】
(f26-5) 状態情報記憶部23に記憶された状態情報23aに含まれる情報のうち、少なくとも1つの情報の値を検索条件として設定する検索条件設定機能。
【0041】
(f26-6) 検索条件設定機能(f26-5)により設定された検索条件に基づいて、当該検索条件に一致する状態情報23aを状態情報記憶部23から読出す(抽出する)状態情報読出機能。
【0042】
(f26-7) コントローラ10により管理(通知)された各タグデータ内のアラーム情報の数と、状態情報読出機能(f26-6)により読出された状態情報23a内の発生アラーム情報により示されるアラームの数と、当該アラーム情報により示されるアラーム及び当該発生アラーム情報により示されるアラームのうちの互いに一致するアラームの数とに基づいてアラーム適合率を計算する機能。
【0043】
(f26-8) 操作者に通知されているガイダンス内容情報をもつガイダンス情報22aの数と、状態情報読出機能(f26-6)により読出された状態情報23a内の発生ガイダンス情報により示されるガイダンスの数と、当該ガイダンス情報22a内のガイダンスID情報及び当該発生ガイダンス情報により示されるガイダンスID情報のうちの互いに一致するガイダンスID情報の数とに基づいてガイダンス適合率を計算する機能。
【0044】
入力装置30は、プラント監視制御装置20に接続しており、操作者の操作に応じて、期間情報やメモ情報をプラント監視制御装置20に入力する機能をもっており、例えば、マウスやキーボード等の入力機器を示す。
【0045】
表示装置40は、プラント監視制御装置20に接続しており、プラント監視制御装置20内の表示部25から送信された画面情報に基づいて、後述する各画面を表示する機能をもっている。
【0046】
次に、以上のように構成されたプラント監視制御装置の動作の一例を、図5のフローチャートと、図6〜図9の模式図とを参照しながら説明する。
【0047】
始めに、入力受付部24は、操作者の操作に応じて、入力装置30により入力された期間情報とメモ情報との入力を受け付けた後に、登録ボタンg1の押下を検出すると、当該受け付けた期間情報とメモ情報とを監視制御部26に送信する(ステップS101)。ここでは、入力受付部24は、図6に一例を示すように、期間情報「09:30−10:10」とメモ情報「プラント定検A作業中」との入力を受け付ける。なお、図6は、表示装置40に表示された登録画面G1の画面例を示しており、登録画面G1は、例えば、ダイアログ形式のメッセージとして表示装置40に表示される。
【0048】
続いて、監視制御部26は、入力受付部24から送信された期間情報及びメモ情報を受けると、当該受信した期間情報「09:30−10:10」とメモ情報「プラント定検A作業中」とを状態情報記憶部23に書込む(ステップS102)。
【0049】
なお、本実施形態では、監視制御部26が期間情報とメモ情報とを状態情報記憶部23に書込む構成としたが、これに限定されず、例えば、入力受付部24が期間情報とメモ情報との入力を受け付けた後に、当該受け付けた期間情報とメモ情報とを状態情報記憶部23に書込む構成等が適用可能である。
【0050】
次に、監視制御部26は、コントローラ10から通知されたアラーム情報を発生アラーム情報として状態情報記憶部23に書込む(ステップS103)。ここでは、監視制御部26は、発生アラーム情報「アラームB」を状態情報記憶部23に書込む。
【0051】
続いて、監視制御部26は、ステップS102において書込まれた期間情報「09:30−10:10」により示される期間内の時刻を示す時刻情報をもつ履歴情報21aを履歴情報記憶部21から読出し、当該読出された履歴情報21aを状態情報記憶部23に書込む(ステップS104)。ここでは、監視制御部26は、時刻情報「09:59、10:00、10:01」をもつ履歴情報21aを履歴情報記憶部21から読出し、かつ、履歴情報「09:59 タグA アラームA発生、10:00 タグA パラメータ変更 現在値90→50、10:01 タグA アラームA回復」を状態情報記憶部23に書込む。
【0052】
次に、監視制御部26は、ステップS104において書込まれた履歴情報により示される回復済みのアラームを発生アラーム情報として状態情報記憶部23に書込む(ステップS105)。ここでは、監視制御部26は、発生アラーム情報「アラームA」を状態情報記憶部23に書込む。なお、監視制御部26が、当該書込まれた履歴情報から回復済みのアラームを読取る方法としては、例えば、「回復」をキーワードとして予め設定しておき、このキーワードより前に位置するアラーム名を回復済みのアラームとして読取る方法等が適用可能である。
【0053】
続いて、監視制御部26は、ステップS103,S105において発生アラーム情報として書込まれた「アラームA、アラームB」に一致する組合せを条件情報としてもつガイダンス情報22aをガイダンス情報記憶部22から読出し、当該読出したガイダンス情報22a内のガイダンスID情報を発生ガイダンス情報として状態情報記憶部23に書込む(ステップS106)。ここでは、監視制御部26は、発生ガイダンス情報「ガイダンスA」を状態情報記憶部23に書込む。また、監視制御部26は、ステップS106で読出したガイダンス情報22aに含まれるガイダンス内容情報を表示装置40に表示させるための画面表示要求を表示部25に送り、表示部25は、この画面表示要求に基づいて、ガイダンス内容情報を表示装置40に表示させる処理(すなわち、ガイダンス内容情報を表示させるための画面情報を生成した後に、当該生成された画面情報を表示装置40に送信する処理)を実行する。これにより、ガイダンス内容情報は操作者に通知される。
【0054】
なお、ステップS101〜S106の処理が実行されると、監視制御部26は、表示装置40に検索画面G2を表示させるための画面表示要求を表示部25に送り、表示部25は、この画面表示要求に基づいて、検索画面G2を表示装置40に表示させる処理(すなわち、検索画面G2を表示させるための画面情報を生成した後に、当該生成された画面情報を表示装置40に送信する処理)を実行する。
【0055】
次に、入力受付部24は、操作者の操作に応じて、検索画面G2内の複数の検索条件欄に対しての入力を受け付ける(ステップS107)。ここでは、入力受付部24は、複数の検索条件欄のうち、期間の項目に対して「09:30−10:30」の入力を受け付ける。
【0056】
次に、監視制御部26は、検索画面G2内の検索ボタンg2が押下されたか否か(すなわち、入力受付部24から送信され、検索ボタンg2の押下を示す信号を受信したか否か)を判定する(ステップS108)。なお、ステップS108の判定の結果が否を示す場合(ステップS108:「No」)には、ステップS107の処理に戻る。
【0057】
なお、ステップS107,S108の処理が実行されると、監視制御部26は、表示装置40に検索結果画面G3を表示させるための画面表示要求を表示部25に送り、表示部25は、この画面表示要求に基づいて、検索結果画面G3を表示装置40に表示させる処理(すなわち、検索結果画面G3を表示させるための画面情報を生成した後に、当該生成された画面情報を表示装置40に送信する処理)を実行する。
【0058】
ステップS108の判定の結果が押下された旨を示す場合(ステップS108:「Yes」)には、監視制御部26は、入力受付部24において受け付けた入力値を検索条件として設定し、当該設定された検索条件に一致する状態情報23aを状態情報記憶部23から読出す(ステップS109)。ここでは、監視制御部26は、図8に一例を示すように、登録ID情報「2」をもつ状態情報23aを状態情報記憶部23から読出す。
【0059】
続いて、監視制御部26は、検索結果画面G3内の実行ボタンg3が押下されたか否か(すなわち、入力受付部24から送信され、実行ボタンg3の押下を示す信号を受信したか否か)を判定する(ステップS110)。なお、ステップS110の判定の結果が否を示す場合(ステップS110:「No」)には、監視制御部26は、例えば、検索条件に一致する状態情報がない旨を示すメッセージ情報を、表示部25を介して表示装置40に表示させた後に、プラント監視制御装置20での動作を終了する。
【0060】
ステップS110の判定の結果が押下された旨を示す場合(ステップS110:「Yes」)には、監視制御部26は、コントローラ10から通知されたアラーム情報の数と、当該読出された状態情報内の発生アラーム情報により示されるアラームの数と、当該アラーム情報により示されるアラーム及び当該発生アラーム情報により示されるアラームのうち、一致するアラームの数とに基づいてアラーム適合率を計算する(ステップS111)。ここでは、監視制御部26は、アラーム情報の数「1(アラームB)」と、発生アラーム情報の数「2(アラームA、アラームB)」と、一致するアラームの数「1(アラームB)」とに基づいてアラーム適合率を計算する。
【0061】
なお、アラーム適合率は、以下の式(1)に基づいて計算される。
【0062】
アラーム適合率=一致するアラームの数/(アラーム情報の数または発生アラーム情報の数のうちのいずれか大きい値)×100 …式(1)
すなわち、アラーム適合率は、式(1)に基づいて、「50(=1/2×100)[%]」を示す。
【0063】
しかる後に、表示部25は、図9に一例を示すように、当該計算されたアラーム適合率「50[%]」を示す計算結果画面G4を表示装置40に表示させ(ステップS112)、プラント監視制御装置20での動作を終了する。
【0064】
ここで、アラーム適合率は、操作者が優先的に実行すべきガイダンスであるか否かを判別するための基準として示され、アラーム適合率が高くなるにつれて、図9に一例を示すように、この適合率情報(アラーム適合率)に関連付けられた発生ガイダンス情報により示されるガイダンスの内容を実行する優先度(すなわち、優先順位)が高くなることを示している。
【0065】
なお、本実施形態では、監視制御部26が、アラーム適合率のみを計算すると仮定したが、アラーム適合率を計算した後に(すなわち、ステップS111の処理の後に)、ガイダンス適合率を計算してもよい。
【0066】
この場合、監視制御部26は、操作者に通知されているガイダンス内容情報をもつガイダンス情報22aの数と、ステップS109において読出された状態情報23a内の発生ガイダンス情報により示されるガイダンスの数と、当該ガイダンス情報22a内のガイダンスID情報及び当該発生ガイダンス情報により示されるガイダンスID情報のうち、一致するガイダンスID情報の数とに基づいてガイダンス適合率を計算する。ここでは、監視制御部26は、ガイダンス情報の数「0」と、発生ガイダンス情報により示されるガイダンスの数「1」と、一致するガイダンスID情報の数「0」とに基づいてガイダンス適合率を計算する。
【0067】
なお、ガイダンス適合率は、以下の式(2)に基づいて計算される。
【0068】
ガイダンス適合率=一致するガイダンスID情報の数/(ガイダンス情報の数または発生ガイダンス情報により示されるガイダンスの数のうちのいずれか大きい値)×100
…式(2)
すなわち、ガイダンス適合率は、式(2)に基づいて、「0(=0/1×100)[%]」を示す。
【0069】
ここで、ガイダンス適合率は、ステップS111において計算された複数のアラーム適合率が同じ値を示す場合に、操作者が優先的に実行すべきガイダンスであるか否かを判別するための基準として示され、ガイダンス適合率が高くなるにつれて、この適合率情報に関連付けられた発生ガイダンス情報により示されるガイダンスの内容を実行する優先度が高くなることを示している。
【0070】
以上説明した第1の実施形態によれば、必要なガイダンスを通知するための登録作業を支援する(f26-1)〜(f26-4)の機能と、アラーム適合率及びガイダンス適合率を計算する(f26-5)〜(f26-8)の機能とを備えた構成により、操作者は、必要なガイダンスの通知を受けると共に、アラーム適合率及びガイダンス適合率の値を参照することで最適なガイダンスを選択することができる。
【0071】
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係るプラント監視制御装置を含むプラント監視システムの構成例を示す模式図であって、図1に示した構成とは異なり、プラント監視制御装置20内にプラント情報生成部27を更に備えた構成となっている。
【0072】
ここで、プラント情報生成部27は、図11に示す如き、時刻情報と、当該時刻情報により示される時刻のプラントの状態を示すプラント状態情報とを含むプラント情報27aを生成し、当該生成したプラント情報27aを、例えば図示しないメモリ等に書込む機能をもっている。
【0073】
次に、以上のように構成されたプラント監視制御装置のプラント情報生成動作について、図11の模式図と、図12のフローチャートとを参照しながら説明する。但し、入力受付部24が、操作者の操作に応じて、検索画面G2内の検索条件欄の期間の項目に「09:30−10:30」の入力を受け付けたものと仮定する。
【0074】
始めに、プラント情報生成部27は、図示しない時計部から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得する(ステップS201)。ここでは、プラント情報生成部27は、現在時刻情報「10:15」を取得したものと仮定する。
【0075】
続いて、プラント情報生成部27は、当該取得した現在時刻情報により示される現在時刻より前の時刻を示す時刻情報をもち、かつ入力受付部24により受け付けた(すなわち、監視制御部26により検索条件として設定された)検索条件「09:30−10:30」により示される期間内の時刻を示す時刻情報をもつ履歴情報21aを履歴情報記憶部21から読出す(ステップS202)。ここでは、プラント情報生成部27は、時刻情報「09:59、10:00、10:01」をもつ履歴情報21aを履歴情報記憶部21から読出す。
【0076】
次に、プラント情報生成部27は、当該読出された履歴情報21aのうち、当該取得した現在時刻情報により示される現在時刻に最も近い時刻を示す時刻情報をもつ履歴情報21aを指定する(ステップS203)。ここでは、プラント情報生成部27は、時刻情報「10:01」をもつ履歴情報21aを指定する。
【0077】
続いて、プラント情報生成部27は、当該指定した履歴情報21a内の履歴内容情報に「アラーム回復」の旨を示す内容が含まれているか否かを判定する(ステップS204)。なお、アラーム回復の旨を示す内容が含まれているか否かを判定する方法としては、例えば「アラーム回復」をキーワードとして予め設定しておき、このキーワードが検出されるか否かを判定する判定方法等が適用可能である。
【0078】
ステップS204の判定の結果が含まれている旨を示す場合(ステップS204:「Yes」)には、プラント情報生成部27は、当該指定した履歴情報21a内の時刻情報「10:01」により示される時刻を含む期間情報をもつ状態情報23aを状態情報記憶部23から読出す(ステップS205)。ここでは、プラント情報生成部27は、期間情報「09:30−10:10」をもつ状態情報23aを状態情報記憶部23から読出す。
【0079】
なお、ステップS204の判定の結果が否を示す場合(ステップS204:「No」)には、後述するステップS207の処理に進む。
【0080】
次に、プラント情報生成部27は、当該指定した履歴情報21a内の時刻情報「10:01」と、当該読出された状態情報23a内の発生アラーム情報により示されるアラーム(すなわち、「アラームA、アラームB」)のうち、ステップS204において検出されたキーワードに含まれるアラーム(すなわち、「アラームA」)を除くアラーム「アラームB」を示すプラント状態情報とを含むプラント情報27aを生成する(ステップS206)。
【0081】
続いて、プラント情報生成部27は、当該読出された履歴情報21a内に当該指定した履歴情報を除く履歴情報が含まれているか否かを判定する(ステップS207)。なお、ステップS207の判定の結果が否を示す場合(ステップS207:「No」)には、プラント監視制御装置20でのプラント情報生成動作を終了させる。
【0082】
ステップS207の判定の結果が含まれている旨を示す場合(ステップS207:「Yes」)には、ステップS203の処理に戻る。
【0083】
なお、プラント情報27aは、プラント情報生成部27によって生成される度に、プラント情報生成部27によって図示しないメモリ等に書込まれる。また、プラント情報生成動作は、検索画面G2内の検索ボタンg2が押下されると(すなわち、入力受付部24が検索ボタンの押下を示す入力を受け付けると)実行され、プラント情報生成部27により生成されるプラント情報27aは、検索結果画面G3内の検索結果を示す状態情報と共に表示装置40に表示させてもよい。
【0084】
以上説明した第2の実施形態によれば、プラント情報27aを生成するプラント情報生成部27を備えた構成により、必要なガイダンスを操作者に通知するためのガイダンス登録作業をより円滑に進めることができる。
【0085】
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に係るプラント監視制御装置を含むプラント監視システムの構成例を示す模式図であって、図1及び図10に示す構成とは異なり、プラント監視制御装置20内に履歴実行部28を更に備えた構成となっている。
【0086】
ここで、履歴実行部28は、監視制御部26により検索(抽出)された状態情報23a内の履歴情報内の履歴内容情報に示される制御値情報の変化に一致するように、現在の制御値情報に対する制御処理を実行する機能をもっている。
【0087】
次に、以上のように構成されたプラント監視制御装置の履歴実行動作について、図14のフローチャート参照しながら説明する。但し、入力受付部24が、操作者の操作に応じて、検索画面G2内の検索条件欄の期間の項目に「09:30−10:30」の入力を受け付けたものと仮定する。また、監視制御部26が、当該受け付けた入力値を検索条件として設定し、検索処理を実行したものと仮定する。
【0088】
始めに、履歴実行部28は、監視制御部26により検索(抽出)された状態情報23a内の履歴情報を読出す(ステップS301)。ここでは、履歴実行部28は、図8に一例を示すように、履歴情報「09:59 タグA アラームA発生、10:00 タグA パラメータ変更 現在値90→50、10:01 タグA アラームA回復」を読出す。
【0089】
次に、履歴実行部28は、当該読出された履歴情報のうち、最も早い時刻を示す時刻情報をもつ履歴情報を指定する(ステップS302)。ここでは、履歴実行部28は、時刻情報「09:59」をもつ履歴情報「09:59 タグA アラームA発生」を指定する。
【0090】
続いて、履歴実行部28は、当該指定された履歴情報に示される履歴内容がコントローラ10により管理される各制御値を制御する旨を示す履歴内容であるか否かを判定する(ステップS303)。なお、ステップS303の判定の結果が否を示す場合(ステップS303:「No」)には、後述するステップS305の処理に進む。
【0091】
なお、各制御値を制御する旨を示す履歴内容であるか否かを判定する方法としては、例えば「パラメータ変更」をキーワードとして予め設定しておき、このキーワードが検出されるか否かを判定する判定方法等が適用可能である。
【0092】
ステップS303の判定の結果が各制御値を制御する旨を示す履歴内容である場合(ステップS303:「Yes」)には、履歴実行部28は、当該指定した履歴情報に示される制御処理を実行する(ステップS304)。
【0093】
次に、履歴実行部28は、当該読出された履歴情報内に当該指定した履歴情報を除く履歴情報が含まれているか否かを判定する(ステップS305)。なお、ステップS305の判定の結果が否を示す場合(ステップS305:「No」)には、プラント監視制御装置20での履歴実行動作を終了する。
【0094】
ステップS305の判定の結果が含まれている旨を示す場合(ステップS305:「Yes」)には、ステップS302の処理に戻る。
【0095】
以上説明した第3の実施形態によれば、状態情報23a内の履歴情報に示される制御処理を実行する履歴実行部28を備えた構成により、プラントの制御状態を回復させるために必要となる一連の制御処理を実行することができる。
【0096】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、必要なガイダンスを予め登録するための登録作業を支援し、かつ、アラーム適合率及びガイダンス適合率を計算する監視制御部26を備えた構成により、同時多発的にアラームが発せられる場合に、プラントの制御状態を回復させるために必要となるガイダンスを操作者に通知し、かつ、操作者が当該通知されるガイダンスから最適なガイダンスを選択することができる。
【0097】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1…プラント監視システム、10…コントローラ、11…タグデータ記憶部、12…管理部、20…プラント監視制御装置、21…履歴情報記憶部、21a…履歴情報、22…ガイダンス情報記憶部、22a…ガイダンス情報、23…状態情報記憶部、23a…状態情報、24…入力受付部、25…表示部、26…監視制御部、27…プラント情報生成部、28…履歴実行部、30…入力装置、40…表示装置、G1…登録画面、G2…検索画面、G3…検索結果画面、G4…計算結果画面、g1…登録ボタン、g2…検索ボタン、g3…実行ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの制御状態が異常であるか否かをコントローラが判定するための複数の制御値を示す制御値情報と、前記制御状態が異常であると判定されたときに前記コントローラが発生する複数のアラームのうち、現在、発生中のアラームを示すアラーム情報とを含む複数のタグデータを管理及び通知する前記コントローラに接続するプラント監視制御装置であって、
時刻情報と、前記管理された各タグデータ内の制御値情報及びアラーム情報がどのように変化したかを示す履歴内容情報とを含む履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、
前記制御状態が異常である期間を示す期間情報と、当該期間情報により示される期間に前記発生したアラームを示す発生アラーム情報とを含む状態情報を記憶する状態情報記憶手段と、
操作者の操作に応じて、前記期間情報を前記状態情報記憶手段に書込む手段と、
前記期間情報が前記状態情報記憶手段に書込まれると、前記通知された各タグデータ内のアラーム情報を前記発生アラーム情報として前記状態情報記憶手段に書込み、かつ当該期間情報により示される期間内の時刻を示す時刻情報をもつ履歴情報を前記履歴情報記憶手段から読出し、当該読出された履歴情報内の履歴内容情報により新たに発生するように変化した旨が示されるアラームを前記発生アラーム情報として前記状態情報記憶手段に書込む手段と、
前記記憶された状態情報に含まれる情報のうち、少なくとも1つの情報の値を検索条件として設定する手段と、
前記設定された検索条件に基づいて、当該検索条件に一致する状態情報を前記状態情報記憶手段から読出す手段と、
前記通知された各タグデータ内のアラーム情報の数と、前記読出された状態情報内の発生アラーム情報により示されるアラームの数と、当該アラーム情報により示されるアラーム及び当該発生アラーム情報により示されるアラームのうちの互いに一致するアラームの数とに基づいてアラーム適合率を計算する手段と、
前記計算されたアラーム適合率を表示させる手段と、
ガイダンスID情報と、前記アラームの組合せを示す条件情報と、前記アラーム情報が当該条件情報により示されるアラームの組合せに一致するときに、操作者に通知するガイダンスの内容を示すガイダンス内容情報とを含むガイダンス情報を記憶するガイダンス情報記憶手段と、
前記書込まれた発生アラーム情報により示されるアラームに一致するアラームの組合せを前記条件情報としてもつガイダンス情報を前記ガイダンス情報記憶手段から読出し、当該読出されたガイダンス情報内のガイダンスID情報を発生ガイダンス情報として前記状態情報記憶手段に書込む手段と、
前記読出されたガイダンス情報に含まれるガイダンス内容情報を表示させることにより、当該ガイダンス内容情報を前記操作者に通知する手段と、
前記操作者に通知されているガイダンス内容情報をもつガイダンス情報の数と、前記読出された状態情報内の発生ガイダンス情報により示されるガイダンスの数と、当該ガイダンス情報内のガイダンスID情報及び当該発生ガイダンス情報により示されるガイダンスID情報のうちの互いに一致するガイダンスID情報の数とに基づいてガイダンス適合率を計算する手段と、
前記計算されたガイダンス適合率を表示させる手段と
を備えたことを特徴とするプラント監視制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラント監視制御装置において、
現在の時刻を示す現在時刻情報を取得する手段と、
操作者の操作に応じて、検索対象の期間を示す期間検索条件を設定する手段と、
前記取得した現在時刻情報により示される時刻より前の時刻を示す時刻情報をもち、かつ前記期間検索条件により示される期間内の時刻を示す時刻情報をもつ履歴情報を前記履歴情報記憶手段から読出す手段と、
当該読出された履歴情報のうち、当該取得した現在時刻情報により示される時刻に最も近い時刻を示す時刻情報をもつ履歴情報を指定する指定手段と、
当該指定した履歴情報内の履歴内容情報にアラームが回復した旨を示すキーワードが含まれているか否かを判定する判定手段と、
この判定の結果が含まれている旨を示す場合には、当該指定した履歴情報内の時刻情報により示される時刻を含む期間情報をもつ状態情報を前記状態情報記憶手段から読出す読出手段と、
当該指定した履歴情報内の時刻情報と、当該読出された状態情報内の発生アラーム情報により示されるアラームのうち、前記判定により含まれたキーワードに含まれるアラームを除くアラームを示すプラント状態情報とを含むプラント情報を生成する生成手段と、
当該読出された履歴情報内に当該指定した履歴情報を除く履歴情報が含まれているか否かを判定し、この判定の結果、当該履歴情報が含まれているとき、当該履歴情報が含まれていないと判定されるまで、前記指定手段、前記判定手段、前記読出手段及び前記生成手段を繰り返し実行させる手段と、
を更に備えたことを特徴とするプラント監視制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載のプラント監視制御装置において、
前記読出された履歴情報を前記状態情報記憶手段に書込む手段と、
前記書込まれた状態情報内の履歴情報内の履歴内容情報に示される制御値情報の変化に一致するように、現在の制御値情報に対する制御処理を実行する手段と
を更に備えたことを特徴とするプラント監視制御装置。
【請求項4】
プラントの制御状態が異常であるか否かをコントローラが判定するための複数の制御値を示す制御値情報と、前記制御状態が異常であると判定されたときに前記コントローラが発生する複数のアラームのうち、現在、発生中のアラームを示すアラーム情報とを含む複数のタグデータを管理及び通知する前記コントローラに接続し、時刻情報と、前記管理された各タグデータ内の制御値情報及びアラーム情報がどのように変化したかを示す履歴内容情報とを含む履歴情報を記憶する履歴情報記憶部と、前記制御状態が異常である期間を示す期間情報と、当該期間情報により示される期間に前記発生したアラームを示す発生アラーム情報とを含む状態情報を記憶する状態情報記憶部と、ガイダンスID情報と、前記アラームの組合せを示す条件情報と、前記アラーム情報が当該条件情報により示されるアラームの組合せに一致するときに、操作者に通知するガイダンスの内容を示すガイダンス内容情報とを含むガイダンス情報を記憶するガイダンス情報記憶部とを備えるプラント監視制御装置が実行するプラント監視制御方法であって、
操作者の操作に応じて、前記期間情報を前記状態情報記憶部に書込む工程と、
前記期間情報が前記状態情報記憶部に書込まれると、前記通知された各タグデータ内のアラーム情報を前記発生アラーム情報として前記状態情報記憶部に書込み、かつ当該期間情報により示される期間内の時刻を示す時刻情報をもつ履歴情報を前記履歴情報記憶部から読出し、当該読出された履歴情報内の履歴内容情報により新たに発生するように変化した旨が示されるアラームを前記発生アラーム情報として前記状態情報記憶部に書込む工程と、
前記記憶された状態情報に含まれる情報のうち、少なくとも1つの情報の値を検索条件として設定する工程と、
前記設定された検索条件に基づいて、当該検索条件に一致する状態情報を前記状態情報記憶部から読出す工程と、
前記通知された各タグデータ内のアラーム情報の数と、前記読出された状態情報内の発生アラーム情報により示されるアラームの数と、当該アラーム情報により示されるアラーム及び当該発生アラーム情報により示されるアラームのうちの互いに一致するアラームの数とに基づいてアラーム適合率を計算する工程と、
前記計算されたアラーム適合率を表示させる工程と、
前記書込まれた発生アラーム情報により示されるアラームに一致するアラームの組合せを前記条件情報としてもつガイダンス情報を前記ガイダンス情報記憶部から読出し、当該読出されたガイダンス情報内のガイダンスID情報を発生ガイダンス情報として前記状態情報記憶部に書込む工程と、
前記読出されたガイダンス情報に含まれるガイダンス内容情報を表示させることにより、当該ガイダンス内容情報を前記操作者に通知する工程と、
前記操作者に通知されているガイダンス内容情報をもつガイダンス情報の数と、前記読出された状態情報内の発生ガイダンス情報により示されるガイダンスの数と、当該ガイダンス情報内のガイダンスID情報及び当該発生ガイダンス情報により示されるガイダンスID情報のうちの互いに一致するガイダンスID情報の数とに基づいてガイダンス適合率を計算する工程と、
前記計算されたガイダンス適合率を表示させる工程と
を備えたことを特徴とするプラント監視制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−50819(P2013−50819A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187875(P2011−187875)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】