プレキャストブロック製作台調整装置
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば橋梁のプレキャストブロック工法に使用するプレキャストブロックをショートライン方式によって連続配置に製造する際に用いるプレキャストブロック製作台調整装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、プレキャストブロック工法用のショートライン方式によるコンクリートブロック製造に際しては、図３に示すようにレール１上を移動できる搬送用台車２上に、油圧ジャッキ３を介してブロック製作台４を支持させ、その製作台４上に型枠６を組み、コンクリートを打設して成形するようにしており、型枠６の組み立てに際し、その前端側の型面として先に製造した既成形ブロック５の後端面を使用し、既成形ブロック５の上下、水平方向の角度及び高さを調整し、後続成形ブロックとの相対位置を予め決めることによって、隣り合うブロック間を所望の角度となすようにしている。
【０００３】この既成形ブロック５の位置調整は、従来、縦向きの油圧ジャッキ３により高さ及び上下方向の角度を調整し、水平方向の角度の調整は、ブロック５をジャッキ等を使用して行っていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の既成形ブロックの調整方法では、後成形ブロック用型枠と既成形ブロックとの相対関係を測量し、その値に基づいて、水平方向の角度調整に必要な位置に、ジャッキ等を設置して操作するものであるため、作業性が悪く、多くの労力を要するとともに、重量物の移動であるため、危険度が高いという問題があった。
【０００５】本発明は、このような従来の問題にかんがみ、遠隔操作により作業者の労力を軽減し、容易、かつ迅速に既成形ブロックの調整作業をなし得るプレキャストブロック製作台調整装置の提供を目的としてなされたものである。
【０００６】
【課題を達成するための手段】上述の如き問題を解決し、所期の目的を達成するための本発明の要旨とするところは、先にコンクリート打設成形された既成形ブロックの後端面を後に成形される後続成形ブロックの型枠面として順次成形するショートライン方式におけるプレキャストブロックの製造に際し、既成形ブロックを載置して、その位置を調整するプレキャストブロック製作台調整装置において、基台中央部上面に水平方向に滑動自在な支承体を備え、該支承体上に半球座を介して全周方向に揺動自在にブロック製作台の中央部分を支持させ、該ブロック製作台の周縁部と前記基台間にブロック製作台の上下方向の角度調整用の複数の縦向きジャッキを介在させ、かつ、前記基台と支承体間に、該支承体の水平移動調整用の複数の横向きジャッキを備えたことを特徴としてなるプレキャストブロック製作台調整装置に存する。
【０００７】
【作用】本発明のプレキャストブロック製作台調整装置は、ブロック製作台周縁部下の縦向きジャッキの操作によってブロック製作台の上下方向の傾きが調整でき、水平移動操作用の横向きジャッキの操作によってブロック製作台の水平方向の位置及び向きの調整ができる。
【０００８】
【実施例】次に本発明の実施の一例を図１〜図２について説明する。
【０００９】図において、１０はレールであり、１１はレール上に移動する台車である。台車１１の上面が基台１２となっており、その基台１２上の中央に表面が平滑なテフロン板からなる支承面１３が設置され、その支承面上に支承体１４が水平方向に滑動自在に載置されている。
【００１０】支承体１４の周囲の基台上面には複数のジャッキ支持部１５ａ〜１５ｄが突設され、この各支持部１５ａ〜１５ｄと支承体１４の側面との間に横向きジャッキ１６ａ〜１６ｄがそれぞれの両端を回動自在に介在させている。
【００１１】支承体１４の上部に雄雌の半球座１７ａ，１７ｂを互いにスライド自在に嵌め合わせたユニバーサル支承１７が設けられ、その上にブロック製作台１８が支持されており、これによって３６０°の全周方向に揺動できるようになっている。ブロック製作台１８の周縁の四角部下面と基台１２の上面との間には、それぞれ縦向き油圧ジャッキ１９ａ〜１９ｄが両端をそれぞれ回動自在に介在されている。
【００１２】このように構成されるプレキャストブロック製作台調整装置は、ブロック製作台１８上に既成形ブロック２０を載せ、縦向き油圧ジャッキ１９ａ〜１９ｄを伸縮操作させることによってブロック製作台１８の上下方向の傾きが調整される。また、横向き油圧ジャッキ１６ａ〜１６ｂを伸縮操作することにより、支承体１４とともにブロック製作台１８のＸ，Ｙ軸方向の水平移動及び水平方向の角度が調整される。
【００１３】
【発明の効果】上述したように本発明のプレキャストブロック製作台調整装置においては、ブロック製作台を半球座を介して揺動自在に支承させ、縦向きのジャッキによって上下方向の角度調整ができるようにするとともに、横向きジャッキによって水平方向の角度及び位置の調整ができるようにしたことにより、従来のように作業者によるジャッキ等の運搬、設置の作業を要することなく遠隔操作によって調整を行うことができるため、作業性良く、少ない労力で簡単に操作し得ることとなったものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一例を示す平面図である。
【図２】同上の縦断正面図である。
【図３】従来例の縦断側面図である。
【符号の説明】
１０ レール
１１ 台車
１２ 基台
１３ 支承面
１４ 支承体
１５ａ〜１５ｄ ジャッキ支持部
１６ａ〜１６ｄ 横向きジャッキ
１７ ユニバーサル支承
１７ａ，１７ｂ 雄雌の半球座
１８ ブロック製作台
１９ａ〜１９ｄ 縦向き油圧ジャッキ
２０ 既成形ブロック
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば橋梁のプレキャストブロック工法に使用するプレキャストブロックをショートライン方式によって連続配置に製造する際に用いるプレキャストブロック製作台調整装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、プレキャストブロック工法用のショートライン方式によるコンクリートブロック製造に際しては、図３に示すようにレール１上を移動できる搬送用台車２上に、油圧ジャッキ３を介してブロック製作台４を支持させ、その製作台４上に型枠６を組み、コンクリートを打設して成形するようにしており、型枠６の組み立てに際し、その前端側の型面として先に製造した既成形ブロック５の後端面を使用し、既成形ブロック５の上下、水平方向の角度及び高さを調整し、後続成形ブロックとの相対位置を予め決めることによって、隣り合うブロック間を所望の角度となすようにしている。
【０００３】この既成形ブロック５の位置調整は、従来、縦向きの油圧ジャッキ３により高さ及び上下方向の角度を調整し、水平方向の角度の調整は、ブロック５をジャッキ等を使用して行っていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の既成形ブロックの調整方法では、後成形ブロック用型枠と既成形ブロックとの相対関係を測量し、その値に基づいて、水平方向の角度調整に必要な位置に、ジャッキ等を設置して操作するものであるため、作業性が悪く、多くの労力を要するとともに、重量物の移動であるため、危険度が高いという問題があった。
【０００５】本発明は、このような従来の問題にかんがみ、遠隔操作により作業者の労力を軽減し、容易、かつ迅速に既成形ブロックの調整作業をなし得るプレキャストブロック製作台調整装置の提供を目的としてなされたものである。
【０００６】
【課題を達成するための手段】上述の如き問題を解決し、所期の目的を達成するための本発明の要旨とするところは、先にコンクリート打設成形された既成形ブロックの後端面を後に成形される後続成形ブロックの型枠面として順次成形するショートライン方式におけるプレキャストブロックの製造に際し、既成形ブロックを載置して、その位置を調整するプレキャストブロック製作台調整装置において、基台中央部上面に水平方向に滑動自在な支承体を備え、該支承体上に半球座を介して全周方向に揺動自在にブロック製作台の中央部分を支持させ、該ブロック製作台の周縁部と前記基台間にブロック製作台の上下方向の角度調整用の複数の縦向きジャッキを介在させ、かつ、前記基台と支承体間に、該支承体の水平移動調整用の複数の横向きジャッキを備えたことを特徴としてなるプレキャストブロック製作台調整装置に存する。
【０００７】
【作用】本発明のプレキャストブロック製作台調整装置は、ブロック製作台周縁部下の縦向きジャッキの操作によってブロック製作台の上下方向の傾きが調整でき、水平移動操作用の横向きジャッキの操作によってブロック製作台の水平方向の位置及び向きの調整ができる。
【０００８】
【実施例】次に本発明の実施の一例を図１〜図２について説明する。
【０００９】図において、１０はレールであり、１１はレール上に移動する台車である。台車１１の上面が基台１２となっており、その基台１２上の中央に表面が平滑なテフロン板からなる支承面１３が設置され、その支承面上に支承体１４が水平方向に滑動自在に載置されている。
【００１０】支承体１４の周囲の基台上面には複数のジャッキ支持部１５ａ〜１５ｄが突設され、この各支持部１５ａ〜１５ｄと支承体１４の側面との間に横向きジャッキ１６ａ〜１６ｄがそれぞれの両端を回動自在に介在させている。
【００１１】支承体１４の上部に雄雌の半球座１７ａ，１７ｂを互いにスライド自在に嵌め合わせたユニバーサル支承１７が設けられ、その上にブロック製作台１８が支持されており、これによって３６０°の全周方向に揺動できるようになっている。ブロック製作台１８の周縁の四角部下面と基台１２の上面との間には、それぞれ縦向き油圧ジャッキ１９ａ〜１９ｄが両端をそれぞれ回動自在に介在されている。
【００１２】このように構成されるプレキャストブロック製作台調整装置は、ブロック製作台１８上に既成形ブロック２０を載せ、縦向き油圧ジャッキ１９ａ〜１９ｄを伸縮操作させることによってブロック製作台１８の上下方向の傾きが調整される。また、横向き油圧ジャッキ１６ａ〜１６ｂを伸縮操作することにより、支承体１４とともにブロック製作台１８のＸ，Ｙ軸方向の水平移動及び水平方向の角度が調整される。
【００１３】
【発明の効果】上述したように本発明のプレキャストブロック製作台調整装置においては、ブロック製作台を半球座を介して揺動自在に支承させ、縦向きのジャッキによって上下方向の角度調整ができるようにするとともに、横向きジャッキによって水平方向の角度及び位置の調整ができるようにしたことにより、従来のように作業者によるジャッキ等の運搬、設置の作業を要することなく遠隔操作によって調整を行うことができるため、作業性良く、少ない労力で簡単に操作し得ることとなったものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一例を示す平面図である。
【図２】同上の縦断正面図である。
【図３】従来例の縦断側面図である。
【符号の説明】
１０ レール
１１ 台車
１２ 基台
１３ 支承面
１４ 支承体
１５ａ〜１５ｄ ジャッキ支持部
１６ａ〜１６ｄ 横向きジャッキ
１７ ユニバーサル支承
１７ａ，１７ｂ 雄雌の半球座
１８ ブロック製作台
１９ａ〜１９ｄ 縦向き油圧ジャッキ
２０ 既成形ブロック
【特許請求の範囲】
【請求項１】 先にコンクリート打設成形された既成形ブロックの後端面を後に成形される後続成形ブロックの型枠面として順次成形するショートライン方式におけるプレキャストブロックの製造に際し、既成形ブロックを載置して、その位置を調整するプレキャストブロック製作台調整装置において、基台中央部上面に水平方向に滑動自在な支承体を備え、該支承体上に半球座を介して全周方向に揺動自在にブロック製作台の中央部分を支持させ、該ブロック製作台の周縁部と前記基台間にブロック製作台の上下方向の角度調整用の複数の縦向きジャッキを介在させ、かつ、前記基台と支承体間に、該支承体の水平移動調整用の複数の横向きジャッキを備えたことを特徴としてなるプレキャストブロック製作台調整装置。
【請求項１】 先にコンクリート打設成形された既成形ブロックの後端面を後に成形される後続成形ブロックの型枠面として順次成形するショートライン方式におけるプレキャストブロックの製造に際し、既成形ブロックを載置して、その位置を調整するプレキャストブロック製作台調整装置において、基台中央部上面に水平方向に滑動自在な支承体を備え、該支承体上に半球座を介して全周方向に揺動自在にブロック製作台の中央部分を支持させ、該ブロック製作台の周縁部と前記基台間にブロック製作台の上下方向の角度調整用の複数の縦向きジャッキを介在させ、かつ、前記基台と支承体間に、該支承体の水平移動調整用の複数の横向きジャッキを備えたことを特徴としてなるプレキャストブロック製作台調整装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【特許番号】第２５３８５０６号
【登録日】平成８年（１９９６）７月８日
【発行日】平成８年（１９９６）９月２５日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平５−１９９０６５
【出願日】平成５年（１９９３）７月１６日
【公開番号】特開平７−３２３４４
【公開日】平成７年（１９９５）２月３日
【出願人】（０００１１２１９６）株式会社ピー・エス (181)
【参考文献】
【文献】特開昭６４−５５２０７（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭６２−１９１１０５（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開平４−２０１５１６（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭６２−２８２０５（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭６１−２４４１０（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭５０−３３２１６（ＪＰ，Ａ）
【登録日】平成８年（１９９６）７月８日
【発行日】平成８年（１９９６）９月２５日
【国際特許分類】
【出願日】平成５年（１９９３）７月１６日
【公開番号】特開平７−３２３４４
【公開日】平成７年（１９９５）２月３日
【出願人】（０００１１２１９６）株式会社ピー・エス (181)
【参考文献】
【文献】特開昭６４−５５２０７（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭６２−１９１１０５（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開平４−２０１５１６（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭６２−２８２０５（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭６１−２４４１０（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭５０−３３２１６（ＪＰ，Ａ）
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