説明

プレス機械のスライドガイド装置とそのギブ位置調節方法

【課題】感覚的な作業に拠ることなくギブ位置調節を行えるスライドガイド装置とギブ位置調節方法を提案する。
【解決手段】スライドガイド装置10は、コラムに取り付けられるギブ11と、ギブの案内面11aと対向するスライド5の摺動面5aに取り付けられるライナー12と、ギブを摺動面へ向け押圧するギブ位置調節機構13aを有し、ギブの背面11bを支持するようにコラムに取り付けられるギブ受け13と、コラムに装着され、ギブに形成された測定部11eの変位を測定する測定器17と、を含んで構成される。ギブ位置調節時、まず、ライナー12と案内面11aとが当接するようにギブ11及びギブ受け13をコラムに取り付け、そして、測定器17の測定値に基づいてギブ位置調節機構13aによる押圧力を調節し、案内面とライナーのランドとの間に所定の間隔を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
プレス機械のスライドガイド、特に、摺動型のスライドガイドに関する技術が以下に開示される。
【背景技術】
【0002】
ベッドに立設したコラムの間にスライドを上下往復運動可能に摺動支持すると共に、コラム上に設置したクラウン内の駆動機構によりスライドを駆動して上下動させるプレス機械が、金属薄板等のワークの成形加工に使用される。加工のための上下金型は、下金型がベッド上のボルスタに固定され、上金型がスライド下に固定される。機械式のプレス機械の場合、スライドは、クランクシャフト式やエキセントリックシャフト式等の駆動機構により駆動される。
【0003】
このプレス機械においてスライドは、その四隅がスライドガイド装置に摺接して案内され、往復運動する。摺動型のスライドガイド装置は、コラムに取り付けられて案内面を形成するギブ(ジブ)と、該ギブの案内面と対向するスライドの摺動面に取り付けられたライナーと、を含んで構成される。当該摺動型のプレス装置の中でも、静圧ガイドと呼ばれるスライドガイド装置は、ライナーに油圧ポケットが形成され、該油圧ポケットに作動油を高圧供給することによって、油圧でライナーをギブから僅かに浮上させた状態で動作する。
【0004】
特に、この静圧ガイドタイプのスライドガイド装置の場合、ライナーのランドとギブとの間隔が重要で、広いと油圧ポケットの作動油が流出し、狭いと(密着していると)焼き付きを生じ得るために、ギブの固定位置に精度が要求される。最適には、ギブとランドとの間隔(リフト量や浮き上がり量と呼ばれる)は、その隙間から作動油が若干漏れ出し潤滑油として作用する程度の数μm〜十数μmに設定するのが好ましい。なお、ライナーのランドは、油圧ポケット以外の部分であり、ギブの案内面と対面する平坦部分である。
【0005】
ギブ位置を調節するための機構に関して、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたギブ位置調節機構は、ギブの背面に形成した小勾配面と当接する楔面をもつバックアップロックを備えたものである。バックアプロックを調整ネジで締め込むと、楔面と小勾配面の作用によりギブがスライドの摺動面の方へ押圧され、ギブの位置が微調節される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−066399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の段落0013〜0015に記載されているように、従来のスライドガイド装置でギブ位置を調節する場合、調整ネジの回転操作力増大を感じ取り、そして隙間ゲージを差し入れてリフト量を計測し、一度計測する度に調整ネジを締めたり緩めたりするといった、熟練を要する感覚的な作業を伴う。
この点に着目して本発明は、感覚的な作業に拠ることなくギブ位置調節を行えるスライドガイド装置とギブ位置調節方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に対して提案する第1の態様のスライドガイド装置は、ベッドに立設したコラムの間にスライドを上下往復運動可能に摺動支持すると共に、前記コラムに固定したクラウン内の駆動機構によりスライドを駆動して上下動させるプレス機械のスライドガイド装置であって、
前記コラムに取り付けられるギブと、
油圧ポケットを有し、前記ギブの案内面と対向する前記スライドの摺動面に取り付けられるライナーと、
前記ギブを前記摺動面へ向け押圧するギブ位置調節機構を有し、前記案内面とは反対側の前記ギブの背面を支持するように前記コラムに取り付けられるギブ受けと、
前記コラムに装着され、前記ギブの少なくとも2箇所に形成された測定部の変位を測定する測定器と、
を含んで構成されるスライドガイド装置である。
【0009】
この第1の態様のスライドガイド装置のギブ位置調節方法として、
前記コラム間に前記スライドを配置し、当該スライドの摺動面に取り付けられている前記ライナーと前記ギブの案内面とが当接するように、前記ギブ及び前記ギブ受けを前記コラムに取り付け、
そして、前記測定器の測定値に基づいて前記ギブ位置調節機構による押圧力を調節し、前記案内面と前記ライナーのランドとの間に所定の間隔を設定する、ギブ位置調節方法を提案する。
【0010】
上記課題に対して提案する第2の態様のスライドガイド装置は、ベッドに立設したコラムの間にスライドを上下往復運動可能に摺動支持すると共に、前記コラムに固定したクラウン内の駆動機構によりスライドを駆動して上下動させるプレス機械のスライドガイド装置であって、
前記コラムに取り付けられるギブと、
油圧ポケットを有し、前記ギブの案内面と対向する前記スライドの摺動面に取り付けられるライナーと、
前記ギブを前記摺動面へ向け押圧するギブ位置調節機構を有し、前記案内面とは反対側の前記ギブの背面を支持するように前記コラムに取り付けられるギブ受けと、
前記ライナーのランド内の少なくとも2箇所に設けられ、前記案内面までの距離を測定する非接触式測定器と、
を含んで構成されるスライドガイド装置である。
【0011】
この第2の態様のスライドガイド装置のギブ位置調節方法として、
前記コラム間に前記スライドを配置し、当該スライドの摺動面に取り付けられている前記ライナーと前記ギブの案内面とが当接するように、前記ギブ及び前記ギブ受けを前記コラムに取り付け、
そして、前記非接触式測定器の測定値に基づいて前記ギブ位置調節機構による押圧力を調節し、前記案内面と前記ライナーのランドとの間に所定の間隔を設定する、ギブ位置調節方法を提案する。
【発明の効果】
【0012】
上記提案に係るスライドガイド装置及びギブ位置調節方法によれば、ギブの変位を測定する測定器又はライナーから案内面までの距離を測定する非接触式測定器を備えたことにより、その測定値に基づいて、従来のような感覚的な作業に拠ることなく、ギブ位置調節を行える。また、ギブ位置を調節する際、一度、スライド摺動面のライナーにギブの案内面を当接させた状態でギブ及びギブ受けを組み立て、この位置を基準として、前記測定器の測定値に従いギブ位置を調節することにより、従来のような感覚的な作業に拠ることなくギブ位置調節を行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】プレス機械の一例を概略的に示した図。
【図2】スライドガイド装置の実施形態を上方から見て示す一部断面を含む図。
【図3】スライドガイド装置の実施形態を側方から見て示す図。
【図4】実施形態に係るスライド摺動面のライナーを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に側方から見て示すように、一例としてプレス機械は、ベッド1にコラム2を立設し、該コラム2の上にクラウン3を設置したフレーム構造を有する。ベッド1の上には、下金型を固定するボルスタ4が載置される。タイロッドを内包するコラム2は、ベッド1の上面四隅に4本立設されており、このコラム2の間にスライド5が摺動支持される。クラウン3の内部には、クランクシャフト式、エキセントリックシャフト式などの図示せぬ駆動機構が設けられ、スライド5を上下に往復運動させる。本実施形態のプレス機械は、長尺のワークを成形加工するもので、左右に長く、前後の奥行きは短い。スライド5を駆動機構に連接する連接具6は、例えば、スライド5の長手方向である左右方向で互いに離れた2箇所に設けられる。
【0015】
各コラム2の内側にはスライドガイド装置10が設けられており、スライド5の角部がスライドガイド装置10に案内されることで、スライド5が上下に摺動する。各コラム2に設けられた計4箇所のスライドガイド装置10は同構成であり、図2〜図4に示すように、長手方向であるスライド左右方向の摺動案内のために、コラム2に取り付けられるギブ11と、このギブ11の案内面11aと対向するスライド5の摺動面5aに取り付けられるライナー12と、案内面11aとは反対側のギブ背面11bを支持するようにコラム2に取り付けられるギブ受け13と、を少なくとも含んで構成されている。
【0016】
スライド5の摺動面5aは、スライド5の四隅に上下方向へ延長された角材状の摺動面部材5bにおいて、左右方向の端面に形成されている。本実施形態の摺動面部材5bの場合はさらに、左右方向と直交する前後方向の端面にも摺動面5cが形成され、ライナー14が取り付けられる。ライナー14に対しては、スライド前後方向の摺動案内のために設けられたギブ15の案内面15aが対面する。ギブ15において案内面15aとは反対側の背面15bは、ギブ受け16により支持される。ギブ受け16は、背面15bからギブ15を摺動面5cへ向け押圧する押圧ネジ16aを備え、ギブ15の位置を調節可能である。すなわち、押圧ネジ16aは、ギブ受け16に螺合して貫通し、先端がギブ15の背面15bに圧接しており、押圧ネジ16aを締め込むことで背面15bが押圧される。調節後の押圧ネジ16aは、押圧ネジ16aを貫通してギブ15に螺合する緩み止めネジ16bの締め込みにより、回転ロックされる。ギブ15はボルト15cによりコラム2に取り付けられ、一方、ギブ受け16は、コラム2に凹設された嵌合溝2aに嵌合させてボルト16cにより取り付けられる。本実施形態に係るスライド5は左右方向に長く前後方向には短いので、前後方向のギブ15にかかる動的荷重は左右方向のギブ11に比べ大幅に軽く、したがってスライド5の前後方向を摺動支持するギブ15に関しては、ライナー14との間隔精度が、左右方向のギブ11に関する程には要求されない。ただし、前後方向のギブ15及びギブ受け16についても、左右方向のギブ11及びギブ受け13と同じ構成を採用することが可能である。
【0017】
スライド左右方向のギブ11は、ボルト11cによってコラム2に取り付けられる。このボルト11cを通すギブ11のボルト孔は、一例として、ボルト11cの直径に対しプラスの公差をもつように形成される。ギブ11の背面11bには、傾斜面部11dが少なくとも部分的に突出し、ここに押圧を受ける。また、ギブ11には、金属片を表面に固定して背面11b側へ突出させることにより形成した測定部11eが設けられている。測定部11eを飛び出させるために、ギブ11よりもギブ受け13の背を低く設計してある。
【0018】
ギブ11を背面11bから支持するギブ受け13は、ギブ11を摺動面5aへ向け押圧するギブ位置調節機構を有する。このギブ位置調節機構の押圧力により、ボルト11cでコラム2に取り付けたギブ11を、μm単位で位置調整することができる。本実施形態のギブ位置調節機構は、楔駒13aと、楔駒13aに螺合して貫通する調整ネジ13bと、調整ネジ13bを貫通してコラム2に螺合する緩み止めネジ13cと、を含んで構成される。調整ネジ13bの先端はコラム2に当接する。
【0019】
楔駒13aは、ギブ受け13を上下方向で上半分と下半分とにわける中心線を対称軸にして、上下に同数ずつ設けられる。各楔駒13aは円柱状で、且つギブ11側の側部に、ギブ11の傾斜面部11dと面接触する楔面13dが形成されている。この楔面13dの傾斜はギブ11の傾斜面部11dの傾斜と合致する。また、楔面13dと反対側の側部は、ギブ受け13に凹設された半円状凹部13eに受け入れられ、支持される。このような楔駒13aは、調整ネジ13bを回転させると、該回転方向に応じて調整ネジ13bの軸方向に移動し、楔面13dが傾斜面部11dを押圧する。これによりギブ11が、ライナー12をもつ摺動面5aへ向け押圧される。なお、ギブ位置調節機構としては、楔駒を使用する他にも、偏芯ピンを使用するなど他の形態があり得る。ただし、μm単位での位置調節という点で考えると、本実施形態の楔駒式のギブ位置調節機構が適する。
【0020】
ギブ受け13は、コラム2に凹設された嵌合溝2bに嵌合させてボルト13fにより取り付けられる。また、ギブ受け13には、その背面側から貫通して反対側へ突出し、背面11bからギブ11に螺合する止めボルト13gが設けられる。止めボルト13gには調整ナット13hを螺合させてあり、これら止めボルト13g及び調整ナット13hにより、ギブ11とギブ受け13とを互いに組み付けることができる。
【0021】
ギブ11から背面側へ突出する測定部11eは、ギブ11を上下方向で上半分と下半分とにわける中心線を対称軸にして、上下に1つずつ設けられる。本実施形態では2つの場合を示すが、3以上設けて測定精度を向上させることもできる。測定部11eは、楔駒13aの間を通して、ギブ受け13の上方まで延設されている。そして、この測定部11eの先端に、測定器であるダイヤルゲージ17の測定子17aが接触し、測定部11eの変位が測定される。ダイヤルゲージ17は、ステー17bによってコラム2に装着されている。当該ダイヤルゲージ17は、μm単位で測定部11eの変位を測定する。
【0022】
スライド5の摺動面5aごとに、上下に分離して取り付けられるライナー12は、図4に示すように、それぞれ凹設された複数の油圧ポケット12aを有する。各油圧ポケット12aには、油路12bを通して作動油が高圧供給され、この油圧によりライナ12のランド12cが、案内面11aから浮き上がって摺動する。案内面11aからランド12cが浮き上がるリフト量を数μm〜十数μmに設定することにより、当該隙間に漏れ出す若干の作動油が摺動の潤滑油として機能する。この案内面11aとランド12cとの間隔設定が、以下に説明するように、ダイヤルゲージ17の測定値に基づいて楔駒13aによる押圧力を調節することによって、実行される。
【0023】
まず、連接具6により駆動機構に連接したスライド5がコラム2の間に配置される。当該スライド5の摺動面5a,5cにはライナー12,14がそれぞれ取り付けられている。そのライナー12,14に案内面11a,15aをそれぞれ当接させた状態で、ギブ11,15及びギブ受け13,16をコラム2に取り付ける。取り付け後、スライド前後方向のギブ15に関しては、ギブ受け16の押圧ネジ16aを緩める方向へ、予め決められた回数回転させることで、ライナー14と案内面15aとの間隔を設定する。設定後は緩み止めネジ16bを締め込んで押圧ネジ16aの回転をロックする。
【0024】
一方、ライナー12と案内面11aとを当接させた状態で取り付けたスライド左右方向のギブ11及びギブ受け13に関しては、ダイヤルゲージ17から得られる測定値に基づいて楔駒13aによる押圧力を調節し、案内面11aとライナー12のランド12cとの間に数μm〜十数μmの範囲の所定間隔を設定する。この楔駒13aによる押圧力の調節を行うにあたっては、油圧ポケット12bに作動油を通常通り供給し、稼働時の状況と同じ条件で実施すると良いが、作動油を供給しない状態で行っても良好な間隔設定は可能である。
【0025】
始めに、ライナー12と案内面11aとを当接させた状態のまま油圧ポケット12bへの作動油供給を開始し、当接を維持しているときのダイヤルゲージ17の測定値を読み取る。当該測定値が、楔駒13aの調整ネジ13bを回転させる前の基準値となる。基準値を読み取った後、各楔駒13aにつき調整ネジ13bを所定回数づつ回転させる。例えば、最初は、ギブ受け13の全楔駒13aの調整ネジ13bを同じ回転数(1回転や半回転など)だけ、緩める方向へ回転させる。これにより楔駒13aが移動し押圧力が低下するので、油圧ポケット12aの油圧に圧されるギブ11は、楔駒13aの移動で許容される分だけ背面11b側へ後退する。このギブ11の変位は、測定部11eを介して上下2箇所のダイヤルゲージ17により即時測定されるので、当該測定値に従い、各楔駒13aの調整ネジ13bをさらに適宜回転させて微調節していく。調節が終わったところで、緩み止めネジ13cを締め込んで、調整ネジ13bの回転をロックする。このように、ダイヤルゲージ17による測定値に基づいて、従来のような感覚的な作業に拠ることなく、ギブ位置調節を行うことができる。
【0026】
以上の例では、測定器としてダイヤルゲージ17を使用する形態を説明したが、非接触式測定器を利用する形態も可能である。図4に示すように、1つの摺動面5aに取り付けられるライナー12において、そのランド12c内の上下に離れた2箇所に、非接触式測定器として磁界式、光学式、音波式等の変位計18を設ける。当該変位計18により、案内面11aまでの距離を測定した測定値を得ることができるので、上記ダイヤルゲージ17の場合同様に、ランド12cと案内面11aとの間隔を即時測定しつつ、楔駒13aの調整ネジ13bを回転させてギブ位置調節を行うことができる。すなわち、始めにライナー12と案内面11aとを当接させた状態のまま油圧ポケット12bへの作動油供給を開始し、このときの変位計18の測定値を読み取って基準値とする。この後、変位計18の測定値を監視しつつ、各楔駒13aにつき調整ネジ13bを適宜回転させていく。
【符号の説明】
【0027】
1 ベッド
2 コラム
3 クラウン
4 ボルスタ
5 スライド
6 連接具
10 スライドガイド装置
11 ギブ
11a 案内面
11b 背面
11c ボルト
11d 傾斜面部
11e 測定部
12 ライナー
12a 油圧ポケット
12b 油路
12c ランド
13 ギブ受け
13a 楔駒
13b 調整ネジ
13c 緩み止めネジ
13d 楔面
13e 半円状凹部
13f ボルト
17 ダイヤルゲージ(測定器)
17a 測定子
17b ステー
18 変位計(非接触式測定器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドに立設したコラムの間にスライドを上下往復運動可能に摺動支持すると共に、前記コラムに固定したクラウン内の駆動機構によりスライドを駆動して上下動させるプレス機械のスライドガイド装置であって、
前記コラムに取り付けられるギブと、
油圧ポケットを有し、前記ギブの案内面と対向する前記スライドの摺動面に取り付けられるライナーと、
前記ギブを前記摺動面へ向け押圧するギブ位置調節機構を有し、前記案内面とは反対側の前記ギブの背面を支持するように前記コラムに取り付けられるギブ受けと、
前記コラムに装着され、前記ギブの少なくとも2箇所に形成された測定部の変位を測定する測定器と、
を含んで構成されるスライドガイド装置。
【請求項2】
請求項1記載のスライドガイド装置のギブ位置調節方法であって、
前記コラム間に前記スライドを配置し、当該スライドの前記摺動面に取り付けられている前記ライナーと前記ギブの案内面とが当接するように、前記ギブ及び前記ギブ受けを前記コラムに取り付け、
そして、前記測定器の測定値に基づいて前記ギブ位置調節機構による押圧力を調節し、前記案内面と前記ライナーのランドとの間に所定の間隔を設定する、ギブ位置調節方法。
【請求項3】
前記測定器の測定値に基づいて前記ギブ位置調節機構による押圧力を調節するときに、前記ライナーの油圧ポケットに作動油を供給する、請求項2記載のギブ位置調節方法。
【請求項4】
ベッドに立設したコラムの間にスライドを上下往復運動可能に摺動支持すると共に、前記コラムに固定したクラウン内の駆動機構によりスライドを駆動して上下動させるプレス機械のスライドガイド装置であって、
前記コラムに取り付けられるギブと、
油圧ポケットを有し、前記ギブの案内面と対向する前記スライドの摺動面に取り付けられるライナーと、
前記ギブを前記摺動面へ向け押圧するギブ位置調節機構を有し、前記案内面とは反対側の前記ギブの背面を支持するように前記コラムに取り付けられるギブ受けと、
前記ライナーのランド内の少なくとも2箇所に設けられ、前記案内面までの距離を測定する非接触式測定器と、
を含んで構成されるスライドガイド装置。
【請求項5】
請求項4記載のスライドガイド装置のギブ位置調節方法であって、
前記コラム間に前記スライドを配置し、当該スライドの前記摺動面に取り付けられている前記ライナーと前記ギブの案内面とが当接するように、前記ギブ及び前記ギブ受けを前記コラムに取り付け、
そして、前記非接触式測定器の測定値に基づいて前記ギブ位置調節機構による押圧力を調節し、前記案内面と前記ライナーのランドとの間に所定の間隔を設定する、ギブ位置調節方法。
【請求項6】
前記非接触式測定器の測定値に基づいて前記ギブ位置調節機構による押圧力を調節するときに、前記ライナーの油圧ポケットに作動油を供給する、請求項5記載のギブ位置調節方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−16730(P2012−16730A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155947(P2010−155947)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000105394)コータキ精機株式会社 (16)
【Fターム(参考)】